説明

超疎水性コーティング

高分子バインダー層と、当該高分子バインダー層の表面から突出する複数の多孔質突起を含むコーティングであって、当該高分子バインダー層と当該突起が独立に(a)少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成り、及び/又は、(b)少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成るフィルムを有し、当該突起間の距離が当該高分子バインダー層表面において本質的に最も短い、コーティング。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材(例えば、ガラス、金属、及びプラスチック)に撥水性及び/又は自己清浄特性を付与するコーティング、並びにかかるコーティングを含む物品、に関する。
【背景技術】
【0002】
自己清浄表面は、様々な工業分野及び日常生活の局面において非常に望まれる。超疎水性(例えば、約150°を超える水接触角を有する程度の超撥水性)にされた場合、表面は自己清浄作用と、水によって有害な影響をしばしば及ぼされる表面特性を維持する能力とを示す。
【0003】
固体表面の湿潤性の制御は、撥水性官能基(例えば、フルオロアルキル基)の導入のような、表面の化学修飾によって従来対処されてきた。しかしながら、超疎水性及びそれに付随する自己清浄特性を獲得するためには、低表面エネルギー及びある程度の表面微細粗度(micro-roughness)又は微細構造(micro-texture)が、ともに必要である。
【0004】
かかる組み合わせは、天然に見出すことができる。例えば、ハスの葉は、数μm間隔で離間する角錐形隆起を含む微細構造表面に加えて、生来低い表面エネルギーの故に、自己清浄的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる天然特性を模倣しようと、自己清浄的表面の製造のために多様な取り組みが行われてきた。超疎水性表面は、例えば、プラズマ加工により、蒸着により、及びフォトリソグラフィにより調製されてきた。しかしながら、かかる方法は、複数の加工工程及び/又は長期にわたる加工時間が必要であるため、しばしば工業生産には好適ではなかった。さらに、これら及び他の方法から得られる表面構造の一部は、脆弱で容易に破損され得る。
【0006】
他の取り組みでは、コーティング組成物(例えば、粒子含有バインダー)を使用してきたが、炭化水素バインダーを含むコーティングは、化学耐性及び/又は光耐性が多少不足する傾向があった。フルオロポリマー系コーティングは、優れた化学安定性及び/又は光安定性を一般的に示すが、炭化水素基材への結合がしばしば困難で、それ故時に耐久性に欠ける。さらに他の取り組みは、熱耐性に欠けていた、又は高温処理(及びかかる処理に耐え得る基材)を必要としていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明者らは、基材(例えば、ガラス、金属、及び有機ポリマー)に耐久的超疎水性を付与するための、工業的に有用なコーティングの必要性があると認識する。
【0008】
簡潔には、一様態で、本発明は、高分子バインダー層と、高分子バインダー層の表面から突出する複数の多孔質突起とを含むコーティングであって、当該高分子バインダー層及び当該突起が独立に(a)少なくとも1種の疎水性材料(つまり、少なくとも90°の水接触角を有する材料)から本質的に成り、及び/又は、(b)少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成るフィルムを有し、当該突起間の距離が当該高分子バインダー層表面において本質的に最も短いコーティングを提供する。高分子バインダー層及び突起はともに、少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成り、いかなるフィルムも存在しないことが好ましい。
【0009】
撥水性コーティング上に形成された(突起の形の)不揃いな形状を適切に制御することにより、コーティングは撥水性(すなわち疎水性)だけでなく、コーティングの水中への浸漬後であっても保持され得る、滑水性又は自己清浄特性をも示し得ることが見出されている。撥水性材料表面に突起を形成し、当該突起の形状を適切に調整することにより、霧のような細かな水滴に対してでさえも、比較的高い滑水能を達成し、長期にわたってこの特性を保持することができる可能性がある。驚くべきことに、かかる特性は、フッ素性化学物質を使用しなくとも獲得することができる。
【0010】
本明細書で参照する場合、撥水性とは、「静的」撥水性(それはコーティングと水との接触角を測定することにより求められる)を意味するが、上述の滑水性は、「動的」撥水性であるである(これは表面が傾いた際、水平なコーティングされた表面に配置された水滴が転落し始める角度(「転落角」)を測定することにより求められる)。不揃いの形状に応じて、一部の先行技術のコーティング又はフィルムは(水との接触角が比較的大きい一部のものでさえ)、霧のような細かい水滴に対して滑水性を示さない。他のものは、滑水性を当初示すが、水中に長期浸漬した後、当該滑水性の損失を次第に蒙る。
【0011】
