説明

超音波探触子及び超音波探触子の製造方法

【課題】超音波探触子の送信帯域の広帯域化を図りつつ、反射層からの不要な反射の影響を減じて高精細な超音波画像を得ることが可能な超音波探触子、及びかかる超音波探触子の製造方法を提供する。
【解決手段】圧電素子の背面に反射層を設けている超音波探触子において、前記反射層は両面が平行で表面が平滑な板状であり、前記反射層の前記圧電素子と接する面は、音響インピーダンス値が前記圧電素子より大きい材料Aと音響インピーダンス値が前記圧電素子より小さい材料Bがライン縞模様状に平行に繰り返される構造であり、前記材料Aの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離と、前記材料Bの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離とは前記反射層内で各々一定である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内に超音波を送信または受信する超音波探触子、及び、該超音波探触子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、通常、16000Hz以上の音波をいい、非破壊、無害及び略リアルタイムでその内部を調べることが可能なことから、欠陥の検査や疾患の診断等の様々な分野に応用されている。その一つに、被検体内を超音波で走査し、被検体内から来た超音波の反射波(エコー)から生成した受信信号に基づいて当該被検体内の内部状態を画像化する超音波診断装置がある。この超音波診断装置は、医療用では、他の医療用画像装置に較べて小型で安価であり、そしてX線等の放射線被爆が無く安全性が高いこと、また、ドップラ効果を応用した血流表示が可能であること等の様々な特長を有している。このため、超音波診断装置は、循環器系(例えば心臓の冠動脈等)、消化器系(例えば胃腸等)、内科系(例えば肝臓、膵臓及び脾臓等)、泌尿器系(例えば腎臓及び膀胱等)及び産婦人科系等で広く利用されている。
【0003】
超音波診断装置には、被検体に対して超音波を送受信する超音波探触子が用いられている。超音波探触子は、圧電現象を利用することによって、送信の電気信号に基づいて機械振動して超音波を発生し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる超音波の反射波を受けて受信の電気信号を生成する複数の圧電素子を備え、これら複数の圧電素子が例えばアレイ状に2次元配列されて構成されている。
【0004】
近年では、超音波探触子から被検体内へ送信された超音波の周波数(基本周波数)成分ではなく、その高調波成分によって被検体内の内部状態の画像を形成するハーモニックイメージング(Harmonic Imaging)技術が研究、開発されている。ハーモニックイメージング技術は、基本周波数成分のレベルに比較してサイドローブレベルが小さく、S/N比(Signal to Noise ratio)が良くなってコントラストが向上すること、周波数が高くなることによってビーム幅が細くなって横方向分解能が向上すること、近距離では音圧が小さくて音圧の変動が少ないために多重反射が抑制されること、及び、焦点以遠の減衰が基本波並みであり高周波を基本波とする場合に較べて深速度を大きく取れること等の様々な利点を有している。(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
かかる高調波成分を利用する場合には、超音波探触子自体の帯域を広げる必要があり、例えば、反射層を設けた構造体(例えば特許文献3)に対し、反射層の形状共振する波長を広げる反射層が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−118065号公報
【特許文献2】特開2007−185525号公報
【特許文献3】特開2009−213137号公報
【特許文献4】特開2005−286701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献4に記載の技術は、構造体に設けられた音響インピーダンスの異なる部分の形状に考慮されていないことから、各部分において超音波の不要な反射が生じ、超音波画像に影響を与えてしまうという不具合が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、超音波探触子の送信帯域の広帯域化を図りつつ、反射層からの不要な反射の影響を減じて高精細な超音波画像を得ることが可能な超音波探触子、及びかかる超音波探触子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的は、下記に記載する発明により達成される。
【0010】
1.圧電素子の背面に反射層を設けている超音波探触子において、
前記反射層は両面が平行で表面が平滑な板状であり、
