貼付装置および電気光学装置の製造方法
【課題】気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することが可能な貼付装置を提供する。
【解決手段】この貼付装置1は、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4と、押圧ローラー5との少なくとも一方を、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側の先端部から離間した位置から偏光板200の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に押圧ローラー5を接触させて押圧を開始するように構成されている。
【解決手段】この貼付装置1は、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4と、押圧ローラー5との少なくとも一方を、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側の先端部から離間した位置から偏光板200の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に押圧ローラー5を接触させて押圧を開始するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付装置および電気光学装置の製造方法に関し、特に、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対してシート部材を押圧する押圧ローラーを備えた貼付装置および電気光学装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示パネル保持部に保持された表示パネル(液晶表示パネル)に対してシート部材(偏光板)を押圧する押圧ローラーを備えた貼付装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の貼付装置は、表示パネル(液晶表示パネル)を保持する表示パネル保持部と、シート部材(偏光板)を保持するシート保持部と、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対してシート部材を押圧する押圧ローラーとを備えている。表示パネル保持部および押圧ローラーは、基台に対して貼付を行う方向に移動可能に構成されている。シート保持部は、基台に固定的に設置されている。上記特許文献1では、表示パネルとシート部材とを対向するように配置した状態でシート部材の貼付開始側の先端部の上方に押圧ローラーを配置し、そのまま押圧ローラーを下方に移動することによって、押圧ローラーによってシート部材の貼付開始側の先端部と表示パネルとを押圧する。そして、押圧ローラーによる押圧を継続したまま所定の距離だけ押圧ローラーを移動させることにより、初期貼付領域を形成する。この後、押圧ローラーの移動を停止させるとともに、押圧を継続したまま表示パネル保持部を移動させることにより、シート部材と表示パネルとの初期貼付領域の残りの部分の貼付を行う。上記特許文献1では、押圧ローラーによって押圧しながらシート部材と表示パネルとを貼り付けることによって、シート部材と表示パネルとの間に混入した気泡が押し出されるので、シート部材と表示パネルとの間に気泡が残留することが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−22029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の貼付装置では、シート部材の貼付開始側の先端部の上方から押圧ローラーによって押圧した後に、押圧ローラーおよび表示パネル保持部を移動させて貼付動作を開始している。しかしながら、シート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを正確に位置させることは困難であるため、シート部材の貼付開始側の先端部と押圧ローラーの押圧開始位置とがずれる場合がある。この場合には、シート部材の貼付開始側の先端部から押圧ローラーによる押圧開始位置までの、シート部材の貼付開始側の先端部の近傍の領域は、押圧ローラーによる押圧が行われないため、その領域に気泡が混入したまま残ってしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することが可能な貼付装置および電気光学装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による貼付装置は、表示パネルを保持する表示パネル保持部と、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対向するように配置可能であり、シート部材を保持するシート保持部と、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対してシート部材を押圧する押圧ローラーと、表示パネル保持部およびシート保持部と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように制御する貼付制御部とを備える。
【0008】
この第1の局面による貼付装置では、上記のように、表示パネル保持部およびシート保持部と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを移動させて先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始する貼付制御部を設ける。これにより、確実にシート部材の貼付開始側の先端部から押圧ローラーによって押圧して貼付を行うことができるので、貼付開始側の先端部の近傍に気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による貼付装置において、好ましくは、貼付制御部は、シート部材の貼付開始側の先端部が押圧ローラーにより押圧された状態から、表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら、表示パネル保持部およびシート保持部と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部から所定の長さ分貼付される第1貼付位置まで押圧ローラーによる押圧を行うように構成されている。このように構成すれば、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置までは表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら貼付が行われるので、シート部材と表示パネルとの間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。これにより、シート部材の先端部から第1貼付位置までの貼付の初期段階でシート部材と表示パネルとの位置が貼付動作中にずれることを抑制することができるので、表示パネルとシート部材との位置がずれた状態で貼り付けられることを抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、シート部材は、少なくとも先端部から第1貼付位置までの部分がシート保持部から突出した状態で配置されており、貼付制御部により、シート保持部から突出されたシート部材の部分と押圧ローラーとを互いに近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の先端部から第1貼付位置までの貼付が行われるように構成されている。このように構成すれば、シート保持部から突出した部分については表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながらでも貼付を行うことができるので、先端部から第1貼付位置までの部分を表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら容易に貼付することができる。これにより、容易に、先端部から第1貼付位置までシート部材と表示パネルとの間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。
【0011】
上記表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置まで押圧を行う構成において、好ましくは、貼付制御部は、シート部材が貼付開始側の先端部から第1貼付位置まで貼り付けられた後、押圧ローラーに対するシート保持部の位置を固定した状態で、押圧ローラーと、表示パネル保持部との少なくとも一方を相対的に移動させることによって、第1貼付位置から後端部からなる第2貼付位置まで押圧ローラーによって押圧を行うように構成されている。このようにシート部材が貼付開始側の先端部から第1貼付位置まで貼り付けられた後に、第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)まで表示パネル保持部とシート保持部とをずらしながら貼付を行った場合に、シート部材と表示パネルとの間に横方向の力が加わった場合にも、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置までがシート部材と表示パネルとの位置ずれを起こすことなく十分な接着力によって貼り付けられているので、シート部材と表示パネルとの位置ずれを起こすことなく貼り付けを行うことができる。
【0012】
上記押圧ローラーとシート部材との位置関係を保ちながら第1貼付位置から所定の第2貼付位置まで押圧ローラーによって押圧を行う構成において、好ましくは、表示パネル保持部およびシート保持部は、押圧ローラーに近づく方向に移動可能に構成されており、貼付制御部は、表示パネル保持部およびシート保持部を押圧ローラーに近づく第1方向に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように構成されている。このように構成すれば、表示パネル保持部およびシート部材を押圧ローラーに近づく方向に移動させることによって、容易かつ確実にシート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の先端部の押圧を開始することができる。
【0013】
上記表示パネル保持部およびシート保持部を移動させることによってシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始する構成において、好ましくは、貼付制御部により駆動制御され、第1方向に移動させるアクチュエーターをさらに備え、シート保持部は、表示パネル保持部に支持されている。このように構成すれば、シート保持部が表示パネル保持部に支持されているので、表示パネル保持部をアクチュエーターによって移動させることによって、シート保持部も表示パネル保持部と同時に移動させることができる。
【0014】
この場合、好ましくは、シート保持部は、表示パネル保持部に対して移動可能で、かつ、表示パネル保持部に対して付勢可能な状態で、表示パネル保持部に支持されている。このように構成すれば、表示パネル保持部に対してシート保持部を移動させることができるので、第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)までの貼付を行う際に、シート保持部と表示パネル保持部とを別個に移動させることができる。また、シート保持部を表示パネル保持部に対して付勢した状態で表示パネル保持部に支持させることによって、シート保持部が表示パネル保持部に対して容易に移動しないように固定することができる。これにより、シート部材の先端部から第1貼付位置までの貼付を行う際にシート保持部と表示パネル保持部とを位置関係を保ちながら移動させる際に、シート保持部と表示パネル保持部との位置関係がずれることを抑制することができる。
【0015】
上記シート保持部が表示パネル保持部に支持された構成において、好ましくは、貼付制御部によりアクチュエーターを用いてシート保持部および表示パネル保持部を押圧ローラーに近づく方向に移動させる際に、押圧ローラーが第1貼付位置に位置した時点でシート保持部と当接してシート保持部の押圧ローラーに対する移動を停止させるストッパー部をさらに備え、貼付制御部は、シート保持部がストッパー部に当接して移動が停止された後、アクチュエーターを用いて表示パネル保持部を、さらに第1方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置までの貼り付けを行う際には、表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら移動させ、第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)までの貼り付けを行う際には、表示パネル保持部のみを移動させるという動作を容易に行うことができる。
【0016】
この場合、好ましくは、貼付制御部は、シート保持部がストッパー部に当接して移動が停止されて押圧ローラーに対するシート保持部の位置が固定された状態で、表示パネル保持部を、さらに第1方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、ストッパー部により移動が停止されたシート保持部と固定的に設置された押圧ローラーとの位置関係を保ちながら、表示パネル保持部のみを移動させて第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)までの貼付を行うことができる。
【0017】
上記ストッパー部を備える構成において、好ましくは、ストッパー部は、ダンパー機能を有する。このように構成すれば、シート保持部がストッパー部に当接した際の衝撃を緩和することができる。
【0018】
上記第1の局面による貼付装置において、好ましくは、表示パネルは、液晶表示パネルであり、シート部材は、偏光板である。このように構成すれば、偏光板を液晶表示パネルに貼り付ける際に、気泡が混入したまま残ることを抑制することができる。
【0019】
この発明の第2の局面による電気光学装置の製造方法は、互いに対向するように配置された表示パネルおよびシート部材を、押圧ローラーに対して離間した位置に配置するステップと、表示パネルおよびシート部材と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始するステップとを備えている。
