説明

超音波定在波アトマイザ装置

本発明は、ワークピースを塗装するための塗料のスプレイ・ミストを作り出すための超音波定在波アトマイザ装置(10,20,30,40,50,70)に係る。この装置は、少なくとも一つのソノトロード(12,22,32,42,52,72)と、この少なくとも一つのソノトロード(12,22,32,42,52,72)の反対側に配置されたコンポーネント(14,24,34,44,54,74)とを備え、運転時に、前記少なくとも一つのソノトロード(24,34,44,54,74)と前記コンポーネント(14,24,34,44,54,74)の間の中間のスペースの中に、定在波超音波場が形成される。この装置はまた、少なくとも一つのノズル状の塗料供給デバイス(15,60,80)を備え、この塗料供給デバイスは、各ソノトロード(12,22,32,42,52,72,24,34,44,54,74)の中心軸に対して垂直に配置され、少なくとも一つの塗料吐出ポイントでのアトマイジング・プロセスのために、前記中間のスペースの中に塗料を導入する。前記少なくとも一つのソノトロード(12,22,32,42,52,72)の反対側に配置された前記コンポーネントは、同軸上に配置された(24,34,44,54,74)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースを塗装するための塗料のスプレイ・ミストを作り出すための超音波定在波アトマイザ装置に係る。この装置は、少なくとも一つのソノトロードと、この少なくとも一つのソノトロードの反対側に配置されたコンポーネントとを備え、運転時に、前記ソノトロードと前記コンポーネントの間の中間のスペースの中に、定在波超音波場が形成される。それに加えて、この超音波定在波アトマイザ装置は、少なくとも一つのノズル状の塗料供給デバイスを備え、この塗料供給デバイスは、各ソノトロードの中心軸に対して垂直に配置され、少なくとも一つの塗料吐出ポイントでのアトマイジング・プロセスのために、前記中間のスペースの中に塗料を導入する。
【背景技術】
【0002】
これまで、塗料の塗装は、自動車のボディ及びそれと同様の広い面積の品物に対して、高速ロータリー・アトマイザを用いて、既知の方法で行われて来た。高速ロータリー・アトマイザは、微細な塗料のスプレイ・ミストを作り出し、このスプレイ・ミストは、通常、適切な補助手段を用いて(例えば、導電性塗料の場合には電場を用いて)、塗装される表面に塗布される。
【0003】
環境的にフレンドリーな水溶性ベースのコートを使用する場合、200mL/mm〜400mL/mm、あるいはそれ以上の塗装速度が得られる。塗装に対して要求される品質(例えば、表面の平滑性及び気泡の発生防止など)は、特に、スプレイ・ミストの塗料の液滴の直径Ddropが、10μm<Ddrop<60μmの範囲にあるときに実現される。
【0004】
この既知の高速ロータリー・アトマイゼイションには、下記のような、製品の品質及び要求される製造費用の双方に影響を与える恐れがある短所がある。即ち、アトマイゼイションの質及び供給量は、回転ベル(塗料を送り出す回転部分)の形状及び回転速度によって大きく支配される。ベルを駆動するために、ベルに結合された空気タービンに衝突するクリーンな圧縮空気が必要になる。圧縮空気の清浄化には余分な費用が掛かる。
【0005】
約100,000rpmの、ロータリー・アトマイザの非常に早い回転速度のために、そのようにして加速された塗料の粒子は、高い初速を有しており、そのことは、塗装される領域(例えば、車体の表面)に対する塗料の粒子の正確な位置合わせをより困難にし、その結果、かなりの量の塗料が、目標領域を通り越して飛散する。
【0006】
それに加えて、高速ロータリー・アトマイザを用いて塗装する場合には、単位時間当たりに供給可能な塗料の量が制限されるので、それにより、塗装に要する時間が増大する。
【0007】
独国特許出願公開第102 45 324号公報及び独国特許出願公開第102 45 326号公報には、最初に述べたタイプの超音波定在波アトマイザ装置が開示されている。この装置では、超音波を用いる定在波アトマイゼイションが、高速ロータリー・アトマイゼイションの代わりに使用されている。
【0008】
この装置では、回転するベルの代わりに、リニアに振動する超音波ソノトロードが使用される。これによって、アトマイザの信頼性即ち寿命が増大する。更に、圧縮空気タービンのための駆動用空気が、もはや必要とされることがない。この駆動用空気は、クリーニングが必要であるので、高価である。
【0009】
