説明

超音波流体送達装置、及び超音波エネルギを用いて流体を身体に送達する方法

本発明は超音波流体送達装置、及び身体の管腔、内腔及び組織の深くへの流体送達を可能にする超音波流体送達装置を用いる方法に関する。装置内の流体は超音波エネルギを受け、流体速度を生じて高速度で低圧の流体ストリームを生成するように加速される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波流体送達装置、及び流体を身体に導入するのに有用な超音波エネルギを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な身体の感染症、状態、病気及び疾病(以降、一まとめに「疾患」とする。)は、限定しないが、化学化合物、薬品、小分子、タンパク質、遺伝子及び/又はその組合せのような薬理学的に活性化した化合物(一般的に、「薬剤」とする。)に対する疾病部位の隔離性により、薬理学的に治療するのが困難である。このような部位は限定しないが、尿道、洞、膣、子宮、外耳、肺、胸腔及び結腸のような身体管腔及び体腔と、限定しないが、骨のような血管分布の少ない組織とを含んでいる。生物学分野外でその他の場合について通常考えられるが、管腔及び体腔は身体の外側にある。このやや逆説的な状態は経口服用の薬剤が運搬されて泌尿器系の構成部分である尿道に到達する経路を考えることによって、最良に理解されうるであろう。
【0003】
薬剤を含む丸剤は、嚥下後胃及び/又は小腸内でまず溶解され、それによって小さな薬剤分子を遊離する。小さな薬剤分子は小腸壁を形成する細胞内に細胞表面上の輸送分子によって運搬される。代替的に薬剤は細胞膜を通って拡散するか、細胞膜内に位置した細孔を通過するかによって、小腸細胞自体に直接的に渡すことができる。一度細胞が小腸壁を形成すると、薬剤分子は同様のメカニズムによって患者の血流内に輸送される。次いで、薬剤分子は血液内にある様々な要素によって、分解及び/又は不活性を受けて患者の血流全体にわたり拡散する。血流は更に、限定しないが腎臓や肝臓のような分解、不活性及び/又は排出の可能性のある部位に薬剤分子を輸送している。広範に拡散した分布、不活性、分解、及び/又は排出による希釈にも拘わらず、薬剤分子の一部は尿道に隣接する血流領域に到達する。しかしながら、尿道内の疾病を有効に治療するためには、薬剤は尿道を形成する細胞によって血流外に摂取され、その後尿道のオープンスペースに沈積されなければならない。薬剤分子は更に尿内への排出によって尿道に到達でき、尿道のオープンスペースを通って流れる。不幸なことに、尿は一定のpHで保たれず、薬剤分子を不活性及び/又は分解するのに十分に酸性又は塩基性になりうる。
【0004】
血管分布及び/又は灌流の少ない組織内の疾患に関しては、薬理学的治療は血液供給が少ないことにより限定される。ほとんどの体内への薬剤送達の方法は血流に依存して、薬剤分子を治療すべき疾病部位に送達している。従って、送達される薬剤量が疾病部位に送達される血液量と明確に関連する。よって、減弱し、低減し、低下した、又は小さな血液供給は、薬理学的治療にほとんどアクセスできない。様々な医療装置及び手順が、管腔、開放した体腔、及び/又は灌流の少ない組織内に位置した疾患について薬理学的治療を補うために開発されてきた。
【0005】
カテーテル式薬剤送達方法及び装置は、薬理学的治療の限界を超克するために開発された。管腔又は体腔にカテーテルを挿入し、カテーテルを通してあるいはカテーテルから薬剤を注入することは、疾病部位にアクセスする薬理学的な活性化合物を与える。尿道のような小さい、あるいは狭い身体管腔を介してカテーテルを通すことは患者を不快にする。カテーテルを挿入する際に創傷を与えることは、管腔あるいは体腔の内壁での感染症が血流に入ることを可能にし、これにより、身体全体に感染症を拡げるような重大な合併症を引き起こす。更に、カテーテルを挿入する際に治療すべき疾病部位を探すことは困難である。
【0006】
浅い身体の管腔又は内腔内で、疾病治療用薬剤の送達限界を超克するために、クリーム及び他の医用軟膏剤が開発されてきた。クリーム又は軟膏剤は指、スワブ又は同様の手段で内腔の壁に拡げられる。これらのクリーム及び軟膏剤は有効であるが、それらの使用が複雑であり、漏出し、または塗布するのがしばしば不快であるため、通常は患者によって好まれない。
【0007】
洞のような、クリームの塗布を許容するほど十分にアクセスできない体腔及び/又は管腔へ薬剤を送達することは、様々な噴霧器及び/又は懸濁装置で得られてきた。当該技術分野で公知の例示的な装置は、経鼻噴霧器及び吸入器である。これらの装置は一般的にポンプ又はエアロゾルの使用を通して噴霧又はミストを生成する。しかしながら、経鼻噴霧器及び吸入器を用いて開放した内腔内の深くに薬剤を送達することは困難である。深くへの薬剤送達を得ることの困難さは、これらの装置によって生成される低圧低速度の噴霧によるものである。噴霧又はミストの生成は一般的に、薬剤を加圧して送達させ、その後、小さな開口部を通って薬剤を送り出すことによって得られる。薬剤を送達すべき内腔又は管腔内の組織を損傷するのを防ぐために、低圧を用いて薬剤送達を駆動する。圧力は薬剤送達を駆動する唯一の力であるから、低圧の使用は薬剤浸透の深さを制限する低速噴霧を生成する。結果的に、このような装置から体腔又は管腔内深くの疾患部分に薬剤を送達することは困難である。
【0008】
