説明

超音波モータ及びそれを備えた搬送装置

【課題】簡単な構成を有しながらも高いトルク効率を得ることのできる超音波モータ及びそれを備えた搬送装置を提供する。
【解決手段】超音波モータ1は、一面を有する固定部材30と、固定部材の一面に対向するように配置された移動部材20と、移動部材の少なくとも一部を固定部材の一面に接触させると共に、移動部材を固定部材に対して移動させるアクチュエータ27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波モータ及びそれを備えた搬送装置に関し、さらに詳細には、簡単な構成を有しながらも高いトルク効率を得ることのできる超音波モータ及びそれを備えた搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、超音波モータ、たとえば、進行波タイプモータは、振動を発生する振動体と、振動体が振動するとき、振動体との圧着面から発生する摩擦力により回転する接触体とを備える。振動体は、振動を発生するために、可聴周波数以上の高周波電圧を印加する時に圧電効果によって変位又は変形が発生する電界変換素子層を備える。振動体は、固定配置され、固定子としての機能を果たす。接触体は、振動体の変形による振動によって振動体と摩擦しつつ回転するように振動体に対向して配置される。接触体は、回転できるように配置され、回転子として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−178179号公報
【特許文献2】特開昭63−262069号公報
【特許文献3】特開平6−141563号公報
【特許文献4】特開平6−038558号公報
【特許文献5】韓国登録特許第692631号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の進行波タイプモータは、振動体が固定され接触体が回転されるように構成されるため、振動体を固定するための固定部、及び接触体が振動体と摩擦接触しつつ回転するように支持するための加圧支持部が必要である。また、回転トルクを向上させるために、接触体を振動体の上面と下面とに対向するように配置された1対の接触体で構成する場合には、二個の接触体を回転トルクの損失無しで接続するために、二個の接触体を一体に接続する接続部が必要である。そのため、モータの構成が複雑になる。
【0005】
また、従来の進行波タイプモータは、振動体が固定部により固定され、接触体が振動体の微細変形により発生する振動により回転するため、回転トルクを発生する振動体の振動が接触体に伝達する過程で減殺されうる。そのため、従来の超音波モータは、振動体の振動が接触体に伝達される過程での振動減衰によってトルク効率が低下するという問題があった。
【0006】
そのため、簡単な構成を有しながらも高いトルク効率を得ることのできる新しい超音波モータの開発の必要性が求められている。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構成を有しながらも高いトルク効率を得ることのできる超音波モータ及びそれを備えた搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成すべく、本発明の一実施態様による超音波モータは、一面を有する固定部材と、固定部材の一面に対向するように配置された移動部材と、移動部材の少なくとも一部を固定部材の一面に接触させると共に、移動部材を固定部材に対して移動させるアクチュエータとを備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、移動部材は、固定部材の一面に対向する複数の突起を備え、アクチュエータは、一つ以上の突起を固定部材の一面に接触させると共に、移動部材を固定部材に対して移動させることができる。
【0010】
突起は、移動部材の両側面に形成されることができる。この場合、固定部材は、第1固定部材になり、該第1固定部材の一面は、第1面になり、モータは、第2面を有する第2固定部材をさらに備えることができる。このとき、移動部材は、移動部材の両側面に形成された突起が第1面と第2面とにそれぞれ対向するように、第1固定部材と第2固定部材との間に配置されることができる。また、アクチュエータは、移動部材の一つ以上の突起を第1面と第2面とに接触させると共に、移動部材を第1固定部材と第2固定部材に対して移動させることができる。
【0011】
移動部材と固定部材とは、円状でありうる。選択的に、移動部材の少なくとも一部と固定部材の少なくとも一部とは、直線形態でありうる。
【0012】
実施の形態において、アクチュエータは、移動部材に付着されて電圧印加時に進行波を生成する電界変換素子層を備え、移動部材は、動けるように配置され、進行波により変形されうる少なくとも一つの振動体を備え、固定部材は、振動体に対向するように固定配置され、進行波により振動体が変形されるとき、振動体と摩擦接触する少なくとも一つの接触体を備えることができる。
【0013】
ここで、振動体は、電界変換素子層を付着した中空板と、中空板に配置され、接触体と対向するように所定間隔を隔てて形成された複数の突起を有した突出部とを備えることができる。
【0014】
このとき、振動体の中空板は、回転運動又は直線運動するように配置されることができる。
【0015】
