超音波センサ
【課題】ベゼルに備えたバネ部材によって超音波センサが傷つくことを防止する。
【解決手段】金属バネ5をベゼル4の溝4g内に固定し、溝4gの深さを金属バネ5の厚みよりも深くすることで、金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置するようにする。これにより、金属バネ5が直接超音波振動子10に接触しないようにできる。このため、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。
【解決手段】金属バネ5をベゼル4の溝4g内に固定し、溝4gの深さを金属バネ5の厚みよりも深くすることで、金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置するようにする。これにより、金属バネ5が直接超音波振動子10に接触しないようにできる。このため、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を有して構成される超音波振動子(マイク)が備えられた超音波センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波センサは、例えば車両のバンパーに超音波振動子が備えられたセンサ本体が取り付けられ、超音波振動子から超音波を発生させると共に、この超音波の反射波を受け取ることで、バンパーの近傍に存在する障害物の検出を行う。
【0003】
図11は、従来の超音波センサ100のバンパー101への固定構造を示した部分断面図である。この図に示されるように、超音波センサ100のセンサ本体102は円柱形状で構成され、センサ本体102をバンパー101に形成された円形状の穴部101a内にバンパー101の外部側から挿入することでバンパー101に固定される。具体的には、センサ本体102のうちバンパー101への挿入方向の後端側にはフランジ102aが備えられ、センサ本体102の外周には山形の金属バネ103が備えられている。このため、センサ本体102をバンパー101の穴部101a内に挿入したときに、フランジ102aによってセンサ本体102の挿入方向への移動が規制された状態で、金属バネ103が発生するセンサ本体102の径方向に広がる力がバンパー101の穴部101aを構成する壁面に加えられるため、センサ本体102がバンパー101に強固に固定される。
【特許文献1】特開2003−9270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、超音波センサのインテリジェント化が進められており、超音波振動子だけでなく信号処理回路などが形成された回路基板等がセンサ本体に収容されるようになりつつある。これにより、センサ本体が大型化し、従来のようにバンパー外部からセンサ本体をバンパーの穴部内に挿入することができないという問題が発生した。したがって、従来とは異なる構造により、超音波センサをバンパーに固定できるようにする必要がある。
【0005】
これに対し、本発明者らは、円筒形状で構成され、一端にフランジが設けられたベゼル(カバー)を備え、このベゼルをバンパー外部からバンパーの穴部内に挿入することでバンパーに固定しておき、その後、ベゼルの中空部内にセンサ本体における超音波振動子が配置される円柱状部分をバンパー内部(つまり、ベゼルの穴部への挿入方向とは逆方向)から挿入することで、ベゼルを介してセンサ本体をバンパーに固定する構造を考えた。
【0006】
ただし、このような構造の場合、固定部材として機能するベゼルにて大型化したセンサ本体を保持しなければならないため、バンパーにベゼルが強固に固定され、かつ、ベゼルにセンサ本体が強固に固定されるようにしなければならない。そこで、ベゼルの側壁に金属バネなどのバネ部材を配置し、このバネ部材の弾性反力によってベゼルのバンパーへの固定、もしくは、センサ本体のベゼルへの固定が行われるようにする構造を考えた。
【0007】
しかしながら、センサ本体をベゼルに挿入するときに、このバネ部材が引っ掛かり、センサ本体を傷つける可能性がある。これにより、超音波振動子の振動面を傷つけ、超音波センサの機能低下を招く、および、見栄えが悪いという問題を発生させ得る。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、ベゼルを介してバンパー等の車体部品にセンサ本体を固定する場合において、ベゼルに備えたバネ部材によって超音波センサが傷つくことを防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明では、ベゼル(4)の側壁には、該ベゼル(4)の開口端から外側面に至る溝(4g)が形成されていると共に、該溝(4g)内に金属バネ(5)が固定されており、該金属バネ(5)が溝(4g)に収容されることにより、ベゼル(4)の開口端における溝(4g)の両側よりも金属バネ(5)が内側に位置するように構成されていることを第1の特徴としている。
【0010】
このように、金属バネ(5)がベゼル(4)の開口端よりも内側に位置するようにしている。したがって、金属バネ(5)が直接超音波振動子(10)に接触しないようにできる。このため、超音波振動子(10)の振動面(11b)が傷つけられることを防止できる。
【0011】
この場合、溝(4g)の両側において、ベゼル(4)の開口端をテーパ状とすると好ましい。さらに、ベゼル(4)のうち開口端と溝(4g)との境界部において、テーパ状とされた部分の一端を丸めるようにするとより好ましい。
【0012】
このようにすれば、尚更超音波振動子(10)の振動面(11b)が傷つけられることを防止できる。
【0013】
また、溝(4g)の両側において、ベゼル(4)の開口端に突起部を形成するようにしても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0014】
さらに、本発明では、溝(4g)をベゼル(4)における側壁の内面に至るように形成すると共に、金属バネ(5)も、ベゼル(4)における側壁の内面まで配置し、ベゼル(4)における側壁の内面に形成された溝(4g)を金属バネ(5)の厚みよりも深くすることで、側壁の内面においても、金属バネ(5)が側壁の内面よりも内側に位置するようにしていることを第2の特徴としている。
【0015】
このように、金属バネ(5)を溝(4g)の内壁面よりも内側に位置させることで、ベゼル(4)の内壁面を摺動させられる際に、振動面(11b)金属バネ(5)によって傷つけられないようにできる。
【0016】
この場合にも、溝(4g)の両側において、ベゼル(4)の内面をテーパ状とすると好ましい。さらに、ベゼル(4)のうち内面と溝(4g)との境界部において、テーパ状とされた部分の一端を丸めるようにするとより好ましい。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態の第1実施形態にかかる超音波センサについて説明する。本実施形態の超音波ソナーは、例えば、車両のバンパーに取り付けられ、バックソナー又はコーナーソナーとして用いられる。
【0020】
図1は、本実施形態の超音波センサ1をバンパー2に取り付けたときの状態を示した側面図である。なお、図1中、バンパー2のみ断面が示してある。
【0021】
この図に示されるように、超音波センサ1は、バンパー2の穴部2a内に固定される。超音波センサ1は、センサ本体3とベゼル4とを有した構成とされ、ベゼル4をバンパー2の穴部2a内にバンパー2の外側(紙面左側)から挿入したのち、センサ本体3をベゼル4の中空部内にバンパー2の内側(紙面右側)から挿入することで、バンパー2に固定される。
【0022】
以下、センサ本体3とベゼル4の詳細構造について説明する。
【0023】
図2は、センサ本体3を示した図であり、図2(a)は、センサ本体3の正面図、図2(b)は、センサ本体3の右側面図、図2(c)は、センサ本体3の上面図、図2(d)は、センサ本体3の背面図である。また、図3は、センサ本体3の断面図であり、図2(a)のA−A断面に相当する図である。
【0024】
センサ本体3は、図2、図3に示すように、超音波振動子10や回路基板20が一体的にケース30内に収容されたものである。図4は、センサ本体3に備えられる超音波振動子10の断面図を示したものである。図4に示すように、超音波振動子10は、ハウジング11、圧電素子12と、スペーサ13、ベース14および接続ピン15を有して構成されている。
