説明

赤外線レンズ焦点調節装置を有する熱画像形成カメラ

【課題】高い機能性と高い質の赤外線画像とを、標的シーンからの種々多様な距離にわたって提供する熱画像形成カメラを提供する。
【解決手段】可視光(VL)画像と赤外線(IR)画像とを捕捉するために使用される熱画像形成カメラである。カメラは焦点調節可能なIR光学部品を含む。カメラは、IR素子に連結された焦点機構を含んでいて、この焦点機構は、IR光学部品を合焦させるべくIR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成される。様々な焦点位置は、シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、シーンが設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含む。カメラの構造形に応じて、カメラのIR光学部品は1.0を上回るF値を定義し、IR光学部品の軸はVL光学部品の軸から4.32cm未満の距離だけオフセットされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱画像形成カメラに関し、より具体的には焦点調節可能な赤外線レンズを備えた熱画像形成カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
熱画像形成カメラは種々様々な状況において使用される。例えば、熱画像形成カメラは設備を熱的に調べるために保守検査中にしばしば使用される。設備の例としては、数あるタイプの設備の中でも回転機械、電気パネル、又は回路ブレーカー列を挙げることができる。熱的調査は、設備のホットスポット、例えば過熱した機械又は電気構成要素を検出して、より重大な問題が発生する前に過熱設備の適時の修復又は交換を保証するのを助けることができる。
【0003】
カメラの構造に応じて、熱画像形成カメラは同じ対象物の可視光画像を生成することもできる。カメラは赤外線画像と可視光画像とを調和した形で表示することにより、例えば操作者が熱画像形成カメラによって生成された熱画像を解釈するのを助けることができる。異なる対象物間に一般に良好なコントラストを提供する可視光画像とは異なり、熱画像内の異なる形体を認識して区別することは現実世界のシーンと比較してしばしば困難である。このような理由から、熱画像を解釈して合焦させるのを助けるために、操作者は可視光画像に依存することができる。
【0004】
熱画像形成カメラが熱画像及び可視光画像の両方を生成するように構成される適用例において、カメラは2組の別個の光学部品、すなわち、可視光画像を生成するための可視光センサに可視光を合焦させる可視光光学部品から成る組と、赤外線画像を生成するための赤外線センサに赤外線を合焦させる赤外線光学部品から成る組とを含んでいる。これらの光学部品の組のそれぞれを適切に形成すると、操作者による熱画像形成カメラの使いやすさ、及び熱画像形成カメラによって生成される可視光画像及び赤外線画像の質が決定づけられる。
【発明の概要】
【0005】
大まかに言えば、この開示は、焦点調節可能な赤外線光学部品を備えた熱画像形成カメラに関する。いくつかの例において、熱画像形成カメラは、第1光軸を定義する赤外線光学部品と、第2光軸を定義する可視光光学部品とを含んでおり、第1光軸と第2光軸とは互いにオフセットされている。熱画像形成カメラは、赤外線光学部品に連結された焦点機構を含んでいてよく、この焦点機構は、赤外線光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成されている。例えば、焦点機構は、標的シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置、又は標的シーンが設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の他の焦点位置のうちの1つへ、赤外線光学部品を動かすことができる。熱画像形成カメラの構造に応じて、焦点機構は、赤外線光学部品が過焦点位置に動かされたときに触覚的指示を提供する手動調節可能なフォーカス・リングを含んでいてよい。本明細書中に記載されているような、焦点調節可能な赤外線光学部品を備えた熱画像形成カメラは、他のタイプの熱画像形成カメラよりも高い機能性と高い質の赤外線画像とを、標的シーンからの種々多様な距離にわたって提供することができる。
【0006】
1つの例において、赤外線(IR)カメラ・モジュールと、可視光(VL)カメラ・モジュールと、手動調節可能な焦点機構とを含む熱画像形成カメラが記述される。IRカメラ・モジュールはIRセンサとIR光学部品とを含んでおり、IRセンサは、シーンのIR画像を捕捉するように構成されており、そしてIR光学部品は、IR光学部品の中心を通って延びる第1光軸を定義している。VLカメラ・モジュールはVLセンサとVL光学部品とを含んでおり、VLセンサは、シーンのVL画像を捕捉するように構成されており、VL光学部品は、VL光学部品の中心を通って延びる第2光軸を定義しており、そして第2光軸は、シーンのIR画像がVL画像とは異なる視点からのものであることにより視差を引き起こすように第1光軸からオフセットされている。焦点機構は、IR光学部品に連結されていて、IR光学部品を合焦させるべくIR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成されており、様々な焦点位置は、シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、シーンが設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含み、手動調節可能な焦点機構は、IR光学部品が過焦点位置に動かされると触覚的指示を提供するように構成されている。この例では、カメラはまた、ディスプレイとプロセッサとを含む。プロセッサは、IR画像とVL画像との間の視差をほぼ解消するべくIR画像をVL画像と整列させて、IR光学部品が過焦点位置に動かされたときに設定距離と無限遠との間に配置されたシーンに対して、VL画像の少なくとも一部とほぼ位置合わせされた状態でIR画像の少なくとも一部を表示するべくディスプレイを制御するように構成されている。
【0007】
別の例では、IRセンサとIR光学部品とを含む赤外線(IR)カメラ・モジュールを含むカメラであって、IRセンサがシーンのIR画像を捕捉するように構成されている、カメラが記述される。この例によれば、カメラはまた、手動調節可能な焦点機構とディスプレイとを含む。手動調節可能な焦点機構はIR光学部品に連結されており、IR光学部品を合焦させるべくIR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成されており、様々な焦点位置は、IR光学部品が過焦点位置に動かされたときに設定距離と無限遠との間に配置されたシーンがほぼ合焦する過焦点位置と、シーンが設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含む。
【0008】
別の例では、IRセンサとIR光学部品とを含む赤外線(IR)カメラ・モジュール、VLセンサとVL光学部品とを含む可視光(VL)カメラ・モジュール、並びに焦点機構を含むカメラが記述される。この例によれば、IRセンサは、シーンのIR画像を捕捉するように構成されており、そしてIR光学部品は、IR光学部品の中心を通って延びる第1光軸を定義しており、そしてIR光学部品は1.0を上回るF値を定義している。加えて、VLセンサは、シーンのVL画像を捕捉するように構成されており、VL光学部品は、VL光学部品の中心を通って延びる第2光軸を定義しており、第2光軸は、シーンのIR画像がVL画像とは異なる視点からのものであることにより視差を引き起こすように第1光軸からオフセットされており、第2光軸は第1光軸から、4.32cm(1.7in)未満の距離だけオフセットされている。この例は、焦点機構がIR光学部品に連結され、そして、IR光学部品を合焦させるべくIR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成されることを規定しており、様々な焦点位置は、シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、シーンが設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含む。この例では、熱画像形成カメラはディスプレイとプロセッサとを含み、プロセッサは、IR画像とVL画像とを受容して、VL画像及びIR画像の少なくとも一方を表示するべくディスプレイを制御するように構成されている。
【0009】
本開示に基づく別の例では、IR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成された焦点機構を使用して、IR光学部品の焦点を調節する段階を含み、様々な焦点位置は、シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、シーンが設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含む、方法が記述される。この方法はまた、IRセンサとIR光学部品とを含むIRカメラ・モジュールを介してシーンの赤外線(IR)画像を捕捉する段階を含み、IR光学部品は、IR光学部品の中心を通って延びる第1光軸を定義しており、そしてIR光学部品は1.0を上回るF値を定義している。加えて、この例は、VLセンサとVL光学部品とを含むVLカメラ・モジュールを介してシーンの可視光(VL)画像を捕捉する段階を含み、VL光学部品は、VL光学部品の中心を通って延びる第2光軸を定義しており、そして第2光軸は、シーンのIR画像がVL画像とは異なる視点からのものであることにより視差を引き起こすように第1光軸からオフセットされており、第2光軸は第1光軸から、4.32cm(1.7in)未満の距離だけオフセットされている。この方法はまた、VL画像及びIR画像の少なくとも一方を表示する段階を含む。
【0010】
