説明

貯湯式の給湯装置

【課題】槽送出切換弁の槽送出停止故障を検出し得る貯湯式の給湯装置を提供する。
【解決手段】底部に接続された給水路15を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路16を通して湯水が送出される貯湯槽2と、貯湯槽2を迂回して給湯路16に給水する槽迂回給水路20と、給湯路16を開いて貯湯槽2からの湯水の送出を許容する槽送出許容状態と、給湯路16を閉じ且つ槽迂回給水路20を開く槽送出停止状態とに切り換え自在な槽送出切換弁V1と、運転制御手段4とが設けられた貯湯式の給湯装置であって、運転制御手段4が、故障判別タイミングになると、槽送出切換弁V1を槽送出停止状態に切り換える判別用操作処理、及び、給湯路16における槽送出切換弁V1にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内の湯水の温度変化に基づいて槽送出停止故障状態であるか否かを判別する故障判別処理を実行するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
前記貯湯槽を迂回して前記給湯路に給水する槽迂回給水路と、
前記給湯路を開いて前記貯湯槽からの湯水の送出を許容する槽送出許容状態と、前記給湯路を閉じ且つ前記槽迂回給水路を開く槽送出停止状態とに切り換え自在な槽送出切換弁と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる貯湯式の給湯装置は、例えば一般家庭に設置されて、台所や風呂等の湯水消費部への給湯を行うものであり、槽送出切換弁が槽送出許容状態に切り換えられた状態では、給湯路を通して貯湯槽の上部から送出される貯湯槽の湯水を用いて湯水消費部への給湯が行われ、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられた状態では、槽迂回給水路を通して貯湯槽を迂回して給湯路に供給される水を用いて湯水消費部への給湯が行われる。
ちなみに、貯湯槽内の湯水を加熱する加熱手段が設けられ、更に、一般には、給湯路を通流する湯水を加熱する加熱手段も設けられて、湯水消費部に供給される湯水の温度が目標給湯温度よりも低いときには、湯水消費部に供給される湯水が給湯路に設けられた加熱手段により補助的に加熱されることになる。
【0003】
槽送出切換弁を槽送出停止状態に切り換える理由について説明すると、このような貯湯式の給湯装置では、湯水が貯湯装置に貯留される時間が長くなる等により、貯湯槽の湯水の水質が低下する虞があるので、貯湯槽の湯水の水質低下を生じる虞があるタイミングになると、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるようにすることにより、水質が低下した湯水が湯水消費部に供給されるのを防止するようにしている。(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられている間に、貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度に加熱する等の水質向上処理が実行されて、貯湯槽内の湯水の水質が向上されることになる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−29745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず、異物の噛み込みや部品の損傷等により、給湯路を閉じることができない槽送出停止故障を起こす場合があり、このような故障を起こすと、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられたときに、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されることになる。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、槽送出切換弁の槽送出停止故障を的確に検出し得る貯湯式の給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の貯湯式の給湯装置は、底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
前記貯湯槽を迂回して前記給湯路に給水する槽迂回給水路と、
前記給湯路を開いて前記貯湯槽からの湯水の送出を許容する槽送出許容状態と、前記給湯路を閉じ且つ前記槽迂回給水路を開く槽送出停止状態とに切り換え自在な槽送出切換弁と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記運転制御手段が、故障判別タイミングになると、前記槽送出切換弁を前記槽送出停止状態に切り換える判別用操作処理、及び、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内の湯水の温度変化に基づいて槽送出停止故障状態であるか否かを判別する故障判別処理を実行するように構成されている点にある。
【0008】
即ち、運転制御手段は、故障判別タイミングになると、槽送出切換弁を槽送出停止状態に切り換える判別用操作処理、及び、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内の湯水の温度変化に基づいて槽送出停止故障状態であるか否かを判別する故障判別処理を実行する。
【0009】
つまり、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されると給湯路を閉じる状態になる場合は、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも湯水消費部側の部分や、その部分に連通接続されている他の流路内の湯水が流動しても、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分及び貯湯槽内において湯水が流動しないものであるのに対して、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態にならない場合は、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも湯水消費部側の部分や、その部分に連通接続されている他の流路内の湯水が流動すると、その湯水の流動に伴って、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分及び貯湯槽内において湯水の流動が生じることになり、そのような湯水の流動に伴って、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内の湯水の温度が変化するものとなるから、そのような湯水の温度変化に基づいて、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず、給湯路を閉じることができない槽送出停止故障状態であるか否かを判別することができるのである。
【0010】
ちなみに、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内の湯水の温度が変化することについて説明を加えると、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態になっていない状態で、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも湯水消費部側の部分や、その部分に連通接続されている他の流路内の湯水が流動すると、その湯水の流動に伴って、貯湯槽内を底部から上部に向かって流動し、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分を槽送出切換弁の側に向かって流動して槽送出切換弁を通過する形態や、槽送出切換弁を通過して給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分に流入して、その部分を貯湯槽に向かって流動して、貯湯槽内を上部から底部に向かって流動する形態の湯水の流動が生じることになり、その結果、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分においては、その湯水流動方向での温度分布が変化し、貯湯槽内においては、上下方向での温度分布が変化することになるのである。
従って、槽送出切換弁の槽送出停止故障を的確に検出し得る貯湯式の給湯装置を提供することができるようになった。
【0011】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記給湯路を通して湯水消費部に湯水が供給される給湯状態を検出する給湯状態検出手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記故障判別処理において、前記給湯状態検出手段にて前記給湯状態が検出されたときに、前記貯湯槽内上部又は前記貯湯槽内底部の湯水の温度が低下すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている点にある。
【0012】
即ち、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態になっていない状態で、給湯路の先端の給湯栓等が開栓されて給湯状態になると、槽迂回給水路から給湯路に給水されて、給湯路における槽迂回給水路が接続される箇所よりも湯水消費部側の部分において、湯水消費部側に向かう形態の湯水の流動が生じることになり、そして、その湯水の流動に伴って、給水路の水圧により、その給水路から貯湯槽の底部に給水されて、貯湯槽内において底部から上部に向かう湯水の流動が生じるので、貯湯槽内における上下方向での温度分布が変化することになる。
つまり、貯湯槽内には湯水の温度が上方ほど高くなる温度成層を形成する形態で湯水が貯留されるので、上述のように、貯湯槽内において湯水の流動が生じると、貯湯槽内上部の湯水の温度、及び、貯湯槽内底部の湯水の温度が低下することになる。
そこで、故障判別処理において、給湯状態検出手段にて給湯状態が検出されたときに、貯湯槽内上部又は貯湯槽内底部の湯水の温度が低下すると槽送出停止故障状態であると判別するように構成することにより、槽送出停止故障状態であることを的確に判別することができるのである。
そして、給湯路を通して湯水消費部に湯水が供給される給湯状態を検出することは、例えば、湯水消費部に供給される湯水の温度を目標給湯温度に調整する処理等のために必要であるので、通常、給湯状態を検出する給湯状態検出手段が設けられているものである。
従って、槽送出停止故障状態であるか否かを判別するために新たな部材を追加することなく、槽送出停止故障を的確に検出することができるようになった。
【0013】
第3特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記槽迂回給水路が前記給水路から分岐されて前記給湯路に接続され、
その槽迂回給水路に、その槽迂回給水路を開閉する槽迂回給水路開閉弁と湯水を前記給湯路側に向けて流動させる付加用循環手段とが、前記槽迂回給水路開閉弁が前記給水路側に位置する状態で設けられ、
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも前記貯湯槽から離れる側の部分と前記槽迂回給水路における前記槽迂回給水路開閉弁と前記付加用循環手段との間の部分とに接続される付加循環路部分が設けられ、
前記運転制御手段が、前記判別用操作処理において、前記槽迂回給水路開閉弁を開弁し且つ前記付加用循環手段を作動させるように構成され、前記故障判別処理において、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度変化に基づいて前記槽送出停止故障状態であるか否かを判別するように構成されている点にある。
【0014】
即ち、槽迂回給水路開閉弁が開弁され、且つ、付加用循環手段が作動されると、付加循環路部分、槽迂回給水路における付加循環路部分の接続箇所よりも給湯路側の部分及び給湯路における槽迂回給水路の接続箇所よりも貯湯槽から離れる側の部分を経由する付加循環路を通して、槽迂回給水路における付加循環路部分の接続箇所よりも給湯路側の部分を給湯路側に向かう方向に湯水が循環されることになり、そして、そのように付加循環路を通して湯水が循環される状態で、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態になっていない場合は、槽迂回給水路における付加循環路部分の接続箇所よりも給湯路側の部分を給湯路側に向かって流動する湯水の一部が槽送出切換弁を通過して、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分に流入するのが許容される状態となるので、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分、貯湯槽及び槽迂回給水路を経由する循環経路(以下、貯湯槽循環経路と記載する場合がある)において、貯湯槽内を上部から底部に向かう方向に湯水の流動状態が生じることになり、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が変化することになる。
