説明

走行安定二輪車

【課題】幼児を前後に2人乗せた3人乗りに供する安定性の高い二輪車を提供する。
【解決手段】ハンドル軸110の上方かつ前輪操舵時の非可動部に、幼児用の補助椅子150bを設け、ハンドルバー113aを運転操作することによって、ハンドルバー113aに結合される縦部材111a、111b、112aと該縦部材に結合される前後支持部材115aとを介しハンドル軸120を、該ハンドル軸回りに回動させることによって、
前記ハンドル軸120の前方より前輪FWを操舵する。
【選択図】 図7


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前部の補助椅子及び/または前荷台を備え、前後に幼児2人を乗せた3人乗りにも供する安全性の高い二輪車(以下「走行安定二輪車」という。)に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車は、軽量安価で機動性が高く、買い物や、母親等による幼稚園児の送迎等に使用されているが、自転車の定員は、安全性の観点から道路交通法に基き都道府県公安委員会規則で、運転する大人のほかに幼児用座席に6歳未満の幼児1人の同乗が認められている。東京都などでは、更に幼児1人を背負って運転することも認められているが、定員に違反した場合には道交法違反で2万円以下の罰金または科料の対象となっている。
【0003】
しかし、実際には多くの母親等が幼稚園児の送迎や買い物等において3人乗りをするケースも多く、少子社会の育児支援や、女性の社会進出の観点等、幼児2人の同乗まで認めるべきとの社会的要請も少なくないことから、警視庁で検討がなされ、3人乗りをしても安定した構造の自転車であれば母親の前後に2人を乗せることも容認する方向で検討することになり、同庁は自転車産業振興協会等の関係団体に材質や構造、価格の面から3人乗り自転車の普及の可能性について検討を要請する等、3人乗りをしても安定した構造の自転車の開発が急がれることとなった。
【0004】
既に、前輪または後輪を2輪とした3輪自転車の発明が数多く開示されている。また下記特許文献1には、補助椅子を自転車の前輪ハンドル上方でかつハンドルの運転操作時の非可動部であるヘッドチューブに設置して、ハンドルの運転操作に影響のないとされる補助椅子が開示されている。
【特許文献1】特開2007−331729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、3輪自転車は重量が重く、構造が複雑で値段が高くなり、都市部等の狭い道路には不向きであり、かつ大きな駐輪スペースが必要となって従来の駐輪スペースでは対応できないという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献1に記載の自転車については、図8に側面図、図9(A)に正面図、(B)に平面図、(C)にハンドルを左側にフル操作したときの平面図が示されているが、補助椅子300は、補助椅子座台310と、該補助椅子座台を自転車200に固定するための補助椅子取付台320とから構成されており、該補助椅子取付台は、ハンドル操作時の非可動部であるヘッドチューブ230とメインフレーム240に、補助椅子取付台320のその取付台底板324に設けられた前後の取付固定材325、326と、バンド部材328、327とを使用してハンドル操作時の非可動部であるヘッドチューブ230とメインチューブ240に不図示のボルト・ナットで固定されている。
【0007】
また、取付台上板321と取付台底板324との間には前側に正面支柱板323、後側に後部支柱板322が設けられている。そしてハンドルバー210を左右に大きく回転操作すると、ハンドルバー210の下部が、正面支柱板323または後部支柱板322に干渉して、操作角が規制される。ハンドルを左側に操作した図7(C)において、ハンドルバー210の下部左側が後部支柱板322に干渉し、この時の操舵角は約45度とされている。
【0008】
従来の自転車のフル操作角は、90度を超えるように設計されているが,特許文献1に記載の自転車はフル操作角が小さくて、従来の自転車に慣れたユーザにとって、違和感があるのみならず、安定性に欠けることが懸念される。
【0009】
また、ハンドルバーに装着した補助椅子に幼児を乗せた自転車の場合には、ハンドル軸回りの慣性モーメントが大きくなり、特に低速走行時に安定性に欠ける。またこの走行安定性の問題はハンドルバーに装着した荷物籠に荷物を積載した自転車についても全く同一である。またハンドル軸の後方でメインフレームの先端部に補助椅子を装着した自転車は、ペダル操作時に膝が補助椅子に干渉し、特にスカートを着装した女性には不向きである。
【0010】
本発明は、係る問題点に鑑みて、鋭意研究・検討の結果なされたものであり、簡単な構造にして、二輪車の前部に幼児用の補助椅子及び/または前荷台を設けた二輪車(以下「走行安定二輪車」という。)であり、幼児2人を前後に乗せた3人乗りにも供する二輪車の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための第1の発明は、 ハンドル軸の上方かつ前輪操舵時の非可動部に、幼児用の補助椅子及び/または前荷台を設け、前記ハンドル軸の前方より前輪を操舵する二輪車であって、