中空板が回転運動するように配置される場合、中空板は円状に形成され、中空板が直線運動するように配置される場合、中空板は楕円状に形成されることが好ましい。また、中空板が、直線部分を有する楕円状に形成される場合、突出部は、中空板の直線部分のうちの少なくとも一部分のみに配置されて、進行波により中空板が変形されるとき、接触体と摩擦接触して中空板が直線運動するように構成されうる。
【0016】
電界変換素子層は、中空板の第1面と第2面のうちの少なくとも一面に付着された圧電素子層であり、突出部は、中空板の内周面又は外周面に配置され、第1面と第2面のうちの少なくとも一面に形成された複数の突起を備えたリングでありうる。このとき、圧電素子層は、PZT(Lead zirconate titanate);BaTiO;PbTiO、Pb[ZrTi1−x]O;KNbO;LiNbO;LiTaO;NaWO;BaNaNb;PbKNb15;PVDF(Polyvinyldene fluoride)のようなポリマー;及びKNN(Sodium potassium noibate)及びBiFeOのような無鉛圧電セラミック(Lead−free piezoceramics)からなる群から選択された何れか一つで形成されることができる。
【0017】
圧電素子層が、中空板の第1面と第2面にそれぞれ付着される第1及び第2圧電素子層から構成される場合、第1及び第2圧電素子層は、互いに分極配列が一致するように配置され、時間的な位相差がなく、大きさと周波数とが一致する交流電圧が印加されることができる。この場合、第1及び第2圧電素子層のそれぞれは、+極と−極とが交互に分極される第1位相Aと第2位相Bとに分けられ、第1位相Aと第2位相Bとの間には、λ/4(ここで、λは、円周方向の一波長の長さ)及び3λ/4分だけギャップを有するように配置された分極配列を有することが好ましい。
【0018】
選択的に、第1及び第2圧電素子層は、互いにλ/4の空間的な位相差が有する分極配列を有するように配置され、それぞれ90度の時間的な位相差で大きさと周波数とが一致する交流電圧が印加されることができる。この場合、第1及び第2圧電素子層のそれぞれは、2n(ここで、nは、円周方向に生成される進行波の波長数)個の分極面が+極と−極とに交互に分極された分極配列を有することが好ましい。
【0019】
複数の突起がリングの第1面と第2面にそれぞれ配置された複数の第1及び第2突起から構成される場合、複数の第1突起は、複数の第突起と大きさ、個数及び配列が同一に形成されたことが好ましい。
【0020】
接触体は、振動吸収体を介して固定されうる。振動吸収体は、振動吸収材と弾性スプリングのうちの少なくとも一つから構成されることが好ましい。
【0021】
実施の形態において、少なくとも一つの振動体は、一個の振動体から構成され、少なくとも一つの接触体は、それぞれ振動体の第1面と第2面に対向するように配置された二個の接触体から構成されうる。選択的に、少なくとも一つの振動体は、一個の振動体から構成され、少なくとも一つの接触体は、振動体の第1面と第2面のうちの何れか一つに対向するように配置された一個の接触体から構成されることができる。また、少なくとも一つの振動体は、二個の振動体から構成され、少なくとも一つの接触体は、二個の振動体を間に挟んだ形態で配置された三個の振動体から構成されることができる。この場合、二個の振動体は、それぞれ異なる出力回転軸に固定されることができる。
【0022】
本発明の他の実施態様による超音波モータ付き搬送装置は、回転できるように配置され、伝達印加時に進行波を生成する電界変換素子層を備える少なくとも一つの振動体、及び振動体に対向するように固定配置され、進行波により振動体が変更されるとき、振動体と摩擦接触する少なくとも一つの接触体を備える超音波モータ、及び超音波モータと接続され、振動体の回転運動を直線運動に変換して、位相対象物に伝達する運動変換ユニットを備えることを特徴とする。
【0023】
ここで、運動変換ユニットは、振動体と共に回転するように振動体と結合され、直線運動ガイドスロットを有するキャムバレルと、搬送対象物に接続され、直線運動ガイドスロットに挿入されたガイド突出部とを備えることができる。
【0024】
実施の形態において、搬送対象物は、カメラのレンズ鏡筒内に配置された焦点レンズでありうる。
【0025】
本発明のさらに他の実施態様による超音波モータ付き搬送装置は、一面を有する固定部材、固定部材の一面に対向して回転できるように配置された移動部材、及び移動部材の少なくとも一部を固定部材の一面に接触させると共に、移動部材を固定部材に対して移動させるアクチュエータを有する超音波モータと、超音波モータと接続され、移動部材の回転運動を直線運動に変換して搬送対象物に伝達する運動変換ユニットとを備えることを特徴とする。
【0026】
ここで、アクチュエータは、移動部材に付着されて電圧印加時に進行波を生成する電界変換素子層から構成され、移動部材は、回転できるように配置され、進行波により変形されうる少なくとも一つの振動体から構成され、固定部材は、振動体に対向するように固定配置され、進行波により振動体が変形されるとき、振動体と摩擦接触する少なくとも一つの振動体から構成されうる。
【0027】
運動変換ユニットは、振動体と共に回転するように振動体と結合され、直線運動ガイドスロットを有するキャムバレルと、搬送対象物に接続され、直線運動ガイドスロットに挿入されたガイド突出部とを備えることができる。