【0025】
ハウジング11は、導電性材料(金属材料や表面に導電膜を形成した絶縁材料)で構成され、有底円筒状とされることでハウジング11の内部に内部空間16が形成されている。ハウジング11の底部11aの内面に圧電素子12が貼着されており、この底部11aの外側表面が振動面11bとなっている。本実施形態では、導電性材料としてアルミニウムを用いており、振動面11bを円形状としている。
【0026】
圧電素子12は、圧電セラミックス(例えばチタン酸ジルコン酸鉛系)で構成され、その表裏両面に電極(図示せず)を備えている。圧電素子12の一方の電極は、リード17aによって一対の接続ピン15の一方に電気的に接続されている。圧電素子12の他方の電極は、ハウジング11の底部11aに例えば導電性接着剤により貼着され、導電性材料で構成されたハウジング11を介してリード17bに接続されたのち、一対の接続ピン15の他方に電気的に接続されている。なお、ハウジング11の内部空間16には、フェルト、シリコンが充填されており、振動面から接続ピン15に伝達される不要振動が抑制されている。
【0027】
スペーサ13は、ハウジング11の開口部とベース14との間に配置されている。スペーサ13は、ハウジング11の底部11aの振動に伴ってハウジング11の筒部11cに生じる不要振動が接続ピン15の固定されているベース14に伝達されるのを抑制するための弾性体であり、例えばシリコンゴムから構成されている。なお、ここではスペーサ13を配置する構成としたが、スペーサ13を無くした構成とすることもできる。
【0028】
ベース14は、ハウジング11の開口部側の外周面にスペーサ13を介して嵌め込まれることで、ハウジング11に固定されている。このベース14は、絶縁材料、例えば合成樹脂(例えばABS樹脂)で構成されている。ベース14には、接続ピン15を被覆するための保護部18が回路基板20側に突出するように設けられ、接続ピン15が保護部18を貫通するように配置されている。ベース14を成形する際に、接続ピン15をインサート成形することで、接続ピン15の一部がベース14に埋設固定されるようにしている。
【0029】
接続ピン15は、例えば銅を主成分とする導電性材料からなり、例えば太さ0.5mmφの棒状部材で構成される。
【0030】
さらに、超音波振動子10には、例えば発泡シリコン等で構成された発泡弾性体19が備えられている。この発泡弾性体19は、ベース14への振動の伝達を抑制するためのもので、接続ピン15は発泡弾性体19も貫通するように配置されている。
【0031】
そして、ハウジング11、スペーサ13、ベース14、発泡弾性体19が、それぞれ接着剤(例えばシリコン系接着剤)等で接着されることで、一体構造とされた超音波振動子10が構成されている。
【0032】
このように構成された超音波振動子10を回路基板20と共に合成樹脂からなる中空状のケース30内に組み付けることで、超音波センサ1が構成されている。
【0033】
ケース30は、中空状の略長方体で構成されている。ケース30には、回路基板20の接続位置に対して接続ピン15を位置決めするためのガイド部31が設けられている。このガイド部31は、ケース30の内部空間を超音波振動子10の配置空間と回路基板20の配置空間とに区画する板状部によって構成され、接続ピン15および保護部18が挿入される位置決め用穴31aが備えられた構成とされている。
【0034】
また、ケース30の一面(図3における紙面上方の面)には、上面形状が円形状を為した開口面32があり、この開口面32内に、外周面に筒状弾性体33を被着させられると共に、ベース14の下側に振動を抑制する弾性体となる発泡弾性体34が配置された超音波振動子10が挿入されることで、ケース30に組み付けられている。このように超音波振動子10をケース30に組み付けた状態において、接続ピン15がガイド部31の位置決め用穴31aに挿入され、接続ピン15の先端部が回路基板20に形成されたスルーホール21に挿入されている。そして、接続ピン15の先端部およびスルーホール21の電気的な接続がはんだ付け等によって為されている。
【0035】
ケース30の開口面32からは、超音波振動子10の振動面11bが露出しており、超音波振動子10が発する超音波がケース30の外部に伝えられるような構成とされている。
【0036】
筒状弾性体33はシリコンゴムからなり、超音波振動子10からケース30への不要振動の伝達を抑制するために、超音波振動子10の外周面(ハウジング11の筒部11c面)および底面に被着されている。
【0037】
発泡弾性体34は、超音波振動子10のハウジング11内に配置された発泡弾性体19と同様、発泡シリコンからなり、接続ピン15及び保護部18が貫通配置されている。発泡弾性体34には切り込みが設けられ、その切り込み内に保護部18が挿入可能な構成としている。なお、超音波振動子10(ベース14)、筒状弾性体33、及び発泡弾性体34は、シリコン系接着剤により相互に接着固定されている。
【0038】
また、ガイド部31により区画されたケース30のうち回路基板20が配置される中空部には、防湿性部材35が充填されている。防湿性部材35としては、例えばシリコン樹脂やウレタン樹脂を適用することができる。本実施形態においてはシリコン樹脂を適用している。なお、図3に示すように、回路基板20から外部に出力するための外部出力端子36が備えられ、ケース30の一面に形成されたコネクタ37から外部出力端子36の一端側が露出させられた構成とされている。
【0039】
さらに、図2(a)〜(d)に示すように、ケース30の上面(図2(a)の紙面上方の面)にはランス38が設けられており、底面(図2(a)の紙面下方の面)には受止部39が設けられている。
【0040】
ランス38は、ケース30の上面から開口面32と同方向に突出するように形成された爪状の係止部を構成するものであり、ベゼル4との固定のために用いられる。具体的には、欄図38は、棒状部38aおよび爪部38bとを有した構成とされている。棒状部38aがケース30の上面から開口面32と同方向に突出させられ、この棒状部38aの先端位置における開口面32側に爪部38bが形成されている。
【0041】
また、受止部39は、ケース30の底面からさらに下方に突出するように設けられた枠状の係止部を構成するものであり、これもベゼル4との固定のために用いられる。具体的には、図2(a)、(d)に示されるように、受止部39は、開口面32の突出方向から見て四角形の枠形状を為しており、受止部39の穴内に後述するベゼル4に設けられたスナップフィット4bが挿入できるようになっている。
【0042】
このように構成されるセンサ本体3のうち、超音波振動子10および開口面32の部分、つまりケース30のうち円筒形状に突出する部分がベゼル4に挿入される挿入部となる。このため、開口面32の突出方向がベゼル4へのセンサ本体3の挿入方向となる。
【0043】
図5は、ベゼル4を示した図であり、図5(a)は、ベゼル4の正面図、図5(b)は、ベゼル4の左側面図、図5(c)は、ベゼル4の背面図、図5(d)は、ベゼル4の上面図、図5(e)は、ベゼル4の底面図である。また、図6は、図5(c)のB−B断面に相当するベゼル4の一部拡大断面図である。
【0044】
図5(a)〜(d)に示されるように、ベゼル4は、例えば樹脂等の金属よりも柔らかい材質のもので構成された略円筒状の部材によって構成され、一方の端部に部分的に拡径したフランジ4aが形成されている。このベゼル4の中空部の形状およびサイズは、センサ本体3における開口面32の形状と対応したものとなっており、この中空部内に開口面32および超音波振動子10が挿入される。
【0045】
ベゼル4の下面には、スナップフィット4bが備えられている。スナップフィット4bは、爪状の係止部として機能するもので、図1に示すように、スナップフィット4bの先端に形成された爪部4cが上述したケース30の受止部39の穴内に挿入されることで、受止部39に引っ掛けられている。これにより、ベゼル4とセンサ本体3との固定がより強固なものとされている。なお、爪部4cの両側にはスリット4jが形成されており、このスリット4fの間に配置される爪部4cが応力変形し易くなっている。
