説明

販売管理システム及びプログラム

【課題】施設内での商品の購入に係る利便性を向上させることが可能な販売管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】施設内で小売される商品の販売管路を行う販売管理システムであって、前記施設の利用を許可された各利用者の顔画像と、前記施設を利用する上での前記各利用者の識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記商品を購入する利用者の顔画像を撮像する第1撮像手段と、前記第1撮像手段が撮像した顔画像と、前記記憶手段に記憶された顔画像とを照合し、前記第1撮像手段で顔画像が撮像された利用者の識別情報を前記記憶手段から特定する利用者特定手段と、前記利用者特定手段が特定した識別情報と関連付けて、購入の対象となった商品の販売に関する販売情報を前記記憶手段に記憶させる販売情報登録手段と、前記識別情報に関連付けて記憶された前記販売情報に基づいて、当該販売情報に係る商品の決済を行う決済手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置で撮像した人物の顔画像と、予め記憶された各人物の顔画像とを照合することで、この撮像装置で撮像された人物を特定する顔照合(顔認証)に係る技術が存在している。また、従来、この顔照合に係る技術を、宿泊施設等の入出場管理に適用したシステムが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記宿泊施設等の施設内において、商品やサービスを独立的に小売する販売形式が存在している。この販売形式の場合、施設の利用者は、商品やサービスを購入する度にその代金を販売店に支払うことになるため、支払いが煩わしさに繋がる可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施の形態の販売管理システムは、施設内で小売される商品の販売管路を行う販売管理システムであって、記憶手段と、第1撮像手段と、利用者特定手段と、販売情報登録手段と、決済手段と、を備える。記憶手段は、施設の利用を許可された各利用者の顔画像と、前記施設を利用する上での前記各利用者の識別情報とを関連付けて記憶する。第1撮像手段は、商品を購入する利用者の顔画像を撮像する。利用者特定手段は、第1撮像手段が撮像した顔画像と、記憶手段に記憶された顔画像とを照合し、第1撮像手段で顔画像が撮像された利用者の識別情報を記憶手段から特定する。販売情報登録手段は、利用者特定手段が特定した識別情報と関連付けて、購入の対象となった商品の販売に関する販売情報を記憶手段に記憶させる。決済手段は、識別情報に関連付けて記憶された販売情報に基づいて、当該販売情報に係る商品の決済を行う。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、実施形態の販売管理システムの概要構成ブロック図である。
【図2】図2は、チェックイン端末の概要構成ブロック図である。
【図3】図3は、販売登録端末の概要構成ブロック図である。
【図4】図4は、データ管理装置の概要構成ブロック図である。
【図5】図5は、利用者データベースのデータフォーマットの一例の説明図である。
【図6】図6は、チェックイン処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、販売登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、チェックアウト処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下では、本実施形態に係る販売管理システム及びプログラムについて、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、販売管理システム及びプログラムを、宿泊施設内での独立的に小売される商品・サービスの販売管理に適用した例について説明する。なお、「独立的に小売される」とは、宿泊施設自体の利用代金とは別に、商品・サービス(以下、総称して商品という)の支払いを行う販売形式を意味する。
【0007】
図1は、実施形態の販売管理システム10の概要構成ブロック図である。販売管理システム10は、チェックイン端末20と、商品の販売場所に配置される販売登録端末30と、データ管理装置40と、を備えている。チェックイン端末20、販売登録端末30及びデータ管理装置40は、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNに接続されるチェックイン端末20及び販売登録端末30の個数は、特に問わないものとする。
【0008】
チェックイン端末20は、宿泊施設のフロント等に配置され、当該宿泊施設を利用する利用者のチェックイン手続き、及び、チェックアウト手続きを行うものである。
【0009】
図2は、チェックイン端末20の概要構成ブロック図である。同図に示すように、チェックイン端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、ネットワークインタフェース24、操作入力部25、表示部26、プリンタ部27、撮像部28及び記憶部29を備え、これらの各部がアドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
【0010】
