貴金属粒子径を制御した排ガス浄化用触媒
【解決課題】 熱負荷による貴金属の凝集を抑制し、かつ貴金属の使用量を低減するために、触媒に担持される貴金属粒子径を簡便に制御するための方法を提供する。
【解決手段】 水酸基を配位した貴金属錯体を含む溶液において、該溶液中の貴金属錯体濃度、酸濃度ならびに前記溶液の保持温度および/もしくは時間を制御する工程を含む貴金属溶液の製造方法。
【解決手段】 水酸基を配位した貴金属錯体を含む溶液において、該溶液中の貴金属錯体濃度、酸濃度ならびに前記溶液の保持温度および/もしくは時間を制御する工程を含む貴金属溶液の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貴金属粒子径を制御した排ガス浄化用触媒とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用触媒は、排気ガス中の有害な成分である炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)を分解除去する働きをもつ。これらの有害成分の分解除去は、コージェライト等の無機材料や金属を利用してハニカム状に成型した触媒の内部に排気ガスを通過させることで行われる。排気ガスとの接触効率を高めることを目的として、基材の表面には多孔質な無機材料のコーティングを行い、さらにその表層部には微量の貴金属を担持する。貴金属としては白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム等に代表される白金族類を用いる。
【0003】
近年は自動車のエンジン始動時の排気ガスを速やかに処理するため触媒を低温から活性化することが求められており、貴金属使用量の増加により、浄化性能(低温活性)の向上を行っている。しかし、高価な貴金属の使用量の増加は、自動車のコストアップにつながり、消費者の不利益となるため、貴金属使用量を増加させずに有効利用しつつ浄化性能を向上することが求められている。
【0004】
触媒の浄化性能は、貴金属粒子の大きさと密接な関係にあることが知られている。従来、触媒への貴金属の担持工程について考えてみると、担持法の多くはイオンや錯体の状態の溶液を多孔質な無機材料表面に吸着し、熱処理により溶媒を除去、貴金属を析出させる工程を用いる。このため、溶媒除去中に溶液濃度やpHの変化が起こり貴金属イオンや錯体の状態が変化することが考えられる。このような貴金属の担持工程を経る場合、人為的な操作が難しく、貴金属粒子径を制御することは困難であり、最終的には粒子サイズにバラツキが生じる。
【0005】
所望のクラスターサイズの貴金属を担持させるため、例えば、特許文献1では白金の二量体化による特性向上について開示されている。しかしながら、特許文献1では白金を二量体化するために、一度粉体に担持した後、硫酸溶液に分散しCOガスを吹き込むなど煩雑なプロセスを要しており、浄化性能が高く安価な触媒を提供することはできていない。
【0006】
また、浄化性能を向上するために触媒製造時に使用する白金溶液を調製する方法として、金属コロイド溶液を調製する方法が特許文献2、特許文献3等に示されているが、粒子径のサイズをコントロールすることはできていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−98016号公報
【特許文献2】特開2005−169333号公報
【特許文献3】特開2007−000812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
貴金属粒子サイズが小さいと、粒子上での安定なガス吸着が起こりにくいため、酸化や還元反応が進まず、結果として貴金属担持量に対して反応率の低下が引き起こされる。また、基材として用いるセラミックス材料は、ガス接触効率を上げるため高比表面積な材料が用いられることから、その表面には分布を有した細孔が形成されるか、もしくは凹凸形状となっている。このため、貴金属粒子が細孔の奥底に存在する状態が増加し、反応率が低下することも考えられる。
【0009】
一方貴金属サイズが大きい場合にも担持量に対する浄化率の低下が起こる。排気ガスの反応は、貴金属粒子の表面部分で起こることから、粒子内部は反応にほとんど関与せず、必要な浄化率を得るには貴金属量を増やすことが必要になる。また、粒子サイズが大きい場合は、熱負荷による貴金属の凝集も起こりやすくなり、これによっても反応率の低下が起こる。
【0010】