【0046】
ベゼル4の上面には、係止穴4dが形成されている。係止穴4dは、正面から見ると四角形状を為した穴であり、上述したケース30に備えられたランス38の爪部38bを挿入するためのものである。図1に示すように、ランス38の爪部38bが係止穴4dに挿入されると、係止穴4dの内壁に爪部38bが引っ掛かるようになっている。これにより、ベゼル4とセンサ本体3との固定がより強固なものとされている。
【0047】
また、ベゼル4の外周面のうちベゼル4の左右両側の位置に抜け防止爪4eが備えられている。抜け防止爪4eは、バンパー2の厚み分を考慮した位置に形成されており、フランジ4aの端面からバンパー2の厚み分もしくはそれより若干大きな間隔を空けた位置に備えられている。この抜け防止爪4eは、ベゼル4のバンパー2からの抜けを防止するために設けられている。ベゼル4をバンパー2に取り付けた後、ベゼル4にセンサ本体3におけるケース30の開口面32を挿入するに当たり、ベゼル4がバンパー2から抜ける方向に力が加えられることになる。このため、ベゼル4をバンパー2に挿入すると、抜け防止爪4eがバンパー2の端面に引っ掛かり、ベゼル4バンパー2からの抜けが防止できるようになっている。なお、図5(b)に示すように各抜け防止爪4eの両側にはスリット4fが設けられており、このスリット4fの間の棒状部分が応力変形し易くなっているため、バンパー2への取り付け時に抜け防止爪4eが挿入の邪魔になることはない。
【0048】
さらに、ベゼル4には、ベゼル4の中心に対して等間隔に複数(ここでは4つ)の溝4gがベゼル4の側壁の外面から内面にかけて形成されている。各溝4g内には、図6に示すように、ベゼル4の中心軸方向に並べられた2箇所の貫通穴4h、4iが形成されている。そして、各溝4gに沿って金属バネ5が配置されている。
【0049】
図7は、ベゼル4の開口端側における溝4gの近傍の拡大図であり、図7(a)はベゼル4の外側から溝4gを見たときの図、図7(b)は、ベゼル4の中空部内から溝4gを見たときの図である。
【0050】
この図に示すように、ベゼル4の外面および外面に形成された溝4gは、ベゼル4の開口端においても形成されている。溝4gの深さは金属バネ5の厚みよりも厚く設定されている。このため、図7(a)、(b)に示されるように、金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置し、ベゼル4の開口端よりもある程度オフセット配置されている。また、図6に示されるように、ベゼル4の内周面よりも金属バネ5が内側に位置し、ベゼルの内周面よりもある程度オフセット配置されている。
【0051】
また、図7(a)、(b)に示されるように、ベゼル4の開口端やベゼル4の外周面および内周面のうち溝4gの両側において、溝4gの側壁がテーパ状とされており、溝4gの両側に鋭い角ができないような形状が採用されている。そして、テーパ状とされた部分(以下、テーパ部分という)に関しても、さらにテーパ部分とベゼル4の開口端や外周面および内周面との境界位置において丸めた形状とされており、より溝4gの両側に鋭い角ができないような形状とされている。
【0052】
金属バネ5は、薄い棒状金属を曲げ加工することによって構成され、棒状金属の一端が爪状に曲げられた爪部5aと、ベゼル4の開口部の端部形状に合せてU字状に曲げられたU字状部5bと、ベゼル4の外周面から径方向に突出させた凸部5cと、棒状金属の他端を爪部5a側に折り返した折り返し部5dとを有して構成されている。金属バネ5の爪部5aをベゼル4の開口端から挿入させ、U字状部5bがベゼル4の開口端と接するまで挿入すると、爪部5aが貫通穴4i内に入り込み、貫通穴4iの端面に引っ掛かることで金属バネ5がベゼル4に固定されている。このため、金属バネ5のうちベゼル4に固定される側、つまりU字状部5bが固定端となり、折り返し部5dが自由端となってバネ機能を果たす。
【0053】
すなわち、金属バネ5の自由端において、バンパー2およびセンサ本体3における開口面32の側面が共に金属バネ5に接し、バンパー2に関してはベゼル4の径方向の広がる向きに金属バネ5の弾性力が加えられ、センサ本体3における開口面32に関してはベゼル4の径方向の縮まる向きに金属バネ5の弾性力が加えられる。
【0054】
このため、ベゼル4を介してバンパー2にセンサ本体3を固定する構造において、バンパー2にベゼル4を強固に固定することが可能となり、かつ、ベゼル4にセンサ本体3を強固に固定することが可能となる。これにより、超音波センサ1をバンパー2に強固に固定することが可能となっている。
【0055】
次に、超音波センサ1のバンパー2への取り付けの様子について説明する。図8は、超音波センサ1をバンパー2に取る付ける前の様子を示した図である。
【0056】
図8に示されるように、まず、ベゼル4をバンパー2の一方、つまりバンパー2の外側からバンパー2の穴部2aに挿入する。このとき、抜け防止爪4eがバンパー2の内側に入る込むまで挿入する。これにより、バンパー2の穴部2aの開口端と金属バネ5における凸部5cの傾斜部分が接触する。図9は、このときの様子を示した部分拡大断面図である。
【0057】
この図に示されるように、ベゼル4をバンパー2の穴部2aに挿入すると、バンパー2の穴部2aの開口端によって金属バネ5が弾性変形させられて撓み、金属バネ5の自由端となる折り返し部5dが貫通穴4h内に入り込み、ベゼル4の内壁面から突き出される。
【0058】
この後、図8の矢印で示すように、バンパ−2の反対側、つまりバンパー2の内側からベゼル4の中空部内にセンサ本体3における開口面32および超音波振動子10を挿入する。このとき、金属バネ5がベゼル4の溝4g内に固定され、溝4gの深さを金属バネ5の厚みよりも深くすることで金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置するようにしているため、金属バネ5が直接超音波振動子10に接触することが無い。仮に超音波振動子10がベゼル4に接触したとしても、硬い金属バネ5ではなく、金属よりも柔らかい樹脂等の材質のもので構成されたベゼル4の開口端に接触することになる。
【0059】
このため、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。特に、本実施形態の場合には、ベゼル4の開口端のうち溝4gの両側の位置をテーパ状にしたり、さらにテーパ部分と開口端の境界部に丸みを設けた構成としてあるから、尚更超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。したがって、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることによる超音波センサ1の機能低下を防止することが可能となる。
【0060】
そして、ベゼル4の中空部内にセンサ本体3における開口面32および超音波振動子10を挿入すると、スナップフィット4bの先端部が受止部39の穴内に入り込む。このときにも、金属バネ5が溝4gの内壁面よりも内側に位置しているため、ベゼル4の内壁面を摺動させられる際にも、超音波振動子10や開口面32が金属バネ5によって傷つけられることはない。特に、本実施形態の場合には、溝4gの両側がテーパ状とされ、テーパ部分とベゼル4の内周面との境界部が丸みを帯びた形状としてあるため、よりこの効果が得られる。
【0061】
さらに挿入を続けると、スリット4jの間に形成された爪部4cが受止部39の内壁と接して弾性変形させられ、受止部39内に挿入されると、その後、弾性変形した部分が元に戻ることで爪部4cと受止部39とが係合する。また、ランス38の爪部38bがベゼル4の外壁面と接し、棒状部38aが弾性変形して爪部38bが係止穴4d内に入り込むことで、弾性変形した部分が元に戻り、ランス38が係止穴4dと係合する。
【0062】
また、開口面32の外壁面が金属バネ5の自由端のうちベゼル4の貫通穴4hに入り込んでベゼル4の内壁面に突き出した部分と接触する。図10は、このときの様子を示した部分拡大図である。
【0063】