ハンドルバーを運転操作し、
ハンドルバーに結合される縦部材と該縦部材に結合される支持部材とを介し、前記ハンドル軸をハンドル軸回りに回動させる手段1によって、
または、前記縦部材を介し、直接前記ハンドル軸を、該ハンドル軸回りに回動させる手段2によって、
または、前記縦部材を介し、直接前フォーク及び/または直接前ステイを、前記ハンドル軸回りに回動させる手段3によって、
または、前記手段1乃至3のいずれか2または全てを組合わせた手段によって、
前記前輪の操舵を行うことを特徴とする幼児用の補助椅子及び/または前荷台を設けた二輪車(以下「走行安定二輪車」という。)である。
【0012】
前輪のハンドル軸回りの回動は、縦部材と支持部材を介して行うものに限られず、縦部材を介し直接ハンドル軸を回動させることによって行ってもよいし、縦部材を介して直接前フォークを回動させることによって行ってもよい。縦部材を介して直接前ステイをハンドル軸回に回動させてもよいし、それらの組合わせによって行ってもよい。
【0013】
また本発明は、いわゆる自転車に限定されるものではなく、電動自転車、原動機付き自転車、自動二輪車等の二輪車に広く適用される。また前輪及び/または後輪がいわゆるWタイヤ車にも適用される。
【0014】
縦部材は、中実でも中空でもよいし、また1本でも複数本でもよい。また支持部材はハンドル軸に対して上下2段でもよいし、1段でもよい。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、前記縦部材が前記二輪車の中心軸に対して左右対称に配置した2本または3本の中空材であることを特徴とする走行安定二輪車である。
【0016】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記支持部材が上部及び下部の2段の支持板からなり、該支持板の後端部がヘッドチューブから突出するハンドル軸の上下の両端部に結合され、かつ該支持板の前端部が前記縦部材の下部に剛結されていることを特徴とする走行安定二輪車である。
【0017】
支持板の剛性を高めるために、下部支持板の前端部と前輪の回転軸とを連結する前ステイを設けるのがよい。また上部及び下部の支持板の間に斜部材または外側部に板状材を追加して補強してもよい。
【0018】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1の発明において、メインフレームは側面視S字状をなし、かつ該メインフレームの先端部と前記ヘッドチューブとの結合部において、該メインフレームの軸線と該ヘッドチューブの軸線とが略直交し、かつ該メインフレームの前端部が該ヘッドチューブの略中央部に剛結していることを特徴とする走行安定二輪車である。メインフレームはリヤチューブと一体にしてもよい。またメインフレームは複数本にしてもよいし、断面は、丸のみならず、角にしてもよいし、2重管構造にしてもよい。
【0019】
第5の発明は、第1乃至第4いずれか1の発明において、前記補助椅子が、前方向きまたは後方向きのいずれかに配置されていることを特徴とする走行安定二輪車である。補助椅子は、固定部材及び/または補助椅子の下面形状を変更することによって、幼児が小さいときは後方向き、大きくなると前向きというように前方向、後方向のいずれにも対応可能なものにすることができる。
【0020】
また、補助椅子の向きが前方向き、後方向きのいずれの場合もシートバックに接するように前荷台(買い物籠)を設けることができる。
【0021】
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1の発明において、前記ハンドルバーおよび縦部材を活用し、さらに縦棒、横棒、斜棒の全部または一部を追加して、前記補助椅子及び/または雨避けおよび/または日除け用の幌を設けたことを特徴とする走行安定二輪車である。
【0022】
追加する縦棒、横棒、及び斜棒は幌が弛まない本数とし、幼児が十分カバーされる大きさの幌とする。幌の左右幅を所定幅確保して運転操作者の足元の雨避けを兼用してもよい。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明は、 ハンドル軸の上方かつ前輪操舵時の非可動部に、幼児用の補助椅子及び/または前荷台を設け、前記ハンドル軸の前方より前輪を操舵する二輪車であって、ハンドルバーを運転操作し、ハンドルバーに結合される縦部材と該縦部材に結合される支持部材とを介し、前記ハンドル軸をハンドル軸回りに回動させる手段1によって、または、前記縦部材を介し、直接前記ハンドル軸を、該ハンドル軸回りに回動させる手段2によって、または、前記縦部材を介し、直接前フォーク及び/または直接前ステイを、前記ハンドル軸回りに回動させる手段3によって、または、前記手段1乃至3のいずれか2または全てを組合わせた手段によって、前記前輪の操舵を行う構造であるから、ハンドルの回転操作が補助椅子(含幼児)や、荷物によってハンドル軸回りの慣性モーメントが増加することがなく、フル操作角も従来の二輪車と同様に90度以上あるので、低速時でも安定性に優れている。
【0024】
また、サドルに対する左右のグリップの位置、ハンドル軸の位置・傾斜角及びハンドル操作の復元力に関係する前輪のトレールが従来の二輪車と同じであるので、従来の二輪車と略同じ運転・操作感覚が得られる。
