超音波トランスデューサの製造方法、および音響レンズ材
【課題】接着剤の膜厚を均一にして、且つ音響レンズが変形することを防ぎ、さらに生産効率がよく、生産管理が容易な超音波トランスデューサの製造方法、および音響レンズ材を提供する。
【解決手段】超音波トランスデューサアレイ31を構成する、音響レンズ材30以外の各部材からなる積層体41と、音響レンズ30となる曲面部42、および把持部44a、44bを有する音響レンズ材40を別々に作製する。音響レンズ材40の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、可動クリップ46a、46bで把持部44a、44bを把持しながら、音響レンズ材40を積層体41に嵌着・接合する。
【解決手段】超音波トランスデューサアレイ31を構成する、音響レンズ材30以外の各部材からなる積層体41と、音響レンズ30となる曲面部42、および把持部44a、44bを有する音響レンズ材40を別々に作製する。音響レンズ材40の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、可動クリップ46a、46bで把持部44a、44bを把持しながら、音響レンズ材40を積層体41に嵌着・接合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響レンズを有する超音波トランスデューサの製造方法、および音響レンズ材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超音波プローブを利用した医療診断が実用化されている。超音波プローブの先端には、超音波トランスデューサが配されている。超音波トランスデューサから被検体の被観察部位に超音波を照射し、被観察部位からのエコー信号を超音波トランスデューサで受信する。これにより出力される検出信号をプロセッサ装置で電気的に処理することによって、超音波画像が得られる。
【0003】
また、超音波を走査しながら照射することにより、超音波断層画像を得ることも可能である。超音波断層画像を得る方法としては、超音波トランスデューサを機械的に回転あるいは揺動、もしくはスライドさせるメカニカルスキャン走査方式や、複数の超音波トランスデューサをアレイ状に配列(以下、超音波トランスデューサアレイという)し、駆動する超音波トランスデューサを電子スイッチ等で選択的に切り替える電子スキャン走査方式が知られている。
【0004】
超音波トランスデューサは、バッキング材、圧電体と電極からなる圧電素子、音響整合層、および音響レンズから構成される。超音波トランスデューサの製造手順は、例えば、圧電体の材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のウエハーとバッキング材とを接着剤で接着する。超音波トランスデューサアレイの場合は、ウエハー上に電極や音響整合層を積層した後、所望の配列となるように、音響整合層側からバッキング材に至るまでダイシング加工を施してウエハーを複数の圧電素子に分割する。これにより形成されたダイシング溝に充填材を充填し、最後に音響レンズを音響整合層上に接着剤で接着する。
【0005】
音響レンズと音響整合層の接着に際して留意すべき点は、接着剤の膜厚を全体にわたって均一にすることである。接着剤の膜厚が不均一であると、超音波の送受信特性が場所によって変わるので、超音波画像の画質劣化を生む。
【0006】
特許文献1では、接着剤の膜厚を均一にするため、余剰接着剤や気泡を流し込むための貫通孔を圧電素子、音響整合層に設け、貫通孔を介してポンプで余剰接着剤や気泡を外部に排出している。段落[0044]、[0045]、図4には、さらなる接着剤の膜厚の均一化をするため、音響レンズを上から厚み方向に押さえ付けて接着する態様が記載されている。
【0007】
音響レンズは弾性を有する比較的柔らかい樹脂からなるため、特許文献1に記載の如く音響レンズを厚み方向に押さえ付けると容易に変形する。音響レンズが変形した状態で接着剤が硬化すると、音響レンズが変形したままの状態が保たれてしまい、所望の性能を満たすことができないという問題がある。
【0008】
超音波トランスデューサの製造手順の他の例として、特許文献2、3が提案されている。特許文献2には、圧電素子を作製した後、音響レンズと充填材を同じ材料で一体形成する例が、特許文献3には、型押しで音響整合層と音響レンズを一体成形する例がそれぞれ開示されている。
【0009】
特許文献2、3に記載の発明によれば、接着剤がいらないので、接着剤の膜厚を均一化する工夫をしなくてもよい。また、音響レンズを厚み方向に押さえ付けることもしなくてよいので、音響レンズが変形したまま取り付けられるという懸念もない。
【特許文献1】特開2000−139916号公報
【特許文献2】特開2005−340903号公報
【特許文献3】特開2000−032595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2、3に記載の発明は、圧電素子を作製してから音響レンズ等を一体成形するので、音響レンズの作り置きができず、生産効率が悪いという問題がある。また、音響レンズを別で作製する場合と比べて、音響レンズとなる樹脂が硬化する際の収縮による厚み変化を制御することが困難であるため、製品の歩留りが悪いという問題もある。
【0011】
接着剤の膜厚を均一にして、且つ音響レンズが変形することを防ぎ、さらに生産効率がよく、生産管理が容易な超音波トランスデューサの製造方法は現存しない。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、接着剤の膜厚を均一にして、且つ音響レンズが変形することを防ぎ、さらに生産効率がよく、生産管理が容易な超音波トランスデューサの製造方法、および音響レンズ材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の超音波トランスデューサの製造方法は、以下の第一、第二、第三工程を備えることを特徴とする。第一工程では、超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体を作製する。第二工程では、音響レンズとなるレンズ部、および把持部を有する音響レンズ材を作製する。第三工程では、音響レンズ材の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、把持部で音響レンズ材を把持しながら積層体に嵌着・接合する。
【0014】
前記第二工程では、レンズ部、把持部の他に、積層体が嵌入される穴をレンズ部とで作る側面部を形成し、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が延出されるように音響レンズ材を作製する。
【0015】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が横方に庇状に延出されるように音響レンズ材を作製する。
【0016】
レンズ部および側面部の両方の縁から、把持部が横方に庇状に延出されている場合、前記第三工程では、レンズ部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、音響レンズ材と積層体との中心位置合せを行う。また、側面部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、レンズ部の曲率の微調整を行う。
【0017】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が下方にスカート状に延出されるように音響レンズ材を作製する。この場合、前記第二工程では、把持部が積層体の被覆層を兼ねるように音響レンズ材を作製する。
【0018】