この図に示されるように、金属バネ5の自由端が開口面32の外壁面と接触するため、ベゼル4の径方向の広がる向きに押し戻される。このため、金属バネ5の自由端において、バンパー2およびセンサ本体3における開口面32の側面が共に金属バネ5に接し、バンパー2に関してはベゼル4の径方向の広がる向きに金属バネ5の弾性力が加えられ、センサ本体3における開口面32に関してはベゼル4の径方向の縮まる向きに金属バネ5の弾性力が加えられる。つまり、開口面32の外壁面とバンパー2の穴部2aの壁面との間で金属バネ5の自由端が弾性的に圧縮変形し、この圧縮変形に伴う弾性反力によってセンサ本体3およびベゼル4が穴部2aの壁面に対して固定される。
【0064】
これにより、ベゼル4を介してバンパー2にセンサ本体3を固定する構造において、バンパー2にベゼル4を強固に固定することが可能となり、かつ、ベゼル4にセンサ本体3を強固に固定することが可能となる。これにより、超音波センサ1をバンパー2に強固に固定することが可能となる。
【0065】
なお、ベゼル4の中空部内にセンサ本体3における開口面32および超音波振動子10を挿入するときに、図10に示すように金属バネ5の突出部分が開口面32に接触することになるが、金属バネ5の突出している部分が超音波振動子10の振動面11bに接触することはない。このため、このときに金属バネ5によって振動面11bが傷つけられることもない。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の超音波センサ1では、金属バネ5がベゼル4の溝4g内に固定され、溝4gの深さを金属バネ5の厚みよりも深くすることで金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置するようにしている。このため、金属バネ5が直接超音波振動子10に接触しないようにできる。このため、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。
【0067】
また、本実施形態の超音波センサ1では、ベゼル4の開口端のうち溝4gの両側の位置をテーパ状にしたり、さらにテーパ部分と開口端の境界部に丸みを設けた構成としてある。このため、尚更超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。
【0068】
さらに、溝4gの中空部内に関しても、金属バネ5が溝4gの内壁面よりも内側に位置しているため、ベゼル4の内壁面を摺動させられる際に、超音波振動子10や開口面32が金属バネ5によって傷つけられることはない。
【0069】
このように、本実施形態の超音波センサ1によれば、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止することが可能となる。これにより、超音波センサ1の機能低下を防止することが可能となる。
【0070】
(他の実施形態)
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施することができる。
【0071】
例えば、図11に示すように、ベゼル4における溝4gの両側に丸い突起部4kを設けることで、その突起部4kの先端位置よりも金属バネ5が内側に位置するような構成としても良い。要するに、金属バネ5のうち最もベゼル4の開口端側に位置する部位がベゼル4の開口端よりも内側に位置していれば、どのような形状であっても良い。
【0072】
また、筒状のベゼル4の形状およびベゼル4の中空部に挿入されるセンサ本体3の一部の形状も円形を基本とする形状でなくても良い。例えば、ベゼル4を楕円筒状、多角形筒状で構成し、センサ本体3のうちベゼル4の中空部に挿入される部分がベゼル4の中空部に対応する楕円柱状、多角形柱状であっても構わない。
【0073】
また、上記実施形態では、バンパー2を被固定部材として使用して超音波センサ1を固定する場合について説明したが、バンパー2以外の車体部品に超音波センサ1を固定する場合に関しても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる超音波センサ1をバンパー2に取り付けたときの状態を示した側面図である。
【図2】センサ本体3を示した図であり、(a)は、センサ本体3の正面図、(b)は、センサ本体3の右側面図、(c)は、センサ本体3の上面図、(d)は、センサ本体3の背面図である。
【図3】図2(a)のA−A断面図である。
【図4】超音波振動子10の断面図である。
【図5】ベゼル4を示した図であり、(a)は、ベゼル4の正面図、(b)は、ベゼル4の左側面図、(c)は、ベゼル4の背面図、(d)は、ベゼル4の上面図、(e)は、ベゼル4の底面図である。
【図6】図5(c)のB−B断面に相当するベゼル4の一部拡大断面図である。
【図7】ベゼル4の開口端側における溝4gの近傍の拡大図であり、(a)、(b)は、それぞれ、ベゼル4の外側と中空部内から溝4gを見たときの図である。
【図8】超音波センサ1をバンパー2に取り付ける前の様子を示した図である。
【図9】ベゼル4をバンパー2の穴部2aに挿入したときの様子を示した部分断面側面図である。
【図10】ベゼル4の中空部にセンサ本体3の開口面32を挿入したときの様子を示した部分断面側面図である。
【図11】他の実施形態で説明するベゼル4の一部拡大断面図である。
【図12】従来の超音波センサ100のバンパー101への固定構造を示した部分断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1…超音波センサ、2…バンパー、2a…穴部、3…センサ本体、4…ベゼル、4a…フランジ、4b…スナップフィット、4c…爪部、4d…係止穴、4e…防止爪、4f…スリット、4g…溝、4h、4i…貫通穴、4j…スリット、4k…突起部、5…金属バネ、5a…爪部、5b…U字状部、5c…凸部、5d…折り返し部、5e…屈曲部、10…超音波振動子、12…圧電素子、15…接続ピン、20…回路基板、30…ケース、32…開口面、33…筒状弾性体、38…ランス、38a…棒状部、38b…爪部、39…受止部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を有して構成される超音波振動子(マイク)が備えられた超音波センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波センサは、例えば車両のバンパーに超音波振動子が備えられたセンサ本体が取り付けられ、超音波振動子から超音波を発生させると共に、この超音波の反射波を受け取ることで、バンパーの近傍に存在する障害物の検出を行う。
【0003】
図11は、従来の超音波センサ100のバンパー101への固定構造を示した部分断面図である。この図に示されるように、超音波センサ100のセンサ本体102は円柱形状で構成され、センサ本体102をバンパー101に形成された円形状の穴部101a内にバンパー101の外部側から挿入することでバンパー101に固定される。具体的には、センサ本体102のうちバンパー101への挿入方向の後端側にはフランジ102aが備えられ、センサ本体102の外周には山形の金属バネ103が備えられている。このため、センサ本体102をバンパー101の穴部101a内に挿入したときに、フランジ102aによってセンサ本体102の挿入方向への移動が規制された状態で、金属バネ103が発生するセンサ本体102の径方向に広がる力がバンパー101の穴部101aを構成する壁面に加えられるため、センサ本体102がバンパー101に強固に固定される。
【特許文献1】特開2003−9270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、超音波センサのインテリジェント化が進められており、超音波振動子だけでなく信号処理回路などが形成された回路基板等がセンサ本体に収容されるようになりつつある。これにより、センサ本体が大型化し、従来のようにバンパー外部からセンサ本体をバンパーの穴部内に挿入することができないという問題が発生した。したがって、従来とは異なる構造により、超音波センサをバンパーに固定できるようにする必要がある。
【0005】
これに対し、本発明者らは、円筒形状で構成され、一端にフランジが設けられたベゼル(カバー)を備え、このベゼルをバンパー外部からバンパーの穴部内に挿入することでバンパーに固定しておき、その後、ベゼルの中空部内にセンサ本体における超音波振動子が配置される円柱状部分をバンパー内部(つまり、ベゼルの穴部への挿入方向とは逆方向)から挿入することで、ベゼルを介してセンサ本体をバンパーに固定する構造を考えた。