1つ又は2つ以上の例の詳細を添付の図面及び下記説明において示す。他の特徴、目的、及び利点は、説明、図面、及び請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、熱画像形成カメラの例を示す前面側斜視図である。
【図2】図2は、図1の熱画像形成カメラの例を示す背面側斜視図である。
【図3】図3は、標的シーンの例と、カメラの赤外線光学部品の様々な焦点位置に対応し得る焦点距離の例とを示す、熱画像形成カメラの例の概念図である。
【図4A】図4Aは、図1及び図2の熱画像形成カメラのフォーカス・リングの例を示す分解斜視図である。
【図4B】図4Bは、図1及び図2の熱画像形成カメラのフォーカスリングに対応するカメラ・ハウジングの部分の例を示す分解斜視図である。
【図5】図5は、図1及び図2の熱画像形成カメラの構成要素の例を示す機能ブロック線図である。
【図6】図6は、可視光画像と赤外線画像とのピクチャ・イン・ピクチャ型の同時表示の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記詳細な説明は本質的に一例に過ぎず、本発明の範囲、適用性、又は形態を限定しようとするものではない。むしろ、下記説明は本発明の例を実施するためのいくつかの実例を提供する。構造、材料、寸法、及び製造法の例は、選択されたエレメントに対して提供され、他の全てのエレメントは、本発明の分野における当業者によく知られたものを採用する。当業者には明らかなように、記載された例の多くが種々様々な適切な代替例を有している。
【0013】
観察中のシーン全体にわたる熱パターンを検出するために、熱画像形成カメラを使用することができる。熱画像形成カメラはシーンによって放たれた赤外線を検出して、この赤外線を、熱パターンを示す赤外線画像に変換することができる。いくつかの例において、熱画像形成カメラはシーンからの可視光を捕捉して、可視光を可視光画像に変換することもできる。熱画像形成カメラの構造形に応じて、カメラは、赤外線センサに赤外線を合焦させる赤外線光学部品と、可視光センサに可視光を合焦させる可視光光学部品とを含んでいてよい。
【0014】
本明細書中に記載したように、熱画像形成カメラは、赤外線光学部品に連結された焦点機構を含み、この焦点機構は、赤外線光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成されている。例えば、熱画像形成カメラは、標的シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、標的シーンが設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の他の焦点位置のうちの1つの位置との間で赤外線光学部品を動かすように構成された焦点機構を含んでよい。このような例において、操作者は、過焦点位置に対応する設定距離を超えた標的シーン中の対象物を観察するときには、赤外線光学部品の焦点を過焦点位置に設定することができる。このことは、設定距離を超えた種々の対象物を素早くフォーカス・フリーで見るのを可能にする。対照的に、操作者は、過焦点位置に対応する設定距離よりも熱画像形成カメラに近い標的シーン中の対象物を観察するときには、赤外線光学部品の焦点を複数の他の焦点位置のうちの1つの位置に調節することができる。このことは、熱画像形成カメラに比較的近い標的シーン中の対象物に正確に合焦するのを可能にすることにより、例えば操作者が比較的小さな部分に関する熱的問題を検出するのを可能にする。
【0015】
図1及び2は、それぞれ熱画像形成カメラ10の例を示す正面斜視図及び背面斜視図である。熱画像形成カメラはハウジング12と、赤外線レンズ組立体14と、可視光レンズ組立体16と、ディスプレイ18と、レーザー19と、トリガー制御装置20とを含んでいる。ハウジング12は、熱画像形成カメラ10の種々の構成要素を収容している。赤外線レンズ組立体14は、シーンからの赤外線を受けて、シーンの赤外線画像を生成するための赤外線センサにこの赤外線を合焦させる。可視光レンズ組立体16は、シーンからの可視光を受けて、同じシーンの可視光画像を生成するための可視光センサにこの可視光を合焦させる。熱画像形成カメラ10は、トリガー制御装置20の押し下げに応答して、可視光画像及び/又は赤外線画像を捕捉する。加えて、熱画像形成カメラ10は、例えば操作者がシーンを熱的に調べるのを助けるために、カメラによって生成された赤外線画像及び可視光画像を表示するようにディスプレイ18を制御する。
【0016】
下でより詳細に説明するように、熱画像形成カメラ10は、赤外線レンズ組立体14に連結された焦点機構を含んでよい。この焦点機構は、熱画像形成カメラによって生成される赤外線画像の焦点を調節するべく、赤外線レンズ組立体の少なくとも1つのレンズを動かすように構成されている。1つの例において、焦点機構は、赤外線レンズ組立体の少なくとも1つのレンズを異なる焦点位置に動かすように構成されている。例えば、種々異なる焦点位置は、標的シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置を含んでよい。異なる焦点位置は、標的シーンが、過焦点位置に対応する設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の他の焦点位置を含んでいてもよい。例えば、焦点機構は、標的シーンが過焦点位置に対応する設定距離と最小焦点距離との間で合焦する連続的な位置範囲を通して、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズを動かすように構成されていてよい。この連続的な焦点位置範囲は、操作者が熱画像形成カメラ10に比較的近い標的シーン中の対象物に正確に合焦するのを可能にするのに対して、赤外線レンズ組立体14の焦点位置を過焦点位置に設定することは、過焦点位置に対応する設定距離にあるか又は前記設定距離を超えた標的シーン中の対象物を許容し得る程度に合焦させた状態で見ることを可能にする(例えば、使用中に熱画像形成カメラの焦点をさらに調節することなしに)。いくつかの例において、焦点機構は、過焦点位置を超えた1つ又は2つ以上の焦点位置に赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズを動かすように構成されていてもよい。このことは、操作者が、過焦点位置で達成された焦点に依存するのではなく、過焦点位置に対応する設定距離を超えた標的シーン中の対象物に、より正確に合焦するのを可能にする。
【0017】
作動中、熱画像形成カメラ10は、シーンから赤外線波長スペクトル内で発せられたエネルギーを受容して、熱画像を生成するために赤外線エネルギーを処理することによって、シーンの熱パターンを検出する。熱画像形成カメラ10はまた、可視光波長スペクトル内で発せられたエネルギーを受容して、可視光画像を生成するために可視光エネルギーを処理することによって、同じシーンの可視光画像を生成することもできる。下でより詳細に説明するように、熱画像形成カメラ10は、シーンの赤外線画像を捕捉するように構成された赤外線カメラ・モジュールと、同じシーンの可視光画像を捕捉するように構成された可視光カメラ・モジュールとを含んでよい。赤外線カメラ・モジュールは、赤外線レンズ組立体14を通して投射される赤外線を受容して、そこから赤外線画像データを生成することができる。可視光カメラ・モジュールは、可視光レンズ組立体16を通して投射される光を受容して、そこから可視光画像データを生成することができる。
【0018】
いくつかの例の場合、熱画像形成カメラ10は赤外線エネルギーと可視光エネルギーとをほぼ同時に(例えば同じ時点に)捕集又は捕捉するので、カメラによって生成される可視光画像と赤外線画像とは、ほぼ同じ時点における同じシーンを有する。これらの例において、熱画像形成カメラ10によって生成された赤外線画像が、特定の時間におけるシーン内部の局所的温度を示す一方、カメラによって生成された可視光画像は同じ時間における同じシーンを示す。他の例において、熱画像形成カメラは赤外線エネルギーと可視光エネルギーとを異なる時間におけるシーンから捕捉することができる。
【0019】
熱画像形成カメラ10は、赤外線レンズ組立体14を通して赤外線エネルギーを捕捉し、そして可視光レンズ組立体16を通して可視光エネルギーを捕捉する。赤外線レンズ組立体14及び可視光レンズ組立体16は、ハウジング12に対する数多くの異なる配向を有することができる。いくつかの例において、赤外線レンズ組立体14と可視光レンズ組立体16とは、熱画像形成カメラ10によって生成された赤外線画像と可視光画像との間に視差を形成するように、例えばハウジング12に対して固定的な空間関係を成して、互いにオフセットされる。例えば1つの例では、赤外線レンズ組立体14と可視光レンズ組立体16とは、例えば同一平面関係を成して、互いに水平方向にオフセットされている。別の例では、赤外線レンズ組立体14と可視光レンズ組立体16とは、互いに鉛直方向にオフセットされている。図1の例では、赤外線レンズ組立体14と可視光レンズ組立体16とは、概ね平行な配置で互いに鉛直方向にオフセットされている。赤外線レンズ組立体14と可視光レンズ組立体16は、両レンズ組立体が観察中の同じシーンに向けられるという点において、図1の例では互いに概ね平行である。
【0020】
可視光レンズ組立体16は、可視光画像を生成するための可視光センサに可視光エネルギーを合焦させる少なくとも1つのレンズを含んでいる。可視光レンズ組立体16は、この組立体の少なくとも1つのレンズの曲率中心を通る可視光光軸26を定義する。可視光エネルギーはレンズの前面を通って投射し、そしてレンズの反対側で合焦する。可視光レンズ組立体16は、単一のレンズ又は直列配置された複数のレンズ(例えば2つ、3つ、又は4つ以上のレンズ)を含むことができる。加えて、可視光レンズ組立体16は固定焦点を有することができるか、或いは、可視光光学系の焦点を変えるための焦点調節機構を含むことができる。可視光レンズ組立体16が焦点調節機構を含む例では、焦点調節機構は、手動調節機構又は自動調節機構であってよい。
【0021】
