説明

超純水製造装置の殺菌方法および超純水製造装置の殺菌装置

【課題】 ランニングコストが低くて、短時間で殺菌処理ができる超純水製造装置の殺菌方法および殺菌装置を提供する。
【解決手段】 この超純水製造装置の殺菌装置によれば、二次純水タンク1内に窒素マイクロナノバブル発生機3が設置されている。殺菌が必要な時は、二次純水タンク1内で窒素マイクロナノバブル発生機3が窒素マイクロナノバブルを発生させて、この窒素マイクロナノバブルにより過酸化水素等の薬品を使用することなく、二次純水タンク1から殺菌することができる。すなわち、二次純水製造装置の最初の設備が二次純水タンク1であるので、最初の設備から殺菌することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超純水製造装置の殺菌方法、超純水製造装置の殺菌装置および超純水製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超純水製造に関する超純水製造装置の超純水配管等の殺菌方法としては、(1) 薬品としての過酸化水素水による殺菌方法、(2) 熱水殺菌法、(3) オゾン水殺菌法がある。
【0003】
(1) 薬品としての過酸化水素水による殺菌方法は、薬品のコスト代および、殺菌後の残留過酸化水素による水質の立ち上げに時間を要する等の課題があった。
【0004】
(2) 熱水殺菌法は、熱水を利用しての殺菌方法で、過酸化水素水も少ないが利用するので、エネルギーを多量消費し、また、薬品も使用するので、ランニングコストが高いという課題があった。
【0005】
(3) オゾン水殺菌法は、多量のオゾンを使用するので、オゾン発生機の準備等や設置スペースの必要性等がありコスト高となる課題があった。また、オゾンは、オゾン水として従来使用していたが、水中での持続性がないことが課題であった。
【0006】
また、別の従来技術としてのナノバブルを利用する殺菌方法および殺菌装置が、特許文献1(特開2004−121962号公報)に記載されている。
【0007】
この従来技術は、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用したものである。より具体的には、特許文献1では、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄することができ、汚濁水の浄化を行うことができることを開示している。
【0008】
さらに、別の従来技術として、特許文献2(特開2003−334548号公報)では、ナノ気泡の生成方法が記載されている。
【0009】
この従来技術のナノ気泡の生成方法は、液体中において、(1)液体の一部を分解ガス化する工程、(2)液体中で超音波を印加する工程、または、(3)液体の一部を分解ガス化する工程および超音波を印加する工程から構成されていることを開示している。
【0010】
ところで、最初に述べた超純水配管等の殺菌法は、上述の如く、(1)薬品としての過酸化水素水による殺菌方法、(2)熱水殺菌法、(3)オゾン水殺菌法があるが、いずれも作業性やランニングコストの観点から合理的で、短時間に殺菌できる殺菌方法ではない。
【0011】
特に、薬品としての過酸化水素水による殺菌方法が一般的であるが、殺菌後元の水質まで立ち上がるのに数時間を必要とするので、短時間に殺菌可能でランニングコストも低い殺菌方法が求められている。
【0012】
また、最近、少量の過酸化水素水を添加した熱水殺菌法も採用されてきたが、水温を上げることによるエネルギーの消費があり、省エネルギー方式ではない。エネルギーを浪費しないシステムは時代の要請でもあり、殺菌方法についても省エネタイプの殺菌方法が求められている。
【特許文献1】特開2004−121962号公報
【特許文献2】特開2003−334548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、この発明の課題は、ランニングコストが低くて、短時間で殺菌処理ができる超純水製造装置の殺菌方法および殺菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、この発明の超純水製造装置の殺菌方法は、超純水製造装置を構成する一次純水製造装置と二次純水製造装置とのうちの上記二次純水製造装置が有する超純水配管に、マイクロナノバブルを含有する水を流して、上記二次純水製造装置を殺菌することを特徴とする。
【0015】
この発明の殺菌方法によれば、二次純水製造装置が有する超純水配管にマイクロナノバブルを含有する水を流して上記二次純水製造装置を殺菌する。よって、超純水配管を含む二次純水製造装置の殺菌が必要な時、マイクロナノバブルが持つ殺菌力で、超純水配管を含む二次純水製造装置の殺菌を行うことができる。また、このマイクロナノバブルによる殺菌方法では、過酸化水素等の薬品を使用しない方法であるので、殺菌作業終了後の超純水の水質の立ち上がりが早いという長所がある。したがって、ランニングコストが低くて、短時間で殺菌処理ができる超純水製造装置の殺菌方法となる。
【0016】
なお、マイクロナノバブルとは、マイクロバブルとナノバブルを含んでおり、例えば数100nm〜10μmの大きさのバブルを言い、マイクロバブルとは、10μm〜数10μmの大きさのバブルを言い、ナノバブルとは、数100nm以下の大きさのバブルを言う。
【0017】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌方法は、マイクロナノバブルとして窒素マイクロナノバブルまたはオゾンマイクロナノバブルを使用する。窒素マイクロナノバブルによれば、不活性ガスであることから、殺菌後の立ち上がりを早くできる。また、オゾンマイクロナノバブルによれば、殺菌能力の向上を図れる。
【0018】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置は、超純水製造装置が備える一次純水製造装置と二次純水製造装置とのうちの上記二次純水製造装置が有する超純水配管にマイクロナノバブルを供給するマイクロナノバブル発生機を備える。