【0006】
ただし、このような構造の場合、固定部材として機能するベゼルにて大型化したセンサ本体を保持しなければならないため、バンパーにベゼルが強固に固定され、かつ、ベゼルにセンサ本体が強固に固定されるようにしなければならない。そこで、ベゼルの側壁に金属バネなどのバネ部材を配置し、このバネ部材の弾性反力によってベゼルのバンパーへの固定、もしくは、センサ本体のベゼルへの固定が行われるようにする構造を考えた。
【0007】
しかしながら、センサ本体をベゼルに挿入するときに、このバネ部材が引っ掛かり、センサ本体を傷つける可能性がある。これにより、超音波振動子の振動面を傷つけ、超音波センサの機能低下を招く、および、見栄えが悪いという問題を発生させ得る。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、ベゼルを介してバンパー等の車体部品にセンサ本体を固定する場合において、ベゼルに備えたバネ部材によって超音波センサが傷つくことを防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明では、ベゼル(4)の側壁には、該ベゼル(4)の開口端から外側面に至る溝(4g)が形成されていると共に、該溝(4g)内に金属バネ(5)が固定されており、該金属バネ(5)が溝(4g)に収容されることにより、ベゼル(4)の開口端における溝(4g)の両側よりも金属バネ(5)が内側に位置するように構成されていることを第1の特徴としている。
【0010】
このように、金属バネ(5)がベゼル(4)の開口端よりも内側に位置するようにしている。したがって、金属バネ(5)が直接超音波振動子(10)に接触しないようにできる。このため、超音波振動子(10)の振動面(11b)が傷つけられることを防止できる。
【0011】
この場合、溝(4g)の両側において、ベゼル(4)の開口端をテーパ状とすると好ましい。さらに、ベゼル(4)のうち開口端と溝(4g)との境界部において、テーパ状とされた部分の一端を丸めるようにするとより好ましい。
【0012】
このようにすれば、尚更超音波振動子(10)の振動面(11b)が傷つけられることを防止できる。
【0013】
また、溝(4g)の両側において、ベゼル(4)の開口端に突起部を形成するようにしても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0014】
さらに、本発明では、溝(4g)をベゼル(4)における側壁の内面に至るように形成すると共に、金属バネ(5)も、ベゼル(4)における側壁の内面まで配置し、ベゼル(4)における側壁の内面に形成された溝(4g)を金属バネ(5)の厚みよりも深くすることで、側壁の内面においても、金属バネ(5)が側壁の内面よりも内側に位置するようにしていることを第2の特徴としている。
【0015】
このように、金属バネ(5)を溝(4g)の内壁面よりも内側に位置させることで、ベゼル(4)の内壁面を摺動させられる際に、振動面(11b)金属バネ(5)によって傷つけられないようにできる。
【0016】
この場合にも、溝(4g)の両側において、ベゼル(4)の内面をテーパ状とすると好ましい。さらに、ベゼル(4)のうち内面と溝(4g)との境界部において、テーパ状とされた部分の一端を丸めるようにするとより好ましい。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態の第1実施形態にかかる超音波センサについて説明する。本実施形態の超音波ソナーは、例えば、車両のバンパーに取り付けられ、バックソナー又はコーナーソナーとして用いられる。
【0020】
図1は、本実施形態の超音波センサ1をバンパー2に取り付けたときの状態を示した側面図である。なお、図1中、バンパー2のみ断面が示してある。
【0021】
この図に示されるように、超音波センサ1は、バンパー2の穴部2a内に固定される。超音波センサ1は、センサ本体3とベゼル4とを有した構成とされ、ベゼル4をバンパー2の穴部2a内にバンパー2の外側(紙面左側)から挿入したのち、センサ本体3をベゼル4の中空部内にバンパー2の内側(紙面右側)から挿入することで、バンパー2に固定される。
【0022】
以下、センサ本体3とベゼル4の詳細構造について説明する。
【0023】
図2は、センサ本体3を示した図であり、図2(a)は、センサ本体3の正面図、図2(b)は、センサ本体3の右側面図、図2(c)は、センサ本体3の上面図、図2(d)は、センサ本体3の背面図である。また、図3は、センサ本体3の断面図であり、図2(a)のA−A断面に相当する図である。
【0024】
センサ本体3は、図2、図3に示すように、超音波振動子10や回路基板20が一体的にケース30内に収容されたものである。図4は、センサ本体3に備えられる超音波振動子10の断面図を示したものである。図4に示すように、超音波振動子10は、ハウジング11、圧電素子12と、スペーサ13、ベース14および接続ピン15を有して構成されている。
【0025】
ハウジング11は、導電性材料(金属材料や表面に導電膜を形成した絶縁材料)で構成され、有底円筒状とされることでハウジング11の内部に内部空間16が形成されている。ハウジング11の底部11aの内面に圧電素子12が貼着されており、この底部11aの外側表面が振動面11bとなっている。本実施形態では、導電性材料としてアルミニウムを用いており、振動面11bを円形状としている。
【0026】
圧電素子12は、圧電セラミックス(例えばチタン酸ジルコン酸鉛系)で構成され、その表裏両面に電極(図示せず)を備えている。圧電素子12の一方の電極は、リード17aによって一対の接続ピン15の一方に電気的に接続されている。圧電素子12の他方の電極は、ハウジング11の底部11aに例えば導電性接着剤により貼着され、導電性材料で構成されたハウジング11を介してリード17bに接続されたのち、一対の接続ピン15の他方に電気的に接続されている。なお、ハウジング11の内部空間16には、フェルト、シリコンが充填されており、振動面から接続ピン15に伝達される不要振動が抑制されている。
【0027】
スペーサ13は、ハウジング11の開口部とベース14との間に配置されている。スペーサ13は、ハウジング11の底部11aの振動に伴ってハウジング11の筒部11cに生じる不要振動が接続ピン15の固定されているベース14に伝達されるのを抑制するための弾性体であり、例えばシリコンゴムから構成されている。なお、ここではスペーサ13を配置する構成としたが、スペーサ13を無くした構成とすることもできる。
【0028】
ベース14は、ハウジング11の開口部側の外周面にスペーサ13を介して嵌め込まれることで、ハウジング11に固定されている。このベース14は、絶縁材料、例えば合成樹脂(例えばABS樹脂)で構成されている。ベース14には、接続ピン15を被覆するための保護部18が回路基板20側に突出するように設けられ、接続ピン15が保護部18を貫通するように配置されている。ベース14を成形する際に、接続ピン15をインサート成形することで、接続ピン15の一部がベース14に埋設固定されるようにしている。
【0029】
接続ピン15は、例えば銅を主成分とする導電性材料からなり、例えば太さ0.5mmφの棒状部材で構成される。
【0030】
さらに、超音波振動子10には、例えば発泡シリコン等で構成された発泡弾性体19が備えられている。この発泡弾性体19は、ベース14への振動の伝達を抑制するためのもので、接続ピン15は発泡弾性体19も貫通するように配置されている。
【0031】
そして、ハウジング11、スペーサ13、ベース14、発泡弾性体19が、それぞれ接着剤(例えばシリコン系接着剤)等で接着されることで、一体構造とされた超音波振動子10が構成されている。
【0032】
このように構成された超音波振動子10を回路基板20と共に合成樹脂からなる中空状のケース30内に組み付けることで、超音波センサ1が構成されている。
【0033】
ケース30は、中空状の略長方体で構成されている。ケース30には、回路基板20の接続位置に対して接続ピン15を位置決めするためのガイド部31が設けられている。このガイド部31は、ケース30の内部空間を超音波振動子10の配置空間と回路基板20の配置空間とに区画する板状部によって構成され、接続ピン15および保護部18が挿入される位置決め用穴31aが備えられた構成とされている。