赤外線レンズ組立体14はまた、熱画像を生成するための赤外線センサに赤外線エネルギーを合焦させる少なくとも1つのレンズを含んでいる。赤外線レンズ組立体14は、この組立体の少なくとも1つのレンズの曲率中心を通る赤外線光軸22を定義する。作動中、赤外線エネルギーはレンズの前面を通って導かれ、そしてレンズの反対側で合焦させられる。赤外線レンズ組立体14は単一のレンズ又は直列配置された複数のレンズ(例えば2つ、3つ、又は4つ以上のレンズ)を含むことができる。これらは直列配置されていてよい。
【0022】
手短に上述したように、熱画像形成カメラ10は、カメラによって捕捉された赤外線画像の焦点を調節するための焦点機構を含んでいる。図1及び2に示された例では、熱画像形成カメラ10はフォーカス・リング24を含んでいる。フォーカス・リング24は、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズに作動可能に連結(機械的連結及び/又は電気的連結)されており、そして熱画像形成カメラ10によって捕捉された赤外線画像を合焦させるべく、少なくとも1つのレンズを様々な焦点位置に動かすように構成されている。フォーカス・リング24は、フォーカス・リングが作動可能に連結されている少なくとも1つのレンズを動かすように、ハウジング12の少なくとも一部の周りで手によって回転させられる。例えば、ハウジング12の少なくとも一部の周りでフォーカス・リング24を回転させることにより、フォーカス・リングが作動可能に連結されている少なくとも1つのレンズを、赤外線レンズ組立体14と関連づけられた赤外線センサに向かって(例えば熱画像形成カメラ10の背面に向かって)近づくように、又は赤外線レンズ組立体14と関連づけられた赤外線センサから遠ざけるように(例えば熱画像形成カメラ10の前面に向かって)、直線状に移動させることができる。この運動は、カメラによって捕捉された赤外線画像の焦点を変えることができる。
【0023】
いくつかの例において、フォーカス・リング24の回転が、ディスプレイ18上に同時に表示された可視光画像の少なくとも一部と赤外線画像の少なくとも一部とを相対移動させるように、フォーカス・リング24はまたディスプレイ18に作動可能に連結されている。例えばハウジング12の少なくとも一部の周りでフォーカス・リング24を手動回転させることによって、ディスプレイ18上に同時に表示された可視光画像の少なくとも一部と赤外線画像の少なくとも一部とを相対移動させることができる。このような例において、使用者はフォーカス・リング24を回転させることにより、ディスプレイ18上の可視光画像及び赤外線画像の表示を制御することができるので、例えば赤外線画像の少なくとも一部が、可視光画像の少なくとも一部とほぼ位置合わせされた状態で表示される。このように構成されている場合、使用者は、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品の焦点が合っていなくても、フォーカス・リング24を回転させることができる。
【0024】
異なる例において、熱画像形成カメラ10は、フォーカス・リング24以外の構造形において実施される手動焦点調節機構を含んでいてよい。例えば、熱画像形成カメラ10は作動可能なスイッチを含んでいてよい。前記作動可能なスイッチは、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズと作動可能に連結されており、熱画像形成カメラ10によって捕捉された赤外線画像を合焦させるべく、少なくとも1つのレンズを様々な焦点位置に動かす(直線状に移動させる)ように構成されている。作動可能なスイッチは押し下げ可能なボタン、直線状に作動可能な(例えばスライド)スイッチ、又は任意の他の適切なタイプのスイッチであってよい。他のタイプの手動焦点調節機構も可能であり、開示は、手動調節可能なフォーカス・リングを備えた熱画像形成カメラの構造形の例に限定されない。
【0025】
例えば、熱画像形成カメラ10は手動焦点調節機構に加えて、又はこの代わりに自動焦点調節機構を含んでいてもよい。自動焦点調節機構が、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズに作動可能に連結されて、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズを、例えば熱画像形成カメラ10からの命令に応じて自動的に動かすように構成されていてよい。このような例の1つの適用例において、熱画像形成カメラ10は、標的シーン中の対象物とカメラとの間の距離を電子的に測定するためにレーザー19を使用することができる。熱画像形成カメラ10は次いで、自動焦点調節機構を制御することにより、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズを、熱画像形成カメラ10によって決定された標的距離データに対応する焦点位置に動かすことができる。この焦点位置は、決定された距離における標的シーン中の対象物を合焦させるように焦点位置を形成し得るという点で、標的距離データに対応することができる。いくつかの例において、自動焦点調節機構によって設定された焦点位置は、例えばフォーカス・リング24を回転させることによって、操作者によって手動で無効にされる。
【0026】
熱画像形成カメラ10上に含まれる焦点機構の特定のタイプとは無関係に、焦点機構は、熱画像形成カメラ10によって捕捉された赤外線画像を合焦させるべく、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品(例えば赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズ)を様々な焦点位置に動かすように形成することができる。それぞれの焦点位置は、標的シーン中の対象物が合焦することになる、熱画像形成カメラ10からの異なる距離に対応する。例えば、熱画像形成カメラ10から第1距離にある対象物を許容し得る程度に合焦させるように、第1焦点位置を形成することができ、熱画像形成カメラ10から、第1距離よりも遠く離れた第2距離にある対象物を許容し得る程度に合焦させるように、第2焦点位置を形成することができ、熱画像形成カメラ10から、第2距離よりも遠く離れた第3距離にある対象物を許容し得る程度に合焦させるように、第3焦点位置を形成することができ、以下同様にすることができる。これらの異なる焦点位置は、対象物に対して物理的に近づくか又は遠ざかる必要なしに、熱画像形成カメラ10の操作者が、熱画像形成カメラ10から離れた種々の距離に位置する一標的シーン中の異なる対象物の合焦画像を生成するのを可能にする。
【0027】
いくつかの例において、焦点機構が赤外線光学部品をそこに動かすように構成された焦点位置のうちの少なくとも1つが過焦点位置である。過焦点位置は、設定距離と無限遠との間の1標的シーン中の全ての対象物が許容し得る程度に合焦する位置であってよい。すなわち、過焦点位置において熱画像形成カメラ10は、対象物が設定距離にあるか又は設定距離を僅かに超えているか又は設定距離を著しく超えているかとは無関係に、対象物の、許容し得る程度に良好に合焦させられた熱画像を生成することができる。熱画像内の相異なる形体間の限られたコントラストのために、赤外線光学部品の合焦がしばしば難しいという点で、赤外線光学部品の過焦点位置は有用であり得る。相異なる形体間のコントラスト欠如は、現実世界のシーンと比較して、熱画像内の異なる形体を認識して区別することを難しくし、したがって赤外線光学部品を合焦させるのを難しくする。このようなコントラスト欠如は、対象物が熱画像形成カメラ10から遠ざかるほどに顕著になる。
【0028】
熱画像形成カメラ10が、赤外線光学部品を過焦点位置に動かすように構成された焦点機構を含む例の場合、操作者は、赤外線光学部品をさらに調節することなしに、過焦点位置に対応する設定距離に又は設定距離を超えて、異なる距離に位置する異なる対象物の熱画像を見ることができる。すなわち、過焦点位置は、過焦点位置に対応する設定距離を超えた全ての対象物をフォーカス・フリーで見ることを可能にする。それというのも、設定距離に位置する又は設定距離を超えて位置する全ての対象物が適切に合焦するからである。このことは、操作者が多大な時間を費やす焦点調節を必要とすることなしに、異なる対象物を素早く熱走査するのを可能にする。
【0029】
図3は、標的シーンの例と、カメラの赤外線光学部品の様々な焦点位置に対応し得る焦点距離の例とを示す熱画像形成カメラ10の概念図である。図示の例では、標的シーンは、熱画像形成カメラ10から第1距離52だけ離れて配置された第1対象物50と、カメラから第2距離56だけ離れて配置された第2対象物54と、カメラから第3距離60だけ離れて配置された第3対象物58と、過焦点位置に対応するカメラから設定距離64だけ離れて配置されるか又は設定距離64を超えて配置された第4対象物62とを含んでいる。作動中、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、標的シーンの第1対象物50、第2対象物54、第3対象物58、及び/又は第4対象物62を合焦させるように、赤外線光学部品を様々な焦点位置に動かすことができる。例えば焦点機構は、第1距離52に位置する対象物(例えば第1対象物50)に合焦するように、赤外線光学部品を第1焦点位置に動かすことができる。焦点機構はさらに、第2距離56に配置された対象物(例えば第2対象物54)に合焦するように、又は第3距離60に配置された対象物(例えば第3対象物58)に合焦するように、赤外線光学部品を第2焦点位置に動かすことができる。さらに別の実施態様の場合、焦点機構は、カメラから設定距離64だけ離れて配置されるか又は設定距離64を超えて配置された全ての対象物(例えば第4対象物62)に許容し得る程度に合焦するように、赤外線光学部品を過焦点位置に動かすことができる。このように、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、カメラによって捕捉された赤外線画像を合焦させるべくカメラの赤外線光学部品を様々な焦点位置に動かすように形成することができる。下でより詳細に説明するように、熱画像形成カメラ10は、図3の例に具体的に示されたものとは異なる数又は配置関係の焦点位置及び焦点距離を含むことができる。
【0030】