【0020】
この第2の局面による電気光学装置の製造方法では、上記のように、表示パネルおよびシート部材と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを移動させて先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始している。これにより、確実にシート部材の貼付開始側の先端部から押圧ローラーによって押圧して貼付を行うことができるので、貼付開始側の先端部の近傍に気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態による貼付装置の構造を説明するための模式的な側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが液晶表示パネルステージの傾斜面に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付開始位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置と貼付終了位置との間に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付終了位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による貼付装置の構造を説明するための模式的な側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置と貼付終了位置との間に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による貼付装置を示す側面図である。
【図11】本発明の第3実施形態による貼付装置を示す平面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による貼付装置を示す正面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(貼付動作開始時)を説明するための側面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための側面図である。
【図15】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための平面図である。
【図16】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付終了位置を超えた位置に位置する状態)を説明するための側面図である。
【図17】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付終了位置を超えた位置に位置する状態)を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による貼付装置の構造について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態による貼付装置1は、本発明の「電気光学装置」の一例としての液晶表示パネル100に対して本発明の「シート部材」の一例としての偏光板200を貼り付けるための装置である。図1に示すように、貼付装置1は、基台2と、液晶表示パネル100を保持する液晶表示パネルステージ3と、偏光板200を保持する偏光板ステージ4と、液晶表示パネルステージ3に保持された液晶表示パネル100に対して偏光板200を押圧する押圧ローラー5とを備えている。液晶表示パネルステージ3は、基台2に対して液晶表示パネル100に偏光板200が貼り付けられていく方向(貼付方向)の前後方向(矢印A方向および矢印B方向)に移動可能に基台2に支持されている。偏光板ステージ4は、液晶表示パネルステージ3に対して貼付方向の前後方向に移動可能に液晶表示パネルステージ3に支持されている。押圧ローラー5は、基台2に貼付方向の移動に関して固定的に設置されている。液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4は、それぞれ、本発明の「表示パネル保持部」および「シート保持部」の一例である。
【0025】
液晶表示パネルステージ3の上面3aには、液晶表示パネル100を保持するための凹部3bが形成されている。また、液晶表示パネルステージ3の上面3aの矢印A方向の先端部には、A方向に向かって基台2からの高さが小さくなる傾斜面3cが設けられている。この傾斜面3cは、押圧ローラー5を液晶表示パネルステージ3に滑らかに当接させるために設けられている。偏光板ステージ4は、支持柱4aと、支持柱4aに回動可能に支持される回動軸4bと、回動軸4bに固定された偏光板保持部材4cとを含んでいる。
【0026】
液晶表示パネルステージ3は、貼付制御部3dにより駆動制御されるアクチュエーター3eの駆動力によって貼付方向の前後方向に移動されるように構成されている。偏光板ステージ4は、液晶表示パネルステージ3の貼付方向の移動に伴って貼付方向に移動するように構成されている。
【0027】
偏光板ステージ4には、当接板4dが設けられており、基台2には、当接板4dと矢印A方向に対向する位置にストッパー部2aが設けられている。また、偏光板ステージ4は、液晶表示パネルステージに対して付勢手段4eによって矢印A方向に向かって付勢されている。
【0028】
次に、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態による貼付装置1の貼付動作を説明する。
【0029】
貼付作業を開始する時点においては、図1に示すように、液晶表示パネルステージ3は、矢印B方向側に位置しており、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4は、押圧ローラー5から貼付方向に離間した位置に配置されている。この状態で、作業者によって液晶表示パネルステージ3に液晶表示パネル100が装着されるとともに、偏光板ステージ4に偏光板200が装着される。この時、偏光板200は、偏光板200の先端部が偏光板保持部材4cの先端部よりも所定の長さ(たとえば、約5mm)だけ突出した状態で偏光板保持部材4cに保持される。この偏光板保持部材4cの先端部よりも突出する長さは、少なくとも後述する貼付開始位置T1から初期貼付位置T2までの長さよりも長い。なお、偏光板200および液晶表示パネル100の少なくともいずれか一方には接着剤(図示せず)が塗布されている。
【0030】
次に、この状態で貼付動作が開始される。すなわち、貼付制御部3dによりアクチュエーター3eが駆動されることにより、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4の矢印A方向への移動が開始される。これにより、押圧ローラー5は、偏光板200の貼付開始側の先端部(矢印A方向側の端部)に相対的に近づいていく。
【0031】
図2に示すように、液晶表示パネルステージ3の上面3aの先端部が押圧ローラー5の位置まで到達すると、傾斜面3cが押圧ローラー5に当接する。そして、さらに液晶表示パネルステージ3が矢印A方向に移動されるのに従って、押圧ローラー5は、傾斜面3cに沿って高さ位置を変化させながら、かつ回転しながら、液晶表示パネルステージ3の傾斜面3cおよび上面3aを押圧した状態で液晶表示パネルステージ3に対して相対的に移動する。
【0032】
図3に示すように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4がさらに矢印A方向に移動されると、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)が押圧ローラー5の位置まで到達する。この時、押圧ローラー5は、下方に押圧した状態を保ったまま、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に接触する。この時点で、押圧ローラー5が偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧し始める。
【0033】
液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4がさらに矢印A方向に移動されると、図4に示すように、偏光板ステージ4の当接板4dが基台2に設けられたストッパー部2aに当接することにより、偏光板ステージ4の矢印A方向への移動が停止される。この時、図4に示すように、偏光板200は、貼付開始側の先端部から所定の幅分(たとえば、約3mm)だけ離れた初期貼付位置T2まで液晶表示パネル100に貼り付けられている。このように、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの貼付は、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら行われる。これにより、偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができるので、偏光板200の先端部から貼付開始位置T1までの貼付の初期段階で偏光板200と液晶表示パネル100との位置が貼付動作中にずれることが抑制される。なお、初期貼付位置T2は、本発明の「第1貼付位置」の一例である。
【0034】
この後、貼付制御部3dによりアクチュエーター3eが駆動されることによって液晶表示パネルステージ3がさらに矢印A方向に移動されると、図5に示すように、偏光板ステージ4は当接板4dがストッパー部2aに当接した位置で停止したまま、液晶表示パネルステージ3のみが矢印A方向に移動される。したがって、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点以降は、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点での偏光板200と押圧ローラー5との位置関係が保たれながら(押圧ローラー5に対する偏光板ステージ4の位置が固定されながら)、液晶表示パネルステージ3のみが矢印A方向に移動されて貼付が行われる。
【0035】
ここで、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点以降は、偏光板ステージ4は停止している一方、液晶表示パネルステージ3は移動するので、偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3との位置関係が変化する。このため、偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が偏光板200と液晶表示パネル100との位置ずれを起こすように働く。第1実施形態では、偏光板200の端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの所定の幅分(たとえば、約3mm)が位置ずれなく液晶表示パネル100に貼付されているので、偏光板200の端部から初期貼付位置T2までの領域の接着力により、初期貼付位置T2以降の貼付の際の位置ずれの発生が抑制される。
【0036】
この後、図6に示すように、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側と反対側の後端部(貼付終了位置T3)まで到達すると、偏光板200の全面が液晶表示パネル100に貼付される。押圧ローラー5が貼付終了位置T3を超える位置に位置した状態で、貼付動作が終了する。なお、貼付終了位置T3は、本発明の「第2貼付位置」の一例である。
【0037】
第1実施形態では、上記のように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4を、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側の先端部から離間した位置から偏光板200の貼付開始側の先端部に近づく方向に移動させることによって、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に押圧ローラー5を移動させて端部に押圧ローラー5を接触させて押圧を開始している。このように構成することによって、確実に偏光板200の貼付開始側の先端部から押圧ローラー5によって押圧して貼付を行うことができるので、貼付開始側の先端部の近傍に気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することができる。
【0038】
また、第1実施形態では、上記のように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4を、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側の先端部に近づく方向に移動させることによって、偏光板200の貼付開始側の先端部から少なくとも端部を越える初期貼付位置T2まで押圧ローラー5による押圧を行っている。このように構成することによって、偏光板200の貼付開始側の先端部から初期貼付位置T2までは液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら貼付が行われるので、偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。これにより、偏光板200の先端部から貼付開始位置T1までの貼付の初期段階で偏光板200と液晶表示パネル100との位置が貼付動作中にずれることを抑制することができるので、液晶表示パネル100と偏光板200との位置がずれた状態で貼り付けられることを抑制することができる。