かかる先行技術のコーティングとは異なり、本発明のコーティングは、耐久的に超疎水的(つまり、耐久的に撥水的且つ耐久的に滑水的若しくは自己清浄的)であることができ、従って、様々な基材に対して安定的且つ持続的な超疎水特性を付与するために用いることができる。プロセスの観点から、当該コーティングは、基材表面に比較的容易に形成することができる。従って、本発明のコーティングの少なくとも一部の実施形態は、工業的に有用なコーティングに対する、当該技術分野における必要性を満たすことができる。
【0012】
別の様態では、本発明は、基膜と、基膜の少なくとも一つの面の少なくとも一部上の本発明のコーティングとを含む、コーティングされたシートもまた提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
定義
本出願で用いる時、
「接触角」とは、特に規定のない限り、水との接触角(接触角測定機、例えば、協和界面科学(Kyowa Interface Science Co., Ltd.)から入手可能なフェイス(FACE)接触角測定機CA−A型を用いて、蒸留水で測定することにより得られる値)を意味し、
「高分子バインダー層表面において実質的に最も短い」(コーティングの突起間の距離に関して)とは、高分子結合層表面における全ての突起間の距離が必ずしも最も短い必要はないが、コーティングが(少なくとも0.02mLの配置された水滴に対して)25°以下の転落角を示すのに十分な数の突起間の距離が最も短いことを意味し、
「疎水性材料」とは、少なくとも90°の接触角を有する材料を意味し、
「転落角」とは、水平なコーティングされた表面に配置された少なくとも0.02mLの水滴が、表面が傾いた際に転落し始める角度を意味する。
【0014】
好ましい実施形態の説明
図1を参照すると、本発明のコーティングの好ましい実施形態1では、1高分子バインダー層2は、当該高分子バインダー層に部分的に埋設されている粒子により、複数の粒子3を固定する。各粒子の一部は当該高分子バインダー層の表面から突出して、当該高分子バインダー層の表面上に(当該高分子バインダー層の表面から突出する粒子群の部分である)複数の突起4を形成する。
【0015】
本発明のコーティングの中の使用に好適な粒子及び高分子バインダー層は、90°以上の接触角を示す少なくとも1種の材料から成る、又は本質的に成る、それらのものを含む。当該粒子及び高分子バインダー層は、90°未満の接触角を持つ1種以上の材料がそのいずれか又は両方において存在し得る限り、かような材料から「本質的に成って」よい。ただし、全体的な混合物の、又は両者の材料のブレンドの接触角は、90°以上(好ましくは少なくとも100°、より好ましくは少なくとも110°)でなければならない。もし当該混合物又はブレンドの当該接触角が90°未満である場合、コーティング表面上の突起の形状の制御のみで超疎水性を実現することは、困難あるいは不可能であり得る。)より大きい接触角が一般に好まれるが、それは通常140°以下であろう。
【0016】
本発明のコーティングの当該高分子バインダー層の形成に好適な高分子結合は、粒子を固定可能な、あるいは別の方法で突起を形成可能な疎水性材料(つまり、接触角が90°以上であるような撥水性を示す材料)を含む。高分子バインダーは、望ましくは本質的にいかなるフッ素をも含有しない。好適な高分子バインダーの例は、例えば、付加反応型シリコーン類、ポリウレタン類、ポリエポキシド類等、ポリ尿素類、及び同類のもの、並びに(シリコーン系接着剤、シリコーン系樹脂、ポリウレタン類、及び望ましいこれらの混合物類を持つ)これらの混合物類のような、シリコーン系接着剤及びシリコーン系樹脂、を含む。
【0017】
望ましくは、粒子はいかなるフッ素をも本質的に含有しない。好適な粒子材料の例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びこれらの類、並びにこれらの混合物類を含む。
【0018】
有用な粒子群は、多孔質粒子群、粒子群の凝集体類、及びこれらの混合物類を含む。無孔粒子群は、より多孔質な同類の粒子群に比べて、より良好ではない滑水性を一般に示す。多孔質粒子群は、その粒子表面に小さな開口部又は穴を有する多孔質粒子群を含み、その表面により、その粒子の見かけ上の接触角は、それから成る材料の実際の接触角より大きい。例えば、当該粒子群は10〜200m/gの比表面積と150〜200Åの孔径を持ち得る。粒子群の凝集体類は、ともに基化した粒子群であり、又、それにより多孔質粒子群の多孔性と同様の多孔性を示す粒子群である。
【0019】
図1の好ましい実施形態では、粒子3は実質的に(例えば、球体及び回転楕円体を含む)球体状である。しかしながら、有用な粒子はまた、例えば、図2に示すような円錐形及び角錐形粒子5、並びに円錐台及び角錐台粒子、及びそれらの類、又これらの混合物類を含む。当該粒子群は微小粒子群であり得る。有用な粒径は、平均直径0.05〜500μm(好ましくは、0.1〜300μm、より好ましくは、3〜100μmであり、ここで「直径」は実質的に球形の粒子の直径だけでなく、また非球形粒子の最長寸法も指す)を含む。
【0020】
図1及び2に示すような別個の粒子の代わりに、図3に示すように、高分子バインダー層2に埋設されている基部を有し、構造体の基部においてともに結合する突起部分を有する、突起構造体6を用いて、高分子結合層表面上に、突起4が形成できる。図2及び3の実施形態では、粒子5及び突起構造体6は、図1の粒子3と同一の材料で形成してよく、又突起4は多孔質である。かかる突起構造体を用いて形成される当該突起の高さは、好ましくは3〜100μmであり、又当該高分子バインダー層表面上の突起の密度(つまり、上記から算出されたように、当該突起の面積に対する高分子結合層の面積の比)は好ましくは10〜85%である。