熱画像形成カメラ10は、標的シーン中の対象物がその距離で又はその距離を超えて、許容し得る程度に合焦するような任意の適切な設定距離を定義する、カメラの赤外線光学部品の過焦点位置を含むことができる。さらに、過焦点位置に対応する設定距離は、例えばそのカメラが主として、カメラに比較的近い対象物を見るために使用されるのが意図されているのか、又はカメラから比較的遠く離れた対象物を見るために使用されるのが意図されているのかに基づいて変化してよい。いくつかの例では、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品の過焦点位置に対応する設定距離は、2.54cm(1in)を上回る距離、例えば15.2cm(6in)を上回る、0.305m(1ft)を上回る、0.610m(2ft)を上回る、又は1.52m(5ft)を上回る距離であってよい。例えば種々の例において、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品の過焦点位置に対応する設定距離は約0.305m(1ft)、約0.610m(2ft)、約0.914m(3ft)、約1.22m(4ft)、又はそれ以上であってよい。下でより詳細に説明するように、熱画像形成カメラ10がカメラに比較的近い対象物の熱的調査を意図されている適用例にとっては、約0.305m(1ft)〜約1.52m(5ft)の過焦点位置に対応する設定距離が有用である。しかしながら言うまでもなく、熱画像形成カメラ10は、具体的に挙げた設定距離以外の設定距離を定義する過焦点位置を実現してもよく、開示はこの点において制限されない。
【0031】
熱画像形成カメラ10の焦点機構は、カメラの赤外線光学部品(例えば赤外線レンズ組立体14(図1)の少なくとも1つのレンズ)を、過焦点位置以外の焦点位置に動かすことができる。例えば、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、過焦点位置に対応する設定距離よりも近くにある標的シーン中の対象物に合焦するべく、カメラの赤外線光学部品を動かすように構成されていてよい。熱画像形成カメラ10のための構造形に応じて、焦点機構は、設定距離よりも近い標的シーン中の対象物に合焦するために、赤外線レンズ組立体14に関連づけられた赤外線センサからより遠く離れる方向に赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズを動かすことができる。このような構造形は、操作者が、カメラに比較的近い標的シーン中の対象物により正確に合焦するように、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品の焦点を調節するのを可能にする。これは、操作者が、比較的小さな部分に関する熱的問題を検出するのを可能にするか、或いは対象物の厳密な熱的調査を行うのを可能にする。
【0032】
いくつかの例では、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、設定距離よりも近い標的シーン中の対象物に合焦するべく、複数の不連続な焦点位置のうちの1つにカメラの赤外線光学部品を動かすように構成されていてよい。複数の不連続な焦点位置のぞれぞれは、標的シーン中の対象物が許容し得る程度に合焦することができる、熱画像形成カメラ10からの異なる特定の距離又は距離範囲に対応し得る。他の実施態様では、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、設定距離よりも近い標的シーン中の対象物に合焦するべく、連続的な焦点位置範囲を通してカメラの赤外線光学部品を動かすように構成されていてよい。連続的な焦点位置範囲内の種々異なる位置は、標的シーン中の対象物が許容し得る程度に合焦することができる、熱画像形成カメラ10からの異なる特定の距離又は距離範囲に対応してよい。
【0033】
例えば、図1及び2の例において、熱画像形成カメラ10のフォーカス・リング24は、設定距離よりも近い標的シーン中の対象物にカメラの赤外線光学部品を合焦させるべく、連続的な焦点位置範囲を通して回転するように構成されていてよい。このような例において、連続的な回転範囲内(例えば回転の両端点間)でフォーカス・リング24を異なる度合いに回転させることにより、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品を、対応する連続的な焦点位置範囲内の種々異なる焦点位置に位置決めすることができる。
【0034】
設定距離よりも近い標的シーン中の対象物に合焦するのに加えて、又はその代わりに、いくつかの例では、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、過焦点位置に対応する(例えば過焦点範囲内の)設定距離よりも遠い標的シーン中の対象物により正確に合焦するべく、カメラの赤外線光学部品を動かすように構成されてよい。過焦点位置に対応する設定距離を超える対象物を見るために、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品を過焦点位置に動かすのではなく、焦点機構は、設定距離を超えた対象物に合焦するべく、過焦点位置を超えて前記光学部品を動かすように構成されていてよい。熱画像形成カメラ10の構造形にもよるが、焦点機構は、設定距離よりも遠い標的シーン中の対象物に合焦するために、このような例では赤外線レンズ組立体14に関連づけられた赤外線センサに近づくように、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズを動かすことができる。このことは、例えば特に高温又は低温の条件と関連する温度変化に起因して、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品の焦点が合わない事例において有用であり得る。
【0035】
いくつかの例において、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、設定距離よりも遠い標的シーン中の対象物に合焦するべく、カメラの赤外線光学部品を複数の不連続な焦点位置のうちの1つに動かすように構成されてよい。他の例において、熱画像形成カメラ10の焦点機構は、設定距離よりも近い標的シーン中の対象物に合焦するべく、連続的な焦点位置範囲を通してカメラの赤外線光学部品を動かすように構成されていてよい。
【0036】
上記のように、熱画像形成カメラ10は、標的シーン中の対象物が合焦し得る最小焦点距離を呈することができる。最小焦点距離は、許容し得る程度に合焦した熱画像を生成するために、熱画像形成カメラ10が標的シーン中の対象物から離されなければならない最小限の距離である。熱画像形成カメラ10の最小焦点距離は、例えばカメラの赤外線光学部品のサイズ、位置、及び調節可能性に基づいて変化する。いくつかの例において、熱画像形成カメラ10の最小焦点距離は、0.305m(1ft)未満、例えば約15.2cm(6in)、15.2cm(6in)未満、又は2.54cm(1in)未満であってよい。他の最小焦点距離も可能である。
【0037】
本明細書中に記載されているような熱画像形成カメラ10の焦点機構は、数多くの異なる構造形を有することができる。図4A及び図4Bは、熱画像形成カメラ10(図1及び2)の、フォーカス・リング24の例と、それに対応するハウジング12の部分とをそれぞれ示す分解斜視図である。この例において、フォーカス・リング24はスロット70を形成している。スロット70は、ハウジング12の対応する部分(図4B)と嵌合すると、ハウジング12の対応する突起72を受容する。組み立てられたときに、フォーカス・リング24は、熱画像形成カメラ10によって捕捉された赤外線画像を合焦させるべく、突起72に対して相対回転することにより赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つのレンズを様々な焦点位置に動かすように構成されている。例えば、フォーカス・リング24を時計回り(又は他の例では反時計回り)に回転させることにより、過焦点位置に対応する設定距離よりも近い標的シーン中の対象物に合焦するように、連続的な焦点位置範囲を通して熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品を動かすことができる。反対に、フォーカス・リング24を反時計回り(又は他の例では時計回り)に回転させることにより、過焦点位置に対応する設定距離に位置するか又は設定距離を超える標的シーン中の対象物に合焦するように、熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品を過焦点位置に動かすことができる。いくつかの例では、フォーカス・リング24は、過焦点位置に対応する設定距離を超える標的シーン中の対象物により正確に合焦するように、過焦点位置に対応する位置を超えて回転される。図4A及び図4Bの例におけるフォーカス・リング24はスロットを、そしてハウジング12は突起を形成しているが、言うまでもなく他の例では、フォーカス・リング24が突起を形成するのに対してハウジング12がスロットを形成するか、或いは、フォーカス・リング24及びハウジング12が対応する嵌合特徴部の異なる構造形を有していてもよい。
【0038】
熱画像形成カメラ10が、複数の異なる焦点位置のうちの1つにカメラの赤外線光学部品を動かすように構成された焦点機構を含む例において、カメラは過焦点位置を他の焦点位置から区別化するためのフィードバックを提供してよい。異なる例において、フィードバックは聴覚的、視覚的(例えばディスプレイ18を介する)、触覚的、又はこれらの組み合わせであってよい。例えば、熱画像形成カメラ10が手動調節可能な焦点機構を含む適用例において、焦点機構が過焦点位置に動かされたときに、焦点機構は触覚的フィードバックを提供することができる。図4A及び図4Bに示された例では、フォーカス・リング24が過焦点位置に回転させられたとき突起72と係合する戻り止め74を含む。戻り止め74は、戻り止めを超える回転運動を禁止又はこれに抵抗することによって、熱画像形成カメラ10の操作者に触覚的フィードバックを提供することができる。
【0039】
