説明

超音波観測装置及び超音波診断装置

【課題】走査方式の異なる超音波内視鏡、或いは超音波プローブを接続しても走査方式に応じた最適なフレームレートを得て超音波観測装置及び超音波診断装置を実現する。
【解決手段】超音波観測装置4は、機械側コネクタ受部31と、電子側コネクタ受部33と、機械側コネクタ受部31に接続した機械走査式超音波プローブ2の超音波振動子14から生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する機械式エコー信号検出部34と、電子側コネクタ受部33に接続した電子走査式超音波内視鏡3の超音波振動子23から生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する電子式エコー信号検出部35と、機械式エコー信号検出部34からのエコー信号と電子式エコー信号検出部35からのエコー信号とを信号処理する信号処理部36とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を信号処理して超音波断層画像を構築する超音波観測装置及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、超音波診断装置は、超音波振動子から超音波パルスを生体組織に繰り返し送波し、生体組織から反射される超音波パルスのエコー信号を受波して、生体内の情報を可視像の超音波断層画像として表示している。
【0003】
このような超音波診断装置には、超音波内視鏡、或いは内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿通されて用いられる超音波プローブに内蔵される超音波振動子に対し、電子的に駆動して体腔内を走査する電子走査式と、機械的に回転させて体腔内を走査する機械走査式とがある。
【0004】
例えば、特開平6−47043号公報に記載されている電子走査式の超音波診断装置は、複数の振動素子により形成した超音波振動子を有し、この超音波振動子の各振動素子を電子的に切り替えて駆動することにより体腔内を走査して超音波断層画像を得ている。一方、特開2001−333906号公報に記載されている機械走査式の超音波診断装置は、1つの超音波振動子を機械的に回転駆動することにより体腔内を走査して超音波断層画像を得ている。
【0005】
前記電子走査式の超音波診断装置に用いられる超音波観測装置は、前記電子走査式の超音波内視鏡、或いは電子走査式の超音波プローブが接続され、この接続された超音波内視鏡、或いは超音波プローブを電子的に駆動制御している。これに対して、前記機械走査式の超音波診断装置に用いられる超音波観測装置は、前記機械走査式の超音波内視鏡、或いは機械走査式の超音波プローブが接続され、この接続された超音波内視鏡、或いは超音波プローブを機械的に駆動制御している。
【0006】
前記機械走査式の超音波内視鏡、或いは機械走査式の超音波プローブは、機械的に超音波振動子を全周360度回転して体腔内を走査しているので走査範囲を変更できず、フレームレートが一定となり走査スピードが遅くなる。また、前記機械走査式の超音波内視鏡、或いは機械走査式の超音波プローブは、超音波振動子を同一箇所に固定して複数回の送信を行うことができないため、Bモードの他にカラーフローモードを行うことができない。
【0007】
このため、従来の機械式の超音波観測装置は、カラーフローモードを行う必要がなければ、超音波観測装置内部での演算量が比較的遅く、演算時間によるフレームレートの低下がない。
【0008】
一方、前記電子走査式の超音波内視鏡、或いは電子走査式の超音波プローブは、前記超音波振動子を形成している複数の振動素子を電子的に駆動して体腔内を走査しているので走査範囲を変更でき、前記機械走査式に比べてフレームレートを速くすることが可能である。また、前記電子走査式の超音波内視鏡、或いは電子走査式の超音波プローブは、走査方法を自由に変更することが可能となり、Bモードの他にカラーフローモード、パワーフローモード等といろいろなモードでの走査が可能となる。
【0009】
しかしながら、従来の電子走査式の超音波観測装置は、カラーフローモード、パワーフローモード等の電子走査式特有の診断モードを行うために、超音波観測装置内部での演算量が多大になり、この演算時間によりフレームレートが低下する。
【特許文献1】特開平6−47043号公報
【特許文献2】特開2001−333906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記従来の超音波診断装置に用いられる超音波観測装置は、単純に前記電子走査式の超音波内視鏡、或いは電子走査式の超音波プローブと、前記機械走査式の超音波内視鏡、或いは機械走査式の超音波プローブとを接続しても、上述したような理由により走査方式により演算量が変わり多大な演算量を必要とするモードの信号処理と、比較的演算量の少ないモードの信号処理とを同じ構成の超音波診断装置で行う場合、演算量の少ないモード時の最適なフレームレートを得ることが困難である。