骨は赤血球及び白血球の合成部位であるため、骨、特に骨髄の完全性を保持することは、患者の健康を維持するのに臨床上重要である。白血病及び/又は骨髄炎のような骨内の疾患は、貧血及び損傷した免疫系を生じさせうる。このような状態を治療することは、薬剤が骨組織に十分に浸透しない可能性のために苦痛のある外科手術を伴う。白血病の場合、患者は不健全な骨髄がドナーからの健全な骨髄に置換される有痛性の骨髄移植でしばしば治療される。骨髄炎の治療に関しては、外科的な壊死組織切除が主要な療法である。外科手術中に、骨は開口され、疾患組織は削り落とされる。壊死組織切除方法は大きな骨性欠損(死腔)をしばしば残す。血管新生が少ない場合、死腔の存在が患者を持続性感染症にさせる。結果的に、壊死骨組織が丈夫な血管新生された組織と置換される。外部又は内部固定のような安定化の後に、壊死組織切除が必要となりうる。内部固定装置はしばしば感染し、患者に有痛性の合併症を生じさせる。外部固定は重労働になり、平均して8.5ヶ月の治療延長期間を要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
超音波薬剤送達装置は薬剤療法の制限部分を超克する試みの中で開発されてきた。D’Angeloらに対する特許第5,405,614号、Henleyに対する特許第5,415,629号、Lipkovkerに対する特許第5,421,816号、Henleyに対する特許第5,538,503号、Henleyに対する特許第5,658,247号、Henleyに対する特許第5,667,487号、Johnsonらに対する特許第5,947,921号、Kostらに対する特許第6,041,253号、Kostらに対する特許第6,190,315号、Roeらに対する特許第6,234,990号、D’Saらに対する特許第6,322,532号、及びRoweらに対する特許第6,491,657号は、超音波エネルギを用いて患者の皮膚を横切る薬剤を駆動する経皮性超音波薬剤送達装置を記述している。しかしながら、限定されないが骨髄のような深部の組織に薬剤を送達することは、これらの装置で得るのは難しい。本願発明者の特許第6,601,581号は、超音波エネルギを用いて微細な薬剤ミストを生成する超音波吸入器について述べている。肺や気管支に薬剤を送達するのに有効であるが、この装置は管腔や体腔内の深部への薬剤送達を可能にする十分な速度の噴霧を生成できない。
【0010】
薬剤は身体の様々な疾患を治療するのにしばしば有効であるが、常に必要なわけではない。身体の多くの疾患は発症部位を洗浄及び/又はフラッシュすることにより簡単に治療できる。限定されないが生理食塩水又は水のような、単一の薬剤なしの流体で洗浄及び/又はフラッシュすることは、薬剤が有しうる様々な副作用及び合併症を避ける利点を有している。不幸なことに、体腔、身体の管腔、及び灌流の少ない組織を洗浄及び/又はフラッシュする実用性は、薬剤送達である場合、発症した管腔、内腔及び灌流の少ない組織に深く流体を送達できる装置の欠如によって妨げられている。
【0011】
現在の装置及び従来の投与経路で身体の管腔、体腔、及び灌流の少ない組織を洗浄及び/又はフラッシュすることを許容すべく治療に有効な薬剤濃度を得る困難性は、身体の管腔、体腔、及び灌流の少ない組織に深く浸透するのに十分な速度で、かつ、流体ストリームが注入される身体の管腔、体腔、及び灌流の少ない組織に対し有害でない圧力で、流体ストリームを射出できる新規の送達装置に対するニーズを生じさせている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は超音波トランスデューサと、超音波ホーンと、当該ホーンを少なくとも部分的に通過するチャネルと、ホーンの遠位端にある緩衝グロメットと、を具える超音波流体送達装置に関する。本発明の装置は前記チャネルに注ぐ流体供給部を更に具えることができる。超音波ホーンのチャネル内の流体はホーンから発する超音波エネルギを受け、流体の速度はより高速度、低圧の流体ストリームを生成するように加速される。本発明は身体の管腔、内腔及び組織深くへの流体送達を可能にする。
【0013】
本発明で身体の管腔、内腔及び組織の疾患を治療するステップは、最初に適切な流体を選択するステップを必要とする。流体を選択するステップは、現存する疾患を治療すると知られている、又は、考えられている特性を有する薬理学的に活性な化合物又は薬剤を具える液体が有用である。代替的に、選択した流体は汚染物質、感染性微生物、細菌、真菌、埋伏物質、垢、壊死組織片、壊死組織、及び/又は他の所望されない要素のある、治療すべき管腔、内腔及び/又は組織(以降、「治療部位」とする。)を洗浄するのに理想的な特性を有することができる。ホーンの内部チャネルに放出される超音波エネルギの治療部位への伝達を可能にするために、ホーンの内部チャネルを治療部位と連結することができる流体を選択するステップが、更に有用となる。連結した超音波エネルギは治療部位内のキャビテーションを誘起できる。連結された超音波エネルギは付着物を溶解し、治療部位から所望されない要素を除去し、治療部位内の健常組織の成長を促進し、治療部位内の所望されない組織の成長を遅延する、及び/又は死滅させ、治療部位内の所望されない組織を成長遅延及び/又は死滅させ、治療部位内の感染性微生物を成長遅延及び/又は死滅させ、治療部位の近傍内及び近傍にある細胞への薬剤の流入を増大し、及び/又は、他の能動的な治癒有用性を提供するのを手助けする。選択した流体は上述の特性の総て又は一部を有することができる。
【0014】
本発明の超音波流体送達装置は更に予防目的で用いられうる。例えば、本発明は治療部位内の疾患を発生する可能性を防止及び/又は低減するために、治療部位を洗浄するのに用いられうる。本発明を用いて、ビタミン、ミネラル、薬剤、及び/又は、治療部位に能動的な効果を与えると知られる及び/又は考えられる他の要素を具える流体を送達するステップは更に、治療部位の特有の機能を保存し、そこでの疾患の発生を防止するのを助ける。限定しないが、排卵、受精及び/又は着床といった生物学的プロセスが治療部位内で生じるのを防ぐステップは更に、本発明を用いて、所望されないプロセスを遅延させると知られている及び/又は考えられてる特性を有する流体を治療部位に送達することによって得られうる。逆に、限定されないが、便通、免疫抑制、ヒスタミン阻害、及び/又は気管支拡張のような所望の生物学的プロセスの発生を誘起するステップは、本発明を用いて、所望されるプロセスを促進させると知られている及び/又は考えられてる特性を有する流体を治療部位に送達することによって得られうる。