【0025】
また、全体の大きさ(全長・全高・全幅)、重量が従来の二輪車と略同じで、駐輪時等の取扱いや駐輪スペースが従来の二輪車と同じであり、現行法規が定める普通自転車のサイズ(長さ190cm、幅60cm)に適合させることができる。
【0026】
さらに、補助椅子および/または前荷台がハンドル軸の上方に設置されているので、乗降時及びペダル操作時に膝が補助椅子や前荷台に干渉することがなく、スカートを着装した女性にも好都合である。
【0027】
また、補助椅子に加えて、補助椅子のシートバックに接するように前荷台を設けることによって、前後に2人の幼児を乗せるほかに、荷物の運搬が可能になる。
【0028】
本発明は、いわゆる自転車に限定されるものではなく、電動自転車、原動機付き自転車、自動二輪車等の二輪車に広く適用される。また前輪及び/または後輪がいわゆるWタイヤ車にも適用される。
【0029】
なお、タイヤのサイズを小さくすれば、重心高を低くできるので、安定性がさらに向上する。
【0030】
第2の発明は、第1の発明において、前記縦部材が前記二輪車の中心軸に対して左右対称に配置した2本または3本の中空材であることを特徴とする走行安定二輪車であるから、縦部材の強度・剛性の確保が容易であり、縦部材を左右対称に2本または3本配置したことにより、意匠上のバランスがよく、また幼児用の雨除け、日除けシート用の幌を装着するときに骨格部材にできるという効果がある。
【0031】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記支持部材が上部及び下部の2段の支持板からなり、該支持板の後端部がヘッドチューブから突出するハンドル軸の上下の両端部に結合され、かつ該支持板の前端部が前記縦部材の下部に剛結されていることを特徴とする走行安定二輪車であるから、ハンドル回りの操作構造を簡潔にして、強度・剛性の高いものにすることができる。また下部支持板の前端部と前輪の回転軸とを連結する前ステイを設けることにより、支持板の強度・剛性を容易に高めることができる。また上部支持板を平面視T字状とすることにより、ハンドルの運転操作時に上部支持板と補助椅子または前荷台の固定部材との干渉を容易に回避することができ、ハンドルのフル操作角も従来の二輪車と同様に90度以上にできる。また上部及び下部の支持板の間に斜部材または板状材を追加すれば、支持板部の強度・剛性が向上し前ステイを省略することも可能となる。
【0032】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1の発明において、メインフレームは側面視S字状をなし、かつ該メインフレームの先端部と前記ヘッドチューブとの結合部において、該メインフレームの軸線と該ヘッドチューブの軸線とが略直交し、かつ該メインフレームの前端部が該ヘッドチューブの略中央部に剛結していることを特徴とする走行安定二輪車であるから、メインレームとヘッドチューブの溶接結合が容易であり、またハンドルの運転操作時に上部及び下部支持板がメインフレームと干渉することなく、側面視S字状の湾曲した最低地上高部が乗降時の爪先の部分に位置し、特に女性の乗降が容易となる。
【0033】
第5の発明は、第1乃至第4いずれか1の発明において、前記補助椅子が、前方向きまたは後方向きのいずれかに配置されていることを特徴とする走行安定二輪車であるから、固定部材及び/または補助椅子の下面形状を変更することによって、幼児が小さいときは母親と対面する後方向き、幼児が大きくなると前方視界のよい前向きというように幼児の成長過程に合わせて適宜選択することができる。
【0034】
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1の発明において、前記ハンドルバーおよび縦部材を活用し、さらに縦棒、横棒、斜棒の全部または一部を追加して、前記補助椅子及び/または前荷台に雨避けおよび/または日除け用の幌を設けたことを特徴とする走行安定二輪車であるから、雨天時にも、日射の強い晴天時にも幼児及び/または前荷台の荷物を保護することができる。
【0035】
追加する縦棒、横棒、及び斜棒は幌が弛まない本数とし、幌を所定の大きさにすれば、風雨や日射から幼児及び/または荷物を十分カバーすることができるし、シートの左右幅を所定値確保して運転操作者の足元の雨避けを兼用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図に基いて、本発明の実施形態について説明する。なお、図面は、公知部分、発明の要旨に直接関係のない部分、記載することにより反って煩雑となって不明瞭となる部分については、省略乃至簡略化している。
【0037】
本発明の実施形態は、従来の二輪車に対し前輪のハンドル部分に特徴があり、サドル、ぺダル、後輪等二輪車の後半分は従来の二輪車と同じである。またサドル位置に対するグリップ及び前輪位置、ハンドル軸の位置・傾斜角度も同じであり、前輪のハンドル部分について説明する、
図1は、本発明の第1実施形態に係る走行安定二輪車の側面図である。本第1実施形態において、ハンドルバー113は、縦部材111、112と上部及び下部支持板114、115を介して、前フォーク117が固定されたハンドル軸120に接続されており、ハンドルバー113を左右に回転操作すると、縦部材111、112及び上部及び下部支持板114、115、前フォーク117(含前ステイ118)を介して前輪FWを操舵することになる。