【0019】
この実施形態の殺菌装置によれば、マイクロナノバブル発生機が、超純水製造装置の二次純水製造装置が有する超純水配管にマイクロナノバブルを供給する。これにより、超純水配管を含む二次純水製造装置の殺菌が必要な時、マイクロナノバブルが持つ殺菌力で、超純水配管を含む二次純水製造装置の殺菌を行うことができる。この窒素マイクロナノバブルによる殺菌では、過酸化水素等の薬品を使用しない方法であるので、殺菌作業終了後の超純水の水質の立ち上がりが早い。したがって、ランニングコストが低く、短時間で殺菌処理ができる超純水製造装置の殺菌装置を実現できる。
【0020】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記マイクロナノバブル発生機は、上記超純水配管に窒素マイクロナノバブルを供給する窒素マイクロナノバブル発生機であり、上記窒素マイクロナノバブル発生機は上記二次純水製造装置に組み込まれている。
【0021】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、窒素マイクロナノバブル発生機が二次純水製造装置に組み込まれているので、超純水配管を含む二次純水製造装置に窒素マイクロナノバブルを効率よく供給して殺菌できる。
【0022】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記二次純水製造装置は、二次純水タンク、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜を有する。
【0023】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、二次純水製造装置が有する二次純水タンク、もしくは、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜の間の経路に、窒素マイクロナノバブル発生機を設置して、窒素マイクロナノバブルを供給できる。
【0024】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記窒素マイクロナノバブル発生機は、上記二次純水製造装置の二次純水タンク内に設置されている。
【0025】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、二次純水タンク内に窒素マイクロナノバブル発生機が設置されているので、殺菌が必要な時は、二次純水タンク内で窒素マイクロナノバブルを発生させて、二次純水タンクから殺菌することができる。すなわち、二次純水製造装置の最初の設備が二次純水タンクであるので、最初の設備から殺菌することができる。
【0026】
また、二次純水タンクは、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜の設備と異なり、設備の規模が大きいので、二次純水タンク内で多量の窒素マイクロナノバブルを発生させることができると同時に滞留時間が他の設備と比較して長いので、窒素マイクロナノバブルの殺菌作用を充分受けることができる。そして、この二次純水タンクの殺菌後は、熱交換器、紫外線殺菌器、バイパス配管、超純水配管に窒素マイクロナノバブルを含む超純水を流して殺菌することができる。
【0027】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記窒素マイクロナノバブル発生機は、上記紫外線殺菌器の前段に設置されたタンクまたは配管の中に設置されている。
【0028】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、紫外線殺菌器の前段に窒素マイクロナノバブル発生機を有するタンクまたは配管を設置しているので、紫外線殺菌器の殺菌負荷を低減でき、紫外線殺菌器を小さくすることができる。
【0029】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記窒素マイクロナノバブル発生機は、窒素吸込口と、上記二次純水タンクの循環水を1.5kg/cm以上の吐出圧で吐出するポンプに接続された送水口とを有している。
【0030】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、窒素マイクロナノバブル発生機は、送水口へ、1.5kg/cm以上の吐出圧を有するポンプから送水されるので、窒素マイクロナノバブルを効率よく発生させることができる。
【0031】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記マイクロナノバブル発生機は、上記超純水配管にオゾンマイクロナノバブルを供給するオゾンマイクロナノバブル発生機であり、上記オゾンマイクロナノバブル発生機は上記二次純水製造装置に組み込まれている。
【0032】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、オゾンマイクロナノバブル発生機を二次純水製造装置に組み込んでいるので、オゾンマイクロナノバブルによって超純水配管を含む二次純水製造装置を強力に殺菌できる。また、通常のオゾンと異なり、オゾンマイクロナノバブルはオゾンの殺菌力が長時間持続するので、殺菌を確実にすることができる。
【0033】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記二次純水製造装置は、二次純水タンク、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜を有する。
【0034】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、二次純水製造装置が有する二次純水タンク、もしくは、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜の間の経路に、オゾンマイクロナノバブル発生機を設置して、オゾンマイクロナノバブルを供給できる。
