走査線補間回路、該走査線補間回路に用いられる走査線補間方法、及び画像表示装置
【課題】
斜め線のジャギーを軽減するための走査線補間回路において、多角度の斜め線を用いることによる補間信号のスムーズさを保ちつつ、誤判定による表示上の弊害を軽減する。
【解決手段】上下ライン一致度判定部55で、補間画素の上方の走査線上の3画素以上の画素データAと、下方の走査線上の3画素以上の画素データBとの一致が判定されたとき、補間角度補正部52で斜め補間判定部51の補間角度判定信号aが補間画素の上下方向に対応した補間角度判定信号nに補正され、孤立点除去部53により孤立点が除去され、補間角度判定信号pが出力される。補間信号混合部64により、補間信号d,…,m毎に、同一方向で角度の異なる斜め方向の補間に対応する他の補間信号が混合され、補間信号dz,…,mzが生成される。補間信号c又は補間信号dz,…,mzのうちの一つが補間角度判定信号pに基づいて選択され、補間信号xが生成される。
斜め線のジャギーを軽減するための走査線補間回路において、多角度の斜め線を用いることによる補間信号のスムーズさを保ちつつ、誤判定による表示上の弊害を軽減する。
【解決手段】上下ライン一致度判定部55で、補間画素の上方の走査線上の3画素以上の画素データAと、下方の走査線上の3画素以上の画素データBとの一致が判定されたとき、補間角度補正部52で斜め補間判定部51の補間角度判定信号aが補間画素の上下方向に対応した補間角度判定信号nに補正され、孤立点除去部53により孤立点が除去され、補間角度判定信号pが出力される。補間信号混合部64により、補間信号d,…,m毎に、同一方向で角度の異なる斜め方向の補間に対応する他の補間信号が混合され、補間信号dz,…,mzが生成される。補間信号c又は補間信号dz,…,mzのうちの一つが補間角度判定信号pに基づいて選択され、補間信号xが生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、走査線補間回路、該走査線補間回路に用いられる走査線補間方法、及び画像表示装置に係り、たとえば、プラズマ表示装置、液晶表示装置、プログレッシブ(順次)走査方式のブラウン管などの表示装置において、映像入力信号をインタレース(飛越し走査)信号からブログレッシブ(順次走査)信号に変換するとき、複数の画素の垂直方向及び斜め方向の相関を判定し、この判定結果に基づいて補間画素を生成する場合などに用いられる走査線補間回路、該走査線補間回路に用いられる走査線補間方法、及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン信号などの映像入力信号をインタレース信号からブログレッシブ信号に変換するとき、動きのある映像信号に対しては、各フィールド間の相関が低いため、同一のフィールド内で相関の高い情報を用いて補間が行われる。このとき、補間用の走査線を挟む上下の走査線上の画素データの平均のみに基づいて補間信号を生成すると、表示画面に斜線が含まれている場合、同斜線のエッジがギザギザ(ジャギー)に表示される。このため、表示画面中の斜線のジャギーを軽減するための走査線補間方法が提案されている。
【0003】
この種の走査線補間方法としては、斜め相関適応型の方法がある。
斜め相関適応型の走査線補間方法では、たとえば図1に示すように、補間対象画素(補間画素)Xがある第K行目(K;2以上の整数)走査線の上方の第K−1行目の走査線(映像入力上ライン)の同補間画素Xに対応する画素をA(0)、同第K−1行目の走査線上に配列されている画素A(0)より左側の画素を画素A(0)に近い方から順に画素A(−1),A(−2),A(−3),…,A(−N)(N;正の整数)、及び同第K−1行目の走査線上に配列されている画素A(0)より右側の画素を画素A(0)に近い方から順に画素A(1),A(2),A(3),…,A(N)とする。また、補間画素Xの下方の第K+1行目の走査線(映像入力下ライン)の同補間画素Xに対応する画素をB(0)、同第K+1行目の走査線上に供給される画素B(0)より左側の画素を画素B(0)に近い方から順に画素B(−1),B(−2),B(−3),…,B(−N)(Nは正の整数)、及び同第K+1行目の走査線上に供給される画素B(0)より右側の画素を画素B(0)に近い方から順に画素B(1),B(2),B(3),…,B(N)とする。
【0004】
従来では、補間画素Xに対する上下方向の画素A(0)と画素B(0)との画素データの差分の絶対値と、斜め方向の画素A(m)と画素B(−m)(m;正の整数) との画素データの差分の絶対値と、他の斜め方向の画素A(−m)と画素B(m)との画素データの差分の絶対値との大きさとを比較し、絶対値の最も小さい方向が相関が高いものと判定される。この場合、上下方向の相関が高いとき、画素A(0)と画素B(0)との画素データの平均値を補間画素Xの画素データとする。また、斜め方向の相関が高く、かつ画素A(m)と画素B(−m)との画素データの差分の絶対値が最も小さいとき、画素A(m)と画素B(−m)との画素データの平均値を補間画素Xの画素データとする。また、他の斜め方向の相関が高く、かつ画素A(−m)と画素B(m)との画素データの差分の絶対値が最も小さいとき、画素A(−m)と画素B(m)との画素データの平均値を補間画素Xの画素データとする。このようにして、斜線のジャギーが軽減される。
【0005】
従来、この種の技術としては、たとえば、次のような文献に記載されたものがある。
図2は、特許文献1に記載された走査線補間回路の電気的構成を示すブロック図である。
この走査線補間回路は、同図2に示すように、1ライン遅延回路1と、1画素遅延回路11,12,13,14,15,16,17と、1画素遅延回路21,22,23,24,25,26,27と、差分絶対値回路31,32,33,34,35,36,37と、平均値回路41,42,43,44,45,46,47と、最小値検出回路48と、補間信号選択回路49とから構成されている。
【0006】
この走査線補間回路では、インタレース信号である映像入力信号inが、1ライン遅延回路1を経て1画素遅延回路11,12,13,14,15,16,17に順次入力されると共に、1画素遅延回路21,22,23,24,25,26,27に順次入力される。そして、1画素遅延回路11,12,13,14,15,16,17から、第K−1行目の走査線上に供給される画素A(−3),A(−2),A(−1),A(0),A(1),A(2),A(3)の画素データがそれぞれ出力される。また、1画素遅延回路21,22,23,24,25,26,27から、第2の走査線上に供給される画素B(−3),B(−2),B(−1),B(0),B(1),B(2),B(3)の画素データがそれぞれ出力される。
【0007】
画素A(3),A(2),A(1),A(0),A(−1),A(−2),A(−3)及び画素B(−3),B(−2),B(−1),B(0),B(1),B(2),B(3)の画素データは、それぞれ差分絶対値回路31,32,33,34,35,36,37に入力され、同差分絶対値回路31,32,33,34,35,36,37から、上下2ラインの差分の絶対値|A(−3)−B(3)|,|A(−2)−B(2)|,|A(−1)−B(1)|,|A(0)−B(0)|,|A(1)−B(−1)|,|A(2)−B(−2)|,|A(3)−B(−3)|が出力される。
【0008】
また、画素A(3),A(2),A(1),A(0),A(−1),A(−2),A(−3)及び画素B(−3),B(−2),B(−1),B(0),B(1),B(2),B(3)の画素データは、それぞれ平均値回路41,42,43,44,45,46,47に入力され、同平均値回路41,42,43,44,45,46,47から、平均値[A(−3)+B(3)]/2,[A(−2)+B(2)]/2,[A(−1)+B(1)]/2,[A(0)+B(0)]/2,[A(1)+B(−1)]/2,[A(2)+B(−2)]/2,[A(3)+B(−3)]/2が出力される。最小値検出回路48では、上記差分の絶対値の最小値が検出され、補間信号選択回路49では、同最小値検出回路48で最小値が検出された方向及び角度と一致する画素の組に対応した平均値回路の出力が選択されて補間信号xの画素データとして出力される。
【0009】
また、特許文献2に記載された走査線補間装置では、補間信号生成手段において、斜め補間と上下補間とが混合されて補間信号が生成される。すなわち、補間すべき画素の斜め方向の画素の差分値が第1の値と第2の値との間にある場合に、垂直方向の画素を用いて算出された第1の補間値と斜め方向の画素を用いて算出された第2の補間値とを用いた演算により、補間すべき画素の値が算出されるので、斜め方向のエッジを有する画像において滑らかな補間処理が行われる。
【特許文献1】特開2003−18397号公報(第3頁、図12)
【特許文献2】特開2002−185934号公報(第10頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の走査線補間装置では、次のような問題点があった。
すなわち、図2の走査線補間装置では、最小値検出回路48で差分の絶対値の最小値が検出されるが、この場合、斜め線の角度の情報が増加すると、最小値が検出された方向に対して逆方向の斜め方向の判定が実際の最小値となっていることもあるため、誤判定が発生することがある。このとき、表示画面に、フリッカ、明点、暗点などが発生するという問題点がある。
【0011】
また、特許文献2の走査線補間装置では、上下方向の補間と斜め方向の補間とが混合されるため、斜め方向の補間の効果が半減するという問題点がある。また、上下方向の補間と斜め方向の補間とが全く混合されない場合、斜め方向の判定による補間信号と上下方向の判定による補間信号とが隣接しているとき、補間曲線が滑らかでなく、擬似エッジなどが発生し、表示画面が不自然となるという問題点がある。
【0012】
図3は、図2及び特許文献2の走査線補間装置における補間の効果を示す図であり、横軸に画素の番号、及び縦軸に画素データがとられている。
同図3では、「上ライン」及び「下ライン」の折線は、それぞれ第K−1行目の走査線上及び第K+1行目の走査線上に供給されるインタレース信号を表し、他の折線は、供給されるインタレース信号を用いて生成した補間信号を表す。「上下補間」の折線は、補間画素Xを中心とした点対称となる上ライン及び下ライン上の垂直の2点の平均値から求められる。「斜め45度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素Xを中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ3画素のうちの斜め方向の2点の平均値から求められる。「斜め15度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素Xを中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ11画素のうちの最も外側にある画素を用いて、2点の平均値から求められる。「ブレンド補間」の折線は、「上下補間」と「斜め15度補間」との平均値から求められる。この「ブレンド補間」の折線は、「斜め15度補間」の折線に対して傾きが緩やかになり、同「斜め15度補間」のみを用いた場合と比べて斜め方向の補間の効果が半減するという問題点があることを示している。本発明が解決しようとする課題としては、これらの問題点が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に係り、前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段と、前記各第1の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第1の中央画素及び該第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び前記各第2の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第2の中央画素及び該第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度を判定する画素データ一致度判定手段とを備え、前記一致度が予め定められた規定値より高いときは前記走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び前記一致度が前記規定値以下のときは前記補間角度判定手段により判定された前記相関が最も高い角度に対応する方向の補間を行う構成とされていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に係り、前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、該補間角度判定手段は、前記補間対象画素及び該補間対象画素がある走査線上の該補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、前記補間対象画素について検出された前記相関の最も高い第1の角度が前記周辺補間画素について検出された前記相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、前記第1の角度を前記第2の角度に対して相関のより高い角度に切り替える構成とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に係り、前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、該補間角度判定手段により判定された前記相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、該角度と極性が同じで該角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合する構成とされていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
補間対象画素がある走査線に対して、少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路について考える。具体的には、第1の画素のうちの走査線の方向の位置が補間対象画素と同一の第1の中央画素及び同第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素、たとえば第1の中央画素とその左に隣接する2画素、右に隣接する2画素、合わせて5画素の画素データ、及び上記各第2の画素のうちの走査線の方向の位置が補間対象画素と同一の第2の中央画素及び同第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素、たとえば第2の中央画素とその左に隣接する2画素、右に隣接する2画素、合わせて5画素の画素データ、すなわち10個の画素データに基づいて補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路について考える。
【0017】
具体的には、図1において、補間対象画素X、第1の参照画素A(−2),A(−1)、A(0)、A(1)、A(2)、第2の参照画素B(−2),B(−1)、B(0)、B(1)、B(2)を考える。補間角度判定手段により、走査線の方向を基準として、補間対象画素を通る直線上に配置される上記第1の画素と上記第2の画素の画素データの相関が最も高い角度が判定される。ここで相関とは、たとえば上記第1の画素と第2の画素の画素データの差分の絶対値又は絶対値の二乗が0に近いほど相関が高いと定義する。また、画素データ一致度判定手段により、第1の参照画素の画素データと第2の参照画素の画素データのそれぞれの一致度が判定され、第1の参照画素と第2の参照画素との総合的一致度が判定される。ここで第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いとは、たとえば対象となる第1の参照画素のそれぞれの隣接する画素の相互の画素データの差分の絶対値が全て予め定めた値より小さいことをいう。すなわち、