【0011】
したがって、前記従来の超音波診断装置に用いられる超音波観測装置は、超音波内視鏡、或いは超音波プローブの走査方式に応じた機種が必要となる。
【0012】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、機械走査式、電子走査式の走査方式の異なる超音波内視鏡、或いは超音波プローブを接続しても走査方式に応じた最適なフレームレートを得ることのできる超音波観測装置及び超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために本発明の一態様による超音波観測装置は、機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な第1接続部と、電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な第2接続部と、前記第1接続部に接続した前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する機械式振動子エコー信号検出部と、前記第2接続部に接続した前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する電子式振動子エコー信号検出部と、前記機械式振動子エコー信号検出部からのエコー信号と、前記電子式振動子エコー信号検出部からのエコー信号とを信号処理する信号処理部と、を具備している。
また、本発明の他の態様による超音波診断装置は、機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡と、電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡と、前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡と、前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡とを接続して超音波断層画像を構築する超音波観測装置と、前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な、前記超音波観測装置に設けた第1接続部と、前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な、前記超音波観測装置に設けた第2接続部と、前記第1接続部に接続した前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する、前記超音波観測装置に設けた機械式振動子エコー信号検出部と、前記第2接続部に接続した前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する、前記超音波観測装置に設けた電子式振動子エコー信号検出部と、前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡の前記超音波振動子から得たエコー信号を演算処理する演算用プロセッサを有し、前記機械走査式の前記超音波プローブまたは超音波内視鏡及び前記電子走査式の前記超音波プローブまたは超音波内視鏡の前記超音波振動子から得たBモードエコー信号を信号処理した後、前記演算用プロセッサを介さずに中央処理装置へ転送可能とし、前記機械式振動子エコー信号検出部からのエコー信号と、前記電子式振動子エコー信号検出部からのエコー信号とを信号処理する、前記超音波観測装置に設けた信号処理部と、を具備している。
【発明の効果】
【0014】
本発明の超音波観測装置及び超音波診断装置は、機械走査式、電子走査式の走査方式の異なる超音波内視鏡、或いは超音波プローブを接続しても走査方式に応じた最適なフレームレートを得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1ないし図9は本発明の実施例1に係わり、図1は実施例1の超音波診断装置の全体構成を示すブロック図、図2は図1の信号処理部の構成を示すブロック図、図3は図2のメモリコントローラの構成を示すブロック図、図4は図2のモード検知部の構成を示すブロック図、図5は図4の第1セレクタが電子走査式超音波内視鏡からのエコー信号にCPUからのヘッダ情報を付加する際の各信号のタイミングを示すタイミングチャート、図6は電子走査式超音波内視鏡からのエコー信号(Dモード信号)に対してメモリコントローラ,フレームメモリ,演算用プロセッサ及び演算用フレームメモリの各信号のタイミングを示すタイミングチャート、図7は電子走査式超音波内視鏡からのエコー信号(Bモード信号)に対してメモリコントローラ,フレームメモリ,CPU,グラフィックメモリの各信号のタイミングを示すタイミングチャート、図8は図2の信号処理部の変形例を示すブロック図、図9は図8のメモリコントローラの構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように実施例1の超音波診断装置1は、機械走査式超音波プローブ2と、電子走査式超音波内視鏡3と、超音波観測装置4とを有して構成されている。前記超音波観測装置4には、モニタ5と操作設定部6とが接続されている。本実施例では、前記電子走査式として超音波内視鏡を、機械走査式として超音波プローブを用いている。