【0021】
当該高分子バインダー層の滑水性は、その表面に突起を設け、当該突起の形状を制御することにより向上し得る。具体的には、突起間の距離(図1におけるd)は、他の位置の突起間の距離と比べて、高分子バインダー層表面において本質的に最も短くなるように制御され得る。これは、当該高分子バインダー層表面から当該突起の露出先端部に向かって広がる突起間の空間の形成をもたらすことができる。もし、かかる空間が広がるよりむしろ狭まる場合には、水及び特に細かい霧は、当該高分子バインダー層表面付近で捕捉され得て、よりはじかれにくくなる。
【0022】
本発明のコーティングの水接触角は、その成分の水接触角より大きくなり得る(好ましくは、コーティングは水接触角140°以上、より好ましくは、150°以上を示す)。コーティングの転落角は25°以下(好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下)を示す。
【0023】
用いられる粒子が、図2に示すように狭い円錐形又は角錐形である場合、突起間の距離が当該高分子バインダー層表面において本質的に最も短いような突起形状を形成するために、当該粒子は当該高分子バインダー層内に位置するそれらの基部に固定され得る。多くの場合、粒子のアンカリングは、当該高分子バインダー層に埋設された平均粒径の25〜75%、好ましくは30〜70%、より好ましくは35〜65%で達成され得るが、この割合は粒径分布に応じて変化し得る。しかしながら、図1に示すもののような実質的に球形の粒子が用いられる場合には、一般に、少なくとも粒径の半分が当該高分子バインダー層に埋設され得る。
【0024】
例えば、本発明のコーティングは、所定の厚さの高分子バインダー層上に粒子又は突起構造体を配置し、また当該粒子をそれら粒径のごく一部に等しい深さまで当該高分子バインダー層内に埋設することにより、製造され得る。当該高分子バインダー層は、従来の方法(例えば、ナイフコーティング法、バーコーティング法、ディッピング法、及び同類の方法、又これらの組み合わせのような従来のコーティング方法)を用いて形成され得る。埋設の程度は、当該粒径に対する当該高分子バインダー層の厚さを調整することにより制御され得る。或いは、粒子埋設の程度は、当該高分子バインダー層の厚さを制御する代わりに、加熱(これは当該高分子バインダーの粘度を変化させ得る)、又は加圧により制御され得る。また、当該粒子を当該高分子バインダー層に部分的に埋設した後、90°以上の接触角を有する1材料は、埋設の程度をさらに調整するために粒子間の領域に配置され得る。
【0025】
図4は、本発明のコーティングの一つ別の実施形態の断面図である。図4に示す実施形態11は、高分子バインダー層12、及び当該高分子バインダー層内に部分的に埋設されることにより固定された複数の粒子類13を含む。当該粒子は当該高分子バインダー層の表面から部分的に突出し、当該高分子バインダー層の表面上に複数の突起(当該高分子バインダー層表面から突出する粒子部分)を形成する。疎水性材料から成る又は本質的に成るフィルム又は保護膜17は、当該高分子バインダー層と当該突起の表面上に位置する。
【0026】
当該高分子バインダー層12の高分子バインダーは、当該粒子類13を固定可能な(又は他の方法で突起を形成可能な)本質的に任意の材料(好ましくは本質的にいかなるフッ素をも含有しない)であり得る。例えば、当該高分子バインダーは、シリコーン系樹脂又は接着剤、ウレタン系樹脂又は接着剤、アクリル系樹脂又は接着剤、オレフィン系樹脂又は接着剤、及びゴム系樹脂又は接着剤、並びにその類のもの、又これらの混合物、を含み得る。フィルム17自体が疎水性であるので、当該バインダーは疎水性であるか、非疎水性であるかのいずれかであり得る。
【0027】
当該粒子類13は、上述のように、多孔質粒子又は粒子凝集体(若しくはこれらの混合物類)であり得る。当該粒子類13は撥水フィルム17で被覆されるため、それらは、本質的に任意の材料(例えば、有用な非疎水性材料は、アクリル系樹脂及びメタクリル系樹脂、アルミニウム及び鉄のような金属、シリカ及びアルミナのようなセラミックス類、及び同類のもの、又これらの混合物類を含む)を含み得る。当該粒子類13はまた、上述のような1種以上の疎水性材料を含んでもよく、その場合、フィルム17の使用は当該コーティングの撥水性及び滑水性をさらに向上させ得る。しかしながら、好ましくは、当該粒子は実質的にいかなるフッ素をも含有しない。
【0028】
図4では、当該粒子類13は、上述の任意の形状及び寸法であり得、また上述の突起構造体により置換若しくは混合され得る。形成された突起の高さ、及び当該高分子バインダー層表面上の突起の密度は、本質的に上述のそれらと同様であり得、当該突起の形状もまた本質的に同様の方法で制御され得る。当該粒子又は突起構造は、上述のように当該高分子バインダー層に固定され得る。
【0029】