|A(−2)―A(−1)|、|A(−1)―A(0)|、
|A(0)―A(1)|、|A(1)―A(2)|
の値が規定値αより小さいとき、第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いという。さらに第1の参照画素の両端に配置される画素の画素データの差分の絶対値が所定の値より小さいことを条件に加えることもある。すなわち、|A(−2)―A(2)|の値が規定値βより小さいという条件をさらに満たす場合、第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いと言う。
【0018】
また、第1の参照画素の画素データの最大値と最小値との差分の絶対値が規定値γより小さいとき、第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いということもできる。また、第1の参照画素のそれぞれの隣接する画素の差分の絶対値の和、又は絶対値の二乗の和が小さいほど一致度が高いと定義することができる。あるいは、対象となる第1の参照画素の画素データの平均値に対する第1の参照画素の画素データそれぞれの差分の絶対値の和、又は絶対値の二乗の和が小さいほど一致度が高いと定義することができる。第2の参照画素の一致度も同様に定義でき、第1の参照画素及び第2の参照画素の一致度が共に予め定めた規定値より高いとき、第1の参照画素と第2の参照画素との総合的一致度も予め定めた規定値より高いと定義することができる。そして、この一致度が予め定められた規定値より高いときは走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び同一致度が同規定値以下のときは補間角度判定手段により判定された相関が最も高い角度に対応する方向の補間が行われる。これにより、文字の横線など、真横の線が連続する場合において、斜め方向の補間が制限され、所定数の画素以上、たとえば3画素以上同じ値が続く場合に、垂直方向の補間が行われるため、横線の細りが最小限に抑えられる。
【0019】
補間角度判定手段により、補間対象画素及び同補間対象画素がある走査線上の同補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度が検出され、同補間対象画素について検出された相関の最も高い第1の角度が同周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、同第1の角度が同第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換えられる。これにより、斜めの角度判定の誤判定による弊害であるフリッカ、明点、暗点などが除去される。
【0020】
補間角度判定手段により判定された相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、この角度と極性が同じで、かつ、この角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間が所定の割合で混合される。これにより、浅い角度の斜め線の効果を保ったまま、斜め方向の補間と垂直方向の補間との切り替わり点に発生するエッジなどが軽減され、滑らかな表示が行われる。
【実施例1】
【0021】
図4は、この発明の第1の実施例である走査線補間回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の走査線補間回路は、同図に示すように、斜め補間判定部51と、補間角度補正部52と、孤立点除去部53と、上下ライン一致度判定部54と、補間信号生成部(上下補間用)55と、補間信号生成部(+45度用)56と、補間信号生成部(−45度用)57と、補間信号生成部(+31度用)58と、補間信号生成部(−31度用)59と、補間信号生成部(+23度用)60と、補間信号生成部(−23度用)61と、図示しない補間信号生成部(他の角度用)と、補間信号生成部(+M度用)62(ただし、0<M<23)と、補間信号生成部(−M度用)63と、補間信号混合部64と、補間信号選択部65とから構成されている。
【0022】
斜め補間判定部51は、たとえばラインメモリなどの1ライン遅延手段を用いることにより、補間対象画素(補間画素)Xがある第K行目(K;2以上の整数)走査線の上方の第K−1行目の走査線(たとえば、図1中の映像入力上ライン)上に配列されている画素(第1の画素)に供給される画素データ及び第K+1行目の走査線(たとえば、図1中の映像入力下ライン)上に配列されている画素(第2の画素)に供給される画素データに対して、第K−1行目及び第K+1行目の走査線に対して垂直方向(たとえば、上下方向)及び複数の斜め方向のうちから画素データの相関が最も高い方向及び基準方向(たとえば、第K−1行目又は第K+1行目の走査線の方向)に対する角度を検出し、この検出された方向及び角度を表す補間角度判定信号aを生成する。
なお、図1において、走査線に対して左回りに測定した角度を+の方向又は+の極性、走査線に対して右回りに測定した角度を−の方向又は−の極性と定義する。この実施例では、単に「角度」というときは上記方向又は極性を含めるが、分かりやすくするために、「角度と方向」という場合もある。
【0023】
上下ライン一致度判定部54は、上記各第1の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第1の中央画素及び同第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データA、及び上記各第2の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第2の中央画素及び同第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データBの一致度を判定して判定信号bを生成する。また、この実施例では、上下ライン一致度判定部54は、画素データAの中において第1の中央画素の画素データが極大値又は極小値をとり、かつ画素データBの中において第2の中央画素の画素データが極大値又は極小値をとるとき、第1の参照画素と第2の参照画素とが一致したものとして判定する。
【0024】
補間角度補正部52は、上下ライン一致度判定部54からの判定信号bを入力し、同判定信号bが画素データAと画素データBとの一致を示すとき、補間角度判定信号aを、補間画素Xを中心とする上下方向の角度に対応したものに補正して補間角度判定信号nとして出力する。また、補間角度補正部52は、判定信号bが画素データAと前記画素データBとの不一致を示すとき、補間角度判定信号aを、そのまま補間角度判定信号nとして出力する。
【0025】
補間信号生成部(上下補間用)55は、補間画素Xに対する上下方向の補間を行って第1の補間信号cを生成する。補間信号生成部(+45度用)56は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+45度)の補間を行って第2の補間信号dを生成する。補間信号生成部(−45度用)57は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−45度)の補間を行って第2の補間信号eを生成する。補間信号生成部(+31度用)58は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+31度)の補間を行って第2の補間信号fを生成する。補間信号生成部(−31度用)59は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−31度)の補間を行って第2の補間信号gを生成する。
【0026】
補間信号生成部(+23度用)60は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+23度)の補間を行って第2の補間信号hを生成する。補間信号生成部(−23度用)61は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−23度)の補間を行って第2の補間信号jを生成する。図示しない補間信号生成部(他の角度用)は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(設定された角度)の補間を行って第2の補間信号を生成する。補間信号生成部(+M度用)62は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+M度)の補間を行って第2の補間信号kを生成する。補間信号生成部(−M度用)63は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−M度)の補間を行って第2の補間信号mを生成する。
【0027】
補間信号混合部64は、上記第2の補間信号d,e,f,g,h,j,…,k,m毎に、当該第2の補間信号と同一方向で角度の異なる斜め方向の補間に対応する他の第2の補間信号を所定の割合で混合して第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzを生成する。特に、この実施例では、補間信号混合部64は、相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、この角度と極性が同じで、かつ、この角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合する構成とされ、予め定められた規定値を例えば45度とすると、45度よりも浅い角度の斜め方向の補間に対応する第2の補間信号に対して、より深い角度の斜め方向の補間に対応する第4の補間信号を混合する。第2の補間信号と第4の補間信号とは、同じ割合で混合することもできるし、第2の補間信号の割合を大きくすることもできる。この混合の割合は、どのような画質を期待するかにより決定される。
【0028】
孤立点除去部53は、補間角度補正部52から出力される補間角度判定信号nから空間的に孤立した判定結果を表す孤立点を除去して、補間角度判定信号pを生成する。ここで、空間的に孤立した判定結果とは、補間対象画素及び同補間対象画素がある走査線上の同補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、同補間対象画素について検出された相関の最も高い第1の角度が周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、第1の角度に対応する補間角度補正部52から出力される補間角度判定信号nは空間的に孤立した判定結果を表すと定義する。このような場合に、孤立点除去部53は、上記第1の角度を上記第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換える構成とされている。特に、この実施例では、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nが、連続した垂直方向の補間判定の間に所定数以下の斜め方向の補間判定があることを示すとき、斜め方向の補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える。また、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nが、連続した同一方向の斜め補間判定の間に所定数以下の逆方向の斜め補間判定があることを示すとき、逆方向の斜め補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える。また、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nが、2点以上連続した同一の斜め方向の補間判定の間に所定数以上の垂直方向の補間判定があることを示すとき、垂直方向の補間判定を同一の斜め方向の補間判定に切り替える。
【0029】
また、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nに基づいて同一方向の角度の異なる斜め方向の補間判定の連続点を計数し、同連続点が設定値以下のとき、斜め方向の補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える。また、補間画素Xがある走査線に対して1行前の走査線上の画素Xに対応する画素をA(0)、画素A(0)の左側に隣接する画素をA(−1)、右側に隣接する画素をA(1)、補間画素Xがある走査線に対して1行後の走査線上の画素Xに対応する画素をB(0)、画素B(0)の左側に隣接する画素をB(−1)、及び右側に隣接する画素をB(1)としたとき、孤立点除去部53は、画素Xの左側又は右側に隣接する補間すべき画素に対する補間判定が垂直方向を示し、かつ、画素Xの補間判定が、画素A(−1)と画素B(1)、又は画素A(1)と画素B(−1)による補間以外の斜め補間判定を示すとき、画素Xの補間判定を、画素A(−1)と画素B(1)、又は該画素A(1)と画素B(−1)による斜め補間判定に切り替える。
【0030】
上記斜め補間判定部51、補間角度補正部52及び孤立点除去部53により、補間角度判定手段が構成されている。この補間角度判定手段は、補間画素X及び同補間画素がある走査線上の同補間画素Xの周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、補間画素Xについて検出された相関の最も高い第1の角度が周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、第1の角度を第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換える。補間信号選択部65は、孤立点除去部53からの補間角度判定信号pに基づいて、第1の補間信号c又は第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzのうちの一つを選択して補間画素Xの画素データを設定するための第3の補間信号xを出力する。
【0031】
図5は、図4の走査線補間回路が用いられる画像表示装置の電気的構成の一例を示す概略のブロック図である。
この画像表示装置は、同図5に示すように、プラズマ表示装置であり、アナログインタフェース70と、PDPモジュール80とから構成されている。アナログインタフェース70は、クロマ・デコーダを備えるY/C(輝度色)分離回路71と、A/D(アナログ/デジタル)変換回路72と、PLL(位相ロック)回路を有する同期信号制御回路73と、画像フォーマット変換回路74と、逆γ変換回路75と、システム・コントロール回路76と、PLE(Peak Luminance Enhancement)制御回路77と、走査線補間回路78とから構成されている。走査線補間回路78は、図4に示す構成になっている。PDPモジュール80は、デジタル信号処理制御回路81と、パネル部82と、DC/DCコンバータを内蔵するモジュール内電源回路83とから構成されている。デジタル信号処理制御回路81は、入力インタフェース信号処理回路84と、フレームメモリ85と、メモリ制御回路86と、ドライバ制御回路87とから構成されている。
【0032】
パネル部82は、PDP92と、同PDP92の走査電極を駆動する走査ドライバ88と、データ電極を駆動するデータドライバ89A,89Bと、PDP92及び走査ドライバ88にパルス電圧を供給する高圧パルス回路90A,90Bと、同高圧パルス回路90A,90Bで発生する余剰電力を回収する電力回収回路91とから構成されている。
【0033】