【0035】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記オゾンマイクロナノバブル発生機を上記二次純水タンク内に設置した。
【0036】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、二次純水タンク内にオゾンマイクロナノバブル発生機を設置しているので、殺菌が必要な時は、二次純水タンク内でオゾンマイクロナノバブルを発生させて、二次純水タンクから殺菌することができる。すなわち、二次純水製造装置における最初の設備が二次純水タンクであるので、最初の設備から殺菌することができる。また、二次純水タンクは、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜の設備と異なり、設備の規模が大きいので、二次純水タンク内で多量のオゾンマイクロナノバブルを発生させることができる。同時に、二次純水タンクは、滞留時間が他の設備と比較して長いので、オゾンマイクロナノバブルの殺菌作用を充分受けることができる。
【0037】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記オゾンマイクロナノバブル発生機は、上記紫外線殺菌器の前段に設置されたタンクまたは配管の中に設置された。
【0038】
この実施形態の超純水製造装置の殺菌装置によれば、紫外線殺菌器の前段にオゾンマイクロナノバブル発生機を有するタンクまたは配管を設置しているので、紫外線殺菌器の殺菌負荷を低減でき、紫外線殺菌器を小さくすることができる。
【0039】
また、一実施形態の超純水製造装置の殺菌装置では、上記オゾンマイクロナノバブル発生機は、オゾン吸込口と、上記二次純水タンクの循環水を1.5kg/cm以上の吐出圧で吐出するポンプに接続された送水口とを有している。
【0040】
この実施形態によれば、オゾンマイクロナノバブル発生機は、送水口へ、1.5kg/cm以上の吐出圧を有するポンプから送水されるので、オゾンマイクロナノバブルを効率よく発生させることができる。
【0041】
また、一実施形態の超純水製造装置では、上記超純水製造装置の殺菌装置を備え、上記限外ろ過膜の後段にタンクまたは配管を設置し、上記窒素マイクロナノバブル発生機を、上記限外ろ過膜の後段のタンクまたは配管に設置した。
【0042】
この実施形態の超純水製造装置によれば、ファイナルフィルターとしての上記限外ろ過膜の後段に窒素マイクロナノバブル発生機を有するタンクまたは配管を設置している。よって、超純水製造後に、超純水と窒素マイクロナノバブルとを接触させるので、殺菌を行うだけでなく、窒素マイクロナノバブルを含む新たな超純水を製造することができる。窒素マイクロナノバブルの作用として、殺菌効果と物体に対する洗浄効果があるので、洗浄効果のある超純水を製造できる。
【0043】
また、一実施形態の超純水製造装置では、上記超純水製造装置の殺菌装置を備え、上記限外ろ過膜の後段に設置されたタンクまたは配管を有し、上記オゾンマイクロナノバブル発生機を上記タンクまたは配管に設置した。
【0044】
この実施形態の超純水製造装置によれば、限外ろ過膜の後段にオゾンマイクロナノバブル発生機を有するタンクまたは配管を設置しており、超純水製造後に、超純水とオゾンマイクロナノバブルとを接触させる。よって、殺菌を行うだけでなく、オゾンマイクロナノバブルを含む新たな超純水を製造することができる。オゾンマイクロナノバブルの作用として、殺菌効果および物体に対する強力な洗浄効果があるので、強力な洗浄効果のある超純水を製造できる。
【0045】
また、一実施形態の超純水製造装置では、超純水配管に窒素マイクロナノバブルを供給する窒素マイクロナノバブル発生機が二次純水製造装置に組み込まれた超純水製造装置の殺菌装置を備えた。
【0046】
この実施形態の超純水製造装置によれば、窒素マイクロナノバブル発生機が超純水配管に窒素マイクロナノバブルを供給するので、洗浄効果のある超純水を製造でき、超純水による洗浄効果を向上できる。よって、上記超純水によれば、一例として、ウエハープロセスにおける製品の歩留まりを向上させることができる。
【0047】
また、一実施形態の超純水製造装置では、窒素マイクロナノバブル発生機が二次純水製造装置の二次純水タンク内に設置されている超純水製造装置の殺菌装置を備えた。
【0048】
この実施形態の超純水製造装置によれば、二次純水タンク内で窒素マイクロナノバブルを発生させて、洗浄効果のある超純水を製造できる。よって、超純水による洗浄効果が上がるので、この超純水を使用することによって、例えば、ウエハープロセスにおける製品の歩留まりを向上させることができる。
【0049】
また、一実施形態の超純水製造装置では、窒素マイクロナノバブル発生機が紫外線殺菌器の前段に設置されたタンクまたは配管の中に設置された超純水製造装置の殺菌装置を備えた。
【0050】
この実施形態の超純水製造装置によれば、窒素マイクロナノバブル発生機が発生する窒素マイクロナノバブルでもって、洗浄効果のある超純水を製造でき、洗浄効果が高い超純水を製造できる。したがって、一例として、この超純水を用いてウエハープロセスにおける製品の歩留まりを向上させることができる。
【発明の効果】
【0051】
この発明の超純水製造装置の殺菌方法は、二次純水製造装置が有する超純水配管にマイクロナノバブルを含有する水を流して二次純水製造装置を殺菌する。よって、超純水配管を含む二次純水製造装置の殺菌が必要な時、マイクロナノバブルが持つ殺菌力で、超純水配管を含む二次純水製造装置の殺菌を行うことができる。また、このマイクロナノバブルによる殺菌方法では、過酸化水素等の薬品を使用しない方法であるので、殺菌作業終了後の超純水の水質の立ち上がりが早いという長所がある。したがって、ランニングコストが低くて、短時間で殺菌処理ができる超純水製造装置の殺菌方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0053】
(第1の実施の形態)
図2のブロック図に、この発明の第1実施形態として超純水製造装置の構成を示す。
【0054】