本発明は、上記現状に鑑み、熱負荷による貴金属の凝集を抑制し、かつ貴金属の使用量を低減するために、触媒に担持される貴金属粒子サイズを簡便に制御する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明に係る貴金属溶液の製造方法は、水酸基を配位した貴金属錯体溶液の濃度、酸濃度ならびに溶液の保持温度および/もしくは時間を制御することによって溶液中での貴金属粒子のメジアン径を制御する工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の貴金属溶液の製造方法により、貴金属の粒子径を溶液中の段階で予め制御することができ、貴金属最小単位が大きくなるので、溶媒除去時や熱処理時に懸念される貴金属の制御不能で不規則な凝集を抑制できる。これにより、最終的に形成される貴金属のサイズのバラツキを抑えることができるだけでなく、反応に寄与しにくい細孔内部の貴金属粒子の割合を減らすことができる。
さらに同じ貴金属担持量でライトオフ温度(浄化率50%を達成する温度)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】溶液中の白金粒子径の経時変化を示すグラフである。
【図2】実施例の模擬排気ガス中HC浄化率試験結果を示すグラフである。
【図3】実施例の模擬排気ガス中NOx浄化率試験結果を示すグラフである。
【図4】実施例の模擬排気ガス中CO浄化率試験結果を示すグラフである。
【図5】白金担持量0.5g/LにおけるHCライトオフ温度を示すグラフである。
【図6】白金担持量0.5g/LにおけるNOxライトオフ温度を示すグラフである。
【図7】白金担持量0.5g/LにおけるCOライトオフ温度を示すグラフである。
【図8】白金担持量0.5g/Lにおける浄化率試験結果を示すグラフである。
【図9】白金担持量0.3g/Lにおける浄化率試験結果を示すグラフである。
【図10】白金担持量1.0g/Lにおける浄化率試験結果を示すグラフである。
【図11】水酸化白金溶液中の白金粒子径分布を示すグラフである。
【図12】ジニトロジアンミン白金溶液の粒子径分布を示すグラフである。
【図13】白金粒子径挙動の溶液保持温度および酸濃度への依存性を示すグラフである。
【図14】貴金属錯体溶液中の白金粒子径(メジアン径)を3〜4nmに制御して得られた触媒(実施例16)、ならびに、制御せずに得られた触媒(比較例4、白金粒子径1〜2nm)の模擬排気ガステストの試験結果を示すグラフである。
【図15】模擬排気ガステストのT50浄化率の比較結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる貴金属溶液の製造方法においては、水酸基を配位した貴金属錯体を含む溶液を用いる。
この錯体は、塩化物錯体、ジニトロジアンミン錯体等の他の貴金属錯体と異なり、酸性溶液中で脱水縮合し、直列の錯体分子を形成する。本発明者らの研究により温度、濃度などを変えることにより縮合する個数が制御できることが判明した。他の貴金属錯体は浮遊している錯体が個別に触媒上に担持されるのに対して、水酸基を配位した貴金属錯体では溶液中で縮重合し、強固な錯体分子となった後に触媒上に担持されるため、錯体分子の大きさが触媒上に担持された貴金属粒子の大きさに反映される。したがって、溶液中の粒子径(錯体分子の大きさ)を制御することで触媒上の白金粒子径を制御することができる。
【0015】
水酸基を配位した貴金属錯体は、貴金属を含む原料を溶媒に溶解させることにより得られる。
貴金属を含む原料としては特に限定されないが、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の水酸化物;白金、パラジウム、ルテニウム等を含み溶液中で水酸基を配位する原料;白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属を含み溶媒中で配位子交換反応によって該貴金属に水酸基を配位する原料等を採用することができる。
白金を含む原料としては特に限定されないが、例えば、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸ナトリウム、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸カリウム、ヘキサヒドロキソ白金酸等が挙げられる。原料として水酸化物を用いることは、塩化物を用いた場合と異なり触媒に担持した後に塩化物イオンが残留し、反応活性を阻害することがない点も有利である。
【0016】
貴金属錯体溶液は、錯体同士の脱水縮合反応を進行させるため、通常、酸を添加することにより酸性溶液とする。溶液中の酸濃度は、好ましくは5規定以上、より好ましくは5〜6規定にする。5規定未満であると、沈殿の発生により溶液中の白金濃度が低下しやすくなる。
酸を添加する段階としては、溶液を加温する前に全て添加してもよいし、加温する過程で間欠的または連続的に追加してもよい。
【0017】
貴金属錯体溶液中の白金濃度は触媒の担持量が0.3〜1.0g/Lとなるように調整する。0.3g/L未満であると浄化性能が不足する場合があり、1.0g/Lを超えても浄化率が大きく向上することは無い。
