説明

赤外線マーキングと他の情報とを隠すための二元的色合わせフィードバック制御方法およびシステム

【課題】赤外線マーキングを隠すための改良された二元的色合わせフィードバック制御システムおよび方法を提供する。
【解決手段】2つ以上の色の混合を測定するインライン分光光度計センサと、2つの混合を調節して互いの色の見え方を一致させる色合わせフィードバック制御ユニットを含み、カスタマイズされる色は、より暗い色のより小さい全範囲から選択でき、2つの色の混合の間の黒色トナー(kトナー)の十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供できる。最初の一致は、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより提供され、その後、隠された記号を描画する前に、2つの色を描画して、よりよく一致するように2つの色を調節する。これは、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節すればよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般に、隠された記号およびそれの応用に関する。また、実施形態は、赤外線バーコードに関する。さらに、実施形態は、インライン分光光度計およびそれのセンサに関する。また、実施形態は、二元的色合わせおよびフィードバック制御応用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、情報を含むバーコード、文字列、セキュリティ記号、および情報に富む他のシンボルなどの隠された記号を、ユーザ(例えば、顧客など)が選択した図式設計に好意を示したり、または調和したりするカスタマイズされた色とともに、特定の図式設計に組み込むことができる。例えば、バーコードは、印刷形式のデータを埋め込んで、多くの応用において自動同定と追跡機能とを提供するために利用できる。カラーバーコードは、多値記録を用いて白黒バーコードよりも多くの情報を記録できる。例えば、写真集印刷のような生産印刷応用は、裏表紙の右下隅にバーコードを通常隠している。
【0003】
赤外線マーキングを隠すために2つの色を一致させる従来の方法は、限定された数の認定された適合色のパレットから選択するようにユーザを制限することを含んでいる。さらに、黒色トナー(kトナー)の十分大きな差異を保つことが、隠された記号を識別するのに十分なコントラストを保証する。より黒いトナーを有する着色剤は赤外線をより多く吸収し、より暗く見えるため、コントラストは赤外線照明の下で(例えば、赤外線バーコードリーダを用いて)検出できる。
【0004】
残念ながら、異なる量の黒色トナーは、標準的な観察条件下で目立つ可能性がある色差を生じることがある。さらに、記号を隠すこと、すなわち隠された記号を観察者が視覚化できる程度は、2つの色を一致させることに強く依存している。演色装置がドリフトしたり、または演色装置が色合わせの一貫性を提供しなかったりする場合、記号を視覚化することがより容易になる。
【0005】
上記に基づいて、赤外線マーキングを隠すための改良された二元的色合わせフィードバック制御システムおよび方法に対する必要性が存在していると考えられる。また、本明細書において後で詳細に説明するように、色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供することに対する必要性が存在している。
【発明の概要】
【0006】
したがって、開示する実施形態の一態様は、改良された目には見えない赤外線マーキングシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
開示する実施形態の他の態様は、赤外線マーキングを隠すための改良された二元的色合わせフィードバック制御システムおよび方法を提供することである。
【0008】
開示する実施形態のさらなる態様は、色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供するための改良されたシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
上述の態様、ならびに他の目的および利点は、本明細書で説明するように達成できる。顧客が選択できるさまざまな色の赤外線マーキング(例えば、可変情報を含むバーコード、隠し文字列、セキュリティ記号、情報に富む他のシンボルなど)を隠すための二元的色合わせフィードバック制御方法、システム、およびプロセッサ読み込み可能媒体を本明細書に開示する。システムは、2つ以上の色の混合を測定するインライン分光光度計センサと、2つ(または3つ以上)の混合を調節して互いの色の見え方を一致させる色合わせフィードバック制御ユニットと、を含むように構成できる。カスタマイズされる色は、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択でき、2つの色の混合の間の黒色トナー(kトナー)の十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供できる。最初の一致は、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより提供できる。その後、隠された記号を描画する前に、2つの色を描画して、よりよく一致するように2つの色を調節できる。このような方法は、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節する。