このプラズマ表示装置では、概略的には、インタレースに対応したアナログ映像信号がアナログ・インタフェース70でデジタル映像信号に変換され、同デジタル映像信号がPDPモジュール80に供給される。たとえば、図示しないテレビチューナなどから出力されたアナログ映像信号は、Y/C分離回路71でR,G,Bの各色の輝度信号に分離された後、A/D変換回路72でデジタル映像信号に変換される。このデジタル映像信号は、インタレースに対応した信号であるため、走査線補間回路78により画素が補間され、画像フォーマット変換回路74で順次走査に対応したフォーマットの映像信号に変換される。
【0034】
また、PDP92の入力信号に対する表示輝度の特性は線形的に比例するが、通常の映像信号はCRTの特性に合わせて予め補正(γ変換)されている。このため、A/D変換回路72においてアナログ映像信号のA/D変換が行われた後、逆γ変換回路75で逆γ変換が行われる。この逆γ変換において、線形特性に復元されたデジタル映像信号が生成される。このデジタル映像信号は、R,G,B映像信号としてPDPモジュール80へ出力される。
【0035】
また、アナログ映像信号には、A/D変換用のサンプリングクロック及びデータクロック信号が含まれていないため、同期信号制御回路73に内蔵されているPLL回路で、アナログ映像信号と同時に供給される水平同期信号を基準としてサンプリングクロック及びデータクロック信号が生成され、PDPモジュール80へ出力される。また、アナログインタフェース70のPLE制御回路77は、PDPモジュール80に対して輝度の制御を行う。具体的には、平均輝度レベルが所定値以下である場合には表示輝度を上昇させ、平均輝度レベルが所定値を超える場合には表示輝度を低下させる。PLE制御回路77では、平均輝度レベルに応じて輝度制御データが設定され、入力インタフェース信号処理回路84内の図示しない輝度レベル制御回路へ送出される。
【0036】
システム・コントロール回路76からは、各種制御信号がPDPモジュール80へ送出される。たとえば、入力インタフェース信号処理回路84に入力されたR,G,B映像信号の平均輝度レベルは、同入力インタフェース信号処理回格84内の図示しない入力信号平均輝度レベル演算回路により計算され、たとえば10ビットデータとして出力される。デジタル信号処理制御回路81では、入力インタフェース信号処理回路84でこれらの各種信号が処理された後、制御信号がパネル部82に送出される。同時に、メモリ制御回路86及びドライバ制御回路87からメモリ制御信号及びドライバ制御信号がパネル部82に送出される。
【0037】
PDP92は、たとえば、1365×768画素を有している。PDP92では、走査ドライバ88で走査電極が制御され、かつデータドライバ89A,89Bでデータ電極が制御されることにより、これらの画素のうちの所定の画素の点灯又は非点灯が制御され、R,G,B映像信号に対応した表示が行われる。また、ロジック用電源により、デジタル信号処理制御回路81及びパネル部82にロジック用電力が供給される。また、表示用電源からモジュール内電源回路83に直流電力が供給され、この直流電力の電圧が所定の電圧に変換された後、パネル部82に供給される。
【0038】
図6は、上下ライン一致度判定部54及び補間角度補正部52の作用を示す図、図7、図8、図9、図10及び図11は、孤立点除去部53の作用を示す図、図12及び図13は、補間信号混合部64による効果を示す図、及び図14が、従来の斜め補間の結果を示す図である。
これらの図を参照して、この例の走査線補間回路に用いられる走査線補間方法の処理内容について説明する。
この走査線補間回路では、補間画素Xがある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、補間画素Xの画素データが作成される。
【0039】
この場合、走査線の方向を基準として、各画素データの相関が最も高い角度が判定され(補間角度判定処理)、各第1の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第1の中央画素及び同第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び各第2の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第2の中央画素及び同第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度が判定される(画素データ一致度判定処理)。そして、上記一致度が予め定められた規定値より高いときは走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び同一致度が同規定値以下のときは補間角度判定処理により判定された相関が最も高い角度に対応する方向の補間が行われる。
【0040】
また、補間角度判定処理では、補間画素X及び同補間画素Xがある走査線上の同補間画素Xの周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度が検出され、同補間対象画素について検出された相関の最も高い第1の角度が周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、同第1の角度を同第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換えられる。また、補間角度判定処理により判定された相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、この角度と極性が同じで、かつ、この角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間が所定の割合で混合される。
【0041】
たとえば、インタレース信号である映像入力信号inが斜め補間判定部51に入力され、第K−1行目の走査線上に供給される画素及び第K+1行目の走査線上に供給される画素が同時に得られる。そして、図1に示すように、補間画素Xを中心として点対称となる、画素A(0)と画素B(0)との上下方向の補間判定の組、画素A(−1)と画素B(1)、画素A(−2)と画素B(2)、画素A(−3)と画素B(3)、…、及び画素A(−N)と画素B(N)(N;正の整数)の−の角度の斜め方向の補間判定の組、画素A(1)と画素B(−1)、画素A(2)と画素B(−2)、画素A(3)と画素B(−3)、…、及び画素A(N)と画素B(−N)の+の角度の斜め方向の補間判定の組のうちから、組同士の差分の絶対値の最小値をとることによって得られる情報により、相関の高さが判定されて補間角度判定信号aが出力される。
【0042】
また、上下ライン一致度判定部54に映像入力信号inが入力され、同時に上下のラインの情報が得られる。そして、同上下ライン一致度判定部54にて、図1中の画素A(−1),A(0),A(1)、及び画素B(−1),B(0),B(1)の少なくとも3画素以上を用いて、
A(−1)=A(0)、A(−1)=A(1)、A(0)=A(1)、かつ、
B(−1)=B(0)、B(−1)=B(1)、B(0)=B(1)
と判定された場合、画素データAと画素データBとが一致したものとして判定されて1ビットのフラグ(判定信号b、たとえば、一致時に“1”、不一致時に“0”)が出力される(画素データ一致度判定処理)。また、上下のラインが一致していない場合でも、センター画素が極大値又は極小値となる場合、すなわち、
A(−1)≦A(0)≧A(1)、又はA(−1)≧A(0)≦A(1)、かつ、
B(−1)≦B(0)≧B(1)、又はB(−1)≧B(0)≦B(1)
の関係にあるときも、判定信号bとして“1”が出力される。
【0043】
補間角度補正部52では、上下ライン一致度判定部54からの判定信号bが“1”のとき、斜め補間判定部51からの第1の補間角度判定信号aが上下方向の補間(90度補間)に対応したものに補正され、補間角度判定信号nが出力される。この場合、たとえば図6(a)に示すように、斜め補間判定部51に入力されるインタレース信号inにおいて、文字の横線など、真横の線が連続する場合、斜め方向の補間が制限され、設定された画素以上、たとえば3画素以上同じ画素データが続く場合に上下方向の補間が行われるよう制御されるため、図6(b)(補間1)に示すように、横線の先細り現象が最小限に抑えられる。また、補間画素Xの真下の画素の画素データが共に極大値又は極小値となる場合では、図6(c)(補間2)に示すように、横線の先細り現象がほぼ完全に抑えられる。なお、斜め方向の補間をそのまま行うと、図6(d)(斜め15度補間)に示すように、横線の先細り現象が顕著となる。
【0044】
補間信号生成部(上下補間用)55では、画素A(0)と画素B(0)との画素データの平均値をとることにより、第1の補間信号cが生成される。補間信号生成部(+45度用)56では、画素A(1)と画素B(−1)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号dが生成される。補間信号生成部(−45度用)57では、画素A(−1)と画素B(1)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号eが生成される。補間信号生成部(+31度用)58では、画素A(2)と画素B(−2)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号fが生成される。補間信号生成部(−31度用)59では、画素A(−2)と画素B(2)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号gが生成される。補間信号生成部(+23度用)60では、画素A(3)と画素B(−3)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号hが生成される。補間信号生成部(−23度用)61では、画素A(−3)と画素B(3)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号jが生成される。
【0045】
正方画素を仮定すると、一般に、画素A(N)と画素B(−N)との補間角度は、
ATAN{3÷(2N+1)}*180÷π
で与えられる。画素A(N)と画素B(−N)との補間角度を+M度、及び画素A(−N)と画素B(N)の補間角度を−M度とすると、補間信号生成部(+M度用)62では、画素A(N)と画素B(−N)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号kが生成される。補間信号生成部(−M度用)63では、画素A(−N)と画素B(N)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号mが生成される。
【0046】
第2の補間信号d,e,f,g,h,j,…,k,mは、補間信号混合部64に入力され、±45度補間(第2の補間信号d,e)を除く浅い角度の斜め補間に対しては、同一方向の角度の異なる斜め補間との平均をとることにより、第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzとして出力される。たとえば、補間信号生成部(+31度用)58からの第2の補間信号fは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(+45度用)56からの第2の補間信号dとの平均をとることにより、第4の補間信号fzとして出力される。また、補間信号生成部(+31度用)58からの第2の補間信号fは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(+45度用)56からの第2の補間信号dとの重み付け平均をとることにより、第4の補間信号を作成することもできる。補間信号fと補間信号dとの重みを例えば2:1とすることにより、単純平均の場合に比べて原信号に近い画像が再現されることがある。一方、単純平均をとると、一般には、滑らかな画像が再現される。
【0047】
また、補間信号生成部(−31度用)59からの第2の補間信号gは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(−45度用)57からの第2の補間信号eとの平均をとることにより、第4の補間信号gzとして出力される。補間信号生成部(+23度用)60からの第2の補間信号hは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(+31度用)58からの第2の補間信号fと、補間信号生成部(+45度用)56からの第2の補間信号dとの平均をとることにより、第4の補間信号hzとして出力される。補間信号生成部(−23度用)61からの第2の補間信号jは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(−31度用)59からの第2の補間信号gと、補間信号生成部(−45度用)57からの第2の補間信号eとの平均をとることにより、第4の補間信号jzとして出力される。
【0048】
孤立点除去部53では、補間角度補正部52からの補間角度判定信号nが入力され、図示しない1画素単位の遅延手段により、同補間角度判定信号nの過去と未来との情報を得て補間判定の連続性が検出される。そして、孤立した補間判定がある場合は最適な判定に切り替えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。たとえば、図7に示すように、孤立点除去部53では、補間角度判定信号nから、クロック(CLOCK )信号に同期して補間角度の判定結果が検出され、連続した上下方向の判定の間の1点が斜め方向の判定のとき、この斜め方向の判定が上下方向の判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。また、図8に示すように、連続した同一方向の斜め方向の判定の間の1点が逆方向の斜め方向の判定のとき、この斜め方向の判定が上下方向の判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。
【0049】
また、図9に示すように、2点以上連続した同一方向の斜め方向の判定の間の1点が上下方向の判定のとき、この上下方向の判定が同一方向の斜め方向の判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。また、図10に示すように、補間角度判定信号nから、同一方向の角度の異なる斜め方向の補間判定の連続点が判定され、同連続点が設定値以下であれば、上下方向の補間判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。また、図11に示すように、上下方向の補間判定の前後の斜め方向の補間判定が±45度補間判定以外のとき、±45度補間判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される(補間角度判定処理)。
【0050】
補間信号選択部65では、孤立点除去部53からの補間角度判定信号pに基づいて、補間信号生成部(上下補間用)55からの第1の補間信号c、及び補間信号混合部64からの第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzのうちの1つが選択され、第3の補間信号xとして出力される。
【0051】
図12及び図13では、補間信号混合部64による効果が示され、横軸に画素の番号、及び縦軸に画素データがとられている。