そこで、故障判別処理において、付加循環路を通して湯水を循環させたときに、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度変化に基づいて、槽送出停止故障状態であるか否かを判別するように構成することにより、槽送出停止故障状態であるか否かをより一層的確に判別することができるのである。
従って、槽送出停止故障をより一層的確に検出することができるようになった。
【0015】
第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記運転制御手段が、前記故障判別処理において、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度が、前記付加循環路部分、前記槽迂回給水路における前記付加循環路部分の接続箇所よりも前記給湯路側の部分及び前記給湯路における前記槽迂回給水路の接続箇所よりも下流側の部分を経由する付加循環路における湯水の温度よりも高い場合に、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度が低下すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている点にある。
【0016】
即ち、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が付加循環路における湯水の温度よりも高い場合に、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態になっていないときは、付加循環路を通して湯水が循環されると、貯湯槽循環経路において、貯湯槽内を上部から底部に向かう方向に湯水の流動が生じて、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水や貯湯槽内上部の湯水に付加循環路の湯水が混合することになって、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水や貯湯槽内上部の湯水の温度が低下することになる。
そこで、故障判別処理において、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が付加循環路における湯水の温度よりも高い場合に、付加循環路を通して湯水を循環させたときに、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が低下すると槽送出停止故障状態であると判別するように構成することにより、槽送出停止故障状態であるか否かを的確に判別することができるのである。
【0017】
ちなみに、付加循環路を通して湯水を循環させて、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度変化に基づいて、槽送出停止故障状態であるか否かを判別するに当たって、貯湯槽又は付加循環路の湯水を強制的に加熱して、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内の湯水の温度と付加循環路の湯水の温度とを異ならせるようにすることが考えられるが、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が付加循環路における湯水の温度よりも高い場合に、上述のようにして槽送出停止故障状態であるか否か判別するようにすることにより、故障判別処理におけるエネルギ消費を抑制することができる。
つまり、貯湯槽内に貯湯された湯水は、貯湯槽の保温機能により低温になり難いものであるのに対して、付加循環回路の湯水は、冷めやすくて低温になり易いものであり、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が付加循環路における湯水の温度よりも高い状態は、使用に伴って頻繁に現れるものであり、そして、このような状態のときに、付加用循環手段を作動させるだけで槽送出停止故障状態であるか否かを判別できるので、故障判別処理において湯水の加熱は不要であるため、エネルギ消費を抑制できるのである。
従って、エネルギ消費を抑制しながら、槽送出停止故障を的確に検出することができるようになった。
【0018】
第5特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記給湯路における、前記槽迂回給水路が接続される接続箇所と前記付加循環路部分が接続される接続箇所との間に位置する給湯路部分に、供給される湯水を加熱する付加用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記判別用操作処理において、前記付加用循環手段を作動させるに加えて、前記付加用加熱手段を加熱作動させるように構成され、前記故障判別処理において、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度が上昇すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている点にある。
【0019】
即ち、判別用操作処理において、付加循環路を通して湯水を循環させるときに、付加用加熱手段を加熱作動させることにより、付加循環路の湯水の温度を給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度よりも高くすることが可能となり、しかも、その高くする幅を、付加循環路の湯水が混合したときに、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度上昇が顕著に現れるような幅にすることが可能となる。
そして、このように判別用操作処理が実行されると、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態になっていない場合は、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度上昇が顕著に現れることになるので、槽送出停止故障状態であるか否かをより一層的確に判別することができるのである。
従って、槽送出停止故障をより一層的確に検出することができるようになった。
【0020】
第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、
前記運転制御手段が、前記判別用操作処理において、供給される湯水を前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又貯湯槽内上部の湯水の温度よりも高い温度に加熱すべく前記付加用加熱手段の加熱作動を制御するように構成されている点にある。
【0021】
即ち、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又貯湯槽内上部の湯水の温度が検出されて、判別用操作処理においては、付加用加熱手段により、付加循環路の湯水が前記検出温度よりも高い温度に加熱される。
つまり、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態になっていない場合に、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度を付加循環路の湯水の混合により顕著に上昇させるようにするために、付加用加熱手段により付加循環路の湯水を加熱するに当たって、給湯路における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又貯湯槽内上部の湯水の温度を検出して、その検出温度よりも高く加熱するようにするものであるから、検出温度が低いときにはその低い温度よりも設定温度だけ高く加熱し、検出温度が高いときにはその高い温度よりも設定温度だけ高く加熱する等、検出温度よりも設定温度だけ高く加熱することができるものとなるため、常に、貯湯槽に貯えられると予測される高温の湯水の温度よりも設定温度だけ高く加熱するように構成する場合に比べて、消費エネルギを抑制することが可能となる。
従って、消費エネルギを抑制しながら、槽送出停止故障をより一層的確に検出することができるようになった。
【0022】
第7特徴構成は、上記第1〜第6特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記槽送出切換弁とは別に、前記貯湯槽からの湯水の送出を抑制する槽送出抑制弁が設けられ、
前記運転制御手段が、前記槽送出停止故障状態であると判別すると、前記貯湯槽からの湯水の送出を抑制すべく前記槽送出抑制弁の作動を制御する故障対策処理を実行するように構成されている点にある。
【0023】
即ち、槽送出停止故障状態であると判別すると、貯湯槽からの湯水の送出を抑制すべく槽送出抑制弁の作動を制御する故障対策処理が実行されて、その槽送出抑制弁により、貯湯槽からの湯水の送出が抑制されることになるので、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されるのを適切に抑制することができる。
従って、槽送出停止故障が生じても、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されるのを適切に抑制することができるようになった。
【0024】
第8特徴構成は、上記第7特徴構成に加えて、
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水する下流側給水路と、
その下流側給水路を通して供給される水と前記給湯路を通して供給される前記貯湯槽からの湯水との混合比率を調節自在な混合比率調節弁とが設けられ、
前記槽送出抑制弁が前記混合比率調節弁にて構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、混合された湯水の量に対する前記貯湯槽からの湯水の比率を0又は略0にすべく前記混合比率調節弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている点にある。
【0025】
即ち、槽送出抑制弁が混合比率調節弁にて構成され、故障対策処理として、混合された湯水の量に対する貯湯槽からの湯水の比率を0又は略0にすべく混合比率調節弁の作動を制御する処理が実行されるので、その混合比率調節弁により、貯湯槽からの湯水の送出が停止される又は微量になることになる。
つまり、このような貯湯式の給湯装置においては、通常、前記下流側給水路と前記混合比率調節弁とが設けられて、貯湯槽の湯水が給湯目標温度よりも高いときに、給湯目標温度の湯水が湯水消費部に供給されるように、混合比率調節弁により、下流側給水路を通して供給される水と給湯路を通して供給される貯湯槽からの湯水との混合比率が調節されることになる。尚、混合比率調節弁としては、下流側給水路を通して供給される水の量を調節する弁部分と、給湯路を通して供給される湯水の量を調節する弁部分とを一体的に備えるように構成されたものや、上記一対の弁部分の夫々が、別々の弁として構成されたものとがある。
そして、槽送出停止故障状態であると判別されたときは、混合比率調節弁の作動を、混合された湯水の量に対する貯湯槽からの湯水の比率を0又は略0にすべく制御することにより、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されるのを的確に防止することができるのである。
従って、槽送出停止故障が生じても、混合比率調節弁を用いて、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されるのを的確に防止することができるようになった。
【0026】
第9特徴構成は、上記第7特徴構成に加えて、
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水する下流側給水路が設けられ、
前記槽送出抑制弁が、前記下流側給水路による前記給湯路への給水を断続可能なように構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、前記貯湯槽からの湯水の送出を抑制し且つ前記下流側給水路にて前記給湯路に給水すべく前記槽送出抑制弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている点にある。
【0027】
即ち、故障対策処理として、貯湯槽からの湯水の送出を抑制し且つ下流側給水路にて給湯路に給水すべく槽送出抑制弁の作動を制御する処理が実行されるので、その槽送出抑制弁により、貯湯槽からの湯水の送出が抑制され、しかも、下流側給水路にて給湯路に水が供給されることになるので、湯水消費部に供給される湯水の温度が給湯目標温度よりもかなり低くなり、しかも、下流側給水路にて給湯路に供給される水に含まれる塩素により、湯水消費部に供給される湯水の水質が向上されることになる。
そして、湯水消費部に供給される湯水の温度が給湯目標温度よりも低くなって、給湯目標温度の湯水が得られなくなると、使用者に給湯装置に故障が生じたことを認識させて給湯装置の使用を止める動機付けをすることが可能となり、又、仮に、使用者が給湯装置を使用したとしても、塩素により水質が向上された湯水が湯水消費部に供給されることになる。