【0010】
また、本明細書に記載の二元的色合わせ制御法は、色の限定されたパレットに対してさえ、隠すことの改良を提供する。マッチング制御ユニットは、色をすっかり様変わりさせる演色装置、トナーバッチ、色ずれ、および他の雑音源の全体にわたって差異を補正できる。また、隠された記号を効果的に組み込むことができる色の集合を増加させることができる。このようなフィードバック法は、十分な性能を保持するとともに、色の一致の一貫性および安定性を定期的に提供し、それによって、隠された記号の不可視性を向上させて保持する。
【0011】
多くの好ましい、および代替の実施形態を開示する。例えば、一実施形態では、二元的色合わせフィードバック制御方法は、少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるステップまたは動作と、カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供するステップまたは動作と、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように少なくとも2つの色を調節するステップまたは動作と、を含むことができる。
【0012】
他の実施形態では、色合わせ制御ユニットを通じて少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるステップまたは動作を実現できる。さらに他の実施形態では、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節するステップまたは動作を実現できる。さらに他の実施形態では、顧客が選択できるさまざまな色の記号を隠すステップまたは動作を実現できる。さらに他の実施形態では、色の限定されたパレットに対して、隠すことを提供する動作またはステップを実現できる。さらに他の実施形態では、少なくとも2色をすっかり様変わりさせるように、演色装置、トナーバッチ、色ずれ、および雑音源のうちの少なくとも1つに対して、色合わせ制御ユニットを通じて差異を補正する動作またはステップを実現できる。他の実施形態では、少なくとも2色の一致の一貫性および安定性を提供し、隠された記号の不可視性を向上させて保持するステップまたは動作を実現できる。他の実施形態では、隠された記号は、バーコード、文字列、セキュリティ記号などであってもよい。
【0013】
さらに他の実施形態では、二元的色合わせフィードバック制御用のシステムを実現できる。このようなシステムは、例えば、プロセッサと、プロセッサに接続されたデータバスと、を含んでいてもよい。また、このようなシステムは、コンピュータコードを具体化するコンピュータ使用可能媒体を含むことができ、コンピュータ使用可能媒体はデータバスに接続されており、コンピュータ・プログラム・コードはプロセッサにより実行可能な命令を含むとともに、少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させ、カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供し、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように少なくとも2つの色を調節するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、このような命令は、色合わせ制御ユニットを通じて少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるようにさらに構成できる。他の実施形態では、命令は、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節するように構成できる。さらに他の実施形態では、このような命令は、顧客が選択できるさまざまな色の記号を隠すようにさらに構成できる。さらに他の実施形態では、このような命令は、少なくとも2色をすっかり様変わりさせるように、演色装置、トナーバッチ、色ずれ、および雑音源のうちの少なくとも1つに対して、色合わせ制御ユニットを通じて差異を補正するようにさらに構成できる。さらに他の実施形態では、このような命令は、少なくとも2色の一致の一貫性および安定性を定期的に提供し、隠された記号の不可視性を向上させて保持するようにさらに構成できる。上述のように、隠された記号は、バーコード、文字列、セキュリティ記号などである可能性がある。
【0015】
さらに他の実施形態では、プロセッサにプロセスを実行させる命令を表すコードを保存するプロセッサ読み込み可能媒体を実現できる。このようなコードは、例えば、少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させ、カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供し、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように少なくとも2つの色を調節するためのコードを含んでいてもよい。コードは、他の実施形態では、色合わせ制御ユニットを通じて少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるようにさらに構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、開示する実施形態の、ネットワークを介してデータ処理装置に接続されたレンダリング装置の実施例を示す図である。