超音波定在波アトマイゼイションの場合、高速ロータリー・アトマイゼイションの場合と比べて、塗料の液滴の初速が低いので、塗料のスプレイ・ミストを車体に向けて吹き付けるために必要となるクリーンな空気の量が、より少なくなる。それに加えて、塗装される表面を通り過ぎて飛散する塗料が少なくなるので、損失も、少なくなる。
【0010】
超音波定在波アトマイゼイションの場合、塗料がアトマイゼイション・デバイスと直接接触することがない。アブレイジョンがないので、それにより、磨耗も生じない。更に、超音波定在波アトマイゼイションの場合、塗料は、通常、楕円形の断面のスプレイ・コーンの状態で塗布される。このことは、幅の狭い部品を塗装ときに有利である。
【特許文献1】独国特許出願公開第102 45 324号公報
【特許文献2】独国特許出願公開第102 45 326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような先行技術に基づき、本発明の目的は、最初に述べたタイプの超音波定在波アトマイゼイションのための装置を提供することにある。この装置は、シンプルな構成を備えているのにも拘わらず、塗装のために供給される量、即ち、アトマイズされる量を増大させる可能性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による請求項1の特徴は、この目的を実現するために役立つ。従って、本発明によれば、少なくとも一つのソノトロードの反対側に配置された前記コンポーネントは、同軸上に配置された反射器(reflector)であって、この反射器は、衝突する音波を投げ返して定在波場を作り出すように構成されている。この定在波場は、塗料供給デバイスによってその中に導入された塗料のシートに作用し、それらを細かく分散させる。このようにして作り出された塗料のスプレイ・ミストは、供給された圧縮空気によって、塗装面に向けて加速される。この圧縮空気は、特別にクリーンにする必要はない。
【0013】
好ましい発展形態によれば、反射器は、無給電反射器(passive reflector)として形成することができる。その場合、この無給電反射器は、好ましくは、ディスク状の円板として構成され、その断面は、割り当てられたソノトロードの断面に適合する。
【0014】
本発明による超音波定在波アトマイザ装置の更なる改善において、反射器の厚さは、ソノトロードの中で作られる音波の波長の半分の長さの倍数に一致する。反射器として用いられるプレートの好ましい厚さは、少なくとも10mmである。
【0015】
代替として提供されるソリューションによれば、無給電反射器の代わりに、反射器を第二のソノトロードで形成しても良い。この第二のソノトロードは、最初に設けられる第一のソノトロードと同じ方法で構成され、同様に超音波を作り出す。所望の定在波場を作り出す目的で、第二のソノトロードは、第一のソノトロードと構造的に同一であり、換言すれば、周波数が同一であり、それによって、二つの音波発生源から発射された音波は、せいぜい位相がシフトされるようになる。そのようにして設けられた二つのソノトロードの端面の間の距離は、このケースでは、その中間のスペースが、塗料供給デバイスの導入を可能にするために十分であるように設定される。
【0016】
二つのソノトロードを備えた装置の場合、二つの端面の間の距離は、好ましくは、5つのサウンド・パーティクル速度(sound particle velocity)の波腹(antinodes)を有する超音波定在波場が得られるように選択される。
【0017】
しかしながら、その代わりに、互いに向かい合わせに配置されたソノトロードの端面の間の距離は、その少なくとも二倍大きくても良い。即ち、その場合には、各ケースにおいて、10のサウンド・パーティクル速度の波腹が得られる。そのような装置の全体の長さは、約400mmとなり、使用可能な音の場の長さは、全体の長さの約1/3である。
【0018】
一つの代替となる実施形態では、ソノトロードに対して同軸上に配置された無給電反射器が、互いに向かい合わせに配置された二つのソノトロードの間の中間のスペースの中央に配置される。ここでもまた、もし、無給電反射器がディスク状の円板で構成され、その断面が二つのソノトロードの断面に適合していれば、有利であることが分かっている。
【0019】
本発明による超音波定在波アトマイザ装置の一つの発展形態は、特に、二つのサブ・アレンジメントが設けられること、且つ、各サブ・アレンジメントが、同軸上に向かい合わせに配置された無給電反射器を備えたソノトロードによって構成されていること、により特徴付けられる。一方では、このようにすれば、二つのサブ・システムのそれぞれを、即ち、二つのサブ・アレンジメントのそれぞれを、オプションとして、異なる周波数で運転することが可能になる。これらのケースでは、ソノトロードは、例えば、互いに異なっている。
【0020】
