説明

超音波振動基体、超音波プローブ、美容機器及び健康機器

【課題】低電力量で安定的かつ効率的に霧化状態をもって超音波振動を起こさせて、この超音波振動を肌に作用させて安全的に美肌を形成すること。
【解決手段】超音波プローブ10は、超音波振動素子18を駆動させることによって、超音波振動素子を取り付けた酸化アルミ等の基体16の主表面上に超音波振動を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体に超音波振動素子を取付けてなる超音波振動基体、該超音波振動基体を備える超音波プローブ及び該超音波プローブを使用した美容機器並びに健康機器に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波振動を利用して美肌を作るための美容機器は既に販売されている。この美容機器は、ステンレスやアルミニウム等の金属製基体の裏側に取付られた超音波振動素子の駆動によって発生される超音波振動を基体の表面に起こさせて、該超音波振動を肌に伝えて美肌を作るためのものである。この際、金属製基体の表面に超音波振動を起こさせて、この超音波振動を肌に作用させることが美肌の形成にとって好ましい。しかし、従来の金属等の基板では超音波の発生が十分でなく効果的に肌や皮膚をきれいにすることは困難であった。
【発明の開示】

【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
本発明は、上記の欠点を解決することを鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波振動を基体表面に伝播させて、安定的、効率的かつ十分な超音波発生を得ることができる、よって超音波を肌や皮膚に作用させることにより美肌や皮膚を健康にすることができる、また酸化アルミ製基板の主表面上にゲルマニウム、酸化チタン又は白金を含むガラス層を設けることにより遠赤外効果が得られ、さらにイオン浸透効果により皮膚組織の血管に浸透して血液浄化効果が得られる超音波振動基体、該超音波振動基体を備える超音波プローブ及び該超音波プローブを使用した美容機器並びに健康機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る超音波振動基体は、酸化アルミ製基板の主表面の対向面に取り付けられた超音波振動素子を備え、前記基板の厚さが約5mm〜約6mmのn倍、ここでn=1〜3、好ましくは約10mm〜約12mmであることを特徴とする。
【0005】
請求項2に係る超音波振動基体は、酸化アルミ製基板の主表面の対向面に取り付けられた超音波振動素子と、前記基板の厚さが約5mm〜約6mmのn倍、ここでn=1〜3であり、好ましくは約10mm〜約12mm、かつ前記酸化アルミ製基板の主表面上にゲルマニウム、酸化チタン又は白金を含むガラス層を設けてなることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載に係る超音波プローブは、請求項1又は2記載の超音波振動基体を備える。
【0007】
請求項4記載の美容機器は、請求項3記載の超音波プローブを備える。
【0008】
請求項5記載の健康機器は、請求項3記載の超音波プローブを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明による酸化アルミ製超音波振動基体を使用することにより、超音波振動を基体表面に伝播させて、安定的、効率的かつ十分な超音波発生を得ることができる、よって超音波を肌や皮膚に作用させることにより美肌や皮膚を健康にすることができる、また酸化アルミ製基板の主表面上にガラス層を設けることにより超音波がより発生しやすくなり、さらに酸化アルミ製基板の主表面上のガラス層中にゲルマニウム、酸化チタン又は白金を含有させることにより遠赤外効果が得られ、さらにイオン浸透効果により皮膚組織の血管に浸透して血液浄化効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施例を添付図面を参照して説明をする。図1は、超音波プローブの概略図である。該図において、符号10は、超音波プローブであり、該超音波プローブ10は、先端部に開口12を有し、プラスチック等で作られているホルダー14と、該ホルダーの開口12に取り付けられた基板16と該基板16に固着されている超音波振動素子18とからなる基体20と、超音波振動素子18に繋がれている電源コードとを備えて構成される。
【0011】
図2は、酸化アルミ製基板を以下の形状及び寸法に加工して作られる基板16に超音波振動素子18を取付けた側面図を示す。超音波振動素子18が取り付けられる基板16は、純度85%以上、好ましくは99.5%の酸化アルミ製であり、基板の主表面の対向面に超音波振動素子を備えている。該図において、基板16は、台形形状を有する。ここで、第1表面(a)の直径は、37.5mm、第2表面(b)の直径は、28.0mm、高さ(厚さ)(h)は、15mm、斜面の傾きの角度(α)は、45度である。また、基板の第1表面に取付られる超音波振動素子は、円形形状を有し、その直径は、28.0mmである。そして、基板の第1表面と超音波振動素子と接着は、硬化温度;120℃で行われ、その後除冷される。なお、基体の形状は、該図に示す構造を有することが好ましい。