これらの図では、「上ライン」及び「下ライン」の折線は、入力されるインタレース信号inを表し、他の折線は、「上ライン」及び「下ライン」を用いて生成した補間信号を表す。「上下補間」の折線は、補間画素Xを中心とした点対称となる上ライン及び下ライン上の上下の2点の平均値から求められる。「45度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素を中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ3画素のうちの斜め方向の2点の平均値から求められる。「15度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素を中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ11画素のうちの最も外側にある画素を用いて、2点の平均値から求められる。「ブレンド補間」の折線は、同一方向の角度の異なる斜め補間(すなわち、斜め45度から15度までの補間)を混合することにより求められる。
【0052】
同図12に示すように、「ブレンド補間」では、「15度補間」と同程度の斜め補間の効きを保ちつつ、かつ、最も滑らかな斜め線が作り出され、従来の図3中の「ブレンド補間」に比較して斜め方向の補間の効果が改善されている。また、同図13に示すように、「15度補間」の折線は、上下ラインに傾きがある部分の斜め判定が効いている部分では、ほぼ横線となり、同図中央の斜め判定が途切れて「上下補間」と同じ状態となる部分の直前にて急峻に立ち上がる波形となっている。この場合、図14(a)に示すように、原形が楕円の場合、斜め補間を用いることにより、図14(b)に示すように、十字形となる。一方、「ブレンド補間」の折線は、斜め判定が効いている間は、上下ラインの傾きのほぼ等しい状態を保ったラインを描いて斜め判定が途切れて上下補間となる切り替わりの部分でも、滑らかに切り替わっている。
【0053】
以上のように、この第1の実施例では、上下ライン一致度判定部54により、補間画素Xの上方の第K−1行目の走査線上の3画素以上の画素データA、及び同補間画素Xの下方の第K+1行目の走査線上の3画素以上の画素データBの一致度が判定されて判定信号bが生成され、同判定信号bが画素データAと画素データBとの一致を示すとき、補間角度補正部52により、斜め補間判定部51からの補間角度判定信号aが補間画素Xを中心とする上下方向の角度に対応したものに補正されて補間角度判定信号nとして出力されるので、真横の線が連続する場合でも、横線の先細り現象が抑えられる。
【0054】
また、孤立点除去部53により、補間角度補正部52からの補間角度判定信号nにおける補間判定の連続性が検出され、孤立した補間判定がある場合は最適な判定に切り替えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力されるので、斜めの角度判定の誤判定による弊害であるフリッカ、明点、暗点などの孤立点が除去される。また、補間信号混合部64により、±45度補間を除く浅い角度の斜め補間に対しては、同一方向の角度の異なる斜め補間との平均をとることにより、第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzが出力されるので、浅い角度の斜め線の効果を保ったまま、斜め方向の補間と上下方向の補間との切り替わり点に発生するエッジなどが軽減され、滑らかな表示が行われる。
【実施例2】
【0055】
第2の実施例の走査線補間回路では、第1の実施例を示す図4中の補間信号混合部64が削除され、補間信号生成部56,57,…,62,63が補間信号選択部65に接続されている。この場合、孤立点除去部53では、補間角度判定信号nから、クロック(CLOCK )信号に同期して補間角度の判定結果が検出され、第1の実施例の図11に示すように、上下方向の補間判定の前後の斜め方向の補間判定が±45度補間判定以外のとき、±45度補間判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力されるので、複数の角度を用いて行う斜め補間の効果を保ったまま、斜め補間と上下補間との切り替わり点に発生するエッジなどが軽減され、滑らかな表示が行われる。このため、補間信号混合部64がある場合とほぼ同様の利点が得られる。
【0056】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、上記実施例では、補間画素Xがある走査線に対して1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、同補間画素Xの画素データが作成されるようになっているが、同補間画素Xがある走査線に対して複数行前後の走査線上の各画素データに基づいて補間を行うことにより、より補間の精度が向上する。
【0057】
また、補間信号混合部64は、同混合部64の回路規模に応じて45度補間乃至M度補間までの内側の補間を任意数省く構成となっていてもよい。また、補間信号混合部64は、±45度補間(第2の補間信号d,e)を除く浅い角度の斜め補間に対しては、同一方向の角度の異なる斜め補間との平均をとる構成になっているが、この平均をとる構成に限らず、たとえば、第3の補間信号xの優劣に応じて、割合を調整して混合して第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzを出力する構成としても良い。
【0058】
また、図4中の補間角度補正部52、孤立点除去部53及び上下ライン一致度判定部54を削除しても、補間信号混合部64のみの利点が得られる。また、この発明は、プラズマ表示装置の他、液晶表示装置、EL(エレクトロルミネセンス)表示装置、プログレッシブ(順次)走査方式のCRT表示装置など、映像入力信号をインタレース信号からブログレッシブ信号に変換して用いる画像表示装置全般に適用できる。また、上記各実施例では、インタレース信号からプログレッシブ信号に変換する例を説明したが、この発明は、補間画素を生成して表示画面を高解像度化する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】斜め相関適応型の走査線補間方法を説明する図である。
【図2】特許文献1に記載された走査線補間回路の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図2及び特許文献2の走査線補間装置における補間の効果を示す図である。
【図4】この発明の第1の実施例である走査線補間回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4の走査線補間回路が用いられる画像表示装置の電気的構成の一例を示す概略のブロック図である。
【図6】上下ライン一致度判定部54及び補間角度補正部52の作用を示す図である。
【図7】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図8】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図9】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図10】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図11】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図12】補間信号混合部64による効果を示す図である。
【図13】補間信号混合部64による効果を示す図である。
【図14】従来の斜め補間の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
51 斜め補間判定部(補間角度判定手段の一部)
52 補間角度補正部(補間角度判定手段の一部)
53 孤立点除去部(補間角度判定手段の一部)
54 上下ライン一致度判定部(画素データ一致度判定手段)
55 補間信号生成部(上下補間用)(走査線補間回路の一部)
56 補間信号生成部(+45度用)(走査線補間回路の一部)
57 補間信号生成部(−45度用)(走査線補間回路の一部)
58 補間信号生成部(+31度用)(走査線補間回路の一部)
59 補間信号生成部(−31度用)(走査線補間回路の一部)
60 補間信号生成部(+23度用)(走査線補間回路の一部)
61 補間信号生成部(−23度用)(走査線補間回路の一部)
62 補間信号生成部(+M度用)(走査線補間回路の一部)
63 補間信号生成部(−M度用)(走査線補間回路の一部)
64 補間信号混合部(走査線補間回路の一部)
65 補間信号選択部(走査線補間回路の一部)
70 アナログインタフェース(画像表示装置の一部)
78 走査線補間回路
80 PDPモジュール(画像表示装置の一部)
【技術分野】
【0001】
この発明は、走査線補間回路、該走査線補間回路に用いられる走査線補間方法、及び画像表示装置に係り、たとえば、プラズマ表示装置、液晶表示装置、プログレッシブ(順次)走査方式のブラウン管などの表示装置において、映像入力信号をインタレース(飛越し走査)信号からブログレッシブ(順次走査)信号に変換するとき、複数の画素の垂直方向及び斜め方向の相関を判定し、この判定結果に基づいて補間画素を生成する場合などに用いられる走査線補間回路、該走査線補間回路に用いられる走査線補間方法、及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン信号などの映像入力信号をインタレース信号からブログレッシブ信号に変換するとき、動きのある映像信号に対しては、各フィールド間の相関が低いため、同一のフィールド内で相関の高い情報を用いて補間が行われる。このとき、補間用の走査線を挟む上下の走査線上の画素データの平均のみに基づいて補間信号を生成すると、表示画面に斜線が含まれている場合、同斜線のエッジがギザギザ(ジャギー)に表示される。このため、表示画面中の斜線のジャギーを軽減するための走査線補間方法が提案されている。
【0003】
この種の走査線補間方法としては、斜め相関適応型の方法がある。
斜め相関適応型の走査線補間方法では、たとえば図1に示すように、補間対象画素(補間画素)Xがある第K行目(K;2以上の整数)走査線の上方の第K−1行目の走査線(映像入力上ライン)の同補間画素Xに対応する画素をA(0)、同第K−1行目の走査線上に配列されている画素A(0)より左側の画素を画素A(0)に近い方から順に画素A(−1),A(−2),A(−3),…,A(−N)(N;正の整数)、及び同第K−1行目の走査線上に配列されている画素A(0)より右側の画素を画素A(0)に近い方から順に画素A(1),A(2),A(3),…,A(N)とする。また、補間画素Xの下方の第K+1行目の走査線(映像入力下ライン)の同補間画素Xに対応する画素をB(0)、同第K+1行目の走査線上に供給される画素B(0)より左側の画素を画素B(0)に近い方から順に画素B(−1),B(−2),B(−3),…,B(−N)(Nは正の整数)、及び同第K+1行目の走査線上に供給される画素B(0)より右側の画素を画素B(0)に近い方から順に画素B(1),B(2),B(3),…,B(N)とする。
【0004】
従来では、補間画素Xに対する上下方向の画素A(0)と画素B(0)との画素データの差分の絶対値と、斜め方向の画素A(m)と画素B(−m)(m;正の整数) との画素データの差分の絶対値と、他の斜め方向の画素A(−m)と画素B(m)との画素データの差分の絶対値との大きさとを比較し、絶対値の最も小さい方向が相関が高いものと判定される。この場合、上下方向の相関が高いとき、画素A(0)と画素B(0)との画素データの平均値を補間画素Xの画素データとする。また、斜め方向の相関が高く、かつ画素A(m)と画素B(−m)との画素データの差分の絶対値が最も小さいとき、画素A(m)と画素B(−m)との画素データの平均値を補間画素Xの画素データとする。また、他の斜め方向の相関が高く、かつ画素A(−m)と画素B(m)との画素データの差分の絶対値が最も小さいとき、画素A(−m)と画素B(m)との画素データの平均値を補間画素Xの画素データとする。このようにして、斜線のジャギーが軽減される。
【0005】
従来、この種の技術としては、たとえば、次のような文献に記載されたものがある。
図2は、特許文献1に記載された走査線補間回路の電気的構成を示すブロック図である。
この走査線補間回路は、同図2に示すように、1ライン遅延回路1と、1画素遅延回路11,12,13,14,15,16,17と、1画素遅延回路21,22,23,24,25,26,27と、差分絶対値回路31,32,33,34,35,36,37と、平均値回路41,42,43,44,45,46,47と、最小値検出回路48と、補間信号選択回路49とから構成されている。
【0006】
この走査線補間回路では、インタレース信号である映像入力信号inが、1ライン遅延回路1を経て1画素遅延回路11,12,13,14,15,16,17に順次入力されると共に、1画素遅延回路21,22,23,24,25,26,27に順次入力される。そして、1画素遅延回路11,12,13,14,15,16,17から、第K−1行目の走査線上に供給される画素A(−3),A(−2),A(−1),A(0),A(1),A(2),A(3)の画素データがそれぞれ出力される。また、1画素遅延回路21,22,23,24,25,26,27から、第2の走査線上に供給される画素B(−3),B(−2),B(−1),B(0),B(1),B(2),B(3)の画素データがそれぞれ出力される。
【0007】
画素A(3),A(2),A(1),A(0),A(−1),A(−2),A(−3)及び画素B(−3),B(−2),B(−1),B(0),B(1),B(2),B(3)の画素データは、それぞれ差分絶対値回路31,32,33,34,35,36,37に入力され、同差分絶対値回路31,32,33,34,35,36,37から、上下2ラインの差分の絶対値|A(−3)−B(3)|,|A(−2)−B(2)|,|A(−1)−B(1)|,|A(0)−B(0)|,|A(1)−B(−1)|,|A(2)−B(−2)|,|A(3)−B(−3)|が出力される。
【0008】
また、画素A(3),A(2),A(1),A(0),A(−1),A(−2),A(−3)及び画素B(−3),B(−2),B(−1),B(0),B(1),B(2),B(3)の画素データは、それぞれ平均値回路41,42,43,44,45,46,47に入力され、同平均値回路41,42,43,44,45,46,47から、平均値[A(−3)+B(3)]/2,[A(−2)+B(2)]/2,[A(−1)+B(1)]/2,[A(0)+B(0)]/2,[A(1)+B(−1)]/2,[A(2)+B(−2)]/2,[A(3)+B(−3)]/2が出力される。最小値検出回路48では、上記差分の絶対値の最小値が検出され、補間信号選択回路49では、同最小値検出回路48で最小値が検出された方向及び角度と一致する画素の組に対応した平均値回路の出力が選択されて補間信号xの画素データとして出力される。
【0009】
また、特許文献2に記載された走査線補間装置では、補間信号生成手段において、斜め補間と上下補間とが混合されて補間信号が生成される。すなわち、補間すべき画素の斜め方向の画素の差分値が第1の値と第2の値との間にある場合に、垂直方向の画素を用いて算出された第1の補間値と斜め方向の画素を用いて算出された第2の補間値とを用いた演算により、補間すべき画素の値が算出されるので、斜め方向のエッジを有する画像において滑らかな補間処理が行われる。
【特許文献1】特開2003−18397号公報(第3頁、図12)
【特許文献2】特開2002−185934号公報(第10頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の走査線補間装置では、次のような問題点があった。
すなわち、図2の走査線補間装置では、最小値検出回路48で差分の絶対値の最小値が検出されるが、この場合、斜め線の角度の情報が増加すると、最小値が検出された方向に対して逆方向の斜め方向の判定が実際の最小値となっていることもあるため、誤判定が発生することがある。このとき、表示画面に、フリッカ、明点、暗点などが発生するという問題点がある。