前記第三工程の後、把持部を切断する第四工程を備えることが好ましい。
【0019】
本発明の音響レンズ材は、音響レンズとなるレンズ部と把持部とを備えることを特徴とする。把持部は、超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体に嵌着・接合する際に把持される。
【0020】
積層体が嵌入される穴を前記レンズ部とで作る側面部を備えることが好ましい。前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から延出されている。
【0021】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から横方に庇状に延出されている。
【0022】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から下方にスカート状に延出されている。前記把持部は、積層体の被覆層を兼ねることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、音響レンズ材に把持部を設け、音響レンズ材の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、把持部で音響レンズ材を把持しながら積層体に嵌着・接合するので、接着剤の膜厚を均一にすることができ、且つ音響レンズが変形することを防ぐことができる。さらに作り置きが可能であるため生産効率がよく、生産管理が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1において、超音波内視鏡2は、周知の如く、患者の体腔内に挿入される可撓性の挿入部10と、挿入部10の先端部分に連設され、固体撮像素子24や超音波トランスデューサアレイ27(ともに図2および図3参照)等が内蔵された先端部11と、先端部11の後方に配置され、複数の湾曲駒を連結した湾曲部12と、挿入部10の基端部分に連設された操作部13と、プロセッサ装置および光源装置(ともに図示せず)に接続されるコネクタ(図示せず)と操作部13間を繋ぐユニバーサルコード14とを有する。
【0025】
操作部13には、湾曲部12を上下左右方向に湾曲させるためのアングルノブ15や、先端部11からエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタン16等が設けられている。また、操作部13の挿入部10側には、鉗子や穿刺針、高周波メス等の処置具が挿通される鉗子口17が設けられている。
【0026】
図2および図3において、先端部11には、内視鏡光学画像取得部20、および超音波断層画像取得部21が設けられている。内視鏡光学画像取得部20は、観察窓22、対物レンズ23、固体撮像素子24、照明窓25、および配線ケーブル26等から構成される。
【0027】
観察窓22は、先端部11の斜め上方に向けて取り付けられている。観察窓22から入射した被観察部位の像光は、対物レンズ23で固体撮像素子24の撮像面に結像される。固体撮像素子24は、観察窓22、対物レンズ23を透過して撮像面に結像された被観察部位の像光を光電変換して、撮像信号を出力する。固体撮像素子24で出力された撮像信号は、挿入部10から操作部13まで延設された配線ケーブル26を経由して、ユニバーサルコード14によりプロセッサ装置に伝送される。プロセッサ装置は、伝送された撮像信号に対して、各種信号処理、および画像処理を施し、内視鏡光学画像としてモニタ(図示せず)に表示する。
【0028】
照明窓25は、観察窓22を挟んで両側に設けられている。照明窓25には、ライトガイド(図示せず)の出射端が接続されている。ライトガイドは、挿入部10から操作部13まで延設され、その入射端は、ユニバーサルコード14を介して接続された光源装置の光源に接続されている。光源で発せられた照明光は、ライトガイドを伝って照明窓25から被観察部位に照射される。
【0029】
超音波断層画像取得部21は、超音波トランスデューサアレイ27を備えている。超音波トランスデューサアレイ27は、断面凸円弧状に形成されたバッキング材28上に設けられている。バッキング材28は、硬質ゴム等の剛性を有する材料からなり、超音波減衰材(フェライト、セラミックス等)が必要に応じて添加されている。
【0030】
超音波トランスデューサアレイ27上には、エポキシ樹脂等からなり、被検体である人体との間の音響インピーダンスを緩和するための音響整合層29が設けられている。
【0031】
音響整合層29上には、超音波トランスデューサアレイ27から発せられる超音波を被観察部位に向けて収束させる音響レンズ30が取り付けられている。音響レンズ30は、例えば、シリコン系樹脂(ミラブル型シリコンゴム(HTVゴム)、液状シリコンゴム(RTVゴム)等)、ブタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等からなる。人体と超音波トランスデューサ31(音響整合層29)の間の音響インピーダンス整合をとり、超音波の透過率を高めるため、音響レンズ30には、必要に応じて酸化チタンやアルミナ、シリカ等の粉末が混合される。
【0032】
超音波トランスデューサアレイ27は、複数の超音波トランスデューサ31が、一例として一次元アレイ状に所定のピッチで配列されてなる。超音波トランスデューサアレイ27は、バッキング材28の底面と平行な方向(AZ(アジマス)方向)よりも、AZ方向と直交する超音波トランスデューサアレイ31の長手方向(EL(エレベーション)方向)の長さのほうが短く、後端側が張り出すように傾斜して配置される。超音波トランスデューサ31は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の圧電体厚膜の両面に電極を形成した構成を有する。一方の電極は、超音波トランスデューサ31の全てに共通の電極、他方の電極は、超音波トランスデューサ31毎に独立した個別の電極となっている。
【0033】
両電極に電圧が印加されると、圧電体が振動して超音波を発生し、これにより被検体の被観察部位に超音波が照射される。そして、複数の超音波トランスデューサ31をマルチプレクサ等の電子スイッチで順次駆動させることで、超音波トランスデューサアレイ27が配された曲面に沿った、曲面の曲率中心から数10mm程度の範囲で、超音波が走査される。また、被観察部位からのエコー信号を受信すると、圧電体が振動して電圧を発生し、この電圧が検出信号として出力される。なお、図示は省略するが、超音波トランスデューサ31同士の隙間には、エポキシ樹脂等の充填材が充填されている。
【0034】
バッキング材28の裏面には、基板32を介して、フレキシブル配線基板33が取り付けられている。フレキシブル配線基板33には、超音波トランスデューサ31を構成する個別電極に繋げられる配線34が設けられている。
【0035】
配線34は、配線ケーブル26やライトガイドと同様に、挿入部10から操作部13まで延設され、ユニバーサルコード14を介してプロセッサ装置に接続されている。この配線34を介して、プロセッサ装置から超音波トランスデューサ31を駆動させて超音波を発するための駆動制御信号が伝送され、また、エコー信号の受信により超音波トランスデューサ31から出力された検出信号がプロセッサ装置に伝送される。プロセッサ装置は、伝送された検出信号に対して、各種信号処理、および画像処理を施し、超音波断層画像としてモニタに表示する。なお、図3では、煩雑を避けるために、超音波断層画像取得部21の各部のハッチングを省略している。
【0036】
内視鏡光学画像取得部20と超音波断層画像取得部21との間には、鉗子出口35が設けられている。鉗子出口35には、鉗子口17から挿入部10を貫通して設けられた鉗子チャネル36が連通している。鉗子出口35から処置具の先端が突出される。