図1及び2の熱画像形成カメラ10をさらに参照すると、熱画像形成カメラは、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つの赤外線レンズの曲率中心を通る赤外線光軸22と、可視光レンズ組立体16の少なくとも1つの可視光レンズの曲率中心を通る可視光光軸26とを定義する。赤外線光軸22と可視光光軸26とは距離25だけ互いにオフセットされている。一般に、赤外線光軸22と可視光光軸26との間の距離25を最小化することにより、熱画像形成カメラ10によって生成される赤外線画像と可視光画像との間の視差を最小限にすることができる。このような視差は、カメラの赤外線光学部品がカメラの可視光光学部品からオフセットされていることから生じる。
【0040】
いくつかの例において、熱画像形成カメラ10は、カメラの赤外線光学部品の焦点位置に基づいて、カメラによって生成された可視光画像と赤外線画像との間の視差を解消するように構成されている。例えば赤外線画像と可視光画像との間の視差、又はシフトの大きさは、熱画像形成カメラ10と、可視光画像及び赤外線画像によって捕捉された標的シーン中の対象物との間の距離に関連づけられる。熱画像形成カメラ10がカメラの赤外線光学部品の焦点を調節するための(例えば手動又は自動の)焦点機構を含む場合、カメラは、赤外線画像素子が設定された焦点位置に基づいて、画像によって捕捉された標的シーン中の対象物までの距離を決定することができる。それぞれの焦点位置がカメラからの異なる距離(例えば標的シーン中の対象物が合焦することになる距離)に対応し得るので、熱画像形成カメラ10は焦点位置に基づいて距離を決定することができる。次いで、熱画像形成カメラ10は、例えばディスプレイ18上に同時に表示するために決定された距離に基づいて、画像の一方又は両方を他方の画像に対してシフトすることによって、カメラによって捕捉された可視光画像と赤外線画像とを整列させることができる。例えば、熱画像形成カメラ10は、標的シーン中の対象物がカメラから遠く離れている場合よりも、熱画像形成カメラ10と画像によって捕捉された標的シーン中の対象物との間の距離がカメラに対して比較的近接している場合により大きく、赤外線画像及び/又は可視光画像を他方の画像に対してシフトさせることができる。
【0041】
しかしながら、熱画像形成カメラ10の赤外線画像素子の焦点位置が過焦点位置に設定されている適用例の場合には、過焦点位置は、カメラと、カメラによって作成された画像によって捕捉された標的シーン中の対象物との間の、画像整列機能を発揮するのに十分な距離には対応することはできない。むしろ、過焦点位置を利用するときには、カメラによって生成された画像によって捕捉された標的シーン中の対象物は、過焦点位置に対応する設定距離と無限遠との間の任意の位置にある。このような理由及び他の理由から、熱画像形成カメラ10の赤外線光軸22と可視光光軸26との間の距離25は最小化され得る。
【0042】
赤外線光軸22と可視光光軸26との間の距離25を最小化することによって、カメラによって生成される赤外線画像と可視光画像との間の視差を最小化することができる。それというのも、赤外線画像と可視光画像とを、互いに比較的近接した視点から捕捉することができるからである。従って、カメラの焦点機構が過焦点位置に調節されている場合にカメラによって捕捉された可視光画像と赤外線画像とを、視差を補正することなしに、同時に表示することができる。或いは、熱画像形成カメラ10は、所定の距離(例えば過焦点位置に対応する設定距離)に基づいて、カメラによって捕捉された可視光画像と赤外線画像とを整列させるか、或いは任意の他の適切な画像整列技術を実施することもでる。
【0043】
種々の例において、熱画像形成カメラ10の赤外線光軸22と可視光光軸26との間の距離25は、5.08cm(2in)未満、例えば4.32cm(1.7in)未満、3.81cm(1.5in)未満、2.54cm(1in)未満、又は約2.16cm(0.85in)未満であってよい。他の例において、距離25は約5.08cm(2in)〜約0.254cm(0.1in)、例えば約4.32cm(1.7in)〜約0.635(0.25in)、又は約2.54cm(1in)〜約1.52cm(0.6in)であってよい。他の距離も可能である。
【0044】
赤外線レンズ組立体14及び可視光レンズ組立体16の構造形にもよるが、熱画像形成カメラ10の赤外線光軸22と可視光光軸26との間の距離25を最小化することにより、赤外線レンズ組立体14の少なくとも1つの赤外線レンズと、可視光レンズ組立体16の少なくとも1つの可視光レンズとの外表面(例えば外径)間を最小化することもできる。図1の例では、熱画像形成カメラ10は、可視光レンズ組立体16の(例えばカメラの前面に向かって)最も外側の可視光レンズの周面と、赤外線レンズ組立体14の最も外側の赤外線レンズの周面との間の最小距離である距離27を定義している。種々の例において、距離27は2.54cm(1in)未満、例えば1.91cm(0.75in)未満、1.27cm(0.5in)未満、又は0.635cm(0.25in)未満であってよい。他の例では、距離27は約3.81cm(1.5in)〜約0.254cm(0.1in)、例えば約1.91cm(0.75in)〜約3.81cm(0.15in)、又は約0.762cm(0.3in)〜約0.508cm(0.2in)であってよい。他の距離も可能であり、そして考えられる。
【0045】
熱画像形成カメラ10の作動中、操作者は、シーンの熱画像、及び/又はカメラによって生成された同じシーンの可視光画像を見たいと思うことがある。この理由から、熱画像形成カメラ10はディスプレイを含んでよい。図1及び2の例では、熱画像形成カメラ10はディスプレイ18を含んでいる。ディスプレイ18は、赤外線レンズ組立体14及び可視光レンズ組立体16と反対側の、ハウジング12の背面に配置されている。ディスプレイ18は、可視光画像、赤外線画像、及び/又は可視光画像と赤外線画像とを同時に表示するブレンド画像を表示するように構成されていてよい。異なる例において、ディスプレイ18は、熱画像形成カメラ10の赤外線レンズ組立体14及び可視光レンズ組立体16から遠く離れていて(例えば別個のものであって)よい。或いはディスプレイ18は、赤外線レンズ組立体14及び/又は可視光レンズ組立体16に対して異なる空間的配置関係を成していてよい。従って、ディスプレイ18は図2では赤外線レンズ組立体14及び可視光レンズ組立体16の背後に示されてはいるが、ディスプレイ18の他の位置も可能である。
【0046】
熱画像形成カメラ10は、カメラの作動を制御し、カメラの異なる設定を調節するための種々の使用者入力媒体を含むことができる。制御機能の例は、赤外線及び/若しくは可視光光学部品の焦点の調節、シャッターの開閉、又は赤外線及び/若しくは可視光画像の捕捉などを含んでよい。図1及び2の例において、熱画像形成カメラ10は、赤外線及び可視光画像を捕捉するための押し下げ可能なトリガー制御装置20と、カメラの作動の他の様相を制御するためのボタン28とを含む。異なる数又は配置の使用者入力媒体が可能であり、言うまでもなく開示内容はこの点において制限されない。例えば、熱画像形成カメラ10は、スクリーンの種々異なる部分を押すことによって使用者の入力を受けるタッチスクリーンディスプレイ18を含んでいてよい。
【0047】
図5は、熱画像形成カメラ10の一例の構成要素を示す機能ブロック線図である。このカメラ10は、赤外線カメラ・モジュール100と、可視光カメラ・モジュール102と、ディスプレイ104と、プロセッサ106と、ユーザーインターフェイス108と、メモリ110と、電源112とを含んでいる。プロセッサは、赤外線カメラ・モジュール100と、可視光カメラ・モジュール102と、ディスプレイ104と、ユーザーインターフェイス108と、メモリ110とに通信可能に連結されている。電源112は熱画像形成カメラ10の種々の構成要素に動作電力を送達し、そしていくつかの例では、再充電可能又は再充電不能なバッテリと、発電回路とを含んでいてよい。
【0048】
熱画像形成カメラ10の作動中、プロセッサ106は、標的シーンの可視光画像及び赤外線画像を生成するために、メモリ110内に記憶されたプログラム情報に関連づけられた命令の支援を受けて、赤外線カメラ・モジュール100と可視光カメラ・モジュール102とを制御する。プロセッサ106はさらに、熱画像形成カメラ10によって生成された可視光画像及び/又は赤外線画像を表示するためにディスプレイ104を制御する。いくつかの付加的な例において、下でより詳細に説明するように、プロセッサ106はカメラに関連づけられた赤外線光学部品の焦点位置に基づいて、熱画像形成カメラ10と、カメラによって生成された可視光画像及び/又は赤外線画像によって捕捉された標的シーン中の対象物との間の距離を決定することもできる。プロセッサ106はこの距離を用いて、例えば一方の画像の少なくとも一部を他方の画像の少なくとも一部に対してシフトすることによって、熱画像形成カメラ10によって生成された可視光画像と赤外線画像との間の視差を解消するのを助けることができる。
【0049】
赤外線カメラ・モジュール100は、標的シーンによって発せられた赤外線エネルギーを受容して、赤外線エネルギーデータを生成するための赤外線センサに赤外線エネルギーを合焦させるように構成されていてよい。例えば赤外線エネルギーデータは、ディスプレイ104上に赤外線画像の形で表示され、及び/又はメモリ110内に記憶され得る。赤外線カメラ・モジュール100は、ここではモジュールに帰属する機能を実行するための任意の適切な構成要素を含むことができる。図5の例において、赤外線カメラ・モジュールは、赤外線レンズ組立体14と赤外線センサ114とを含むものとして示されている。図1及び2を参照しながら上述したように、赤外線レンズ組立体14は、標的シーンによって発せられる赤外線エネルギーを取り込んで、赤外線センサ114に赤外線エネルギーを合焦させる少なくとも1つのレンズを含んでいる。赤外線センサ114は電気信号を生成することによって、合焦された赤外線エネルギーに反応し、前記電気信号は変換されて、ディスプレイ104上の赤外線画像として表示されることができる。
【0050】