本発明の一つの特別な形態では、二つのサブ・システムのいわゆるダブル装置の場合に、中央に配置された無給電反射器が、ヒンジにより互いに接続された二つの個別の反射器に、実質的に分割される。
【0021】
ソノトロードとそれに割り当てられた反射器の間の中間のスペースによって形成される音の場を、軸方向に任意に変えることはできないので、この形態を採用することにより、そのような装置の構造的な寸法を、ほぼ一定にすることが可能になる。
【0022】
そのような連結構造は、実質的に二つの部分の超音波定在波アトマイザ装置の向きを、それ自身に対して変えることを可能にし、それによって、ソノトロードとそれに割り当てられた無給電反射器により構成されるサブ・アレンジメントのそれぞれの中で作られる二つのスプレイ・コーンを、所望の状態で互いに重ね合わせることを可能にする。
【0023】
従って、同様に、割り当てられたサブ・システムを備え、各サブ・アレンジメントのソノトロードとそれに割り当てられた無給電反射器の間の中間のスペースの中に配置されたノズル状の塗料供給デバイスは、同様に、向きの変更が可能な状態で配置される。
【0024】
本発明による超音波定在波アトマイザ装置の、これまでに挙げられた変形形態の更なる代替え案は、各サブ・アレンジメントのソノトロードが、各ケースにおいて、異なる周波数を有していることにより特徴付けられる。これは、好ましくも、二つの異なる液滴サイズの範囲を作り出し、それらを混合することを可能にする。
【0025】
既に最初に言及した超音波定在波アトマイゼイションのための基礎的な装置に対応する形態で、ここに示された実施形態には、各ケースにおいて、空気供給デバイスを設けることができる。必要な場合には、この空気供給デバイスは、少なくとも一つの空気分配デバイスとの間で相互作用を行い、それにより、ターゲット領域への塗料の塗布がなされる。
【0026】
これら及び更なる好ましい形態及び実施形態は、従属クレームの主題である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下において、本発明、本発明の好ましい形態及び改善、及び、その特別な優位性が、添付図面で示される実施形態の例に基づいて、より詳細に説明し記述される。
【0028】
図1に、第一の塗料スプレイ装置10の側面図の概略を示す。この装置は、ソノトロード12と、無給電反射器14を備え、それらの端面の間の軸方向の距離は、ソノトロード12と反射器14の間に、5つのサウンド・パーティクル速度の波腹16が形成されるように、設定されている。
【0029】
これらのサウンド・パーティクル速度の波腹14の中に、塗料を供給するための3本の小径チューブ15が配置されている。それらの小径チューブは、互いに平行に配列され、ソノトロード12と反射器14の間に形成される音の場と連係して、各ケースにおいて、スプレイ方向に広がるスプレイ・コーン18を形成する。これらのスプレイ・コーン18は、小径チューブ15の横方向の間隔が小さいために、互いに重なり合う。
【0030】
図2に、第二の塗料スプレイ装置20の側面図の概略を示す。この装置は、第一のソノトロード22及び第二のソノトロード24を備え、それらは、構造的に同一であり、且つ、互いに対して同軸上に配置されている。音波が発射されるそれらの端面26の間の軸方向の距離は、このケースにおいて、第一のソノトロード22と第二のソノトロード24の間に、5つのサウンド・パーティクル速度の波腹28が形成されるように設定されている。
【0031】
図3に、第三の塗料スプレイ装置30の側面図の概略を示す。この装置は、第一のソノトロード32及び第二のソノトロード34を備え、それらは、図2に示された装置に、大半の部分で同一であるが、但し、二つのソノトロード32,34は、それらの端面36の間の距離がより大きい状態で、互いに対して同軸上に配置され、その結果、10個のサウンド・パーティクル速度の波腹38が、それらの端面36の間に形成される。
【0032】
図4に、第四の塗料スプレイ装置40の側面図の概略を示す。この装置は、第一のソノトロード42及び第二のソノトロード44を備え、それらは、図3に示された装置と同様な状態で、互いに対して同軸上に配置され、音波が発射されるそれらの端面46は、互いに向かい合っている。それらの端面46の間、即ち、第一のソノトロード42と第二のソノトロード44の間の中央に、無給電反射器43が配置されている。反射器43から二つのソノトロード42,44の端面46までのそれぞれの距離は、各ケースにおいて、5つのサウンド・パーティクル速度の波腹48が形成されるように設定されている。
【0033】