【0018】
本発明の製造方法においては、貴金属錯体溶液の保持温度を制御することが好ましい。溶液の温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは、50℃〜80℃とする。50℃未満であると溶液中の粒子はほとんど成長しない。また粒子径には飽和する大きさがあり50℃以上であれば溶液の温度の高い方が粒子径が大きくなるが、80℃を超えると沈殿の発生により溶液中の白金濃度が低下しやすくなる。
保持時間としては、上記50℃〜80℃の温度範囲に通算で600分から1500分保持することが好ましい。保持時間が600分未満であると、粒径が飽和する前の成長過程にあり、狙った粒径を安定して得られない場合があり、1500分を超えてもそれ以上の粒径変化は無いため、保持する必要が無い。
ここで保持時間を通算時間としたのは、途中で50℃未満の温度に下げても溶液中の粒子はほとんど成長せず支障がないからである。したがって本発明の製造方法において「保持温度を制御する」とは、所定の制御温度に到達したのち、一時的に50℃未満に降温することも許容される。
【0019】
本発明にかかる製法においては特に、前記酸濃度を5規定以上とし、かつ前記溶液温度を50℃〜80℃に保持することが好ましい。保持温度および酸濃度を上記範囲内にすることにより、溶液中の貴金属粒子径を3nm〜7nmの範囲にコントロールすることができる。
溶液中での貴金属錯体のメジアン径を3nm以上7nm以下に制御することで同じ貴金属担持量でも従来法より良いTHC,NOx浄化性能を得ることができる。
本明細書において、溶液中の粒子径値は、すべて動的光散乱法[DLS]により測定されたメジアン径である。
【0020】
さらに、担持前の溶液中の白金粒子径を調製すれば従来を上回る浄化性能を持つ触媒を作製することができるため、担持前に触媒の浄化性能の良否を判別することができ、溶液に起因する不良を大幅に削減することが可能になる。
【0021】
本発明にかかる貴金属溶液を触媒担体に担持させてなる排ガス触媒もまた本発明の1つである。触媒担体とは、ウォッシュコートを保持するものであって、強度が高く、耐熱性に優れるものをいい、こうした触媒担体としては、コージェライトハニカム担体を用いることができる。しかし、これには限定されることなく、その他にも、アルミナ製、SiC製、ステンレス製のハニカム担体を用いることができる。
貴金属溶液の担持方法としては、通常の吸水法や含浸法と同様の担持方法を採用することができる。特殊な設備を必要としないため、従来の工程をそのまま利用できる。また、溶液の調製も薬液を調合した後に一定条件を保持するのみと単純であり、粒子径の安定度も高いので、粒子径のコントロールが容易であり、製造コストを上げることなく触媒の性能向上を図ることができる。
【実施例】
【0022】
<触媒作製>
水硬性アルミナ(BK−105、住友化学工業社製)60g、アルミナゾル(無機成分10%)180g、硝酸アルミニウム6水和物120g、イオン交換水40gを加え、24時間以上ボールミル混合を行うことによりスラリーを調製した。これをコージェライト担体(φ30×30,400cell/inch2,6.5mil)に流し入れ、エアブローにより余分なスラリーを除去することで、担体内部をコーティングした。コーティング後は、80℃の熱風にて10分程度乾燥を行い、その後、500℃、1時間の熱処理を行った。
<評価方法>
試作触媒を模擬排気ガス装置を用いて評価した。模擬排気ガス装置での試験は、表1に示す試験条件で行い、触媒入口と出口の炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)の濃度変化率を浄化率として下記式1に基づいてそれぞれ算出した。
【0023】
浄化率(%)=[1−(後排ガス中の濃度)/(前排ガス中の濃度)]×100 (式1)
【0024】
【表1】
【0025】
測定は200〜450℃の範囲で行い、測定前には450℃で10分間模擬排気ガスに曝露させて活性化処理を行い、100℃以下まで降温させた後、所定の温度(165℃、210℃、260℃、300℃、350℃、400℃、450℃)に順次昇温して評価した。
【0026】
(実施例1〜14)
白金原料としてヘキサヒドロキソ白金酸(田中貴金属、白金重量65質量%)を用い、硝酸濃度、白金濃度、溶液保持温度を表2のように設定することで粒子径を1〜6nmに制御した溶液を調製した。表2中、溶液中の粒子径はDLS(シスメックス社製、ゼータサイザー)により求めた。
調製した溶液を、<触媒作製>の欄で述べた手順により作製した触媒に吸水担持させ、触媒の筐体体積あたりの白金担持量がそれぞれ0.3g/L、0.5g/L、1.0g/Lとなるようにした。吸水担持に用いた白金溶液の濃度は、作製した触媒の吸水量から見積もり、それぞれ2.38g/L、3.99g/L、7.97g/Lとした。担持後は、80℃の熱風にて10分間程度乾燥を行い、その後、500℃、1時間の熱処理を行うことで試作触媒とした。得られた試作触媒を用いてモデルガス装置により浄化率を測定した。