【図2】図2は、開示する実施形態の、二元的色合わせ制御システムのブロック図を示す図である。
【図3】図3は、開示する実施形態の、顧客が選択できるさまざまな色の赤外線マーキングを隠すための方法の論理演算ステップを説明する動作の高レベル流れ図である。
【図4】図4は、開示する実施形態の、うまく隠すことと、赤外線バーコード読み込みのための十分なコントラストと、を提供するために2つの色の混合内の黒色トナーの十分な差異を有する18色対の代表的パレット例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、システム100が、ネットワーク135を介してデータ処理装置110と通信するレンダリング装置140を含んでいる。いくつかの実施形態では、レンダリング装置140は、例えば、プリンタ、スキャナ、コピー機、ワークステーション、移動式ディスプレイ、それらの組み合わせのようなレンダリング装置であってもよい。他の実施形態では、レンダリング装置140はMFDであってもよい。データ処理装置110は、例えば、パーソナルコンピュータまたは他のコンピュータデバイスであってもよく、一般に、中央処理装置120と、表示装置115と、キーボード131と、位置決め装置130(例えば、マウス、トラックボール、ペンデバイス、接触、触知性の、触覚に基づく、またはその種の他のもの)と、を含んでいる。要望があれば、データ処理装置110と関連してレンダリング装置140などの追加の入出力装置を含んでいてもよい。
【0018】
本明細書で使用するように、用語レンダリング装置は、プリンタ、スキャナ、ファクス送受信機、コピー機など、および/またはそれらの組み合わせ(例えば、MFDなど)のような装置またはシステムを指してもよいことに留意されたい。レンダリング装置140は、印刷、コピー、スキャン、ファックスなどの複数のレンダリング機能を実行できることが好ましい。いくつかの実施形態では、印刷などの単一レンダリング機能を有するレンダリング装置140を実現してもよい。他の実施形態では、レンダリング装置140は、スキャン、ファックス、印刷、およびコピーなどの複数のレンダリング機能を提供するように構成できる。図2に関して本明細書に示すレンダリング装置142および144が、全体としてレンダリング装置140に類似しているか、または同類であることに留意されたい。
【0019】
例えば、図1に示すデータ処理装置110は、印刷所環境の状況でコンピュータネットワーク135を介してレンダリング装置140(および他のレンダリング装置)に接続できる。ネットワーク135は、任意のネットワークトポロジー、伝送媒体、またはネットワークプロトコルを使用してもよい。ネットワーク135は、ワイヤ、無線通信リンク、または光ファイバケーブルのような接続を含んでいてもよい。図示の実施例では、ネットワーク135は、互いに通信するためのプロトコルの伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)パッケージソフトを使用する、ネットワークとゲートウェイとの世界的集合を表すインターネットである。インターネットの中心は、データおよびメッセージの道順を決める何千もの商用の、政府の、教育用の、および他のコンピュータシステムで構成された多重ノードまたはホストコンピュータの間の高速データ通信回線のバックボーンである。
【0020】
レンダリング装置140は、パネルメニューのようなユーザインタフェース145の使用を含むことができる。レンダリング装置140において機能を選択して、他のデータに入力するのにパネルメニューを使用してもよい。このようなインタフェースは、オプションメニューまたはその種の他のものを検索するための、例えば、接触作動式キーを有するタッチスクリーンを含んでいてもよい。例えば、ドライバプログラムが、データ処理装置110上にインストールでき、ホスト装置のハードドライブ150上に常駐できる。レンダリング装置140により処理するためのドライバを用いてユーザが印刷ジョブを生成してもよいように、アプリケーションインタフェースを通してドライバプログラムを作動させてもよい。
【0021】
データ処理装置110は、ユーザがデータ処理装置110と情報をやりとりするとともに、ネットワーク135および、例えば、図1に示すレンダリング装置140などのネットワーク接続された装置とも同様に情報をやりとりすることを可能にするGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)125を含むことができる。ユーザインタフェース125は、装置表示部を通して、および/またはキーボード/マウスの組み合わせを通じて、一般に情報を表示してデータを受信する。また、インタフェース125は、ユーザが追加入力を提供してもよい結果を表示したり、または所与のセッションを終了させたりする働きをする。データ処理装置110は、例えば、ネットワークの中に組み込むことができるPDA、パーソナルコンピュータ、携帯電話、POS端末装置、サーバなどの任意のコンピュータデバイスである可能性がある。
【0022】