図5に、第五の塗料スプレイ装置50の側面図の概略を示す。この装置は、第一のソノトロード52及び第二のソノトロード54を備え、更に、図4の装置と同様に、二つの無給電反射器53,55が、その間の中央に挿入されている。但し、この装置では、反射器53,55は、ヒンジ57によって互いに接続されている。
【0034】
ここでもまた、反射器53,55から二つのソノトロード52,54の端面56までの距離は、各ケースにおいて、5つのサウンド・パーティクル速度の波腹58が形成されるように設定されている。
【0035】
先に図1に対して説明したものと同様に、ここでは、これらのサウンド・パーティクル速度の波腹58の中に、塗料を供給するための3本の小径チューブ60が配置されている。それらの小径チューブは、互いに平行に配列され、ソノトロード52と第一の反射器53の間に形成される音の場、及び、第二のソノトロード54と第二の反射器55の間に形成される音の場と連係して、各ケースにおいて、スプレイ方向に広がるスプレイ・コーン62を形成する。これらのスプレイ・コーン62は、小径チューブ60の横方向の間隔が小さいために、互いに重なり合う。
【0036】
このようにして構成される二つの互いに隣接するスプレイ・システム64,66の間の距離が小さいために、二つのスプレイ・システム64,66のスプレイ・コーン68は、特定の噴射距離で接線を形成し、それによって、塗装表面に対する塗料の供給量が、塗装の質を損なうことなく、実質的に2倍になる。
【0037】
この第五の装置の更なる特別な特徴は、図6の中に、より詳細に示されている。図6に、その塗料スプレイ装置の側面図の概略を示す。この装置は、第一のソノトロード52及び第二のソノトロード54を備え、更に、図5と同様に、二つの無給電反射器53,55が、その間の中央に挿入されている。但し、図5に示された装置との相違点として、それぞれ反射器53,55が割り当てられた二つのソノトロード52,54の中心軸は、互いに対して傾斜し、その角度αは、互いに対して 0<α<90 の範囲内である。
【0038】
このことは、二つのスプレイ・システム64,66またはそれらのスプレイ・コーンの重なり合いを、ローカルな条件に適合させることが可能になるという効果をもたらす。
【0039】
図7に、更なる塗料スプレイ装置70の側面図の概略を示す。この装置は、第一のソノトロード72及び第二のソノトロード74を備え、更に、図5の装置と同様に、無給電反射器73,75が、その間の中央に挿入されている。二つのソノトロード72,74は、各ケースにおいて、異なる超音波周波数f1,f2を有している。従って、二つのソノトロード72,74の断面、即ち、それらの端面76,78は、各ケースにおいて、互いに異なっている。ここでもまた、反射器73,75から二つのソノトロード72,74の端面76,78までの距離は、各ケースにおいて、5つのサウンド・パーティクル速度の波腹77,79が形成されるように設定されている。
【0040】
先に図1及び図5について説明したものと同様に、ここでも、サウンド・パーティクル速度の波腹79の中に、各ケースにおいて、塗料を供給するための3本の小径チューブ80が配置されている。それらの小径チューブは、互いに平行に配置され、第一のソノトロード72と第一の反射器73の間に形成される音の場、及び、第二のソノトロード74と第二の反射器75の間に形成される音の場と連係して、各ケースにおいて、スプレイ方向に広がるスプレイ・コーン82を形成する。これらのスプレイ・コーン18は、小径チューブ80の横方向の間隔が小さいために、互いに重なり合う。
【0041】
このようにして構成される二つの互いに隣接するスプレイ・システム84,86の間の距離が小さいために、二つのスプレイ・システム84,86のスプレイ・コーン88,89は、特定の噴射距離で接線を形成し、それによって、ここでもまた、塗装表面に対する塗料の供給量が、塗装の質を損なうことなく、実質的に2倍になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、塗料スプレイ装置の側面図の概略を示し、この装置は、ソノトロード及び無給電反射器を有している。
【図2】図2は、塗料スプレイ装置の側面図の概略を示し、この装置は、第一のソノトロード及び第二のソノトロードソノトロードを有している。
【図3】図3は、塗料スプレイ装置の側面図の概略を示し、この装置は、図2と同様に、第一のソノトロード及び第二のソノトロードソノトロードを有しているが、相互間の距離がより大きくなっている。
【図4】図4は、塗料スプレイ装置の側面図の概略を示し、この装置は、図3と同様に、第一のソノトロード及び第二のソノトロードソノトロードを有しているが、更に、無給電反射器がその間の中央に配置されている。