CPU21は、チェックイン端末20全体を制御するものであり、ROM22や記憶部29に記憶されたコンピュータで読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、チェックイン端末20の動作を統括的に制御する。ROM22は、CPU21が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM23は、CPU21が実行する各種プログラムや各種データを一時的に記憶し、ワーキングエリアとして機能する。
【0011】
ネットワークインタフェース24は、ネットワークNを通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。操作入力部25は、キーボードやポインティングデバイス等を有し、操作内容に対応した操作信号をCPU21に通知する。表示部26は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスを有し、CPU21から供給される表示データに対応した文字等を表示する。プリンタ部27は、CPU21から供給される印字データをもとにレシート等の出力(印刷)を行う。
【0012】
撮像部28は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有した撮像装置である。撮像部28は、利用者の顔を撮像することが可能な位置に配置されており、撮像により得られた画像をCPU21に出力する。記憶部29は、例えばハードディスクドライブ装置、SSD(Solid State Drive)等で構成されており、CPU21が実行するプログラム等の他、各種情報を記憶している。
【0013】
上記の構成において、CPU21は、ROM22や記憶部29に記憶されたプログラムと協働することで、利用者のチェックイン/チェックアウト時において所定の動作(機能)を実現する。
【0014】
具体的に、CPU21は、利用者のチェックイン時において、撮像部28の撮像動作を開始することで、撮像部28で撮像された利用者の顔の画像(以下、顔画像という)を取得する。また、CPU21は、撮像部28で撮像された利用者の顔画像と、当該利用者に割り当てた宿泊部屋の部屋番号と、を含むチェックイン要求を、データ管理装置40に送信する。ここで、部屋番号は、当該宿泊施設を利用する上での利用者の識別情報として機能する。なお、利用者の氏名、住所等の他の情報をチェックイン要求に含めて送信する形態としてもよい。また、チェックイン要求とともに、利用者に割り当てた宿泊部屋の部屋番号と、当該宿泊部屋の宿泊料金とを含む販売登録要求を、データ管理装置40に送信する形態としてもよい。
【0015】
また、CPU21は、利用者のチェックアウト時において、撮像部28の撮像動作を開始することで、撮像部28で撮像された利用者の顔画像を取得する。また、CPU21は、撮像部28で撮像された利用者の顔画像を含むチェックアウト要求をデータ管理装置40に送信する。CPU21は、チェックアウト要求に対する応答として、データ管理装置40から後述する販売情報を受信すると、この販売情報に含まれた各商品の単価と、当該商品の販売個数とに基づいて全ての商品の合計金額を算出する。そして、CPU21は、算出した合計金額に基づいて決済処理を行い、その決済内容を表示部26に表示させるとともに、当該決済内容を示したレシートや領収書をプリンタ部27から印刷させる。
【0016】
図1に戻り、販売登録端末30は、施設内で商品の小売を行う小売店毎に設けられるPCやPOS端末等であって、利用者が購入した商品の販売登録を行うものである。
【0017】
図3は、販売登録端末30の概要構成ブロック図である。同図に示すように、販売登録端末30は、CPU31、ROM32、RAM33、ネットワークインタフェース34、操作入力部35、コードスキャナ36、表示部37、撮像部38及び記憶部39を備え、これらの各部がアドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
【0018】
CPU31は、販売登録端末30全体を制御するものであり、ROM32や記憶部39に記憶されたコンピュータで読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、販売登録端末30の動作を統括的に制御する。ROM32は、CPU31が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM33は、CPU31が実行する各種プログラムや各種データを一時的に記憶し、ワーキングエリアとして機能する。
【0019】
ネットワークインタフェース34は、ネットワークNを通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。操作入力部35は、キーボードやポインティングデバイス、各種キー等を有し、操作内容に対応した操作信号をCPU31に通知する。コードスキャナ36は、商品に付される等の形態で当該商品に対応付けられたバーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取り、読み取ったデータをCPU31に出力する。表示部37は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU31から供給される表示データに対応した文字等を表示する。
【0020】