【0015】
一度流体が選択された場合、現存すれば流体供給部、あるいは、超音波ホーン内のチャネル内に充填される。流体供給部が用いられる場合、シリンジ、ポンプ、重力送り装置を有するタンク、ピペット、及び/又は超音波ホーンのチャネル内に流体を供給できる同様の装置にできる。1セット及び/又は所定量の流体を送達でき、または、そうでない場合に、送達流体量を表示あるいはモニタリングできる流体供給部を利用するステップにより、本発明のユーザが送達流体量をモニタリング及び/又は投与するのを可能にする。流体供給部は可撓性ホースにより超音波ホーンに連結されうる。ホーンから流体供給部への振動の伝達を緩衝、防止及び/又は低減する場合、可撓性ホースは流体供給部の針及び/又は精巧なチップが操作中に破壊及び/又は剪断するのを防いでいる。
【0016】
流体送達前に、まだアクセス可能になっていない場合は、治療部位はアクセス可能にされなければならない。アクセス可能な治療部位は、自然発生した、あるいは生成された外側開口部及び/又はその中に導く外部にアクセス可能な開口部を具えるものである。治療部位に導く開口部が、治療すべき疾患の結果として生成された潰瘍又は創傷を具える場合、自然発生した開口部とみなされる。治療部位がアクセス不能である場合、開口部を生成すべきである。第2の開口部の生成は選択された流体の複数部位から治療部位への送達を可能にしている。複数の開口部から流体を送達することは、選択された流体の治療部位へのより均一な送達を提供できる。代替的に、第2の開口部は治療部位内の送達された流体及び/又は液体のドレナージを可能にし、それによって、治療部位から遊離した所望されない要素の排出を可能にする送達された流体のための放出点を提供できる。自然発生か生成されたかにかかわらず、治療部位に導く開口部は、カニューレの開口部内への刺入によって開口部の閉鎖を防ぐように補強できる。
【0017】
適した流体を選択し、流体供給部を準備し、必要に応じて開口部が治療部位に導く場合、本発明のユーザは適切な緩衝グロメットを選択する。適切な緩衝グロメットを選択するステップは、治療部位に延在する開口部の考慮を必要とする。選択したグロメットの遠位端は、開口部内に好適に挿入すべきグロメットの少なくとも一部分を許容するように十分に小さい外周部を有することができる。代替的に、選択されたグロメットの遠位端の外周部は、患者の身体を圧迫する際にグロメットが開口部を包囲するのを可能にするほどに大きくできる。グロメット内への第2のチャネルの取込みは、治療部位からの送達された流体及び/又は液体のドレナージを可能にし、治療部位から遊離した所望されない要素の排出を可能にする。グロメットの選択は適した流体の選択前又はそれと同時に生じうる。グロメットの少なくとも一部分はホーンから患者及び/又は開口部への振動の伝達を緩衝、防止及び/又は低減できなければならない。振動の伝達を緩衝、防止及び/又は低減する場合、緩衝グロメットは、限定しないが超音波火傷及び/又は組織裂けのような患者に対する創傷の発生を防止及び/又は低減する。
【0018】
緩衝グロメットを選択及び/又は取付けた後に、密封部がグロメットと治療部位に導く開口部との間に形成される。トランスデューサがその後活性化される。流体供給部が利用される場合、選択された流体は超音波ホーンのチャネルに伝達される。流体がチャネルを通過する場合、流体が超音波エネルギによって加速され、より高速な流体ストリームとして、グロメットの遠位端から治療部位に射出される。流体供給部が用いられない場合、選択された流体はホーンからチャネル内に発する超音波エネルギによってホーン内のチャネルから加速及び射出され、治療部位に注入される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は好ましい実施例の図によって図示及び記述され、明確に詳細に理解される。
【0020】
【図1】図1は、本発明の超音波流体送達装置の実施例の断面図を示している。
【図2】図2は、本発明の超音波流体送達装置の実施例の分解図を示している。
【図3】図3は、超音波ホーンに緩衝グロメットを取付ける代替的な手段の例示である。
【図4】図4は、本発明の超音波流体送達装置を用いた、緩衝グロメットの例示的な構造を示している。
【図5】図5は、本発明で様々な治療部位内の疾患を治療する方法を示すフローチャートを含んでいる。
【図6】図6は、本発明の流体送達装置の実施例での骨髄治療の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示されているのは、超音波流体送達装置の実施例の断面図である。流体送達装置は超音波トランスデューサ101と、当該トランスデューサ101の遠位端103に取付けられた超音波ホーン102と、当該ホーン102を少なくとも部分的に通過するチャネル104と、前記ホーン102の遠位端106に取付けられた緩衝グロメット105とを具えている。トランスデューサ101は近位面108を有する近位端107を具えている。当該近位端107の逆側に、トランスデューサ101は遠位面109を具える遠位端103を有している。トランスデューサ101の近位端107と遠位端103との間に延在するのはラジアル面110である。ホーン102は、近位面112を有しトランスデューサ101の遠位端103に取付けられる近位端111を具える。当該近位端111の逆側に、ホーン102は遠位面113を具える遠位端106を有している。ホーン102の遠位端106と近位端111との間に延在するのはラジアル面114である。緩衝グロメット105はホーン102の遠位端106に取付けられた近位端115を具えている。当該近位端115の逆側に、グロメット105は遠位端116を有する。グロメット105の近位端115から遠位端116まで延在するのはチャネル117であり、ホーン102内のチャネル104と連通している。チャネル104はホーン102のラジアル面114に生成された近位端118と、ホーン102の遠位端103内で開口する遠位端119とを具えている。