ちなみに、槽送出抑制弁の構造が給湯路を閉じることができない構造の場合は、この第9特徴構成による故障対策処理を実行するように構成することにより、塩素により水質が向上された湯水が湯水消費部に供給されることになるので、衛生面での安全性を向上する上で好ましい。
従って、槽送出停止故障が生じても、衛生面での安全性をより一層向上することができるようになった。
【0028】
第10特徴構成は、上記第9特徴構成に加えて、
前記下流側給水路を通して供給される水と前記給湯路を通して供給される前記貯湯槽からの湯水との混合比率を調節自在な混合比率調節弁が設けられて、その混合比率調節弁により前記槽送出抑制弁が構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、前記貯湯槽からの湯水の比率を最小又は略最小にし且つ前記下流側給水路を通して供給される水の比率を最大又は略最大にすべく前記混合比率調節弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている点にある。
【0029】
即ち、槽送出抑制弁が混合比率調節弁にて構成され、故障対策処理として、貯湯槽からの湯水の比率を最小又は略最小にし且つ下流側給水路を通して供給される水の比率を最大又は略最大にすべく混合比率調節弁の作動を制御する処理が実行されて、湯水消費部に供給される湯水における下流側給水路からの水の比率が大きくなるので、湯水消費部に供給される湯水の温度が給湯目標温度よりもかなり低くなり、しかも、下流側給水路からの水に含まれる塩素により、湯水消費部に供給される湯水の水質が一層向上されることになる。
そして、湯水消費部に供給される湯水の温度が給湯目標温度よりもかなり低くなって、給湯目標温度の湯水が得られなくなると、使用者に給湯装置に故障が生じたことを一層明確に認識させて給湯装置の使用を止める動機付けをすることが可能となり、又、仮に、使用者が給湯装置を使用したとしても、より一層水質が向上された湯水が湯水消費部に供給されることになる。
【0030】
つまり、先に、第8特徴構成についての説明において記載したように、このような貯湯式の給湯装置においては、通常、貯湯槽の湯水が給湯目標温度よりも高いときに、湯水消費部に供給される湯水の温度を給湯目標温度に調整するために、混合比率調節弁が設けられるものであり、そして、槽送出停止故障状態であると判別されたときは、その混合比率調節弁を用いて、衛生面での安全性を向上するのに好ましい故障対策処理を実行することができるのである。
従って、槽送出停止故障が生じても、混合比率調節弁を用いて、衛生面での安全性をより一層向上することができるようになった。
【0031】
第11特徴構成は、上記第9特徴構成に加えて、
前記下流側給水路を通して供給される水と前記給湯路を通して供給される前記貯湯槽からの湯水との混合比率を調節自在な混合比率調節弁と、
前記給湯路における前記下流側給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水し、且つ、開閉作動用の電力が供給されない状態で開弁状態となる高温出湯回避弁が装備された高温出湯回避給水路とが設けられ、
前記槽送出抑制弁が、前記混合比率調節弁と前記高温出湯回避弁とにより構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、前記貯湯槽からの湯水の比率を最小または略最小にすべく前記混合比率調節弁の作動を制御し、且つ、前記高温出湯回避弁を開弁すべくその高温出湯回避弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている点にある。
【0032】
即ち、槽送出抑制弁が混合比率調節弁と高温出湯回避弁とにより構成され、故障対策処理として、貯湯槽からの湯水の比率を最小または略最小にすべく混合比率調節弁の作動を制御し、且つ、高温出湯回避弁を開弁すべくその高温出湯回避弁の作動を制御する処理が実行されて、湯水消費部に供給される湯水における高温出湯回避給水路からの水の比率が大きくなるので、湯水消費部に供給される湯水の温度が給湯目標温度よりもかなり低くなり、しかも、高温出湯回避給水路からの水に含まれる塩素により、湯水消費部に供給される湯水の水質が一層向上されることになる。
そして、湯水消費部に供給される湯水の温度が給湯目標温度よりもかなり低くなって、給湯目標温度の湯水が得られなくなると、使用者に給湯装置に故障が生じたことを一層明確に認識させて給湯装置の使用を止める動機付けをすることが可能となり、又、仮に、使用者が給湯装置を使用したとしても、より一層水質が向上された湯水が湯水消費部に供給されることになる。
【0033】
つまり、このような貯湯式の給湯装置においては、貯湯槽の湯水が給湯目標温度よりも高いときに、湯水消費部に供給される湯水の温度を給湯目標温度に調整するために、混合比率調節弁が設けられるのに加えて、停電したときに、その混合比率調節弁の作動が制御されなくなることにより、湯水消費部に給湯目標温度よりも高温の湯水が供給されるのを防止するために、通常、高温出湯回避弁が設けられて、停電したときに高温出湯回避弁が開弁して、給湯路の湯水に高温出湯回避給水路からの水が混合されることにより、湯水消費部に給湯目標温度よりも高温の湯水が供給されるのが防止されるようになっている。
そして、槽送出停止故障状態であると判別されたときは、上述のように混合比率調節弁及び高温出湯回避弁を制御するように構成することにより、衛生面での安全性を向上するのに好ましい故障対策処理を実行することができるのである。
従って、槽送出停止故障が生じても、混合比率調節弁及び高温出湯回避弁を用いて、衛生面での安全性をより一層向上することができるようになった。
【0034】
第12特徴構成は、上記第1〜第6特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水する下流側給水路と、
その下流側給水路を通して供給される水の量を調節する水供給量調節弁とが設けられ、
前記運転制御手段が、前記槽送出停止故障状態であると判別すると、前記槽送出切換弁を前記槽送出停止状態に維持し、且つ、前記水供給量調節弁の開度を最大または略最大に調節すべく前記水供給量調節弁の作動を制御する故障対策処理を実行するように構成されている点にある。
【0035】
即ち、槽送出停止故障状態であると判別すると、槽送出切換弁を槽送出停止状態に維持し、且つ、水供給量調節弁の開度を最大または略最大に調節すべく水供給量調節弁の作動を制御する故障対策処理が実行されて、下側給水路を通して給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に多量の水が供給されることになる。
このように、下側給水路を通して給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に多量の水が供給されることにより、槽送出停止状態の槽送出切換弁を通して、貯湯槽からの湯水が給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側に漏れ出ることがあっても、下側給水路を通して供給される多量の水による希釈作用により、給湯路を通して供給される湯水の水質を向上させることができるのであり、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されるのを適切に抑制することができる。
従って、槽送出停止故障が生じても、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されるのを適切に抑制することができるようになった。
【0036】
第13特徴構成は、上記第1〜第12特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の部分の一部を用いて形成される内部循環路と、
その内部循環路を通して湯水を循環させる内部循環用循環手段とが設けられ、
前記給湯路における前記内部循環路を形成する部分よりも下流側の部分に、前記給湯路を開閉する内部循環路下流側開閉弁が設けられ、
前記運転制御手段が、内部循環運転の開始指令に基づいて、前記内部循環用循環手段を作動させて前記内部循環路を通して湯水を循環させる内部循環運転を実行可能なように構成され、且つ、前記槽送出停止故障状態でないと判別したときは、前記内部循環路下流側開閉弁を開弁した状態で前記内部循環運転を実行し、前記槽送出停止故障状態であると判別したときは、前記内部循環路下流側開閉弁を閉弁した状態で前記内部循環運転を実行するように構成されている点にある。
【0037】
即ち、内部循環運転の開始指令を指令すると、槽送出停止故障状態でないと判別されているときは、内部循環路下流側開閉弁を開弁した状態で内部循環運転が実行され、槽送出停止故障状態であると判別されているときは、内部循環路下流側開閉弁を閉弁した状態で内部循環運転が実行される。
そして、内部循環路下流側開閉弁を開弁した状態での内部循環運転が実行されているときに、給湯路の先端の給湯栓等が開栓されると、貯湯槽の湯水が送出されて給湯路を通して給湯栓に供給されることになり、内部循環路下流側開閉弁を閉弁した状態での内部循環運転が実行されているときに、給湯路の先端の給湯栓等が開栓されても貯湯槽の湯水が給湯路に送出されることがない。
【0038】
つまり、このような貯湯式の給湯装置においては、内部循環路及び内部循環用循環手段が設けられて、内部循環運転の開始指令が指令されると、内部循環用循環手段を作動させて内部循環路を通して湯水を循環させる内部循環運転を実行可能なように構成される場合がある。
例えば、床暖房装置や浴室暖房装置等の放熱部が設けられる場合、内部循環路及び内部循環用循環手段に加えて、その内部循環路を循環する湯水を加熱する内部運転用加熱手段と、放熱部に循環される熱媒を内部循環路を循環する湯水により加熱する熱交換器とが設けられて、内部循環運転では、内部運転用加熱手段にて加熱された湯水を内部循環路を通して循環させることにより、放熱部に循環される熱媒を熱交換器において加熱することになる。
【0039】
そして、槽送出停止故障状態でないときに、内部循環運転の開始指令を指令すると、内部循環運転が実行されるものはもちろんのこと、槽送出停止故障状態であるときに、内部循環運転の開始指令を指令すると、貯湯槽の湯水が湯水消費部に供給されるのが防止される状態で、内部循環運転が実行される。
従って、衛生面での安全性を確保した状態で、内部循環運転を行うことができないといった使い勝手の悪化を回避することができるようになった。
【0040】
第14特徴構成は、上記第1〜第13特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記故障判別タイミングが、前記貯湯槽内の湯水の水質を向上させる水質向上タイミングに設定され、
前記運転制御手段が、前記水質向上タイミングになると、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行して、前記槽送出停止故障状態でないと判別した場合は、前記貯湯槽の湯水を加熱する貯湯槽加熱手段にて前記貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行し、且つ、前記槽送出停止故障状態であると判別した場合は、前記水質向上運転を実行しないように構成されている点にある。
【0041】
即ち、故障判別タイミングが貯湯槽内の湯水の水質を向上させる水質向上タイミングに設定されているので、運転制御手段は、水質向上タイミングになると、判別用操作処理及び故障判別処理を実行し、その故障判別処理において、槽送出停止故障状態でないと判別すると、貯湯槽加熱手段にて貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行し、槽送出停止故障状態であると判別した場合は、水質向上運転を実行しない。
つまり、水質向上タイミングになると、水質向上運転を実行する前に、先ず、判別用操作処理及び故障判別処理を実行して、その故障判別処理において槽送出停止故障状態でないと判別したときだけ、水質向上運転を実行するので、槽送出停止故障状態であって、槽送出切換弁の修理や交換が必要であるにも拘わらず不必要に水質向上運転を実行してエネルギを浪費するといった不都合を回避することができる。
ちなみに、作業員等によって槽送出切換弁の修理や交換を行う際には、貯湯全体の湯水を給水路からの水に入れ替える処置も行われることになるので、水質向上運転が不要である。
従って、槽送出停止故障であるときには水質向上運転が実行されないようにして、エネルギの浪費を回避しながら、水質向上タイミングになると水質向上運転が実行されるようにして、貯湯槽の湯水を用いて水質が適切に維持された状態で給湯することができるようになって。
【0042】
第15特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成、第7〜第13特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記故障判別タイミングが、前記貯湯槽内の湯水の水質を向上させる水質向上タイミングに設定され、