【0039】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板200を、少なくとも先端部から初期貼付位置T2までの部分が偏光板ステージ4から突出した状態で配置し、偏光板ステージ4から突出された偏光板200の部分と押圧ローラー5とを互いに近づく方向に相対的に移動させることによって、偏光板200の先端部から初期貼付位置T2までの貼付を行なっている。このように構成することによって、偏光板ステージ4から突出した部分については液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながらでも貼付を行うことができるので、先端部から初期貼付位置T2までの部分を液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら容易に貼付することができる。これにより、容易に、先端部から初期貼付位置T2まで偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2まで貼り付けられた後、押圧ローラー5に対する偏光板200の位置を固定した状態で、液晶表示パネルステージ3を貼付を行う方向に移動させることによって、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3まで押圧ローラー5によって押圧を行っている。このように偏光板200が貼付開始側の先端部から初期貼付位置T2まで貼付された後に、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3まで液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4とをずらしながら貼付を行った場合に、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4とをずらしながら貼付を行うことに起因して偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わった場合にも、偏光板200の貼付開始側の先端部から初期貼付位置T2までが偏光板200と液晶表示パネル100との位置ずれを起こすことなく十分な接着力によって貼り付けられているので、偏光板200と液晶表示パネル100との位置ずれを起こすことなく貼り付けを行うことができる。
【0041】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板ステージ4を液晶表示パネルステージ3に支持させるとともに、アクチュエーター3eを用いて液晶表示パネルステージ3を押圧ローラー5に近づく方向に移動させている。このように構成することによって、偏光板ステージ4が液晶表示パネルステージ3に支持されているので、液晶表示パネルステージ3をアクチュエーター3eによって移動させることによって、偏光板ステージ4も液晶表示パネルステージ3と同時に移動させることができる。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板ステージ4を、液晶表示パネルステージ3に対して移動可能で、かつ、液晶表示パネルステージ3に対して付勢された状態で、液晶表示パネルステージ3に支持させている。このように構成することによって、液晶表示パネルステージ3に対して偏光板ステージ4を移動させることができるので、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3までの貼付を行う際に、偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3とを別個に移動させることができる。また、偏光板ステージ4を液晶表示パネルステージ3に対して付勢した状態で液晶表示パネルステージ3に支持させることによって、偏光板ステージ4が液晶表示パネルステージ3に対して容易に移動しないように固定することができる。これにより、初期貼付位置T2までの貼付を行う際に偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3とを位置関係を保ちながら移動させる際に、偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3との位置関係がずれることを抑制することができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板ステージ4がストッパー部2aに当接して移動が停止された後、液晶表示パネルステージ3を、さらに貼付を継続する方向に移動するように構成している。このように構成することによって、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの貼り付けを行う際には、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら移動させ、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3までの貼り付けを行う際には、液晶表示パネルステージ3のみを移動させるという動作を容易に行うことができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、押圧ローラー5を移動させて貼付を開始する例について説明する。
【0045】
図7に示すように、第2実施形態による貼付装置1aでは、液晶表示パネルステージ3が基台2に固定的に設置され、押圧ローラー5および偏光板ステージ4を基台2に対して貼付方向の前後方向(矢印A方向および矢印B方向)に移動可能に設置されている。押圧ローラー5は、貼付制御部13dによって駆動制御されるアクチュエーター3fによって貼付方向に移動されるように構成されている。また、押圧ローラー5が矢印B方向に移動した際に、所定の位置で偏光板ステージ4と係合することにより、押圧ローラー5と偏光板ステージ4とが一体的に矢印B方向に移動するように構成されている。
【0046】
第2実施形態による貼付装置1aの貼付動作としては、図7に示すように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4が押圧ローラー5と離間した状態から、貼付制御部13dによりアクチュエーター3fが駆動されることによって、押圧ローラー5が貼付開始側の先端部に近づくように矢印B方向に移動される。図8に示すように、押圧ローラー5を貼付開始側の先端部に近づくように矢印B方向に移動させて貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2まで貼付を行う。この初期貼付位置T2まで貼付を行った時点で、押圧ローラー5と偏光板ステージ4とが図示しない係合手段により係合する。その後、さらに押圧ローラー5を矢印B方向に移動させると、押圧ローラー5と偏光板ステージ4とが係合していることにより、図9に示すように、押圧ローラー5と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら(押圧ローラー5に対する偏光板ステージ4の位置が固定されながら)一体的に矢印B方向に移動する。そして、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3まで貼付が行われる。
【0047】
第2実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0048】
(第3実施形態)
次に、図10〜図17を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態による貼付装置1の構造をより具体化した例について説明する。まず、図10〜図12を参照して、本発明の第3実施形態による貼付装置101の構造について説明する。
【0049】
図10〜図12に示すように、貼付装置101は、概略的には、上述した第1実施形態の貼付装置1と同様、基台20と、基台20に対して液晶表示パネル100に偏光板200が貼り付けられていく方向(貼付方向)の前後方向(矢印A方向および矢印B方向)に移動可能に基台20に支持され、液晶表示パネル100を保持する液晶表示パネルステージ30と、液晶表示パネルステージ30に対して貼付方向の前後方向に移動可能に液晶表示パネルステージ30に支持され、偏光板200を保持する偏光板ステージ40と、基台20に貼付方向の移動に関して固定的に設置され、液晶表示パネルステージ30に保持された液晶表示パネル100に対して偏光板200を押圧する押圧ローラー50とを備えている。なお、液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40は、それぞれ、本発明の「表示パネル保持部」および「シート保持部」の一例である。
【0050】
液晶表示パネルステージ30は、直動ガイド60を介して基台20に取り付けられることにより、基台20に対して貼付方向に移動可能に構成されている。直動ガイド60は、所定の間隔を隔てて配置され、貼付方向に延びるように基台20の上面20a上に固定された2本のスライドレール60aと、液晶表示パネルステージ30の平板状の本体部31の下面31aに固定され、スライドレール60a上を移動する4つのスライダー60bとからなる。また、液晶表示パネルステージ30の本体部31の上面31b上には、液晶表示パネル100を保持する液晶表示パネル保持部32が設けられている。液晶表示パネル保持部32の上面32aには、液晶表示パネル100を保持するための凹部32bが形成されている。
【0051】
図11に示すように、凹部32bは、平面的に見てL字形状に形成されており、互いに直交する2辺からなる2つの当接部32cおよび32dを有している。この2つの当接部32cおよび32dと略矩形状の液晶表示パネル100の2辺とを当接させることにより、液晶表示パネル保持部32における液晶表示パネル100の位置決めを行うことが可能である。液晶表示パネル保持部32には、液晶表示パネル100の真空吸着を行うための吸着部33が設けられており、凹部32bに吸着穴33aが形成されている。凹部32bに配置された液晶表示パネル100は、吸着穴33aから真空吸着されることにより、当接部32cおよび32dによって位置決めされた状態で固定されるように構成されている。液晶表示パネル保持部32の上面32aの矢印A方向側の端部には、矢印A方向に向かうに従って低くなるように傾斜面34が形成されている。
【0052】
液晶表示パネルステージ30は、エアシリンダー70の駆動力によって基台20に対して貼付方向に移動するように構成されている。具体的には、基台20の下面20bにエアシリンダー70が固定されており、エアシリンダー70内のピストン(図示せず)の移動に伴って移動するロッド70aに固定された接続部材70bが液晶表示パネルステージ30の本体部31の下面31aに固定されている。接続部材70bは、基台20に設けられた開口部20cを介して基台20の下面20b側のエアシリンダー70と上面20a側の液晶表示パネルステージ30とを固定している。なお、エアシリンダー70は、本発明の「アクチュエーター」の一例である。
【0053】
偏光板ステージ40は、直動ガイド80を介して液晶表示パネルステージ30の本体部31に取り付けられることにより、液晶表示パネルステージ30に対して貼付方向に移動可能に構成されている。直動ガイド80は、所定の間隔を隔てて配置され、貼付方向に延びるように液晶表示パネルステージ30の本体部31の上面31b上に固定された2本のスライドレール80aと、偏光板ステージ40の平板状の本体部41の下面41aに固定され、スライドレール80a上を移動する4つのスライダー80bとからなる。
【0054】
偏光板ステージ40は、液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向側に付勢されている。具体的には、偏光板ステージ40の本体部41の上面41b上にエアシリンダー90が固定されており、エアシリンダー90内のピストン(図示せず)の移動に伴って移動するロッド90aに固定された接続部材90bが液晶表示パネルステージ30の本体部31の矢印B方向側の端部に固定されている。なお、エアシリンダー90による付勢力は、エアシリンダー70による駆動力よりも小さい。また、図10に示すように、液晶表示パネルステージ30の本体部31の上面31bには、上方に突出する当接部31cが設けられているとともに、偏光板ステージ40の本体部41の下面41aには、下方に突出する当接部41cが設けられている。液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向側に付勢された偏光板ステージ40は、当接部31cと当接部41cとが当接することにより、液晶表示パネルステージ30に対して所定の位置で留まるように構成されている。
【0055】
偏光板ステージ40の本体部41の上面41b上には、偏光板200を保持する偏光板保持部42が設けられている。偏光板保持部42は、所定の間隔を隔てて配置された一対の支持柱42aと、一対の支持柱42aに回動可能に支持される回動軸42bと、回動軸42bに固定された偏光板保持部材42cとを含んでいる。偏光板保持部材42cの先端部には、偏光板200を真空吸着して保持する吸着部42dが設けられている。回動軸42bは、アクチュエーター43によって矢印C方向および矢印D方向に回動することが可能である。回動軸42bが矢印C方向および矢印D方向に回動されることにより、偏光板保持部材42cを偏光板200をセットするセット位置Pおよび貼付を行うための貼付位置Qに位置させることが可能である。セット位置Pにおいて、作業者は偏光板200のセット(偏光板200を吸着部42dに吸着させて保持させる)を行うことが可能である。貼付位置Qにおいて、吸着部42dに吸着された偏光板200が押圧ローラー50により押圧可能な位置に位置するので、貼付動作を行うことが可能である。
【0056】
また、図11および図12に示すように、偏光板ステージ40には、本体部41の下面41aから下方に突出する当接板41dが設けられている。当接板41dは、液晶表示パネルステージ30の本体部31に設けられた開口部31dを介して基台20の上面20aの近傍まで下方に突出している。基台20の上面20aには、当接板41dと貼付方向において対向するように、ストッパー部21が設けられている。ストッパー部21は、貼付動作中に偏光板ステージ40が所定の位置に位置した時点(後述する初期貼付位置T2に押圧ローラー50が位置する時点)で当接板41dと当接することにより、偏光板ステージ40の矢印A方向への移動を停止させるために設けられている。ストッパー部21は、ダンパー機能を有するショックアブソーバー21aとストッパー21bとからなる。ショックアブソーバー21aの先端は、ストッパー21bの先端よりも所定の幅H(図11参照)だけ突出している。これにより、偏光板ステージ40が矢印A方向に移動している際に、先にショックアブソーバー21aが当接板41dと当接することによりストッパー21bと当接板41dとが接触する際の衝撃を緩和するように構成されている。
【0057】