(比較例1〜3)
白金原料としてジニトロジアンミン白金溶液(田中貴金属、白金重量:65質量%)を用い、溶液温度をすべて室温とした以外は実施例と同じ手順により、触媒の筐体体積あたりの白金担持量がそれぞれ0.3g/L、0.5g/L、1.0g/Lである比較用触媒を調製し浄化率を測定した。
以上の結果を表2および図2〜図10に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
図2〜図4に示すように、模擬排気ガステストの結果、THC,NOx、COすべてにおいて白金粒子径3nm以上で急激に浄化率が向上し、メジアン径の大きい方が浄化率が高くなることがわかった。またTHC、NOxについては白金粒子径3nm以上で比較例よりもよい特性を示すことがわかった。
図5〜図7に示すようにTHC,NOx、COすべてにおいて粒子径が大きい方でライトオフ温度が低下していることがわかった。またHC、NOxについては白金粒子径3nm以上で比較例よりもよい特性を示すことがわかった。
【0029】
【表3】
【表4】
【表5】
【0030】
表3から表5、ならびに、図8〜図10に示すように、特にHC、NOxの除去に関して本願製法により得られた触媒が従来品より良好な特性を示すことがわかった。
【0031】
図11および図12に示すように、溶液中の白金粒子径分布では、水酸化白金では粒子径をコントロールし増大させることができるが、ジニトロジアンミン白金では粒子径を増大させることができないことがわかった。
図13に示すように、酸濃度を5N以上に調製し、溶液の温度を50℃〜70℃に保持することで、沈殿が発生することなく、溶液中の白金粒子径を3nm以上に成長させることができることがわかった。
また比較例においては、ジニトロジアンミン溶液にて粒子径のコントロールをするため、70℃にて22時間保持したが粒子径は1〜2nm程度であり、粒子径の増大は観察されなかった。
【0032】
(実施例16)<同じ貴金属錯体、同担持量での粒径依存性の検討>
硝酸濃度5mol/lに調製した溶液30mlにヘキサヒドロキソ白金酸(田中貴金属社製、白金重量65重量%)0.184gを加え、充分に攪拌した後、密閉容器に入れ、70℃の恒温槽にて22時間保持することにより、貴金属サイズを制御した溶液を調製した。溶液は薄い黄色から茶色に変化していたが、沈殿等は観察されなかった。このときの溶液中での白金粒子径のサイズは、動的光散乱法による測定の結果、3〜4nmと見積もられた。
また、ESI−MS および EXAFSを用いた構造解析の結果、白金が10個程度酸素を介して直鎖状に並んだ構造であることがわかった。
【0033】
(比較例4)
硝酸濃度5mol/lに調製した溶液30mlにヘキサヒドロキソ白金酸0.184gを加え、充分に攪拌した後、密閉容器に入れ、室温中で22時間保持した。溶液は薄い黄色から茶色に変化していたが、沈殿等は観察されなかった。このときの溶液中での白金粒子径のサイズは、動的光散乱法による測定の結果、1〜2nmと見積もられた。
以上の結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
表6および図14から、模擬排気ガステストの結果、あらかじめ溶液中での白金サイズが3〜4nmの範囲となるように調製した実施例16の触媒は、粒子径を制御せず1〜2nmにとどまった比較例4の触媒と比べて浄化の立ち上がり温度が約50℃程度低く、触媒活性が高いことが明らかとなった。
図15に浄化性能の指標である浄化率50%における比較結果を示す。図15から、同程度の触媒活性を得るための温度がHC、NOx、COの全てにおいて大幅に低下していることがわかった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、貴金属粒子径を制御した排ガス浄化用触媒とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用触媒は、排気ガス中の有害な成分である炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)を分解除去する働きをもつ。これらの有害成分の分解除去は、コージェライト等の無機材料や金属を利用してハニカム状に成型した触媒の内部に排気ガスを通過させることで行われる。排気ガスとの接触効率を高めることを目的として、基材の表面には多孔質な無機材料のコーティングを行い、さらにその表層部には微量の貴金属を担持する。貴金属としては白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム等に代表される白金族類を用いる。