【0022】
流体送達装置はチャネル104の近位端118と連通する少なくとも1の流体供給部120を更に具えている。示したように、チャネル104はホーン102の近位端111、あるいはその近傍にあるラジアル面114内で始めることができる。代替的に、チャネル104は少なくともトランスデューサ101の一部分を更に通過できる。このような実施例においては、チャネル104は互いに連通した2のチャネルを考慮できる。第1のチャネルはトランスデューサ101の遠位面109以外の面に生成され、第2のチャネルに開口する前に少なくとも部分的にトランスデューサ101を通って延在するチャネルである。第2のチャネルはホーン102の近位端109内で生成され、ホーン102の遠位端106で開口する前に、ホーン102を通って延在するチャネルである。図1に示した流体供給部は一般的な注射器である。チャネル104に流体を分散できる他の流体供給部は限定されないが、ポンプ、重力送り装置を有するタンク、及び/又はピペットを具え、同様に有効にできる。本発明の流体送達装置は、選択された流体供給部の精巧なチップ及び/又は針の破壊及び/又は剪断を防ぐように、チャネル104に流体供給部120を結合する可撓性ホース121を更に具えることができる。流体供給部120によりチャネル104内に分散された流体がチャネル104を流下すると、超音波エネルギがホーン102から流体に射出され、それにより流体の流速を加速する。流体は次いでより高速な流体ストリーム123としてグロメット105の遠位端から射出される。
【0023】
単一の超音波ホーン内のチャネルと、流体供給部とのみを具える実施例が図1に示されているが、多数のホーン内のチャネルと多数の流体供給部とにできる。同一あるいは多数のチャネルに連結された複数の流体供給部の組込みは、単一治療期間中、多数の流体の治療領域への送達を可能にする。
【0024】
図2は図1に示した流体送達装置の実施例の分解図を示している。示したように、超音波ホーン102は機械的手段によってトランスデューサ101に取付けられうる。示した機械的手段は、ホーン102の近位端111上にねじ山突起部201を具え、合致するねじ山溝部202はトランスデューサ101の遠位端103にある。他の機械的手段を用いて、ホーン102をトランスデューサ101に取付けることができる。代替的に、ホーン102及びトランスデューサ101は固体部分として形成でき、あるいは限定しないが操ることによって永続的に取付けられた2の個別部分から構成できる。更に別の代替的な実施例においては、ホーン102とトランスデューサ101は接着剤によって永続的又は一時的に取り付けできる。ホーン102をトランスデューサ101に取付けるために選択される手段は、トランスデューサ101に生成された振動のホーン102への伝達を可能にし、操作中にトランスデューサ101からのホーン102の分離を防がなければならない。ホーン102の遠位端106での隆起リッジ203は、緩衝グロメット105の内面にある溝部(可視せず)に合致する。一つおきに、ホーン102の遠位端106は多数の隆起リッジ203を含むことができる。
【0025】
限定しないが、対応するねじ山隆起部及び溝部のような他の機械的手段は、図3A及び3Bに示されるように、緩衝グロメット105をホーン102に取付けるのに用いられうる。図3Aに示されたように、ホーン102の遠位端で配置されたねじ山隆起部301は、チャネル117内のねじ山部分302によって、及び、グロメット105の近位端115で受け取られる。図3Bに示されているのは、グロメット105の近位端115でのねじ山隆起部303が、ホーン102の遠位端106でのねじ山溝部304によって受け取られる代替的な実施例である。流体の流れを可能にするために、ねじ山突起部301及び303がそれぞれ通過するチャネル305及び306を具えることが所望される。同様に、ねじ山溝部304は超音波ホーン102内のチャネル104と連続することが所望される。
【0026】
代替的に、緩衝グロメット105は接着剤によって超音波ホーン102に取り付けできる。グロメット105をホーン102へ取付ける他の手段は、選択された手段が操作中にグロメット105からのホーン102の分離を防ぐ場合に利用できる。
【0027】
図2に戻り、チャネル104の近位端118に配置されたポート122は、可撓性ホース121用の取付地点である。ポート122は隆起した突起部として示されるが、限定しないがホース121が挿入及び/又は接着されうる溝部のような、ホーン102を通過するチャネル104にホース121を取付ける他の手段は、操作中にチャネル104からのホース121の分離を防ぐ場合に同様に有効である。
【0028】
流体供給部から超音波ホーン内のチャネルへの流体の中途での漏出を防ぐために、バルブは流体供給部とチャネルとの間に配置されうる。同様に、超音波ホーン内のチャネルから治療部位への流体の中途での漏出を防ぐために、バルブはチャネルの遠位端に、又はその近傍、及び/又は緩衝グロメット内部に配置できる。
【0029】
超音波ホーン102は、約15kHz乃至約40MHzの間の周波数でトランスデューサ101により振動すべく誘起された場合、内部のチャネル104に超音波エネルギを射出する。誘起された超音波振動の振幅は少なくとも約1ミクロンにすべきである。誘起された超音波振動の好ましい低周波数範囲は、約15kHz乃至約200kHzであり、約20kHz乃至約60kHzの推奨周波数を有している。好ましい低周波数振幅は、約15ミクロンから約250ミクロンまでの範囲であり、約50ミクロンの推奨振幅を有している。誘起された超音波振動の好ましい高周波数範囲は、約1MHz乃至約20MHzであり、約1MHz乃至約2MHzの推奨周波数を有している。好ましい高周波数振幅は、約1ミクロンから約10ミクロンまでの範囲であり、約5ミクロンの推奨振幅を有している。