【0038】
図2は図1のハンドル部の説明図であり、(A)は図1のX矢視図、(B)は(A)の側面図、(C)は図1のY矢視図、(D)は図1のZ矢視図(補助椅子の固定部材を示す)である。なお(C)は、ハンドルを左に90度操作した時のハンドルバーと補助椅子(幼児を含む)との間隙の説明図を兼ねている。
【0039】
図3は、図1のヘッドチューブ部の詳細説明図であり、(A)は縦断面図、(B)は裏面図、(C)は上部支持板の平面図(図1のY視図)、(D)はベースプレートの平面図(図1のY矢視図)、(E)は下部支持板の平面図(図1のY矢視図)である。なお、図Bの線G―Gは図Aの断面位置を示している。
【0040】
以下、図2、3に基づいて各構成部品について詳細に説明する。ハンドルバー113は鋼管からなり、中央部分は左右方向に略直線状に延び両側部において後方かつ下方に折れ曲がり両端部にグリップ1134、1135が設けられている。
【0041】
縦部材111、112は鋼管からなり、上下の中央よりやや上部で後方に折れ曲がり、中央よりやや下部で前方に曲げ戻した形状をなしている。
【0042】
上部支持板114は、鋼板からなるプレス成形品であり、縦部材111、112とハンドル軸120とを連結結合し、ハンドル軸120と縦部材111、112間に所定の前後間隔を保持するための支持部材である。平面視T字状をなし前部左右端は下方に折曲げられている。そしてその前半部に設けられた孔1142に縦部材111、112が挿通され、縦部材111、112の中央よりやや下部の曲げ戻し部において、縦部材111、112が溶接され、後端部はハンドル軸120に固定される。
【0043】
下部支持板115は、鋼板からなるプレス成形品であり、上部支持板114と対をなして、ハンドル軸120と縦部材111、112間に所定の前後間隔を保持するための支持部材である。平面視長方形をなし左右端は下方に折曲げられ、後端部はハンドル軸に固定される。また下部支持板115には、前フォーク117が孔1171の中心と下部支持板の孔1151の中心とを位置合わせして隅肉溶接されている。
【0044】
116は、上部支持板114が溶接接合された縦部材111、112の下端部に溶接接合される鋼板製のベースプレートであり、下部支持板115と縦部材111、112の下端部との連結結合を容易にするための部材である。前後方向の略中央部に設けられた孔1162に、縦部材111、112の下端部が挿入され溶接されている。
【0045】
縦部材111、112の上端部は、ハンドルバー113の左右直線部1131にシャフト付きクランプ部材1132、1133によって、ハンドルバー113の前後の角度を調整可能に、またバンド部材1111、1112によってハンドルバー113の高さを調整可能に固定されている。
【0046】
130は鋼管製のヘッドチューブであり、その内部に丸鋼材からなるハンドル軸が挿入され、ヘッドチューブ130の上下の両端から、ヘッドチューブ130とハンドル軸の間にそれぞれ玉軸受け131、132嵌入されハンドル軸120はヘッドチューブ130に回転自在に支持されている。そして、ヘッドチューブ130の略中央部にメインフレーム140が相互の軸線が直交するように溶接結合されている。
【0047】
次に、縦部材111、112と上部支持部材114とベースプレート116の結合体である上部溶接結合体と、前フォーク117と下部支持部材の結合体である下部溶接結合体とのハンドル軸120への組付け手順について説明する。
【0048】
先ず、ハンドル軸120の上端部の小径部123を、上部溶接結合体の上部支持板114の後端部の孔1141に挿入し、バネ座金122を介してナット121で締付け、ハンドル軸120と上部支持板114とを固定する。
【0049】
次に、ハンドル軸120の下端部の小径部124を、下部溶接結合体の下部支持板115の後端部の孔1151(1171を含む)に挿入し、ベースプレート116の前縁と下部支持板115の前縁とが平行になるように位置合わせして、バネ座金122を介して、ナット121を仮締めする。仮締めするのは、ベースプレート116と下部支持板115のボルト・ナット締めに必要な正確な位置合せを容易にするためである。
【0050】
次に、上部溶接結合体のベースプレート116の後端部の孔1161と下部支持板の孔1153により、ボルト・ナット1164で締付け固定し、先のハンドル軸120下端部のナット121の仮締めを本締めにする。そして前端部の孔1163と下部支持板の孔1154とさらに前ステイ118の孔1181と、ボルト・ナット1165により、ベースプレート116と下部支持板115とを締付け固定する。
【0051】
前フォーク117の下端と前輪FWの回転軸、及び前ステイ118の下端と前輪FWの回転軸とのナット(不図示)による締付け固定(共締め)は、前ステイ118の下部支持板115へのボルト・ナット1165による固定を最初仮締めとし、上記ナット(不図示)による前フォーク117の下端及び前ステイ118下端の前輪FWの回転軸への締付け固定(共締め)が完了してから本締めをして、前ステイ118の下部支持板115に対する位置ずれのない正確な位置を確保する。ただし、予め前ステイ118を下部支持板115に溶接して位置決めをしておいてもよい。