赤外線レンズ組立体14は種々様々な構造形を有することができる。いくつかの例では、赤外線レンズ組立体14は、特定の大きさのF値(焦点比又はFストップと呼ばれることもある)を定義している。F値は、レンズ(例えば赤外線レンズ組立体14の最も外側のレンズ)の焦点距離を、レンズへの入射直径で割り算することによって決定することができる。レンズへの入射直径は、レンズに入射する赤外線の量を示すことができる。一般に、赤外線レンズ組立体14のF値が増大すると、被写界深度、又は、レンズ組立体の許容し得る程度に合焦する標的シーン中の最も近い対象物と最も遠い対象物との間の距離が増大し得る。被写界深度を増大させることは、過焦点位置に設定された熱画像形成カメラ10の赤外線光学部品によって標的シーン中の相異なる対象物を見るときに、許容し得る程度の合焦に達するのを助けることができる。しかし赤外線レンズ組立体14のF値が過度に増大すると、空間分解能(例えば透明度)が低下するので標的シーンは許容し得る程度の合焦状態にはなくなる。
【0051】
種々の例において、赤外線レンズ組立体14は、0.5を上回るF値、例えば1.0を上回る、約1.2を上回る、又は約1.3を上回るF値を定義することができる。他の例では、赤外線レンズ組立体14が定義することのできるF値の範囲は、約0.85〜約2、約1〜約1.8、約1.2〜約1.5、又は約1.3〜約1.4である。赤外線レンズ組立体14は、他の許容し得るF値を定義してよく、また言うまでもなく開示内容はこの点において制限されない。
【0052】
赤外線センサ114は、赤外線レンズ組立体14を通して受容された赤外線エネルギーに応じて電気信号を生成する1つ又は2つ以上の焦点面アレイ(FPA)を含んでいてよい。それぞれのFPAは、例えばボロメータ、光子検出器、又は他の適切な赤外線センサ素子を含む複数の赤外線センサ素子を含むことができる。それぞれがセンサ・ピクセルと呼ばれる、それぞれのセンサ素子は、作動中に標的シーンから受容された赤外線エネルギーを吸収するのに応じて、電気特性(例えば電圧又は抵抗)を変化させることができる。そして今度は電気特性のこの変化が、電気信号を提供することができ、前記電気信号はプロセッサ106によって受信されて、ディスプレイ104上に表示される赤外線画像へと処理される。
【0053】
例えば、赤外線センサ114が複数のボロメータを含む例の場合、各ボロメータが、赤外線レンズ組立体14を通して合焦させられた赤外線エネルギーを吸収し、そして吸収されたエネルギーに応じて温度を高くする。各ボロメータの電気抵抗は、ボロメータの温度が変化するのに伴って変化し得る。プロセッサ106は、電流(又は電圧)を各ボロメータに加えることによって、各ボロメータの抵抗の変化を測定するとともに、ボロメータ全体にわたる、結果としての電圧(又は電流)を測定することができる。これらのデータに基づいて、プロセッサ106は、標的シーンの種々異なる部分によって発せられた赤外線エネルギー量を決定し、そして標的シーンの熱画像を表示するようにディスプレイ104を制御することができる。
【0054】
赤外線センサ114のFPA内に含まれた特定のタイプの赤外線センサ素子とは無関係に、FPAアレイは任意の適切なサイズ及び形状を定義することができる。いくつかの例において、赤外線センサ114は格子パターンを成して配列された複数の赤外線センサ素子、例えば鉛直方向列と水平方向行とを成して配列されたセンサ素子アレイを含んでいる。種々の例において、赤外線センサ114は、例えば16×16,50×50,160×120,120×160,又は640×480の鉛直方向列 × 水平方向行から成るアレイを含んでいる。他の例において、赤外線センサ114は、より少数の鉛直方向列と水平方向行(例えば1×1)、より多数の鉛直方向列と水平方向行(例えば1000×1000)、又は異なる比率の列と行を含んでよい。
【0055】
熱画像形成カメラ10の作動中、プロセッサ106は、赤外線画像を形成するための赤外線画像データを生成するために、赤外線カメラ・モジュール100を制御することができる。プロセッサ106は、赤外線センサ114のFPA内に含まれる各赤外線センサ素子からの電気信号を測定することにより、赤外線画像データの「フレーム」を生成することができる。各赤外線センサ素子からの電気信号(例えば電圧、電流)の大きさは、各赤外線センサ素子によって受容された赤外線の量に対応し得る。種々異なる量の赤外線を受容するセンサ素子は種々異なる大きさを有する電気信号を示す。赤外線画像データのフレームを生成することによって、プロセッサ106は、所与の時点における標的シーンの赤外線画像を捕捉する。
【0056】
プロセッサ106は、赤外線センサ114のFPA内に含まれる各赤外線センサ素子の電気信号を一回測定することによって、標的シーンの単一の赤外線画像又は「スナップショット」を捕捉することができる。或いは、プロセッサ106は、赤外線センサ114のFPA内に含まれる各赤外線センサ素子の電気信号を繰り返し測定することにより、標的シーンの複数の赤外線画像を捕捉することができる。プロセッサ106が赤外線センサ114のFPA内に含まれる各赤外線センサ素子の電気信号を繰り返し測定する例では、プロセッサ106は、標的シーンの動的熱画像(例えばビデオ表現)を生成することができる。例えば、プロセッサ106は、熱画像データのビデオ表現を生成するのに十分なレート、例えば30Hz又は60Hzで、FPA内に含まれる各赤外線センサ素子の電気信号を測定することができる。プロセッサ106は、赤外線画像を捕捉することにおいて他の操作、例えば赤外線レンズ組立体14のアパーチャを開閉するためにシャッタ(図示せず)を順次作動させる操作、又はこれに類する操作を実施することができる。
【0057】
センサ・ピクセルとして機能する赤外線センサ114の各センサ素子を用いると、プロセッサ106は、それぞれのセンサ画素の電気特性(例えば抵抗)の変化を、時間分割された電気信号に変換することによって、赤外線の二次元画像又はピクチャ表現を標的シーンから生成することができる。前記時間分割された電気信号は、例えばディスプレイ104上での視覚化及び/又はメモリ110内での記憶のために処理することができる。プロセッサ106は、生の赤外線画像データを、シーン温度、いくつかの例ではシーン温度に対応する色に変換するために計算を行うことができる。
【0058】
プロセッサ106は、捕捉された標的シーンの赤外線画像の少なくとも一部を表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。いくつかの例において、プロセッサ106は、赤外線センサ114の各センサ素子の電気的応答がディスプレイ104上の単一のピクセルと関連づけられるように、ディスプレイ104を制御する。他の例において、プロセッサ106は、赤外線センサ114内にあるセンサ素子よりも多いか又は少ないピクセルがディスプレイ104上に表示されるように、赤外線画像の分解能を増減することができる。プロセッサ106は、赤外線画像全体(例えば熱画像形成カメラ10によって捕捉された標的シーンの全ての部分)、又は赤外線画像全体よりも小さい画像(例えば熱画像形成カメラ10によって捕捉された標的シーン全体のより小さい部分)を表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。プロセッサ106は、下でより詳しく説明するように、他の画像処理機能を発揮することができる。
【0059】
図5には示されていないが、熱画像形成カメラ10は、赤外線センサ114からの出力信号をディスプレイ104上の熱画像に変換するために、種々の信号処理又は信号調整回路を含んでいてよい。回路例は、赤外線センサ114の各センサ素子全体にわたってバイアス電圧を測定するためのバイアス発生器、アナログ−デジタル変換器、又は信号増幅器などを含んでいてよい。特定の回路とは無関係に、熱画像形成カメラ10は、表示、記憶、又は伝送され得る出力、又は使用者によって他の形で利用され得る出力を提供するべく、標的シーンを表すデータを操作するように構成されていてよい。
【0060】
熱画像形成カメラ10は可視光カメラ・モジュール102を含んでいる。可視光カメラ・モジュール102は、標的シーンからの可視光エネルギーを受容して、可視光エネルギーデータを生成する可視光センサに可視光エネルギーを合焦させるように構成されていてよい。例えば、可視光エネルギーデータは、ディスプレイ104上に可視光画像の形で表示され、及び/又はメモリ110内に記憶されることができる。可視光カメラ・モジュール102は、ここではモジュールに帰属する機能を実行するための任意の適切な構成要素を含むことができる。図5の例において、可視光カメラ・モジュール102は、可視光レンズ組立体16と可視光センサ116とを含むものとして示されている。図1及び2を参照しながら上述したように、可視光レンズ組立体16は、標的シーンによって発せられる可視光エネルギーを取り込んで、可視光センサ116に可視光エネルギーを合焦させる少なくとも1つのレンズを含んでいる。可視光センサ116は電気信号を生成することによって、合焦したエネルギーに反応する。この電気信号は変換されて、ディスプレイ104上の可視光画像として表示されることができる。
【0061】
可視光センサ116は、複数の可視光センサ素子、例えばCMOS検出器、CCD検出器、PINダイオード、又はアバランシェフォトダイオードなどを含んでいてよい。可視光センサ素子の数は、赤外線センサ素子の数と同じでも異なっていてもよい。
【0062】
作動中、標的シーンから受容された光エネルギーは、可視光レンズ組立体16を通過して、可視光センサ116上に合焦される。光エネルギーが可視光センサ116の可視光センサ素子上に衝突すると、光検出器内部の光子が放出されて、検出電流に変換される。プロセッサ106は、標的シーンの可視光画像を形成するために、この検出電流を処理することができる。
【0063】