この第1実施形態の超純水製造装置は、前処理装置17と一次純水製造装置18と二次純水製造装置19とを備え、この二次純水製造装置19からの超純水が生産装置20に供給される。
【0055】
原水が前処理装置17に導入されて前処理される。上記原水は、例えば、工業用水、水道水、地下水、河川水等である。続いて、前処理装置17からの前処理水は一次純水製造装置18に導入され、一次純水製造装置18によって一次純水が製造される。続いて、一次純水製造装置18からの一次純水が、二次純水製造装置19に導入されて、二次純水が製造される。そして、この二次純水製造装置19で製造された二次純水が超純水として、例えば、ウエハ洗浄等の目的で、生産装置20に供給される。
【0056】
次に、図1に、上記二次純水製造装置19の構成を模式的に示す。図1において、符号1は、二次純水タンクであり、図2に示す超純水製造装置における一次純水製造装置18で製造された一次純水が二次純水製造装置19が備える二次純水タンク1に導入される。
【0057】
この二次純水タンク1内には、殺菌装置をなす窒素マイクロナノバブル発生機3が設置されている。一方、この二次純水タンク1外には循環ポンプ2が設置されている。この循環ポンプ2は二次純水タンク1内の純水を循環させるためのポンプである。この循環ポンプ2には吸込側の配管5Aと送水側の配管5Bとが接続されている。吸込側の配管5Aは、二次純水タンク1の底に接続されている。また、送水側の配管5Bは、送水量を調節するための電動弁6と二次純水タンク1の天井を順に経由して、窒素マイクロナノバブル発生機3の送水口3Aに接続されている。この循環ポンプ2から窒素マイクロナノバブル発生機3への送水量は電動弁6で自由に制御可能となる。
【0058】
一方、窒素マイクロナノバブル発生機3の窒素吸込口3Bは、ガス配管4に接続されている。このガス配管4は電動弁7を経由して所定の窒素ガス供給部(図示せず)につながっている。このガス配管4から、窒素マイクロナノバブル発生機3への窒素ガスの流入量は電動弁7で自動的に制御できる。
【0059】
したがって、窒素マイクロナノバブル発生機3には、窒素ガスと循環水(純水)とが、それぞれの量が電動弁7と6で制御されて導入される。これにより、窒素マイクロナノバブル発生機3は、二次純水タンク1内において、窒素マイクロナノバブルを効率的に発生させる。
【0060】
上述のように、循環ポンプ2は、二次純水タンク1内の純水を窒素マイクロナノバブル発生機3と吸込側,送水側配管5A,5Bを経由して、循環する内容であるが、窒素マイクロナノバブル発生機3内を純水が通過する時、マイナス圧となって、窒素ガスが窒素吸込口3Bから自動的に窒素マイクロナノバブル発生機3内に引き込まれる。
【0061】
よって、窒素ガスを窒素マイクロナノバブル発生機3に導入するための加圧する機器は何ら存在する必要がない。ただ単に、窒素ガスが電動弁7によって、制御された量だけ窒素ガス配管4を通って窒素マイクロナノバブル発生機3に導入される。なお、電動弁7を、広く開いた場合は、窒素マイクロナノバブル発生機3に導入される窒素量が多くなり、窒素マイクロナノバブル発生機3が発生するのは、窒素マイクロナノバブルではなくて、窒素マイクロバブルとなり、ナノバブルの割合が全く無いか、あっても少ない量となる。
【0062】
また、二次純水タンク1内には、溶存窒素センサ14Aと、溶存窒素調節計15Aが設置されている。溶存窒素センサ14Aからの溶存窒素の量を表す信号を受けた溶存窒素調節計15Aは、二次純水タンク1内の純水の溶存窒素が、一例として、8ppm以下となる様に、電動弁7を制御している。
【0063】
窒素マイクロナノバブル発生機3は、一例として、ナノプラネット研究所の製品を採用したが、窒素マイクロナノバブルを効率良く発生させることが可能ならば、特にメーカーを限定しない。
【0064】
次に、二次純水タンク1内の純水は、循環ポンプ2によって、窒素マイクロナノバブル発生機3を経由して二次純水タンク1内と循環ポンプ2との間で、循環した後、続いて、二次純水ポンプ8により、熱交換器9に送水される。ここで、この純水は窒素マイクロナノバブルを含有している。そして、熱交換器9は、超純水配管21,22等を殺菌する時は、熱交換を特に行わない一方、二次純水を製造する時には、熱交換を行い、純水を生産装置等の各ユースポイント13で求めている水温に調節する。
【0065】
次に、熱交換器9を通ることで熱交換器9内を殺菌した純水は、続いて、紫外線殺菌器10に送水され、紫外線殺菌器10内を殺菌する。超純水配管21,22等を殺菌する場合は、特に、紫外線殺菌器10の紫外線ランプは点灯しないが、二次純水を製造する時には、紫外線ランプを点灯させる。
【0066】
超純水配管21,22等を殺菌する場合は、バイパス配管16の手前のバルブ24Aが開となり、イオン交換ポリッシャ11の手前のバルブ24Bが閉となっている。よって、この紫外線殺菌器10を出た超純水は、バイパス配管16の手前の開となっているバルブ24Aを通って、バイパス配管16を通り、バイパス配管16内を殺菌し、限外ろ過膜12、続いて超純水配管21内を通って、殺菌する。
【0067】
そして、超純水配管21から各ユースポイント13における生産装置等に窒素マイクロナノバブルを含有した超純水が供給され、この超純水と接する部分が殺菌される。
【0068】
一方、二次純水を製造する時には、バイパス配管16の手前のバルブ24Aが閉となり、イオン交換ポリッシャ11の手前のバルブ24Bが開となっている。よって、窒素マイクロナノバブルを含有した超純水は、バイパス配管16を通過しないで、イオン交換ポリッシャ11の手前のバルブ24Bを通って、イオン交換ポリッシャ11と限外ろ過膜12で処理されて二次純水となる。この二次純水は、超純水配管21から各ユースポイント13に供給される。また、各ユースポイント13を出た超純水は、超純水配管22内を殺菌しながら二次純水タンク1に戻る。
【0069】
一般に、二次純水製造装置19内では、二次純水ポンプ8により二次純水タンク1を出た超純水は二次純水製造装置19内の各機器を通過して、生産装置である各ユースポイント13に達し、結局は、二次純水タンク1と各ユースポイント13との間で、常に循環している。