【0028】
搬送対象物は、カメラのレンズ鏡筒内に配置された焦点レンズでありうる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の多様な実施の形態による超音波モータ及びそれを備えた搬送装置は、固定部材の第1及び第2接触体が振動吸収体によりハウジングに支持固定されるので、従来の超音波モータのように接触体を互いに接続するための接続部を必要としない。したがって、超音波モータの構成が簡単になる。
【0030】
また、本発明の超音波モータ及びそれを備えた搬送装置は、第1及び第2接触体が固定され振動体が回転するので、従来の超音波モータのように回転トルクを発生する振動体の振動が接触体に伝達される過程で減殺されて、トルク効率が低下するという問題が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施の形態による超音波モータを示す断面図である。
【図2】図1に示す超音波モータの振動体を示す斜視図である。
【図3A】図1に示す超音波モータの振動体の電界変換素子層の第1圧電素子層の分極配列の一例を例示する平面図である。
【図3B】図1に示す超音波モータの振動体の電界変換素子層の第2圧電素子層の分極配列の一例を例示する平面図である。
【図4A】図1に示す超音波モータの振動体の電界変換素子層の第1圧電素子層の分極配列の他の例を例示する平面図である。
【図4B】図1に示す超音波モータの振動体の電界変換素子層の第2圧電素子層の分極配列の他の例を例示する平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態による超音波モータの変形例を例示する断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態による超音波モータの他の変形例を例示する断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態による超音波モータのさらに他の変形例に適用される振動体を例示する斜視図である。
【図8A】本発明の一実施の形態による超音波モータのさらに他の変形例に適用される振動体及びそれを適用した例を簡略に示す矢視図である。
【図8B】本発明の一実施の形態による超音波モータのさらに他の変形例に適用される振動体及びそれを適用した例を簡略に示す断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態による超音波モータが適用された搬送装置を重心線に対して半分のみを示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の良好な実施の形態に係る超音波モータ及びそれを備えた搬送装置を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施の形態による超音波モータ1を概略的に示す断面図である。
【0034】
同図に示すように、本発明の超音波モータ1は、進行波タイプの中空型超音波モータであって、ハウジング10、振動体20、及び接触体30を備える。
【0035】
ハウジング10は、円筒体12でありうる。円筒体12の上部面には、中央に開口14が形成され、開口14の周囲の上側には、軸支枝ボス16が形成されている。軸支枝ボス16には、出力回転軸18が開口14を介して支持ベアリング17により支持される。
【0036】
振動体20は、本発明によって移動部材として機能するものであって、後述するように、アクチュエータ(Actuator)として機能する電界変換素子層27の第1及び第2圧電素子層28、29に対した可聴周波数以上の高周波の交流電圧を印加する際、微細変位又は変形されて振動を発生し、これにより接触体30と摩擦接触しつつ回転する。このために、振動体20は、中空円板21と突出部24とを備える。
【0037】
中空円板21は、回転力伝達対象物と接続した出力回転軸18と共に回転するように、中央ホール22で固定スリーブ23に固定される。固定スリーブ23は、出力回転軸18の下部にキー(図示せず)により固定されている。このような中空円板21は、ステンレススチール又は青銅材で形成されることができる。
【0038】
高周波の交流電圧印加時に微細変位又は変形されて振動を発生するために、中空円板21は、高周波の電圧印加時に進行波を生成する電界変換素子層27を備える。高周波モータ1のトルク効率を倍加させるために、電界変換素子層27は、中空円板21の上面と下面とにそれぞれ付着された第1及び第2圧電素子層28、29から構成されることができる。第1及び第2圧電素子層28、29のそれぞれは、+極と−極(たとえば、図2の陰影部分と非陰影部分)とが交互に分極されて、電圧印加時に圧電効果によって微細変位又は変形されて振動を発生する中空円板で形成される。中空円板は、PZT(Lead zirconate titanate);BaTiO;PbTiO、Pb[ZrTi1−x]O;KNbO;LiNbO;LiTaO;NaWO;BaNaNb;PbKNb15;PVDF(Polyvinyldene fluoride)のようなポリマー;及びKNN(Sodium potassium noibate)及びBiFeOのような無鉛圧電セラミック(Lead−free piezoceramics)で形成されることができる。また、中空円板は、約0.1〜1mm、好ましくは、0.3mm厚を有することが好ましい。