【0037】
超音波内視鏡2で体腔内を観察する際には、まず、挿入部10を体腔内に挿入し、内視鏡光学画像取得部20で取得された内視鏡光学画像をモニタで観察しながら、被観察部位を探索する。
【0038】
被観察部位に先端部11が到達し、超音波断層画像を取得する指示がなされると、配線34を介して、プロセッサ装置からの駆動制御信号が超音波トランスデューサ31に入力される。駆動制御信号が入力されると、超音波トランスデューサ31の両電極に規定の電圧が印加される。そして、超音波トランスデューサ31の圧電体が励振され、音響レンズ30を介して、被観察部位に超音波が発せられる。
【0039】
超音波の照射後、被観察部位からのエコー信号が超音波トランスデューサ31で受信される。この超音波の照射、およびエコー信号の受信は、駆動する超音波トランスデューサ31をマルチプレクサ等の電子スイッチによりずらしながら繰り返し行われる。これにより、被観察部位に超音波が走査される。プロセッサ装置では、エコー信号を受信して超音波トランスデューサ31から出力された検出信号を元に、超音波断層画像が生成される。生成された超音波断層画像は、モニタに表示される。
【0040】
以下、図4〜図9を参照して、超音波断層画像取得部21の製造方法を詳述する。超音波断層画像取得部21の製造にあたっては、図4に示すように、音響レンズ材40と、音響レンズ30以外の部材が組み立てられた積層体41とを別々に作製する(図9のS(ステップ)10)。
【0041】
音響レンズ材40は、曲面部(レンズ部に相当)42と側面部43a、43bと把持部44a、44bとを一体成形してなる。曲面部42は、最終的には音響レンズ30の機能を担うため、その表面は超音波を被観察部位に向けて収束させる所定の曲率をEL方向にもつ。側面部43a、43bは、曲面部42の縁から垂直に下方に延設されている。曲面部42は、EL方向の中央部が膨らみ、側面部43a、43b側になるに連れて厚みが漸減する断面樽状に曲率がつけられている。曲面部42と側面部43a、43bが作る空間内は、積層体41の外形に倣う内形を有し、積層体41が嵌入される穴45となっている。
【0042】
把持部44a、44bは、曲面部42の下部から、AZ方向に略沿って所定の長さ分延出している。把持部44a、44bは、音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合させるときに、可動クリップ46a、46bで掴まれる。
【0043】
音響レンズ材40は、例えば、上記各部の凹形状をもつ型と穴45の凸形状をもつ型とを合せ、これに溶融樹脂を流し込んで硬化させることで作製される。
【0044】
積層体41は、前述の超音波トランスデューサアレイ27(超音波トランスデューサ31)、バッキング材28、音響整合層29、基板32、およびフレキシブル配線基板33で構成される。音響整合層29は、積層体41の最上層にある。このため、音響整合層29は、音響レンズ材40の穴45に積層体41が嵌入されたときに、穴45の内面と接着剤51(図5参照)を介して接する。積層体41の作製過程は周知であるため、説明を省略する。
【0045】
図5において、音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合させる際には、積層体41を水平面である土台50に載置し、エポキシ樹脂系等の接着剤51を音響整合層29の表面に満遍なく塗布する(図9のS11)。
【0046】
接着剤51の塗布後、図6(図4も参照)において、音響レンズ材40の把持部44a、44bを可動クリップ46a、46bでそれぞれ掴み、可動クリップ46a、46bを昇降機52で土台50に向けて鉛直に降ろす(図9のS12)。
【0047】
このとき、可動クリップ46a、46bは、把持部44a、44bの延出方向が、土台50の水平面と平行となるように、また、延出方向に若干の引っ張り力を与えつつ把持部44a、44bを把持する。
【0048】
音響レンズ材40の曲面部42と積層体41の中心は、可動クリップ46a、46bと土台50によって予め精度よく位置決めされている。可動クリップ46a、46bの降下中に、土台50の水平面と把持部44a、44bの平行関係、並びに音響レンズ材40の曲面部42と積層体41の中心の位置関係が崩れないよう、昇降機52は、可動クリップ46a、46bの単位時間あたりの降下量が同一となるように駆動される。
【0049】
図7において、可動クリップ46a、46bを降ろしていき、音響レンズ材40の穴45に積層体41を嵌入させる(図9のS13)。昇降機52は、穴45に積層体41が完全に嵌入してからも、可動クリップ46a、46bを所定量降下させ続ける。可動クリップ46a、46bの降下量は、音響レンズ材40の穴45の内面と接着剤51が十分に馴染み、接着剤51の膜厚が全体にわたって均一となる量で、且つ把持部44a、44bの強度が鉛直下向きの力に耐えられる(把持部44a、44bが折損しない)量に調整される。音響レンズ材40の自重で接着剤51の膜厚が全体にわたって均一となるならば、可動クリップ46a、46bの降下量はゼロでも構わない。
【0050】
その後、必要に応じて熱処理等を行って、接着剤51を硬化させ、把持部44a、44bから可動クリップ46a、46bを外す。こうして、音響レンズ材40と積層体41とを嵌着・接合する(図9のS14)。
【0051】
接着剤51の硬化後、図8に示すように、把持部44a、44bの付け根をダイシングカッター等の切削機53で切断する(図9のS15)。以上の如く製造された超音波断層画像取得部21を、配線34を挿入部10内に引き回す等しながら先端部11に取り付ける。
【0052】
以上説明したように、把持部44a、44bを音響レンズ材40に形成し、把持部44a、44bを把持しながら音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合するので、把持部44a、44bに引っ張り力や押し下げ力は掛かるが、曲面部42には殆ど力は加わらない。従って、音響レンズを厚み方向に押さえ付ける従来の方法と比べて、音響レンズ30(曲面部42)が変形する懸念が少ない。また、比較的弱い力で接着剤51の膜厚を全体にわたって均一にすることができる。
【0053】
接着剤の膜厚が均一化され、音響レンズが変形することが防止されるので、超音波断層画像の画質劣化が発生することはない。
【0054】
音響レンズ材40は、積層体41とは別に作製されるので、作り置きが可能で、比較的簡単に厚み等の形状制御も可能である。音響レンズと他の部材を一体成形する従来の方法と比べて、生産効率、生産管理の点で有利である。
【0055】
把持部44a、44bを曲面部42の下部から延出させ、これを引っ張りながら音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合するので、曲面部42には力が加わらない。このため、曲面部42と積層体41の中心の位置関係がずれ難くなる。
【0056】
上記実施形態では、把持部44a、44bを曲面部42の下部から延出させた例を挙げたが、把持部の形成箇所はこれに限らない。図10に示す音響レンズ材60のように、把持部44a、44bの代わりに、側面部43a、43bの下部に庇状の把持部44c、44dを設けてもよい。この場合は把持部44c、44dを引っ張ると、僅かではあるが曲面部42に力が加わる。これを利用して、曲面部42を所望の形状に歪ませ、曲面部42の曲率の微調整をすることが可能となる。
【0057】
また、図11に示す音響レンズ材65のように、把持部44a〜44dを全て設けてもよい。この場合、最初に把持部44a、44bを把持して曲面部42と積層体41の中心の位置合せを行った後、把持部44c、44dを把持して曲面部42の曲率の微調整をする。音響レンズ材40、60の両者の利点を活かすことができる。