前記反射層の前記圧電素子と接する面は、音響インピーダンス値が前記圧電素子より大きい材料Aと音響インピーダンス値が前記圧電素子より小さい材料Bがライン縞模様状に平行に繰り返される構造であり、
前記材料Aの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離と、前記材料Bの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離とは前記反射層内で各々一定であることを特徴とする超音波探触子。
【0011】
2.前記材料Aと前記材料Bの各々が前記圧電素子と接する面からの各々の深さは、前記圧電素子が送信する超音波の主波長の5%以上であり、前記材料Aが前記圧電素子と接する面からの深さが、材料Bが前記圧電素子と接する面からの深さより深いことを特徴とする前記1に記載の超音波探触子。
【0012】
3.材料Aと材料Bとの一組が一定の距離ピッチで形成されていることを特徴とする前記1または2に記載の超音波探触子。
【0013】
4.材料Aと材料Bとの一組が不定の距離ピッチで形成されていることを特徴とする前記1または2に記載の超音波探触子。
【0014】
5.前記距離ピッチは、前記圧電素子のエレベーション方向の長さまたはアジマス方向の長さよりも小さいことを特徴とする前記1から4の何れか一項に記載の超音波探触子。
【0015】
6.圧電素子の背面に反射層を設けている超音波探触子の製造方法において、
前記反射層は、両面が平行で表面が平滑な板状であり、前記圧電素子と接する面は、音響インピーダンス値が前記圧電素子より大きい材料Aと音響インピーダンス値が前記圧電素子より小さい材料Bがライン縞模様状に平行に繰り返される構造であり、前記材料Aの圧電素子と接する面からの深さ方向の距離と、前記材料Bの圧電素子と接する面からの深さ方向の距離とは各々一定であって、
前記材料Aの平面である表面に、直線ライン状の一定深さの溝を平行に複数設け、該溝を前記材料Bにより埋め、前記表面を平滑面に研磨する工程を有することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【0016】
7.前記材料Bの前記圧電素子と接する面からの深さは、前記圧電素子が送信する超音波の主波長の5%以上であることを特徴とする前記6に記載の超音波探触子の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
超音波探触子の送信帯域の広帯域化を図りつつ、反射層からの不要な反射の影響を減じて高精細な超音波画像を得ることが可能な超音波探触子、及びかかる超音波探触子の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係る超音波診断装置Sの外観構成を示す概要図である。
【図2】実施形態に係る超音波診断装置Sの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る超音波診断装置Sの超音波探触子2の振動部30の構成を示す概要図である。
【図4】圧電部32をz方向から見た模式図である。
【図5】圧電部32内で共振する超音波の共振周波数を決定する機能についての説明図である。
【図6】圧電部32内で共振する超音波の共振周波数を決定する機能についての説明図である。
【図7】二軸方向に圧電素子321を有する圧電部32の模式図である。
【図8】反射層31の作製方法の一例の模式図である。
【図9】反射層31の作製方法の他の例の模式図である。
【図10】得られた第1バッキング層31を用いて振動部30を組み立てる順番を示した模式図である。
【図11】作製した超音波探触子2、比較探触子A、Bを用いて超音波の送受信を行い、FFT解析をかけた周波数特性を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施形態を図面により説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限られるものではない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。なお、本発明における圧電部とは、対向する2つの電極ではさまれた、圧電挙動を示す部分を指す。
【0020】
図1は、実施形態に係る超音波診断装置Sの外観構成を示す概要図である。図2は、実施形態に係る超音波診断装置Sの電気的な構成を示すブロック図である。図3は、実施形態に係る超音波診断装置Sの超音波探触子2の構成を示す概要図である。
【0021】
超音波診断装置Sは、図1及び図2に示すように、図略の生体等の被検体Hに対して超音波を送信すると共に、被検体Hで反射した超音波の反射超音波を受信する超音波探触子2と、超音波探触子2とケーブル3を介して接続され、超音波探触子2へケーブル3を介して電気信号の送信信号を送信することによって超音波探触子2に被検体Hに対して超音波を送信させると共に、超音波探触子2で受信された被検体H内からの反射超音波に応じて超音波探触子2で生成された電気信号の受信信号に基づいて被検体H内の内部状態を超音波画像として医用画像に画像化する超音波診断装置本体1とを備えて構成される。