【0039】
このように構成された第1及び第2圧電素子層28、29は、分極配列が互いに一致するか、又は一定の空間的な位相差を有するように配置されることができる。
【0040】
図3A及び図3Bに示すように、互いに分極配列が一致するように第1及び第2圧電素子層28、29を配置する場合、第1及び第2圧電素子層28、29のそれぞれは、+極と−極(たとえば、図3A及び図3Bの陰影部分と非陰影部分)とが交互に分極された分極配列を有する第1位相(phase)Aと第2位相Bとに分けられる。第1位相Aと第2位相Bとには、それぞれ正弦波が発生するようにそれぞれ大きさと周波数とが一致するサイン(sine)及びコサイン(cosine)形態の交流電圧がさらに形成された電極(図示せず)を介して印加される。二つの正弦波が合せられて一つの均一な進行波を形成するためには、二つの正弦波が空間的にλ/4(λ;円周方向に生成される進行波の一波長の長さ)の位相差が存在しなければならず、第1位相Aと第2位相Bとは、互いにλ/4と3λ/4分だけギャップを有して配置され、第1位相Aと第2位相Bとの間のギャップには、電圧が印加されずにセンシング部(図示せず)と接続されたり接地されたりする。
【0041】
このように形成された第1及び第2圧電素子層28、29は、電極配列が互いに一致するように中空円板21の上面と下面とにそれぞれ配置付着され、同一位相(A又はB)には、時間的位相差がなく、大きさと周波数とが同じ交流電圧が印加される。したがって、第1及び第2圧電素子層28、29には、一つの進行波が生成され、これにより、第1及び第2圧電素子層28、29は、進行波状(波状)の微細変位又は変形を発生する。
【0042】
図4A及び図4Bに示すように、分極配列が互いに一定の空間的な位相差を有するように第1及び第2圧電素子層28′、29′を配置する場合、第1及び第2圧電素子層28′、29′のそれぞれは、2n(ここで、nは、円周方向に生成される進行波の波長数)個の分極面が+極と−極(たとえば、図4A及び図4Bの陰影部分と非陰影部分)とに交互に分極されて形成される。このように形成された第1及び第2圧電素子層28′、29′は、分極配列が互いにλ/4の空間的な位相差を有するように中空円板21の上面と下面とにそれぞれ配置付着され、その上に形成された電極(図示せず)を介してそれぞれ90度の時間的な位相差で大きさと周波数とが一致する交流電圧が印加される。したがって、第1及び第2圧電素子層28′、29′には、一つの進行波が形成され、これにより、第1及び第2圧電素子層28′、29′は、進行波状の微細変位又は変形を発生する。
【0043】
第1及び第2圧電素子層28、29又は28′、29′に電圧を印加するために、第1及び第2圧電素子層28、29又は28′、29′の電極には、可撓性プリント回路基板(図示せず)(Flexible printed circuit board:以下、FPCBとする)の接続部が接続され、これにより外部電源から電圧が供給される。FPCBは、振動体20の中空円板21が一定の回転角度範囲、たとえば、現在超音波モータが多く用いられる1眼レンズ反射式カメラの交換レンズに超音波モータを装着する時に必要な約±140度の角度範囲で回転する場合には、縒りを発生したり中空円板21の運動を妨害したりしない。万一、中空円板21の回転運動量がFPCBが許容しうる範囲を超えるか、又は回転し続けなければならない場合は、中空円板21と接着しない第1及び第2圧電素子層28′、29′の露出表面(第1及び第2圧電素子層28′、29′の適用時)又は中空円板21の内周面(第1及び第2圧電素子層28、29の適用時)の近くに円形接点を有するPCBを付着し、PCBの円形接点にブラシを接触させる電源供給装置を使用して、外部電源から電圧が常に供給されるようにすることができる。
【0044】
突出部24は、中空円板21が第1及び第2圧電素子層28、28又は28′、29′の微細変位又は変形により振動する時に接触体30と摩擦接触する振動体20の表面に発生する楕円運動の振幅を大きくすることにより、中空円板21を回転させる回転力を発生する。このために、突出部24は、接触体30と対向するように中空円板21に配置され、複数の突起26を備えた環状リング25から構成される。環状リング25は、中空円板21の内周面又は外周面に配置されることができる。本実施の形態では、環状リング25が中空円板21の外周面に配置された形態を例示した。
【0045】
複数の突起26は、環状リング25の上面及び下面にそれぞれ形成された複数の第1及び第2突起26a、26bを備える。複数の第1及び第2突起26a、26bは、環状リング25の上面と下面とに所定間隔を隔ててスリット26cを形成することにより形成されることができる。
【0046】
複数の第1及び第2突起26a、26bは、互いに同じ大きさ、個数及び配列を有するように形成されることができる。しかしながら、本発明は、これに限定されず、設計によって、異なる大きさ、個数及び配列を有するように形成されることができることはもちろんである。
【0047】