熱画像形成カメラ10の使用中、プロセッサ106は、可視光画像を形成するために、捕捉された標的シーンから可視光画像データを生成するように、可視光カメラ・モジュール102を制御することができる。可視光データは、捕捉された標的シーンの種々異なる部分に関連づけられた色、及び/又は捕捉された標的シーンの種々異なる部分に関連づけられた光の大きさを示す視感データを含んでいてよい。プロセッサ106は、熱画像形成カメラ10のそれぞれの可視光センサ素子の応答を一回測定することにより、可視光画像データの「フレーム」を生成することができる。可視光画像データのフレームを生成することによって、プロセッサ106は、所与の時点における標的シーンの可視光画像を捕捉する。プロセッサ106は、赤外線カメラ・モジュール100に関連して上述したように、標的シーンの動的熱画像(例えばビデオ表現)を生成するように、熱画像形成カメラ10のそれぞれの可視光センサ素子の応答を繰り返し測定することもできる。
【0064】
センサ・ピクセルとして機能する可視光カメラ・モジュール102の各センサ素子を用いると、プロセッサ106は、それぞれのセンサ画素の電気的応答を、時間分割された電気信号に変換することによって、可視光の二次元画像又はピクチャ表現を標的シーンから生成することができる。前記時間分割された電気信号は、例えばディスプレイ104上での視覚化及び/又はメモリ110内での記憶のために処理されることができる。
【0065】
プロセッサ106は、捕捉された標的シーンの可視光画像の少なくとも一部を表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。いくつかの例において、プロセッサ106は、可視光カメラ・モジュール102の各センサ素子の電気的応答がディスプレイ104上の単一のピクセルと関連づけられるように、ディスプレイ104を制御する。他の例において、プロセッサ106は、可視光カメラ・モジュール102内にあるセンサ素子よりも多いか又は少ないピクセルがディスプレイ104上に表示されるように、可視光画像の分解能を増減することができる。プロセッサ106は、可視光画像全体(例えば熱画像形成カメラ10によって捕捉された標的シーンの全ての部分)、又は可視光画像全体よりも小さい画像(例えば熱画像形成カメラ10によって捕捉された標的シーン全体のより小さい部分)を表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。
【0066】
上記のように、プロセッサ106は、熱画像形成カメラ10と、カメラによって生成された可視光画像及び/又は赤外線画像によって捕捉された標的シーン中の対象物との間の距離を決定するように形成されてよい。プロセッサ106はこの距離を、カメラに関連づけられた赤外線光学部品の焦点位置に基づいて決定することができる。例えば、プロセッサ106は、カメラの赤外線光学部品に関連づけられた焦点機構の位置(例えば物理的位置)(例えば赤外線光学部品に関連づけられた焦点位置)を検出し、そしてこの位置と関連付けられる標的距離値を決定することができる。次いでプロセッサ106は、メモリ110内に記憶された、異なる位置を異なる標的距離値と関連付けるデータを参照することによって、熱画像形成カメラ10と標的シーン中の対象物との間の特定の距離を決定する。
【0067】
焦点機構のそれぞれの位置は、標的シーン中の対象物が合焦されることになる熱画像形成カメラ10からの種々異なる距離に関連づけられることができる。焦点機構が赤外線光学部品を過焦点位置に動かす事例においては、プロセッサ106は、メモリ110内に記憶された、過焦点位置に関連づけられた所定の距離値を参照することができる。所定の距離値は、過焦点位置に対応する設定値に等しいか、又は過焦点位置に対応する設定値よりも大きいか、又は過焦点位置に対応する設定値よりも小さくてよい。
【0068】
プロセッサ106によって決定される特定の距離とは無関係に、プロセッサは、例えばディスプレイ104上に同時に表示する目的で、カメラによって生成された可視光画像と赤外線画像とを位置合わせ(例えば整列/スケーリング)するのを助けるために、この距離を用いることができる。プロセッサ106は、画像間の視差を解消するのを助けるために、赤外線画像に対する可視光画像のスケーリングを調節することができる。プロセッサ106は、画像間の視差を解消するのを助けるために、例えば画像の一方の部分又は両方の部分を他方の画像に対してシフトすることによって、可視光画像の少なくとも一部及び/又は赤外線画像の少なくとも一部を他方の画像に対して整列させることもできる。例えば、可視光のそれぞれの部分及び赤外線画像のそれぞれの部分は、画像の部分に関連づけられた位置座標(例えばデカルト座標)を含んでよい。プロセッサ106は、例えば画像部分に関連づけられた新しい位置座標を定義するように、画像部分に関連づけられた位置座標に対して所定の値を加算又は減算することによって、画像の一部をシフトすることができる。プロセッサ106は、調節されたスケーリング及び調節された位置座標に従って可視光画像と赤外線画像とを表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。
【0069】
いくつかの例において、プロセッサ106は、決定された距離値及びメモリ110内に記憶されたデータに基づいて、可視光画像及び/又は赤外線画像を位置合わせすることができる。前記データは、種々異なる標的距離を種々異なる視差補正値(例えば種々異なるスケーリング及び/又は整列値)と関連づけるメモリ110内のルックアップ・テーブル内に記憶されてよい。別の例において、データは、種々異なる標的距離を種々異なる視差補正値と関連づける等式の形で記憶されてよい。決定された標的距離値を用いて、プロセッサはメモリ110を参照したとき、関連する視差補正値を決定することができる。次いでプロセッサ106は、決定された視差補正値に基づいて、可視光画像の少なくとも一部及び/又は赤外線画像の少なくとも一部を他方の画像に対してシフトし及び/又はスケーリングして、画像のシフトされ及び/又はスケーリングされた部分を他方の画像と整列させた状態で表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。
【0070】
これらの例及びその他の例において、プロセッサ106は、熱画像形成カメラ10によって捕捉された可視光画像の少なくとも一部と、熱画像形成カメラ10によって捕捉された赤外線画像の少なくとも一部とを同時に表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。このような同時の表示は、赤外線画像内に同時に表示された形体を理解するのを助けるために、操作者が可視光画像内に表示された形体を参照できる点で有用であり得る。それというのも、操作者は種々異なる現実世界の形体を赤外線画像よりも可視光画像において容易に認識し区別することができるからである。種々の例において、プロセッサ106は、可視光画像と赤外線画像とを、並列配列、又は画像のうちの一方が画像のうちの他方を取り囲むピクチャ・イン・ピクチャ配列、又は可視光画像と赤外線画像とが同時に表示される任意の他の適切な配列で表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。
【0071】
例えば、プロセッサ106は、可視光画像と赤外線画像とを融合配列で表示するように、ディスプレイ104を制御することができる。融合配列の場合、可視光画像と赤外線画像とは互いに上下に重なっていてよい。操作者は、ディスプレイ104上に表示された画像のうちの一方又は両方の透明度又は不透明度を制御するように、ユーザーインターフェイス108と交信することができる。例えば、操作者は赤外線画像を完全透明状態と完全不透明状態との間で調節するとともに、可視光画像も完全透明状態と完全不透明状態との間で調節するようにユーザーインターフェイス108と交信することができる。アルファ・ブレンド配列と呼ばれることがあるこのような融合配置例は、操作者が、赤外線だけの画像、可視光線だけの画像、又は赤外線だけの画像と可視光線だけの画像との両極端間でオーバラップした2つの画像の任意の組み合わせを表示するように、ディスプレイ104を調節するのを可能にする。
【0072】
プロセッサ106を含む、熱画像形成カメラ10内部のプロセッサとして記述された構成要素は、1つ又は2つ以上のプロセッサ、例えば1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はプログラマブル論理回路などとして、単独又は任意の適切な組み合わせで実現することができる。
【0073】
一般に、メモリ110はプログラム命令及び関連データを記憶している。これらは、プロセッサ106によって実行されると、熱画像形成カメラ10及びプロセッサ106がこの開示においてはそれらに帰属する機能を発揮することを引き起こす。メモリ110は、例えばRAM、ROM、CD−ROM、ハードディスク又はフロッピー(登録商標)磁気ディスク、又はEEPROMなどのような任意の固定された又は取り外し可能な磁気媒体、光学媒体、又は電気媒体を含んでいてよい。メモリ110は取り外し可能なメモリ部分を含んでいてもよい。このメモリ部分は、メモリを更新し又はメモリ容量を増大させるために使用することができる。取り外し可能なメモリは、画像データが別のコンピュータ・デバイスへ容易に移されること、又は熱画像形成カメラ10が別の用途に使用される前に取り外されることをも可能にする。
【0074】
操作者はユーザーインターフェイス108を介して熱画像形成カメラ10と交信することができる。ユーザーインターフェイス108は、ボタン、キー、又はユーザーからの入力を受けるための別の機構を含んでいてよい。操作者は、ディスプレイ104を介して熱画像形成カメラ10からの出力を受け取ることができる。ディスプレイ104は、赤外線画像及び/又は可視光画像を任意の許容し得るパレット、又はカラースキームで表示するように構成されていて、パレットは例えば使用者の制御に応じて変化してよい。いくつかの例では、ディスプレイ104は、例えばグレースケール又はアンバーのような単色パレットで赤外線画像を表示するように構成されている。他の例では、ディスプレイ104は、赤外線画像を例えばアイアン・ボウ、ブルー−レッド、又は他の高コントラスト・カラースキームのようなカラーパレットで表示するように構成されている。グレースケール表示とカラーパレット表示との組み合わせも考えられる。
【0075】