前記運転制御手段が、前記水質向上タイミングになると、前記貯湯槽の湯水を加熱する貯湯槽加熱手段にて前記貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行したのち、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行するように構成されている点にある。
【0043】
即ち、故障判別タイミングが貯湯槽内の湯水の水質を向上させる水質向上タイミングに設定されているので、運転制御手段は、水質向上タイミングになると、貯湯槽加熱手段にて貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行したのち、判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行する。
つまり、判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行するときには、貯湯槽全体の湯水の温度が略水質向上用設定温度以上になっているので、槽送出切換弁が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず給湯路を閉じる状態になっていない場合に、給水路からの水の流入による貯湯槽底部の湯水の温度低下、又は、給湯路からの湯水の流入による貯湯槽上部の湯水の温度低下が明確になるので、故障判別処理における槽送出停止故障状態の判別をより一層的確に行うことができる。
特に、上記第2特徴構成に加えて、この第14特徴構成を実施する場合は、貯湯槽内の湯水の温度と給水路からの水の温度との温度差が大きくて、給水路からの水の流入による貯湯槽底部の湯水の温度低下が顕著となるので、好ましい。
従って、槽送出停止故障をより一層的確に検出することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、図面に基づいて、本発明にかかる貯湯式の給湯装置をコージェネレーションシステムに適用した場合の実施の形態を説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態を説明する。
コージェネレーションシステムは、図1に示すように、電力と熱とを発生する熱電併給装置としての燃料電池1と、その燃料電池1が発生する熱にて貯湯槽2への貯湯を行い且つその貯湯槽2に貯湯される湯水を用いて台所や風呂等の湯水消費部への給湯を行う給湯ユニット3と、燃料電池1及び給湯ユニット3等の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部4等から構成されている。
【0045】
前記燃料電池1は、周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して簡単に説明すると、その燃料電池1は、水素を含有する燃料ガス及び酸素含有ガスが供給されて発電するセルスタック、そのセルスタックに供給する燃料ガスを生成する燃料ガス生成部、前記セルスタックに酸素含有ガスとして空気を供給するブロア等を備えて構成されている。
前記燃料ガス生成部は、供給される都市ガス(例えば、天然ガスベースの都市ガス)等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫器、その脱硫器から供給される脱硫原燃料ガスと別途供給される水蒸気とを改質反応させて水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器、その改質器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成器、その変成器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を別途供給される選択酸化用空気にて選択酸化する一酸化炭素除去器等から構成され、一酸化炭素を変成処理及び選択酸化処理により低減した改質ガスを前記燃料ガスとして前記セルスタックに供給するように構成されている。
そして、前記燃料ガス生成部への原燃料ガスの供給量を調節することにより、前記燃料電池1の発電電力を調節するように構成されている。
【0046】
前記燃料電池1の電力の出力側には、系統連系用のインバータ5が設けられ、そのインバータ5は、燃料電池1の発電電力を商用電源6から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
前記商用電源6は、例えば、単相3線式100/200Vであり、受電電力供給ライン7を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷8に電気的に接続されている。
また、インバータ5は、発電電力供給ライン9を介して受電電力供給ライン7に電気的に接続され、燃料電池1からの発電電力がインバータ5及び発電電力供給ライン9を介して電力負荷8に供給されるように構成されている。
【0047】
前記受電電力供給ライン7には、電力負荷8の負荷電力を計測する負荷電力計測手段10が設けられ、この負荷電力計測手段10は、受電電力供給ライン7を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かをも検出するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ5により燃料電池1から受電電力供給ライン7に供給される電力が制御され、発電出力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ11に供給されるように構成されている。
【0048】
前記電気ヒータ11は、複数の電気ヒータから構成され、冷却水循環ポンプ12の作動により冷却水循環路13を通流する前記燃料電池1の冷却水を加熱するように設けられ、インバータ5の出力側に接続された作動スイッチ14により各別にON/OFFが切り換えられている。
また、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ11の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ11の消費電力を調整するように構成されている。
尚、電気ヒータ11の消費電力を調整する構成については、上記のように複数の電気ヒータ11のON/OFFを切り換える構成以外に、その電気ヒータ11の出力を例えば位相制御等により調整する構成を採用しても構わない。
【0049】
以下、前記給湯ユニット3について説明を加える。
前記貯湯槽2は、底部に接続された給水路15を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路16を通して湯水が送出されるように構成されている。
そして、給湯ユニット3は、前記貯湯槽2に加えて、貯湯槽2の底部と上部とに接続された貯湯用循環路17、槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路17を通して貯湯槽2の湯水を循環させる貯湯用循環ポンプ18、貯湯用循環路17を通流する貯湯槽2の湯水を加熱する貯湯用熱交換器19、貯湯槽2を迂回して給湯路16に給水する槽迂回給水路20、及び、給湯路16を開いて貯湯槽2からの湯水の送出を許容する槽送出許容状態と、給湯路16を閉じ且つ前記槽迂回給水路17を開く槽送出停止状態とに切り換え自在な槽送出切換弁V1等を備えて構成されている。
【0050】
この第1実施形態では、前記槽迂回給水路20が、前記給水路15から分岐されて前記給湯路16に接続されている。
そして、その槽迂回給水路20には、その槽迂回給水路20を開閉する槽迂回給水路開閉弁21と湯水を前記給湯路側に向けて流動させる付加用循環手段としての放熱運転用循環ポンプ22とが、槽迂回給水路開閉弁21が給水路側に位置する状態で設けられている。
又、この第1実施形態では、前記槽送出切換弁V1が、給湯路16における貯湯槽側の部分が接続される給湯路上流側ポート、給湯路16における湯水消費部側の部分が接続される給湯路下流側ポート、及び、槽迂回給水路20が接続される給水路側ポートの3つのポートを備えた槽送出切換用三方弁23にて構成されている。
つまり、給湯路上流側ポート及び給湯路下流側ポート夫々を開き且つ給水路側ポートを閉じる状態、並びに、給湯路上流側ポート、給湯路下流側ポート及び給水路側ポートの3ポート全てを開く状態の2状態が槽送出許容状態に相当することになり、以下の説明では、前者の状態を第1槽送出許容状態と称し、後者の状態を第2槽送出許容状態と称する。
又、給湯路上流側ポートを閉じ且つ給湯路下流側ポート及び給水路側ポート夫々を開く状態が槽送出停止状態に相当する。
【0051】
更に、この給湯ユニット3には、給湯路16における槽迂回給水路20が接続される箇所よりも下流側の部分と槽迂回給水路20における槽迂回給水路開閉弁21と放熱運転用循環ポンプ22との間の部分とに接続される暖房用循環路部分24及び追焚用循環路部分25が設けられている。
詳しくは、暖房用循環路部分24の給湯路16に対する接続箇所が、追焚用循環路部分25の給湯路16に対する接続箇所よりも貯湯槽2に近い側になる状態で、暖房用循環路部分24及び追焚用循環路部分25が給湯路16に接続され、並びに、暖房用循環路部分24の槽迂回給水路20に対する接続箇所が、追焚用循環路部分25の槽迂回給水路20に対する接続箇所よりも給湯路16に近い側になる状態で、暖房用循環路部分24及び追焚用循環路部分25が槽迂回給水路20に接続されている。
そして、暖房用循環路部分24には、その暖房用循環路部分24、槽迂回給水路20における暖房用循環路部分24の接続箇所よりも給湯路側の部分及び給湯路16における槽迂回給水路20の接続箇所よりも下流側の部分を経由する暖房用循環路R1を通しての湯水の循環を断続する暖房用開閉弁26が設けられている。
又、追焚用循環路部分25には、その追焚用循環路部分25、槽迂回給水路20における追焚用循環路部分25の接続箇所よりも給湯路側の部分及び給湯路16における槽迂回給水路20の接続箇所よりも下流側の部分を経由する追焚用循環路R2を通しての湯水の循環を断続する追焚用開閉弁27が設けられている。
【0052】
更に、床暖房パネル等の暖房端末28に熱媒循環路29を通して熱媒を循環させる暖房用循環ポンプ30と、暖房用循環路R1を通して循環される湯水により熱媒循環路29を通して循環される熱媒を加熱する暖房用熱交換器31と、浴槽32の湯水を浴槽湯水循環路33を通して循環させる浴槽用循環ポンプ34と、追焚用循環路R2を通して循環される湯水により浴槽湯水循環路33を通して循環される浴槽32の湯水を加熱する追焚用熱交換器35とが設けられている。
【0053】
前記給湯路16における前記槽迂回給水路20の接続箇所と前記暖房用循環路部分24の接続箇所との間の部分に、給湯路16を通流する湯水を加熱する補助加熱器36が設けられている。
この補助加熱器36は、前記給湯路16に設けられた補助加熱用熱交換器36a、その補助加熱用熱交換器36aを加熱するバーナ36b、そのバーナ36bに燃焼用空気を供給するファン36c、補助加熱用熱交換器36aに流入する湯水の流入温度を検出する流入温度センサ(図示省略)、補助加熱用熱交換器36aから流出する湯水の温度を検出する流出温度センサ(図示省略)、補助加熱用熱交換器36aに流入する湯水の流量を検出する流量センサ(図示省略)等を備えて構成され、この補助加熱器36の運転は前記運転制御部4により制御される。
【0054】
更に、この給湯ユニット3には、前記給湯路16における前記追焚用循環路部分25が接続される箇所よりも下流側の箇所(前記槽迂回給水路20が接続される箇所よりも下流側の箇所に相当する)に給水する下流側給水路としての混合用給水路37と、その混合用給水路37を通して供給される水と前記給湯路16を通して供給される前記貯湯槽2からの湯水との混合比率を調節自在な混合比率調節弁V2と、前記給湯路16における前記混合用給水路37が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水し、且つ、開閉作動用の電力が供給されない状態で開弁状態となる高温出湯回避弁38が装備された高温出湯回避給水路39とが設けられている。
前記混合用給水路37及び前記高温出湯回避給水路39は、いずれも前記給水路15から分岐されて前記給湯路16に接続されている。
【0055】
この第1実施形態では、前記混合比率調節弁V2が、前記給湯路16における前記追焚用循環路部分25が接続される箇所と前記混合用給水路37が接続される箇所との間に設けられてその給湯路16における湯水の通流の断続及び通流量の調節が自在な給湯路側調節弁40と、前記混合用給水路37に設けられてその混合用給水路37における水の通流の断続及び通流量の調節が自在な混合用給水路側調節弁41にて構成されている。
【0056】
前記給湯路16における前記槽迂回給水路20の接続箇所よりも上流側の箇所に、貯湯槽2から送出される湯水の量を検出する槽送出量センサ42が設けられている。
前記給湯路16における前記混合用給水路37の接続箇所よりも下流側の箇所に、前記給湯路側調節弁40及び前記混合用給水路側調節弁41にて給湯路16からの湯水と混合用給水路37からの水との混合比率が調節されたのちの湯水の温度を検出する給湯温度センサ43と、その湯水の量を検出する給湯量センサ44とが設けられている。