【0012】
さらに、図3は、酸化アルミ製基板16の主表面上にガラス組成物層19を取付けた側面図を示す。酸化アルミ製基板16の主表面上に0.1wt%以下のゲルマニウム、01wt%以下の白金、又は0.1wt%以下の酸化チタンを含有したガラス組成物層19が設けられる。ガラス組成物層の厚さは、数ミクロンから約1mmである。ガラス組成物層の表面は、鏡面仕上げに加工されている。また酸化アルミ製基板の主表面上にガラス層を設けることにより超音波がより発生しやすくなり、さらに酸化アルミ製基板の主表面上のガラス層中にゲルマニウム、酸化チタン又は白金を含有することにより遠赤外効果が得られ、さらにイオン浸透効果により皮膚組織の血管に浸透して血液浄化効果が得られる。
【0013】
ここで、超音波振動素子18が取り付けられる基板16の厚さは、約5mm〜約6mmのn倍、ここでn=1〜3である。すなわち、基板の厚さは、約5mm〜約6mmから約15mm〜約18mmである。 そして、酸化アルミ製基板の主表面の対向面に超音波振動素子が、エポキシ樹脂等の接着剤を介して熱圧着等により固着される。この際、これら接合面間は、空気や水分等のガスは入らないようにして固着することが好ましい。ここで、接着は、硬化温度;約110℃〜約130℃、好ましくは約120℃で行われ、その後除冷される。
【0014】
上述したように、基板の厚さは、約5mm〜約6mmから約15mm〜約18mmである。すなわち、基板の厚さが、約5mm〜約6mm以下、また約15mm〜約18mm以上であると霧化現象を生じない。そして、特に基板の厚さが約10mm〜約12mmの範囲で最も霧化現象が活発に生じ、かつ減衰の度合も少ない。しかも加工に適し、経済性に富みかつ落としたとしても割れにくい等の効果もある。
【0015】
かくして、超音波振動素子を駆動して酸化アルミ製基板の主表面に超音波振動を起こさせる要因は、基板の厚さ約5mm〜約6mmから約15mm〜約18mmの基板にある。表面に超音波振動が起きている事実は、表面に霧化現象が生じていることにより確かめられる。霧化とは、基板に超音波振動の表面に載せた水滴が水煙となって飛散する現象を言う。
【0016】
かくして、超音波振動素子を2ワットで駆動させることにより、超音波振動素子に取り付けられた酸化アルミ製基板の主表面に超音波振動を起こすことができる。そして、超音波振動素子を駆動して基板の主表面に超音波振動を起こさせ、該超音波振動を肌に与えることにより美肌を作る美容器具として又は健康器具として使われることができる。
【0017】
図4は、美容機器並びに健康器具の概略図を示し、該図において、符号22は、美容機器並びに健康器具本体である。器具本体22は基部24と、基部24を覆う上蓋26とを備え、両者は開閉可能に構成している。機器本体22の基部24は、上記超音波プローブ10を収納する凹部28と、該超音波プローブ10の超音波振動素子18を駆動・制御して超音波振動を発生させるための超音波振動駆動・制御回路(図示せず)と、コード20を収納する収納凹部30と、電源入り切ボタン32、レベル調整ダイヤル34とを備える。上蓋26は、鏡36を取り付けている。
【産業上の利用可能性】
【0018】
超音波美容器等の美容機器、健康機器
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る超音波プローブを示す概略図である。
【図2】本発明に係る超音波振動素子を基板に取り付けた基体を示す側面図である。
【図3】本発明に係る超音波振動素子を基板に取り付けた他の基体を示す側面図である。
【図4】本発明に係る美容機器を示す概略図である。
【符号の説明】
【0020】
10;超音波プローブ
16;酸化アルミ製基体
18;超音波振動素子
19;ガラス組成物層
22;美容機器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化アルミ製基板の主表面の対向面に取り付けられた超音波振動素子を備え、前記基板の厚さが約5mm〜約6mmのn倍、ここでn=1〜3、好ましくは約10mm〜約12mmであることを特徴とする超音波振動基体。
【請求項2】
酸化アルミ製基板の主表面の対向面に取り付けられた超音波振動素子と、前記基板の厚さが約5mm〜約6mmのn倍、ここでn=1〜3であり、好ましくは約10mm〜約12mm、かつ前記酸化アルミ製基板の主表面上にゲルマニウム、酸化チタン又は白金を含むガラス層を設けてなることを特徴とする超音波振動基体。
【請求項3】
請求項1又は2記載の超音波振動基体を備える超音波プローブ。
【請求項4】
請求項3記載の超音波プローブを備える美容機器。
【請求項5】
請求項3記載の超音波プローブを備える健康機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−7361(P2007−7361A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221857(P2005−221857)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(391059159)株式会社ベステック (9)
【Fターム(参考)】