【0058】
上記実施形態では、AZ方向、またはAZ方向に直交するEL方向に略沿って把持部を庇状に延出させているが、これに限らない。図12、図13にそれぞれ示す音響レンズ材70、75を用いても可である。
【0059】
図12において、音響レンズ材70は、側面部43a、43bの下部から下方にスカート状に延出した把持部44e、44fを有する。一対の可動クリップ(図示せず)で把持部44e、44fをそれぞれ把持し、下方に引っ張ることで穴45に積層体41を嵌入する。このため、把持部44e、44fの裏面には、可動クリップが積層体41にぶつからないよう、可動クリップを逃がすための凹部(図示せず)が形成されている。
【0060】
把持部44e、44fは、上記実施形態とは異なり、積層体41に嵌着・接合後も切断されずに残される。把持部44e、44fは、積層体41の側面を覆って保護する被覆層として機能する。
【0061】
図13の音響レンズ材75は、側面部43a、43bだけでなく、曲面部42の下部からも下方に延出させ、箱型の把持部44gとしている。把持部44gも把持部44e、44fと同様に、積層体41に嵌着・接合後も残され、被覆層として機能する。音響レンズ材70、75によれば、音響レンズと被覆層の機能を兼ねるので、部品点数を削減することができる。また、把持部を切断する工程を省くことができる。
【0062】
なお、把持部44e、44fに代えて、曲面部の下部から下方にスカート状に延出させた把持部のみを設けてもよい。また、上記で例示した庇状、スカート状の把持部のいずれか一方のみを有する音響レンズ材ではなく、これらを複合して設けた音響レンズ材を用いてもよい。
【0063】
音響レンズ材の位置は変えずに、音響レンズ材に対して積層体を移動させる、あるいは両者を移動させて、音響レンズ材と積層体を嵌着・接合してもよい。また、曲面部や側面部とは別に把持部を形成しておき、接着や溶着等で後付けしてもよい。
【0064】
上記実施形態では、いわゆるコンベックス電子走査方式の超音波トランスデューサアレイを例示したが、超音波トランスデューサを挿入部の軸方向に対して厚みが不均一になるように形成した、プラノコンケーブ(平凹)電子走査方式や、超音波トランスデューサを平面上に配置したリニア電子走査方式等、音響レンズを有するものであれば、他の方式の超音波トランスデューサにも適用することが可能である。
【0065】
上記実施形態では、内視鏡光学画像取得部と超音波断層画像取得部を一体化した、体内式の超音波内視鏡を例示したが、電子内視鏡の鉗子チャンネルに挿通される超音波プローブや、体外式の超音波プローブに対して適用してもよい。
【0066】
上記実施形態では、患者を被検体とする医療用の超音波内視鏡を例示したが、配管等を被検体とする工業用のものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】超音波内視鏡の構成を示す外観図である。
【図2】超音波内視鏡の先端部付近を示す拡大平面図である。
【図3】超音波内視鏡の先端部付近を示す拡大断面図である。
【図4】音響レンズ材と積層体の構成を示す斜視図である。
【図5】積層体を土台に載置した状態を示す図である。
【図6】可動クリップで把持部を把持し、積層体に向けて降ろしている状態を示す図である。
【図7】音響レンズ材と積層体を嵌着・接合した状態を示す図である。
【図8】把持部を切断している状態を示す図である。
【図9】超音波断層画像取得部の製造手順を示すフローチャートである。
【図10】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【図11】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【図12】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【図13】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
2 超音波内視鏡
21 超音波断層画像取得部
27 超音波トランスデューサアレイ
29 音響整合層
30 音響レンズ
31 超音波トランスデューサ
40、60、65、70、75 音響レンズ材
41 積層体
42 曲面部
43a、43b 側面部
44a〜44g 把持部
45 穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響レンズを有する超音波トランスデューサの製造方法、および音響レンズ材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超音波プローブを利用した医療診断が実用化されている。超音波プローブの先端には、超音波トランスデューサが配されている。超音波トランスデューサから被検体の被観察部位に超音波を照射し、被観察部位からのエコー信号を超音波トランスデューサで受信する。これにより出力される検出信号をプロセッサ装置で電気的に処理することによって、超音波画像が得られる。
【0003】
また、超音波を走査しながら照射することにより、超音波断層画像を得ることも可能である。超音波断層画像を得る方法としては、超音波トランスデューサを機械的に回転あるいは揺動、もしくはスライドさせるメカニカルスキャン走査方式や、複数の超音波トランスデューサをアレイ状に配列(以下、超音波トランスデューサアレイという)し、駆動する超音波トランスデューサを電子スイッチ等で選択的に切り替える電子スキャン走査方式が知られている。
【0004】
超音波トランスデューサは、バッキング材、圧電体と電極からなる圧電素子、音響整合層、および音響レンズから構成される。超音波トランスデューサの製造手順は、例えば、圧電体の材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のウエハーとバッキング材とを接着剤で接着する。超音波トランスデューサアレイの場合は、ウエハー上に電極や音響整合層を積層した後、所望の配列となるように、音響整合層側からバッキング材に至るまでダイシング加工を施してウエハーを複数の圧電素子に分割する。これにより形成されたダイシング溝に充填材を充填し、最後に音響レンズを音響整合層上に接着剤で接着する。
【0005】
音響レンズと音響整合層の接着に際して留意すべき点は、接着剤の膜厚を全体にわたって均一にすることである。接着剤の膜厚が不均一であると、超音波の送受信特性が場所によって変わるので、超音波画像の画質劣化を生む。
【0006】
特許文献1では、接着剤の膜厚を均一にするため、余剰接着剤や気泡を流し込むための貫通孔を圧電素子、音響整合層に設け、貫通孔を介してポンプで余剰接着剤や気泡を外部に排出している。段落[0044]、[0045]、図4には、さらなる接着剤の膜厚の均一化をするため、音響レンズを上から厚み方向に押さえ付けて接着する態様が記載されている。
【0007】
音響レンズは弾性を有する比較的柔らかい樹脂からなるため、特許文献1に記載の如く音響レンズを厚み方向に押さえ付けると容易に変形する。音響レンズが変形した状態で接着剤が硬化すると、音響レンズが変形したままの状態が保たれてしまい、所望の性能を満たすことができないという問題がある。
【0008】
超音波トランスデューサの製造手順の他の例として、特許文献2、3が提案されている。特許文献2には、圧電素子を作製した後、音響レンズと充填材を同じ材料で一体形成する例が、特許文献3には、型押しで音響整合層と音響レンズを一体成形する例がそれぞれ開示されている。
【0009】
特許文献2、3に記載の発明によれば、接着剤がいらないので、接着剤の膜厚を均一化する工夫をしなくてもよい。また、音響レンズを厚み方向に押さえ付けることもしなくてよいので、音響レンズが変形したまま取り付けられるという懸念もない。