【0003】
近年は自動車のエンジン始動時の排気ガスを速やかに処理するため触媒を低温から活性化することが求められており、貴金属使用量の増加により、浄化性能(低温活性)の向上を行っている。しかし、高価な貴金属の使用量の増加は、自動車のコストアップにつながり、消費者の不利益となるため、貴金属使用量を増加させずに有効利用しつつ浄化性能を向上することが求められている。
【0004】
触媒の浄化性能は、貴金属粒子の大きさと密接な関係にあることが知られている。従来、触媒への貴金属の担持工程について考えてみると、担持法の多くはイオンや錯体の状態の溶液を多孔質な無機材料表面に吸着し、熱処理により溶媒を除去、貴金属を析出させる工程を用いる。このため、溶媒除去中に溶液濃度やpHの変化が起こり貴金属イオンや錯体の状態が変化することが考えられる。このような貴金属の担持工程を経る場合、人為的な操作が難しく、貴金属粒子径を制御することは困難であり、最終的には粒子サイズにバラツキが生じる。
【0005】
所望のクラスターサイズの貴金属を担持させるため、例えば、特許文献1では白金の二量体化による特性向上について開示されている。しかしながら、特許文献1では白金を二量体化するために、一度粉体に担持した後、硫酸溶液に分散しCOガスを吹き込むなど煩雑なプロセスを要しており、浄化性能が高く安価な触媒を提供することはできていない。
【0006】
また、浄化性能を向上するために触媒製造時に使用する白金溶液を調製する方法として、金属コロイド溶液を調製する方法が特許文献2、特許文献3等に示されているが、粒子径のサイズをコントロールすることはできていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−98016号公報
【特許文献2】特開2005−169333号公報
【特許文献3】特開2007−000812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
貴金属粒子サイズが小さいと、粒子上での安定なガス吸着が起こりにくいため、酸化や還元反応が進まず、結果として貴金属担持量に対して反応率の低下が引き起こされる。また、基材として用いるセラミックス材料は、ガス接触効率を上げるため高比表面積な材料が用いられることから、その表面には分布を有した細孔が形成されるか、もしくは凹凸形状となっている。このため、貴金属粒子が細孔の奥底に存在する状態が増加し、反応率が低下することも考えられる。
【0009】
一方貴金属サイズが大きい場合にも担持量に対する浄化率の低下が起こる。排気ガスの反応は、貴金属粒子の表面部分で起こることから、粒子内部は反応にほとんど関与せず、必要な浄化率を得るには貴金属量を増やすことが必要になる。また、粒子サイズが大きい場合は、熱負荷による貴金属の凝集も起こりやすくなり、これによっても反応率の低下が起こる。
【0010】
本発明は、上記現状に鑑み、熱負荷による貴金属の凝集を抑制し、かつ貴金属の使用量を低減するために、触媒に担持される貴金属粒子サイズを簡便に制御する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明に係る貴金属溶液の製造方法は、水酸基を配位した貴金属錯体溶液の濃度、酸濃度ならびに溶液の保持温度および/もしくは時間を制御することによって溶液中での貴金属粒子のメジアン径を制御する工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の貴金属溶液の製造方法により、貴金属の粒子径を溶液中の段階で予め制御することができ、貴金属最小単位が大きくなるので、溶媒除去時や熱処理時に懸念される貴金属の制御不能で不規則な凝集を抑制できる。これにより、最終的に形成される貴金属のサイズのバラツキを抑えることができるだけでなく、反応に寄与しにくい細孔内部の貴金属粒子の割合を減らすことができる。
さらに同じ貴金属担持量でライトオフ温度(浄化率50%を達成する温度)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】溶液中の白金粒子径の経時変化を示すグラフである。
【図2】実施例の模擬排気ガス中HC浄化率試験結果を示すグラフである。
【図3】実施例の模擬排気ガス中NOx浄化率試験結果を示すグラフである。
【図4】実施例の模擬排気ガス中CO浄化率試験結果を示すグラフである。
【図5】白金担持量0.5g/LにおけるHCライトオフ温度を示すグラフである。
【図6】白金担持量0.5g/LにおけるNOxライトオフ温度を示すグラフである。
【図7】白金担持量0.5g/LにおけるCOライトオフ温度を示すグラフである。
【図8】白金担持量0.5g/Lにおける浄化率試験結果を示すグラフである。
【図9】白金担持量0.3g/Lにおける浄化率試験結果を示すグラフである。