又、前記貯湯用循環路17における前記貯湯用熱交換器19よりも下流側の箇所に、その貯湯用熱交換器19にて加熱された湯水の温度を検出する加熱温度センサ45が設けられ、前記貯湯槽2の上部には、その槽上部の湯水の温度を検出する槽上部温度センサ46が設けられ、前記貯湯槽2の底部には、その槽底部の湯水の温度を検出する槽底部温度センサ47が設けられている。
【0057】
次に、前記運転制御部4の制御作動について説明する。
この運転制御部4は、遠隔操作式の操作部48と通信自在に構成され、この操作部48には、図示を省略するが、前記燃料電池1の運転の開始及び停止を指令する運転スイッチ、目標給湯温度を設定する給湯温度設定部、前記暖房端末28を運転させる暖房運転の開始及び停止を指令する暖房スイッチ、前記浴槽32を追焚する追焚運転の開始及び停止を指令する追焚スイッチ等が設けられている。
【0058】
そして、前記運転制御部4は、操作部48の運転スイッチにより燃料電池1の運転の開始が指令されると、前記燃料電池1をその発電電力を現在要求されている現負荷電力に追従させる電主運転にて連続して運転させる。
その電主運転では、1分等の比較的短い所定の出力調整周期毎に現負荷電力を求め、燃料電池1の発電電力調整範囲内で、連続的に現負荷電力に追従する電主出力を決定し、燃料電池1の発電出力をその決定した電主出力に調整する形態で運転する。
尚、前記現負荷電力は、前記負荷電力計測手段10の計測値及び前記インバータ5の出力値に基づいて計測する。
そして、運転制御部4は、前記燃料電池1の運転中は、前記冷却水循環ポンプ12及び前記貯湯用循環ポンプ18を作動させることによって、貯湯槽2内に湯水を貯湯する貯湯運転を行うように構成されている。
そして、運転制御部4は、その貯湯運転では、前記加熱温度センサ45の検出情報に基づいて、前記貯湯槽2に供給される湯水の温度が予め設定された目標加熱温度(例えば60°C)になるように湯水循環量を調節すべく、前記貯湯用循環ポンプ18の作動を制御するように構成されている。
【0059】
前記貯湯運転では、貯湯用循環ポンプ18により、槽下部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯槽2の湯水を貯湯用循環路17を通して循環させ、そのように貯湯用循環路17を通して循環される湯水を前記貯湯用熱交換器19において燃料電池1の発生熱を回収した冷却水にて加熱することにより、貯湯槽2に温度成層を形成する状態で湯水が貯留されることになる。
つまり、前記燃料電池1、前記冷却水循環路13、前記冷却水循環ポンプ12、前記貯湯用循環路17、前記貯湯用循環ポンプ18及び前記貯湯用熱交換器19等を用いて、槽底部から取り出した湯水を前記燃料電池1にて発生する熱にて加熱したのち槽上部に戻す形態で前記貯湯槽2に貯湯する貯湯手段が構成される。
更に、前記運転制御部4は、前記貯湯運転の実行中に、前記槽底部温度センサ47の検出温度が予め設定した満杯判別用温度(例えば55°C)以上になると、貯湯槽2の底部にまで貯湯されて貯湯槽2の貯湯量が満杯になったとして、前記燃料電池1を停止させ、並びに、前記冷却水循環ポンプ12及び前記貯湯用循環ポンプ18を停止させて前記貯湯運転を停止するように構成されている。
【0060】
前記給湯路16の先端に設けられている給湯栓等が開栓されると、給水路15により槽底部に印加される水圧により貯湯槽2内の水が押し上げられて給湯路16に送出され、前記給湯量センサ44の検出流量が給湯状態判別用の設定流量以上になって、給湯路16を通して湯水消費部に湯水が供給される給湯状態が検出されることになり、給湯量センサ44にて給湯状態検出手段が構成される。
そして、前記運転制御部4は、前記給湯量センサ44により給湯状態が検出されると、前記補助加熱器36の流入温度センサにて検出される湯水の温度が前記操作部48の給湯温度設定部にて設定される目標給湯温度よりも高いときは、前記給湯温度センサ43の検出温度が前記目標給湯温度になるように前記給湯路側調節弁40及び前記混合用給水路側調節弁41の作動を制御するように構成されている。
又、運転制御部4は、前記補助加熱器36の流入温度センサにて検出される湯水の温度が前記目標給湯温度よりも低いときは、補助加熱器36の流出温度センサの検出温度が前記目標給湯温度になるように補助加熱器36の燃焼量を制御するように構成されている。
【0061】
前記運転制御部4は、前記操作部48の暖房スイッチにて暖房運転の開始が指令されると、前記槽送出切換弁23を前記第2槽送出許容状態又は前記槽送出停止状態に切り換え且つ前記暖房用開閉弁26を開弁した状態で、前記放熱運転用循環ポンプ22及び前記暖房用循環ポンプ30を作動させ、且つ、前記補助加熱器36の流入温度センサの検出温度が暖房用設定温度(例えば60°C)よりも低いときは流出温度センサの検出温度が暖房用設定温度になるように補助加熱器36の燃焼量を制御する暖房運転を実行し、前記暖房スイッチにて暖房運転の停止が指令されると、前記暖房用開閉弁26を閉弁し、前記放熱運転用循環ポンプ22及び前記暖房用循環ポンプ30を停止させて暖房運転を停止する。
この暖房運転においては、暖房用循環路R1を通して湯水が補助加熱器36にて加熱されながら循環し、並びに、熱媒循環路29を通して熱媒が循環し、暖房用熱交換器31において、暖房用循環路R1を通流する湯水により熱媒循環路29を通流する熱媒が加熱されて、その熱媒の保有熱が暖房端末28において放熱されることになる。
【0062】
前記運転制御部4は、前記操作部48の追焚スイッチにより追焚運転が指令されると、前記槽送出切換弁23を前記第2槽送出許容状態又は前記槽送出停止状態に切り換え且つ前記追焚用開閉弁27を開弁した状態で、前記放熱運転用循環ポンプ22及び前記浴槽用循環ポンプ34を作動させ、且つ、前記補助加熱器36の流入温度センサの検出温度が追焚用設定温度(例えば80°C)よりも低いときは流出温度センサの検出温度が追焚用設定温度になるように補助加熱器36の燃焼量を制御する追焚き運転を実行する。
又、前記運転制御部4は、前記追焚運転の実行中に、前記操作部48の追焚スイッチにより追焚運転の停止が指令されるか、又は、前記浴槽湯水循環路33の戻り路部分に設けられた浴槽温度センサ(図示省略)の検出温度が前記操作部48の湯張り温度設定部にて設定された設定湯張り温度以上になると、前記追焚用開閉弁27を閉弁し、前記放熱運転用循環ポンプ22及び前記浴槽用循環ポンプ34を停止させて追焚き運転を停止する。
この追焚き運転においては、追焚用循環路R2を通して湯水が補助加熱器36にて加熱されながら循環し、並びに、浴槽湯水循環路33を通して浴槽32の湯水が循環し、追焚用熱交換器35において、追焚用循環路R2を通流する湯水により浴槽湯水循環路33を通流する浴槽32の湯水が加熱されて、浴槽32が追焚きされることになる。
【0063】
本発明では、前記運転制御部4は、故障判別タイミングになると、前記槽送出切換用三方弁23を槽送出停止状態に切り換える判別用操作処理、及び、前記貯湯槽内の湯水の温度変化に基づいて槽送出停止故障状態であるか否かを判別する故障判別処理を実行するように構成されている。
尚、判別用操作処理においては、槽送出切換用三方弁23を槽送出停止状態に切り換えることが必須条件であるので、以下の説明では、判別用操作処理において槽送出切換用三方弁23以外の部材の操作が追加される場合は、槽送出切換用三方弁23を槽送出停止状態に切り換える操作については、記載を省略する場合がある。
【0064】
この第1実施形態では、前記運転制御部4は、前記判別用操作処理の開始時点において、前記槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度に設定昇温幅加えた温度を故障判別用加熱目標温度として設定する。
そして、運転制御部4は、判別用操作処理において、前記槽迂回給水路開閉弁21及び前記暖房用開閉弁26を開弁し且つ放熱運転用循環ポンプ22を作動させ、且つ、補助加熱器36の流入温度センサの検出温度が前記故障判別用加熱目標温度よりも低いときは、流出温度センサの検出温度が前記故障判別用加熱目標温度になるように前記補助加熱器36の燃焼量を制御する。つまり、補助加熱器36の加熱目標温度を槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度よりも高い故障判別用加熱目標温度に定めるように構成されている。
【0065】
又、運転制御部4は、故障判別処理において、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が故障判別用設定時間の間に故障判別用温度上昇幅上昇すると前記槽送出停止故障状態であると判別する。
ちなみに、前記設定昇温幅は例えば3°Cに、前記故障判別用設定時間は例えば1分間に、前記故障判別用温度上昇幅は例えば1°Cに設定される。
【0066】
つまり、運転制御部4が、前記判別用操作処理において、前記槽迂回給水路開閉弁21を開弁し且つ前記放熱運転用循環ポンプ22を作動させるように構成され、前記故障判別処理において、前記貯湯槽内上部の湯水の温度変化に基づいて前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されていることになる。
又、前記運転制御部4が、前記判別用操作処理において、前記補助加熱器36を加熱作動させるように構成され、前記故障判別処理において、前記貯湯槽内上部の湯水の温度が上昇すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されていることになる。
更に、前記運転制御部4が、前記判別用操作処理において、供給される湯水を前記貯湯槽内上部の湯水の温度よりも高い温度に加熱すべく前記補助加熱器36の加熱作動を制御するように構成されていることになる。
【0067】
つまり、前記判別用操作処理が実行されると、補助加熱器36により前記故障判別用加熱目標温度に加熱された湯水が、暖房用循環路R1を通して槽迂回給水路20における暖房用循環路部分24の接続箇所よりも給湯路側の部分を給湯路側に向かう方向に循環されることになり、そして、そのように暖房用循環路R1を通して湯水が循環される状態で、槽送出切換用三方弁23が槽送出停止状態に切り換えられるように制御されているにも拘わらず、槽送出切換用三方弁23が給湯路16を閉じる状態になっていない場合は、槽迂回給水路20における暖房用循環路部分24の接続箇所よりも給湯路側の部分を給湯路側に向かって流動する湯水の一部が槽送出切換用三方弁23を通過して、給湯路16における槽送出切換用三方弁23にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分に流入するのが許容される状態となるので、給湯路16における槽送出切換用三方弁23にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分、貯湯槽2及び槽迂回給水路20を経由する貯湯槽循環経路R3において、貯湯槽内を上部から底部に向かう方向に湯水の流動状態が生じることになり、給湯路16における槽送出切換用三方弁23にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が上昇することになる。
そこで、故障判別処理において、貯湯槽内上部の湯水が故障判別用設定時間の間に故障判別用温度上昇幅上昇すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている。
【0068】
つまり、この第1実施形態では、暖房用循環路部分24を付加循環路部分として機能させ、補助加熱器36を付加用加熱手段として機能させるように構成されている。
尚、このように付加循環路部分にて湯水の流れを意図的に現出させるため、給湯使用状態になるのをまつことなく、槽送出停止故障状態であるか否かを検出できる。
【0069】
又、前記運転制御部4は、前記槽送出量センサ42の検出流量を積算して、水質向上要否判別用期間の間における槽送出量センサ42の検出流量の積算値が水質向上要否判別用積算流量よりも少ない場合は、前記貯湯槽内の湯水の水質を向上させる水質向上タイミングであると判別するように構成されている。
ちなみに、前記水質向上要否判別用期間は例えば96時間に設定され、前記水質向上要否判別用積算流量は例えば200リットルに設定される。
尚、槽送出量センサ42を省略して、前記給湯量センサ44又は前記補助加熱器36に備えられて、その補助加熱器36に流入する湯水の流量を検出する流量センサの検出情報と、槽送出切換弁V1の開度情報とに基づいて、貯湯槽2からの送出量を求め、その送出量を積算するようにしてもよい。
【0070】
そして、この第1実施形態では、前記故障判別タイミングが、前記水質向上タイミングに設定され、前記運転制御部4が、前記水質向上タイミングになると、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行して、前記槽送出停止故障状態でないと判別した場合は、前記貯湯槽2の湯水を加熱する貯湯槽加熱手段Hにて前記貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行し、且つ、前記槽送出停止故障状態であると判別した場合は、前記水質向上運転を実行しないように構成されている。