上述のように、レンダリング装置140の入力装置は、例えば、タッチ・スクリーン・ディスプレイまたは分離したキーパッドおよびディスプレイ、もしくはメモリフォブもしくはその種の他のもののようなローカル・ユーザ・インタフェース145であってもよい。あるいは、または加えて、入力装置は携帯機器からの制約データを含む無線信号を受信する無線ポートであってもよい。無線信号は、赤外線信号または電磁信号であってもよい。システム管理者は、タッチスクリーン、キーパッドを操作することにより、または無線ポートを介して無線メッセージで通信することにより、ローカル・ユーザ・インタフェース145を通じて制約データを入力してもよい。無線を使って通信する管理者の携帯機器は、上述のように、携帯情報端末(PDA)またはその種の他のものであってもよい。
【0023】
下記の説明は、図2に示す顧客装置210とレンダリング装置140との関連で具体化できる本発明の実施形態に関して提示される。しかしながら、本発明は、任意の特定用途または任意の特定環境には限定されない。それどころか、データベース管理システム、ワードプロセッサ、およびその種の他のものを含むさまざまなシステムおよびアプリケーションソフトウェアに、本発明のシステムおよび方法を適用することが有利である可能性があることに当業者は気付くであろう。さらに、本発明は、マッキントッシュ、UNIX(登録商標)、リナックス(登録商標)、およびその種の他のものを含むさまざまな異なるプラットフォーム上で具体化してもよい。したがって、次に来る例示的実施形態の説明は、例を示すためであり、限定とは見なされない。
【0024】
書き込みできない記憶媒体(例えば、CD−ROMなど)と、書き込み可能記憶媒体(例えば、ハード・ディスク・ドライブ、読み取り書き込みCD−ROM、光媒体など)と、これに限らないがランダム・アクセス・メモリ(RAM)などのシステムメモリと、例えば、イーサネット(登録商標)、インターネット、無線ネットワーク、他のネットワーク接続されたシステムなどを含むコンピュータネットワークおよび電話ネットワークなどの通信媒体と、を制限なく含むさまざまな信号保持媒体を通じて、データ記憶システムまたはコンピュータシステムに、開示する実施形態に関して機能を規定するプログラムを配信してもよいことに留意されたい。
【0025】
図2は、開示する実施形態の、二元的色合わせフィードバック制御システム200のブロック図を示している。図1〜図4では、同一のまたは類似のブロックを、一般に、同じ参照番号で示していることに留意されたい。二元的色合わせフィードバック制御システム200は、ネットワーク接続されたレンダリング装置140とサーバ215とに関連するネットワークインフラ135を一般的に含んでいる。図1に示すデータ処理システム110は、例えば、サーバである可能性がある。また、ネットワーク135内には、サービスプロバイダとして、例えば、デスクトップ、ネットワーク装置、小型電卓、携帯電話などの他のデバイスを含んでいてもよい。
【0026】
サーバ215と関連して構成された二元的色合わせフィードバック制御モジュール220は、顧客が選択できるさまざまな色の赤外線マーキングを隠すのに適している可能性がある。本明細書で使用するように、用語「モジュール」は、物理的ハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアモジュールを指してもよいことに留意されたい。コンピュータプログラミング技術では、このようなソフトウェア「モジュール」を、特定のタスクを実行したり、または特定の抽象データ型を実現したりするルーチンとデータ構造との集合として実現してもよい。この種類のモジュールは、一般に2つの部分から構成されている。第1に、ソフトウェアモジュールは、他のモジュールまたはルーチンがアクセスできる定数、データ型、変数、ルーチンなどを記載してもよい。第2に、ソフトウェアモジュールは、非公開である(すなわち、モジュールだけがアクセスできる)可能性があり、モジュールがそれに基づいているルーチンまたはサブルーチンを実際に実現するソースコードを含むインプリメンテーションとして構成されてもよい。
【0027】
したがって、本明細書で「モジュール」に言及する場合、発明者はこのようなソフトウェアモジュールまたはそれのインプリメンテーションを一般に指している。本明細書に記載の方法は、ひと続きのこのようなモジュールとして、または単一のソフトウェアモジュールとして実現できる。このようなモジュールは、伝送媒体と書き込み可能媒体とを含む信号保持媒体を通じて実現できるプログラム製品を形成するために別々にまたは一緒に利用できる。本発明は、さまざまな形のプログラム製品として配布でき、このことは、配布を行うのに利用する特定の種類の信号保持媒体にかかわらず等しく当てはまる。
【0028】
信号保持媒体の例としては、例えば、フロッピィディスク、ハード・ディスク・ドライブ、CDーROM、CD−Rなどの書き込み可能型媒体と、デジタルおよび/またはアナログ通信回線のような伝送媒体と、を含むことができる。また、伝送媒体の例としては、標準的な電話回線および/またはより高度なデジタル通信回線を介して情報を送信できるモデムのような装置を含むことができる。
【0029】
システム200は、2つ以上の色の混合を測定するためにレンダリング装置140(または図2には示されていない他の装置)と通信できるインライン分光光度計センサ240を含んでいる。分光光度計は光源波長の関数として強度を測定できる光度計(光強度を測定するための装置)であることに留意されたい。分光光度計の特性は、吸収率または反射率測定のスペクトルバンド幅および線形範囲である。分光光度計は、材料を特定する分光分析で通常利用される電磁スペクトルの特定部位の光特性を測定するために一般的に使用できる。用語分光光度計は、ガンマ線およびエックス線から遠赤外までの非常に広範囲の波長にわたって作動する機器に当てはめることができる。