【0030】
要素101として図1及び2に示された超音波トランスデューサは発電機によって駆動でき、電力とトランスデューサを駆動する信号とを提供する。発電機は個別のユニットにでき、及び/又は、トランスデューサと統合できる。発電機は限定しないが従来の壁付きコンセントのような、外部電源によって動力供給される。発電機は更にバッテリのような内部電源を有することができる。
【0031】
緩衝グロメットの遠位端は治療部位に導く開口部内に合致し、それに対する相対的な密封部を形成するようにサイズ調整すべきである。代替的に、緩衝グロメットの遠位端は治療領域に導く開口部を包囲し、患者の身体に対し密封部を形成するようにサイズ調整できる。更に、緩衝グロメットは超音波ホーンから患者の身体への振動伝達を緩衝、防止、及び/又は低減する(以降、「振動伝達を遮断する」とする)ように構築及び/又は構成すべきである。振動伝達を遮断するステップは、ゴム、プラスチック、シリコン、及び/又は、伝達振動を吸収、防止、低減及び/又は緩衝できる(以降、「緩衝特性」とする)他の化合物から生成される緩衝グロメットの少なくとも一部分を構成することによって得られうる。緩衝特性を有する化合物から構成された緩衝グロメットの一部分は、このような化合物から構成されないグロメット部分と分離するように配置すべきである。代替的に、緩衝特性を有する化合物から構成された緩衝グロメットの一部分は、超音波ホーンからグロメットの遠位端への振動伝達を遮断するようにグロメットの近位端にある。緩衝特性を有する化合物から緩衝グロメットの遠位端を構成することは更に有効にできる。代替的に、緩衝グロメットは、少なくともその一部分が超音波ホーンから患者への振動伝達を機械的に遮断できる(以降、「機械的な緩衝特性」とする。)ように、構成できる。このような機械構成は限定されないが、ダッシュポット、コイルばね、板ばね、及び/又はその任意の組合せを具えることができる。機械的な緩衝特性を有する構成が用いられる場合に、緩衝特性を有する化合物の使用が必要とされない。限定しないが膣を通過して子宮にアクセスする場合のように、装置が治療領域に導く開口部にアクセスするように、ある管腔及び/又は開放体腔を通って挿入できる場合、緩衝グロメットは超音波ホーン及び/又はトランスデューサから射出される振動から通過させた管腔及び/又は内腔を保護するように構築及び/又は構成すべきである。
【0032】
図4に示したのは、本発明の超音波流体送達装置で用いる緩衝グロメットの例示的な構造である。いくつかの特定例のみが示されているが、多くの構成が可能である。結果的に、図4に示され、以下に述べた構造は、例示的で制限されないことのみを示している。図A、B、C及びDは緩衝特性を有する化合物から総て構成された緩衝グロメットの例示的な構造を示している。図4Aは針状構造を有する緩衝グロメットの外観及び断面図を示している。小さな開口部に合致できる場合、針状構造は限定しないが尿道、潰瘍及び/又は創傷のような狭い開口部を通してアクセス可能な治療部位に流体を送達するのに理想的に適している。図4Aに示した針状グロメットは、総ての緩衝グロメットと同様に、グロメットの近位端115から遠位端116まで通過するチャネル117を含んでいる。チャネル117内に配置された溝部401は、超音波ホーンの遠位端に配置されたリッジを受け、グロメットをホーンに機械的に固定する。上述のように、ホーンをグロメットに取付ける他の手段は等しく有効である。図4Bは限定しないが、鼻孔、肛門、及び/又は膣のような中程度あるいは大きな開口部によりアクセス可能な治療部位への流体送達に良く適した緩衝グロメットの外観及び断面図を示している。図4Cは2つの円形遠位端116と、内部チャネル117から分岐し、患者の鼻孔の双方を同時に通って洞に流体を送達するのに良く適した遠位端116で開口する第2のチャネル402とを有する緩衝グロメットの外観及び断面図を示している。図4Dは治療部位を灌注するのに良く適した第2のチャネル403を更に具える円形構造を有する緩衝グロメットの外観及び断面図を示している。チャネル117と異なり、流体供給部からの流体は、チャネル403を通して供給されない。どちらかと言えば、チャネル403は治療部位に送達された流体及び/又は治療部位内の体液を排出点として作用している。チャネル403は収集タンク、及び/又は、消費した流体及び/又は漏出した体液を収集し含有できる他の手段に連結される。
【0033】
図5は本発明の超音波流体送達装置で身体の管腔、内腔及び/又は組織内の疾患を治療する方法を示すフローチャートを含んでいる。前述の記載を読者の脳裏でより具体的にするために、この方法は限定しないが骨髄炎及び/又は白血病のような骨髄の疾患を治療することについて述べている。身体の任意の組織、内腔及び/又は管腔が前述の記載において骨髄と置換できることは留意すべきである。ボックス1に示したように、この方法は、骨髄に送達すべき適切な流体を最初に選択するステップから始まる。理想的には選択された流体は限定しないが、所望されない癒着を溶解すること、感染性有機体を死滅させること、感染性有機体の成長を停止すること、癌性細胞を死滅させること、癌性細胞の成長を阻害すること、健常細胞の成長を促進すること、骨髄から感染性有機体をクレンジングすること、骨髄から疾患細胞をクレンジングすること、骨髄から壊死組織をクレンジングすること、又はそのいずれかの組合せのような骨髄に対する治療上の恩恵を提供すべきである。理想的には、選択された流体は意図された治療上の恩恵を得るのに必要となる以上に、健常組織の成長を傷害及び/又は阻害すべきではない。骨髄の生検は適切な流体を選択することにおいて、本発明のユーザを補助する。除去された骨髄を培養することにより、治療すべき疾患を生じさせる感染性微生物をユーザが同定するのを可能にする。骨髄の生検によって更に本発明のユーザが治療すべき白血病の特定の形態を同定するのを可能にする。存在する感染性微生物及び/又は特定の白血病を同定することによって、存在する感染症及び/又は白血病を治療するのに有効であると知られ、及び/又は、考えられる流体を選択することを可能にする。他の診断及び/又は適した流体の選択方法は、治癒分野の当業者に公知であり、同様に有効にできる。