接触体30は、固定部材として機能するものであって、上述のように、中空円板21が第1及び第2圧電素子層28、29、28′、29′により進行波状の微細変位又は変形を発生しつつ振動する時に突出部24と摩擦接触して突出部24が中空円板21を回転させる回転力を発生するようにする。このために、接触体30は、回転運動を行わないように振動体20に対向するようにハウジング10の内部に固定配置される。
【0048】
接触体20は、第1及び第2接触体40、50を備える。第1及び第2接触体40、50は、それぞれ振動体20の中空円板21と対応する形態の中空円板から構成される。第1及び第2接触体40、50は、それぞれ周辺のエッジに第1及び第2突起26a、26bと接触するように配置された第1及び第2接触リング41、51を備える。
【0049】
振動体20からの振動がハウジング10に伝達されるのを防止するために、第1及び第2接触体40、50は、振動吸収体60を介してハウジング10の内部上面と内部底面とにそれぞれ固定配置される。振動吸収体60は、振動吸収材61と弾性スプリング63とから構成されることができる。本実施の形態で、振動吸収体60は、振動吸収材61と弾性スプリング63の両方から構成されるものと例示及び説明したが、設計によって振動吸収材61と弾性スプリング63のうちの何れか一つから構成されうることはもちろんである。
【0050】
このように第1及び第2接触体40、50は、振動吸収体60によりハウジング10に支持固定されるので、従来の超音波モータのように接触体を互いに接続するための接続部を必要としない。したがって、超音波モータ1の構成が簡単になる。
【0051】
また、第1及び第2接触体40、50が固定され振動体20が回転するので、従来の超音波モータのように回転トルクを発生する振動体の振動が接触体に伝達される過程で減殺されて、トルク効率が低下するという問題が防止される。
【0052】
以上、本発明に係る超音波モータ1は、上面と下面とに電界変換素子層27を備えた一個の振動体20と振動体20の上下に対向配置された二個の接触体40、50とを備えるものと例示及び説明したが、振動体20が動けるように配置され、接触体30、40、50が固定配置された本発明の基本原理又は概念から逸脱しない範囲内で多様な形態で実施できることはもちろんである。たとえば、図5に示すように、本発明に係る超音波モータ1′は、設計によって電界変換素子層27′を備えた一個の振動体20′と振動体20′に対向するように配置された一個の接触体30′とから構成されることができる。この場合、電界変換素子層27′は、振動体20′の下面にのみ形成される。また、振動体20′の下部には、振動体20′を接触体30′に圧着して接触体30′と摩擦接触しつつ回転するように支持するための加圧支持部80が設置される。加圧支持部80は、圧力板83、皿バネ85及び弾性部材87から構成される。圧力板83は、出力回転軸を支持するベアリング81の上部に配設される。皿バネ85は、圧力板83上に位置して振動体20′を接触体30′に圧着させる。弾性部材87は、皿バネ85の弾性による圧力を振動体20′に均一に分布させる。
【0053】
また、図6に示すように、超音波モータ1′′は、それぞれ上面と下面とに電界変換素子層27を備えた二個の振動体20a、20bと電界変換素子層27と対向するように二個の振動体20a、20bの間に配置された三個の接触体30a、30b、30cとから構成されることができる。この場合、二個の振動体20a、20bは、それぞれ異なる出力回転軸、すなわち、第1及び第2出力回転軸18a、18bに固定されて、互いに異なる回転力伝達対象物(図示せず)に回転力を伝達できる。
【0054】
また、本発明に係る超音波モータ1は、振動体20、20′、20a、20bが接触体30、30′、30a、30b、30cと摩擦接触して回転運動する回転型モータに適用することを例示及び説明したが、上で言及した本発明の基本原理又は概念から逸脱しない範囲内で他の形態のモータにも適用されうることはもちろんである。たとえば、図7及び図8Aに示すように、超音波モータは、振動体20′′、又は20′′′が直線部分21a、21bの上面に突出部26′を形成し、下面に電界変換素子層27′′を形成した楕円状の中空板を備えるか、又は上面と下面とに電界変換素子層27a′′を形成した楕円状の中空板21′と直線部分21a′、21b′の上面と下面とに突出部26a′を形成した楕円形リング25′とを備えるように構成し、接触体が直線部分21a、21b、21a′、21b′の1ケ所にのみ接触するように構成すると、振動体20′′又は20′′′が接触体と摩擦接触して直線運動を行うリニアモータにも適用できる。すなわち、図8Bに示すように、振動体20′′′が中空板21′と楕円形リング25′とを備える場合、振動体20′′′を回転軸に対して回転できるように固定せずに、ガイド部(図示せず)により直線移動できるように固定し、接触体30a′、30b′を直線部分21a′、21b′のうちの何れか一つに形成された突出部26a′と対向するように固定配置すると、電界変換素子層27a′′に電圧が印加される時に振動体20′′′が接触体30a′、30b′と摩擦接触して直線運動を行うリニアモータでも具現されることができる。
【0055】
以下では、図1〜図4Bを参照して、以上のように構成された本発明の一実施の形態による超音波モータ1の動作を説明する。
【0056】