当該フィルム17は1疎水性材料から成る、若しくは実質的に成る。(材料類の全体的な混合物又はブレンドの接触角が90°以上(好ましくは少なくとも100°、より好ましくは少なくとも110°)である限り、90°未満の接触角を有する1種以上の材料が、当該フィルム中に存在し得るということで、当該フィルムはかかる1材料から「本質的に成る」ことができる)。しかしながら、好ましくは、それは本質的にいかなるフッ素をも含有しない。有用な疎水性材料の例は、有機シリコーン誘導体(例えば、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、又はフェニルトリメトキシシランの縮合加水分解物類)、及びその類のもの、又これらの混合物、を含み得る。
【0030】
フィルム17の厚さは、好ましくは0.001〜5μmの範囲である。5μmを超える厚さでは、当該突起物は当該フィルム内に埋設されるようになり得、その結果、望ましい突起構造体が当該フィルムの表面上に存在せず、それで当該コーティングの滑水性が低減あるいは除去されるようになる。0.001μm未満の厚さでは、当該高分子バインダー層及び/又は当該粒子のある部分が、フィルムに被覆されない可能性があり、この状態は、もし当該バインダー及び/又は当該粒子自体が十分に疎水性を有する材料を含まない場合には、当該コーティングの特性にとって不利である場合がある。フィルム17の厚さはまた、より高い突起高さがより厚いフィルムの形成を可能にするであろうから、当該突起の高さに応じて決まるであろう。従って、フィルム17の厚さは、一般に、粒子13の大きさの0.1〜30%であり得る。
【0031】
超疎水性シートは、例えば、当該突起が形成される表面と反対側の、当該高分子バインダー層の表面上に基膜を配置することにより、得られ得る。当該基膜は、本質的に、一般に用いられる任意の材料から成る(例えば、有用な材料としては高分子フィルム(例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、及び同類のもの、又これらの組み合わせ、などのようなもの)、紙、金属、木材、コンクリート、セラミック、及び同類のもの、又それらの組み合わせを含む)。上述の疎水性材料もまた用いられ得る。好ましくは、当該基膜は高分子フィルムである。
【0032】
当該シートは滑水性を示し得、それは、上述のように、当該シートが傾けられた際、シートのコーティングされた側に配置される水滴が転落し始める角度(転落角)を確定することにより測定され得る。本発明によるシートは、(配置された0.02mLの水滴に対して)25°以下(好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下)の転落角を示し得る。好ましいコーティングはまた、配置した0.02mLの水滴に対して、1時間水中にに浸漬の後、25°以下の転落角を示し得る。
【実施例】
【0033】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。
【0034】
(実施例1)
突起多孔質粒子を含む、シリコーン系超疎水性コーティングの調製
シリコーン接着剤溶液(GE東芝シリコーン(GE Toshiba Silicones)(日本、東京)から商品名「PSA518」の元に入手された)が、トルエンで10重量%の接着剤に希釈され、その結果得られた溶液がポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシート上にコーティングされた。得られたコーティングの厚さが、乾燥コーティング厚約4μmを備えるために、経験的に求められた。平均粒径およそ8μmの多孔質ポリ(スチレン)粒子(積水プラスチック(Sekisui Plastics Co., Ltd.)(日本、東京)から商品名「SBP−8」の元に入手された)が、当該コーティング表面全体に分布され、コーティング中に埋設されるようにされた。当該コーティングは、次いで100℃で強制空気オーブン内で1時間加熱により乾燥され、コーティングされたシートを得た。当該コーティングは、次いで、UVL−2000N型水銀ランプ(ウシオアメリカ社(Ushio America Inc.)(カリフォルニア州、サイプレス(Cypress))から入手可能)を用いて、およそ96mJ/cm×cmの線量の紫外線に曝露することにより架橋された。得られたコーティングされたシートは、任意の過剰なポリ(スチレン)粒子を除去され、次いで乾燥させるため水で洗われた。
【0035】
当該のコーティングされたシートが、あらゆる範囲の角度に傾けさせる又は(水平に対して)傾斜させることができる台上に定置された。容積およそ0.02mLの水滴が当該コーティングの表面上に定置され、次いで当該台がゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、5°未満であると確定された。当該のコーティングされたシートは次いで168時間水中に浸漬され、その後乾燥された。容積およそ0.02mLの水滴が当該コーティングの表面上に再び定置され、次いで当該台はゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、5°未満と確定された。
【0036】
(実施例2)
突起多孔質粒子を含むシリコーン系超疎水性コーティングの調製