【特許文献1】特開2000−139916号公報
【特許文献2】特開2005−340903号公報
【特許文献3】特開2000−032595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2、3に記載の発明は、圧電素子を作製してから音響レンズ等を一体成形するので、音響レンズの作り置きができず、生産効率が悪いという問題がある。また、音響レンズを別で作製する場合と比べて、音響レンズとなる樹脂が硬化する際の収縮による厚み変化を制御することが困難であるため、製品の歩留りが悪いという問題もある。
【0011】
接着剤の膜厚を均一にして、且つ音響レンズが変形することを防ぎ、さらに生産効率がよく、生産管理が容易な超音波トランスデューサの製造方法は現存しない。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、接着剤の膜厚を均一にして、且つ音響レンズが変形することを防ぎ、さらに生産効率がよく、生産管理が容易な超音波トランスデューサの製造方法、および音響レンズ材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の超音波トランスデューサの製造方法は、以下の第一、第二、第三工程を備えることを特徴とする。第一工程では、超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体を作製する。第二工程では、音響レンズとなるレンズ部、および把持部を有する音響レンズ材を作製する。第三工程では、音響レンズ材の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、把持部で音響レンズ材を把持しながら積層体に嵌着・接合する。
【0014】
前記第二工程では、レンズ部、把持部の他に、積層体が嵌入される穴をレンズ部とで作る側面部を形成し、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が延出されるように音響レンズ材を作製する。
【0015】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が横方に庇状に延出されるように音響レンズ材を作製する。
【0016】
レンズ部および側面部の両方の縁から、把持部が横方に庇状に延出されている場合、前記第三工程では、レンズ部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、音響レンズ材と積層体との中心位置合せを行う。また、側面部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、レンズ部の曲率の微調整を行う。
【0017】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が下方にスカート状に延出されるように音響レンズ材を作製する。この場合、前記第二工程では、把持部が積層体の被覆層を兼ねるように音響レンズ材を作製する。
【0018】
前記第三工程の後、把持部を切断する第四工程を備えることが好ましい。
【0019】
本発明の音響レンズ材は、音響レンズとなるレンズ部と把持部とを備えることを特徴とする。把持部は、超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体に嵌着・接合する際に把持される。
【0020】
積層体が嵌入される穴を前記レンズ部とで作る側面部を備えることが好ましい。前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から延出されている。
【0021】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から横方に庇状に延出されている。
【0022】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から下方にスカート状に延出されている。前記把持部は、積層体の被覆層を兼ねることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、音響レンズ材に把持部を設け、音響レンズ材の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、把持部で音響レンズ材を把持しながら積層体に嵌着・接合するので、接着剤の膜厚を均一にすることができ、且つ音響レンズが変形することを防ぐことができる。さらに作り置きが可能であるため生産効率がよく、生産管理が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1において、超音波内視鏡2は、周知の如く、患者の体腔内に挿入される可撓性の挿入部10と、挿入部10の先端部分に連設され、固体撮像素子24や超音波トランスデューサアレイ27(ともに図2および図3参照)等が内蔵された先端部11と、先端部11の後方に配置され、複数の湾曲駒を連結した湾曲部12と、挿入部10の基端部分に連設された操作部13と、プロセッサ装置および光源装置(ともに図示せず)に接続されるコネクタ(図示せず)と操作部13間を繋ぐユニバーサルコード14とを有する。
【0025】
操作部13には、湾曲部12を上下左右方向に湾曲させるためのアングルノブ15や、先端部11からエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタン16等が設けられている。また、操作部13の挿入部10側には、鉗子や穿刺針、高周波メス等の処置具が挿通される鉗子口17が設けられている。
【0026】
図2および図3において、先端部11には、内視鏡光学画像取得部20、および超音波断層画像取得部21が設けられている。内視鏡光学画像取得部20は、観察窓22、対物レンズ23、固体撮像素子24、照明窓25、および配線ケーブル26等から構成される。
【0027】
観察窓22は、先端部11の斜め上方に向けて取り付けられている。観察窓22から入射した被観察部位の像光は、対物レンズ23で固体撮像素子24の撮像面に結像される。固体撮像素子24は、観察窓22、対物レンズ23を透過して撮像面に結像された被観察部位の像光を光電変換して、撮像信号を出力する。固体撮像素子24で出力された撮像信号は、挿入部10から操作部13まで延設された配線ケーブル26を経由して、ユニバーサルコード14によりプロセッサ装置に伝送される。プロセッサ装置は、伝送された撮像信号に対して、各種信号処理、および画像処理を施し、内視鏡光学画像としてモニタ(図示せず)に表示する。
【0028】
照明窓25は、観察窓22を挟んで両側に設けられている。照明窓25には、ライトガイド(図示せず)の出射端が接続されている。ライトガイドは、挿入部10から操作部13まで延設され、その入射端は、ユニバーサルコード14を介して接続された光源装置の光源に接続されている。光源で発せられた照明光は、ライトガイドを伝って照明窓25から被観察部位に照射される。
【0029】
超音波断層画像取得部21は、超音波トランスデューサアレイ27を備えている。超音波トランスデューサアレイ27は、断面凸円弧状に形成されたバッキング材28上に設けられている。バッキング材28は、硬質ゴム等の剛性を有する材料からなり、超音波減衰材(フェライト、セラミックス等)が必要に応じて添加されている。
【0030】
超音波トランスデューサアレイ27上には、エポキシ樹脂等からなり、被検体である人体との間の音響インピーダンスを緩和するための音響整合層29が設けられている。
【0031】