【0022】
超音波診断装置本体1には、超音波探触子2を使用しない時に、超音波探触子2を保持させておく超音波探触子フォルダ4が備えられている。
【0023】
超音波診断装置本体1は、例えば、図2に示すように、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、受信信号処理部14と、画像処理部15と、表示部16と、制御部17と、記憶部19と、送信信号処理部18と、を備えて構成されている。
【0024】
操作入力部11は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体Hの個人情報等のデータを入力するものであり、例えば、複数の入力スイッチを備えた操作パネルやキーボード等である。
【0025】
送信信号処理部18は、制御部17の制御に従って、後述する圧電部32を駆動する電気信号の送信信号を生成する機能を有する送信手段としての回路である。
【0026】
送信部12は、送信信号処理部18が生成した電気信号を増幅し、超音波探触子2内の圧電部32へ、ケーブル3を介して送信信号を供給し、超音波探触子2に超音波を発生させる。送信部12は、例えば、高電圧のパルスを生成する高圧パルス発生器等を備えて構成される。
【0027】
受信部13は、制御部17の制御に従って、超音波探触子2からケーブル3を介して電気信号の受信信号を受信する受信手段としての回路であり、この受信信号を受信信号処理部14へ出力する。受信部13は、例えば、受信信号を予め設定された所定の増幅率で増幅する増幅器、及び、この増幅器で増幅された受信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換するアナログ−デジタル変換器等を備えて構成される。
【0028】
受信信号処理部14は、制御部17の制御に従って、受信部13からの電気信号から高調波成分を抽出したり、所定の信号処理を施す高調波抽出部としての回路であり、その信号処理した反射受信信号を画像処理部15へ出力する。
【0029】
画像処理部15は、制御部17の制御に従って、受信信号処理部14で信号処理された反射受信信号に基づいて、ハーモニックイメージング技術等を用いて被検体H内の内部状態の超音波画像を生成する回路である。また、例えば、反射受信信号に対して包絡線検波処理を施すことにより、反射超音波の振幅強度に対応したBモード信号を生成する。
【0030】
記憶部19はRAMやROMで構成され、制御部17に用いられるプログラムが記録され、また、表示部16で表示する各種画像のテンプレートが記録されている。
【0031】
制御部17は、例えば、マイクロプロセッサ、記憶素子及びその周辺回路等を備えて構成され、これら操作入力部11、送信部12、受信部13、受信信号処理部14、画像処理部15、表示部16、送信信号処理部18、記憶部19を当該機能に応じてそれぞれ制御することによって超音波診断装置Sの全体制御を行う回路である。
【0032】
表示部16は、制御部17の制御に従って、画像処理部15で生成された超音波画像を表示する装置である。表示部16は、例えば、CRTディスプレイ、LCD、ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。
【0033】
一方、超音波探触子2は、振動部30を備える。振動部30は、図略の生体等の被検体Hに対して超音波を送信すると共に、被検体Hからの反射超音波を受信する。振動部30は、図3に示すように、圧電部32と、音響整合層33と、音響レンズ34と、反射層31と、FPC(Flexible printed circuits)35と、バッキング層36と、固定板37とを有する。
【0034】
図4は、圧電部32をz方向から見た模式図である。圧電部32は周期性が一軸方向(アジマス方向)のみの1次元状に複数の圧電素子321を備える。
【0035】
圧電部32は、圧電素子321における圧電現象を利用することによって電気信号と超音波との間で相互に信号を変換するものである。圧電部32は、超音波診断装置本体1の送信部12からケーブル3を介して入力された送信信号の電気信号を超音波へ変換して超音波を送信すると共に、受信した反射超音波を電気信号へ変換してこの電気信号(受信信号)を、ケーブル3を介して超音波診断装置本体1の受信部13へ出力する。超音波探触子2が被検体Hに当接されることによって圧電部32で生成された超音波が被検体H内へ送信され、被検体H内からの反射超音波が圧電部32で受信される。圧電材料には無機材料や有機材料が使用される。
【0036】
圧電部32における圧電素子321には、送信信号を圧電素子321に印加するための図示しない電極が形成されている。後述するように、圧電部32において超音波が共振せられるが、かかる超音波に比べて電極は十分薄いので、以下に説明する超音波の挙動には電極の存在は影響しない。従って、圧電素子321の反射層31に対向する面は、反射層31に接していると看做す。また、圧電部32に超音波が共振するとは、圧電部32内における圧電素子321内で超音波が共振することを示すものとする。