本質的に実施例1に記載したように、当該乾燥コーティング厚がおよそ6μmであったことを除き、コーティングされたポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシートが調製された。当該のコーティングされたシートが台上に定置されること又水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた角度を確定することにより、当該のコーティングされたシートの疎水性が、実施例1に記載されたように本質的に評価された。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度が、5°未満であると確定された。
【0037】
当該のコーティングされたシートは、次いで168時間水中に浸漬され、その後それは乾燥させられた。容積およそ0.02mLの水滴が再び当該コーティングの表面上に定置され、次いで当該台はゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度が、5°未満であると確定された。
【0038】
比較例1
突起無孔質粒子を含むコーティングの調製
シリコーン接着剤溶液(GE東芝シリコーン(GE Toshiba Silicones)(日本、東京)から商品名「PSA518」の下で入手)が、トルエン10重量%の接着剤に希釈され、得られた溶液をポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシート上にコーティングされた。得られたコーティングの厚さは、乾燥コーティング厚およそ4μmを提供することが実験的に確定された。平均粒径およそ6μmの無孔質ポリ(スチレン)粒子(積水プラスチック(Sekisui Plastic Co., Ltd.)(日本、東京)から商品名「SBX−6」の下で入手)が、当該コーティングの表面全体に分布され、当該コーティング中に埋設させられた。当該コーティングは、強制空気オーブン内で100℃で1時間加熱することにより次いで乾燥され、コーティングされたシートをもたらした。当該コーティングは、本質的に実施例1で記載したようにそれを紫外線に曝露することにより次いで架橋された。得られたコーティングされたシートは、任意の過剰なポリ(スチレン)粒子を除去するために水で洗われ、次いで乾燥させられた。
【0039】
当該のコーティングされたシートは、あらゆる範囲の角度に傾けさせる又は(水平に対して)傾斜させることができる台上に定置された。容積およそ0.02mLの水滴が、当該コーティングの表面上に定置され、次いで当該台はゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの当該表面を転落し始める、(水平に対する)当該台の角度は、30°超であると確定された。
【0040】
比較例2
完全に埋設された多孔質粒子を含むコーティングの調製
シリコーン接着剤溶液(GE東芝シリコーン(GE Toshiba Silicones)(日本、東京)から商品名「PSA518」の下で入手)が、トルエンで10重量%接着剤に希釈され、得られた溶液は平均粒径およそ8μmの多孔質ポリ(スチレン)粒子(積水プラスチック(Sekisui Plastics Co., Ltd.)(日本、東京)から商品名「SBP−8」の下で入手)と、シリコーン接着剤及びポリ(スチレン)粒子の重量で等しい部分の混合物をもたらす割合で、組み合わされた。得られた混合物は、ポリ(エチレンテレフタレート)のシート上にコーティングされた。当該コーティングの厚さは、乾燥コーティング厚およそ20μmをもたらすものと、経験的に確定された。当該コーティングは、強制空気オーブン内で100℃で1時間加熱することにより次いで乾燥され、コーティングされたシートをもたらした。当該多孔質ポリ(スチレン)粒子は、当該シリコーン接着剤内に本質的に完全に埋設されていることが観察された。本質的にいかなる突起も、当該接着剤の表面から突出していないことが観察された。
【0041】
当該のコーティングされたシートが、ある範囲の角度に傾けさせる又は(水平に対して)傾斜させることができる台上に定置された。容積およそ0.02mLの水滴が、当該コーティングの表面上に定置され、次いで当該台はゆっくりと傾けられた。当該水滴が、当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、40°超であることが確定された。
【0042】
(実施例3)
突起多孔質粒子を含むシリコーン系超疎水性コーティングの調製
当該粒子が当該接着剤内に埋設されるようにさせられる前に、当該コーティングが強制空気オーブン内で100℃で乾燥され、それにより当該粒子がより少なく埋設されたシリコーン接着剤のコーティングなることを除いては、本質的に実施例1で記載したように、コーティングされたポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシートが調製された。当該のコーティングされたシートの疎水性が、当該のコーティングされたシートを台の上に定置すること又水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた角度を確定することにより、本質的に実施例1に記載したように評価された。当該水滴が当該コーティングの当該表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度が、5°未満であると確定された。
【0043】