音響整合層29上には、超音波トランスデューサアレイ27から発せられる超音波を被観察部位に向けて収束させる音響レンズ30が取り付けられている。音響レンズ30は、例えば、シリコン系樹脂(ミラブル型シリコンゴム(HTVゴム)、液状シリコンゴム(RTVゴム)等)、ブタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等からなる。人体と超音波トランスデューサ31(音響整合層29)の間の音響インピーダンス整合をとり、超音波の透過率を高めるため、音響レンズ30には、必要に応じて酸化チタンやアルミナ、シリカ等の粉末が混合される。
【0032】
超音波トランスデューサアレイ27は、複数の超音波トランスデューサ31が、一例として一次元アレイ状に所定のピッチで配列されてなる。超音波トランスデューサアレイ27は、バッキング材28の底面と平行な方向(AZ(アジマス)方向)よりも、AZ方向と直交する超音波トランスデューサアレイ31の長手方向(EL(エレベーション)方向)の長さのほうが短く、後端側が張り出すように傾斜して配置される。超音波トランスデューサ31は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の圧電体厚膜の両面に電極を形成した構成を有する。一方の電極は、超音波トランスデューサ31の全てに共通の電極、他方の電極は、超音波トランスデューサ31毎に独立した個別の電極となっている。
【0033】
両電極に電圧が印加されると、圧電体が振動して超音波を発生し、これにより被検体の被観察部位に超音波が照射される。そして、複数の超音波トランスデューサ31をマルチプレクサ等の電子スイッチで順次駆動させることで、超音波トランスデューサアレイ27が配された曲面に沿った、曲面の曲率中心から数10mm程度の範囲で、超音波が走査される。また、被観察部位からのエコー信号を受信すると、圧電体が振動して電圧を発生し、この電圧が検出信号として出力される。なお、図示は省略するが、超音波トランスデューサ31同士の隙間には、エポキシ樹脂等の充填材が充填されている。
【0034】
バッキング材28の裏面には、基板32を介して、フレキシブル配線基板33が取り付けられている。フレキシブル配線基板33には、超音波トランスデューサ31を構成する個別電極に繋げられる配線34が設けられている。
【0035】
配線34は、配線ケーブル26やライトガイドと同様に、挿入部10から操作部13まで延設され、ユニバーサルコード14を介してプロセッサ装置に接続されている。この配線34を介して、プロセッサ装置から超音波トランスデューサ31を駆動させて超音波を発するための駆動制御信号が伝送され、また、エコー信号の受信により超音波トランスデューサ31から出力された検出信号がプロセッサ装置に伝送される。プロセッサ装置は、伝送された検出信号に対して、各種信号処理、および画像処理を施し、超音波断層画像としてモニタに表示する。なお、図3では、煩雑を避けるために、超音波断層画像取得部21の各部のハッチングを省略している。
【0036】
内視鏡光学画像取得部20と超音波断層画像取得部21との間には、鉗子出口35が設けられている。鉗子出口35には、鉗子口17から挿入部10を貫通して設けられた鉗子チャネル36が連通している。鉗子出口35から処置具の先端が突出される。
【0037】
超音波内視鏡2で体腔内を観察する際には、まず、挿入部10を体腔内に挿入し、内視鏡光学画像取得部20で取得された内視鏡光学画像をモニタで観察しながら、被観察部位を探索する。
【0038】
被観察部位に先端部11が到達し、超音波断層画像を取得する指示がなされると、配線34を介して、プロセッサ装置からの駆動制御信号が超音波トランスデューサ31に入力される。駆動制御信号が入力されると、超音波トランスデューサ31の両電極に規定の電圧が印加される。そして、超音波トランスデューサ31の圧電体が励振され、音響レンズ30を介して、被観察部位に超音波が発せられる。
【0039】
超音波の照射後、被観察部位からのエコー信号が超音波トランスデューサ31で受信される。この超音波の照射、およびエコー信号の受信は、駆動する超音波トランスデューサ31をマルチプレクサ等の電子スイッチによりずらしながら繰り返し行われる。これにより、被観察部位に超音波が走査される。プロセッサ装置では、エコー信号を受信して超音波トランスデューサ31から出力された検出信号を元に、超音波断層画像が生成される。生成された超音波断層画像は、モニタに表示される。
【0040】
以下、図4〜図9を参照して、超音波断層画像取得部21の製造方法を詳述する。超音波断層画像取得部21の製造にあたっては、図4に示すように、音響レンズ材40と、音響レンズ30以外の部材が組み立てられた積層体41とを別々に作製する(図9のS(ステップ)10)。
【0041】
音響レンズ材40は、曲面部(レンズ部に相当)42と側面部43a、43bと把持部44a、44bとを一体成形してなる。曲面部42は、最終的には音響レンズ30の機能を担うため、その表面は超音波を被観察部位に向けて収束させる所定の曲率をEL方向にもつ。側面部43a、43bは、曲面部42の縁から垂直に下方に延設されている。曲面部42は、EL方向の中央部が膨らみ、側面部43a、43b側になるに連れて厚みが漸減する断面樽状に曲率がつけられている。曲面部42と側面部43a、43bが作る空間内は、積層体41の外形に倣う内形を有し、積層体41が嵌入される穴45となっている。
【0042】
把持部44a、44bは、曲面部42の下部から、AZ方向に略沿って所定の長さ分延出している。把持部44a、44bは、音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合させるときに、可動クリップ46a、46bで掴まれる。
【0043】
音響レンズ材40は、例えば、上記各部の凹形状をもつ型と穴45の凸形状をもつ型とを合せ、これに溶融樹脂を流し込んで硬化させることで作製される。
【0044】
積層体41は、前述の超音波トランスデューサアレイ27(超音波トランスデューサ31)、バッキング材28、音響整合層29、基板32、およびフレキシブル配線基板33で構成される。音響整合層29は、積層体41の最上層にある。このため、音響整合層29は、音響レンズ材40の穴45に積層体41が嵌入されたときに、穴45の内面と接着剤51(図5参照)を介して接する。積層体41の作製過程は周知であるため、説明を省略する。
【0045】
図5において、音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合させる際には、積層体41を水平面である土台50に載置し、エポキシ樹脂系等の接着剤51を音響整合層29の表面に満遍なく塗布する(図9のS11)。
【0046】
接着剤51の塗布後、図6(図4も参照)において、音響レンズ材40の把持部44a、44bを可動クリップ46a、46bでそれぞれ掴み、可動クリップ46a、46bを昇降機52で土台50に向けて鉛直に降ろす(図9のS12)。
【0047】
このとき、可動クリップ46a、46bは、把持部44a、44bの延出方向が、土台50の水平面と平行となるように、また、延出方向に若干の引っ張り力を与えつつ把持部44a、44bを把持する。
【0048】
音響レンズ材40の曲面部42と積層体41の中心は、可動クリップ46a、46bと土台50によって予め精度よく位置決めされている。可動クリップ46a、46bの降下中に、土台50の水平面と把持部44a、44bの平行関係、並びに音響レンズ材40の曲面部42と積層体41の中心の位置関係が崩れないよう、昇降機52は、可動クリップ46a、46bの単位時間あたりの降下量が同一となるように駆動される。
【0049】