押圧ローラー50は、基台20の上方に配置されており、貼付動作を行わない待機位置Rと、貼付動作を行う貼付位置Sとに上下方向に移動可能に構成されている。具体的には、基台20の矢印A方向側の端部に支持柱51が固定されており、支持柱51に押圧ローラー50の上下方向の移動を行うエアシリンダー52が支持されている。エアシリンダー52内のピストン(図示せず)の移動に伴って移動するロッド52aに、押圧ローラー50を自由回転可能に支持するローラー支持部材53が固定されている。これにより、エアシリンダー52を駆動することによって押圧ローラー50を上下方向に移動させることが可能である。
【0058】
また、図10に示すように、エアシリンダー70、90および52は、それぞれ、貼付制御部10によって駆動される。具体的には、エアシリンダー70、90および52のそれぞれに、所定の圧力を供給する空気源70c、90cおよび52bが貼付制御部10によって駆動される電磁弁70d、90dおよび52cを介して接続されている。貼付制御部10によって電磁弁70d、90dおよび52cの開度が制御されることにより、エアシリンダー70、90および52の空気圧を調節してエアシリンダー70、90および52を駆動している。
【0059】
次に、図3、図4、図6および図10〜図17を参照して、本発明の第3実施形態による貼付装置101の貼付動作を説明する。
【0060】
貼付作業を開始する時点においては、押圧ローラー50は、待機位置R(図10および図12参照)に位置している。また、液晶表示パネルステージ30は、矢印B方向側に位置しており、液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40は、押圧ローラー50から貼付方向に離間した位置に配置されている。この状態で、作業者によって液晶表示パネルステージ30の液晶表示パネル保持部32に液晶表示パネル100が装着されるとともに、偏光板ステージ40の偏光板保持部42に偏光板200が装着される。すなわち、液晶表示パネル保持部32の凹部32bの当接部32cおよび32d(図11参照)に液晶表示パネル100の2辺を当接させて位置決めをした状態で吸着部33により吸着穴33aを介して真空吸引を行う。これにより、液晶表示パネル100が液晶表示パネル保持部32に保持される。また、偏光板保持部42の偏光板保持部材42cをセット位置Pに位置させた状態で、偏光板200を吸着部42dに真空吸着させて保持させる。この時、偏光板200は、偏光板200の先端部が偏光板保持部材42cの先端部よりも所定の長さ(たとえば、約5mm)だけ突出した状態で偏光板保持部42に保持される。
【0061】
次に、図13に示すように、アクチュエーター43が駆動されることにより、偏光板保持部材42cがセット位置Pから貼付位置Qに移動される。これにより、偏光板保持部材42cに保持された偏光板200が液晶表示パネル保持部32に保持された液晶表示パネル100に対向するように配置されるとともに、偏光板保持部材42cに保持された偏光板200の先端部が液晶表示パネル保持部32に保持された液晶表示パネル100の上面に配置される。また、エアシリンダー52が駆動されることにより、押圧ローラー50が待機位置Rから下方に貼付位置Sまで移動される。
【0062】
この状態で貼付動作が開始される。すなわち、貼付制御部10によってエアシリンダー70が駆動されることにより、液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40の矢印A方向への移動が開始される。これにより、押圧ローラー50は、偏光板200の貼付開始側の先端部(矢印A方向側の端部)に近づいていく。
【0063】
液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40がさらに矢印A方向に移動されると、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)(図3参照)が押圧ローラー50の位置まで到達する。この時、押圧ローラー50は、下方に押圧した状態を保ったまま、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に接触する。この時点で、押圧ローラー50が偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧し始める。
【0064】
液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40がさらに矢印A方向に移動されると、図14および図15に示すように、偏光板ステージ40の当接板41dが基台20に設けられたストッパー部21に当接することにより、偏光板ステージ40の矢印A方向への移動が停止される。この時、偏光板200は、貼付開始側の先端部から所定の幅分(たとえば、約3mm)だけ離れた初期貼付位置T2(図4参照)まで液晶表示パネル100に貼り付けられている。このように、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの貼付は、液晶表示パネルステージ30と偏光板ステージ40との位置関係を保ちながら行われる。
【0065】
この後、エアシリンダー70によって液晶表示パネルステージ30がさらに矢印A方向に移動されると、図16および図17に示すように、偏光板ステージ40は当接板41dがストッパー部21に当接した位置で停止したまま、液晶表示パネルステージ30のみが矢印A方向に移動される。この時、エアシリンダー90による付勢力がエアシリンダー70による駆動力よりも小さいので、エアシリンダー70による駆動力がエアシリンダー90による付勢力に打ち勝って液晶表示パネルステージ30が移動される。したがって、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点以降は、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点での偏光板200と押圧ローラー50との位置関係が保たれながら、液晶表示パネルステージ30のみが矢印A方向に移動されて貼付が行われる。
【0066】
この後、押圧ローラー50が偏光板200の貼付開始側と反対側の端部(貼付終了位置T3)(図6参照)まで到達すると、偏光板200の全面が液晶表示パネル100に貼付される。押圧ローラー50が貼付終了位置T3を超える位置に位置した状態(図16および図17参照)で、貼付動作が終了する。
【0067】
第3実施形態では、上記のように、押圧ローラー50を上下方向に移動可能に構成することによって、貼付動作を行わない時は押圧ローラー50を上方に移動させて作業者の作業スペースを広くすることができる。
【0068】
また、第3実施形態では、上記のように、エアシリンダー90によって偏光板ステージ40を液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向に付勢することによって、簡易な構成によって偏光板ステージ40を液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向に付勢することができる。
【0069】
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0071】
たとえば、上記第3実施形態では、液晶表示パネルステージ30を移動させるためのアクチュエーターとしてエアシリンダー90を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、モータなどの他のアクチュエーターを用いてもよい。
【0072】
また、上記第1〜第3実施形態では、液晶表示パネル100に偏光板200を貼付する例について説明したが、本発明はこれに限らず、液晶表示パネル100に本発明の「シート部材」の一例としての位相差板を貼付してもよい。また、本発明の「表示パネル」の一例としての有機ELパネルに「シート部材」を貼付してもよい。
【0073】
また、上記第3実施形態では、エアシリンダー90によって偏光板ステージ40を液晶表示パネルステージ30に対して付勢した例を示したが、本発明はこれに限らず、バネ部材を用いて付勢してもよい。
【0074】
また、上記第3実施形態では、貼付動作の開始時点から押圧ローラー50を貼付位置Sに位置させた例を示したが、本発明はこれに限らず、押圧ローラー50を貼付位置Sに位置させるのは偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)の手前側であればどの位置でもよい。
【0075】
また、上記第1〜第3実施形態では、液晶表示パネル100の上方に偏光板200を配置した状態で、偏光板200の上方から押圧ローラーによって偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧して貼付を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、液晶表示パネル100の下方に偏光板200を配置した状態で、押圧ローラーによって下方から偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 貼付装置 1a 貼付装置 2a ストッパー部 3 液晶表示パネルステージ(表示パネル保持部) 3d 貼付制御部 3e アクチュエーター 4 偏光板ステージ(シート保持部) 5 押圧ローラー 10 貼付制御部 13d 貼付制御部 21 ストッパー部 21a ショックアブソーバー(ダンパー機能) 30 液晶表示パネルステージ(表示パネル保持部) 40 偏光板ステージ(シート保持部) 50 押圧ローラー 70 エアシリンダー(アクチュエーター) 100 液晶表示パネル(表示パネル) 101 貼付装置 200 偏光板(シート部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付装置および電気光学装置の製造方法に関し、特に、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対してシート部材を押圧する押圧ローラーを備えた貼付装置および電気光学装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示パネル保持部に保持された表示パネル(液晶表示パネル)に対してシート部材(偏光板)を押圧する押圧ローラーを備えた貼付装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の貼付装置は、表示パネル(液晶表示パネル)を保持する表示パネル保持部と、シート部材(偏光板)を保持するシート保持部と、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対してシート部材を押圧する押圧ローラーとを備えている。表示パネル保持部および押圧ローラーは、基台に対して貼付を行う方向に移動可能に構成されている。シート保持部は、基台に固定的に設置されている。上記特許文献1では、表示パネルとシート部材とを対向するように配置した状態でシート部材の貼付開始側の先端部の上方に押圧ローラーを配置し、そのまま押圧ローラーを下方に移動することによって、押圧ローラーによってシート部材の貼付開始側の先端部と表示パネルとを押圧する。そして、押圧ローラーによる押圧を継続したまま所定の距離だけ押圧ローラーを移動させることにより、初期貼付領域を形成する。この後、押圧ローラーの移動を停止させるとともに、押圧を継続したまま表示パネル保持部を移動させることにより、シート部材と表示パネルとの初期貼付領域の残りの部分の貼付を行う。上記特許文献1では、押圧ローラーによって押圧しながらシート部材と表示パネルとを貼り付けることによって、シート部材と表示パネルとの間に混入した気泡が押し出されるので、シート部材と表示パネルとの間に気泡が残留することが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−22029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の貼付装置では、シート部材の貼付開始側の先端部の上方から押圧ローラーによって押圧した後に、押圧ローラーおよび表示パネル保持部を移動させて貼付動作を開始している。しかしながら、シート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを正確に位置させることは困難であるため、シート部材の貼付開始側の先端部と押圧ローラーの押圧開始位置とがずれる場合がある。この場合には、シート部材の貼付開始側の先端部から押圧ローラーによる押圧開始位置までの、シート部材の貼付開始側の先端部の近傍の領域は、押圧ローラーによる押圧が行われないため、その領域に気泡が混入したまま残ってしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することが可能な貼付装置および電気光学装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による貼付装置は、表示パネルを保持する表示パネル保持部と、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対向するように配置可能であり、シート部材を保持するシート保持部と、表示パネル保持部に保持された表示パネルに対してシート部材を押圧する押圧ローラーと、表示パネル保持部およびシート保持部と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように制御する貼付制御部とを備える。
【0008】