【0034】
また、ケース30の一面(図3における紙面上方の面)には、上面形状が円形状を為した開口面32があり、この開口面32内に、外周面に筒状弾性体33を被着させられると共に、ベース14の下側に振動を抑制する弾性体となる発泡弾性体34が配置された超音波振動子10が挿入されることで、ケース30に組み付けられている。このように超音波振動子10をケース30に組み付けた状態において、接続ピン15がガイド部31の位置決め用穴31aに挿入され、接続ピン15の先端部が回路基板20に形成されたスルーホール21に挿入されている。そして、接続ピン15の先端部およびスルーホール21の電気的な接続がはんだ付け等によって為されている。
【0035】
ケース30の開口面32からは、超音波振動子10の振動面11bが露出しており、超音波振動子10が発する超音波がケース30の外部に伝えられるような構成とされている。
【0036】
筒状弾性体33はシリコンゴムからなり、超音波振動子10からケース30への不要振動の伝達を抑制するために、超音波振動子10の外周面(ハウジング11の筒部11c面)および底面に被着されている。
【0037】
発泡弾性体34は、超音波振動子10のハウジング11内に配置された発泡弾性体19と同様、発泡シリコンからなり、接続ピン15及び保護部18が貫通配置されている。発泡弾性体34には切り込みが設けられ、その切り込み内に保護部18が挿入可能な構成としている。なお、超音波振動子10(ベース14)、筒状弾性体33、及び発泡弾性体34は、シリコン系接着剤により相互に接着固定されている。
【0038】
また、ガイド部31により区画されたケース30のうち回路基板20が配置される中空部には、防湿性部材35が充填されている。防湿性部材35としては、例えばシリコン樹脂やウレタン樹脂を適用することができる。本実施形態においてはシリコン樹脂を適用している。なお、図3に示すように、回路基板20から外部に出力するための外部出力端子36が備えられ、ケース30の一面に形成されたコネクタ37から外部出力端子36の一端側が露出させられた構成とされている。
【0039】
さらに、図2(a)〜(d)に示すように、ケース30の上面(図2(a)の紙面上方の面)にはランス38が設けられており、底面(図2(a)の紙面下方の面)には受止部39が設けられている。
【0040】
ランス38は、ケース30の上面から開口面32と同方向に突出するように形成された爪状の係止部を構成するものであり、ベゼル4との固定のために用いられる。具体的には、欄図38は、棒状部38aおよび爪部38bとを有した構成とされている。棒状部38aがケース30の上面から開口面32と同方向に突出させられ、この棒状部38aの先端位置における開口面32側に爪部38bが形成されている。
【0041】
また、受止部39は、ケース30の底面からさらに下方に突出するように設けられた枠状の係止部を構成するものであり、これもベゼル4との固定のために用いられる。具体的には、図2(a)、(d)に示されるように、受止部39は、開口面32の突出方向から見て四角形の枠形状を為しており、受止部39の穴内に後述するベゼル4に設けられたスナップフィット4bが挿入できるようになっている。
【0042】
このように構成されるセンサ本体3のうち、超音波振動子10および開口面32の部分、つまりケース30のうち円筒形状に突出する部分がベゼル4に挿入される挿入部となる。このため、開口面32の突出方向がベゼル4へのセンサ本体3の挿入方向となる。
【0043】
図5は、ベゼル4を示した図であり、図5(a)は、ベゼル4の正面図、図5(b)は、ベゼル4の左側面図、図5(c)は、ベゼル4の背面図、図5(d)は、ベゼル4の上面図、図5(e)は、ベゼル4の底面図である。また、図6は、図5(c)のB−B断面に相当するベゼル4の一部拡大断面図である。
【0044】
図5(a)〜(d)に示されるように、ベゼル4は、例えば樹脂等の金属よりも柔らかい材質のもので構成された略円筒状の部材によって構成され、一方の端部に部分的に拡径したフランジ4aが形成されている。このベゼル4の中空部の形状およびサイズは、センサ本体3における開口面32の形状と対応したものとなっており、この中空部内に開口面32および超音波振動子10が挿入される。
【0045】
ベゼル4の下面には、スナップフィット4bが備えられている。スナップフィット4bは、爪状の係止部として機能するもので、図1に示すように、スナップフィット4bの先端に形成された爪部4cが上述したケース30の受止部39の穴内に挿入されることで、受止部39に引っ掛けられている。これにより、ベゼル4とセンサ本体3との固定がより強固なものとされている。なお、爪部4cの両側にはスリット4jが形成されており、このスリット4fの間に配置される爪部4cが応力変形し易くなっている。
【0046】
ベゼル4の上面には、係止穴4dが形成されている。係止穴4dは、正面から見ると四角形状を為した穴であり、上述したケース30に備えられたランス38の爪部38bを挿入するためのものである。図1に示すように、ランス38の爪部38bが係止穴4dに挿入されると、係止穴4dの内壁に爪部38bが引っ掛かるようになっている。これにより、ベゼル4とセンサ本体3との固定がより強固なものとされている。
【0047】
また、ベゼル4の外周面のうちベゼル4の左右両側の位置に抜け防止爪4eが備えられている。抜け防止爪4eは、バンパー2の厚み分を考慮した位置に形成されており、フランジ4aの端面からバンパー2の厚み分もしくはそれより若干大きな間隔を空けた位置に備えられている。この抜け防止爪4eは、ベゼル4のバンパー2からの抜けを防止するために設けられている。ベゼル4をバンパー2に取り付けた後、ベゼル4にセンサ本体3におけるケース30の開口面32を挿入するに当たり、ベゼル4がバンパー2から抜ける方向に力が加えられることになる。このため、ベゼル4をバンパー2に挿入すると、抜け防止爪4eがバンパー2の端面に引っ掛かり、ベゼル4バンパー2からの抜けが防止できるようになっている。なお、図5(b)に示すように各抜け防止爪4eの両側にはスリット4fが設けられており、このスリット4fの間の棒状部分が応力変形し易くなっているため、バンパー2への取り付け時に抜け防止爪4eが挿入の邪魔になることはない。
【0048】
さらに、ベゼル4には、ベゼル4の中心に対して等間隔に複数(ここでは4つ)の溝4gがベゼル4の側壁の外面から内面にかけて形成されている。各溝4g内には、図6に示すように、ベゼル4の中心軸方向に並べられた2箇所の貫通穴4h、4iが形成されている。そして、各溝4gに沿って金属バネ5が配置されている。
【0049】
図7は、ベゼル4の開口端側における溝4gの近傍の拡大図であり、図7(a)はベゼル4の外側から溝4gを見たときの図、図7(b)は、ベゼル4の中空部内から溝4gを見たときの図である。
【0050】
この図に示すように、ベゼル4の外面および外面に形成された溝4gは、ベゼル4の開口端においても形成されている。溝4gの深さは金属バネ5の厚みよりも厚く設定されている。このため、図7(a)、(b)に示されるように、金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置し、ベゼル4の開口端よりもある程度オフセット配置されている。また、図6に示されるように、ベゼル4の内周面よりも金属バネ5が内側に位置し、ベゼルの内周面よりもある程度オフセット配置されている。
【0051】
また、図7(a)、(b)に示されるように、ベゼル4の開口端やベゼル4の外周面および内周面のうち溝4gの両側において、溝4gの側壁がテーパ状とされており、溝4gの両側に鋭い角ができないような形状が採用されている。そして、テーパ状とされた部分(以下、テーパ部分という)に関しても、さらにテーパ部分とベゼル4の開口端や外周面および内周面との境界位置において丸めた形状とされており、より溝4gの両側に鋭い角ができないような形状とされている。
【0052】