図7において、可動クリップ46a、46bを降ろしていき、音響レンズ材40の穴45に積層体41を嵌入させる(図9のS13)。昇降機52は、穴45に積層体41が完全に嵌入してからも、可動クリップ46a、46bを所定量降下させ続ける。可動クリップ46a、46bの降下量は、音響レンズ材40の穴45の内面と接着剤51が十分に馴染み、接着剤51の膜厚が全体にわたって均一となる量で、且つ把持部44a、44bの強度が鉛直下向きの力に耐えられる(把持部44a、44bが折損しない)量に調整される。音響レンズ材40の自重で接着剤51の膜厚が全体にわたって均一となるならば、可動クリップ46a、46bの降下量はゼロでも構わない。
【0050】
その後、必要に応じて熱処理等を行って、接着剤51を硬化させ、把持部44a、44bから可動クリップ46a、46bを外す。こうして、音響レンズ材40と積層体41とを嵌着・接合する(図9のS14)。
【0051】
接着剤51の硬化後、図8に示すように、把持部44a、44bの付け根をダイシングカッター等の切削機53で切断する(図9のS15)。以上の如く製造された超音波断層画像取得部21を、配線34を挿入部10内に引き回す等しながら先端部11に取り付ける。
【0052】
以上説明したように、把持部44a、44bを音響レンズ材40に形成し、把持部44a、44bを把持しながら音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合するので、把持部44a、44bに引っ張り力や押し下げ力は掛かるが、曲面部42には殆ど力は加わらない。従って、音響レンズを厚み方向に押さえ付ける従来の方法と比べて、音響レンズ30(曲面部42)が変形する懸念が少ない。また、比較的弱い力で接着剤51の膜厚を全体にわたって均一にすることができる。
【0053】
接着剤の膜厚が均一化され、音響レンズが変形することが防止されるので、超音波断層画像の画質劣化が発生することはない。
【0054】
音響レンズ材40は、積層体41とは別に作製されるので、作り置きが可能で、比較的簡単に厚み等の形状制御も可能である。音響レンズと他の部材を一体成形する従来の方法と比べて、生産効率、生産管理の点で有利である。
【0055】
把持部44a、44bを曲面部42の下部から延出させ、これを引っ張りながら音響レンズ材40と積層体41を嵌着・接合するので、曲面部42には力が加わらない。このため、曲面部42と積層体41の中心の位置関係がずれ難くなる。
【0056】
上記実施形態では、把持部44a、44bを曲面部42の下部から延出させた例を挙げたが、把持部の形成箇所はこれに限らない。図10に示す音響レンズ材60のように、把持部44a、44bの代わりに、側面部43a、43bの下部に庇状の把持部44c、44dを設けてもよい。この場合は把持部44c、44dを引っ張ると、僅かではあるが曲面部42に力が加わる。これを利用して、曲面部42を所望の形状に歪ませ、曲面部42の曲率の微調整をすることが可能となる。
【0057】
また、図11に示す音響レンズ材65のように、把持部44a〜44dを全て設けてもよい。この場合、最初に把持部44a、44bを把持して曲面部42と積層体41の中心の位置合せを行った後、把持部44c、44dを把持して曲面部42の曲率の微調整をする。音響レンズ材40、60の両者の利点を活かすことができる。
【0058】
上記実施形態では、AZ方向、またはAZ方向に直交するEL方向に略沿って把持部を庇状に延出させているが、これに限らない。図12、図13にそれぞれ示す音響レンズ材70、75を用いても可である。
【0059】
図12において、音響レンズ材70は、側面部43a、43bの下部から下方にスカート状に延出した把持部44e、44fを有する。一対の可動クリップ(図示せず)で把持部44e、44fをそれぞれ把持し、下方に引っ張ることで穴45に積層体41を嵌入する。このため、把持部44e、44fの裏面には、可動クリップが積層体41にぶつからないよう、可動クリップを逃がすための凹部(図示せず)が形成されている。
【0060】
把持部44e、44fは、上記実施形態とは異なり、積層体41に嵌着・接合後も切断されずに残される。把持部44e、44fは、積層体41の側面を覆って保護する被覆層として機能する。
【0061】
図13の音響レンズ材75は、側面部43a、43bだけでなく、曲面部42の下部からも下方に延出させ、箱型の把持部44gとしている。把持部44gも把持部44e、44fと同様に、積層体41に嵌着・接合後も残され、被覆層として機能する。音響レンズ材70、75によれば、音響レンズと被覆層の機能を兼ねるので、部品点数を削減することができる。また、把持部を切断する工程を省くことができる。
【0062】
なお、把持部44e、44fに代えて、曲面部の下部から下方にスカート状に延出させた把持部のみを設けてもよい。また、上記で例示した庇状、スカート状の把持部のいずれか一方のみを有する音響レンズ材ではなく、これらを複合して設けた音響レンズ材を用いてもよい。
【0063】
音響レンズ材の位置は変えずに、音響レンズ材に対して積層体を移動させる、あるいは両者を移動させて、音響レンズ材と積層体を嵌着・接合してもよい。また、曲面部や側面部とは別に把持部を形成しておき、接着や溶着等で後付けしてもよい。
【0064】
上記実施形態では、いわゆるコンベックス電子走査方式の超音波トランスデューサアレイを例示したが、超音波トランスデューサを挿入部の軸方向に対して厚みが不均一になるように形成した、プラノコンケーブ(平凹)電子走査方式や、超音波トランスデューサを平面上に配置したリニア電子走査方式等、音響レンズを有するものであれば、他の方式の超音波トランスデューサにも適用することが可能である。
【0065】
上記実施形態では、内視鏡光学画像取得部と超音波断層画像取得部を一体化した、体内式の超音波内視鏡を例示したが、電子内視鏡の鉗子チャンネルに挿通される超音波プローブや、体外式の超音波プローブに対して適用してもよい。
【0066】
上記実施形態では、患者を被検体とする医療用の超音波内視鏡を例示したが、配管等を被検体とする工業用のものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】超音波内視鏡の構成を示す外観図である。
【図2】超音波内視鏡の先端部付近を示す拡大平面図である。
【図3】超音波内視鏡の先端部付近を示す拡大断面図である。
【図4】音響レンズ材と積層体の構成を示す斜視図である。
【図5】積層体を土台に載置した状態を示す図である。
【図6】可動クリップで把持部を把持し、積層体に向けて降ろしている状態を示す図である。
【図7】音響レンズ材と積層体を嵌着・接合した状態を示す図である。
【図8】把持部を切断している状態を示す図である。
【図9】超音波断層画像取得部の製造手順を示すフローチャートである。
【図10】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【図11】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【図12】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【図13】音響レンズ材の別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
2 超音波内視鏡
21 超音波断層画像取得部
27 超音波トランスデューサアレイ
29 音響整合層
30 音響レンズ
31 超音波トランスデューサ
40、60、65、70、75 音響レンズ材
41 積層体
42 曲面部
43a、43b 側面部
44a〜44g 把持部
45 穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体を作製する第一工程と、
音響レンズとなるレンズ部、および把持部を有する音響レンズ材を作製する第二工程と、