【0052】
ハンドル軸120の下部のナット121による固定を最初仮締めとするのは下部支持板115とベースプレート116の正確な位置合わせを容易にするためである。
【0053】
前ステイ118によって、下部支持板115と前輪FWの回転軸とが連結されることによって、上部及び下部支持板の支持剛性が十分に確保される。
【0054】
ハンドル軸120の上下の小径部123、124は断面丸とし、上部及び下部支持板114、115の孔1141、1151も丸としたが、セレーションや角とすれば緩み防止に有利となる。また上部及び下部の支持板の間に斜部材または外側部に板状材を追加すれば、支持板部の強度・剛性が向上し前ステイを省略することも可能となる。
【0055】
次に、補助椅子について説明する。図1において、150は後方向きの補助椅子であり、中央に幼児Cが後ろ向きにシートベルト151を装着して着座している。153は補助椅子の固定部材であり、Y矢視断面コの字状のプレス成形品2個を左右から接合して溶接した固定ベース1531と、この固定ベース1531の上側に溶接固定された受け部材1532とで構成されている。固定ベース1531の下側にはフランジ部が設けられ、このフランジ部が、メインフレーム140に溶接結合された固定プレート141にボルト・ナット1533で締付け固定されている。
【0056】
そして、受け部材1532に補助椅子150の下面が、蝶形ビス1534で締付け固定されている。図2(C)の点Qは蝶形ビス1534の取付け中心を示している。
【0057】
固定部材153はメインフレームに溶接結合した固定プレート141にボルト・ナット1533で締付けて固定したが、U字型クランプ部材とボルト・ナットを使用して固定部材153をメインフレーム140に直接固定してもよい。また図示の補助椅子150は、ショルダー式ベルトにすることもできるし、よりホールド性の高いものにすることもできる。
【0058】
図2(C)はハンドルバー113を左側に90度操作した状態を図示している。ハンドルバー113、縦部材111、112等の可動部分は、ハンドル軸120に対して前方に位置しており、ハンドルを直進状態から最大運転操作角まで操作しても可動部分はハンドル軸120回りに回動し、補助椅子150や幼児Cと干渉することはない。
【0059】
また、メインフレーム140の先端部はヘッドチューブ130の略中央部に、相互の軸線が略直交するように溶接されているため、上部及び下部支持部材114、115の回転軌跡内にはメインフレーム140の先端部は存在せず、上部及び下部支持部材114、115がメインフレーム140の先端部と干渉することはない。
【0060】
また、補助椅子150は、ハンドル軸120の上方に設置され、固定部材153はハンドル軸120と平行に所定の間隙が確保され、さらに上部支持板114は、Y矢視T字状をなしているので、上部及び下部支持板114,115が、補助椅子150または固定部材153と干渉することはない。
【0061】
また、幼児Cが成長して頭部が図示の位置より高くなっても、頭部はハンドルバー113とY矢視で所定の間隙が確保されているので、幼児の頭部がハンドルバー113と干渉することはない。
【0062】
また、補助椅子150はハンドル軸120の上方に位置しているのでペダル操作時に、膝が補助椅子150と干渉することはない。
【0063】
また、縦部材111、112及びハンドルバー113の曲げ形状をさらに大きくすれば、縦部材111、112及びハンドルバー113と補助椅子150との間隙は直進走行時はもとより、90度以上のフル操作時においてもさらに大きく確保することができ、補助椅子150の位置を前方に移動させることもできる。
【0064】
本実施形態においては、ハンドル軸の前方より、ハンドル軸回りに前輪を操舵する構造であるから、ハンドル操作が補助椅子(含幼児)や、荷物によってハンドル軸回りの慣性モーメントが増加することがなく、フル操作角も従来の二輪車と同様に90度以上あるので、低速時でも安定性に優れている。
【0065】
また、サドルに対する左右のグリップの位置、ハンドル軸の位置・傾斜角及びハンドル操作の復元力に関係する前輪のトレールが従来の二輪車と同じであるので、従来の二輪車と運転・操作感覚が略同じである。また、全体の大きさ(全長・全高・全幅)、重量が従来の二輪車と略同じで、駐輪時等の取扱いや駐輪スペースが従来の二輪車と同じであり、現行法規が定める普通自転車のサイズ(長さ190cm、幅60cm)に適合させることができる。
【0066】
なお、タイヤのサイズを小さくすれば、重心高を低くできるので、安定性がさらに向上する。
【0067】
本実施形態において、前輪操舵は、縦部材111、112と上部及び下部支持板114、115を介してハンドル軸120回りに前輪を回動させることにより行ったが、これに限定されるものではなく、縦部材111、112から直接ハンドル軸120または前フォーク117をハンドル軸120回りに回動するようにしてもよい。
【0068】
また、前ステイ118は縦部材111、112と別体の分離型としたが一体とすることもできるし、縦部材は、1本でもよいし複数本でもよい。
【0069】