この第1の局面による貼付装置では、上記のように、表示パネル保持部およびシート保持部と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを移動させて先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始する貼付制御部を設ける。これにより、確実にシート部材の貼付開始側の先端部から押圧ローラーによって押圧して貼付を行うことができるので、貼付開始側の先端部の近傍に気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による貼付装置において、好ましくは、貼付制御部は、シート部材の貼付開始側の先端部が押圧ローラーにより押圧された状態から、表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら、表示パネル保持部およびシート保持部と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部から所定の長さ分貼付される第1貼付位置まで押圧ローラーによる押圧を行うように構成されている。このように構成すれば、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置までは表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら貼付が行われるので、シート部材と表示パネルとの間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。これにより、シート部材の先端部から第1貼付位置までの貼付の初期段階でシート部材と表示パネルとの位置が貼付動作中にずれることを抑制することができるので、表示パネルとシート部材との位置がずれた状態で貼り付けられることを抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、シート部材は、少なくとも先端部から第1貼付位置までの部分がシート保持部から突出した状態で配置されており、貼付制御部により、シート保持部から突出されたシート部材の部分と押圧ローラーとを互いに近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の先端部から第1貼付位置までの貼付が行われるように構成されている。このように構成すれば、シート保持部から突出した部分については表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながらでも貼付を行うことができるので、先端部から第1貼付位置までの部分を表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら容易に貼付することができる。これにより、容易に、先端部から第1貼付位置までシート部材と表示パネルとの間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。
【0011】
上記表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置まで押圧を行う構成において、好ましくは、貼付制御部は、シート部材が貼付開始側の先端部から第1貼付位置まで貼り付けられた後、押圧ローラーに対するシート保持部の位置を固定した状態で、押圧ローラーと、表示パネル保持部との少なくとも一方を相対的に移動させることによって、第1貼付位置から後端部からなる第2貼付位置まで押圧ローラーによって押圧を行うように構成されている。このようにシート部材が貼付開始側の先端部から第1貼付位置まで貼り付けられた後に、第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)まで表示パネル保持部とシート保持部とをずらしながら貼付を行った場合に、シート部材と表示パネルとの間に横方向の力が加わった場合にも、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置までがシート部材と表示パネルとの位置ずれを起こすことなく十分な接着力によって貼り付けられているので、シート部材と表示パネルとの位置ずれを起こすことなく貼り付けを行うことができる。
【0012】
上記押圧ローラーとシート部材との位置関係を保ちながら第1貼付位置から所定の第2貼付位置まで押圧ローラーによって押圧を行う構成において、好ましくは、表示パネル保持部およびシート保持部は、押圧ローラーに近づく方向に移動可能に構成されており、貼付制御部は、表示パネル保持部およびシート保持部を押圧ローラーに近づく第1方向に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように構成されている。このように構成すれば、表示パネル保持部およびシート部材を押圧ローラーに近づく方向に移動させることによって、容易かつ確実にシート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の先端部の押圧を開始することができる。
【0013】
上記表示パネル保持部およびシート保持部を移動させることによってシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始する構成において、好ましくは、貼付制御部により駆動制御され、第1方向に移動させるアクチュエーターをさらに備え、シート保持部は、表示パネル保持部に支持されている。このように構成すれば、シート保持部が表示パネル保持部に支持されているので、表示パネル保持部をアクチュエーターによって移動させることによって、シート保持部も表示パネル保持部と同時に移動させることができる。
【0014】
この場合、好ましくは、シート保持部は、表示パネル保持部に対して移動可能で、かつ、表示パネル保持部に対して付勢可能な状態で、表示パネル保持部に支持されている。このように構成すれば、表示パネル保持部に対してシート保持部を移動させることができるので、第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)までの貼付を行う際に、シート保持部と表示パネル保持部とを別個に移動させることができる。また、シート保持部を表示パネル保持部に対して付勢した状態で表示パネル保持部に支持させることによって、シート保持部が表示パネル保持部に対して容易に移動しないように固定することができる。これにより、シート部材の先端部から第1貼付位置までの貼付を行う際にシート保持部と表示パネル保持部とを位置関係を保ちながら移動させる際に、シート保持部と表示パネル保持部との位置関係がずれることを抑制することができる。
【0015】
上記シート保持部が表示パネル保持部に支持された構成において、好ましくは、貼付制御部によりアクチュエーターを用いてシート保持部および表示パネル保持部を押圧ローラーに近づく方向に移動させる際に、押圧ローラーが第1貼付位置に位置した時点でシート保持部と当接してシート保持部の押圧ローラーに対する移動を停止させるストッパー部をさらに備え、貼付制御部は、シート保持部がストッパー部に当接して移動が停止された後、アクチュエーターを用いて表示パネル保持部を、さらに第1方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、シート部材の貼付開始側の先端部から第1貼付位置までの貼り付けを行う際には、表示パネル保持部とシート保持部との位置関係を保ちながら移動させ、第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)までの貼り付けを行う際には、表示パネル保持部のみを移動させるという動作を容易に行うことができる。
【0016】
この場合、好ましくは、貼付制御部は、シート保持部がストッパー部に当接して移動が停止されて押圧ローラーに対するシート保持部の位置が固定された状態で、表示パネル保持部を、さらに第1方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、ストッパー部により移動が停止されたシート保持部と固定的に設置された押圧ローラーとの位置関係を保ちながら、表示パネル保持部のみを移動させて第1貼付位置から第2貼付位置(後端部)までの貼付を行うことができる。
【0017】
上記ストッパー部を備える構成において、好ましくは、ストッパー部は、ダンパー機能を有する。このように構成すれば、シート保持部がストッパー部に当接した際の衝撃を緩和することができる。
【0018】
上記第1の局面による貼付装置において、好ましくは、表示パネルは、液晶表示パネルであり、シート部材は、偏光板である。このように構成すれば、偏光板を液晶表示パネルに貼り付ける際に、気泡が混入したまま残ることを抑制することができる。
【0019】
この発明の第2の局面による電気光学装置の製造方法は、互いに対向するように配置された表示パネルおよびシート部材を、押圧ローラーに対して離間した位置に配置するステップと、表示パネルおよびシート部材と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始するステップとを備えている。
【0020】
この第2の局面による電気光学装置の製造方法では、上記のように、表示パネルおよびシート部材と、押圧ローラーとの少なくとも一方を、押圧ローラーがシート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置からシート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、シート部材の貼付開始側の先端部の手前側からシート部材の貼付開始側の先端部に押圧ローラーを移動させて先端部に押圧ローラーを接触させて押圧を開始している。これにより、確実にシート部材の貼付開始側の先端部から押圧ローラーによって押圧して貼付を行うことができるので、貼付開始側の先端部の近傍に気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態による貼付装置の構造を説明するための模式的な側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが液晶表示パネルステージの傾斜面に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付開始位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置と貼付終了位置との間に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付終了位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による貼付装置の構造を説明するための模式的な側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置と貼付終了位置との間に位置する状態)を説明するための模式的な側面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による貼付装置を示す側面図である。
【図11】本発明の第3実施形態による貼付装置を示す平面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による貼付装置を示す正面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(貼付動作開始時)を説明するための側面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための側面図である。
【図15】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが初期貼付位置に位置する状態)を説明するための平面図である。
【図16】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付終了位置を超えた位置に位置する状態)を説明するための側面図である。
【図17】本発明の第3実施形態による貼付装置の貼付動作(押圧ローラーが貼付終了位置を超えた位置に位置する状態)を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による貼付装置の構造について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態による貼付装置1は、本発明の「電気光学装置」の一例としての液晶表示パネル100に対して本発明の「シート部材」の一例としての偏光板200を貼り付けるための装置である。図1に示すように、貼付装置1は、基台2と、液晶表示パネル100を保持する液晶表示パネルステージ3と、偏光板200を保持する偏光板ステージ4と、液晶表示パネルステージ3に保持された液晶表示パネル100に対して偏光板200を押圧する押圧ローラー5とを備えている。液晶表示パネルステージ3は、基台2に対して液晶表示パネル100に偏光板200が貼り付けられていく方向(貼付方向)の前後方向(矢印A方向および矢印B方向)に移動可能に基台2に支持されている。偏光板ステージ4は、液晶表示パネルステージ3に対して貼付方向の前後方向に移動可能に液晶表示パネルステージ3に支持されている。押圧ローラー5は、基台2に貼付方向の移動に関して固定的に設置されている。液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4は、それぞれ、本発明の「表示パネル保持部」および「シート保持部」の一例である。
【0025】
液晶表示パネルステージ3の上面3aには、液晶表示パネル100を保持するための凹部3bが形成されている。また、液晶表示パネルステージ3の上面3aの矢印A方向の先端部には、A方向に向かって基台2からの高さが小さくなる傾斜面3cが設けられている。この傾斜面3cは、押圧ローラー5を液晶表示パネルステージ3に滑らかに当接させるために設けられている。偏光板ステージ4は、支持柱4aと、支持柱4aに回動可能に支持される回動軸4bと、回動軸4bに固定された偏光板保持部材4cとを含んでいる。
【0026】
液晶表示パネルステージ3は、貼付制御部3dにより駆動制御されるアクチュエーター3eの駆動力によって貼付方向の前後方向に移動されるように構成されている。偏光板ステージ4は、液晶表示パネルステージ3の貼付方向の移動に伴って貼付方向に移動するように構成されている。
【0027】
偏光板ステージ4には、当接板4dが設けられており、基台2には、当接板4dと矢印A方向に対向する位置にストッパー部2aが設けられている。また、偏光板ステージ4は、液晶表示パネルステージに対して付勢手段4eによって矢印A方向に向かって付勢されている。
【0028】
次に、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態による貼付装置1の貼付動作を説明する。
【0029】