【0018】
前記電子走査式では、5MHz程度の超音波パルスを使用することにより、比較的深達度が良く、被検体の観察深部まで画像化できてより詳細な診断が可能である。
【0019】
しかしながら、前記電子走査式では、5MHz程度の超音波パルスを使用すると、分解能において十分でない場合も多く、高周波化が望まれている。
【0020】
前記電子走査式で分解能の良い20〜30MHz程度の超音波プローブは、技術的な問題が多々あり、実現できていない。
【0021】
一方、前記機械走査式では、20〜30MHz程度の超音波パルスを使用可能な超音波プローブがあり、高周波数が使用可能で分解能を向上させることが可能である。
【0022】
しかしながら、前記機械走査式は、ダイナミックフォーカス、カラーフロー等電子走査式特有の診断モードがなく、例えば血流情報を得ることができない。
【0023】
したがって、超音波画像診断では、電子走査式と機械走査式との両方の走査を用いて超音波パルスの低周波と高周波とを切り替えて使用、また電子走査式の血流情報、機械走査式の患部までのアプローチのしやすさが切り換え可能で診断できれば、有益でいろいろな情報が入手可能となる。
【0024】
本実施例では、電子走査式超音波内視鏡3により(目的部位周辺)全体の超音波断層画像を取得し、次に機械走査式超音波プローブ2により詳細な超音波断層画像を取得するようにしている。
【0025】
前記超音波観測装置4は、前記機械走査式超音波プローブ2及び前記電子走査式超音波内視鏡3をそれぞれ着脱自在に接続可能である。前記超音波観測装置4は、これら接続された超音波プローブ2及び超音波内視鏡3からエコー信号を得て超音波断層画像を構築し、前記モニタ5に超音波断層画像を表示させる。
【0026】
前記機械走査式超音波プローブ2は、被検体内等に挿入し易いように細長に形成した挿入部11と、この挿入部11の後端に設けた操作部12とを有している。前記機械走査式超音波プローブ2は、前記挿入部11内を挿通しているフレキシブルシャフト13の先端側に超音波振動子14が固設されている。
【0027】
前記フレキシブルシャフト13の後端は、前記操作部12に配設した回転駆動部15に接続されている。前記回転駆動部15は、図示しないモータにより前記フレキシブルシャフト13を回転させることで前記超音波振動子14を機械的に回転駆動する。この回転駆動部15には、図示しないエンコーダ等の回転位置検出部が設けられている。なお、前記超音波振動子14の周囲は、超音波を伝達(伝播)する図示しない超音波伝播媒体で満たされている。
【0028】
前記操作部12は、前記超音波観測装置4に着脱自在に接続する機械側コネクタ16が設けられている。この機械側コネクタ16は、前記回転駆動部15からの信号線が接続される機械側電気接点部16aを設けている。また、この機械側コネクタ16は、前記機械走査式超音波プローブ2が前記超音波観測装置4に接続されたことを検知するための機械側接続検知突起部16bを設けている。
【0029】
前記機械走査式超音波プローブ2は、前記機械側コネクタ16が前記超音波観測装置4に接続されることにより、前記フレキシブルシャフト13内部を挿通する信号線を介して前記超音波振動子14が前記超音波観測装置4に電気的に接続される。
【0030】
前記電子走査式超音波内視鏡3は、被検体内等に挿入し易いように細長に形成した挿入部21と、この挿入部21の後端に設けた操作部22とを有し、前記挿入部21の先端部に超音波振動子23が配置されている。前記超音波振動子23は、複数の振動素子23aを配列して形成している。
【0031】
前記操作部22には、前記超音波観測装置4に着脱自在に接続される電子側コネクタ24が設けられている。この電子側コネクタ24は、前記超音波振動子23からの信号線が接続される電気接点部24aを設けている。また、この電子側コネクタ24は、前記電子走査式超音波内視鏡3が前記超音波観測装置4に接続されたことを検知するための電子側接続検知突起部24bを設けている。前記電子走査式超音波内視鏡3は、前記電子側コネクタ24が前記超音波観測装置4に接続されることにより前記信号線を介して前記超音波振動子23が前記超音波観測装置4に電気的に接続される。