ちなみに、前記水質向上用設定温度は例えば60°Cに設定される。
【0071】
前記運転制御部4は、前記水質向上運転においては、前記槽送出切換弁23を前記第2槽送出許容状態に切り換え、前記暖房用開閉弁26を開弁し、且つ、槽迂回給水路開閉弁21を開弁した状態で、前記放熱運転用循環ポンプ22を作動させ、且つ、前記補助加熱器36の流入温度センサの検出温度が水質向上用加熱目標温度よりも低いときは流出温度センサの検出温度が水質向上用加熱目標温度になるように補助加熱器36の燃焼量を制御するように構成され、槽底部温度センサ47の検出温度が前記水質向上用設定温度以上になると、前記暖房用開閉弁26を閉弁し、前記放熱運転用循環ポンプ22を停止させて水質向上運転を終了するように構成されている。
【0072】
つまり、水質向上運転が実行されると、槽迂回給水路20における暖房用循環路部分24の接続箇所において、槽下部から取り出されて槽迂回給水路20を通流する湯水と補助加熱器36により水質向上用加熱目標温度に加熱されて暖房用循環路部分24を通流する湯水とが合流して混合され、その混合された湯水が槽迂回給水路20を通流して給湯路16の上流側と下流側とに分流する形態で、貯湯槽2の湯水が貯湯槽循環経路R3及び暖房用循環路R1の両循環経路を通して循環されることになり、貯湯槽2の湯水が加熱されることになる。
ちなみに、前記水質向上用加熱目標温度は、補助加熱器36により水質向上用加熱目標温度に加熱された湯水が槽下部から取り出された貯湯槽2の湯水と混合されても、その混合後の湯水の温度が前記水質向上用設定温度以上になる温度に設定されている。
従って、水質向上運転により、貯湯槽全体の湯水が水質向上用設定温度以上に加熱されることになり、補助加熱器36を貯湯槽加熱手段Hとして機能させるように構成されている。
【0073】
又、槽送出切換弁V1とは別に、前記貯湯槽2からの湯水の送出を抑制する槽送出抑制弁V3が設けられ、前記運転制御部4が、前記槽送出停止故障状態であると判別すると、前記貯湯槽2からの湯水の送出を抑制すべく前記槽送出抑制弁V3の作動を制御する故障対策処理を実行するように構成されている。
そして、この第1実施形態では、前記給湯路側調節弁40と前記混合用給水路側調節弁41とにより構成される前記混合比率調節弁V2にて前記槽送出抑制弁V3が構成され、前記運転制御部4が、前記故障対策処理として、前記給湯路側調節弁40を閉弁し且つ前記混合用給水路側調節弁41を全開する処理を実行するように構成されている。
【0074】
つまり、運転制御部4が、故障対策処理として、混合された湯水の量に対する前記貯湯槽2からの湯水の比率を0にすべく混合比率調節弁V2の作動を制御する処理を実行するように構成されていることになる。
ちなみに、故障対策処理として、混合された湯水の量に対する前記貯湯槽2からの湯水の比率を略0にすべく混合比率調節弁V2の作動を制御する処理を実行するように構成してもよい。つまり、混合比率調節弁V2が、混合された湯水の量に対する前記貯湯槽2からの湯水の比率を0にはできないように構成される場合においては、混合された湯水の量に対する前記貯湯槽2からの湯水の比率を略0にすべく、混合比率調節弁V2の作動を制御すればよい。
【0075】
更に、運転制御部4が、前記槽送出停止故障状態でないと判別したときは、前記給湯路側調節弁40を開弁した状態で前記暖房運転を実行し、且つ、前記槽送出停止故障状態であると判別したときは、前記給湯路側調節弁40を閉弁した状態で前記暖房運転を実行するように構成され、並びに、前記槽送出停止故障状態でないと判別したときは、前記給湯路側調節弁40を開弁した状態で前記追焚運転を実行し、且つ、前記槽送出停止故障状態であると判別したときは、前記給湯路側調節弁40を閉弁した状態で前記追焚運転を実行するように構成されている。
【0076】
つまり、前記暖房用循環路R1及び前記追焚用循環路R2夫々が、前記給湯路16における前記槽迂回給水路20が接続される箇所よりも下流側の部分の一部を用いて形成される内部循環路R4に相当し、前記放熱運転用循環ポンプ22が、前記内部循環路R4を通して湯水を循環させる内部循環用循環手段Pに相当し、前記給湯路側調節弁40が、前記給湯路16における前記内部循環路R4を形成する部分よりも下流側の部分に設けられて前記給湯路16を開閉する内部循環路下流側開閉弁V4に相当する。
又、前記暖房運転及び前記追焚運転の夫々が内部循環運転に相当する。
【0077】
そして、前記運転制御部4が、内部循環運転の開始指令に基づいて、前記内部循環用循環手段Pを作動させて前記内部循環路R4を通して湯水を循環させる内部循環運転を実行可能なように構成され、且つ、前記槽送出停止故障状態でないと判別したときは、前記内部循環路下流側開閉弁V4を開弁した状態で前記内部循環運転を実行し、前記槽送出停止故障状態であると判別したときは、前記内部循環路下流側開閉弁V4を閉弁した状態で前記内部循環運転を実行するように構成されていることになる。
【0078】
次に、図2及び図3に示すフローチャートに基づいて、前記運転制御部4による貯湯ユニット3の制御動作を説明する。
図2に示すように、運転制御部4は、水質向上タイミングになったと判別すると、槽送出停止故障状態であるか否かの判別等を行なう判別制御を実行する(ステップ#1,2)。
図3に示すように、運転制御部4は、判別制御においては、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行して、前記槽送出停止故障状態でないと判別した場合は、前記貯湯槽2の湯水を加熱する貯湯槽加熱手段Hにて前記貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行し、前記槽送出停止故障状態であると判別した場合は、前記故障対策処理を実行し、燃料電池1が運転中のときはその燃料電池1の運転を停止する燃料電池運転停止処理を実行し、操作部48に設けられている異常ランプ(図示省略)を点灯させる異常報知処理を実行する(ステップ#21〜28)。
【0079】
運転制御部4は、前記水質向上運転を前記槽底部温度センサ47の検出温度が前記水質向上用設定温度以上になるまで継続し、前記槽底部温度センサ47の検出温度が前記水質向上用設定温度以上になると水質向上運転を停止する。
又、運転制御部4は、前記故障判別処理にて前記槽送出停止故障状態であると判別したときは、前記操作部48に設けられているリセットスイッチ(図示省略)が押されるまでは、前記操作部48の運転スイッチにより前記燃料電池1の運転開始が指令されても燃料電池1を運転させないように構成されている。
【0080】
図2に示すように、運転制御部4は、水質向上タイミングでないと判別した場合は、前記燃料電池1の運転中のときは貯湯運転を実行し、操作部48の暖房スイッチにて暖房運転の開始が指令されると、前記槽送出停止故障状態でないときは前記給湯路側調節弁40を開にしたのち、前記暖房運転を実行し、前記槽送出停止故障状態であるときは前記給湯路側調節弁40を閉弁したのち、前記暖房運転を実行し、操作部48の暖房スイッチにて暖房運転の停止が指令されると、暖房運転を停止する(ステップ#1,3〜11)。
又、運転制御部4は、操作部48の追焚スイッチにて追焚運転の開始が指令されると、前記槽送出停止故障状態でないときは前記給湯路側調節弁40を開にしたのち、前記追焚運転を実行し、前記槽送出停止故障状態であるときは前記給湯路側調節弁40を閉弁したのち、前記追焚運転を実行し、前記操作部48の追焚スイッチにより追焚運転の停止が指令されるか、又は、前記浴槽温度センサの検出温度が前記設定湯張り温度以上になることに基づいて追焚運転の停止が指令されると、追焚運転を停止する(ステップ#12〜18)。
【0081】
この第1実施形態においては、請求項1、3、5、6、7、8、12、13夫々に係る発明が説明されている。
【0082】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は判別用操作処理及び故障判別処理の別の実施形態を説明するものであり、コージェネレーションシステムの全体構成は上記の第1実施形態において説明した図1と同様であるので、主として、故障判別処理について説明する。
この第2実施形態においては、運転制御部4は、前記判別用操作処理において、前記槽送出切換用三方弁23を槽送出停止状態に切り換え且つ前記槽迂回給水路開閉弁21を開弁するように構成され、前記故障判別処理において、前記給湯量センサ44の検出流量が前記給湯状態判別用の設定流量以上になって給湯状態が検出されたときに、前記槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が前記故障判別用設定時間の間に故障判別用温度低下幅低下すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている。
ちなみに、前記故障判別用温度低下幅は、例えば1°Cに設定される。
【0083】
又、この第2実施形態においても、上記の第1実施形態と同様に、前記故障判別タイミングが、前記水質向上タイミングに設定されているが、運転制御部4が、水質向上タイミングになると、前記貯湯槽2の湯水を加熱する貯湯槽加熱手段Hにて前記貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行したのち、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行するように構成されている点で、上記の実施形態と異なる。
水質向上運転における具体的な制御構成は、上記の第1実施形態と同様であるので説明を省略する。つまり、この第2実施形態においても、補助加熱器36を貯湯槽加熱手段Hとして機能させるように構成されている。
【0084】
次に、前記運転制御部4による貯湯ユニット3の制御動作を説明するが、全体の制御動作は上記の第1実施形態において図2に示すフローチャートに基づいて説明した制御動作と同様であるので、その説明を省略して、図4に示すフローチャートに基づいて、判別制御における制御動作を説明する。
運転制御部4は、水質向上運転を前記槽底部温度センサ47の検出温度が前記水質向上用設定温度以上になるまで継続し、前記槽底部温度センサ47の検出温度が前記水質向上用設定温度以上になると、水質向上運転を終了して、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行して、前記槽送出停止故障状態であると判別した場合は、前記故障対策処理を実行し、燃料電池1が運転中のときはその燃料電池1の運転を停止する燃料電池運転停止処理を実行し、操作部48に設けられている異常ランプ(図示省略)を点灯させる異常報知処理を実行してリターンし、前記槽送出停止故障状態でないと判別した場合はそのままリターンする(ステップ#31〜38)。
【0085】
この第2実施形態においては、主として、請求項2、14夫々に係る発明が説明されている。
【0086】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態を説明するが、この第3実施形態は、混合比率調節弁V2及び槽送出抑制弁V3の別実施形態、並びに、判別用操作処理、故障判別処理及び故障対策処理の別の実施形態を説明するものである。
図5に示すように、この第3実施形態においては、混合比率調節弁V2が、給湯路16における貯湯槽側の部分が接続される給湯路上流側ポート、給湯路16における湯水消費部側の部分が接続される給湯路下流側ポート、及び、混合用給水路37が接続される給水路側ポートの3つのポートを備えた混合比率調節用三方弁49にて構成されている。
つまり、混合比率調節用三方弁49は、その給湯路上流側ポート及び給水路側ポート夫々の開度を調節することにより、前記下流側給水路としての前記混合用給水路37を通して供給される水と前記給湯路16を通して供給される前記貯湯槽2からの湯水との混合比率を調節するように構成されている。
ちなみに、前記混合比率調節用三方弁49は、給湯路上流側ポートを閉じることができない構造、即ち、給湯路16を閉じることができない構造となっている。
【0087】
この第3実施形態では、前記運転制御部4は、前記判別用操作処理において、前記槽迂回給水路開閉弁21及び前記暖房用開閉弁26を開弁し且つ放熱運転用循環ポンプ22を作動させるように構成され、前記故障判別処理において、前記槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が前記補助加熱器36の流入温度センサにて検出される暖房用循環路R1の湯水の温度よりも高い場合に、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が前記故障判別用設定時間の間に前記故障判別用温度低下幅低下すると槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている。
つまり、この第3実施形態では、暖房用循環路部分24を付加循環路部分として機能させ、補助加熱器36を付加用加熱手段として機能させ、暖房用循環路R1を付加循環路として機能させるように構成されている。
