説明

超音波照射型捕虫装置

【課題】 従来の飛翔昆虫の誘引捕虫装置では、漏れた光による誘引によるものと、発生した二酸化炭素による誘引によるものであり、それぞれの装置では、あまり効果は発生しないという問題がある。
【解決手段】 前面を開放したケースと、該ケースの開放部に向けて装着した紫外線ランプと、該紫外線ランプの背後に装着した粘着捕虫シートと、前記紫外線ランプの下部に装着された底部に超音波振動子を装着した容器と、該容器に入れられた炭酸ガス発生ビーズとからなり、紫外線ランプから前記ケースの開放部に向けて紫外線が発生され、前記炭酸ガス発生ビーズに定期的に前記超音波振動子から超音波が照射され、前記紫外線ランプからの紫外線及び周囲の光で二酸化炭素を発生して、飛翔する昆虫を誘引し、前記粘着捕虫シートで捕獲する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛翔する昆虫を光及び二酸化炭素を発生して呼び寄せ、粘着式捕虫紙で捕獲するようにした超音波照射型捕虫装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飛翔昆虫を誘引する蛍光灯をケース内に装着し、ケースの開放面に粘着シートを装着した捕虫器や容器の底部に二酸化炭素を発生する物質を入れ、容器の開放口の周囲に粘着剤層を設けた蚊の誘引捕獲装置が提案されている。
【0003】
しかしながら、このよう構成された従来の飛翔する昆虫の誘引捕虫装置において、蛍光灯を使用した光による昆虫の誘引では、ケースの前面に粘着シートを装着しているために、光は粘着シートの上下から漏れるだけであるので、あまり効果はなく、又、二酸化炭素による昆虫の誘引では、たまたま誘引捕虫装置の近傍に飛んできた昆虫のみが二酸化炭素に引かれて容器の中に入るだけで、飛翔する昆虫を効率よく誘引することはできないという問題がある。
【特許文献1】特開2005−245312
【特許文献1】特開2006−67966
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の飛翔昆虫の誘引捕虫装置では、漏れた光による誘引によるものと、発生した二酸化炭素による誘引によるものであり、それぞれの装置では、あまり効果は発生しないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ケースは前面が開放され、紫外線ランプはケースの開放部に向けて装着され、粘着捕虫シートは紫外線ランプの背後に装着され、底部に超音波振動子を装着した容器は紫外線ランプの下部に装着され、炭酸ガス発生ビーズは容器に入れられ、炭酸ガス発生ビーズに超音波振動子から定期的に超音波が照射され炭酸ガスを発生し、紫外線ランプからの紫外線及び周囲の光で二酸化炭素を発生して、飛翔する昆虫を誘引し、前記粘着捕虫シートで捕獲するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、紫外線ランプを粘着捕虫シートの前に装着するか、透明な粘着捕虫シートを紫外線ランプの前面に装着することにより、紫外線ランプからの光をケースの前面より強力に照射して飛翔する昆虫を強力に誘引するとともに、炭酸ガス発生ビーズに紫外線ランプからの光を照射し、さらに、超音波振動子から超音波を定期的に照射することにより、大量の二酸化炭素を発生して、遠くに飛んでいる飛翔する昆虫を有効に誘引して捕獲することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、紫外線ランプを粘着捕虫シートの前面に装着するか、粘着捕虫シートを透明にすることにより、ケースの開放口より強力な光を放射し、又、炭酸ガス発生ビーズに超音波を照射し、又、紫外線ランプからの光及び周囲の光が照射されることにより、炭酸ガスを大量に発生して、ケースから離れて飛翔する昆虫も誘引して捕獲することができた。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の実施例の超音波照射型捕虫装置の断面図で、ケース1の開放口1aに向けて紫外線ランプ2が装着され、紫外線ランプ2の内側のケース1の背部1bの近傍に粘着捕虫シート3が支持部材4a、4bによって支持され、紫外線ランプ2の下部に、二酸化炭素発生ビーズ5を入れた容器6が装着され、容器6の底部に超音波振動子7が装着され、超音波振動子7に発振器8から発振出力が印可されるように構成されている。