またメインフレーム140は側面視S字状のシングルフレームとしたが、複数本にしてもよいし、断面は、丸のみならず、角にしてもよいし、2重管構造にしてもよい。
【0070】
またメインフレームとリヤチューブ170を連続した一体品にすることもできる。
【0071】
図4は本発明の第1実施形態に係る走行安定二輪車に幌を取付けた時の説明図であり、(A)は側面図、(B)は図AのX矢視図、(C)は図AのY矢視図である。
【0072】
図4において、ハンドル部の鎖線は、雨避けまたは日除け用にハンドル部に装着した幌である。この幌はハンドルバー113と2本の縦部材111,112を主要な骨格部材とし、横棒191と天井部の前後棒192、縦棒193及び左右の斜棒194を補助部材とし、その上に樹脂製のシートを被覆したものである。 横棒191の左右端は、ハンドルバー113に固定されたクランプ1911にビス止めされている。前後棒192の後端は、横棒191にビス止めされ、前後棒192の前端は、ハンドルバー113に固定されたクランプ1922にビス止めされ、縦棒193の上端は、クランプ1922にビス止めされている。
【0073】
そして、縦棒193の下端は、上部支持板114の前端に設けられたタッピング穴1143を使用してビス止めされている。斜棒194の上端はクランプ1911にビス止めされ、下端は上部支持板114の側端のフランジ部のタッピング穴1144を使用してビス止めされている。
【0074】
横棒191は後方に張出して、運転操作に支障のない範囲で幼児Cのカバー領域を広げるのがよい。また前後部材192と縦部材193は、連続した一体品にしてもよいし、その本数は任意である。
【0075】
幌190のハンドルバー113、縦部材111、112、横棒191、前後棒192、縦棒193、斜棒194への固定は、マジックテープ(登録商標)や、ボタン付き紐式にすれば着脱が容易となり、風雨に備えてハンドルバー113等の主要な骨格部材や、横棒191等の補助部材に固定点を追加することも容易である。
【0076】
幌材として使用するビニールシートは、雨避けとしては透明がよいし、日除けとしては暗色(例えばグレー)とし幼児の視界部分を透明にすればよい。風雨が強い時は幼児の足元に別の例えばビニールシートを使用すればよい。
【0077】
図5は補助椅子を前方向きにした本発明の第2実施形態の説明図である。本第2実施形態は、第1実施形態に対して、固定部材153(含、受け部材1532a)の形状を変更して補助椅子を前方向きに取付けたものであり、固定部材153を除き第1実施形態と同じである。
【0078】
ハンドルバー等の可動部分が補助椅子150aや、メインフレーム等と干渉しないこと、乗降性がよくペダル操作時に膝が補助椅子150aに干渉しないことは勿論のこと、補助椅子(含幼児)によってハンドル軸回りの慣性モーメントが増加することがなく、フル操作角も従来の二輪車と同様に90度以上あるので、低速時でも安定性に優れていること、サドルに対する左右のグリップの位置、ハンドル軸の位置・傾斜角及びハンドル操作の復元力に関係する前輪のトレールが従来の二輪車と同じであるので、従来の二輪車と略同じ運転・操作感覚が得られること、全体の大きさ(全長・全高・全幅)、重量が従来の二輪車と略同じで駐輪時等の取扱いや駐輪スペースが従来の二輪車と同じであり、現行法規が定める普通自転車のサイズ(長さ190cm、幅60cm)に適合させることができる。
【0079】
幼児が小さいときは、後方向きとして、運転操作者(例えば母親)と対面形式にするのが幼児も運転操作者も安心感が高い。幼児が大きくなれば、開放感のある前方向きとして、幼児の成長過程に合わせることができる。
【0080】
補助椅子150aは、図示したものに限られず、幼児の身体の成長に合わせるために必要な変更のほか、ショルダー式ベルトやさらにホールド性の高いもの、幼児用のハンドグリップを備えたものにすることもできる。
【0081】
また、ハンドグリップ1134、1135の位置をそのままにして、ハンドルバー113及び縦部材111、112の位置をさらに前方に移せば、運転操作感を変えることなく、補助椅子150aの位置を前方に移すことができる。
【0082】
図6は、本発明の第3実施形態に係る前荷台を設けた走行安定二輪車の説明図である。
【0083】
本実施の形態は、ハンドル軸の上方に設けた第1または第2実施形態の補助椅子を前荷台Bに替えたものであり、補助椅子の固定部材の形状を前荷台に適合する固定部材153b(含受け部材1532b)に変更して、補助椅子の設置位置と略同じ位置に籠状の前荷台Bを設置したものである。その他は第1または第2実施形態に同じである。
【0084】
ハンドルバー等の可動部分が前荷台Bや、メインフレーム等と干渉しないこと、乗降性がよくペダル操作時に膝が前荷台に干渉しないことは勿論のこと、前荷台(含荷物)によってハンドル軸回りの慣性モーメントが増加することがなく、フル操作角も従来の二輪車と同様に90度以上あるので、低速時でも安定性に優れていること、サドルに対する左右のグリップの位置、ハンドル軸の位置・傾斜角及びハンドル操作の復元力に関係する前輪のトレールが従来の二輪車と同じであるので、従来の二輪車と同じ運転・操作感覚が得られること、全体の大きさ(全長・全高・全幅)、重量が従来の二輪車と略同じで、駐輪時等の取扱いや駐輪スペースが従来の二輪車と同じであり、現行法規が定める普通自転車のサイズ(長さ190cm、幅60cm)に適合させることができる。