【0070】
すなわち、殺菌時は窒素マイクロナノバブルを含んだ純水は、二次純水ポンプ8により二次純水タンク1から出て、熱交換器9、紫外線殺菌器10、バイパス配管16、超純水配管21、各ユースポイント13、超純水配管22を経て、再び二次純水タンク1に戻ることとなる。
【0071】
一方、二次純水製造時は、二次純水ポンプ8により二次純水タンク1から出て、熱交換器9、紫外線殺菌器10、イオン交換ポリッシャ11、ファイナルフィルターである限外ろ過膜12、超純水配管21、各ユースポイント13、超純水配管22を経て、再び二次純水タンク1に戻ることとなる。
【0072】
以上が、窒素マイクロナノバブルを含んだ純水による殺菌についての内容であるが、二次純水製造時に、イオン交換ポリッシャ11内のイオン交換樹脂に影響しない量の窒素マイクロナノバブルを二次純水タンク1内で発生させてもよい。この場合、窒素マイクロナノバブル含んだ超純水を熱交換器9以下の二次純水製造装置の構成(イオン交換ポリッシャ11、限外ろ過膜12)に導入して新たな洗浄効果のある超純水を製造することができる。
【0073】
(第2の実施の形態)
次に、図3に、本発明の第2実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置を示す。この第2実施形態の超純水製造装置は、次の3点が前述の第1実施形態と異なる。
【0074】
(i) 図1に示す窒素マイクロナノバブル発生器3に替えて、オゾンマイクロナノバブル発生器23を二次純水タンク1内に設置した点。
【0075】
(ii) ガス配管4にオゾンガス供給部(図示せず)からオゾンガスが供給される点。
【0076】
(iii) 溶存窒素センサ14A,溶存窒素調節計15Aに替えて溶存オゾンセンサ14B,溶存オゾン調節計15Bを備えた点。
【0077】
この第2実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0078】
二次純水タンク1内に設置されているオゾンマイクロナノバブル発生器23は、送水側の配管5Bから送水口23Aに二次純水タンク1内の純水が供給され、ガス配管4から吸入口23Bにオゾンが供給される。これにより、オゾンマイクロナノバブル発生器23は、オゾンマイクロナノバブルを発生する。このオゾンマイクロナノバブルは、窒素マイクロナノバブルよりも殺菌力が強い。したがって、この超純水製造装置の二次純水製造装置で生成するオゾンマイクロナノバブルを含有する純水,超純水は、超純水配管21,22等を含む二次純水製造装置の各機器(熱交換器9,紫外線殺菌器10)、配管をより強力に殺菌できる。また、オゾン水殺菌に比べて、オゾンマイクロナノバブルの方が、水中での持続性があることより、少ないオゾン量で殺菌でき、ランニングコストの低減に役立つこととなる。
【0079】
なお、この第2実施形態では、二次純水タンク1内には、溶存オゾンセンサ14Bと、溶存オゾン調節計15Bが設置されている。溶存オゾンセンサ14Bからの溶存オゾンの量を表す信号を受けた溶存オゾン調節計15Bは、二次純水タンク1内の純水の溶存オゾンが、所定の値以下となる様に、電動弁7を制御している。
【0080】
(第3の実施の形態)
次に、図4に、本発明の第3実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置を示す。この第3実施形態の超純水製造装置は、次の(i)、(ii)の点が前述の第1実施形態と異なる。
【0081】
(i) 図4に示すように、二次純水タンク1内に窒素マイクロナノバブル発生機3を設置せずに、熱交換器9と紫外線殺菌器10との間に設置した窒素マイクロナノバブル接触槽25を備え、この窒素マイクロナノバブル接触槽25内に窒素マイクロナノバブル発生機3を設置した点。
【0082】
(ii) 図4に示すように、吸込側配管5Aを窒素マイクロナノバブル接触槽25の底と循環ポンプ2との間に接続し、循環ポンプ2を電動弁6を経由して送水側配管5Bで窒素マイクロナノバブル発生機3の送水口3Aに接続し、窒素ガス供給部(図示せず)を電動弁7を経由してガス配管4で窒素マイクロナノバブル発生機3の窒素吸込口3Bに接続した点。
【0083】
したがって、この第3実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0084】
この第3実施形態では、紫外線殺菌器10の前段に窒素マイクロナノバブル発生器3を有する窒素マイクロナノバブル接触槽25が設置されているので、二次純水製造装置19の系内の殺菌を窒素マイクロナノバブルと紫外線殺菌器10の両方で実施することとなり、紫外線殺菌器10のランプの一部を消すことが可能となり、ランニングコストの低減に役立つ。
【0085】
以上が殺菌についての内容であるが、二次純水製造時に、イオン交換ポリッシャ11内のイオン交換樹脂に影響しない量の窒素マイクロナノバブルを熱交換器9の後で、かつ紫外線殺菌器10の前で、窒素マイクロナノバブル発生器3を有する窒素マイクロナノバブル接触槽25内で窒素マイクロナノバブルを発生させてもよい。この場合、窒素マイクロナノバブル含んだ超純水を紫外線殺菌器10以下の二次純水製造装置の構成(イオン交換ポリッシャ11,限外ろ過膜12)に導入して新たな洗浄効果のある超純水を製造することができる。
【0086】
(第4の実施の形態)
次に、図5に、本発明の第4実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置を示す。この第4実施形態は、次の(i),(ii)の点が前述の第2実施形態と異なる。
【0087】
(i) 図5に示すように、二次純水タンク1内にオゾンマイクロナノバブル発生機23を設置せずに、熱交換器9と紫外線殺菌器10との間に設置したオゾンマイクロナノバブル接触槽26を備え、このオゾンマイクロナノバブル接触槽26内にオゾンマイクロナノバブル発生機23を設置した点。
【0088】