【0011】
また、特許文献2の走査線補間装置では、上下方向の補間と斜め方向の補間とが混合されるため、斜め方向の補間の効果が半減するという問題点がある。また、上下方向の補間と斜め方向の補間とが全く混合されない場合、斜め方向の判定による補間信号と上下方向の判定による補間信号とが隣接しているとき、補間曲線が滑らかでなく、擬似エッジなどが発生し、表示画面が不自然となるという問題点がある。
【0012】
図3は、図2及び特許文献2の走査線補間装置における補間の効果を示す図であり、横軸に画素の番号、及び縦軸に画素データがとられている。
同図3では、「上ライン」及び「下ライン」の折線は、それぞれ第K−1行目の走査線上及び第K+1行目の走査線上に供給されるインタレース信号を表し、他の折線は、供給されるインタレース信号を用いて生成した補間信号を表す。「上下補間」の折線は、補間画素Xを中心とした点対称となる上ライン及び下ライン上の垂直の2点の平均値から求められる。「斜め45度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素Xを中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ3画素のうちの斜め方向の2点の平均値から求められる。「斜め15度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素Xを中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ11画素のうちの最も外側にある画素を用いて、2点の平均値から求められる。「ブレンド補間」の折線は、「上下補間」と「斜め15度補間」との平均値から求められる。この「ブレンド補間」の折線は、「斜め15度補間」の折線に対して傾きが緩やかになり、同「斜め15度補間」のみを用いた場合と比べて斜め方向の補間の効果が半減するという問題点があることを示している。本発明が解決しようとする課題としては、これらの問題点が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に係り、前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段と、前記各第1の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第1の中央画素及び該第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び前記各第2の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第2の中央画素及び該第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度を判定する画素データ一致度判定手段とを備え、前記一致度が予め定められた規定値より高いときは前記走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び前記一致度が前記規定値以下のときは前記補間角度判定手段により判定された前記相関が最も高い角度に対応する方向の補間を行う構成とされていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に係り、前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、該補間角度判定手段は、前記補間対象画素及び該補間対象画素がある走査線上の該補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、前記補間対象画素について検出された前記相関の最も高い第1の角度が前記周辺補間画素について検出された前記相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、前記第1の角度を前記第2の角度に対して相関のより高い角度に切り替える構成とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に係り、前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、該補間角度判定手段により判定された前記相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、該角度と極性が同じで該角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合する構成とされていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
補間対象画素がある走査線に対して、少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路について考える。具体的には、第1の画素のうちの走査線の方向の位置が補間対象画素と同一の第1の中央画素及び同第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素、たとえば第1の中央画素とその左に隣接する2画素、右に隣接する2画素、合わせて5画素の画素データ、及び上記各第2の画素のうちの走査線の方向の位置が補間対象画素と同一の第2の中央画素及び同第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素、たとえば第2の中央画素とその左に隣接する2画素、右に隣接する2画素、合わせて5画素の画素データ、すなわち10個の画素データに基づいて補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路について考える。
【0017】
具体的には、図1において、補間対象画素X、第1の参照画素A(−2),A(−1)、A(0)、A(1)、A(2)、第2の参照画素B(−2),B(−1)、B(0)、B(1)、B(2)を考える。補間角度判定手段により、走査線の方向を基準として、補間対象画素を通る直線上に配置される上記第1の画素と上記第2の画素の画素データの相関が最も高い角度が判定される。ここで相関とは、たとえば上記第1の画素と第2の画素の画素データの差分の絶対値又は絶対値の二乗が0に近いほど相関が高いと定義する。また、画素データ一致度判定手段により、第1の参照画素の画素データと第2の参照画素の画素データのそれぞれの一致度が判定され、第1の参照画素と第2の参照画素との総合的一致度が判定される。ここで第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いとは、たとえば対象となる第1の参照画素のそれぞれの隣接する画素の相互の画素データの差分の絶対値が全て予め定めた値より小さいことをいう。すなわち、
|A(−2)―A(−1)|、|A(−1)―A(0)|、
|A(0)―A(1)|、|A(1)―A(2)|
の値が規定値αより小さいとき、第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いという。さらに第1の参照画素の両端に配置される画素の画素データの差分の絶対値が所定の値より小さいことを条件に加えることもある。すなわち、|A(−2)―A(2)|の値が規定値βより小さいという条件をさらに満たす場合、第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いと言う。
【0018】
また、第1の参照画素の画素データの最大値と最小値との差分の絶対値が規定値γより小さいとき、第1の参照画素の一致度が予め定めた規定値より高いということもできる。また、第1の参照画素のそれぞれの隣接する画素の差分の絶対値の和、又は絶対値の二乗の和が小さいほど一致度が高いと定義することができる。あるいは、対象となる第1の参照画素の画素データの平均値に対する第1の参照画素の画素データそれぞれの差分の絶対値の和、又は絶対値の二乗の和が小さいほど一致度が高いと定義することができる。第2の参照画素の一致度も同様に定義でき、第1の参照画素及び第2の参照画素の一致度が共に予め定めた規定値より高いとき、第1の参照画素と第2の参照画素との総合的一致度も予め定めた規定値より高いと定義することができる。そして、この一致度が予め定められた規定値より高いときは走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び同一致度が同規定値以下のときは補間角度判定手段により判定された相関が最も高い角度に対応する方向の補間が行われる。これにより、文字の横線など、真横の線が連続する場合において、斜め方向の補間が制限され、所定数の画素以上、たとえば3画素以上同じ値が続く場合に、垂直方向の補間が行われるため、横線の細りが最小限に抑えられる。
【0019】
補間角度判定手段により、補間対象画素及び同補間対象画素がある走査線上の同補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度が検出され、同補間対象画素について検出された相関の最も高い第1の角度が同周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、同第1の角度が同第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換えられる。これにより、斜めの角度判定の誤判定による弊害であるフリッカ、明点、暗点などが除去される。
【0020】
補間角度判定手段により判定された相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、この角度と極性が同じで、かつ、この角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間が所定の割合で混合される。これにより、浅い角度の斜め線の効果を保ったまま、斜め方向の補間と垂直方向の補間との切り替わり点に発生するエッジなどが軽減され、滑らかな表示が行われる。
【実施例1】
【0021】
図4は、この発明の第1の実施例である走査線補間回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の走査線補間回路は、同図に示すように、斜め補間判定部51と、補間角度補正部52と、孤立点除去部53と、上下ライン一致度判定部54と、補間信号生成部(上下補間用)55と、補間信号生成部(+45度用)56と、補間信号生成部(−45度用)57と、補間信号生成部(+31度用)58と、補間信号生成部(−31度用)59と、補間信号生成部(+23度用)60と、補間信号生成部(−23度用)61と、図示しない補間信号生成部(他の角度用)と、補間信号生成部(+M度用)62(ただし、0<M<23)と、補間信号生成部(−M度用)63と、補間信号混合部64と、補間信号選択部65とから構成されている。
【0022】
斜め補間判定部51は、たとえばラインメモリなどの1ライン遅延手段を用いることにより、補間対象画素(補間画素)Xがある第K行目(K;2以上の整数)走査線の上方の第K−1行目の走査線(たとえば、図1中の映像入力上ライン)上に配列されている画素(第1の画素)に供給される画素データ及び第K+1行目の走査線(たとえば、図1中の映像入力下ライン)上に配列されている画素(第2の画素)に供給される画素データに対して、第K−1行目及び第K+1行目の走査線に対して垂直方向(たとえば、上下方向)及び複数の斜め方向のうちから画素データの相関が最も高い方向及び基準方向(たとえば、第K−1行目又は第K+1行目の走査線の方向)に対する角度を検出し、この検出された方向及び角度を表す補間角度判定信号aを生成する。
なお、図1において、走査線に対して左回りに測定した角度を+の方向又は+の極性、走査線に対して右回りに測定した角度を−の方向又は−の極性と定義する。この実施例では、単に「角度」というときは上記方向又は極性を含めるが、分かりやすくするために、「角度と方向」という場合もある。
【0023】
上下ライン一致度判定部54は、上記各第1の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第1の中央画素及び同第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データA、及び上記各第2の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第2の中央画素及び同第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データBの一致度を判定して判定信号bを生成する。また、この実施例では、上下ライン一致度判定部54は、画素データAの中において第1の中央画素の画素データが極大値又は極小値をとり、かつ画素データBの中において第2の中央画素の画素データが極大値又は極小値をとるとき、第1の参照画素と第2の参照画素とが一致したものとして判定する。
【0024】
補間角度補正部52は、上下ライン一致度判定部54からの判定信号bを入力し、同判定信号bが画素データAと画素データBとの一致を示すとき、補間角度判定信号aを、補間画素Xを中心とする上下方向の角度に対応したものに補正して補間角度判定信号nとして出力する。また、補間角度補正部52は、判定信号bが画素データAと前記画素データBとの不一致を示すとき、補間角度判定信号aを、そのまま補間角度判定信号nとして出力する。
【0025】
補間信号生成部(上下補間用)55は、補間画素Xに対する上下方向の補間を行って第1の補間信号cを生成する。補間信号生成部(+45度用)56は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+45度)の補間を行って第2の補間信号dを生成する。補間信号生成部(−45度用)57は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−45度)の補間を行って第2の補間信号eを生成する。補間信号生成部(+31度用)58は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+31度)の補間を行って第2の補間信号fを生成する。補間信号生成部(−31度用)59は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−31度)の補間を行って第2の補間信号gを生成する。
【0026】
補間信号生成部(+23度用)60は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+23度)の補間を行って第2の補間信号hを生成する。補間信号生成部(−23度用)61は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−23度)の補間を行って第2の補間信号jを生成する。図示しない補間信号生成部(他の角度用)は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(設定された角度)の補間を行って第2の補間信号を生成する。補間信号生成部(+M度用)62は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(+M度)の補間を行って第2の補間信号kを生成する。補間信号生成部(−M度用)63は、補間画素Xを中心とし、第K−1行目又は第K+1行目の走査線に対して斜め方向(−M度)の補間を行って第2の補間信号mを生成する。
【0027】