【0037】
圧電ユニット38は、圧電部32と反射層31とを有する。圧電ユニット38は、圧電部32内で所定の波長の超音波を共振させて送信する機能を有する。詳しくは後述する。
【0038】
圧電部32には、後述するFPC35から反射層31を通して形成される電極でショートしないように空隙の溝302が形成されている。
【0039】
音響整合層33は第1音響整合層331と、第2音響整合層332とを有する。
【0040】
音響整合層33は、圧電部32の音響インピーダンスと被検体Hの音響インピーダンスの間の値の音響インピーダンスを備えることで、圧電部32から送信される超音波を被検体Hに送信する際に、圧電部32と被検体Hとの音響インピーダンスの差に応じて生じる反射超音波を軽減する機能を有し、圧電部32で生じた超音波を被検体Hへ、また被検体H内で反射した超音波を圧電部32へ効率良く伝達することができる。
【0041】
本実施形態のごとく第1音響整合層331と第2音響整合層332の二つの音響整合層を備えることで、音響整合層が一つに場合に比べて、圧電部32と被検体Hの音響インピーダンスを徐々に変化させることができ、圧電部32と被検体Hの間で生じる反射超音波の大きさをより軽減することができる。なお、圧電部32から被検体Hへ音響インピーダンスが徐々に近づいていくように3層以上の音響整合層を形成すれば、さらに反射超音波の大きさを軽減できることは言うまでもない。
【0042】
音響レンズ34は、圧電部32から送信される超音波を測定箇所へ向けて集束させる機能を有する。
【0043】
反射層31は、両面が平行で表面が平滑な板状である。本願の平滑とは、研磨等の平滑化手段を施すことで平滑としている面であり、表面の算術平均粗さで表現すると、Raが5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下であり、特に好ましくは300nm以下である。表面の算術平均粗さRaの下限値は特にないが、1nm以下を作成することは非常に制作コストが必要となるため、1nm以上が好ましい。
【0044】
反射層31は、圧電部32の音響インピーダンスに比べて音響インピーダンスが大きい部分と小さい部分とを圧電部32に接する面に備えている。
【0045】
反射層31は、圧電部32で発生し、圧電部32内で共振する超音波の周波数(共振周波数)を決定する機能を有する。詳しくは後述する。
【0046】
FPC35はフレキシブルプリント基板であり、超音波探触子を電気的に制御するための回路が形成されている。
【0047】
バッキング層36は、超音波を吸収する材料から構成された部材であり、圧電部32からバッキング層36方向へ放射される超音波を吸収するものである。
【0048】
バッキング層36に用いられるバッキング材としては、天然ゴム、フェライトゴム、エポキシ樹脂に酸化タングステンや酸化チタン、フェライト等の粉末を入れてプレス成形した材料、塩化ビニル、ポリビニルブチラール(PVB)、ABS樹脂、ポリウレタン(PUR)、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PETP)、フッ素樹脂(PTFE)ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0049】
好ましいバッキング材としては、ゴム系複合材料及びまたはエポキシ樹脂複合材からなるものであり、その形状は圧電体や圧電体を含むプローブヘッドの形状に応じて、適宜選択することができる。
【0050】
バッキング材の厚さは、概ね1〜10mmが好ましく、特に1〜5mmであることが好ましい。
【0051】
固定板37は、バッキング層36を固定し、超音波探触子2に剛性を持たせたり、加工時に固定したりする機能を有するものである。
【0052】
次いで、圧電ユニット38の機能、すなわち圧電部32内で共振する超音波の共振周波数を決定する機能について説明する。
【0053】
図5と図6は、圧電部32内で共振する超音波の共振周波数を決定する機能についての説明図である。なお超音波の伝搬は縦波であるが、理解しやすいように横波表記している。
【0054】
圧電素子321は一定の帯域を有する超音波を発生させる。超音波は複数の波長の超音波を束ねたものであり、圧電素子321の面M1と面M2との間、または面M1と面M3との間で共振した超音波が増幅されて送信され、超音波診断に供される。
【0055】
共振に際しては、面M1と面M2、または面M1と面M3において超音波の腹、または節が形成される。具体的には、圧電素子321と外部の境界面において圧電素子321の音響インピーダンスが外部の音響インピーダンスより大きければ、その境界面は超音波にとって自由端となるので、超音波の腹が形成される。
【0056】
一方、圧電素子321と外部の境界面において圧電素子321の音響インピーダンスが外部の音響インピーダンスより小さければ、その境界面は超音波にとって固定端となるので、超音波の節が形成される。