【図10】白金担持量1.0g/Lにおける浄化率試験結果を示すグラフである。
【図11】水酸化白金溶液中の白金粒子径分布を示すグラフである。
【図12】ジニトロジアンミン白金溶液の粒子径分布を示すグラフである。
【図13】白金粒子径挙動の溶液保持温度および酸濃度への依存性を示すグラフである。
【図14】貴金属錯体溶液中の白金粒子径(メジアン径)を3〜4nmに制御して得られた触媒(実施例16)、ならびに、制御せずに得られた触媒(比較例4、白金粒子径1〜2nm)の模擬排気ガステストの試験結果を示すグラフである。
【図15】模擬排気ガステストのT50浄化率の比較結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる貴金属溶液の製造方法においては、水酸基を配位した貴金属錯体を含む溶液を用いる。
この錯体は、塩化物錯体、ジニトロジアンミン錯体等の他の貴金属錯体と異なり、酸性溶液中で脱水縮合し、直列の錯体分子を形成する。本発明者らの研究により温度、濃度などを変えることにより縮合する個数が制御できることが判明した。他の貴金属錯体は浮遊している錯体が個別に触媒上に担持されるのに対して、水酸基を配位した貴金属錯体では溶液中で縮重合し、強固な錯体分子となった後に触媒上に担持されるため、錯体分子の大きさが触媒上に担持された貴金属粒子の大きさに反映される。したがって、溶液中の粒子径(錯体分子の大きさ)を制御することで触媒上の白金粒子径を制御することができる。
【0015】
水酸基を配位した貴金属錯体は、貴金属を含む原料を溶媒に溶解させることにより得られる。
貴金属を含む原料としては特に限定されないが、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の水酸化物;白金、パラジウム、ルテニウム等を含み溶液中で水酸基を配位する原料;白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属を含み溶媒中で配位子交換反応によって該貴金属に水酸基を配位する原料等を採用することができる。
白金を含む原料としては特に限定されないが、例えば、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸ナトリウム、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸カリウム、ヘキサヒドロキソ白金酸等が挙げられる。原料として水酸化物を用いることは、塩化物を用いた場合と異なり触媒に担持した後に塩化物イオンが残留し、反応活性を阻害することがない点も有利である。
【0016】
貴金属錯体溶液は、錯体同士の脱水縮合反応を進行させるため、通常、酸を添加することにより酸性溶液とする。溶液中の酸濃度は、好ましくは5規定以上、より好ましくは5〜6規定にする。5規定未満であると、沈殿の発生により溶液中の白金濃度が低下しやすくなる。
酸を添加する段階としては、溶液を加温する前に全て添加してもよいし、加温する過程で間欠的または連続的に追加してもよい。
【0017】
貴金属錯体溶液中の白金濃度は触媒の担持量が0.3〜1.0g/Lとなるように調整する。0.3g/L未満であると浄化性能が不足する場合があり、1.0g/Lを超えても浄化率が大きく向上することは無い。
【0018】
本発明の製造方法においては、貴金属錯体溶液の保持温度を制御することが好ましい。溶液の温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは、50℃〜80℃とする。50℃未満であると溶液中の粒子はほとんど成長しない。また粒子径には飽和する大きさがあり50℃以上であれば溶液の温度の高い方が粒子径が大きくなるが、80℃を超えると沈殿の発生により溶液中の白金濃度が低下しやすくなる。
保持時間としては、上記50℃〜80℃の温度範囲に通算で600分から1500分保持することが好ましい。保持時間が600分未満であると、粒径が飽和する前の成長過程にあり、狙った粒径を安定して得られない場合があり、1500分を超えてもそれ以上の粒径変化は無いため、保持する必要が無い。
ここで保持時間を通算時間としたのは、途中で50℃未満の温度に下げても溶液中の粒子はほとんど成長せず支障がないからである。したがって本発明の製造方法において「保持温度を制御する」とは、所定の制御温度に到達したのち、一時的に50℃未満に降温することも許容される。
【0019】
本発明にかかる製法においては特に、前記酸濃度を5規定以上とし、かつ前記溶液温度を50℃〜80℃に保持することが好ましい。保持温度および酸濃度を上記範囲内にすることにより、溶液中の貴金属粒子径を3nm〜7nmの範囲にコントロールすることができる。
溶液中での貴金属錯体のメジアン径を3nm以上7nm以下に制御することで同じ貴金属担持量でも従来法より良いTHC,NOx浄化性能を得ることができる。