補間信号混合部64は、上記第2の補間信号d,e,f,g,h,j,…,k,m毎に、当該第2の補間信号と同一方向で角度の異なる斜め方向の補間に対応する他の第2の補間信号を所定の割合で混合して第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzを生成する。特に、この実施例では、補間信号混合部64は、相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、この角度と極性が同じで、かつ、この角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合する構成とされ、予め定められた規定値を例えば45度とすると、45度よりも浅い角度の斜め方向の補間に対応する第2の補間信号に対して、より深い角度の斜め方向の補間に対応する第4の補間信号を混合する。第2の補間信号と第4の補間信号とは、同じ割合で混合することもできるし、第2の補間信号の割合を大きくすることもできる。この混合の割合は、どのような画質を期待するかにより決定される。
【0028】
孤立点除去部53は、補間角度補正部52から出力される補間角度判定信号nから空間的に孤立した判定結果を表す孤立点を除去して、補間角度判定信号pを生成する。ここで、空間的に孤立した判定結果とは、補間対象画素及び同補間対象画素がある走査線上の同補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、同補間対象画素について検出された相関の最も高い第1の角度が周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、第1の角度に対応する補間角度補正部52から出力される補間角度判定信号nは空間的に孤立した判定結果を表すと定義する。このような場合に、孤立点除去部53は、上記第1の角度を上記第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換える構成とされている。特に、この実施例では、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nが、連続した垂直方向の補間判定の間に所定数以下の斜め方向の補間判定があることを示すとき、斜め方向の補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える。また、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nが、連続した同一方向の斜め補間判定の間に所定数以下の逆方向の斜め補間判定があることを示すとき、逆方向の斜め補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える。また、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nが、2点以上連続した同一の斜め方向の補間判定の間に所定数以上の垂直方向の補間判定があることを示すとき、垂直方向の補間判定を同一の斜め方向の補間判定に切り替える。
【0029】
また、孤立点除去部53は、補間角度判定信号nに基づいて同一方向の角度の異なる斜め方向の補間判定の連続点を計数し、同連続点が設定値以下のとき、斜め方向の補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える。また、補間画素Xがある走査線に対して1行前の走査線上の画素Xに対応する画素をA(0)、画素A(0)の左側に隣接する画素をA(−1)、右側に隣接する画素をA(1)、補間画素Xがある走査線に対して1行後の走査線上の画素Xに対応する画素をB(0)、画素B(0)の左側に隣接する画素をB(−1)、及び右側に隣接する画素をB(1)としたとき、孤立点除去部53は、画素Xの左側又は右側に隣接する補間すべき画素に対する補間判定が垂直方向を示し、かつ、画素Xの補間判定が、画素A(−1)と画素B(1)、又は画素A(1)と画素B(−1)による補間以外の斜め補間判定を示すとき、画素Xの補間判定を、画素A(−1)と画素B(1)、又は該画素A(1)と画素B(−1)による斜め補間判定に切り替える。
【0030】
上記斜め補間判定部51、補間角度補正部52及び孤立点除去部53により、補間角度判定手段が構成されている。この補間角度判定手段は、補間画素X及び同補間画素がある走査線上の同補間画素Xの周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、補間画素Xについて検出された相関の最も高い第1の角度が周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、第1の角度を第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換える。補間信号選択部65は、孤立点除去部53からの補間角度判定信号pに基づいて、第1の補間信号c又は第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzのうちの一つを選択して補間画素Xの画素データを設定するための第3の補間信号xを出力する。
【0031】
図5は、図4の走査線補間回路が用いられる画像表示装置の電気的構成の一例を示す概略のブロック図である。
この画像表示装置は、同図5に示すように、プラズマ表示装置であり、アナログインタフェース70と、PDPモジュール80とから構成されている。アナログインタフェース70は、クロマ・デコーダを備えるY/C(輝度色)分離回路71と、A/D(アナログ/デジタル)変換回路72と、PLL(位相ロック)回路を有する同期信号制御回路73と、画像フォーマット変換回路74と、逆γ変換回路75と、システム・コントロール回路76と、PLE(Peak Luminance Enhancement)制御回路77と、走査線補間回路78とから構成されている。走査線補間回路78は、図4に示す構成になっている。PDPモジュール80は、デジタル信号処理制御回路81と、パネル部82と、DC/DCコンバータを内蔵するモジュール内電源回路83とから構成されている。デジタル信号処理制御回路81は、入力インタフェース信号処理回路84と、フレームメモリ85と、メモリ制御回路86と、ドライバ制御回路87とから構成されている。
【0032】
パネル部82は、PDP92と、同PDP92の走査電極を駆動する走査ドライバ88と、データ電極を駆動するデータドライバ89A,89Bと、PDP92及び走査ドライバ88にパルス電圧を供給する高圧パルス回路90A,90Bと、同高圧パルス回路90A,90Bで発生する余剰電力を回収する電力回収回路91とから構成されている。
【0033】
このプラズマ表示装置では、概略的には、インタレースに対応したアナログ映像信号がアナログ・インタフェース70でデジタル映像信号に変換され、同デジタル映像信号がPDPモジュール80に供給される。たとえば、図示しないテレビチューナなどから出力されたアナログ映像信号は、Y/C分離回路71でR,G,Bの各色の輝度信号に分離された後、A/D変換回路72でデジタル映像信号に変換される。このデジタル映像信号は、インタレースに対応した信号であるため、走査線補間回路78により画素が補間され、画像フォーマット変換回路74で順次走査に対応したフォーマットの映像信号に変換される。
【0034】
また、PDP92の入力信号に対する表示輝度の特性は線形的に比例するが、通常の映像信号はCRTの特性に合わせて予め補正(γ変換)されている。このため、A/D変換回路72においてアナログ映像信号のA/D変換が行われた後、逆γ変換回路75で逆γ変換が行われる。この逆γ変換において、線形特性に復元されたデジタル映像信号が生成される。このデジタル映像信号は、R,G,B映像信号としてPDPモジュール80へ出力される。
【0035】
また、アナログ映像信号には、A/D変換用のサンプリングクロック及びデータクロック信号が含まれていないため、同期信号制御回路73に内蔵されているPLL回路で、アナログ映像信号と同時に供給される水平同期信号を基準としてサンプリングクロック及びデータクロック信号が生成され、PDPモジュール80へ出力される。また、アナログインタフェース70のPLE制御回路77は、PDPモジュール80に対して輝度の制御を行う。具体的には、平均輝度レベルが所定値以下である場合には表示輝度を上昇させ、平均輝度レベルが所定値を超える場合には表示輝度を低下させる。PLE制御回路77では、平均輝度レベルに応じて輝度制御データが設定され、入力インタフェース信号処理回路84内の図示しない輝度レベル制御回路へ送出される。
【0036】
システム・コントロール回路76からは、各種制御信号がPDPモジュール80へ送出される。たとえば、入力インタフェース信号処理回路84に入力されたR,G,B映像信号の平均輝度レベルは、同入力インタフェース信号処理回格84内の図示しない入力信号平均輝度レベル演算回路により計算され、たとえば10ビットデータとして出力される。デジタル信号処理制御回路81では、入力インタフェース信号処理回路84でこれらの各種信号が処理された後、制御信号がパネル部82に送出される。同時に、メモリ制御回路86及びドライバ制御回路87からメモリ制御信号及びドライバ制御信号がパネル部82に送出される。
【0037】
PDP92は、たとえば、1365×768画素を有している。PDP92では、走査ドライバ88で走査電極が制御され、かつデータドライバ89A,89Bでデータ電極が制御されることにより、これらの画素のうちの所定の画素の点灯又は非点灯が制御され、R,G,B映像信号に対応した表示が行われる。また、ロジック用電源により、デジタル信号処理制御回路81及びパネル部82にロジック用電力が供給される。また、表示用電源からモジュール内電源回路83に直流電力が供給され、この直流電力の電圧が所定の電圧に変換された後、パネル部82に供給される。
【0038】
図6は、上下ライン一致度判定部54及び補間角度補正部52の作用を示す図、図7、図8、図9、図10及び図11は、孤立点除去部53の作用を示す図、図12及び図13は、補間信号混合部64による効果を示す図、及び図14が、従来の斜め補間の結果を示す図である。
これらの図を参照して、この例の走査線補間回路に用いられる走査線補間方法の処理内容について説明する。
この走査線補間回路では、補間画素Xがある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、補間画素Xの画素データが作成される。
【0039】
この場合、走査線の方向を基準として、各画素データの相関が最も高い角度が判定され(補間角度判定処理)、各第1の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第1の中央画素及び同第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び各第2の画素のうちの走査線の方向の位置が補間画素Xと同一の第2の中央画素及び同第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度が判定される(画素データ一致度判定処理)。そして、上記一致度が予め定められた規定値より高いときは走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び同一致度が同規定値以下のときは補間角度判定処理により判定された相関が最も高い角度に対応する方向の補間が行われる。
【0040】
また、補間角度判定処理では、補間画素X及び同補間画素Xがある走査線上の同補間画素Xの周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度が検出され、同補間対象画素について検出された相関の最も高い第1の角度が周辺補間画素について検出された相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、同第1の角度を同第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換えられる。また、補間角度判定処理により判定された相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、この角度と極性が同じで、かつ、この角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間が所定の割合で混合される。
【0041】
たとえば、インタレース信号である映像入力信号inが斜め補間判定部51に入力され、第K−1行目の走査線上に供給される画素及び第K+1行目の走査線上に供給される画素が同時に得られる。そして、図1に示すように、補間画素Xを中心として点対称となる、画素A(0)と画素B(0)との上下方向の補間判定の組、画素A(−1)と画素B(1)、画素A(−2)と画素B(2)、画素A(−3)と画素B(3)、…、及び画素A(−N)と画素B(N)(N;正の整数)の−の角度の斜め方向の補間判定の組、画素A(1)と画素B(−1)、画素A(2)と画素B(−2)、画素A(3)と画素B(−3)、…、及び画素A(N)と画素B(−N)の+の角度の斜め方向の補間判定の組のうちから、組同士の差分の絶対値の最小値をとることによって得られる情報により、相関の高さが判定されて補間角度判定信号aが出力される。
【0042】
また、上下ライン一致度判定部54に映像入力信号inが入力され、同時に上下のラインの情報が得られる。そして、同上下ライン一致度判定部54にて、図1中の画素A(−1),A(0),A(1)、及び画素B(−1),B(0),B(1)の少なくとも3画素以上を用いて、
A(−1)=A(0)、A(−1)=A(1)、A(0)=A(1)、かつ、
B(−1)=B(0)、B(−1)=B(1)、B(0)=B(1)
と判定された場合、画素データAと画素データBとが一致したものとして判定されて1ビットのフラグ(判定信号b、たとえば、一致時に“1”、不一致時に“0”)が出力される(画素データ一致度判定処理)。また、上下のラインが一致していない場合でも、センター画素が極大値又は極小値となる場合、すなわち、
A(−1)≦A(0)≧A(1)、又はA(−1)≧A(0)≦A(1)、かつ、
B(−1)≦B(0)≧B(1)、又はB(−1)≧B(0)≦B(1)
の関係にあるときも、判定信号bとして“1”が出力される。
【0043】
補間角度補正部52では、上下ライン一致度判定部54からの判定信号bが“1”のとき、斜め補間判定部51からの第1の補間角度判定信号aが上下方向の補間(90度補間)に対応したものに補正され、補間角度判定信号nが出力される。この場合、たとえば図6(a)に示すように、斜め補間判定部51に入力されるインタレース信号inにおいて、文字の横線など、真横の線が連続する場合、斜め方向の補間が制限され、設定された画素以上、たとえば3画素以上同じ画素データが続く場合に上下方向の補間が行われるよう制御されるため、図6(b)(補間1)に示すように、横線の先細り現象が最小限に抑えられる。また、補間画素Xの真下の画素の画素データが共に極大値又は極小値となる場合では、図6(c)(補間2)に示すように、横線の先細り現象がほぼ完全に抑えられる。なお、斜め方向の補間をそのまま行うと、図6(d)(斜め15度補間)に示すように、横線の先細り現象が顕著となる。
【0044】
補間信号生成部(上下補間用)55では、画素A(0)と画素B(0)との画素データの平均値をとることにより、第1の補間信号cが生成される。補間信号生成部(+45度用)56では、画素A(1)と画素B(−1)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号dが生成される。補間信号生成部(−45度用)57では、画素A(−1)と画素B(1)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号eが生成される。補間信号生成部(+31度用)58では、画素A(2)と画素B(−2)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号fが生成される。補間信号生成部(−31度用)59では、画素A(−2)と画素B(2)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号gが生成される。補間信号生成部(+23度用)60では、画素A(3)と画素B(−3)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号hが生成される。補間信号生成部(−23度用)61では、画素A(−3)と画素B(3)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号jが生成される。