【図5】図5は、塗料スプレイ装置の側面図の概略を示し、この装置は、第一のソノトロード及び第二のソノトロードソノトロードを有し、更に、図4と同様に、二つの無給電反射器がその間の中央に配置され、二つの反射器はヒンジによって互いに接続されている。
【図6】図6は、塗料スプレイ装置の側面図の概略を示し、この装置は、第一のソノトロード及び第二のソノトロードソノトロードを有し、更に、図5と同様に、二つの無給電反射器がその間の中央に配置され、但し、反射器が割り当てられた二つのソノトロードは、互いに対して、0°<α<90°の範囲の角度を有している。
【図7】図7は、塗料スプレイ装置の側面図の概略を示し、この装置は、第一のソノトロード及び第二のソノトロードソノトロードを有し、更に、図5と同様に、二つの無給電反射器がその間の中央に配置され、異なる断面に設けられたソノトロードは、互いに異なる超音波周波数を有している。
【符号の説明】
【0043】
10・・・第一の装置、12・・・ソノトロード、14・・・反射器、15・・・小径チューブ、16・・・サウンド・パーティクル速度の波腹、18・・・スプレイ・コーン、20・・・第二の装置、22・・・第一のソノトロード、24・・・第二のソノトロード、26・・・端面、28・・・サウンド・パーティクル速度の波腹、30・・・第三の装置、32・・・第一のソノトロード、34・・・第二のソノトロード、36・・・端面、38・・・サウンド・パーティクル速度の波腹、40・・・第四の装置、42・・・第一のソノトロード、43・・・反射器、44・・・第二のソノトロード、46・・・端面、48・・・サウンド・パーティクル速度の波腹、50・・・第五の装置、52・・・第一のソノトロード、53・・・第一の反射器、54・・・第二のソノトロード、55・・・第二の反射器、56・・・端面、58・・・サウンド・パーティクル速度の波腹、60・・・小径チューブ、62・・・スプレイ・コーン、64・・・第一のスプレイ・システム、66・・・第二のスプレイ・システム、68・・・スプレイ・コーン、70・・・第七の装置、72・・・第一のソノトロード、73・・・第一の反射器、74・・・第二のソノトロード、75・・・第二の反射器、76・・・端面、77・・・サウンド・パーティクル速度の波腹、78・・・端面、79・・・サウンド・パーティクル速度の波腹、80・・・小径チューブ、82・・・スプレイ・コーン、84・・・第一のスプレイ・システム、86・・・第二のスプレイ・システム、88・・・スプレイ・コーン、89・・・スプレイ・コーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースを塗装するための塗料のスプレイ・ミストを作り出すための超音波定在波アトマイザ装置(10,20,30,40,50,70)であって、
少なくとも一つのソノトロード(12,22,32,42,52,72)と、この少なくとも一つのソノトロード(12,22,32,42,52,72)の反対側に配置されたコンポーネント(14,24,34,44,54,74)とを備え、運転時に、前記少なくとも一つのソノトロード(24,34,44,54,74)と前記コンポーネント(14,24,34,44,54,74)の間の中間のスペースの中に、定在波超音波場が形成され、
当該装置はまた、少なくとも一つのノズル状の塗料供給デバイス(15,60,80)を備え、この塗料供給デバイスは、各ソノトロード(12,22,32,42,52,72,24,34,44,54,74)の中心軸に対して垂直に配置され、少なくとも一つの塗料吐出ポイントでのアトマイジング・プロセスのために、前記中間のスペースの中に塗料を導入する、
超音波定在波アトマイザ装置において、
前記少なくとも一つのソノトロード(12,22,32,42,52,72)の反対側に配置された前記コンポーネントは、同軸上に配置された反射器(24,34,44,54,74)であることを特徴とする超音波定在波アトマイザ装置。
【請求項2】
下記特徴を備えた請求項1に記載の超音波定在波アトマイザ装置(10):
前記反射器は、無給電反射器(14)として構成されている。
【請求項3】
下記特徴を備えた請求項2に記載の超音波定在波アトマイザ装置(10):
前記反射器(14)は、ディスク状の円板として構成され、その断面は、前記ソノトロード(12)の断面に適合している。
【請求項4】
下記特徴を備えた請求項3に記載の超音波定在波アトマイザ装置(10):
前記反射器(14)の厚さは、前記ソノトロード(12)の中で作られる音波の波長の半分の長さの倍数に一致している。
【請求項5】
下記特徴を備えた請求項3または4に記載の超音波定在波アトマイザ装置(10):
前記反射器(14)の厚さは、少なくとも10mmである。
【請求項6】
下記特徴を備えた請求項1に記載の超音波定在波アトマイザ装置(20,30,40,50,70):