【0085】
特に重量物を前後の荷台に分割して運搬する場合は、荷物を後荷台のみに載せて運搬する場合や、後荷台とハンドルバー113に装着した荷物籠に分割して運搬する場合に比較して走行安定性が高い。
【0086】
また、幌を付ければ、雨や日射から運搬物を保護できる。
【0087】
図7は、本発明の第4実施形態に係る補助椅子と前荷台を設けた走行安定二輪車の説明図であり、(A)は側面図、(B)は図AのX矢視図、(C)は図AのY矢視図である。
【0088】
本第4実施形態は、第2実施形態に係る補助椅子の向きを前方にした走行安定二輪車において、補助椅子の後部に前荷台(買い物籠)を設けたものである。
【0089】
以下、図7に基いて、第2実施形態との相違点について説明する。図7において、補助椅子150bに加えて前荷台Baを設置するために、縦部材の位置を前方に移動し、上部の支持板114を削除し、略台形状の下部の支持板115aを設けている。さらに縦部材の強度・剛性を確保するために、左右の対称線上に縦部材111bを追加し3本の縦部材とし、左右のグリップの位置を第2実施形態と同じにして、ハンドルレバー113aの前後寸法を長くしている。
【0090】
また、下部支持部材115aを強化するために、前ステイ118aを強化し、必須の構成部材としている。
【0091】
また、固定部材は、メインフレームの先端部上面とヘッドチューブの前面から上方に延びる2個の固定部材153c、153dとし、その前後の固定部材の上面を受け部材1532cで接続し、その前部に前方向きの補助椅子150bを設け、その補助椅子の後部に前荷台Baを設けている。
【0092】
第5実施形態(不図示)は、第4実施形態において、受け部材の前部に前荷台を設け、その後部に後方向きの補助椅子を設けたものである。その他は、第4実施形態と同じである。
【0093】
第4、第5実施形態は、幼児を前後に乗せた3人乗りに供し、さらに前荷台を備えているので、2人の幼児の通園や、買い物に便利である。
【0094】
第4、第5実施形態はいずれも、ハンドル軸の上方の前後に補助椅子と前荷台を設けているが、ハンドルバーを前後に延ばし、縦部材を前方に移動しているので、ハンドルバー等の可動部分が補助椅子や、メインフレーム等と干渉しないこと、乗降性がよくペダル操作時に膝が補助椅子や前荷台に干渉しないことは勿論のこと、補助椅子(含幼児)によってハンドル軸回りの慣性モーメントが増加することがなく、フル操作角も従来の二輪車と同様に90度以上あるので、低速時でも安定性に優れていること、サドルに対する左右のグリップの位置、ハンドル軸の位置・傾斜角及びハンドル操作の復元力に関係する前輪のトレールが従来の二輪車と同じであるので、従来の二輪車と略同じ運転操作感覚が得られること、全体の大きさ(全長・全高・全幅)、重量が従来の二輪車と略同じであり駐輪時等の取扱いや駐輪スペースが従来の二輪車と同じであり、現法規の普通自転車(長さ190cm、幅60cm)に適合させることができる。
【0095】
また、上記第1乃至第5実施形態は、いわゆる自転車に限定されるものではなく、電動自転車、原動機付き自転車、自動二輪車等の二輪車に広く適用される。また前輪及び/または後輪がいわゆるWタイヤ車にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1実施形態に係る走行安定二輪車の側面図である。
【図2】図1のハンドル部の説明図であり、(A)は図1のX矢視図、(B)は側面図、(C)は図1のY矢視図、(D)は図1のZ矢視図(補助椅子の固定部材部)である。
【図3】図1のヘッドチューブ部の詳細説明図であり、(A)はヘッドチューブ部の縦断面図、(B)はヘッドチューブ部の裏面図、(C)は上部支持板の平面図(Y矢視図)、(D)はベースプレートの平面図(Y矢視図)、(E)は下部支持板の平面図(Y矢視図)である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る走行安定二輪車に幌を取付けた時の説明図であり、(A)は側面図、(B)は図AのX矢視図、(C)は図AのY矢視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る前方向きの補助椅子を設けた走行安定二輪車の説明図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る前荷台を設けた走行安定二輪車の説明図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る補助椅子と前荷台を設けた走行安定二輪車の説明図であり、(A)は側面図、(B)は図AのX矢視図、(C)は図AのY矢視図である。
【図8】従来例に係る補助椅子を装着した二輪車の側面図である。
【図9】図8に示した二輪車の(A)は正面図、(B)は平面図、(C)はハンドルを左にフル操舵した時の平面図である。
【符号の説明】
【0097】
100、200・・・二輪車
110、110a、210・・・ハンドル部材
111、112、111a、111b、112a・・・縦部材
1111、1112・・・バンド部材
113、113a・・・ハンドルレバー
1131・・・直線部
1132、1133・・・クランプ部材(シャフト付き)