【0045】
正方画素を仮定すると、一般に、画素A(N)と画素B(−N)との補間角度は、
ATAN{3÷(2N+1)}*180÷π
で与えられる。画素A(N)と画素B(−N)との補間角度を+M度、及び画素A(−N)と画素B(N)の補間角度を−M度とすると、補間信号生成部(+M度用)62では、画素A(N)と画素B(−N)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号kが生成される。補間信号生成部(−M度用)63では、画素A(−N)と画素B(N)との画素データの平均値をとることにより、第2の補間信号mが生成される。
【0046】
第2の補間信号d,e,f,g,h,j,…,k,mは、補間信号混合部64に入力され、±45度補間(第2の補間信号d,e)を除く浅い角度の斜め補間に対しては、同一方向の角度の異なる斜め補間との平均をとることにより、第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzとして出力される。たとえば、補間信号生成部(+31度用)58からの第2の補間信号fは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(+45度用)56からの第2の補間信号dとの平均をとることにより、第4の補間信号fzとして出力される。また、補間信号生成部(+31度用)58からの第2の補間信号fは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(+45度用)56からの第2の補間信号dとの重み付け平均をとることにより、第4の補間信号を作成することもできる。補間信号fと補間信号dとの重みを例えば2:1とすることにより、単純平均の場合に比べて原信号に近い画像が再現されることがある。一方、単純平均をとると、一般には、滑らかな画像が再現される。
【0047】
また、補間信号生成部(−31度用)59からの第2の補間信号gは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(−45度用)57からの第2の補間信号eとの平均をとることにより、第4の補間信号gzとして出力される。補間信号生成部(+23度用)60からの第2の補間信号hは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(+31度用)58からの第2の補間信号fと、補間信号生成部(+45度用)56からの第2の補間信号dとの平均をとることにより、第4の補間信号hzとして出力される。補間信号生成部(−23度用)61からの第2の補間信号jは、補間信号混合部64にて補間信号生成部(−31度用)59からの第2の補間信号gと、補間信号生成部(−45度用)57からの第2の補間信号eとの平均をとることにより、第4の補間信号jzとして出力される。
【0048】
孤立点除去部53では、補間角度補正部52からの補間角度判定信号nが入力され、図示しない1画素単位の遅延手段により、同補間角度判定信号nの過去と未来との情報を得て補間判定の連続性が検出される。そして、孤立した補間判定がある場合は最適な判定に切り替えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。たとえば、図7に示すように、孤立点除去部53では、補間角度判定信号nから、クロック(CLOCK )信号に同期して補間角度の判定結果が検出され、連続した上下方向の判定の間の1点が斜め方向の判定のとき、この斜め方向の判定が上下方向の判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。また、図8に示すように、連続した同一方向の斜め方向の判定の間の1点が逆方向の斜め方向の判定のとき、この斜め方向の判定が上下方向の判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。
【0049】
また、図9に示すように、2点以上連続した同一方向の斜め方向の判定の間の1点が上下方向の判定のとき、この上下方向の判定が同一方向の斜め方向の判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。また、図10に示すように、補間角度判定信号nから、同一方向の角度の異なる斜め方向の補間判定の連続点が判定され、同連続点が設定値以下であれば、上下方向の補間判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される。また、図11に示すように、上下方向の補間判定の前後の斜め方向の補間判定が±45度補間判定以外のとき、±45度補間判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力される(補間角度判定処理)。
【0050】
補間信号選択部65では、孤立点除去部53からの補間角度判定信号pに基づいて、補間信号生成部(上下補間用)55からの第1の補間信号c、及び補間信号混合部64からの第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzのうちの1つが選択され、第3の補間信号xとして出力される。
【0051】
図12及び図13では、補間信号混合部64による効果が示され、横軸に画素の番号、及び縦軸に画素データがとられている。
これらの図では、「上ライン」及び「下ライン」の折線は、入力されるインタレース信号inを表し、他の折線は、「上ライン」及び「下ライン」を用いて生成した補間信号を表す。「上下補間」の折線は、補間画素Xを中心とした点対称となる上ライン及び下ライン上の上下の2点の平均値から求められる。「45度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素を中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ3画素のうちの斜め方向の2点の平均値から求められる。「15度補間」の折線は、1画素を正方画素として補間画素を中心とした点対称となる上下ライン上のそれぞれ11画素のうちの最も外側にある画素を用いて、2点の平均値から求められる。「ブレンド補間」の折線は、同一方向の角度の異なる斜め補間(すなわち、斜め45度から15度までの補間)を混合することにより求められる。
【0052】
同図12に示すように、「ブレンド補間」では、「15度補間」と同程度の斜め補間の効きを保ちつつ、かつ、最も滑らかな斜め線が作り出され、従来の図3中の「ブレンド補間」に比較して斜め方向の補間の効果が改善されている。また、同図13に示すように、「15度補間」の折線は、上下ラインに傾きがある部分の斜め判定が効いている部分では、ほぼ横線となり、同図中央の斜め判定が途切れて「上下補間」と同じ状態となる部分の直前にて急峻に立ち上がる波形となっている。この場合、図14(a)に示すように、原形が楕円の場合、斜め補間を用いることにより、図14(b)に示すように、十字形となる。一方、「ブレンド補間」の折線は、斜め判定が効いている間は、上下ラインの傾きのほぼ等しい状態を保ったラインを描いて斜め判定が途切れて上下補間となる切り替わりの部分でも、滑らかに切り替わっている。
【0053】
以上のように、この第1の実施例では、上下ライン一致度判定部54により、補間画素Xの上方の第K−1行目の走査線上の3画素以上の画素データA、及び同補間画素Xの下方の第K+1行目の走査線上の3画素以上の画素データBの一致度が判定されて判定信号bが生成され、同判定信号bが画素データAと画素データBとの一致を示すとき、補間角度補正部52により、斜め補間判定部51からの補間角度判定信号aが補間画素Xを中心とする上下方向の角度に対応したものに補正されて補間角度判定信号nとして出力されるので、真横の線が連続する場合でも、横線の先細り現象が抑えられる。
【0054】
また、孤立点除去部53により、補間角度補正部52からの補間角度判定信号nにおける補間判定の連続性が検出され、孤立した補間判定がある場合は最適な判定に切り替えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力されるので、斜めの角度判定の誤判定による弊害であるフリッカ、明点、暗点などの孤立点が除去される。また、補間信号混合部64により、±45度補間を除く浅い角度の斜め補間に対しては、同一方向の角度の異なる斜め補間との平均をとることにより、第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzが出力されるので、浅い角度の斜め線の効果を保ったまま、斜め方向の補間と上下方向の補間との切り替わり点に発生するエッジなどが軽減され、滑らかな表示が行われる。
【実施例2】
【0055】
第2の実施例の走査線補間回路では、第1の実施例を示す図4中の補間信号混合部64が削除され、補間信号生成部56,57,…,62,63が補間信号選択部65に接続されている。この場合、孤立点除去部53では、補間角度判定信号nから、クロック(CLOCK )信号に同期して補間角度の判定結果が検出され、第1の実施例の図11に示すように、上下方向の補間判定の前後の斜め方向の補間判定が±45度補間判定以外のとき、±45度補間判定に置き換えられ、孤立点が除去された補間角度判定信号pが出力されるので、複数の角度を用いて行う斜め補間の効果を保ったまま、斜め補間と上下補間との切り替わり点に発生するエッジなどが軽減され、滑らかな表示が行われる。このため、補間信号混合部64がある場合とほぼ同様の利点が得られる。
【0056】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、上記実施例では、補間画素Xがある走査線に対して1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、同補間画素Xの画素データが作成されるようになっているが、同補間画素Xがある走査線に対して複数行前後の走査線上の各画素データに基づいて補間を行うことにより、より補間の精度が向上する。
【0057】
また、補間信号混合部64は、同混合部64の回路規模に応じて45度補間乃至M度補間までの内側の補間を任意数省く構成となっていてもよい。また、補間信号混合部64は、±45度補間(第2の補間信号d,e)を除く浅い角度の斜め補間に対しては、同一方向の角度の異なる斜め補間との平均をとる構成になっているが、この平均をとる構成に限らず、たとえば、第3の補間信号xの優劣に応じて、割合を調整して混合して第4の補間信号dz,ez,fz,gz,hz,jz,…,kz,mzを出力する構成としても良い。
【0058】
また、図4中の補間角度補正部52、孤立点除去部53及び上下ライン一致度判定部54を削除しても、補間信号混合部64のみの利点が得られる。また、この発明は、プラズマ表示装置の他、液晶表示装置、EL(エレクトロルミネセンス)表示装置、プログレッシブ(順次)走査方式のCRT表示装置など、映像入力信号をインタレース信号からブログレッシブ信号に変換して用いる画像表示装置全般に適用できる。また、上記各実施例では、インタレース信号からプログレッシブ信号に変換する例を説明したが、この発明は、補間画素を生成して表示画面を高解像度化する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】斜め相関適応型の走査線補間方法を説明する図である。
【図2】特許文献1に記載された走査線補間回路の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図2及び特許文献2の走査線補間装置における補間の効果を示す図である。
【図4】この発明の第1の実施例である走査線補間回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4の走査線補間回路が用いられる画像表示装置の電気的構成の一例を示す概略のブロック図である。
【図6】上下ライン一致度判定部54及び補間角度補正部52の作用を示す図である。
【図7】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図8】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図9】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図10】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図11】孤立点除去部53の作用を示す図である。
【図12】補間信号混合部64による効果を示す図である。
【図13】補間信号混合部64による効果を示す図である。
【図14】従来の斜め補間の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
51 斜め補間判定部(補間角度判定手段の一部)
52 補間角度補正部(補間角度判定手段の一部)
53 孤立点除去部(補間角度判定手段の一部)
54 上下ライン一致度判定部(画素データ一致度判定手段)
55 補間信号生成部(上下補間用)(走査線補間回路の一部)
56 補間信号生成部(+45度用)(走査線補間回路の一部)
57 補間信号生成部(−45度用)(走査線補間回路の一部)
58 補間信号生成部(+31度用)(走査線補間回路の一部)
59 補間信号生成部(−31度用)(走査線補間回路の一部)
60 補間信号生成部(+23度用)(走査線補間回路の一部)
61 補間信号生成部(−23度用)(走査線補間回路の一部)
62 補間信号生成部(+M度用)(走査線補間回路の一部)
63 補間信号生成部(−M度用)(走査線補間回路の一部)
64 補間信号混合部(走査線補間回路の一部)
65 補間信号選択部(走査線補間回路の一部)
70 アナログインタフェース(画像表示装置の一部)
78 走査線補間回路
80 PDPモジュール(画像表示装置の一部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路であって、
前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段と、
前記各第1の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第1の中央画素及び該第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び前記各第2の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第2の中央画素及び該第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度を判定する画素データ一致度判定手段とを備え、
前記一致度が予め定められた規定値より高いときは前記走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び前記一致度が前記規定値以下のときは前記補間角度判定手段により判定された前記相関が最も高い角度に対応する方向の補間を行う構成とされていることを特徴とする走査線補間回路。
【請求項2】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路であって、
前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、