貼付作業を開始する時点においては、図1に示すように、液晶表示パネルステージ3は、矢印B方向側に位置しており、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4は、押圧ローラー5から貼付方向に離間した位置に配置されている。この状態で、作業者によって液晶表示パネルステージ3に液晶表示パネル100が装着されるとともに、偏光板ステージ4に偏光板200が装着される。この時、偏光板200は、偏光板200の先端部が偏光板保持部材4cの先端部よりも所定の長さ(たとえば、約5mm)だけ突出した状態で偏光板保持部材4cに保持される。この偏光板保持部材4cの先端部よりも突出する長さは、少なくとも後述する貼付開始位置T1から初期貼付位置T2までの長さよりも長い。なお、偏光板200および液晶表示パネル100の少なくともいずれか一方には接着剤(図示せず)が塗布されている。
【0030】
次に、この状態で貼付動作が開始される。すなわち、貼付制御部3dによりアクチュエーター3eが駆動されることにより、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4の矢印A方向への移動が開始される。これにより、押圧ローラー5は、偏光板200の貼付開始側の先端部(矢印A方向側の端部)に相対的に近づいていく。
【0031】
図2に示すように、液晶表示パネルステージ3の上面3aの先端部が押圧ローラー5の位置まで到達すると、傾斜面3cが押圧ローラー5に当接する。そして、さらに液晶表示パネルステージ3が矢印A方向に移動されるのに従って、押圧ローラー5は、傾斜面3cに沿って高さ位置を変化させながら、かつ回転しながら、液晶表示パネルステージ3の傾斜面3cおよび上面3aを押圧した状態で液晶表示パネルステージ3に対して相対的に移動する。
【0032】
図3に示すように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4がさらに矢印A方向に移動されると、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)が押圧ローラー5の位置まで到達する。この時、押圧ローラー5は、下方に押圧した状態を保ったまま、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に接触する。この時点で、押圧ローラー5が偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧し始める。
【0033】
液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4がさらに矢印A方向に移動されると、図4に示すように、偏光板ステージ4の当接板4dが基台2に設けられたストッパー部2aに当接することにより、偏光板ステージ4の矢印A方向への移動が停止される。この時、図4に示すように、偏光板200は、貼付開始側の先端部から所定の幅分(たとえば、約3mm)だけ離れた初期貼付位置T2まで液晶表示パネル100に貼り付けられている。このように、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの貼付は、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら行われる。これにより、偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができるので、偏光板200の先端部から貼付開始位置T1までの貼付の初期段階で偏光板200と液晶表示パネル100との位置が貼付動作中にずれることが抑制される。なお、初期貼付位置T2は、本発明の「第1貼付位置」の一例である。
【0034】
この後、貼付制御部3dによりアクチュエーター3eが駆動されることによって液晶表示パネルステージ3がさらに矢印A方向に移動されると、図5に示すように、偏光板ステージ4は当接板4dがストッパー部2aに当接した位置で停止したまま、液晶表示パネルステージ3のみが矢印A方向に移動される。したがって、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点以降は、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点での偏光板200と押圧ローラー5との位置関係が保たれながら(押圧ローラー5に対する偏光板ステージ4の位置が固定されながら)、液晶表示パネルステージ3のみが矢印A方向に移動されて貼付が行われる。
【0035】
ここで、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点以降は、偏光板ステージ4は停止している一方、液晶表示パネルステージ3は移動するので、偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3との位置関係が変化する。このため、偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が偏光板200と液晶表示パネル100との位置ずれを起こすように働く。第1実施形態では、偏光板200の端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの所定の幅分(たとえば、約3mm)が位置ずれなく液晶表示パネル100に貼付されているので、偏光板200の端部から初期貼付位置T2までの領域の接着力により、初期貼付位置T2以降の貼付の際の位置ずれの発生が抑制される。
【0036】
この後、図6に示すように、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側と反対側の後端部(貼付終了位置T3)まで到達すると、偏光板200の全面が液晶表示パネル100に貼付される。押圧ローラー5が貼付終了位置T3を超える位置に位置した状態で、貼付動作が終了する。なお、貼付終了位置T3は、本発明の「第2貼付位置」の一例である。
【0037】
第1実施形態では、上記のように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4を、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側の先端部から離間した位置から偏光板200の貼付開始側の先端部に近づく方向に移動させることによって、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に押圧ローラー5を移動させて端部に押圧ローラー5を接触させて押圧を開始している。このように構成することによって、確実に偏光板200の貼付開始側の先端部から押圧ローラー5によって押圧して貼付を行うことができるので、貼付開始側の先端部の近傍に気泡が混入したまま残ってしまうことを抑制することができる。
【0038】
また、第1実施形態では、上記のように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4を、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら、押圧ローラー5が偏光板200の貼付開始側の先端部に近づく方向に移動させることによって、偏光板200の貼付開始側の先端部から少なくとも端部を越える初期貼付位置T2まで押圧ローラー5による押圧を行っている。このように構成することによって、偏光板200の貼付開始側の先端部から初期貼付位置T2までは液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら貼付が行われるので、偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。これにより、偏光板200の先端部から貼付開始位置T1までの貼付の初期段階で偏光板200と液晶表示パネル100との位置が貼付動作中にずれることを抑制することができるので、液晶表示パネル100と偏光板200との位置がずれた状態で貼り付けられることを抑制することができる。
【0039】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板200を、少なくとも先端部から初期貼付位置T2までの部分が偏光板ステージ4から突出した状態で配置し、偏光板ステージ4から突出された偏光板200の部分と押圧ローラー5とを互いに近づく方向に相対的に移動させることによって、偏光板200の先端部から初期貼付位置T2までの貼付を行なっている。このように構成することによって、偏光板ステージ4から突出した部分については液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながらでも貼付を行うことができるので、先端部から初期貼付位置T2までの部分を液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら容易に貼付することができる。これにより、容易に、先端部から初期貼付位置T2まで偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わらない状態で貼付を行うことができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2まで貼り付けられた後、押圧ローラー5に対する偏光板200の位置を固定した状態で、液晶表示パネルステージ3を貼付を行う方向に移動させることによって、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3まで押圧ローラー5によって押圧を行っている。このように偏光板200が貼付開始側の先端部から初期貼付位置T2まで貼付された後に、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3まで液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4とをずらしながら貼付を行った場合に、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4とをずらしながら貼付を行うことに起因して偏光板200と液晶表示パネル100との間に横方向の力が加わった場合にも、偏光板200の貼付開始側の先端部から初期貼付位置T2までが偏光板200と液晶表示パネル100との位置ずれを起こすことなく十分な接着力によって貼り付けられているので、偏光板200と液晶表示パネル100との位置ずれを起こすことなく貼り付けを行うことができる。
【0041】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板ステージ4を液晶表示パネルステージ3に支持させるとともに、アクチュエーター3eを用いて液晶表示パネルステージ3を押圧ローラー5に近づく方向に移動させている。このように構成することによって、偏光板ステージ4が液晶表示パネルステージ3に支持されているので、液晶表示パネルステージ3をアクチュエーター3eによって移動させることによって、偏光板ステージ4も液晶表示パネルステージ3と同時に移動させることができる。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板ステージ4を、液晶表示パネルステージ3に対して移動可能で、かつ、液晶表示パネルステージ3に対して付勢された状態で、液晶表示パネルステージ3に支持させている。このように構成することによって、液晶表示パネルステージ3に対して偏光板ステージ4を移動させることができるので、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3までの貼付を行う際に、偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3とを別個に移動させることができる。また、偏光板ステージ4を液晶表示パネルステージ3に対して付勢した状態で液晶表示パネルステージ3に支持させることによって、偏光板ステージ4が液晶表示パネルステージ3に対して容易に移動しないように固定することができる。これにより、初期貼付位置T2までの貼付を行う際に偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3とを位置関係を保ちながら移動させる際に、偏光板ステージ4と液晶表示パネルステージ3との位置関係がずれることを抑制することができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、偏光板ステージ4がストッパー部2aに当接して移動が停止された後、液晶表示パネルステージ3を、さらに貼付を継続する方向に移動するように構成している。このように構成することによって、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの貼り付けを行う際には、液晶表示パネルステージ3と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら移動させ、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3までの貼り付けを行う際には、液晶表示パネルステージ3のみを移動させるという動作を容易に行うことができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、押圧ローラー5を移動させて貼付を開始する例について説明する。
【0045】
図7に示すように、第2実施形態による貼付装置1aでは、液晶表示パネルステージ3が基台2に固定的に設置され、押圧ローラー5および偏光板ステージ4を基台2に対して貼付方向の前後方向(矢印A方向および矢印B方向)に移動可能に設置されている。押圧ローラー5は、貼付制御部13dによって駆動制御されるアクチュエーター3fによって貼付方向に移動されるように構成されている。また、押圧ローラー5が矢印B方向に移動した際に、所定の位置で偏光板ステージ4と係合することにより、押圧ローラー5と偏光板ステージ4とが一体的に矢印B方向に移動するように構成されている。
【0046】
第2実施形態による貼付装置1aの貼付動作としては、図7に示すように、液晶表示パネルステージ3および偏光板ステージ4が押圧ローラー5と離間した状態から、貼付制御部13dによりアクチュエーター3fが駆動されることによって、押圧ローラー5が貼付開始側の先端部に近づくように矢印B方向に移動される。図8に示すように、押圧ローラー5を貼付開始側の先端部に近づくように矢印B方向に移動させて貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2まで貼付を行う。この初期貼付位置T2まで貼付を行った時点で、押圧ローラー5と偏光板ステージ4とが図示しない係合手段により係合する。その後、さらに押圧ローラー5を矢印B方向に移動させると、押圧ローラー5と偏光板ステージ4とが係合していることにより、図9に示すように、押圧ローラー5と偏光板ステージ4との位置関係を保ちながら(押圧ローラー5に対する偏光板ステージ4の位置が固定されながら)一体的に矢印B方向に移動する。そして、初期貼付位置T2から貼付終了位置T3まで貼付が行われる。