当該のコーティングされたシートは、次いで水中に1時間未満浸漬され、その後乾燥させられた。およそ0.02mLの容積を持つ水滴が、再び当該コーティングの表面上に定置され、次いで当該台がゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、60°超過であると確定された。
【0044】
(実施例4)
突起多孔質粒子を含むシリコーン系超疎水性コーティングの調製
当該乾燥コーティング厚さがおよそ1μmであったことを除いて、本質的に実施例1で記載したように、コーティングされたポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシートが調製された。当該のコーティングされたシートを台上に定置し、水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた角度を求めることにより、当該のコーティングされたシートの疎水性は、本質的に実施例1に記載したように評価された。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、5°未満であると確定された。
【0045】
当該のコーティングされたシートは、次いで1時間未満水中に浸漬され、その後乾燥させられた。およそ0.02mLの容積を持つ水滴が、再び当該コーティングの表面上に定置され、当該台は次いでゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、60°超であると確定された。
【0046】
比較例3
完全に埋設された多孔質粒子を含むコーティングの調製
乾燥コーティング厚がおよそ10μmであったことを除き、本質的に実施例1に記載したように、コーティングされたポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシートが調製された。当該のコーティングされたシートを台上に定置すること又水滴が当該コーティングの当該表面を転落し始めた角度を確定することにより、当該のコーティングされたシートの疎水性が、本質的に実施例1に記載したように、評価された。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、60°超であると確定された。
【0047】
(実施例5)
疎水性フィルムを含むシリコーン系超疎水性コーティングの調製
シリコーン接着剤溶液(GE東芝シリコーン(GE Toshiba Silicones)(日本、東京)から商品名「PSA518」の下で入手)が、トルエンで10重量%接着剤に希釈され、得られた溶液が、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシート上にコーティングされた。得られたコーティングの厚さは、当該乾燥コーティング厚およそ4μmとなることが実験的に確定された。平均粒径およそ8μmを持つ多孔質ポリ(スチレン)粒子(積水プラスチック(Sekisui Plastics Co., Ltd.)(日本、東京)から商品名「SBP−8」の下で入手)が、当該コーティングの全表面に分布され、当該コーティング中に埋設させられた。当該コーティングは次いで、100℃で強制空気オーブン中で2時間加熱することにより乾燥され、コーティングされたシートを得た。コーティングは次いで、本質的に実施例1で記載したように紫外線に曝露することにより架橋された。得られたシートは、いかなる過剰なポリ(スチレン)粒子をも除去されるように水で洗われ、次いで乾燥させられた。
【0048】
当該シートは次いで、メチルトリエトキシシラン(2g)、0.1N水性塩化水素酸(0.5g)及びイソプロピルアルコール(15g)を加えた水(1.5g)を組み合わせることにより調製された、およそ1gの溶液でコーティングされた。得られたコーティングは次いで、100℃で強制空気オーブン内で2時間乾燥された。乾燥したコーティングされたシートは、ある範囲の角度にわたって傾けられるまたは(水平に対して)傾斜させられることができる台上に定置された。およそ0.02mLの容積を持つ水滴が、当該コーティングの当該表面上に定置され、次いで当該台はゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた当該台の(水平に対する)角度は、3°未満であることが確定された。
【0049】
当該のコーティングされたシートは次いで、水中に168時間浸漬され、その後乾燥させられた。およそ0.02mLの容積を持つ水滴が、当該コーティングの表面上に再び定置され、当該台は次いでゆっくりと傾けられた。当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた当該台の(水平に対する)角度は、3°未満であることが確定された。
【0050】
(実施例6)
突起多孔質粒子を含むシリコーン系超疎水性コーティングの調製
二液型シリコーン接着剤(GE東芝シリコーン(GE Toshiba Silicones)(日本、東京)から商品名「TSE3320」の下で入手)の溶液が、10gのトルエンに2gのシリコーンを溶解することにより、調製された。得られた溶液は、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのシート上にコーティングされた。当該コーティングの厚さは、乾燥コーティング厚およそ4μmでることが実験的に確定された。平均粒径およそ8μmを持つ多孔質ポリ(スチレン)粒子(積水プラスチック(Sekisui Plastics Co., Ltd.)(日本、東京)から商品名「SBP−8」の下で入手)が、当該コーティングの全表面に分布され、当該コーティング中に埋設させられた。コーティングは次いで、100℃で強制空気オーブン内で1時間加熱することにより乾燥され、コーティングされたシートを得た。得られたコーティングされたシートは、いかなる過剰なポリ(スチレン)粒子をも除去されるように水で洗われ、次いで乾燥させられた。