該補間角度判定手段は、
前記補間対象画素及び該補間対象画素がある走査線上の該補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、前記補間対象画素について検出された前記相関の最も高い第1の角度が前記周辺補間画素について検出された前記相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、前記第1の角度を前記第2の角度に対して相関のより高い角度に切り替える構成とされていることを特徴とする走査線補間回路。
【請求項3】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、
該補間角度判定手段により判定された前記相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、該角度と極性が同じで該角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合する構成とされていることを特徴とする走査線補間回路。
【請求項4】
前記画素データ一致度判定手段は、
前記第1の参照画素の画素データ及び第2の参照画素の画素データが共に極大値又は極小値となるとき、前記第1の参照画素と前記第2の参照画素とが一致したものとして判定する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の走査線補間回路。
【請求項5】
前記補間角度判定手段は、
連続した垂直方向の補間判定の間に所定数以下の斜め方向の補間判定があるとき、前記斜め方向の補間判定を前記垂直方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項6】
前記補間角度判定手段は、
連続した同一方向の斜め補間判定の間に所定数以下の逆方向の斜め補間判定があるとき、前記逆方向の斜め補間判定を前記垂直方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項7】
前記補間角度判定手段は、
2点以上連続した同一の斜め方向の補間判定の間に所定数以下の垂直方向の補間判定があるとき、前記垂直方向の補間判定を前記同一の斜め方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項8】
前記補間角度判定手段は、
同一方向の角度の異なる斜め方向の補間判定の連続点を計数し、該連続点が設定値以下のとき、前記斜め方向の補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項9】
前記補間対象画素をX、前記補間対象画素がある走査線に対して1行前の走査線上の前記画素Xに対応する画素をA(0)、該画素A(0)の左側に隣接する画素をA(−1)、右側に隣接する画素をA(1)、前記補間対象画素がある走査線に対して1行後の走査線上の前記画素Xに対応する画素をB(0)、該画素B(0)の左側に隣接する画素をB(−1)、及び右側に隣接する画素をB(1)としたとき、前記補間角度判定手段は、
前記画素Xの左側又は右側に隣接する補間すべき画素に対する補間判定が垂直方向を示し、かつ、前記画素Xの補間判定が、前記画素A(−1)と画素B(1)、又は前記画素A(1)と画素B(−1)による補間以外の斜め補間判定を示すとき、該画素Xの補間判定を、該画素A(−1)と画素B(1)、又は該画素A(1)と画素B(−1)による斜め補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項10】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に用いられる走査線補間方法であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定処理と、
前記各第1の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第1の中央画素及び該第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び前記各第2の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第2の中央画素及び該第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度を判定する画素データ一致度判定処理とを行い、
前記一致度が予め定められた規定値より高いときは前記走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び前記一致度が前記規定値以下のときは前記補間角度判定処理により判定された前記相関が最も高い角度に対応する方向の補間を行うことを特徴とする走査線補間方法。
【請求項11】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に用いられる走査線補間方法であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定処理を行い、
該補間角度判定処理では、
前記補間対象画素及び該補間対象画素がある走査線上の該補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、前記補間対象画素について検出された前記相関の最も高い第1の角度が前記周辺補間画素について検出された前記相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、前記第1の角度を前記第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換えることを特徴とする走査線補間方法。
【請求項12】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に用いられる走査線補間方法であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定処理を行い、
該補間角度判定処理により判定された前記相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、該角度と極性が同じで該角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合することを特徴とする走査線補間方法。
【請求項13】
請求項1乃至9のいずれか一に記載の走査線補間回路が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項14】
請求項10乃至12のいずれか一に記載の走査線補間方法を用いることを特徴とする画像表示装置。
【請求項1】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路であって、
前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段と、
前記各第1の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第1の中央画素及び該第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び前記各第2の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第2の中央画素及び該第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度を判定する画素データ一致度判定手段とを備え、
前記一致度が予め定められた規定値より高いときは前記走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び前記一致度が前記規定値以下のときは前記補間角度判定手段により判定された前記相関が最も高い角度に対応する方向の補間を行う構成とされていることを特徴とする走査線補間回路。
【請求項2】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路であって、
前記走査線の方向を基準として、前記補間対象画素を通る直線上に配置される前記第1の画素と前記第2の画素との画素データの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、
該補間角度判定手段は、
前記補間対象画素及び該補間対象画素がある走査線上の該補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、前記補間対象画素について検出された前記相関の最も高い第1の角度が前記周辺補間画素について検出された前記相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、前記第1の角度を前記第2の角度に対して相関のより高い角度に切り替える構成とされていることを特徴とする走査線補間回路。
【請求項3】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定手段を備え、
該補間角度判定手段により判定された前記相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、該角度と極性が同じで該角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合する構成とされていることを特徴とする走査線補間回路。
【請求項4】
前記画素データ一致度判定手段は、
前記第1の参照画素の画素データ及び第2の参照画素の画素データが共に極大値又は極小値となるとき、前記第1の参照画素と前記第2の参照画素とが一致したものとして判定する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の走査線補間回路。
【請求項5】
前記補間角度判定手段は、
連続した垂直方向の補間判定の間に所定数以下の斜め方向の補間判定があるとき、前記斜め方向の補間判定を前記垂直方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項6】
前記補間角度判定手段は、
連続した同一方向の斜め補間判定の間に所定数以下の逆方向の斜め補間判定があるとき、前記逆方向の斜め補間判定を前記垂直方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項7】
前記補間角度判定手段は、
2点以上連続した同一の斜め方向の補間判定の間に所定数以下の垂直方向の補間判定があるとき、前記垂直方向の補間判定を前記同一の斜め方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項8】
前記補間角度判定手段は、
同一方向の角度の異なる斜め方向の補間判定の連続点を計数し、該連続点が設定値以下のとき、前記斜め方向の補間判定を垂直方向の補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項9】
前記補間対象画素をX、前記補間対象画素がある走査線に対して1行前の走査線上の前記画素Xに対応する画素をA(0)、該画素A(0)の左側に隣接する画素をA(−1)、右側に隣接する画素をA(1)、前記補間対象画素がある走査線に対して1行後の走査線上の前記画素Xに対応する画素をB(0)、該画素B(0)の左側に隣接する画素をB(−1)、及び右側に隣接する画素をB(1)としたとき、前記補間角度判定手段は、
前記画素Xの左側又は右側に隣接する補間すべき画素に対する補間判定が垂直方向を示し、かつ、前記画素Xの補間判定が、前記画素A(−1)と画素B(1)、又は前記画素A(1)と画素B(−1)による補間以外の斜め補間判定を示すとき、該画素Xの補間判定を、該画素A(−1)と画素B(1)、又は該画素A(1)と画素B(−1)による斜め補間判定に切り替える構成とされていることを特徴とする請求項2記載の走査線補間回路。
【請求項10】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に用いられる走査線補間方法であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定処理と、
前記各第1の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第1の中央画素及び該第1の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第1の参照画素の画素データ、及び前記各第2の画素のうちの前記走査線の方向の位置が前記補間対象画素と同一の第2の中央画素及び該第2の中央画素の周辺の所定の画素から構成される第2の参照画素の画素データの一致度を判定する画素データ一致度判定処理とを行い、
前記一致度が予め定められた規定値より高いときは前記走査線の方向に対して垂直方向の補間、及び前記一致度が前記規定値以下のときは前記補間角度判定処理により判定された前記相関が最も高い角度に対応する方向の補間を行うことを特徴とする走査線補間方法。
【請求項11】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に用いられる走査線補間方法であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定処理を行い、
該補間角度判定処理では、
前記補間対象画素及び該補間対象画素がある走査線上の該補間対象画素の周辺に位置する所定の周辺補間画素についてそれぞれ相関の最も高い角度を検出し、前記補間対象画素について検出された前記相関の最も高い第1の角度が前記周辺補間画素について検出された前記相関の最も高い第2の角度に対して相関が低い場合、前記第1の角度を前記第2の角度に対して相関のより高い角度に置き換えることを特徴とする走査線補間方法。
【請求項12】
補間対象画素がある走査線に対して少なくとも1行前の走査線上の複数の第1の画素、及び少なくとも1行後の走査線上の複数の第2の画素の各画素データに基づいて、前記補間対象画素の画素データを作成する走査線補間回路に用いられる走査線補間方法であって、
前記走査線の方向を基準として、前記第1の画素の画素データと、前記第1の画素と前記補間対象画素とを結ぶ直線上に配置される前記第2の画素の画素データとの相関が最も高い角度を判定する補間角度判定処理を行い、
該補間角度判定処理により判定された前記相関の最も高い角度の絶対値が予め定められた規定値より小さいとき、該角度と極性が同じで該角度の絶対値よりも補間角度の絶対値が大きい補間を所定の割合で混合することを特徴とする走査線補間方法。
【請求項13】
請求項1乃至9のいずれか一に記載の走査線補間回路が設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項14】
請求項10乃至12のいずれか一に記載の走査線補間方法を用いることを特徴とする画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−60512(P2007−60512A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245978(P2005−245978)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000232151)パイオニアプラズマディスプレイ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000232151)パイオニアプラズマディスプレイ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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