撮像部38は、CCDイメージセンサやCMOS等の撮像素子を有した撮像装置である。撮像部38は、商品を購入するユーザの顔を撮像することが可能な位置に配置されており、撮像により得られた画像をCPU31に出力する。記憶部39は、例えばハードディスクドライブ装置、SSD等で構成されており、CPU31が実行するプログラム等の他、各種情報を記憶している。
【0021】
上記の構成において、CPU31は、ROM32や記憶部39に記憶されたプログラムと協働することで、利用者の商品購入時において所定の動作(機能)を実現する。
【0022】
具体的に、CPU31は、利用者の商品購入時において、撮像部38の撮像動作を開始することで、撮像部38で撮像された利用者の顔画像を取得する。また、CPU31は、撮像部38で撮像された利用者の顔画像を含む利用者特定要求を、データ管理装置40に送信する。CPU31は、利用者特定要求に対する応答として、データ管理装置40から利用者の部屋番号を受信すると、その部屋番号と、利用者が購入の対象とした各商品の販売に関する販売情報とを含んだ販売登録要求を、データ管理装置40に送信する。販売情報には、販売対象(購入対象)となった各商品の商品名、単価、販売個数等が含まれるものとする。
【0023】
ここで、各商品を識別する商品コード(例えばJAN(Japan Article Number)コード)と、当該商品の商品名、単価等を含む商品情報とを関連付けて一元管理するPOS(販売時点情報管理)システムが、販売管理システム10に導入されている場合には、販売対象の商品の商品コードを用いて販売情報を生成する形態としてもよい。
【0024】
例えば、商品に付される等の形態で対応付けられたバーコード等のコードシンボルを、コードスキャナ36で読み取り、この読み取ったデータに含まれる商品コードを、上記商品名及び単価の代わりに販売情報に含めて送信する形態としてもよい。また、各商品の商品コードと商品情報とを関連付けて格納した商品マスタファイル(図示せず)から、コードスキャナ36で読み取ったデータの商品コードに対応する商品情報を読み出し、これを販売情報に含めて送信する形態としてもよい。なお、商品マスタファイルは、販売登録端末30自らが保持する形態としてもよいし、データ管理装置40やネットワークNに接続された他の装置が保持する形態としてもよい。
【0025】
図1に戻り、データ管理装置40は、利用者のチェックイン/チェックアウトを記録管理するとともに、各利用者が購入した商品の販売情報を記録管理するものである。
【0026】
図4は、データ管理装置40の概要構成ブロック図である。同図に示すように、データ管理装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、ネットワークインタフェース44、操作入力部45、表示部46及び記憶部47を備え、これらの各部がアドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
【0027】
CPU41は、データ管理装置40全体を制御するものであり、ROM42や記憶部47に記憶されたコンピュータで読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、データ管理装置40の動作を統括的に制御する。ROM42は、CPU41が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM43は、CPU41が実行する各種プログラムや各種データを一時的に記憶し、ワーキングエリアとして機能する。
【0028】
ネットワークインタフェース44は、ネットワークNを通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。操作入力部45は、キーボードやポインティングデバイス等を有し、操作内容に対応した操作信号をCPU41に通知する。表示部46は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU41から供給される表示データに対応した文字等を表示する。
【0029】
記憶部47は、例えばハードディスクドライブ装置、SSD等で構成されており、CPU41が実行するプログラム等の他、各種情報を記憶している。また、記憶部47は、利用者に係る種々の情報を記録管理する利用者データベース50を備えている。
【0030】
図5は、利用者データベース50のデータフォーマットの一例の説明図である。同図に示すように、利用者データベース50は、宿泊部屋の各部屋番号を格納するデータ項目と、当該部屋番号を利用する利用者の氏名、住所、電話番号等の利用者情報を格納するデータ項目と、当該利用者の顔画像を格納するデータ項目と、当該利用者が購入した各商品の販売情報を格納するデータ項目と、を備えている。ここで、宿泊部屋の各部屋番号は、予め登録されているものとする。また、宿泊予約等により利用者の利用者情報が予め判明している場合には、当該利用者情報を対応する部屋番号と関連付けて予め登録しておく形態としてもよい。なお、利用者データベース50は、日毎等の所定の単位で、他の記憶装置や記憶媒体にバックアップを行うことが好ましい。
【0031】
上記の構成において、CPU41は、ROM42や記憶部47に記憶されたプログラムと協働することで、チェックイン端末20及び販売登録端末30からの各種要求に応じて、所定の動作(機能)を実現する。
【0032】