プロセッサ106は、赤外線画像の少なくとも一部と可視光画像の少なくとも一部とを任意の適切な配列で同時に表示するようにディスプレイ104を制御することができるが、ピクチャ・イン・ピクチャ配列は、同じシーンの対応する可視光画像を隣接して整列させた状態で表示することにより、操作者が熱画像を容易に合焦させ及び/又は解釈するのを助けることができる。図6は、可視光画像240と赤外線画像242とのピクチャ・イン・ピクチャ型表示の一例を示す概念図である。図6の例では、可視光画像240が赤外線画像242を取り囲んでいるが、他の例では、赤外線画像242が可視光画像240を取り囲むか、或いは可視光画像240と赤外線画像242とは、図示のものとは異なる相対的なサイズ又は形状を有していてもよく、言うまでもなく開示はこの点では制限されない。
【0076】
熱画像形成カメラの例及び関連技術について説明してきた。この開示に記載された技術は、例えば命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体のようなコンピュータ可読媒体内で具体化又はコード化されてよい。コンピュータ可読媒体内に埋め込まれ又はコード化された命令は、例えば命令が実行されたときに、プログラミング可能なプロセッサ、又はその他のプロセッサに方法を実施させる。コンピュータ可読記憶媒体はランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、光媒体、又はその他のコンピュータ可読媒体を含んでいてよい。
【0077】
種々の例が説明されてきた。これらの例及びその他の例が下記請求項の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10 熱画像形成カメラ
12 ハウジング
14 赤外線レンズ組立体
16 可視光レンズ組立体
18 ディスプレイ
19 レーザー
20 トリガー制御装置
22 赤外線光軸
24 フォーカス・リング
26 可視光光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IRセンサとIR光学部品とを含む赤外線(IR)カメラ・モジュール、及びVLセンサとVL光学部品とを含む可視光(VL)カメラ・モジュール、及び前記IR光学部品に連結された手動調節可能な焦点機構、及びディスプレイ、及びプロセッサを具備するカメラであって、
前記IRセンサは、シーンのIR画像を捕捉するように構成されており、前記IR光学部品は、該IR光学部品の中心を通って延びる第1光軸を定義しており、
前記VLセンサは、前記シーンのVL画像を捕捉するように構成されており、前記VL光学部品は、該VL光学部品の中心を通って延びる第2光軸を定義しており、前記第2光軸は、前記シーンのIR画像が前記VL画像とは異なる視点からのものであることにより視差を引き起こすように前記第1光軸からオフセットされており、
前記焦点機構は、前記IR光学部品を合焦させるべく前記IR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成されており、前記様々な焦点位置は、前記シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、前記シーンが前記設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含み、手動調節可能な該焦点機構は、前記IR光学部品が前記過焦点位置に動かされると触覚的指示を提供するように構成されており、
前記プロセッサは、IR画像とVL画像との間の前記視差をほぼ解消するべく前記IR画像を前記VL画像と整列させて、前記IR光学部品が前記過焦点位置に動かされたときに前記設定距離と無限遠との間に配置されたシーンに対して、前記VL画像の少なくとも一部とほぼ位置合わせされた状態で前記IR画像の少なくとも一部を表示するべく前記ディスプレイを制御するように構成されている、カメラ。
【請求項2】
前記複数の焦点位置は、前記シーンが前記設定距離と前記最小焦点距離との間で合焦する連続的な焦点位置範囲を含む、請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記VL光学部品は固定焦点を有している、請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
手動調節可能な前記焦点機構がフォーカス・リングを具備する、請求項1に記載のカメラ。
【請求項5】
前記設定距離が約0.610m(2ft)〜約3.05m(10ft)である、請求項1に記載のカメラ。
【請求項6】
前記設定距離が約0.610m(2ft)である、請求項5に記載のカメラ。
【請求項7】
前記最小焦点距離が7.62cm(3in)を上回る、請求項5に記載のカメラ。
【請求項8】
IRセンサとIR光学部品とを含む赤外線(IR)カメラ・モジュール、及びVLセンサとVL光学部品とを含む可視光(VL)カメラ・モジュール、及び前記IR光学部品に連結された焦点機構、及びディスプレイ、及びプロセッサを具備するカメラであって、
前記IRセンサは、シーンのIR画像を捕捉するように構成されており、前記IR光学部品は、該IR光学部品の中心を通って延びる第1光軸を定義しており、前記IR光学部品は1.0を上回るF値を定義しており、
前記VLセンサは、前記シーンのVL画像を捕捉するように構成されており、前記VL光学部品は、該VL光学部品の中心を通って延びる第2光軸を定義しており、前記第2光軸は、前記シーンのIR画像が前記VL画像とは異なる視点からのものであることにより視差を引き起こすように前記第1光軸からオフセットされており、前記第2光軸は前記第1光軸から、4.32cm(1.7in)未満の距離だけオフセットされており、
前記焦点機構は、前記IR光学部品を合焦させるべく前記IR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成されており、前記様々な焦点位置は、前記シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、前記シーンが前記設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含んでおり、並びに
前記プロセッサは、前記IR画像とVL画像とを受容して、VL画像及びIR画像の少なくとも一方を表示するべく前記ディスプレイを制御するように構成されている、カメラ。
【請求項9】
前記複数の焦点位置は、前記シーンが前記設定距離と前記最小焦点距離との間で合焦する連続的な焦点位置範囲を含む、請求項8に記載のカメラ。
【請求項10】
前記焦点機構が、少なくとも1つのIRレンズを前記IRセンサに対して近づくように又は遠ざけるように動かすことによって、前記IR光学部品を動かすように構成されている、請求項8に記載のカメラ。
【請求項11】
F値が1.2よりも大きい、請求項8に記載のカメラ。
【請求項12】
IR光学部品を様々な焦点位置に動かすように構成された焦点機構を使用して、IR光学部品の焦点を調節する段階であって、前記様々な焦点位置は、シーンが設定距離と無限遠との間で合焦する過焦点位置と、前記シーンが前記設定距離と最小焦点距離との間で合焦する複数の焦点位置とを含んでいる、IR光学部品の焦点を調節する段階、
IRセンサと前記IR光学部品とを含むIRカメラ・モジュールを介して前記シーンの赤外線(IR)画像を捕捉する段階であって、前記IR光学部品は、該IR光学部品の中心を通って延びる第1光軸を定義しており、そして前記IR光学部品は1.0を上回るF値を定義している、前記シーンの赤外線(IR)画像を捕捉する段階、
VLセンサとVL光学部品とを含むVLカメラ・モジュールを介して前記シーンの可視光(VL)画像を捕捉する段階であって、前記VL光学部品は、該VL光学部品の中心を通って延びる第2光軸を定義しており、そして前記第2光軸は、前記シーンのIR画像が前記VL画像とは異なる視点からのものであることにより視差を引き起こすように前記第1光軸からオフセットされており、前記第2光軸は前記第1光軸から、4.32cm(1.7in)未満の距離だけオフセットされている、前記シーンの可視光(VL)画像を捕捉する段階、並びに
前記VL画像及び前記IR画像の少なくとも一方を表示する段階;を含む方法。
【請求項13】
前記複数の焦点位置は、前記シーンが前記設定距離と前記最小焦点距離との間で合焦する連続的な焦点位置範囲を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記IR光学部品の焦点を調節する段階は、前記IR光学部品が前記過焦点位置に動かされることを示す触覚的指示が提供されるまで前記焦点機構を手動調節する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記焦点機構を手動調節する段階は、フォーカス・リングを回転させる段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記設定距離は約0.610m(2ft)〜約3.05m(10ft)である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
最小距離が7.62cm(3in)よりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
F値が1.2よりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記VL画像及び前記IR画像の少なくとも一方を表示する段階は、前記VL画像の少なくとも一部を、前記IR画像の少なくとも一部と整列させた状態で同時に表示する段階を含む、請求項12に記載の方法。

【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2013−80225(P2013−80225A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−221524(P2012−221524)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【出願人】(507106216)フルーク コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】