要するに、貯湯槽2内に貯湯された湯水は、貯湯槽2の保温機能により低温になり難いものであるのに対して、付加循環回路の湯水は、冷めやすくて低温になり易いものであり、給湯路16における槽送出切換弁V1にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度が付加循環路における湯水の温度よりも高い状態は、使用に伴って頻繁に現れるものであり、この第3実施形態では、このような状態のときに、槽送出停止状態にあるか否かを判別することにより、エネルギ消費を抑制できるのである。
【0088】
前記運転制御部4は、前記故障対策処理において、給湯路上流側ポートの開度を最小とし且つ給水路側ポートの開度を最大とすべく混合比率調節用三方弁49の作動を制御するように構成されている。
つまり、この第3実施形態においては、混合比率調節弁V2としての混合比率調節用三方弁49により前記槽送出抑制弁V3が構成されることになる。
そして、運転制御部4が、前記故障対策処理として、前記貯湯槽2からの湯水の送出を抑制し且つ下流側給水路としての前記混合用給水路37にて前記給湯路16に給水すべく前記槽送出抑制弁V3の作動を制御する処理を実行するように構成されていることになる。
又、運転制御部4が、前記故障対策処理として、貯湯槽2からの湯水の比率を最小にし且つ混合用給水路37を通して供給される水の比率を最大にすべく混合比率調節弁V2の作動を制御する処理を実行するように構成されていることになる。
【0089】
前記運転制御部4による貯湯ユニット3の制御動作は、第1実施形態において図2及び図3に示すフローチャートに基づいて説明した制御動作と同様であるので、説明を省略する。
【0090】
この第3実施形態においては、主として、請求項3、4、9、10夫々に係る発明が説明されている。
【0091】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態を説明するが、この第4実施形態は故障対策処理の別実施形態を示すものであり、判別用操作処理及び故障判別処理は、上記第1実施形態〜第3実施形態の処理を適宜用いることができ、そして、コージェネレーションシステムの全体構成は上記の第1実施形態において説明した図1と同様であるので、主として、故障対策処理について説明する。
この第4実施形態においては、前記給湯路16における前記槽迂回給水路20が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水する下流側給水路としての混合給水路37と、この混合給水路37を通して供給される水の量を調節する水供給量調節弁としての混合給水路側調節弁41とを用いて故障対策処理を行うものである。
つまり、運転制御部4が、故障対策処理として、前記槽送出停止故障状態であると判別すると、槽送出切換弁V1を槽送出停止状態に維持し、且つ、混合給水路側調節弁41の開度を最大または略最大に調節すべく前記水供給量調節弁の作動を制御することになる。
【0092】
このように、槽送出停止故障状態であると判別されると、混合給水路側調節弁41の開度を最大または略最大に調節されて、混合給水路37を通して給湯路16における槽迂回給水路20が接続される箇所よりも下流側の箇所に多量の水が供給されることになり、槽送出停止状態の槽送出切換弁V1を通して、貯湯槽2からの湯水が給湯路16における槽迂回給水路20が接続される箇所よりも下流側に漏れ出ることがあっても、混合給水路37を通して供給される多量の水による希釈作用により、給湯路16を通して供給される湯水の水質を向上させることができるのである。
尚、この第4実施形態においては、給湯路側調節弁40は省略できるものであるが、この給湯路側調節弁40が存在する場合には、この給湯路側調節弁40の開度を全閉又はほぼ全閉にすることにより、水質が低下した虞のある湯水が湯水消費部に供給されるのを一層確実に抑制することができる。
【0093】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 槽上部温度センサ46に代えて、給湯路16における槽送出切換用三方弁23にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側の部分の湯水の温度を検出する槽送出切換弁上流側温度センサを設ける。
そして、上記の第1実施形態においては、故障判別処理において、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が故障判別用設定時間の間に故障判別用温度上昇幅上昇すると槽送出停止故障状態であると判別する構成に代えて、槽送出切換弁上流側温度センサにて検出される湯水の温度が故障判別用設定時間の間に故障判別用温度上昇幅上昇すると槽送出停止故障状態であると判別するように構成してもよい。
又、上記の第3実施形態においては、故障判別処理において、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が補助加熱器36の流入温度センサにて検出される暖房用循環路R1の湯水の温度よりも高い場合に、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が低下すると槽送出停止故障状態であると判別する構成に代えて、槽送出切換弁上流側温度センサにて検出される湯水の温度が補助加熱器36の流入温度センサにて検出される暖房用循環路R1の湯水の温度よりも高い場合に、槽送出切換弁上流側温度センサにて検出される湯水の温度が低下すると槽送出停止故障状態であると判別するように構成しても良い。
【0094】
(ロ) 上記の第2実施形態においては、故障判別処理において、給湯量センサ44の検出流量が給湯状態判別用の設定流量以上になって給湯状態が検出されたときに、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が故障判別用設定時間の間に故障判別用温度低下幅低下すると槽送出停止故障状態であると判別する構成に代えて、給湯量センサ44の検出流量が給湯状態判別用の設定流量以上になって給湯状態が検出されたときに、槽底部温度センサ47にて検出される貯湯槽内底部の湯水の温度が故障判別用設定時間の間に故障判別用温度低下幅低下すると槽送出停止故障状態であると判別するように構成しても良い。
【0095】
(ハ) 槽送出抑制弁V3の具体構成は、上記の第1〜第3の各実施形態において例示した構成に限定されるものではなく、例えば、混合比率調節弁V3と高温出湯回避弁38とにより構成しても良い。
この場合は、運転制御部4を、故障対策処理として、貯湯槽2からの湯水の比率を最小または略最小にすべく混合比率調節弁V3の作動を制御し、且つ、高温出湯回避弁38を開弁すべくその高温出湯回避弁38の作動を制御する処理を実行するように構成することになる。
具体的には、この別実施形態を上記の第1及び第2の各実施形態に適用する場合は、混合比率調節弁V3を構成する給湯路側調節弁40を閉弁するように構成し、この別実施形態を上記の第3実施形態に適用する場合は、混合比率調節弁V3としての混合比率調節用三方弁49をその給湯路上流側ポートの開度を最小にすべく制御するように構成することになる。
【0096】
(ニ) 槽送出切換弁V1の具体構成は、上記の第1〜第3の各実施形態において例示した構成、即ち、槽送出切換用三方弁23にて構成する場合に限定されるものではない。
例えば、図6に示すように、槽送出切換用三方弁23に代えて、給湯路16における槽迂回給水路20の接続箇所よりも貯湯槽側の部分に、その部分を開閉する給湯路開閉弁50を設けて、この給湯路開閉弁50と槽迂回給水路開閉弁21とにより槽送出切換弁V1を構成してもよい。この構成の場合には、給湯路開閉弁50の開閉により、槽送出許容状態と槽送出停止状態とに切り換えられることになる。
又、図7に示すように、槽送出切換用三方弁23に代えて、給水路15における槽迂回給水路20の分岐箇所よりも貯湯槽側の部分に、その部分を開閉する給水路開閉弁51を設けて、この給水路開閉弁51と槽迂回給水路開閉弁21とにより槽送出切換弁V1を構成してもよい。この構成の場合には、給水路開閉弁51の開閉により、槽送出許容状態と槽送出停止状態とに切り換えられることになる。
そして、この構成の場合においては、給湯路16における槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも貯湯槽側部分の湯水とは、給湯路16における槽迂回給水路20の接続箇所よりも貯湯槽側に位置する給湯路部分の湯水を意味することになる。
【0097】
(ホ) 上記の第1〜第3の各実施形態においては、水質向上運転において、補助加熱器36にて貯湯槽2の湯水を加熱するように構成して、この補助加熱器36にて貯湯槽加熱手段Hを構成する場合について例示したが、貯湯用熱交換器19により燃料電池1の排熱を用いて貯湯槽2の湯水を加熱するように構成して、貯湯用熱交換器19にて貯湯槽加熱手段Hを構成してもよい。
【0098】
(ヘ) 判別用操作処理において、供給される湯水を補助加熱器36により加熱するように構成するに当たって、上記の第3実施形態においては、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度よりも高い温度に加熱するように構成する場合について例示したが、目標加熱温度(例えば60°C)よりも高い温度に加熱するように構成しても良い。
【0099】
(ト) 上記の第1〜第3の各実施形態においては、故障判別タイミングが水質向上タイミングに設定される場合について例示したが、故障判別タイミングの具体的なタイミングは、種々のタイミングに設定することができる。
例えば、設定期間(例えば96時間)毎に故障判別タイミングになるように構成しても良い。
又、運転制御部4を、操作部48の暖房スイッチにより暖房運転が指令されると、故障判別タイミングになったと判別するように構成して、暖房運転に先立って、判別用操作処理及び故障判別処理を実行するように構成しても良い。
この場合の判別用操作処理及び故障判別処理は第1実施形態と同様である。
又、運転制御部4を、操作部48の追焚スイッチにより追焚運転が指令されると、故障判別タイミングになったと判別するように構成して、追焚運転に先立って、判別用操作処理及び故障判別処理を実行するように構成しても良い。
この場合の判別用操作処理及び故障判別処理は第1実施形態と同様である。
つまり、この場合は、追焚用循環路部分25を付加循環路部分として機能させ、補助加熱器36を付加用加熱手段として機能させることになる。
【0100】
(チ) 運転制御部4を、判別用操作処理において、槽迂回給水路開閉弁21及び追焚用開閉弁27を開弁し且つ放熱運転用循環ポンプ22を作動させるようにし、故障判別処理において、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が補助加熱器36の流入温度センサにて検出される追焚用循環路R2の湯水の温度よりも高い場合に、槽上部温度センサ46にて検出される貯湯槽内上部の湯水の温度が低下すると槽送出停止故障状態であると判別するように構成しても良い。
つまり、この別実施形態では、追焚用循環路部分25を付加循環路部分として機能させ、補助加熱器36を付加用加熱手段として機能させ、追焚用循環路R2を付加循環路として機能させるように構成することになる。
【0101】
(リ) 上記の第2実施形態において説明した故障判別処理、即ち、給湯量センサ44により給湯状態が検出されたときに貯湯槽内上部の湯水の温度が低下すると槽送出停止故障状態であると判別する形態での故障判別処理を、上記の第1実施形態において説明した判別制御、即ち、水質向上タイミングになると判別用操作処理及び故障判別処理を実行して、槽送出停止故障状態でないと判別した場合は水質向上運転を実行し、且つ、槽送出停止故障状態であると判別した場合は水質向上運転を実行しない形態での判別制御において実施するように構成しても良い。
又、上記の第3実施形態において説明した判別用操作処理及び故障判別処理、即ち、槽迂回給水路開閉弁21及び暖房用開閉弁26を開弁し且つ放熱運転用循環ポンプ22を作動させる形態での判別用操作処理、及び、貯湯槽内上部の湯水の温度が暖房用循環路R1の湯水の温度よりも高い場合に、貯湯槽内上部の湯水の温度が低下すると槽送出停止故障状態であると判別する形態での故障判別処理を、上記の第2実施形態において説明した判別制御、即ち、水質向上タイミングになると水質向上運転を実行したのち、判別用操作処理及び故障判別処理を実行する形態での判別制御において実施するように構成しても良い。
【0102】
(ヌ) 熱電併給装置として、上記の第1〜第3の各実施形態では燃料電池1を適用したが、これ以外に、例えば、ガスエンジンにより発電機を駆動するように構成したもの等、種々のものを適用することができる。
【0103】
(ル) 上記の第1〜第3の各実施形態においては、本発明をコージェネレーションシステムに適用して、貯湯槽2に貯湯する貯湯手段の熱源として、熱電併給装置から発生する熱を用いる場合について例示したが、貯湯手段の熱源としては種々の熱源を用いることができる。
例えば、燃料電池1、及び、それに付随するインバータ5、電気ヒータ11、冷却水循環路13、冷却水循環ポンプ12、貯湯用循環路17、貯湯用循環ポンプ18及び貯湯用熱交換器19等を省略して、補助加熱器36を貯湯手段の熱源とするように構成しても良い。
つまり、上記の第1実施形態において説明した水質向上運転と同様の制御を行うことにより、貯湯槽2に貯湯する貯湯運転を行うように構成する。