具体的に、CPU41は、チェックイン端末20からチェックイン要求を受け付けると、このチェックイン要求に含まれた部屋番号に一致する部屋番号を、利用者データベース50から検索する。そして、CPU41は、一致した部屋番号に関連付けて、チェックイン要求に含まれた顔画像等の情報を、利用者データベース50の対応するデータ項目に登録する。
【0033】
また、CPU41は、販売登録端末30から利用者特定要求を受け付けると、この利用者特定要求に含まれた顔画像と、利用者データベース50に登録された各利用者の顔画像とを照合する。そして、CPU41は、マッチする顔画像を利用者データベース50から特定すると、この顔画像に関連付けて格納された部屋番号を読み出し、販売登録端末30に送信(返信)する。なお、顔画像の照合には、公知の顔検出技術、パターンマッチング技術、顔認証技術等を用いるものとする。また、マッチする顔画像が利用者データベース50に存在しない場合には、利用者を特定できない旨のエラー情報を販売登録端末30に返すものとする。
【0034】
また、CPU41は、チェックイン端末20又は販売登録端末30から販売登録要求を受け付けると、この販売登録要求に含まれた部屋番号に一致する部屋番号を、利用者データベース50から検索する。そして、CPU41は、一致した部屋番号に関連付けて、販売登録要求に含まれた販売情報を、利用者データベース50の対応するデータ項目に順次登録する。
【0035】
また、CPU41は、チェックイン端末20からチェックアウト要求を受け付けると、このチェックアウト要求に含まれた顔画像と、利用者データベース50に登録された各利用者の顔画像とを照合する。そして、CPU41は、マッチする顔画像を利用者データベース50から特定すると、この顔画像に関連付けて登録された販売情報を全て読み出し、チェックイン端末20に送信(返信)する。なお、マッチする顔画像が利用者データベース50に存在しない場合には、利用者を特定できない旨のエラー情報をチェックイン端末20に返すものとする。
【0036】
次に、販売管理システム10の動作を説明する。まず、図6を参照し、チェックイン端末20とデータ管理装置40との間で実行されるチェックイン処理の手順について説明する。なお、図6は、チェックイン処理の手順を示すフローチャートである。
【0037】
チェックイン端末20のCPU21は、操作入力部25からの操作信号によりチェックイン手続きの開始が通知されると、撮像部28に撮像動作を開始させる(ステップS11)。続いて、CPU21は、撮像部28で撮像されたチェックインする利用者の顔画像をRAM23等に取り込む(ステップS12)。ここで、利用者の顔画像は、公知の顔検出技術等を用いて撮像部28の撮像画像から顔を検出し、この検出結果に応じて自動で取得する形態としてもよいし、オペレータによる操作入力部25の操作に応じて取得する形態としてもよい。
【0038】
次いで、チェックイン端末20のCPU21は、ステップS12で取り込んだ利用者の顔画像と、当該利用者が宿泊する宿泊部屋の部屋番号とを含むチェックイン要求を、データ管理装置40に送信する(ステップS13)。そして、CPU21は、撮像部28の撮像動作を停止させ(ステップS14)、処理を終了する。なお、同一の宿泊部屋に複数人の利用者が宿泊する場合には、各利用者の顔画像をそれぞれ取得し、同一の部屋番号とともにチェックイン要求に含めて送信してもよい。
【0039】
一方、データ管理装置40のCPU41は、チェックイン端末20からチェックイン要求を受け付けると、このチェックイン要求に含まれた部屋番号に一致する部屋番号を、利用者データベース50から検索する(ステップS21)。そして、CPU41は、一致した部屋番号に関連付けて、チェックイン要求に含まれた顔画像等の情報を、利用者データベース50の対応するデータ項目に登録し(ステップS22)、処理を終了する。
【0040】
次に、図7を参照し、販売登録端末30とデータ管理装置40との間で実行される販売登録処理の手順について説明する。なお、図7は、販売登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0041】
販売登録端末30のCPU31は、操作入力部35からの操作信号により商品の買い上が通知されると、撮像部28に撮像動作を開始させる(ステップS31)。続いて、CPU31は、撮像部28で撮像された商品を購入する利用者の顔画像を、RAM33等に取り込む(ステップS32)。ここで、利用者の顔画像は、公知の顔検出技術等を用いて撮像部38の撮像画像から顔を検出し、この検出結果に応じて自動で取得する形態としてもよいし、オペレータによる操作入力部35の操作に応じて取得する形態としてもよい。
【0042】
次いで、販売登録端末30のCPU31は、ステップS32で取り込んだ利用者の顔画像を含んだ利用者特定要求を、データ管理装置40に送信する(ステップS33)。そして、CPU21は、撮像部28の撮像動作を停止させ(ステップS34)、ステップS35に移行する。
【0043】
データ管理装置40のCPU41は、販売登録端末30から利用者特定要求を受け付けると、この利用者特定要求に含まれた顔画像と、利用者データベース50に登録された各顔画像とを照合する(ステップS41)。CPU41は、利用者にマッチする顔画像を利用者データベース50から特定すると、この顔画像に関連付けて格納された部屋番号を読み出す(ステップS42)。そして、CPU41は、ステップS42で読み出した部屋番号を、利用者特定要求の送信元である販売登録端末30に送信し(ステップS43)、ステップS44に移行する。
【0044】