【0030】
インライン分光光度計センサ240を実現するのに利用できる分光光度計の一例は、2010年4月15日にHerloski他に発行され、米国コネチカット州ノーウォークのゼロックス社に譲渡された「インライン線形可変フィルタに基づく分光光度計」と題する米国特許出願公開番号第20100092083号に開示されている。米国特許出願公開番号第20100092083号は、引用することにより全体として本明細書の一部となっている。インライン分光光度計センサ240を実現するのに利用できる分光光度計の他の例は、2011年4月12日にHosier他に発行され、米国コネチカット州ノーウォークのゼロックス社に譲渡された「線形可変フィルタに基づく分光光度計と組み合わせたインライン画像センサ」と題する米国特許出願公開番号第20110089316号に開示されている。米国特許出願公開番号第20110089316号は、引用することにより全体として本明細書の一部となっている。
【0031】
二元的色合わせフィードバック制御システム200は、よりうまく隠すことと、赤外線検出における十分なコントラストとを提供するために、隠された記号の2つの色の混合の一致を制御する。一般に、隠された記号は目では見つけることができず、物体および文書を特定して信頼性を決定するために使用できる。また、隠された記号は、文書および物体の出所、用途、原作者、履歴、正当な適用、知的財産所有権、派生物、および信頼性に関する隠された情報を伝える働きをしてもよい。
【0032】
二元的色合わせフィードバック制御モジュール200と関連して構成された色合わせフィードバック制御ユニット230が、2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させる。カスタマイズされる色は、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択でき、2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供できる。最初の一致は、データベース185内に保存された、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより提供できる。その後、隠された記号を描画する前に、レンダリング装置140が2つの色を描画して、最良の一致に集中するように2つの色を調節できる。このような方法は、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節する。
【0033】
隠された記号は、設計留意点に応じて、例えば、可変情報を含むバーコード、隠し文字列、セキュリティ記号、または情報に富む他のシンボルなどである可能性があることに留意されたい。バーコードの議論は、あくまで一般的な例を示すために本明細書に提示したに過ぎず、他の実施形態に基づいて他の種類の隠された記号を実現できることが分かる。
【0034】
図3は、開示する実施形態の、顧客が選択できるさまざまな色の赤外線マーキング(例えば、隠し文字列、セキュリティ記号、バーコードなど)を隠すための方法300の論理演算ステップを説明する動作の高レベル流れ図を示している。ブロック310に示すように、上述の2つ(または3つ以上)の色の混合は、例えば、図2に示すインライン分光光度計センサ240を利用して測定できる。ブロック320に示すように、色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させることができる。その後、ブロック330に示すように、カスタマイズされる色は、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択できる。ブロック340に示すように、2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供できる。ブロック350に示すように、最初の一致は、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより提供できる。その後、ブロック360に示すように、隠された記号を描画する前に、2つの色を描画して、最良の一致に集中するように2つの色を調節できる。ブロック370に示すように、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節できる。
【0035】
図4は、開示する実施形態の、うまく隠すことと、赤外線バーコード読み込みのための十分なコントラストと、を提供するために2つの色の混合内の黒色トナーの十分な差異を有する18色対の代表的パレット例500を示している。パレット例500は、カラー走査像410と、赤外線走査像420とを表している。また、二元的色合わせ制御システム100は、色の限定されたパレットに対してさえ、隠すことの改良を提供する。マッチング制御ユニット230は、色をすっかり様変わりさせる演色装置140、トナーバッチ、色ずれ、および他の雑音源の全体にわたって差異を補正できる。また、隠されたバーコードを効果的に組み込むことができる色の集合を増加させることができる。このようなフィードバック法は、十分な性能を保持するとともに、色の一致の一貫性および安定性を定期的に提供し、それによって、隠されたバーコードの不可視性を向上させて保持する。