(ii) 図5に示すように、吸込側配管5Aをオゾンマイクロナノバブル接触槽26の底と循環ポンプ2との間に接続し、循環ポンプ2を電動弁6を経由して送水側配管5Bでオゾンマイクロナノバブル発生機23の送水口23Aに接続し、オゾンガス供給部(図示せず)を電動弁7を経由してガス配管4でオゾンマイクロナノバブル発生機23のオゾン吸込口23Bに接続した点。
【0089】
したがって、この第4実施形態では、前述の第2実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を説明する。
【0090】
この第4実施形態では、紫外線殺菌器10の前段にオゾンマイクロナノバブル発生器23を有するオゾンマイクロナノバブル接触槽26が設置されているので、二次純水製造装置19の系内の殺菌をオゾンマイクロナノバブルと紫外線殺菌器10の両方で実施することとなり、紫外線殺菌器10のランプの一部を消すことが可能となり、ランニングコストの低減に役立つ。
【0091】
また、オゾンマイクロナノバブル発生器23が発生するオゾンマイクロナノバブルは、窒素マイクロナノバブル発生器3が発生する窒素マイクロナノバブルに比べて、より強力に殺菌可能である。
【0092】
(第5の実施の形態)
次に、図6に、本発明の第5実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置を示す。この第5実施形態は、次の(i),(ii)の点が前述の第1実施形態と異なる。
【0093】
(i) 図6に示すように、二次純水タンク1内に窒素マイクロナノバブル発生機3を設置せずに、バイパス配管16においてバルブ24Aの後に窒素マイクロナノバブル接触槽25を設置し、この窒素マイクロナノバブル接触槽25内に窒素マイクロナノバブル発生機3を設置した点。
【0094】
(ii) 図6に示すように、吸込側配管5Aを窒素マイクロナノバブル接触槽25の底と循環ポンプ2との間に接続し、循環ポンプ2を電動弁6を経由して送水側配管5Bで窒素マイクロナノバブル発生機3の送水口3Aに接続し、窒素ガス供給部(図示せず)を電動弁7を経由してガス配管4で窒素マイクロナノバブル発生機3の窒素吸込口3Bに接続した点。
【0095】
したがって、この第5実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0096】
この第5実施形態では、窒素マイクロナノバブル発生器3を有する窒素マイクロナノバブル接触槽25が、バイパス配管16の後方部分に設置されている。よって、窒素マイクロナノバブルを各ユースポイント13の比較的近くで発生できる。したがって、各ユースポイント13の一例としての生産装置での殺菌や窒素マイクロナノバブルによる生産装置での洗浄の効果の向上を図ることができる。
【0097】
(第6の実施の形態)
次に、図7に、本発明の第6実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置を示す。この第6実施形態は、次の(i),(ii)の点が前述の第2実施形態と異なる。
【0098】
(i) 図7に示すように、二次純水タンク1内にオゾンマイクロナノバブル発生機23を設置せずに、バイパス配管16においてバルブ24Aの後にオゾンマイクロナノバブル接触槽26を設置し、このオゾンマイクロナノバブル接触槽26内にオゾンマイクロナノバブル発生機23を設置した点。
【0099】
(ii) 図7に示すように、吸込側配管5Aをオゾンマイクロナノバブル接触槽26の底と循環ポンプ2との間に接続し、循環ポンプ2を電動弁6を経由して送水側配管5Bでオゾンマイクロナノバブル発生機23の送水口23Aに接続し、オゾンガス供給部(図示せず)を電動弁7を経由してガス配管4でオゾンマイクロナノバブル発生機23のオゾン吸込口23Bに接続した点。
【0100】
したがって、この第6実施形態では、前述の第2実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を説明する。
【0101】
この第6実施形態では、オゾンマイクロナノバブル発生器23を有するオゾンマイクロナノバブル接触槽26が、バイパス配管16の後方部分に設置されている。よって、オゾンマイクロナノバブルを各ユースポイント13の比較的近くで発生できる。したがって、各ユースポイント13の一例としての生産装置での殺菌やオゾンマイクロナノバブルによる生産装置での洗浄の効果の向上を図ることができる。
【0102】
また、オゾン水中のオゾンが短時間に消滅するのに対し、オゾンマイクロナノバブルは水中で長時間持続する。よって、オゾン水で殺菌するより、格段にランニングコストを低減できる。
【0103】
(第7の実施の形態)
次に、図8に本発明の第7実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置を示す。この第7実施形態は、次の(i)〜(iii)の3点が前述の第1実施形態と異なる。
【0104】
(i) 図8に示すように、二次純水タンク1内に窒素マイクロナノバブル発生機3を設置せずに、限外ろ過膜12の後段かつ超純水配管21の前段に設置した窒素マイクロナノバブル接触槽25を備え、この窒素マイクロナノバブル接触槽25内に窒素マイクロナノバブル発生機3を設置した点。
【0105】
(ii) 図8に示すように、吸込側配管5Aを窒素マイクロナノバブル接触槽25の底と循環ポンプ2との間に接続し、循環ポンプ2を電動弁6を経由して送水側配管5Bで窒素マイクロナノバブル発生機3の送水口3Aに接続し、窒素ガス供給部(図示せず)を電動弁7を経由してガス配管4で窒素マイクロナノバブル発生機3の窒素吸込口3Bに接続した点。
【0106】
(iii) 図8に示すように、バイパス配管16に替えて、後端を窒素マイクロナノバブル接触槽25の出口側の超純水配管21に接続したバイパス配管16Zを備えた点。
【0107】
したがって、この第7実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0108】