前記反射器(24,34,44,54,74)は、第二のソノトロードによって構成されている。
【請求項7】
下記特徴を備えた請求項5に記載の超音波定在波アトマイザ装置(20,30,40,50,70):
前記第二のソノトロード(24、34、44、54)は、前記第一のソノトロード(22,32,42,52,72)と構造的に同一である。
【請求項8】
下記特徴を備えた請求項6または7に記載の超音波定在波アトマイザ装置(20,30,40,50,70):
互いに向かい合わせに配置された前記二つのソノトロード(32,34,42,44,52,54,72,74)の端面の間の距離は、一つのソノトロード(12)と一つの無給電反射器(14)を備えた装置の場合の端面の間の距離の、少なくとも2倍である。
【請求項9】
下記特徴を備えた請求項8に記載の超音波定在波アトマイザ装置(20,30,40,50,70):
前記ソノトロードに対して同軸上に配置された無給電反射器(43,53,55,73,75)が、互いに向かい合わせに配置された前記二つのソノトロード(42,44,52,54,72,74)の間の中間のスペースの中の中央に配置されている。
【請求項10】
下記特徴を備えた請求項9に記載の超音波定在波アトマイザ装置(20,30,40,50,70):
前記無給電反射器(43)は、ディスク状の円板により構成され、その断面は、前記二つのソノトロード(42,44)の断面に適合している。
【請求項11】
下記特徴を備えた請求項1に記載の超音波定在波アトマイザ装置(40,50,70):
各ソノトロード(42,44,52,54,72,74)に、同軸上で向かい合わせに配置された無給電反射器(43,53,55,73,75)が割り当てられている。
【請求項12】
下記特徴を備えた請求項11に記載の超音波定在波アトマイザ装置(50,70):
前記割り当てられた無給電反射器(53,55,73,75)は、ヒンジ(57,87)により互いに接続されている。
【請求項13】
下記特徴を備えた請求項12に記載の超音波定在波アトマイザ装置(50,70):
割り当てられた無給電反射器(53,55,73,75)を備えたソノトロード(52,54,72,74)により、それぞれ構成される二つのスプレイ・システム(64,66,84,86)は、互いに対して、0°<α<90°の範囲の角度で向きを変えることができる。
【請求項14】
下記特徴を備えた請求項13に記載の超音波定在波アトマイザ装置(50,70):
各スプレイ・システムの、前記ソノトロード(52,54,72,74)と前記割り当てられた無給電反射器(53,55,73,75)の間の中間のスペースの中に配置された前記ノズル状の塗料供給デバイス(60,80)は、前記スプレイ・システム(64,66,84,86)に対応するように、互いに対して向きを変える。
【請求項15】
下記特徴を備えた請求項14に記載の超音波定在波アトマイザ装置(50,70):
前記塗料供給デバイスにより作られる二つのスプレイ・システム(64,66,84,86)の塗料スプレイ・コーン(68,88,89)は、互いに重なり合う。
【請求項16】
下記特徴を備えた請求項9から11のいずれか1項に記載の超音波定在波アトマイザ装置(70):
各スプレイ・システム(84,86)のソノトロード(72,74)は、各ケースにおいて、異なる超音波周波数f1,f2を有している。
【請求項17】
下記特徴を備えた請求項16に記載の超音波定在波アトマイザ装置(70):
前記塗料供給デバイス(80)の相互作用において、それぞれ異なる超音波周波数f1,f2を備えたソノトロード(72,74)は、異なるサイズの塗料の液滴を作り出し、それらは、互いに重なり合うスプレイ・コーン(88,89)の中で、互いに混合される。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−527645(P2006−527645A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515810(P2006−515810)
【出願日】平成16年5月29日(2004.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005865
【国際公開番号】WO2004/110650
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(591079203)アーベーベー・パテント・ゲーエムベーハー (16)
【氏名又は名称原語表記】ABB PATENT GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】