【0057】
つまり、圧電素子321と外部の境界面において圧電素子321の音響インピーダンスが外部の音響インピーダンスに対して大きいか小さいかを制御することで、超音波が節を結ぶか腹を形成するかを制御することができるので、波長の大きさを制御することができることとなる。
【0058】
なお、ここでは最も基本的な現象について説明したが、実際には接する材料の音響インピーダンスの大きさや、境界面での音響インピーダンスの差の大きさによっても超音波の共振現象は変化しうる。従って、ここでは音響インピーダンスの大小関係と共振現象について、圧電部32の音響インピーダンスをZp、溝51の音響インピーダンスをZk、部材52の音響インピーダンスをZdとした場合、Zp≧Zkでは自由端反射、Zp<Zdでは固定端反射と定義する。
【0059】
図5において、反射層31は、凸部52と溝51とを有する。
【0060】
反射層31は、被検体H方向に存在する第1音響整合層331と接する面M1を有している。
【0061】
凸部52と溝51とは、紙面奥行き方向(x方向)に直線的に延在している。反射層31をz方向から見渡すと凸部52と溝51とがライン縞模様状に平行に繰り返される構造となっている。凸部52と溝51とは、各々一定の距離ピッチ(以下、単にピッチ)で配列されている。凸部52と溝51とで一組とした場合、場所に依らずに一定のピッチであることが製造容易性の面で好ましい。
【0062】
一方、凸部52と溝51とは、場所によって同一でない不定ピッチで配列されていてもよい。
【0063】
凸部52は、圧電部32に接する面M3を備え、圧電部32の音響インピーダンスに比べて音響インピーダンスが大きい部分である。
【0064】
溝51は、圧電部32に接する面M2を備え、圧電部32の音響インピーダンスに比べて音響インピーダンスが小さい部分である。
【0065】
面M3から、凸部52の深さ方向の面までの距離は、各凸部52毎に反射層31内で一定である。また、面M2から、溝51の深さ方向の面までの距離は、溝51毎に反射層31内で一定にしている。
【0066】
これは、凸部52の深さ方向の面から圧電部32方向に反射する超音波の大きさを各凸部52毎に一定にし、また同じく溝51の深さ方向の面から圧電部32方向に反射する超音波の大きさを各溝51毎に一定にすることで、超音波診断に与える影響を減ずるためである。
【0067】
図5では、溝51は、反射層31の表面を掘り込んだ形状となっているが、溝51が反射層31の下面まで到達していてもよい。なお、反射層31において、溝51の圧電素子321に接する面から、反対面までの距離を深さと表現する。また、反射層31において、凸部52の圧電素子321に接する面から、反対面までの距離も同様に深さと表現する。
【0068】
かかる圧電素子321は、溝51が圧電部32の音響インピーダンスに比べて音響インピーダンスが小さいので、面M1と面M2との間で共振する超音波w1は1/2波長共振を生じ、面M1、面M2ともに腹を形成する。
【0069】
また、凸部52が圧電部32の音響インピーダンスに比べて音響インピーダンスが大きい部分であるので、面M1と面M3との間で共振する超音波w2は1/4波長共振を生じ、面M1では腹を、面M3では節を形成する。
【0070】
図5では、面M1において腹を形成するとして波形状態を描いている。このように、超音波w1、w2は、面M1においては、共振時、腹の同じ波形状態となり、他方の面M2,M3において、異なる波形状態となるので、共振する波長が異なるので共振周波数が異なることとなる。
【0071】
具体的には、図5においては、波長が最も長くなるように描かれ、超音波w1の波長は超音波w2の波長の半分の大きさとなっている。また、図6のような場合には、超音波w1の波長は超音波w2の波長の1/4の大きさとなっている。
【0072】
このように、圧電部32の音響インピーダンスに比べて音響インピーダンスが大きい凸部52、と小さい溝51とは、互いに異なる材料を適宜選択して設定する。
【0073】
溝51に用いられる材料としては、Zp≧Zkを満たす材料であり、凸部52に用いられる材料としては、Zp<Zdを満たす材料である。
【0074】
特に圧電部32が有機圧電材料の場合、Zpは2〜4MRayl.のため、溝51に用いられる材料は、Zkが1.5〜4MRayl.のものが好ましい。また凸部52に用いられる材料は、Zdが5〜120MRayl.のものが好ましく、10〜40MRayl.のものがより好ましい。
【0075】
一方、圧電部32が無機圧電材料の場合、モノリシック、コンポジット(1−3、2−2、1−3−0)など様々な構造を取りうる。おおよそZpは10〜40MRayl.のため、溝51に用いられる材料は、Zkが1.5〜10MRayl.のものが好ましい。また凸部52に用いられる材料は、Zdが40〜120MRayl.のものが好ましく、40〜120MRayl.のものがより好ましい。
【0076】