本明細書において、溶液中の粒子径値は、すべて動的光散乱法[DLS]により測定されたメジアン径である。
【0020】
さらに、担持前の溶液中の白金粒子径を調製すれば従来を上回る浄化性能を持つ触媒を作製することができるため、担持前に触媒の浄化性能の良否を判別することができ、溶液に起因する不良を大幅に削減することが可能になる。
【0021】
本発明にかかる貴金属溶液を触媒担体に担持させてなる排ガス触媒もまた本発明の1つである。触媒担体とは、ウォッシュコートを保持するものであって、強度が高く、耐熱性に優れるものをいい、こうした触媒担体としては、コージェライトハニカム担体を用いることができる。しかし、これには限定されることなく、その他にも、アルミナ製、SiC製、ステンレス製のハニカム担体を用いることができる。
貴金属溶液の担持方法としては、通常の吸水法や含浸法と同様の担持方法を採用することができる。特殊な設備を必要としないため、従来の工程をそのまま利用できる。また、溶液の調製も薬液を調合した後に一定条件を保持するのみと単純であり、粒子径の安定度も高いので、粒子径のコントロールが容易であり、製造コストを上げることなく触媒の性能向上を図ることができる。
【実施例】
【0022】
<触媒作製>
水硬性アルミナ(BK−105、住友化学工業社製)60g、アルミナゾル(無機成分10%)180g、硝酸アルミニウム6水和物120g、イオン交換水40gを加え、24時間以上ボールミル混合を行うことによりスラリーを調製した。これをコージェライト担体(φ30×30,400cell/inch2,6.5mil)に流し入れ、エアブローにより余分なスラリーを除去することで、担体内部をコーティングした。コーティング後は、80℃の熱風にて10分程度乾燥を行い、その後、500℃、1時間の熱処理を行った。
<評価方法>
試作触媒を模擬排気ガス装置を用いて評価した。模擬排気ガス装置での試験は、表1に示す試験条件で行い、触媒入口と出口の炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)の濃度変化率を浄化率として下記式1に基づいてそれぞれ算出した。
【0023】
浄化率(%)=[1−(後排ガス中の濃度)/(前排ガス中の濃度)]×100 (式1)
【0024】
【表1】
【0025】
測定は200〜450℃の範囲で行い、測定前には450℃で10分間模擬排気ガスに曝露させて活性化処理を行い、100℃以下まで降温させた後、所定の温度(165℃、210℃、260℃、300℃、350℃、400℃、450℃)に順次昇温して評価した。
【0026】
(実施例1〜14)
白金原料としてヘキサヒドロキソ白金酸(田中貴金属、白金重量65質量%)を用い、硝酸濃度、白金濃度、溶液保持温度を表2のように設定することで粒子径を1〜6nmに制御した溶液を調製した。表2中、溶液中の粒子径はDLS(シスメックス社製、ゼータサイザー)により求めた。
調製した溶液を、<触媒作製>の欄で述べた手順により作製した触媒に吸水担持させ、触媒の筐体体積あたりの白金担持量がそれぞれ0.3g/L、0.5g/L、1.0g/Lとなるようにした。吸水担持に用いた白金溶液の濃度は、作製した触媒の吸水量から見積もり、それぞれ2.38g/L、3.99g/L、7.97g/Lとした。担持後は、80℃の熱風にて10分間程度乾燥を行い、その後、500℃、1時間の熱処理を行うことで試作触媒とした。得られた試作触媒を用いてモデルガス装置により浄化率を測定した。
(比較例1〜3)
白金原料としてジニトロジアンミン白金溶液(田中貴金属、白金重量:65質量%)を用い、溶液温度をすべて室温とした以外は実施例と同じ手順により、触媒の筐体体積あたりの白金担持量がそれぞれ0.3g/L、0.5g/L、1.0g/Lである比較用触媒を調製し浄化率を測定した。
以上の結果を表2および図2〜図10に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
図2〜図4に示すように、模擬排気ガステストの結果、THC,NOx、COすべてにおいて白金粒子径3nm以上で急激に浄化率が向上し、メジアン径の大きい方が浄化率が高くなることがわかった。またTHC、NOxについては白金粒子径3nm以上で比較例よりもよい特性を示すことがわかった。
図5〜図7に示すようにTHC,NOx、COすべてにおいて粒子径が大きい方でライトオフ温度が低下していることがわかった。またHC、NOxについては白金粒子径3nm以上で比較例よりもよい特性を示すことがわかった。
【0029】
【表3】
【表4】
【表5】
【0030】
表3から表5、ならびに、図8〜図10に示すように、特にHC、NOxの除去に関して本願製法により得られた触媒が従来品より良好な特性を示すことがわかった。
【0031】