まず、振動体20の電界変換素子層27の第1及び第2圧電素子層28、29又は28′、29′のそれぞれに位相差のない交流電圧又は90度の時間的な位相差を有する交流電圧が印加されると、第1及び第2圧電素子層28、29又は28′、29′には、一つの進行波が生成され、これにより、第1及び第2圧電素子層28、29又は28′、29′は、進行波により波状の微細変位又は変形を発生する。その結果、第1及び第2圧電素子層28、29又は28′、29′を上面と下面とに付着した振動体20の中空円板21も、進行波状の微細変位又は変形を発生しつつ振動する。
【0057】
中空円板21が振動するに伴い、中空円板21の外周面に付着された突出部24の環状リング25も振動し、これにより環状リング25の上面と下面とに形成された複数の第1及び第2突起26a、26bは、接触体30、40、50と共に摩擦接触しつつ中空円板21を回転させる。
【0058】
中空円板21が回転するに伴い、中空円板21を固定した出力回転軸18は回転し、出力回転軸18に接続した回転力伝達対象物(図示せず)は回転する。
【0059】
図9は、本発明の一実施の形態による超音波モータ1が適用された搬送装置100を示す。
【0060】
搬送装置100は、超音波モータ101と運動変換ユニット120とを備える。
【0061】
超音波モータ101は、搬送対象物、たとえば、カメラのレンズ鏡筒103の外周面に設置されたブラケット105の周りに設置される。超音波モータ101は、第1及び第2接触体40、50が振動吸収体60によりブラケット105に固定設置され、中空円板21が出力回転軸18に固定されずに運動変換ユニット120に接続された点を除いては、図1〜図4Bについて説明した本発明の一実施の形態による超音波モータ1と同様である。したがって、超音波モータ101についての詳細な説明は省略する。
【0062】
運動変換ユニット120は、超音波モータ101の回転力を受ける回転力伝達対象物であって、超音波モータ101の振動体20に接続される。運動変換ユニット120は、振動体20の回転運動を直線運動に変換して直線運動を必要とする搬送対象物である、レンズ鏡筒103内に左右に移動できるように配置された焦点レンズ107に伝達する。このために、運動変換ユニット120は、キャムバレル125とガイド突出部135とを備える。
【0063】
キャムバレル125は、カメラレンズ鏡筒103内に回転できるように配置され、振動体20と共に回転するように振動体20の中空円板21と接続部115とを介して結合される。接続部115は、第1円筒115aでは、中空円板21の内周面にねじ結合され、第2円筒115bでキャムバレル125の外周面の上部にねじ結合される。接続円板115cは、鏡筒103の開口103aを貫通して配置され、第1円筒115aと第2円筒115bとの間を接続する。
【0064】
キャムバレル125には、ガイド突出部135を収容する直線運動ガイドスロット128が形成されている。直線運動ガイドスロット128は、キャムバレル125が振動体20により回転する時にその内部に挿入されたガイド突出部135を直線移動、すなわち左右に移動させうるようにする形態、たとえば、螺旋状スロット形態に形成される。
【0065】
ガイド突出部135は、直線運動ガイドスロット128に挿入されるように焦点レンズ107の外周面の固定ブラケット136に固定される。ガイド突出部135は、キャムバレル125が回転する時に直線運動ガイドスロット128に沿って左右に移動して、焦点レンズ107を左右に移動させる。このとき、キャムバレル125が回転する時に焦点レンズ107がキャムバレル125と共に回転するのを防止するために、キャムバレル125と固定ブラケット136との間には、焦点レンズ107が回転せずに直線移動、すなわち左右移動のみさせるキーとキー溝のような手段(図示せず)が設置されることができる。
【0066】
以下、このように構成された搬送装置100の動作を説明する。
【0067】
まず、焦点レンズ107の焦点を調節するために、超音波モータ101が図示しないカメラの調節スイッチを介してオンになって、図1〜図4Bを参照して説明した通りに動作すると、接続部115を介して振動体20の中空円板21と接続したキャムバレル125は、中空円板21と共に回転する。
【0068】
キャムバレル125が回転すると、直線運動ガイドスロット128の内部に挿入されたガイド突出部135は、直線運動ガイドスロット128に沿って左右に移動し、これにより、ガイド突出部135を固定した焦点レンズ107も、左右に移動する。
【0069】
このように焦点レンズ107が移動して焦点レンズ107の焦点が調節された後、超音波モータ101がカメラの調節スイッチを介してオフになると、焦点レンズ107の焦点調節動作は完了する。
【0070】
以上では、本発明の好ましい実施の形態について図示し説明したが、本発明は、上述した特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当該発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、誰でも多様な変形実施が可能であるはずである。
【符号の説明】
【0071】
1、1′、1′′、101 超音波モータ、
10 ハウジング、
18、18a、18b 出力回転軸、
20、20′、20′′、20′′′、20a、20b 振動体(移動部材)、
21 中空円板、
26、26′、26a、26a′、26b 突出部、