溝51の音響照射軸方向の深さは0.001〜1mmが好ましく、また詳細には溝51,凸部52のうち、浅い方の深さが、駆動時の超音波の波長の5%以上であれば、境界条件の違いを明確に発現することができるので好ましい。さらには、溝51に侵入した超音波が溝51の底面で反射し、再度圧電部32に入ってノイズとならないように、面M2で打ち消しあうような溝の深さを設定することも好ましい。
【0077】
また、図5に示されているように、溝51,凸部52は、各圧電素子321内に、複数の共振が発生するように、エレベーション方向で比べると、圧電素子321の幅(エレベーションの長さ)より小さい幅を有していることが望ましい。各圧電素子321のエレベーション方向において、周期性を持たせたりしてもよいし、周期性を変化させて不定ピッチにしたりすることもできる。
【0078】
特に、エレベーション方向で比べると、溝51,凸部52の各々の長さは圧電素子321の長さの整数分の一であることが望ましい。また、溝51,凸部52の各々の長さは同一でなくともよい。また、場所によって異なっていてもよい。さらに、溝51と凸部52とで一組とした場合、この一組は周期的に並んでいてもよいし、非周期的に並んでいてもよい。ただし、溝51が圧電素子321に接する総面積と、凸部52が圧電素子321に接する総面積の比が0.5〜2.0であることが、各圧電素子内に複数の共振周波数を生じさせる点で好ましい。すなわち、全ての溝51が圧電素子321に接する総面積が、全ての凸部52が圧電素子321に接する総面積の0.5倍から1倍の間であり、または、全ての凸部52が圧電素子321に接する総面積が、全ての溝51が圧電素子321に接する総面積の0.5倍から1倍の間であることが好ましい。
【0079】
図7は、二軸方向に圧電素子321を有する圧電部32の模式図である。
【0080】
周期性が一軸方向、二軸方向の両方の場合においても、圧電素子321の長軸の長さをLとした場合、溝51と凸部52とを一組とした場合の周期性の繰り返しピッチは平均L/3以下であることが好ましい。
【0081】
このような2次元配置の圧電素子321に用いる電極も2次元状の電極となる。
【0082】
凸部52に用いられる材料としては、タングステン、タンタル、コバルト、モリブデン、ハフニウム、クロムなどの炭化物、窒化物、ホウ化物などがあげられる。好ましくは、タングステンカーバイド(WC、WC)、ホウ化タングステン(WB、W)、タンタルカーバイド(TaC)、窒化タンタル(TaN)、ホウ化タンタル(TaB)のような化合物から、金属単体、合金(例えばSUS)などである。
【0083】
溝51に用いられる材料としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の汎用樹脂、さらには前記汎用樹脂にフィラー、微粒子、微粉末を添加したものなどが利用できる。特にフィラーなど添加したものは、音響インピーダンスの調整が可能となるため好ましい。また圧電部32との接着性や超音波伝達の音響特性にも関係するため、エポキシ樹脂、シリコン樹脂が特に好ましい。
【0084】
図8は、反射層31の作製方法の一例の模式図である。図8の反射層31の作製方法においては、ダイサーを利用する。図8(a)に示すように、音響インピーダンスが圧電部32より大きい材料の平板91を用意し、この平板91をダイシングして溝92と凸部52を形成する。そして、図8(b)に示すように、音響インピーダンスが圧電部32より小さい値の材料を液状にし、溝92に流し込む。平板91の上面からはみ出る材料は除去する。液状の材料を乾燥させるためにオーブンにて焼成、もしくは硬化し、必要ならダイシング加工面の研磨を行い、溝51を形成する。そうして固体化された反射層31を得る。なお溝92を加工後に、溝92に流し込む材料を用いて圧電部32を接着し、溝92への材料充填と圧電部32との接着を同時に行うことも可能である。こちらの方が工程を短縮できるメリットがある。
【0085】
かかる作製方法によれば、凸部52圧電素子321と接する面からの深さが、溝51が圧電素子321と接する面からの深さより深くなる。
【0086】
図9は、反射層31の作製方法の他の例の模式図である。最初に、音響インピーダンスが圧電部32より大きい固体材料101と、音響インピーダンスが圧電部32より小さい値の固体材料102とを図9(a)に示すように複数枚張り合わせる。そしてカットラインCLに沿ってダイサーなどでカットし、図9(b)に示すように薄板状に形成する。この状態で反射層31が得られたことになるが、寸法の最適化や剛性強化のために、図9(c)に示すように、平板103を接合してもよい。
【0087】
図10は、得られた反射層31を用いて振動部30を組み立てる順番を示した模式図である。
【0088】
最初に図10(a)に示すように、予め積層しておいた音響整合層33と圧電部32と反射層31を接合する。次いで、図10(b)に示すように、圧電部32の信号線とグランド線がショートしないように、反射層31に、溝301を形成する。溝301は例えばダイサー等で形成される。その後図10(c)に示すように、予めFPC35、バッキング層36、固定板37を積層しておいたものを、FPC35と反射層31が接するように接着する。最後に図10(d)に示すように音響レンズ34を接着し、振動部30を得る。