【0036】
上記に基づいて、多くの好ましい、および代替の実施形態を実現できることが分かる。例えば、一実施形態では、二元的色合わせフィードバック制御方法は、少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるステップまたは動作と、カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供するステップまたは動作と、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように少なくとも2つの色を調節するステップまたは動作と、を含むことができる。
【0037】
他の実施形態では、色合わせ制御ユニットを通じて少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるステップまたは動作を実現できる。さらに他の実施形態では、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節するステップまたは動作を実現できる。さらに他の実施形態では、顧客が選択できるさまざまな色の記号を隠すステップまたは動作を実現できる。さらに他の実施形態では、色の限定されたパレットに対して、隠すことを提供する動作またはステップを実現できる。さらに他の実施形態では、少なくとも2色をすっかり様変わりさせるように、演色装置、トナーバッチ、色ずれ、および雑音源のうちの少なくとも1つに対して、色合わせ制御ユニットを通じて差異を補正する動作またはステップを実現できる。他の実施形態では、少なくとも2色の一致の一貫性および安定性を提供し、隠された記号の不可視性を向上させて保持するステップまたは動作を実現できる。他の実施形態では、隠された記号は、バーコード、文字列、セキュリティ記号などであってもよい。
【0038】
さらに他の実施形態では、二元的色合わせフィードバック制御用のシステムを実現できる。このようなシステムは、例えば、プロセッサと、プロセッサに接続されたデータバスと、を含んでいてもよい。また、このようなシステムは、コンピュータコードを具体化するコンピュータ使用可能媒体を含むことができ、コンピュータ使用可能媒体はデータバスに接続されており、コンピュータ・プログラム・コードはプロセッサにより実行可能な命令を含むとともに、少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させ、カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供し、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように少なくとも2つの色を調節するように構成されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、このような命令は、色合わせ制御ユニットを通じて少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるようにさらに構成できる。他の実施形態では、命令は、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節するように構成できる。さらに他の実施形態では、このような命令は、顧客が選択できるさまざまな色の記号を隠すようにさらに構成できる。さらに他の実施形態では、このような命令は、少なくとも2色をすっかり様変わりさせるように、演色装置、トナーバッチ、色ずれ、および雑音源のうちの少なくとも1つに対して、色合わせ制御ユニットを通じて差異を補正するようにさらに構成できる。さらに他の実施形態では、このような命令は、少なくとも2色の一致の一貫性および安定性を定期的に提供し、隠された記号の不可視性を向上させて保持するようにさらに構成できる。上述のように、隠された記号は、バーコード、文字列、セキュリティ記号などである可能性がある。
【0040】
さらに他の実施形態では、プロセッサにプロセスを実行させる命令を表すコードを保存するプロセッサ読み込み可能媒体を実現できる。このようなコードは、例えば、少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させ、カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供し、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように少なくとも2つの色を調節するためのコードを含んでいてもよい。コードは、他の実施形態では、色合わせ制御ユニットを通じて少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させるようにさらに構成できる。
【0041】