図11および図12に示すように、溶液中の白金粒子径分布では、水酸化白金では粒子径をコントロールし増大させることができるが、ジニトロジアンミン白金では粒子径を増大させることができないことがわかった。
図13に示すように、酸濃度を5N以上に調製し、溶液の温度を50℃〜70℃に保持することで、沈殿が発生することなく、溶液中の白金粒子径を3nm以上に成長させることができることがわかった。
また比較例においては、ジニトロジアンミン溶液にて粒子径のコントロールをするため、70℃にて22時間保持したが粒子径は1〜2nm程度であり、粒子径の増大は観察されなかった。
【0032】
(実施例16)<同じ貴金属錯体、同担持量での粒径依存性の検討>
硝酸濃度5mol/lに調製した溶液30mlにヘキサヒドロキソ白金酸(田中貴金属社製、白金重量65重量%)0.184gを加え、充分に攪拌した後、密閉容器に入れ、70℃の恒温槽にて22時間保持することにより、貴金属サイズを制御した溶液を調製した。溶液は薄い黄色から茶色に変化していたが、沈殿等は観察されなかった。このときの溶液中での白金粒子径のサイズは、動的光散乱法による測定の結果、3〜4nmと見積もられた。
また、ESI−MS および EXAFSを用いた構造解析の結果、白金が10個程度酸素を介して直鎖状に並んだ構造であることがわかった。
【0033】
(比較例4)
硝酸濃度5mol/lに調製した溶液30mlにヘキサヒドロキソ白金酸0.184gを加え、充分に攪拌した後、密閉容器に入れ、室温中で22時間保持した。溶液は薄い黄色から茶色に変化していたが、沈殿等は観察されなかった。このときの溶液中での白金粒子径のサイズは、動的光散乱法による測定の結果、1〜2nmと見積もられた。
以上の結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
表6および図14から、模擬排気ガステストの結果、あらかじめ溶液中での白金サイズが3〜4nmの範囲となるように調製した実施例16の触媒は、粒子径を制御せず1〜2nmにとどまった比較例4の触媒と比べて浄化の立ち上がり温度が約50℃程度低く、触媒活性が高いことが明らかとなった。
図15に浄化性能の指標である浄化率50%における比較結果を示す。図15から、同程度の触媒活性を得るための温度がHC、NOx、COの全てにおいて大幅に低下していることがわかった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸基を配位した貴金属錯体を含む溶液において、該溶液中の貴金属錯体濃度、酸濃度ならびに前記溶液の保持温度および/もしくは時間を制御する工程を含む貴金属溶液の製造方法。
【請求項2】
前記水酸基を配位した貴金属錯体が、ヘキサヒドロキソ白金酸(IV)である請求項1に記載の貴金属溶液の製造方法。
【請求項3】
動的光散乱法により測定した前記溶液中での貴金属錯体のメジアン径を3nm以上に制御する請求項1または2に記載の貴金属溶液の製造方法。
【請求項4】
前記酸濃度を5規定以上とし、かつ前記溶液温度を50℃〜70℃に保持する請求項1ないし3のいずれかに記載の貴金属溶液の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法により得られた貴金属溶液。
【請求項6】
請求項5に記載の貴金属溶液を触媒担体に担持させてなる排ガス触媒。
【請求項1】
水酸基を配位した貴金属錯体を含む溶液において、該溶液中の貴金属錯体濃度、酸濃度ならびに前記溶液の保持温度および/もしくは時間を制御する工程を含む貴金属溶液の製造方法。
【請求項2】
前記水酸基を配位した貴金属錯体が、ヘキサヒドロキソ白金酸(IV)である請求項1に記載の貴金属溶液の製造方法。
【請求項3】
動的光散乱法により測定した前記溶液中での貴金属錯体のメジアン径を3nm以上に制御する請求項1または2に記載の貴金属溶液の製造方法。
【請求項4】
前記酸濃度を5規定以上とし、かつ前記溶液温度を50℃〜70℃に保持する請求項1ないし3のいずれかに記載の貴金属溶液の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法により得られた貴金属溶液。
【請求項6】
請求項5に記載の貴金属溶液を触媒担体に担持させてなる排ガス触媒。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−161349(P2011−161349A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25820(P2010−25820)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
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