販売登録端末30のCPU31は、利用者特定要求に対する応答としてデータ管理装置40から部屋番号を受け付けると、販売情報の入力を待機する。ここで、オペレータにより操作入力部35及びコードスキャナ36を介して商品情報(商品名、単価、商品コード等)及び販売個数が入力されると、CPU31はこの入力信号を販売情報として受け付ける(ステップS35)。そして、CPU31は、入力された販売情報と、データ管理装置40から受け付けた部屋番号とを含む販売登録要求を、データ管理装置40に送信し(ステップS36)、処理を終了する。
【0045】
データ管理装置40のCPU41は、販売登録端末30から販売登録要求を受け付けると、この販売登録要求に含まれた部屋番号に一致する部屋番号を、利用者データベース50から検索する(ステップS44)。そして、CPU41は、一致した部屋番号に関連付けて、販売登録要求に含まれた商品情報及び販売個数を、利用者データベース50の対応するデータ項目に登録し(ステップS45)、処理を終了する。
【0046】
なお、チェックイン端末20から販売登録要求を送信する場合でも、上記販売登録処理と同様の処理内容となるが、部屋番号が予め判明している場合には、チェックイン端末20及びデータ管理装置40において、ステップS35及びステップS44以降の処理を実行すればよい。また、ステップS43において、部屋番号の代わりにエラー情報がデータ管理装置40から送信された場合には、販売登録端末30のCPU31は、利用者を特定できない旨のメッセージとともに、顔画像の再撮像を促すメッセージを表示部37に表示するものとする。
【0047】
次に、図8を参照し、チェックイン端末20とデータ管理装置40との間で実行されるチェックアウト処理の手順について説明する。なお、図8は、チェックアウト処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
チェックイン端末20のCPU21は、操作入力部25からの操作信号によりチェックアウト手続きの開始が通知されると、撮像部28に撮像動作を開始させる(ステップS51)。続いて、CPU21は、撮像部28で撮像されたチェックアウトする利用者の顔画像を、RAM23等に取り込む(ステップS52)。
【0049】
次いで、チェックイン端末20のCPU21は、ステップS52で取り込んだ利用者の顔画像を含むチェックアウト要求を、データ管理装置40に送信する(ステップS53)。そして、CPU21は、撮像部28の撮像動作を停止させ(ステップS54)、ステップS55に移行する。
【0050】
一方、データ管理装置40のCPU41は、チェックイン端末20からチェックアウト要求を受け付けると、このチェックアウト要求に含まれた顔画像と、利用者データベース50に登録された各顔画像とを照合する(ステップS61)。CPU41は、利用者にマッチする顔画像を利用者データベース50から特定すると、この顔画像の部屋番号に関連付けて登録された販売情報を、利用者データベース50から全て読み出す(ステップS62)。そして、CPU41は、ステップS62で読み出した販売情報を、チェックアウト要求の送信元であるチェックイン端末20に送信し(ステップS63)、処理を終了する。
【0051】
ここで、ステップS62の処理の後、データ管理装置40のCPU41は、チェックアウトした利用者についての利用者情報、顔画像及び販売情報を利用者データベース50から削除するものとするが、そのタイミングは特に問わないものとする。なお、削除する際には、利用者情報、顔画像及び販売情報を対応する部屋番号や日時情報と関連付けて他の記憶媒体にバックアップすることが好ましい。
【0052】
チェックイン端末20のCPU21は、チェックアウト要求に対する応答としてデータ管理装置40から販売情報を受け付けると、当該販売情報に含まれた各商品の単価と、その販売個数とに基づいて全ての商品の合計金額を算出する(ステップS55)。そして、CPU21は、算出した合計金額に基づいて決済処理を行い(ステップS56)、その決済内容を表示部26に表示させるとともに、当該決済内容を示したレシートや領収書をプリンタ部27から印刷させ(ステップS57)、処理を終了する。
【0053】
なお、販売情報に商品コードが含まれる場合には、商品コードに対応する商品情報を図示しない商品マスタファイルから取得し、当該商品情報に含まれた単価と、その商品の販売個数とに基づいて全ての商品の合計金額を算出するものとする。また、ステップS62において、販売情報の代わりにエラー情報がデータ管理装置40から送信された場合には、チェックイン端末20のCPU21は、利用者を特定できない旨のメッセージとともに、顔画像の再撮像を促すメッセージを表示部26に表示するものとする。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、宿泊施設へのチェックイン時に利用者の顔画像と、当該利用者が宿泊施設を利用する上での識別情報となる部屋番号とを関連付けて登録し、商品購入時及びチェックアウト時の各々において、当該利用者の顔画像からその部屋番号を特定する。また、宿泊施設内で購入された各商品の販売情報を、顔画像から特定した利用者の部屋番号と関連付けて一元管理し、チェックアウト時において購入された各商品の決済を実行する。
【0055】
これにより、利用者は、金銭を遣り取りすることなく施設内で商品を購入することができ、また、購入した各商品の精算をチェックアウト時に一括して行うことができるため、施設内での商品の購入に係る利便性を向上させることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0057】