この場合、給湯路16、槽迂回給水路20、暖房用循環路部分24、槽迂回給水路開閉弁21、槽送出切換用三方弁23、暖房用開閉弁26、放熱運転用循環ポンプ22及び補助加熱器36等を用いて、貯湯手段が構成されることになる。
又、貯湯手段の熱源として、電気ヒータを用いたり、電動モータで駆動する電気式ヒートポンプや、エンジンで駆動するエンジン駆動式のヒートポンプを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】第1実施形態に係る貯湯式の給湯装置の全体構成を示すブロック図
【図2】第1実施形態に係る貯湯式の給湯装置における制御動作のフローチャートを示す図
【図3】第1実施形態に係る貯湯式の給湯装置における制御動作のフローチャートを示す図
【図4】第2実施形態に係る貯湯式の給湯装置における制御動作のフローチャートを示す図
【図5】第3実施形態に係る貯湯式の給湯装置の全体構成を示すブロック図
【図6】別実施形態に係る貯湯式の給湯装置の全体構成を示すブロック図
【図7】別実施形態に係る貯湯式の給湯装置の全体構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0105】
2 貯湯槽
4 運転制御手段
15 給水路
16 給湯路
20 槽迂回給水路
21 槽迂回給水路開閉弁
22 付加用循環手段
23 槽送出切換用三方弁(槽送出切換弁)
24,25 付加循環路部分
36 付加用加熱手段
37 下流側給水路
38 高温出湯回避弁
39 高温出湯回避給水路
41 水供給量調節弁
44 給湯状態検出手段
H 貯湯槽加熱手段
P 内部循環用循環手段
R1,R2 付加循環路
R4 内部循環路
V1 槽送出切換弁
V2 混合比率調節弁
V3 槽送出抑制弁
V4 内部循環路下流側開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
前記貯湯槽を迂回して前記給湯路に給水する槽迂回給水路と、
前記給湯路を開いて前記貯湯槽からの湯水の送出を許容する槽送出許容状態と、前記給湯路を閉じ且つ前記槽迂回給水路を開く槽送出停止状態とに切り換え自在な槽送出切換弁と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯装置であって、
前記運転制御手段が、故障判別タイミングになると、前記槽送出切換弁を前記槽送出停止状態に切り換える判別用操作処理、及び、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内の湯水の温度変化に基づいて槽送出停止故障状態であるか否かを判別する故障判別処理を実行するように構成されている貯湯式の給湯装置。
【請求項2】
前記給湯路を通して湯水消費部に湯水が供給される給湯状態を検出する給湯状態検出手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記故障判別処理において、前記給湯状態検出手段にて前記給湯状態が検出されたときに、前記貯湯槽内上部又は前記貯湯槽内底部の湯水の温度が低下すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている請求項1記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項3】
前記槽迂回給水路が前記給水路から分岐されて前記給湯路に接続され、
その槽迂回給水路に、その槽迂回給水路を開閉する槽迂回給水路開閉弁と湯水を前記給湯路側に向けて流動させる付加用循環手段とが、前記槽迂回給水路開閉弁が前記給水路側に位置する状態で設けられ、
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも前記貯湯槽から離れる側の部分と前記槽迂回給水路における前記槽迂回給水路開閉弁と前記付加用循環手段との間の部分とに接続される付加循環路部分が設けられ、
前記運転制御手段が、前記判別用操作処理において、前記槽迂回給水路開閉弁を開弁し且つ前記付加用循環手段を作動させるように構成され、前記故障判別処理において、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度変化に基づいて前記槽送出停止故障状態であるか否かを判別するように構成されている請求項1記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項4】
前記運転制御手段が、前記故障判別処理において、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度が、前記付加循環路部分、前記槽迂回給水路における前記付加循環路部分の接続箇所よりも前記給湯路側の部分及び前記給湯路における前記槽迂回給水路の接続箇所よりも下流側の部分を経由する付加循環路における湯水の温度よりも高い場合に、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度が低下すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている請求項3記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項5】
前記給湯路における、前記槽迂回給水路が接続される接続箇所と前記付加循環路部分が接続される接続箇所との間に位置する給湯路部分に、供給される湯水を加熱する付加用加熱手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記判別用操作処理において、前記付加用循環手段を作動させるに加えて、前記付加用加熱手段を加熱作動させるように構成され、前記故障判別処理において、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は前記貯湯槽内上部の湯水の温度が上昇すると前記槽送出停止故障状態であると判別するように構成されている請求項3記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項6】
前記運転制御手段が、前記判別用操作処理において、前記付加用加熱手段の加熱目標温度を、前記給湯路における前記槽送出切換弁にて閉じられる箇所よりも前記貯湯槽側の部分の湯水又は貯湯槽内上部の湯水の温度よりも高い温度に定めるように構成されている請求項5記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項7】
前記槽送出切換弁とは別に、前記貯湯槽からの湯水の送出を抑制する槽送出抑制弁が設けられ、
前記運転制御手段が、前記槽送出停止故障状態であると判別すると、前記貯湯槽からの湯水の送出を抑制すべく前記槽送出抑制弁の作動を制御する故障対策処理を実行するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項8】
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水する下流側給水路と、
その下流側給水路を通して供給される水と前記給湯路を通して供給される前記貯湯槽からの湯水との混合比率を調節自在な混合比率調節弁とが設けられ、
前記槽送出抑制弁が前記混合比率調節弁にて構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、混合された湯水の量に対する前記貯湯槽からの湯水の比率を0又は略0にすべく前記混合比率調節弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている請求項7記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項9】
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水する下流側給水路が設けられ、
前記槽送出抑制弁が、前記下流側給水路による前記給湯路への給水を断続可能なように構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、前記貯湯槽からの湯水の送出を抑制し且つ前記下流側給水路にて前記給湯路に給水すべく前記槽送出抑制弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている請求項7記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項10】
前記下流側給水路を通して供給される水と前記給湯路を通して供給される前記貯湯槽からの湯水との混合比率を調節自在な混合比率調節弁が設けられて、その混合比率調節弁により前記槽送出抑制弁が構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、前記貯湯槽からの湯水の比率を最小又は略最小にし且つ前記下流側給水路を通して供給される水の比率を最大又は略最大にすべく前記混合比率調節弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている請求項9記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項11】
前記下流側給水路を通して供給される水と前記給湯路を通して供給される前記貯湯槽からの湯水との混合比率を調節自在な混合比率調節弁と、
前記給湯路における前記下流側給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水し、且つ、開閉作動用の電力が供給されない状態で開弁状態となる高温出湯回避弁が装備された高温出湯回避給水路とが設けられ、
前記槽送出抑制弁が、前記混合比率調節弁と前記高温出湯回避弁とにより構成され、
前記運転制御手段が、前記故障対策処理として、前記貯湯槽からの湯水の比率を最小または略最小にすべく前記混合比率調節弁の作動を制御し、且つ、前記高温出湯回避弁を開弁すべくその高温出湯回避弁の作動を制御する処理を実行するように構成されている請求項9記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項12】
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の箇所に給水する下流側給水路と、
その下流側給水路を通して供給される水の量を調節する水供給量調節弁とが設けられ、
前記運転制御手段が、前記槽送出停止故障状態であると判別すると、前記槽送出切換弁を前記槽送出停止状態に維持し、且つ、前記水供給量調節弁の開度を最大または略最大に調節すべく前記水供給量調節弁の作動を制御する故障対策処理を実行するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項13】
前記給湯路における前記槽迂回給水路が接続される箇所よりも下流側の部分の一部を用いて形成される内部循環路と、
その内部循環路を通して湯水を循環させる内部循環用循環手段とが設けられ、
前記給湯路における前記内部循環路を形成する部分よりも下流側の部分に、前記給湯路を開閉する内部循環路下流側開閉弁が設けられ、
前記運転制御手段が、内部循環運転の開始指令に基づいて、前記内部循環用循環手段を作動させて前記内部循環路を通して湯水を循環させる内部循環運転を実行可能なように構成され、且つ、前記槽送出停止故障状態でないと判別したときは、前記内部循環路下流側開閉弁を開弁した状態で前記内部循環運転を実行し、前記槽送出停止故障状態であると判別したときは、前記内部循環路下流側開閉弁を閉弁した状態で前記内部循環運転を実行するように構成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項14】
前記故障判別タイミングが、前記貯湯槽内の湯水の水質を向上させる水質向上タイミングに設定され、
前記運転制御手段が、前記水質向上タイミングになると、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行して、前記槽送出停止故障状態でないと判別した場合は、前記貯湯槽の湯水を加熱する貯湯槽加熱手段にて前記貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行し、且つ、前記槽送出停止故障状態であると判別した場合は、前記水質向上運転を実行しないように構成されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の貯湯式の給湯装置。
【請求項15】
前記故障判別タイミングが、前記貯湯槽内の湯水の水質を向上させる水質向上タイミングに設定され、
前記運転制御手段が、前記水質向上タイミングになると、前記貯湯槽の湯水を加熱する貯湯槽加熱手段にて前記貯湯槽全体の湯水を水質向上用設定温度以上に加熱する水質向上運転を実行したのち、前記判別用操作処理及び前記故障判別処理を実行するように構成されている請求項1〜4、7〜13のいずれか1項に記載の貯湯式の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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