【0051】
当該のコーティングされたシートを台上に定置して、水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた角度を確定することにより、当該のコーティングされたシートの疎水性が、本質的に実施例1に記載したように評価された。当該シートが水中に168時間浸漬された前後に、当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた(水平に対する)当該台の角度は、3°未満であると確定された。
【0052】
(実施例7)
突起多孔質粒子を含むポリウレタン系超疎水性コーティングの調製
255重量部のウレタン前駆体(住友バイエル・ウレタン(Sumitomo Bayer Urethane Co., Ltd.)(日本、東京)から商品名「スミドゥールN75(SUMIDUR N75)」の下で入手)と100重量部の多官能性アルコール(住友ダウ(Sumitomo Dow Ltd.)(日本、東京)から商品名「トーンポリオール(TONE POLYOL)0301」の下で入手可能)を、トルエン中で総濃度10重量%で組み合わせることにより、ウレタン接着剤溶液が調製された。得られた溶液は、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上にコーティングされた。得られたコーティングの厚さは、乾燥コーティング厚およそ4μmをもたらすものと、実験的に確定された。平均粒径およそ8μmの多孔質ポリ(スチレン)粒子(積水プラスチック(Sekisui Plastics Co., Ltd.)(日本、東京)から商品名「SBP−8」の下で入手)が、当該コーティングの全表面に分布させられた。当該粒子一面にガラス板を定置することにより、また得られた構造物を155℃で強制空気オーブン内で2時間加熱することにより、当該粒子が当該コーティング内に埋設させられ、コーティングされたシートを得た。
【0053】
当該のコーティングされたシートのコーティングは次いで、フェニルトリエトキシシランの0.1重量%イソプロピルアルコール溶液の薄膜でカバーされ、乾燥させられた。コーティングされたシートを台上に定置すること、また水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた角度が確定することにより、当該のコーティングされたシートの疎水性が、本質的に実施例1に記載したように評価された。当該シートが168時間水中で浸漬させられた前後に、当該水滴が当該コーティングの表面を転落し始めた、当該台の(水平に対する)角度が、3°未満をもたらすことが確定された。
【0054】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点は、説明、添付の請求の範囲、及び添付図を考慮することにより、更によく理解されるようになるであろう。
【0055】
これらの図は、理想化されており、一定の縮尺で描かれてはおらず、単に例証及び制限しないことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】断面図にて、本発明のコーティングの様々な実施形態を示す。
【図2】断面図にて、本発明のコーティングの様々な実施形態を示す。
【図3】断面図にて、本発明のコーティングの様々な実施形態を示す。
【図4】断面図にて、本発明のコーティングの様々な実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子結合剤層と、前記高分子バインダー層の表面から突出する複数の多孔質突起とを含むコーティングであって、前記高分子バインダー層および前記突起が独立に(a)少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成り、及び/又は、(b)少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成るフィルムを有し、前記突起間の距離が前記高分子バインダー層表面において本質的に最も短いコーティング。
【請求項2】
前記高分子バインダー層および前記突起がともに、少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成り、前記フィルムが存在しない、請求項1に記載のコーティング。
【請求項3】
前記突起を形成するために前記高分子バインダー層の表面から部分的に突出するように、前記コーティングが前記高分子結合層に部分的に埋設された複数の粒子を含み、前記粒子が多孔質粒子、粒子凝集体及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載のコーティング。
【請求項4】