音響レンズ材の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、把持部で音響レンズ材を把持しながら積層体に嵌着・接合する第三工程とを備えることを特徴とする超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項2】
前記第二工程では、レンズ部、把持部の他に、積層体が嵌入される穴をレンズ部とで作る側面部を形成し、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が延出されるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項3】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が横方に庇状に延出されるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項2に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項4】
レンズ部および側面部の両方の縁から、把持部が横方に庇状に延出されている場合、前記第三工程では、レンズ部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、音響レンズ材と積層体との中心位置合せを行い、
側面部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、レンズ部の曲率の微調整を行うことを特徴とする請求項3に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項5】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が下方にスカート状に延出されるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項6】
前記第二工程では、把持部が積層体の被覆層を兼ねるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項5に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項7】
前記第三工程の後、把持部を切断する第四工程を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項8】
音響レンズとなるレンズ部と、
超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体に嵌着・接合する際に把持される把持部とを備えることを特徴とする音響レンズ材。
【請求項9】
積層体が嵌入される穴を前記レンズ部とで作る側面部を備え、
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から延出されていることを特徴とする請求項8に記載の音響レンズ材。
【請求項10】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、横方に庇状に延出されていることを特徴とする請求項9に記載の音響レンズ材。
【請求項11】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、下方にスカート状に延出されていることを特徴とする請求項9または10に記載の音響レンズ材。
【請求項12】
前記把持部は、積層体の被覆層を兼ねることを特徴とする請求項11に記載の音響レンズ材。
【請求項1】
超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体を作製する第一工程と、
音響レンズとなるレンズ部、および把持部を有する音響レンズ材を作製する第二工程と、
音響レンズ材の厚み方向に直接押圧力を加えることなく、把持部で音響レンズ材を把持しながら積層体に嵌着・接合する第三工程とを備えることを特徴とする超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項2】
前記第二工程では、レンズ部、把持部の他に、積層体が嵌入される穴をレンズ部とで作る側面部を形成し、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が延出されるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項3】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が横方に庇状に延出されるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項2に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項4】
レンズ部および側面部の両方の縁から、把持部が横方に庇状に延出されている場合、前記第三工程では、レンズ部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、音響レンズ材と積層体との中心位置合せを行い、
側面部の縁から延出された把持部で音響レンズ材を把持して、レンズ部の曲率の微調整を行うことを特徴とする請求項3に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項5】
前記第二工程では、レンズ部または側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、把持部が下方にスカート状に延出されるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項6】
前記第二工程では、把持部が積層体の被覆層を兼ねるように音響レンズ材を作製することを特徴とする請求項5に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項7】
前記第三工程の後、把持部を切断する第四工程を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項8】
音響レンズとなるレンズ部と、
超音波トランスデューサを構成する、音響レンズを除く各部材からなる積層体に嵌着・接合する際に把持される把持部とを備えることを特徴とする音響レンズ材。
【請求項9】
積層体が嵌入される穴を前記レンズ部とで作る側面部を備え、
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から延出されていることを特徴とする請求項8に記載の音響レンズ材。
【請求項10】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、横方に庇状に延出されていることを特徴とする請求項9に記載の音響レンズ材。
【請求項11】
前記把持部は、前記レンズ部または前記側面部のうちの少なくともいずれかの縁から、下方にスカート状に延出されていることを特徴とする請求項9または10に記載の音響レンズ材。
【請求項12】
前記把持部は、積層体の被覆層を兼ねることを特徴とする請求項11に記載の音響レンズ材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−98558(P2010−98558A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268188(P2008−268188)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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