1134、1135・・・グリップ
114・・・上部支持板(上部支持部材)
1141・・・ 孔(ハンドル軸挿通)
1142・・・孔(縦部材挿通用)
1143・・・タッピング穴(縦棒固定用)
1144・・・タッピング穴(斜棒固定用)
115、115a・・・下部支持板(下部支持部材)
1151・・・孔(ハンドル軸挿通)
1152・・・孔(縦部材挿通用)
1153・・・孔(ベースプレート固定用)
1154・・・孔(ベースプレート及び前ステイ固定用)
116・・・ベースプレート
1161・・・孔(固定用)
1162・・・孔(縦部材挿通)
1163・・・孔(共締め固定用)
1164、1165・・・ボルト・ナット
117、217・・・前フォーク
1171・・・孔(ハンドル軸挿通)
118、118a・・・前ステイ
1181・・・孔
120、220・・・ハンドル軸
121・・・ナット
122・・・バネ座金
123、124・・・小径部
130、230・・・ヘッドチューブ
131、132・・・軸受け(玉軸受け)
140、240・・・メインフレ−ム
141・・・固定プレート
150、150a、150b・・・補助椅子
151、151a・・・シートベルト
152、152a、152b・・・シートフレーム
153、153a、153b、153c、153d・・固定部材
1531・・・固定ベース
1532、1532a、1532b、1532c・・・受け部材
1533・・・ボルト・ナット
1534・・・蝶形ビス
160・・・サドル
161・・・サドルポスト
162・・・ペダル
170・・・リヤチューブ
180・・・後荷台
181・・・後座席
182・・・後フォーク
183・・・後荷台ステイ
184・・・チエンステイ
185・・・チエンカバー
190・・・幌(雨避け、日除け)
191・・・横棒
1911・・・クランプ
192・・・前後棒
1921・・・クランプ(前)
1922・・・クランプ(後)
193・・・縦棒
1931・・・ビス
194・・・斜棒
1941・・・ビス
C・・・幼児
P・・・運転・操作者(母親)
Q・・・蝶形ビス固定点
B、Ba・・・前荷台(籠)
FW・・・前輪
RW・・・後輪



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル軸の上方かつ前輪操舵時の非可動部に、幼児用の補助椅子及び/または前荷台を設け、前記ハンドル軸の前方より前輪を操舵する二輪車であって、
ハンドルバーを運転操作し、
ハンドルバーに結合される縦部材と該縦部材に結合される支持部材とを介し、前記ハンドル軸をハンドル軸回りに回動させる手段1によって、
または、前記縦部材を介し、直接前記ハンドル軸を、該ハンドル軸回りに回動させる手段2によって、
または、前記縦部材を介し、直接前フォーク及び/または直接前ステイを、前記ハンドル軸回りに回動させる手段3によって、

または、前記手段1乃至3のいずれか2または全てを組合わせた手段によって、
前記前輪の操舵を行うことを特徴とする幼児用の補助椅子及び/または前荷台を設けた二輪車(以下「走行安定二輪車」という。)
【請求項2】
前記縦部材が前記二輪車の中心軸に対して左右対称に配置した2本または3本の中空材であることを特徴とする請求項1に記載の走行安定二輪車。
【請求項3】
前記支持部材が上部及び下部の2段の支持板からなり、該支持板の後端部がヘッドチューブから突出するハンドル軸の上下の両端部に結合され、かつ該支持板の前端部が前記縦部材の下部に剛結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の走行安定二輪車。
【請求項4】
メインフレームは側面視S字状をなし、かつ該メインフレームの先端部と前記ヘッドチューブとの結合部において、該メインフレームの軸線と該ヘッドチューブの軸線とが略直交し、かつ該メインフレームの前端部が該ヘッドチューブの略中央部に剛結していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の走行安定二輪車。
【請求項5】
前記補助椅子が、前方向きまたは後方向きのいずれかに配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の走行安定二輪車。
【請求項6】
前記ハンドルバーおよび縦部材を活用し、さらに縦棒、横棒、斜棒の全部または一部を追加して、前記補助椅子及び/または前荷台に雨避けおよび/または日除け用の幌を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の走行安定二輪車。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−286168(P2009−286168A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137887(P2008−137887)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【特許番号】特許第4297384号(P4297384)
【特許公報発行日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(308018039)
【Fターム(参考)】