【0047】
第2実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0048】
(第3実施形態)
次に、図10〜図17を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態による貼付装置1の構造をより具体化した例について説明する。まず、図10〜図12を参照して、本発明の第3実施形態による貼付装置101の構造について説明する。
【0049】
図10〜図12に示すように、貼付装置101は、概略的には、上述した第1実施形態の貼付装置1と同様、基台20と、基台20に対して液晶表示パネル100に偏光板200が貼り付けられていく方向(貼付方向)の前後方向(矢印A方向および矢印B方向)に移動可能に基台20に支持され、液晶表示パネル100を保持する液晶表示パネルステージ30と、液晶表示パネルステージ30に対して貼付方向の前後方向に移動可能に液晶表示パネルステージ30に支持され、偏光板200を保持する偏光板ステージ40と、基台20に貼付方向の移動に関して固定的に設置され、液晶表示パネルステージ30に保持された液晶表示パネル100に対して偏光板200を押圧する押圧ローラー50とを備えている。なお、液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40は、それぞれ、本発明の「表示パネル保持部」および「シート保持部」の一例である。
【0050】
液晶表示パネルステージ30は、直動ガイド60を介して基台20に取り付けられることにより、基台20に対して貼付方向に移動可能に構成されている。直動ガイド60は、所定の間隔を隔てて配置され、貼付方向に延びるように基台20の上面20a上に固定された2本のスライドレール60aと、液晶表示パネルステージ30の平板状の本体部31の下面31aに固定され、スライドレール60a上を移動する4つのスライダー60bとからなる。また、液晶表示パネルステージ30の本体部31の上面31b上には、液晶表示パネル100を保持する液晶表示パネル保持部32が設けられている。液晶表示パネル保持部32の上面32aには、液晶表示パネル100を保持するための凹部32bが形成されている。
【0051】
図11に示すように、凹部32bは、平面的に見てL字形状に形成されており、互いに直交する2辺からなる2つの当接部32cおよび32dを有している。この2つの当接部32cおよび32dと略矩形状の液晶表示パネル100の2辺とを当接させることにより、液晶表示パネル保持部32における液晶表示パネル100の位置決めを行うことが可能である。液晶表示パネル保持部32には、液晶表示パネル100の真空吸着を行うための吸着部33が設けられており、凹部32bに吸着穴33aが形成されている。凹部32bに配置された液晶表示パネル100は、吸着穴33aから真空吸着されることにより、当接部32cおよび32dによって位置決めされた状態で固定されるように構成されている。液晶表示パネル保持部32の上面32aの矢印A方向側の端部には、矢印A方向に向かうに従って低くなるように傾斜面34が形成されている。
【0052】
液晶表示パネルステージ30は、エアシリンダー70の駆動力によって基台20に対して貼付方向に移動するように構成されている。具体的には、基台20の下面20bにエアシリンダー70が固定されており、エアシリンダー70内のピストン(図示せず)の移動に伴って移動するロッド70aに固定された接続部材70bが液晶表示パネルステージ30の本体部31の下面31aに固定されている。接続部材70bは、基台20に設けられた開口部20cを介して基台20の下面20b側のエアシリンダー70と上面20a側の液晶表示パネルステージ30とを固定している。なお、エアシリンダー70は、本発明の「アクチュエーター」の一例である。
【0053】
偏光板ステージ40は、直動ガイド80を介して液晶表示パネルステージ30の本体部31に取り付けられることにより、液晶表示パネルステージ30に対して貼付方向に移動可能に構成されている。直動ガイド80は、所定の間隔を隔てて配置され、貼付方向に延びるように液晶表示パネルステージ30の本体部31の上面31b上に固定された2本のスライドレール80aと、偏光板ステージ40の平板状の本体部41の下面41aに固定され、スライドレール80a上を移動する4つのスライダー80bとからなる。
【0054】
偏光板ステージ40は、液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向側に付勢されている。具体的には、偏光板ステージ40の本体部41の上面41b上にエアシリンダー90が固定されており、エアシリンダー90内のピストン(図示せず)の移動に伴って移動するロッド90aに固定された接続部材90bが液晶表示パネルステージ30の本体部31の矢印B方向側の端部に固定されている。なお、エアシリンダー90による付勢力は、エアシリンダー70による駆動力よりも小さい。また、図10に示すように、液晶表示パネルステージ30の本体部31の上面31bには、上方に突出する当接部31cが設けられているとともに、偏光板ステージ40の本体部41の下面41aには、下方に突出する当接部41cが設けられている。液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向側に付勢された偏光板ステージ40は、当接部31cと当接部41cとが当接することにより、液晶表示パネルステージ30に対して所定の位置で留まるように構成されている。
【0055】
偏光板ステージ40の本体部41の上面41b上には、偏光板200を保持する偏光板保持部42が設けられている。偏光板保持部42は、所定の間隔を隔てて配置された一対の支持柱42aと、一対の支持柱42aに回動可能に支持される回動軸42bと、回動軸42bに固定された偏光板保持部材42cとを含んでいる。偏光板保持部材42cの先端部には、偏光板200を真空吸着して保持する吸着部42dが設けられている。回動軸42bは、アクチュエーター43によって矢印C方向および矢印D方向に回動することが可能である。回動軸42bが矢印C方向および矢印D方向に回動されることにより、偏光板保持部材42cを偏光板200をセットするセット位置Pおよび貼付を行うための貼付位置Qに位置させることが可能である。セット位置Pにおいて、作業者は偏光板200のセット(偏光板200を吸着部42dに吸着させて保持させる)を行うことが可能である。貼付位置Qにおいて、吸着部42dに吸着された偏光板200が押圧ローラー50により押圧可能な位置に位置するので、貼付動作を行うことが可能である。
【0056】
また、図11および図12に示すように、偏光板ステージ40には、本体部41の下面41aから下方に突出する当接板41dが設けられている。当接板41dは、液晶表示パネルステージ30の本体部31に設けられた開口部31dを介して基台20の上面20aの近傍まで下方に突出している。基台20の上面20aには、当接板41dと貼付方向において対向するように、ストッパー部21が設けられている。ストッパー部21は、貼付動作中に偏光板ステージ40が所定の位置に位置した時点(後述する初期貼付位置T2に押圧ローラー50が位置する時点)で当接板41dと当接することにより、偏光板ステージ40の矢印A方向への移動を停止させるために設けられている。ストッパー部21は、ダンパー機能を有するショックアブソーバー21aとストッパー21bとからなる。ショックアブソーバー21aの先端は、ストッパー21bの先端よりも所定の幅H(図11参照)だけ突出している。これにより、偏光板ステージ40が矢印A方向に移動している際に、先にショックアブソーバー21aが当接板41dと当接することによりストッパー21bと当接板41dとが接触する際の衝撃を緩和するように構成されている。
【0057】
押圧ローラー50は、基台20の上方に配置されており、貼付動作を行わない待機位置Rと、貼付動作を行う貼付位置Sとに上下方向に移動可能に構成されている。具体的には、基台20の矢印A方向側の端部に支持柱51が固定されており、支持柱51に押圧ローラー50の上下方向の移動を行うエアシリンダー52が支持されている。エアシリンダー52内のピストン(図示せず)の移動に伴って移動するロッド52aに、押圧ローラー50を自由回転可能に支持するローラー支持部材53が固定されている。これにより、エアシリンダー52を駆動することによって押圧ローラー50を上下方向に移動させることが可能である。
【0058】
また、図10に示すように、エアシリンダー70、90および52は、それぞれ、貼付制御部10によって駆動される。具体的には、エアシリンダー70、90および52のそれぞれに、所定の圧力を供給する空気源70c、90cおよび52bが貼付制御部10によって駆動される電磁弁70d、90dおよび52cを介して接続されている。貼付制御部10によって電磁弁70d、90dおよび52cの開度が制御されることにより、エアシリンダー70、90および52の空気圧を調節してエアシリンダー70、90および52を駆動している。
【0059】
次に、図3、図4、図6および図10〜図17を参照して、本発明の第3実施形態による貼付装置101の貼付動作を説明する。
【0060】
貼付作業を開始する時点においては、押圧ローラー50は、待機位置R(図10および図12参照)に位置している。また、液晶表示パネルステージ30は、矢印B方向側に位置しており、液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40は、押圧ローラー50から貼付方向に離間した位置に配置されている。この状態で、作業者によって液晶表示パネルステージ30の液晶表示パネル保持部32に液晶表示パネル100が装着されるとともに、偏光板ステージ40の偏光板保持部42に偏光板200が装着される。すなわち、液晶表示パネル保持部32の凹部32bの当接部32cおよび32d(図11参照)に液晶表示パネル100の2辺を当接させて位置決めをした状態で吸着部33により吸着穴33aを介して真空吸引を行う。これにより、液晶表示パネル100が液晶表示パネル保持部32に保持される。また、偏光板保持部42の偏光板保持部材42cをセット位置Pに位置させた状態で、偏光板200を吸着部42dに真空吸着させて保持させる。この時、偏光板200は、偏光板200の先端部が偏光板保持部材42cの先端部よりも所定の長さ(たとえば、約5mm)だけ突出した状態で偏光板保持部42に保持される。
【0061】
次に、図13に示すように、アクチュエーター43が駆動されることにより、偏光板保持部材42cがセット位置Pから貼付位置Qに移動される。これにより、偏光板保持部材42cに保持された偏光板200が液晶表示パネル保持部32に保持された液晶表示パネル100に対向するように配置されるとともに、偏光板保持部材42cに保持された偏光板200の先端部が液晶表示パネル保持部32に保持された液晶表示パネル100の上面に配置される。また、エアシリンダー52が駆動されることにより、押圧ローラー50が待機位置Rから下方に貼付位置Sまで移動される。
【0062】
この状態で貼付動作が開始される。すなわち、貼付制御部10によってエアシリンダー70が駆動されることにより、液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40の矢印A方向への移動が開始される。これにより、押圧ローラー50は、偏光板200の貼付開始側の先端部(矢印A方向側の端部)に近づいていく。
【0063】
液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40がさらに矢印A方向に移動されると、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)(図3参照)が押圧ローラー50の位置まで到達する。この時、押圧ローラー50は、下方に押圧した状態を保ったまま、偏光板200の貼付開始側の先端部の手前側から偏光板200の貼付開始側の先端部に接触する。この時点で、押圧ローラー50が偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧し始める。
【0064】
液晶表示パネルステージ30および偏光板ステージ40がさらに矢印A方向に移動されると、図14および図15に示すように、偏光板ステージ40の当接板41dが基台20に設けられたストッパー部21に当接することにより、偏光板ステージ40の矢印A方向への移動が停止される。この時、偏光板200は、貼付開始側の先端部から所定の幅分(たとえば、約3mm)だけ離れた初期貼付位置T2(図4参照)まで液晶表示パネル100に貼り付けられている。このように、偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)から初期貼付位置T2までの貼付は、液晶表示パネルステージ30と偏光板ステージ40との位置関係を保ちながら行われる。
【0065】
この後、エアシリンダー70によって液晶表示パネルステージ30がさらに矢印A方向に移動されると、図16および図17に示すように、偏光板ステージ40は当接板41dがストッパー部21に当接した位置で停止したまま、液晶表示パネルステージ30のみが矢印A方向に移動される。この時、エアシリンダー90による付勢力がエアシリンダー70による駆動力よりも小さいので、エアシリンダー70による駆動力がエアシリンダー90による付勢力に打ち勝って液晶表示パネルステージ30が移動される。したがって、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点以降は、初期貼付位置T2まで貼付が行われた時点での偏光板200と押圧ローラー50との位置関係が保たれながら、液晶表示パネルステージ30のみが矢印A方向に移動されて貼付が行われる。
【0066】
この後、押圧ローラー50が偏光板200の貼付開始側と反対側の端部(貼付終了位置T3)(図6参照)まで到達すると、偏光板200の全面が液晶表示パネル100に貼付される。押圧ローラー50が貼付終了位置T3を超える位置に位置した状態(図16および図17参照)で、貼付動作が終了する。
【0067】