一般に、顧客が選択できるさまざまな色の赤外線マーキングを隠すための二元的色合わせフィードバック制御方法、システム、および/またはプロセッサ読み込み可能媒体を開示する。開示する方法は、少なくとも2つの色の混合を測定するためにインライン分光光度計センサを含み、色合わせフィードバック制御ユニットは、2つの混合を調節して互いの色の見え方を一致させる。カスタマイズされる色は、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択でき、2つの色の混合の間の黒色トナー(kトナー)の十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供できる。最初の一致は、予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより提供できる。その後、隠された記号を描画する前に、2つの色を描画して、よりよく一致するように2つの色を調節できる。このような方法は、隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、隠された記号の存在が標準的な条件下で観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、前記少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させることと、
カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、前記少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供することと、
予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、前記少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように前記少なくとも2つの色を調節することと、を含む、
二元的色合わせフィードバック制御方法。
【請求項2】
色合わせ制御ユニットを通じて前記少なくとも2つの色の混合を調節して互いの前記色の見え方を一致させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、前記隠された記号の存在が標準的な条件下で前記観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記顧客が選択できるさまざまな色の前記記号を隠すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
色の限定されたパレットに対して、前記隠すことを提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたデータバスと、
コンピュータコードを具体化するコンピュータ使用可能媒体であって、前記コンピュータ使用可能媒体は前記データバスに接続されており、前記コンピュータ・プログラム・コードは前記プロセッサにより実行可能な命令を含み、
少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、前記少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させることと、
カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、前記少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供することと、
予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、前記少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように前記少なくとも2つの色を調節することと、のために構成されている、コンピュータ使用可能媒体と、を含む、
二元的色合わせフィードバック制御システム。
【請求項7】
前記命令が、色合わせ制御ユニットを通じて前記少なくとも2つの色の混合を調節して互いの前記色の見え方を一致させるようにさらに構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記命令が、前記隠された記号の着色剤と周囲の着色剤の間の色差を最小限に抑えて、前記隠された記号の存在が標準的な条件下で前記観察者に見つかりにくいように他のトナー量を調節するようにさらに構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記顧客が選択できるさまざまな色の前記記号を隠すように前記命令をさらに構成する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
プロセッサにプロセスを実行させる命令を表すコードを保存するプロセッサ読み込み可能媒体であって、前記コードは、
少なくとも2つの色の混合を、インライン分光光度計センサを利用して測定して、その後、前記少なくとも2つの色の混合を調節して互いの色の見え方を一致させ、
カスタマイズされる色を、より暗い色のより小さい全範囲から顧客が選択して、前記少なくとも2つの色の混合の間の黒色トナーの十分な差異を保持して、赤外線検出のために十分なコントラストを提供し、
予測される色の混合と似ている色モデルを組み込むことにより最初の一致を提供して、その後、隠された記号を描画する前に、前記少なくとも2つの色を描画して、よりよく一致するように前記少なくとも2つの色を調節するためのコードを含む、
プロセッサ読み込み可能媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−4084(P2013−4084A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115118(P2012−115118)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】