この第7実施形態では、窒素マイクロナノバブル発生器3を有する窒素マイクロナノバブル接触槽25が、限外ろ過膜12の後段に設置され、かつ二次純水製造装置の一つとして構成されている。したがって、この第7実施形態の超純水製造装置によれば、窒素マイクロナノバブルを含有する新たな超純水を製造できる。同時に、窒素マイクロナノバブル接触槽25が各ユースポイント13に近いので、生産装置での殺菌や窒素マイクロナノバブルによる生産装置での洗浄の効果の向上を図れる。
【0109】
なお、この第7実施形態では、バルブ24Aが閉となり、バルブ24Bが開となることで、二次純水の製造と殺菌とが同時に行われる。
【0110】
(第8の実施の形態)
次に、図9に本発明の第8実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置を示す。この第8実施形態は、次の(i)〜(iii)の3点が前述の第3実施形態と異なる。
【0111】
(i) 図9に示すように、二次純水タンク1内にオゾンマイクロナノバブル発生機23を設置せずに、限外ろ過膜12の後段かつ超純水配管21の前段に設置したオゾンマイクロナノバブル接触槽26を備え、このオゾンマイクロナノバブル接触槽26内にオゾンマイクロナノバブル発生機23を設置した点。
【0112】
(ii) 図9に示すように、吸込側配管5Aをオゾンマイクロナノバブル接触槽26の底と循環ポンプ2との間に接続し、循環ポンプ2を電動弁6を経由して送水側配管5Bで窒素マイクロナノバブル発生機3の送水口3Aに接続し、オゾンガス供給部(図示せず)を電動弁7を経由してガス配管4でオゾンマイクロナノバブル発生機23のオゾン吸込口23Bに接続した点。
【0113】
(iii) 図9に示すように、バイパス配管16に替えて、後端をオゾンマイクロナノバブル接触槽26の出口側の超純水配管21に接続したバイパス配管16Zを備えた点。
【0114】
したがって、この第8実施形態では、前述の第3実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、第3実施形態と異なる部分を説明する。
【0115】
この第8実施形態では、オゾンマイクロナノバブル発生器23を有するオゾンマイクロナノバブル接触槽26が、限外ろ過膜12の後段に設置され、かつ二次純水製造装置の一つとして構成されている。したがって、この第8実施形態の超純水製造装置によれば、オゾンマイクロナノバブルを含有する新たな超純水を製造できる。同時に、オゾンマイクロナノバブル接触槽26が各ユースポイント13に近いので、生産装置での殺菌やオゾンマイクロナノバブルによる生産装置での洗浄の効果の向上を図れる。
【0116】
また、オゾン水中のオゾンが短時間に消滅するのに対し、オゾンマイクロナノバブルは水中で長時間持続する。よって、オゾン水で殺菌するより、格段にランニングコストを低減できる。
【0117】
なお、この第8実施形態では、バルブ24Aが閉となり、バルブ24Bが開となることで、二次純水の製造と殺菌とが同時に行われる。
【0118】
(実験例)
図2に示す第1実施形態の超純水製造装置が備えるに二次純水製造装置に対応する実験装置を製作した。この実験装置における二次純水タンクの容量を100リットルとし、熱交換器の寸法を0.5m×0.5m×0.2mとし、紫外線殺菌器の寸法を、0.6m×0.6m×0.2mとした。また、イオン交換ポリッシャの容量を50リットルとし、限外ろ過膜の容量を30リットルとした。
【0119】
この実験装置での約2ケ月間による試運転後、バイパス配管を使用した殺菌作業を実施した後、バイパス配管を閉鎖して、二次純水の製造の立ち上がり時間を測定した。その結果、約1時間後に抵抗率、全有機炭素、微粒子、溶存酸素、微生物等の項目が全て、元の二次純水製造時の水質に戻った。
【0120】
尚、上記実施形態では、マイクロナノバブルをなす気体が、窒素またはオゾンである例を説明したが、窒素とオゾン以外の気体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】この発明の第1実施形態としての超純水製造装置が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】上記第1実施形態の超純水製造装置の構成を示す図である。
【図3】この発明の第2実施形態が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図4】この発明の第3実施形態が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図5】この発明の第4実施形態が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図6】この発明の第5実施形態が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図7】この発明の第6実施形態が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図8】この発明の第7実施形態が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図9】この発明の第8実施形態が備える二次純水製造装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 二次純水タンク
2 循環ポンプ
3 窒素マイクロナノバブル発生機
3A 送水口
3B 窒素吸込口
4 ガス配管
5A 吸込側配管
5B 送水側配管
6、7 電動弁
8 二次純水ポンプ
9 熱交換器
10 紫外線殺菌器
11 イオン交換ポリッシャ
12 限外ろ過膜
13 各ユースポイント
14A 溶存窒素センサ
15A 溶存窒素調節計
14B 溶存オゾンセンサ
15B 溶存オゾン調節計
16、16Z バイパス配管
17 前処理装置
18 一次純水製造装置
19 二次純水製造装置
20 生産装置
21、22 超純水配管
23 オゾンマイクロナノバブル発生機
23A 送水口
23B 吸込口
24A、24B バルブ
25 窒素マイクロナノバブル接触槽