27、27′、27′′、27a′′ 電界変換素子層(アクチュエータ)、
28、28′、29、29′ 圧電素子層、
30、30′、30a、30a′、30b、30b′、30c 接触体(固定部材)、
100 搬送装置、
103 鏡筒、
107 焦点レンズ、
120 運動変換ユニット、
125 キャムバレル、
128 直線運動ガイドスロット、
135 ガイド突出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面を有する固定部材と、
前記固定部材の前記一面に対向するように配置された移動部材と、
前記移動部材の少なくとも一部を前記固定部材の前記一面に接触させると共に、前記移動部材を前記固定部材に対して移動させるアクチュエータと
を備えることを特徴とする超音波モータ。
【請求項2】
前記移動部材は、前記固定部材の前記一面に対向する複数の突起を備え、
前記アクチュエータは、一つ以上の前記突起を前記固定部材の前記一面に接触させると共に、前記移動部材を前記固定部材に対して移動させることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
【請求項3】
前記突起は、前記移動部材の両側面に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
【請求項4】
前記固定部材は、第1固定部材であり、該第1固定部材の前記一面は、第1面であり、
第2面を有する第2固定部材をさらに備え、
前記移動部材は、前記移動部材の前記両側面に形成された前記突起が前記第1面と第2面とにそれぞれ対向するように、前記第1固定部材と前記第2固定部材との間に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の超音波モータ。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記移動部材の一つ以上の前記突起を前記第1面と前記第2面とに接触させると共に、前記移動部材を前記第1固定部材と前記第2固定部材に対して移動させることを特徴とする請求項4に記載の超音波モータ。
【請求項6】
前記移動部材は、円状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項7】
前記固定部材は、円状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項8】
前記移動部材の少なくとも一部は、直線形態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項9】
前記固定部材の少なくとも一部は、直線形態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記移動部材に付着されて電圧印加時に進行波を生成する電界変換素子層を備え、
前記移動部材は、動けるように配置され、前記進行波により変形されうる少なくとも一つの振動体を備え、
前記固定部材は、前記振動体に対向するように固定配置され、前記進行波により前記振動体が変形されるとき、前記振動体と摩擦接触する少なくとも一つの接触体を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項11】
前記振動体は、
前記電界変換素子層を付着した中空板と、
前記中空板に配置され、前記接触体と対向するように所定間隔を隔てて形成された複数の突起を有した突出部と
を備えることを特徴とする請求項10に記載の超音波モータ。
【請求項12】
前記振動体は、回転運動と直線運動のうちの何れか一つの運動を行うことができるように配置されたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の超音波モータ。
【請求項13】
前記中空板は、円状と楕円状のうちの何れか一つの形状に形成されたことを特徴とする請求項11に記載の超音波モータ。
【請求項14】
前記中空板は、直線部分を有する楕円状に形成され、
前記突出部は、中空板の直線部分のうちの少なくとも一部分のみに配置されたことを特徴とする請求項11または請求項13に記載の超音波モータ。
【請求項15】
前記電界変換素子層は、前記中空板の第1面と第2面のうちの少なくとも一面に付着される圧電素子層を備えることを特徴とする請求項11、請求項13、および請求項14のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項16】
前記圧電素子層は、PZT(Lead zirconate titanate);BaTiO;PbTiO、Pb[ZrTi1−x]O;KNbO;LiNbO;LiTaO;NaWO;BaNaNb;PbKNb15;PVDF(Polyvinyldene fluoride)のようなポリマー;及びKNN(Sodium potassium noibate)及びBiFeOのような無鉛圧電セラミック(Lead−free piezoceramics)からなる群から選択された何れか一つで形成されたことを特徴とする請求項15に記載の超音波モータ。
【請求項17】
前記圧電素子層は、前記中空板の前記第1面と前記第2面にそれぞれ付着される第1及び第2圧電素子層を備え、