【0009】
このように構成した本実施例の超音波照射型捕虫装置装置では、紫外線ランプ2に商用電源から電力が供給されると、紫外線ランプ2が発光して紫外線がケース1の開放口1aから照射されることにより、紫外線ランプ2の前面に遮蔽する物が無いので、紫外線は遠くまで到達し、ケース1から離れた所で飛翔する昆虫をおびき寄せることができ、又、超音波振動子7に発振器8から発振出力が印可されると、超音波振動子7から超音波が発生して、二酸化炭素発生ビーズ5から二酸化炭素が発生することにより、ケース1の開放口1aから二酸化炭素が放出されて、紫外線ランプ2からの紫外線で誘導された飛翔昆虫はケース1の開放口1aから内部に入り込み、粘着捕虫シート3で捕獲される。
【0010】
本実施例では、このように紫外線ランプ2からの紫外線で遠くの飛翔昆虫を誘引し、二酸化炭素発生ビーズ5からの二酸化炭素により近くの飛翔昆虫をケース1内に誘引することにより、ケース1の付近を飛翔する昆虫を粘着捕虫シート3で確実に捕獲することができるという利点がある。
【0011】
図2は本発明の他の実施例の超音波照射型捕虫装置の断面図で、1はケース、2は紫外線ランプ、3は粘着捕虫シート、4a、4bは支持部材、5は二酸化炭素発生ビーズ、6は容器、7は超音波振動子、8は発振器で、これらの構成は上記実施例と同じであるので、説明は省略するが、本実施例では、粘着捕虫シート3は透明シートに粘着剤を塗布したもので、透明に構成されているため、紫外線ランプ2の前面に装着する。
【0012】
このように構成した本実施例の超音波照射型捕虫装置では、紫外線ランプ2からの紫外線が粘着捕虫シート3を通して放射されるようにし、又、二酸化炭素発生ビーズ5からの二酸化炭素は、粘着捕虫シート3の側部から前面に放出されるので、紫外線ランプ2からの紫外線で誘引した飛翔昆虫を粘着捕虫シート3で捕獲するとともに、二酸化炭素発生ビーズから発生した二酸化炭素で飛翔昆虫を誘引し、粘着捕虫シート3で捕獲することができる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
なお、上記実施例では、粘着捕虫シート3はケース1に固着するようにしているが、簡単に取り外し可能に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例の超音波照射型捕虫装置の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例の超音波照射型捕虫装置の断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 ケース
2 紫外線ランプ
3 粘着捕虫シート
4a、4b 支持部材
5 二酸化炭素発生ビーズ
6 容器
7 超音波振動子
8 発振器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面を開放したケースと、該ケースの開放部に向けて装着した紫外線ランプと、該紫外線ランプの背後に装着した粘着捕虫シートと、前記紫外線ランプの下部に装着された底部に超音波振動子を装着した容器と、該容器に入れられた炭酸ガス発生ビーズとからなり、紫外線ランプから前記ケースの開放部に向けて紫外線が発生され、前記炭酸ガス発生ビーズに定期的に前記超音波振動子から超音波が照射され、前記紫外線ランプからの紫外線及び周囲の光で二酸化炭素を発生して、飛翔する昆虫を誘引し、前記粘着捕虫シートで捕獲するようにしたことを特徴とする超音波照射型捕虫装置。
【請求項2】
前記粘着捕虫シートを粘着物質を塗布した透明なフィルムにで構成し、前記筐体の開放部に装着したことを特徴とする請求項1記載の超音波照射型捕虫装置。
【請求項3】
前記炭酸ガス発生ビーズは光触媒と有機化合物を混合したものであることを特徴とする請求項1記載の超音波照射型捕虫装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−306953(P2008−306953A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155701(P2007−155701)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【出願人】(599169667)朝日産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】