26 オゾンマイクロナノバブル接触槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超純水製造装置を構成する一次純水製造装置と二次純水製造装置とのうちの上記二次純水製造装置が有する超純水配管に、マイクロナノバブルを含有する水を流して、上記二次純水製造装置を殺菌することを特徴とする超純水製造装置の殺菌方法。
【請求項2】
請求項1に記載の超純水製造装置の殺菌方法おいて、
上記マイクロナノバブルとして窒素マイクロナノバブルまたはオゾンマイクロナノバブルを使用することを特徴とする超純水製造装置の殺菌方法。
【請求項3】
超純水製造装置が備える一次純水製造装置と二次純水製造装置とのうちの上記二次純水製造装置が有する超純水配管にマイクロナノバブルを供給するマイクロナノバブル発生機を備えることを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項4】
請求項3に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記マイクロナノバブル発生機は、上記超純水配管に窒素マイクロナノバブルを供給する窒素マイクロナノバブル発生機であり、
上記窒素マイクロナノバブル発生機は上記二次純水製造装置に組み込まれていることを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項5】
請求項4に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記二次純水製造装置は、二次純水タンク、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜を有することを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項6】
請求項5に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記窒素マイクロナノバブル発生機は、
上記二次純水製造装置の二次純水タンク内に設置されていることを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項7】
請求項5に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記窒素マイクロナノバブル発生機は、
上記紫外線殺菌器の前段に設置されたタンクまたは配管の中に設置されたことを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項8】
請求項6に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記窒素マイクロナノバブル発生機は、
窒素吸込口と、
上記二次純水タンクの循環水を1.5kg/cm以上の吐出圧で吐出するポンプに接続された送水口とを有していることを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項9】
請求項3に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記マイクロナノバブル発生機は、上記超純水配管にオゾンマイクロナノバブルを供給するオゾンマイクロナノバブル発生機であり、
上記オゾンマイクロナノバブル発生機は上記二次純水製造装置に組み込まれていることを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項10】
請求項9に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記二次純水製造装置は、二次純水タンク、熱交換器、紫外線殺菌器、イオン交換ポリッシャ、限外ろ過膜を有することを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項11】
請求項10に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記オゾンマイクロナノバブル発生機を上記二次純水タンク内に設置したことを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項12】
請求項10に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記オゾンマイクロナノバブル発生機は、上記紫外線殺菌器の前段に設置されたタンクまたは配管の中に設置されたことを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項13】
請求項10に記載の超純水製造装置の殺菌装置において、
上記オゾンマイクロナノバブル発生機は、
オゾン吸込口と、
上記二次純水タンクの循環水を1.5kg/cm以上の吐出圧で吐出するポンプに接続された送水口とを有していることを特徴とする超純水製造装置の殺菌装置。
【請求項14】
請求項5に記載の超純水製造装置の殺菌装置を備え、
上記限外ろ過膜の後段にタンクまたは配管を設置し、
上記窒素マイクロナノバブル発生機を、上記限外ろ過膜の後段のタンクまたは配管に設置したことを特徴とする超純水製造装置。
【請求項15】
請求項10に記載の超純水製造装置の殺菌装置を備え、
上記限外ろ過膜の後段に設置されたタンクまたは配管を有し、
上記オゾンマイクロナノバブル発生機を上記タンクまたは配管に設置したことを特徴とする超純水製造装置。
【請求項16】
請求項4に記載の超純水製造装置の殺菌装置を備えたことを特徴とする超純水製造装置。
【請求項17】
請求項6に記載の超純水製造装置の殺菌装置を備えたことを特徴とする超純水製造装置。
【請求項18】
請求項7に記載の超純水製造装置の殺菌装置を備えたことを特徴とする超純水製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−75328(P2007−75328A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266630(P2005−266630)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】