前記第1及び第2圧電素子層は、互いに分極配列が一致するように配置され、時間的な位相差がなく、大きさと周波数とが一致する交流電圧が印加されることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の超音波モータ。
【請求項18】
前記第1及び第2圧電素子層のそれぞれは、+極と−極とが交互に分極される第1位相Aと第2位相Bとに分けられ、第1位相Aと第2位相Bとの間には、λ/4(ここで、λは、円周方向の一波長の長さ)及び3λ/4分だけギャップを有するように配置された分極配列を有することを特徴とする請求項17に記載の超音波モータ。
【請求項19】
前記圧電素子層は、前記中空板の前記第1面と前記第2面にそれぞれ付着される第1及び第2圧電素子層を備え、
前記第1及び第2圧電素子層は、互いにλ/4の空間的な位相差が有する分極配列を有するように配置され、それぞれ90度の時間的な位相差で大きさと周波数とが一致する交流電圧が印加されることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の超音波モータ。
【請求項20】
前記第1及び第2圧電素子層のそれぞれは、2n(ここで、nは、円周方向に生成される進行波の波長数)個の分極面が+極と−極とに交互に分極された分極配列を有することを特徴とする請求項19に記載の超音波モータ。
【請求項21】
前記突出部は、前記中空板の内周面と外周面のうちの何れか一つに配置され、第1面と第2面のうちの少なくとも一面に形成された複数の突起を有したリングを備えることを特徴とする請求項11に記載の超音波モータ。
【請求項22】
前記複数の突起は、前記リングの前記第1面と前記第2面にそれぞれ形成された複数の第1及び第2突起を備え、
前記複数の第1突起は、前記複数の第2突起と大きさ、個数及び配列が同一に形成されたことを特徴とする請求項21に記載の超音波モータ。
【請求項23】
前記接触体は、振動吸収体を介して固定されたことを特徴とする請求項10〜22のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項24】
前記振動吸収体は、振動吸収材と弾性スプリングのうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項23に記載の超音波モータ。
【請求項25】
前記少なくとも一つの振動体が一個配置され、
前記少なくとも一つの接触体は、それぞれ前記振動体の第1面と第2面に対向するように配置された二個の接触体を備えることを特徴とする請求項10〜24のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項26】
前記少なくとも一つの振動体が一個配置され、
前記少なくとも一つの接触体は、前記振動体の第1面と第2面のうちの何れか一つに対向するように配置された一個の接触体を備えることを特徴とする請求項10〜24のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項27】
前記少なくとも一つの振動体が二個配置され、
前記少なくとも一つの接触体は、前記二個の振動体を間に挟んだ形態で配置された三個の振動体を備えることを特徴とする請求項10〜24のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項28】
前記二個の振動体は、それぞれ異なる出力回転軸に固定されたことを特徴とする請求項27に記載の超音波モータ。
【請求項29】
一面を有する固定部材、前記固定部材の前記一面に対向して回転できるように配置された移動部材、及び前記移動部材の少なくとも一部を前記固定部材の前記一面に接触させると共に、前記移動部材を前記固定部材に対して移動させるアクチュエータを有する超音波モータと、
前記超音波モータと接続され、前記移動部材の回転運動を直線運動に変換して搬送対象物に伝達する運動変換ユニットとを備えることを特徴とする超音波モータ付き搬送装置。
【請求項30】
前記アクチュエータは、前記移動部材に付着されて電圧印加時に進行波を生成する電界変換素子層を備え、
前記移動部材は、回転できるように配置され、前記進行波により変形されうる少なくとも一つの振動体を備え、
前記固定部材は、前記振動体に対向するように固定配置され、前記進行波により前記振動体が変形されるとき、前記振動体と摩擦接触する少なくとも一つの振動体を備えることを特徴とする請求項29に記載の超音波モータ付き搬送装置。
【請求項31】
前記運動変換ユニットは、
前記振動体と共に回転するように前記振動体と結合され、直線運動ガイドスロットを有するキャムバレルと、
前記搬送対象物に接続され、前記直線運動ガイドスロットに挿入されたガイド突出部と
を備えることを特徴とする請求項30に記載の超音波モータ付き搬送装置。
【請求項32】
前記搬送対象物は、カメラのレンズ鏡筒内に配置された焦点レンズを備えることを特徴とする請求項29〜31のいずれか1項に記載の超音波モータ付き搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−94017(P2010−94017A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233610(P2009−233610)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】