【実施例】
【0089】
(超音波探触子2の作製)
反射層31について、5.1mm×52.5mm×100μmに成型したタングステンカーバイド板に、ダイシングにより幅40μm、深さ20μm、60μmピッチで長軸方向に溝入れした。次いで、形成した溝にエポキシ系樹脂C−1001A/B(株式会社テスク社製)を真空中で充填し、熱硬化後表面を算術平均粗さRaが2μm以下になるように研磨した。
【0090】
次いで、音響整合層33と圧電部32と反射層31をエポキシ系接着剤DP−460(3M社製)で、2.94×10Paの圧力下、50℃4時間で接着した。
【0091】
次いで、無機圧電素子を用いた圧電部32の信号線とグランド線がショートしないように、反射層31に、完全に切断した溝301をダイシングにより形成した。
【0092】
その後、パターニングされたFPC35、バッキング層36、固定板37を予め先と同様の接着条件で積層接着しておいたものを、FPC35と反射層31が接するように接着した。
【0093】
その後、長手方向(アジマス方向)に0.15mmピッチで20μmの厚みを有するブレードでダイシングを行った。さらに、パリレン処理にて3μm程度の絶縁層を設け、さらにその上に音響レンズ34を接着した。次いで、FPC35にコネクタを接続し、こうして作製した振動部30(超音波トランスデューサ)をケースに収め、超音波探触子2を作製した。
(比較探触子A、Bの作製)
超音波探触子2の構造中の反射層31を除いたものを作製し、比較探触子Aとした。また超音波探触子2の構造中の反射層31の溝入れ加工をしなかったものを搭載した探触子を比較探触子Bとした。
(超音波探触子の評価)
作製した超音波探触子2、比較探触子A、Bに、パルサーレシーバー(PANAMETRICS−NDT MODEL 5900PR、オリンパス社製、入力インピーダンス5000Ω)とオシロスコープ(TPS5032、Tektronix社製)を接続し、脱気した水の中に入れ、超音波放射面側に金属製の反射板を配置した。送受信した超音波は、電気信号に変換され、オシロスコープでその電圧波形を確認した。超音波探触子2と反射板とのアライメントは、電圧波形の実効値が最大となる座標で決定した。アライメントの後、超音波の送受信を行い、FFT解析をかけた周波数特性を比較した。その結果を図11に示す。横軸は周波数、縦軸は感度を表す。また各々の特性について、最大感度から−6dBにおける帯域幅(MHz)と中心周波数(MHz)、比帯域(%)(帯域幅/中心周波数×100)をそれぞれ求め、表1に示した。
【0094】
本発明にかかる超音波探触子2の比帯域は比較探触子A,Bに対して大きくなっていることが分かる。すなわち、超音波探触子2は比較探触子A,Bに対して広帯域化が可能となった。
【0095】
【表1】

【0096】
以上のように、本実施形態によれば、圧電素子の背面に反射層を設けている超音波探触子において、前記反射層は両面が平行で表面が平滑な板状であり、前記反射層の前記圧電素子と接する面は、音響インピーダンス値が前記圧電素子より大きい材料Aと音響インピーダンス値が前記圧電素子より小さい材料Bがライン縞模様状に平行に繰り返される構造であり、前記材料Aの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離と、前記材料Bの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離とは前記反射層内で各々一定であることから、
前記材料Aの深さ方向の面から圧電部32方向に反射する超音波の大きさを前記材料A毎に一定にし、また同じく前記材料Bの深さ方向の面から圧電部32方向に反射する超音波の大きさを前記材料B毎に一定にすることで、
超音波探触子の送信帯域の広帯域化を図りつつ、反射層からの不要な反射の影響を減じて高精細な超音波画像を得ることが可能な超音波探触子を提供できる。
【0097】
また、他の実施形態によれば、前記材料Aと前記材料Bの各々が前記圧電素子と接する面からの各々の深さは、前記圧電素子が送信する超音波の主波長の5%以上であり、前記材料Aが前記圧電素子と接する面からの深さが、前記材料Bが前記圧電素子と接する面からの深さより深いことから、前記材料Aと前記材料Bの各々が前記圧電素子と接する面における境界条件の違いを明確に発現することができる。さらに、音響インピーダンスが前記圧電素子より大きい材料に対して、溝を形成し前記圧電素子よりインピーダンスが小さい値の材料を液状にして流し込むという簡易な方法で製造できることとなる。
【0098】
また、他の実施形態によれば、材料Aと材料Bとの一組が一定の距離ピッチで形成されていることから、製造容易性な超音波探触子を提供できる。
【0099】
また、他の実施形態によれば、前記距離ピッチは、前記圧電素子のエレベーション方向の長さまたはアジマス方向の長さよりも小さいことから、一つの圧電素子内で複数の異なる共振状態を生成することが可能な超音波探触子を提供できる。