【0034】
図5で、適した流体を選択した後に、菱形2に示したように、本発明のユーザは次いで治療部位に延在する1又は複数の開口部の生成が保証されているか否かを決定しなければならない。骨髄内に延在する潰瘍、創傷及び/又は裂溝の形態での開口部が、既に存在する場合、更なる開口部の生成が必要にならない。しかしながら、このような開口部が存在しない場合、次いで骨髄に延在する開口部は、ボックス3に示されるように生成されなければならない。骨髄に延在する多数の開口部を生成することによって、本発明のユーザは多数の部位から骨髄に選択された流体を送達するのを可能にする。更に、多数の開口部の生成によって、本発明のユーザが治療すべき骨髄をフラッシュ及び/又は洗浄することを可能にする。本発明で骨髄に液体を注入するステップは、注入した流体を骨髄を通り、現存の少なくとも1の第2の開口部から出るのを強いている。骨髄をフラッシュ及び/又は洗浄するステップは、治療の目標が壊死細胞を除去し、骨髄から感染性有機体をクレンジングし、骨髄から疾患組織をクレンジングし、骨髄から所望されない要素を除去し、及び/又はその任意の組合せである場合有利になりうる。開口部は治療されている骨髄にアクセスを提供する限り、骨の任意の位置に配置できる。
【0035】
図5のボックス4に示したように、既に存在し、及び/又は生成された開口部が開口部にカニューレを挿入することによって補強されうる。開口部へのカニューレの挿入は、連続した治療間の合間の創傷の閉鎖を防ぐのを助ける。理想的には、挿入されたカニューレは骨髄に延在すべきである。一度総ての開口部が生成され、カニューレが挿入された場合、少しでも開口部があれば、図5に示すように、本発明が操作のために完全に構築及び準備され、なければ既にそのようになされている。本発明を構築するステップは、適した緩衝グロメットを選択し、それを超音波ホーンの遠位端に取付けるステップと、選択された流体で超音波ホーン内の1又は複数のチャネルを充填し、あるいは、流体供給部が用いられる場合には、選択された流体で流体供給部を充填し、前記流体供給部を両音波ホーンを通過するチャネルに取付けるステップと、前記ホーンを超音波トランスデューサに連結するステップと、前記トランスデューサを発電機に連結するステップと、前記発電機を電源に接続するステップとを具えている。一度装置が構築され、開口部が生成され、あればカニューレが挿入された場合、密封部はボックス6に示されるように、少なくとも1の開口部と緩衝グロメットとの間に形成される。密封部を形成するステップは、密封部がグロメットの外側と開口部あるいはカニューレの内側との間に形成されるように、開口部又は、存在する場合はカニューレにグロメットを挿入することによってなされうる。代替的に、前記開口部又は、存在する場合にカニューレを包囲する患者の皮膚の部位に緩衝グロメットを押しつけるステップを更に実施して、緩衝グロメットの土台と開口部又はカニューレとの間に密封部を形成できる。カニューレが挿入され、カニューレが患者の身体外に延在する場合、緩衝グロメットと開口部との間に密封部を形成するステップは、密封部がグロメットの内側とカニューレの外側との間で形成されるようにグロメットをカニューレの下方にスライドすることによって得られうる。ボックス7に示したように、超音波トランスデューサが次いで活性化される。流体供給部が用いられている場合、超音波トランスデューサの活性化に続いて、選択された流体はボックス8に示されたように、超音波ホーン内のチャネルに供給される。超音波トランスデューサの活性化に続いて、選択された流体は次いでボックス9に示されるように、少なくとも約5秒間骨髄に送達される。しかしながら、流体送達の期間を増加させるステップは、治療中の疾患の重傷度に応じて必要となりうる。多数の開口部が存在する場合、本発明のユーザは、漏出する任意の体液を収集し、拭き取り、そうでない場合はボックス10で示されるように、流体の骨髄への送達と同時に、任意の第2の開口部から除去されるのを所望する。密封したタンクに漏出した体液を収集するステップは、治療中の疾患を治療手段の周囲に混入及び/又は拡張する可能性を低減できる。
【0036】
図5で、流体送達の完了に続いて、ボックス11に示したように超音波トランスデューサが不活性化される。次いで、緩衝グロメットが密封された開口部から除去される。開口部又は、存在する場合にカニューレは、ボックス12に示されるように洗浄されカバーすべきである。このような開口部及び/又はカニューレを洗浄しカバーする方法は、治癒技術分野における当業者に公知である。本発明の超音波流体送達装置は次いでボックス13に示されたように解体すべきである。緩衝グロメット、可撓性ホース、及び/又は流体供給部を具えうる本発明の使い捨て部分は、ボックス14に示されるように、処分すべきである。装置の残りの部分はボックス15に示したように、洗浄及び滅菌すべきである。このような要素を洗浄及び滅菌する方法は治癒技術の分野における当業者に公知である。図5に示した手順は、少なくとも約10日間毎日反復すべきである。しかしながら、治療すべき疾患の重傷度によっては、治療の期間及び/又は頻度は増加させる必要があり、又は減少されうる。最終治療期間後、挿入されたいずれのカニューレも除去すべきである。
【0037】