前記高分子バインダー層が、フッ素を含有しない少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成る、請求項2に記載のコーティング。
【請求項5】
前記高分子バインダー層が、シリコーン系接着剤、シリコーン系樹脂、ポリウレタン類、ポリ尿素類、ポリエポキシド類、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成る、請求項2に記載のコーティング。
【請求項6】
前記粒子が、フッ素を含有しない少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成る、請求項3に記載のコーティング。
【請求項7】
前記粒子が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成る、請求項3に記載のコーティング。
【請求項8】
前記粒子が、実質的に球形粒子、円錐形粒子、角錐形粒子、円錐台形粒子、角錐台形粒子、及びこれらの混合物から選択される、請求項3に記載のコーティング。
【請求項9】
前記粒子が実質的に球形粒子である、請求項8に記載のコーティング。
【請求項10】
前記粒子の平均粒径の少なくとも25%及び75%未満が、前記高分子バインダー層に埋設されている、請求項9に記載のコーティング。
【請求項11】
前記粒子が微小粒子である、請求項3に記載のコーティング。
【請求項12】
前記高分子バインダー層及び前記突起が少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成らず、前記フィルムが存在する、請求項1に記載のコーティング。
【請求項13】
前記突起を形成するために、前記高分子バインダー層の表面から部分的に突出するように、前記コーティングが前記高分子バインダー層に部分的に埋設される複数の粒子を含み、前記粒子が、多孔質粒子、粒子凝集体、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項12に記載のコーティング。
【請求項14】
前記高分子バインダー層の前記高分子バインダーが、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、及びゴム系樹脂;シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、オレフィン系接着剤、及びゴム系接着剤、並びにこれらの混合物から選択される材料を含む、請求項12に記載のコーティング。
【請求項15】
前記粒子が、アクリル系樹脂及びメタクリル系樹脂、金属、セラミックス、及びこれらの混合物から選択される材料を含む、請求項13に記載のコーティング。
【請求項16】
前記粒子が、球形粒子、円錐形粒子、角錐形粒子、円錐台形粒子、角錐台形粒子、及びこれらの混合物から実質的に選択される、請求項13に記載のコーティング。
【請求項17】
前記粒子が実質的に球形粒子である、請求項16に記載のコーティング。
【請求項18】
前記粒子の平均粒径の少なくとも25%及び75%未満が、前記高分子バインダー層に埋設されている、請求項17に記載のコーティング。
【請求項19】
前記粒子が微小粒子である、請求項13に記載のコーティング。
【請求項20】
前記フィルムの前記疎水性材料がフッ素を含有しない、請求項12に記載のコーティング。
【請求項21】
前記フィルムの前記疎水性材料が、有機シリコーン誘導体及びこれらの混合物から選択される、請求項12に記載のコーティング。
【請求項22】
前記フィルムの厚さが、前記粒子の大きさの0.1〜30%である、請求項13に記載のコーティング。
【請求項23】
前記コーティングが、配置された0.02mLの水滴に対して、10°以下の転落角を示す、請求項1に記載のコーティング。
【請求項24】
前記コーティングが、1時間の浸水後、配置された0.02mLの水滴に対して、25°以下の転落角を示す、請求項1に記載のコーティング。
【請求項25】
高分子バインダー層と、前記高分子バインダー層の表面に部分的に埋設され前記表面から部分的に突出して突起を形成する複数の多孔質ポリスチレン微小粒子とを含み、前記高分子バインダー層がシリコーン系接着剤、シリコーン系樹脂、ポリウレタン類及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の疎水性材料から本質的に成り、前記突起間の距離が前記高分子バインダー層の表面において本質的に最も短いコーティング。
【請求項26】
基膜と、前記基膜の少なくとも一つの面の少なくとも一部上の請求項1に記載のコーティングとを含む、コーティングされたシート。
【請求項27】
基膜と、前記基膜の少なくとも一つの面の少なくとも一部上の請求項25に記載のコーティングとを含む、コーティングされたシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−521551(P2009−521551A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547343(P2008−547343)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047864
【国際公開番号】WO2007/075390
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】