金属バネ5は、薄い棒状金属を曲げ加工することによって構成され、棒状金属の一端が爪状に曲げられた爪部5aと、ベゼル4の開口部の端部形状に合せてU字状に曲げられたU字状部5bと、ベゼル4の外周面から径方向に突出させた凸部5cと、棒状金属の他端を爪部5a側に折り返した折り返し部5dとを有して構成されている。金属バネ5の爪部5aをベゼル4の開口端から挿入させ、U字状部5bがベゼル4の開口端と接するまで挿入すると、爪部5aが貫通穴4i内に入り込み、貫通穴4iの端面に引っ掛かることで金属バネ5がベゼル4に固定されている。このため、金属バネ5のうちベゼル4に固定される側、つまりU字状部5bが固定端となり、折り返し部5dが自由端となってバネ機能を果たす。
【0053】
すなわち、金属バネ5の自由端において、バンパー2およびセンサ本体3における開口面32の側面が共に金属バネ5に接し、バンパー2に関してはベゼル4の径方向の広がる向きに金属バネ5の弾性力が加えられ、センサ本体3における開口面32に関してはベゼル4の径方向の縮まる向きに金属バネ5の弾性力が加えられる。
【0054】
このため、ベゼル4を介してバンパー2にセンサ本体3を固定する構造において、バンパー2にベゼル4を強固に固定することが可能となり、かつ、ベゼル4にセンサ本体3を強固に固定することが可能となる。これにより、超音波センサ1をバンパー2に強固に固定することが可能となっている。
【0055】
次に、超音波センサ1のバンパー2への取り付けの様子について説明する。図8は、超音波センサ1をバンパー2に取る付ける前の様子を示した図である。
【0056】
図8に示されるように、まず、ベゼル4をバンパー2の一方、つまりバンパー2の外側からバンパー2の穴部2aに挿入する。このとき、抜け防止爪4eがバンパー2の内側に入る込むまで挿入する。これにより、バンパー2の穴部2aの開口端と金属バネ5における凸部5cの傾斜部分が接触する。図9は、このときの様子を示した部分拡大断面図である。
【0057】
この図に示されるように、ベゼル4をバンパー2の穴部2aに挿入すると、バンパー2の穴部2aの開口端によって金属バネ5が弾性変形させられて撓み、金属バネ5の自由端となる折り返し部5dが貫通穴4h内に入り込み、ベゼル4の内壁面から突き出される。
【0058】
この後、図8の矢印で示すように、バンパ−2の反対側、つまりバンパー2の内側からベゼル4の中空部内にセンサ本体3における開口面32および超音波振動子10を挿入する。このとき、金属バネ5がベゼル4の溝4g内に固定され、溝4gの深さを金属バネ5の厚みよりも深くすることで金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置するようにしているため、金属バネ5が直接超音波振動子10に接触することが無い。仮に超音波振動子10がベゼル4に接触したとしても、硬い金属バネ5ではなく、金属よりも柔らかい樹脂等の材質のもので構成されたベゼル4の開口端に接触することになる。
【0059】
このため、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。特に、本実施形態の場合には、ベゼル4の開口端のうち溝4gの両側の位置をテーパ状にしたり、さらにテーパ部分と開口端の境界部に丸みを設けた構成としてあるから、尚更超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。したがって、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることによる超音波センサ1の機能低下を防止することが可能となる。
【0060】
そして、ベゼル4の中空部内にセンサ本体3における開口面32および超音波振動子10を挿入すると、スナップフィット4bの先端部が受止部39の穴内に入り込む。このときにも、金属バネ5が溝4gの内壁面よりも内側に位置しているため、ベゼル4の内壁面を摺動させられる際にも、超音波振動子10や開口面32が金属バネ5によって傷つけられることはない。特に、本実施形態の場合には、溝4gの両側がテーパ状とされ、テーパ部分とベゼル4の内周面との境界部が丸みを帯びた形状としてあるため、よりこの効果が得られる。
【0061】
さらに挿入を続けると、スリット4jの間に形成された爪部4cが受止部39の内壁と接して弾性変形させられ、受止部39内に挿入されると、その後、弾性変形した部分が元に戻ることで爪部4cと受止部39とが係合する。また、ランス38の爪部38bがベゼル4の外壁面と接し、棒状部38aが弾性変形して爪部38bが係止穴4d内に入り込むことで、弾性変形した部分が元に戻り、ランス38が係止穴4dと係合する。
【0062】
また、開口面32の外壁面が金属バネ5の自由端のうちベゼル4の貫通穴4hに入り込んでベゼル4の内壁面に突き出した部分と接触する。図10は、このときの様子を示した部分拡大図である。
【0063】
この図に示されるように、金属バネ5の自由端が開口面32の外壁面と接触するため、ベゼル4の径方向の広がる向きに押し戻される。このため、金属バネ5の自由端において、バンパー2およびセンサ本体3における開口面32の側面が共に金属バネ5に接し、バンパー2に関してはベゼル4の径方向の広がる向きに金属バネ5の弾性力が加えられ、センサ本体3における開口面32に関してはベゼル4の径方向の縮まる向きに金属バネ5の弾性力が加えられる。つまり、開口面32の外壁面とバンパー2の穴部2aの壁面との間で金属バネ5の自由端が弾性的に圧縮変形し、この圧縮変形に伴う弾性反力によってセンサ本体3およびベゼル4が穴部2aの壁面に対して固定される。
【0064】
これにより、ベゼル4を介してバンパー2にセンサ本体3を固定する構造において、バンパー2にベゼル4を強固に固定することが可能となり、かつ、ベゼル4にセンサ本体3を強固に固定することが可能となる。これにより、超音波センサ1をバンパー2に強固に固定することが可能となる。
【0065】
なお、ベゼル4の中空部内にセンサ本体3における開口面32および超音波振動子10を挿入するときに、図10に示すように金属バネ5の突出部分が開口面32に接触することになるが、金属バネ5の突出している部分が超音波振動子10の振動面11bに接触することはない。このため、このときに金属バネ5によって振動面11bが傷つけられることもない。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の超音波センサ1では、金属バネ5がベゼル4の溝4g内に固定され、溝4gの深さを金属バネ5の厚みよりも深くすることで金属バネ5がベゼル4の開口端よりも内側に位置するようにしている。このため、金属バネ5が直接超音波振動子10に接触しないようにできる。このため、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。
【0067】
また、本実施形態の超音波センサ1では、ベゼル4の開口端のうち溝4gの両側の位置をテーパ状にしたり、さらにテーパ部分と開口端の境界部に丸みを設けた構成としてある。このため、尚更超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止できる。
【0068】
さらに、溝4gの中空部内に関しても、金属バネ5が溝4gの内壁面よりも内側に位置しているため、ベゼル4の内壁面を摺動させられる際に、超音波振動子10や開口面32が金属バネ5によって傷つけられることはない。
【0069】
このように、本実施形態の超音波センサ1によれば、超音波振動子10の振動面11bが傷つけられることを防止することが可能となる。これにより、超音波センサ1の機能低下を防止することが可能となる。
【0070】
(他の実施形態)
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施することができる。
【0071】
例えば、図11に示すように、ベゼル4における溝4gの両側に丸い突起部4kを設けることで、その突起部4kの先端位置よりも金属バネ5が内側に位置するような構成としても良い。要するに、金属バネ5のうち最もベゼル4の開口端側に位置する部位がベゼル4の開口端よりも内側に位置していれば、どのような形状であっても良い。
【0072】
また、筒状のベゼル4の形状およびベゼル4の中空部に挿入されるセンサ本体3の一部の形状も円形を基本とする形状でなくても良い。例えば、ベゼル4を楕円筒状、多角形筒状で構成し、センサ本体3のうちベゼル4の中空部に挿入される部分がベゼル4の中空部に対応する楕円柱状、多角形柱状であっても構わない。