上述し、図5に示したステップの順序は、単なる推奨される手順であることは留意すべきであろう。列挙されたステップの他の組合せ及び/又は順序は等しく有効であり、本発明の範囲内にある。上の手順は身体の骨髄以外の管腔、内腔及び組織を治療するのにも適用可能であることには更に留意すべきである。
【0038】
図6に示したのは、本発明の流体送達装置の実施例での骨髄治療の例示図である。グロメット105はカニューレ601に挿入され、カニューレ601は患者の皮膚602の表面から骨髄603に延在している。代替的に、グロメット105は骨髄603内に延在する開口部に挿入されうる。カニューレ604は骨髄内の体液及び/又は骨髄に送達された流体の放出点として作用できる、骨髄内に延在する選択的に追加されたカニューレである。カニューレ604は流体送達用の更なる開口部として更に作用できる。
【0039】
特定の実施例及び使用方法がここに例示され記載されてきたが、同一の目的を得るために推測される変更は、示された特定の実施例及び方法に置換されうることは、当該技術分野の当業者には分かるであろう。上の記載は例示であり限定されないことを意図していることは理解すべきである。ここに開示した超音波流体送達装置を利用して、ヒトの身体以外の対象に流体を送達できることは更に理解すべきである。ヒトの身体に対する文献及びその構成要素は、1の可能性のある装置のアプリケーションを例示することのみを意図している。上の実施例及び他の実施例、並びに、上の使用方法及び他の使用方法の組合せは、本発明の開示の再検討で当該技術分野の当業者に明らかになるであろう。本発明の範囲は、添付の請求項により、このような請求項が与えた等価物の全範囲に沿って決定すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
開示した超音波流体送達装置及び超音波流体送達装置を用いる方法は、疾患を治療するように身体の管腔、内腔及び組織深くへの流体送達を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波流体送達装置において、
a.超音波トランスデューサであって:
i. 近位面を有する近位端と;
ii. 当該近位端の逆側にあり、遠位面を有する遠位端と;
iii.当該遠位端と前記近位端との間に延在するラジアル面と;
を具える超音波トランスデューサと;
b.超音波ホーンであって:
i. 前記トランスデューサの遠位端に取付けられた近位面を有する近位端と;
ii. 当該近位端の逆側にあり、遠位面を有する遠位端と;
iii.当該遠位端と前記近位端との間に延在するラジアル面と;
を具える超音波ホーンと;
c.1又は複数のチャネルであって:
i. 前記ホーンの前記遠位端以外の表面で生成された近位端と;
ii. 前記ホーンを少なくとも部分的に通過することと;
iii.前記ホーンの遠位端で開口する遠位端と;
によって規定される1又は複数のチャネルと;
d.前記ホーンの遠位端に取付けられた緩衝グロメットであって:
i. 前記ホーンの遠位端に取付けられた近位端と;
ii. 当該近位端の逆側にある遠位端と;
iii.前記グロメットの近位端から前記グロメットの遠位端まで延在し、前記ホーンを少なくとも部分的に通過する前記チャネルと連通するチャネルと;
iv. 前記超音波ホーンから前記グロメットの遠位端への振動の伝達を遮断可能にすることと;
によって規定される緩衝グロメットと;
を具えることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記トランスデューサの前記遠位面以外の表面に生成され、前記トランスデューサを少なくとも部分的に通過し、前記ホーンを通過する前記チャネルと連通する1又は複数のチャネルを更に具えることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、前記ホーンを通過する前記チャネルの近位端と連通する流体供給部を更に具えることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、前記ホーンを通過する前記チャネルに前記流体供給部を連結する可撓性ホースを更に具えることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、前記ホーンの遠位端に1又は複数の隆起リッジを更に具えることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記ホーンの遠位端にねじ山突起部を更に具えることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記ねじ山突起部を通過するチャネルを更に具えることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、前記グロメットの一部分が緩衝特性を有する化合物から構成されることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、前記グロメットの近位端から前記グロメットの遠位端まで延在する前記チャネル内に、超音波ホーンの遠位端に配置された前記隆起リッジを受けることが可能な1又は複数の溝を更に具えることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、前記グロメットの近位端にねじ山突起部を更に具えることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、前記グロメットの近位端の前記ねじ山突起部を通過するチャネルを更に具えることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記グロメットの近位端から前記グロメットの遠位端まで延在する前記チャネル内にねじ山部分を更に具えることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、前記グロメットの近位端から前記グロメットの遠位端まで延在する前記チャネルから分岐し、前記グロメットの遠位端で開口するグロメット内の第2のチャネルを更に具えることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、前記ホーンの遠位端にあり、前記ホーンを通過する前記チャネルと連続するねじ山溝部を更に具えることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、前記トランスデューサが、約15kHz乃至約40MHz間の周波数で振動するように前記ホーンを誘起できることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置において、前記トランスデューサが約1ミクロン乃至250ミクロン間の振幅を伴う前記ホーン内の振動を誘起できることを特徴とする装置。
【請求項17】
開口部を通じてアクセス可能な治療部位を治療及び/又はクレンジングする方法が、
a.i. 超音波トランスデューサであって:
1.近位面を有する近位端と;
2.当該近位端の逆側にあり、遠位面を有する遠位端と;
3.当該遠位端と前記近位端との間に延在するラジアル面と;
を具える超音波トランスデューサと;
ii. 超音波ホーンであって:
1.前記トランスデューサの遠位端に取付けられた近位面を有する近位端と;
2.当該近位端の逆側にあり、遠位面を有する遠位端と;
3.当該遠位端と前記近位端との間に延在するラジアル面と;
を具える超音波ホーンと;
iii.1又は複数のチャネルであって:
1.前記ホーンの前記遠位端以外の表面で生成される近位端と;
2.前記ホーンを少なくとも部分的に通過することと;
3.前記ホーンの遠位端で開口する遠位端と;
によって規定される1又は複数のチャネルと;
iv. 前記ホーンの遠位端に取付けられた緩衝グロメットであって:
1.前記ホーンの遠位端に取付けられた近位端と;
2.当該近位端の逆側にある遠位端と;
3.前記グロメットの近位端から前記グロメットの遠位端まで延在し、前記ホーンを少なくとも部分的に通過する前記チャネルと連通するチャネルと;
4.前記超音波ホーンから前記グロメットの遠位端への振動の伝達を遮断可能にすることと;
によって規定される緩衝グロメットと;
を具える超音波液体送達装置を提供するステップと;
b.前記開口部と前記緩衝グロメットとの間に密封部を形成するステップと;
c.前記超音波ホーンを少なくとも部分的に通過する前記チャネル内に、前記治療部位に送達すべき流体を分散するステップと;
d.前記トランスデューサを活性化することによって、前記ホーン内の前記流体に超音波エネルギを送達するステップであって、前記超音波エネルギが前記流体を加速するステップと;
e.前記流体が前記グロメットの遠位端から射出されるのを可能にするステップと;
f.前記治療部位に延在する1又は複数の開口部に、前記ホーンから射出された前記流体を注入するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、超音波エネルギの前記流体への前記送達ステップが、前記治療部位に超音波エネルギを送達することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、超音波エネルギの前記流体への前記送達ステップが、前記治療部位内でキャビテーションを誘起することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、前記開口部を生成するステップを更に具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法において、前記開口部内にカニューレを挿入するステップを更に具えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法において、前記流体の注入ステップが少なくとも約5秒間生じることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項17に記載の方法において、前記開口部をカバーするステップを更に具えることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法において、前記カニューレを除去するステップを更に具えることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法において、前記カニューレをカバーするステップを更に具えることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項17に記載の方法において、前記トランスデューサの活性化が約15kHz乃至約40MHz間の周波数で振動するように前記ホーンを誘起することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項17に記載の方法において、前記トランスデューサの活性化が約1ミクロン乃至250ミクロン間の振幅を伴う前記ホーン内の振動を誘起することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−509944(P2010−509944A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530577(P2009−530577)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/079552
【国際公開番号】WO2008/042669
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509086408)
【Fターム(参考)】