例えば、上記実施形態では、顔画像の照合をデータ管理装置40で行う形態としたが、これに限らず、チェックイン端末20及び販売登録端末30が、データ管理装置40の利用者データベース50に登録された各利用者の顔画像を参照可能な構成とすることで、チェックイン端末20及び販売登録端末30において顔画像の照合を行う形態としてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、チェックイン端末20と販売登録端末30とを個別に設ける形態としたが、チェックイン端末20及び販売登録端末30の機能を、一台の端末装置で実現する形態としてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、宿泊施設に適用した形態について説明したが、適用する態様はこれに限らず、他の共用施設や商業施設に適用してもよい。
【0060】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0061】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 販売管理システム
20 チェックイン端末
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 ネットワークインタフェース
25 操作入力部
26 表示部
27 プリンタ部
28 撮像部
29 記憶部
30 販売登録端末
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 ネットワークインタフェース
35 操作入力部
36 コードスキャナ
37 表示部
38 撮像部
39 記憶部
40 データ管理装置
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 ネットワークインタフェース
45 操作入力部
46 表示部
47 記憶部
50 利用者データベース
N ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2002−117426号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内で小売される商品の販売管路を行う販売管理システムであって、
前記施設の利用を許可された各利用者の顔画像と、前記施設を利用する上での前記各利用者の識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記商品を購入する利用者の顔画像を撮像する第1撮像手段と、
前記第1撮像手段が撮像した顔画像と、前記記憶手段に記憶された顔画像とを照合し、前記第1撮像手段で顔画像が撮像された利用者の識別情報を前記記憶手段から特定する利用者特定手段と、
前記利用者特定手段が特定した識別情報と関連付けて、購入の対象となった商品の販売に関する販売情報を前記記憶手段に記憶させる販売情報登録手段と、
前記識別情報に関連付けて記憶された前記販売情報に基づいて、当該販売情報に係る商品の決済を行う決済手段と、
を有する販売管理システム。
【請求項2】
前記施設に入場する利用者の顔画像を撮像する第2撮像手段と、
前記第2撮像手段が撮像した利用者の顔画像を、当該利用者に割り当てた前記識別情報と関連付けて前記記憶手段に記憶させる登録手段と、
を更に備える販売管理システム。
【請求項3】
前記登録手段は、同一の前記識別情報に対し、一又は複数人の前記利用者の顔画像を関連付けて記憶させる請求項2に記載の販売管理システム。
【請求項4】
前記施設から出場する利用者の顔画像を撮像する第3撮像手段と、
前記第3撮像手段が取得した顔画像と、前記記憶手段に記憶された各顔画像とを照合し、前記第3撮像手段で顔画像が取得された利用者の識別情報に関連付けて記憶された販売情報を前記記憶手段から読み出す読出手段と、
を更に備え、
前記決済手段は、前記読出手段が読み出した前記商品情報に基づいて、当該商品情報に係る商品の決済を一括して行う請求項1〜3の何れか一項に記載の販売管理システム。
【請求項5】
前記商品の小売を行う小売店毎に、前記第1顔画像取得手段、前記利用者特定手段及び前記商品情報登録手段を備えた販売端末装置が設けられる請求項1〜4の何れか一項に記載の販売管理システム。
【請求項6】
施設内で小売される商品の販売管理を行うコンピュータを、
前記商品を購入する利用者の顔画像を撮像する第1撮像手段と、
前記第1撮像手段が撮像した顔画像を、前記施設の利用が許可された各利用者の顔画像と前記施設を利用する上での前記各利用者の識別情報とを関連付けて記憶した記憶手段の当該顔画像と比較し、前記第1撮像手段で顔画像が撮像された利用者の識別情報を前記記憶手段から特定する利用者特定手段と、
前記利用者特定手段が特定した識別情報と関連付けて、購入の対象となった商品の販売に関する販売情報を前記記憶手段に記憶させる商品情報登録手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54588(P2013−54588A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193153(P2011−193153)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】