【0100】
また、他の実施形態によれば、圧電素子の背面に反射層を設けている超音波探触子の製造方法において、前記反射層は、両面が平行で表面が平滑な板状であり、前記圧電素子と接する面は、音響インピーダンス値が前記圧電素子より大きい材料Aと音響インピーダンス値が前記圧電素子より小さい材料Bがライン縞模様状に平行に繰り返される構造であり、前記材料Aの圧電素子と接する面からの深さ方向の距離と、前記材料Bの圧電素子と接する面からの深さ方向の距離とは各々一定であって、前記材料Aの平面である表面に、直線ライン状の一定深さの溝を平行に複数設け、該溝を前記材料Bにより埋め、前記表面を平滑面に研磨する工程を有することから、前記反射層を容易に作製可能であるので、低コスト、高歩留りで広帯域化された超音波探触子を容易に製造可能な製造方法を提供できる。
【0101】
また、他の実施形態によれば、前記材料Bの前記圧電素子と接する面からの深さは、前記圧電素子が送信する超音波の主波長の5%以上であることから、前記材料Aと前記材料Bの各々が前記圧電素子と接する面における境界条件の違いを明確に発現することができる超音波探触子を容易に製造可能な製造方法を提供できる。
【符号の説明】
【0102】
1 超音波診断装置本体
2 超音波探触子
3 ケーブル
4 超音波プローブフォルダ
11 操作入力部
12 送信部
13 受信部
14 受信信号処理部
15 画像処理部
16 表示部
17 制御部
18 送信信号処理部
19 記憶部
30 振動部
31 反射層
32 圧電部
33 音響整合層
331 第1音響整合層
332 第2音響整合層
34 音響レンズ
35 FPC
36 バッキング層
37 固定板
51 溝
52 凸部
H 被検体
S 超音波診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子の背面に反射層を設けている超音波探触子において、
前記反射層は両面が平行で表面が平滑な板状であり、
前記反射層の前記圧電素子と接する面は、音響インピーダンス値が前記圧電素子より大きい材料Aと音響インピーダンス値が前記圧電素子より小さい材料Bがライン縞模様状に平行に繰り返される構造であり、
前記材料Aの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離と、前記材料Bの前記反射層の圧電素子と接する面からの深さ方向の距離とは前記反射層内で各々一定であることを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
前記材料Aと前記材料Bの各々が前記圧電素子と接する面からの各々の深さは、前記圧電素子が送信する超音波の主波長の5%以上であり、前記材料Aが前記圧電素子と接する面からの深さが、材料Bが前記圧電素子と接する面からの深さより深いことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
材料Aと材料Bとの一組が一定の距離ピッチで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波探触子。
【請求項4】
材料Aと材料Bとの一組が不定の距離ピッチで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波探触子。
【請求項5】
前記距離ピッチは、前記圧電素子のエレベーション方向の長さまたはアジマス方向の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の超音波探触子。
【請求項6】
圧電素子の背面に反射層を設けている超音波探触子の製造方法において、
前記反射層は、両面が平行で表面が平滑な板状であり、前記圧電素子と接する面は、音響インピーダンス値が前記圧電素子より大きい材料Aと音響インピーダンス値が前記圧電素子より小さい材料Bがライン縞模様状に平行に繰り返される構造であり、前記材料Aの圧電素子と接する面からの深さ方向の距離と、前記材料Bの圧電素子と接する面からの深さ方向の距離とは各々一定であって、
前記材料Aの平面である表面に、直線ライン状の一定深さの溝を平行に複数設け、該溝を前記材料Bにより埋め、前記表面を平滑面に研磨する工程を有することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項7】
前記材料Bの前記圧電素子と接する面からの深さは、前記圧電素子が送信する超音波の主波長の5%以上であることを特徴とする請求項6に記載の超音波探触子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−129595(P2012−129595A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276717(P2010−276717)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】