【0073】
また、上記実施形態では、バンパー2を被固定部材として使用して超音波センサ1を固定する場合について説明したが、バンパー2以外の車体部品に超音波センサ1を固定する場合に関しても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる超音波センサ1をバンパー2に取り付けたときの状態を示した側面図である。
【図2】センサ本体3を示した図であり、(a)は、センサ本体3の正面図、(b)は、センサ本体3の右側面図、(c)は、センサ本体3の上面図、(d)は、センサ本体3の背面図である。
【図3】図2(a)のA−A断面図である。
【図4】超音波振動子10の断面図である。
【図5】ベゼル4を示した図であり、(a)は、ベゼル4の正面図、(b)は、ベゼル4の左側面図、(c)は、ベゼル4の背面図、(d)は、ベゼル4の上面図、(e)は、ベゼル4の底面図である。
【図6】図5(c)のB−B断面に相当するベゼル4の一部拡大断面図である。
【図7】ベゼル4の開口端側における溝4gの近傍の拡大図であり、(a)、(b)は、それぞれ、ベゼル4の外側と中空部内から溝4gを見たときの図である。
【図8】超音波センサ1をバンパー2に取り付ける前の様子を示した図である。
【図9】ベゼル4をバンパー2の穴部2aに挿入したときの様子を示した部分断面側面図である。
【図10】ベゼル4の中空部にセンサ本体3の開口面32を挿入したときの様子を示した部分断面側面図である。
【図11】他の実施形態で説明するベゼル4の一部拡大断面図である。
【図12】従来の超音波センサ100のバンパー101への固定構造を示した部分断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1…超音波センサ、2…バンパー、2a…穴部、3…センサ本体、4…ベゼル、4a…フランジ、4b…スナップフィット、4c…爪部、4d…係止穴、4e…防止爪、4f…スリット、4g…溝、4h、4i…貫通穴、4j…スリット、4k…突起部、5…金属バネ、5a…爪部、5b…U字状部、5c…凸部、5d…折り返し部、5e…屈曲部、10…超音波振動子、12…圧電素子、15…接続ピン、20…回路基板、30…ケース、32…開口面、33…筒状弾性体、38…ランス、38a…棒状部、38b…爪部、39…受止部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に開口部が形成され、中空部を有する筒状のベゼル(4)と、
超音波振動子(10)を備えたセンサ本体(3)と、
前記開口部からセンサ本体(3)のうち前記超音波振動子(10)を含む一部を挿入部(10、32)として前記ベゼル(4)の中空部内に該挿入部(10、32)が挿入されるようになっており、前記ベゼル(4)を車体部品(2)に形成された穴部(2a)に対して該車体部品(2)の外部から挿入したのち、前記車体部品(2)の内側から前記ベゼル(4)の前記中空部内に前記挿入部(10、32)を挿入することで、前記車体部品(2)に対して前記ベゼル(4)を介して前記センサ本体(3)が組み付けられるように構成される超音波センサであって、
前記ベゼル(4)の側壁には、該ベゼル(4)の開口端から前記外側面に至る溝(4g)が形成されていると共に、該溝(4g)内に金属バネ(5)が固定されており、該金属バネ(5)が前記溝(4g)に収容されることにより、前記ベゼル(4)の開口端における前記溝(4g)の両側よりも前記金属バネ(5)が内側に位置するように構成された超音波センサ。
【請求項2】
前記溝(4g)の両側において、前記ベゼル(4)の前記開口端はテーパ状とされていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記ベゼル(4)のうち前記開口端と前記溝(4g)との境界部において、前記テーパ状とされた部分の一端が丸められていることを特徴とする請求項2に記載の超音波センサ。
【請求項4】
前記溝(4g)の両側において、前記ベゼル(4)の前記開口端には突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記溝(4g)は、前記ベゼル(4)における前記側壁の内面に至るように形成され、
前記金属バネ(5)も、前記ベゼル(4)における前記側壁の内面まで配置されており、
前記ベゼル(4)における前記側壁の内面に形成された前記溝(4g)は前記金属バネ(5)の厚みよりも深くされ、前記金属バネ(5)が前記溝(4g)内に収容されることで、前記側壁の内面においても、前記金属バネ(5)が前記側壁の内面よりも内側に位置していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記溝(4g)の両側において、前記ベゼル(4)の前記内面はテーパ状とされていることを特徴とする請求項5に記載の超音波センサ。
【請求項7】
前記ベゼル(4)のうち前記内面と前記溝(4g)との境界部において、前記テーパ状とされた部分の一端が丸められていることを特徴とする請求項6に記載の超音波センサ。
【請求項1】
一端側に開口部が形成され、中空部を有する筒状のベゼル(4)と、
超音波振動子(10)を備えたセンサ本体(3)と、
前記開口部からセンサ本体(3)のうち前記超音波振動子(10)を含む一部を挿入部(10、32)として前記ベゼル(4)の中空部内に該挿入部(10、32)が挿入されるようになっており、前記ベゼル(4)を車体部品(2)に形成された穴部(2a)に対して該車体部品(2)の外部から挿入したのち、前記車体部品(2)の内側から前記ベゼル(4)の前記中空部内に前記挿入部(10、32)を挿入することで、前記車体部品(2)に対して前記ベゼル(4)を介して前記センサ本体(3)が組み付けられるように構成される超音波センサであって、
前記ベゼル(4)の側壁には、該ベゼル(4)の開口端から前記外側面に至る溝(4g)が形成されていると共に、該溝(4g)内に金属バネ(5)が固定されており、該金属バネ(5)が前記溝(4g)に収容されることにより、前記ベゼル(4)の開口端における前記溝(4g)の両側よりも前記金属バネ(5)が内側に位置するように構成された超音波センサ。
【請求項2】
前記溝(4g)の両側において、前記ベゼル(4)の前記開口端はテーパ状とされていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記ベゼル(4)のうち前記開口端と前記溝(4g)との境界部において、前記テーパ状とされた部分の一端が丸められていることを特徴とする請求項2に記載の超音波センサ。
【請求項4】
前記溝(4g)の両側において、前記ベゼル(4)の前記開口端には突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記溝(4g)は、前記ベゼル(4)における前記側壁の内面に至るように形成され、
前記金属バネ(5)も、前記ベゼル(4)における前記側壁の内面まで配置されており、
前記ベゼル(4)における前記側壁の内面に形成された前記溝(4g)は前記金属バネ(5)の厚みよりも深くされ、前記金属バネ(5)が前記溝(4g)内に収容されることで、前記側壁の内面においても、前記金属バネ(5)が前記側壁の内面よりも内側に位置していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記溝(4g)の両側において、前記ベゼル(4)の前記内面はテーパ状とされていることを特徴とする請求項5に記載の超音波センサ。
【請求項7】
前記ベゼル(4)のうち前記内面と前記溝(4g)との境界部において、前記テーパ状とされた部分の一端が丸められていることを特徴とする請求項6に記載の超音波センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−248231(P2007−248231A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71290(P2006−71290)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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