第3実施形態では、上記のように、押圧ローラー50を上下方向に移動可能に構成することによって、貼付動作を行わない時は押圧ローラー50を上方に移動させて作業者の作業スペースを広くすることができる。
【0068】
また、第3実施形態では、上記のように、エアシリンダー90によって偏光板ステージ40を液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向に付勢することによって、簡易な構成によって偏光板ステージ40を液晶表示パネルステージ30に対して矢印A方向に付勢することができる。
【0069】
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0071】
たとえば、上記第3実施形態では、液晶表示パネルステージ30を移動させるためのアクチュエーターとしてエアシリンダー90を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、モータなどの他のアクチュエーターを用いてもよい。
【0072】
また、上記第1〜第3実施形態では、液晶表示パネル100に偏光板200を貼付する例について説明したが、本発明はこれに限らず、液晶表示パネル100に本発明の「シート部材」の一例としての位相差板を貼付してもよい。また、本発明の「表示パネル」の一例としての有機ELパネルに「シート部材」を貼付してもよい。
【0073】
また、上記第3実施形態では、エアシリンダー90によって偏光板ステージ40を液晶表示パネルステージ30に対して付勢した例を示したが、本発明はこれに限らず、バネ部材を用いて付勢してもよい。
【0074】
また、上記第3実施形態では、貼付動作の開始時点から押圧ローラー50を貼付位置Sに位置させた例を示したが、本発明はこれに限らず、押圧ローラー50を貼付位置Sに位置させるのは偏光板200の貼付開始側の先端部(貼付開始位置T1)の手前側であればどの位置でもよい。
【0075】
また、上記第1〜第3実施形態では、液晶表示パネル100の上方に偏光板200を配置した状態で、偏光板200の上方から押圧ローラーによって偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧して貼付を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、液晶表示パネル100の下方に偏光板200を配置した状態で、押圧ローラーによって下方から偏光板200を液晶表示パネル100に対して押圧してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 貼付装置 1a 貼付装置 2a ストッパー部 3 液晶表示パネルステージ(表示パネル保持部) 3d 貼付制御部 3e アクチュエーター 4 偏光板ステージ(シート保持部) 5 押圧ローラー 10 貼付制御部 13d 貼付制御部 21 ストッパー部 21a ショックアブソーバー(ダンパー機能) 30 液晶表示パネルステージ(表示パネル保持部) 40 偏光板ステージ(シート保持部) 50 押圧ローラー 70 エアシリンダー(アクチュエーター) 100 液晶表示パネル(表示パネル) 101 貼付装置 200 偏光板(シート部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルを保持する表示パネル保持部と、
前記表示パネル保持部に保持された前記表示パネルに対向するように配置可能であり、シート部材を保持するシート保持部と、
前記表示パネル保持部に保持された前記表示パネルに対して前記シート部材を押圧する押圧ローラーと、
前記表示パネル保持部および前記シート保持部と、前記押圧ローラーとの少なくとも一方を、前記押圧ローラーが前記シート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置から前記シート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部の手前側から前記シート部材の貼付開始側の先端部に前記押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように制御する貼付制御部とを備える、貼付装置。
【請求項2】
前記貼付制御部は、前記シート部材の貼付開始側の先端部が前記押圧ローラーにより押圧された状態から、前記表示パネル保持部と前記シート保持部との位置関係を保ちながら、前記表示パネル保持部および前記シート保持部と、前記押圧ローラーとの少なくとも一方を、相対的に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部から所定の長さ分貼付される第1貼付位置まで前記押圧ローラーによる押圧を行うように構成されている、請求項1に記載の貼付装置。
【請求項3】
前記シート部材は、少なくとも前記先端部から前記第1貼付位置までの部分が前記シート保持部から突出した状態で配置されており、
前記貼付制御部により、前記シート保持部から突出された前記シート部材の部分と前記押圧ローラーとを互いに近づく方向に相対的に移動させることによって、前記シート部材の先端部から前記第1貼付位置までの貼付が行われるように構成されている、請求項2に記載の貼付装置。
【請求項4】
前記貼付制御部は、前記シート部材が貼付開始側の先端部から前記第1貼付位置まで貼り付けられた後、前記押圧ローラーに対する前記シート保持部の位置を固定した状態で、前記押圧ローラーと、前記表示パネル保持部との少なくとも一方を相対的に移動させることによって、前記第1貼付位置から後端部からなる第2貼付位置まで前記押圧ローラーによって押圧を行うように構成されている、請求項2または3に記載の貼付装置。
【請求項5】
前記表示パネル保持部および前記シート保持部は、前記押圧ローラーに近づく方向に移動可能に構成されており、
前記貼付制御部は、前記表示パネル保持部および前記シート保持部を前記押圧ローラーに近づく第1方向に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部の手前側から前記シート部材の貼付開始側の先端部に前記押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように構成されている、請求項4に記載の貼付装置。
【請求項6】
前記貼付制御部により駆動制御され、前記第1方向に移動させるアクチュエーターをさらに備え、
前記シート保持部は、前記表示パネル保持部に支持されている、請求項5に記載の貼付装置。
【請求項7】
前記シート保持部は、前記表示パネル保持部に対して移動可能で、かつ、前記表示パネル保持部に対して付勢可能な状態で、前記表示パネル保持部に支持されている、請求項6に記載の貼付装置。
【請求項8】
前記貼付制御部により前記アクチュエーターを用いて前記シート保持部および前記表示パネル保持部を前記押圧ローラーに近づく方向に移動させる際に、前記押圧ローラーが前記第1貼付位置に位置した時点で前記シート保持部と当接して前記シート保持部の前記押圧ローラーに対する移動を停止させるストッパー部をさらに備え、
前記貼付制御部は、前記シート保持部が前記ストッパー部に当接して移動が停止された後、前記アクチュエーターを用いて前記表示パネル保持部を、さらに前記第1方向に移動させるように構成されている、請求項6または7に記載の貼付装置。
【請求項9】
前記貼付制御部は、前記シート保持部が前記ストッパー部に当接して移動が停止されて前記押圧ローラーに対する前記シート保持部の位置が固定された状態で、前記表示パネル保持部を、さらに前記第1方向に移動させるように構成されている、請求項8に記載の貼付装置。
【請求項10】
前記ストッパー部は、ダンパー機能を有する、請求項8または9に記載の貼付装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、
前記シート部材は、偏光板である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の貼付装置。
【請求項12】
互いに対向するように配置された表示パネルおよびシート部材を、押圧ローラーに対して離間した位置に配置するステップと、
前記表示パネルおよび前記シート部材と、前記押圧ローラーとの少なくとも一方を、前記押圧ローラーが前記シート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置から前記シート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部の手前側から前記シート部材の貼付開始側の先端部に前記押圧ローラーを接触させて押圧を開始するステップとを備えた、電気光学装置の製造方法。
【請求項1】
表示パネルを保持する表示パネル保持部と、
前記表示パネル保持部に保持された前記表示パネルに対向するように配置可能であり、シート部材を保持するシート保持部と、
前記表示パネル保持部に保持された前記表示パネルに対して前記シート部材を押圧する押圧ローラーと、
前記表示パネル保持部および前記シート保持部と、前記押圧ローラーとの少なくとも一方を、前記押圧ローラーが前記シート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置から前記シート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部の手前側から前記シート部材の貼付開始側の先端部に前記押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように制御する貼付制御部とを備える、貼付装置。
【請求項2】
前記貼付制御部は、前記シート部材の貼付開始側の先端部が前記押圧ローラーにより押圧された状態から、前記表示パネル保持部と前記シート保持部との位置関係を保ちながら、前記表示パネル保持部および前記シート保持部と、前記押圧ローラーとの少なくとも一方を、相対的に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部から所定の長さ分貼付される第1貼付位置まで前記押圧ローラーによる押圧を行うように構成されている、請求項1に記載の貼付装置。
【請求項3】
前記シート部材は、少なくとも前記先端部から前記第1貼付位置までの部分が前記シート保持部から突出した状態で配置されており、
前記貼付制御部により、前記シート保持部から突出された前記シート部材の部分と前記押圧ローラーとを互いに近づく方向に相対的に移動させることによって、前記シート部材の先端部から前記第1貼付位置までの貼付が行われるように構成されている、請求項2に記載の貼付装置。
【請求項4】
前記貼付制御部は、前記シート部材が貼付開始側の先端部から前記第1貼付位置まで貼り付けられた後、前記押圧ローラーに対する前記シート保持部の位置を固定した状態で、前記押圧ローラーと、前記表示パネル保持部との少なくとも一方を相対的に移動させることによって、前記第1貼付位置から後端部からなる第2貼付位置まで前記押圧ローラーによって押圧を行うように構成されている、請求項2または3に記載の貼付装置。
【請求項5】
前記表示パネル保持部および前記シート保持部は、前記押圧ローラーに近づく方向に移動可能に構成されており、
前記貼付制御部は、前記表示パネル保持部および前記シート保持部を前記押圧ローラーに近づく第1方向に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部の手前側から前記シート部材の貼付開始側の先端部に前記押圧ローラーを接触させて押圧を開始するように構成されている、請求項4に記載の貼付装置。
【請求項6】
前記貼付制御部により駆動制御され、前記第1方向に移動させるアクチュエーターをさらに備え、
前記シート保持部は、前記表示パネル保持部に支持されている、請求項5に記載の貼付装置。
【請求項7】
前記シート保持部は、前記表示パネル保持部に対して移動可能で、かつ、前記表示パネル保持部に対して付勢可能な状態で、前記表示パネル保持部に支持されている、請求項6に記載の貼付装置。
【請求項8】
前記貼付制御部により前記アクチュエーターを用いて前記シート保持部および前記表示パネル保持部を前記押圧ローラーに近づく方向に移動させる際に、前記押圧ローラーが前記第1貼付位置に位置した時点で前記シート保持部と当接して前記シート保持部の前記押圧ローラーに対する移動を停止させるストッパー部をさらに備え、
前記貼付制御部は、前記シート保持部が前記ストッパー部に当接して移動が停止された後、前記アクチュエーターを用いて前記表示パネル保持部を、さらに前記第1方向に移動させるように構成されている、請求項6または7に記載の貼付装置。
【請求項9】
前記貼付制御部は、前記シート保持部が前記ストッパー部に当接して移動が停止されて前記押圧ローラーに対する前記シート保持部の位置が固定された状態で、前記表示パネル保持部を、さらに前記第1方向に移動させるように構成されている、請求項8に記載の貼付装置。
【請求項10】
前記ストッパー部は、ダンパー機能を有する、請求項8または9に記載の貼付装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、
前記シート部材は、偏光板である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の貼付装置。
【請求項12】
互いに対向するように配置された表示パネルおよびシート部材を、押圧ローラーに対して離間した位置に配置するステップと、
前記表示パネルおよび前記シート部材と、前記押圧ローラーとの少なくとも一方を、前記押圧ローラーが前記シート部材の貼付開始側の先端部から離間した位置から前記シート部材の貼付開始側の先端部に近づく方向に相対的に移動させることによって、前記シート部材の貼付開始側の先端部の手前側から前記シート部材の貼付開始側の先端部に前記押圧ローラーを接触させて押圧を開始するステップとを備えた、電気光学装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−197434(P2010−197434A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38924(P2009−38924)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
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