【0032】
なお、前記電子走査式超音波内視鏡3は、図示しない光源装置及びビデオプロセッサに接続される。前記電子走査式超音波内視鏡3は、挿入部21の先端部に図示しない照明光学系、対物光学系及び撮像部を設けている。前記電子走査式超音波内視鏡3は、光源装置から供給された照明光により照明光学系から体腔内を照明し、照明された体腔内からの反射光を対物光学系により被写体像として取り込んで撮像部により撮像する。前記電子走査式超音波内視鏡3は、撮像信号をビデオプロセッサに出力する。ビデオプロセッサは、撮像信号を信号処理して標準的な映像信号を生成し、この映像信号を内視鏡画像用モニタに出力してこの内視鏡画像用モニタに内視鏡画像を表示するようになっている。
【0033】
また、前記電子走査式超音波内視鏡3は、図示しない処置具挿通用チャンネルを有している。前記機械走査式超音波プローブ2は、前記電子走査式超音波内視鏡3の処置具挿通用チャンネル内に挿通され、このチャンネル開口から突出することにより、体腔内に挿入されるようになっている。
【0034】
前記超音波観測装置4は、前記機械走査式超音波プローブ2の機械側コネクタ16が着脱自在に接続される第1接続部としての機械側コネクタ受け部31と、前記電子走査式超音波内視鏡3の電子側コネクタ24が着脱自在に接続される第2接続部としての電子側コネクタ受け部32とを有している。
【0035】
前記機械側コネクタ受け部31は、前記機械側コネクタ16の機械側電気接点部16aと接触導通する受け側電気接点部31aと、前記機械側コネクタ16の機械側接続検知突起部16bが嵌合する機械側嵌合部31bとを設けている。一方、前記電子側コネクタ受け部32は、前記電子側コネクタ24の電気接点部24aと接触導通する受け側電気接点部32aと、前記電子側コネクタ24の電子側接続検知突起部24bが嵌合する電子側嵌合部32bとを設けている。
【0036】
また、前記超音波観測装置4は、接続検知部33と、機械式振動子エコー信号検出部(以下、機械式エコー信号検出部)34と、電子式振動子エコー信号検出部(以下、電子式エコー信号検出部)35と、信号処理部36と、グラフィックメモリ37と、映像処理部38と、中央処理装置であるCPU39aと、RAM39bと、ROM39cとを有し、バス39dにより電気的に接続されている。
【0037】
前記接続検知部33は、前記機械側,電子側嵌合部31b,32bに電気的に接続され、これら機械側,電子側嵌合部31b,32bに前記機械側,電子側接続検知突起部16b,24bが嵌合されたとき導通して前記機械側コネクタ16または前記電子側コネクタ24が接続されたことを検知する。前記接続検知部33は、前記バス39dを介して前記CPU39aに接続検知信号を出力する。
【0038】
前記機械式エコー信号検出部34は、前記機械側コネクタ受け部31に接続された前記機械走査式超音波プローブ2に内蔵される超音波振動子14から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する。
【0039】
前記電子式エコー信号検出部35は、前記電子側コネクタ受け部32に接続された前記電子走査式超音波内視鏡3に内蔵される超音波振動子23から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する。
【0040】
前記信号処理部36は、前記機械式エコー信号検出部34及び前記電子式エコー信号検出部35からのエコー信号を信号処理する。前記CPU39aは、前記信号処理部36により信号処理されたエコー信号を極座標変換後、画像処理を行い、前記映像処理部38に出力する。
【0041】
前記映像処理部38は、前記CPU39aで処理されたディスプレイ信号を、映像信号処理しスキャン変換して前記モニタ5の表示画面に超音波断層画像を表示させる。
【0042】
前記グラフィックメモリ37は、前記映像処理部38による映像信号処理時に、一時的にエコー信号を1フレーム毎に格納する。前記ROM39cは、前記超音波観測装置4の各種動作を制御するためのプログラムが格納されている。
【0043】
前記CPU39aは、前記ROM39cに格納されているプログラムに基づき、前記超音波観測装置4の全体を制御する。なお、後述するように前記CPU39aは、前記操作設定部6から入力される設定指示に基づき、前記機械走査式超音波プローブ2と前記電子走査式超音波内視鏡3とのうち、どちらか一方を制御して超音波断層画像を得るように前記機械式エコー信号検出部34と前記電子式エコー信号検出部35とを制御する。
【0044】
前記CPU39aは、前記機械走査式超音波プローブ2による機械モードかまたは前記電子走査式超音波内視鏡3による電子モードかにより後述の機械側タイミングコントローラ44または電子側タイミングコントローラ56を制御するとともに、前記信号処理部36へ機械走査式超音波プローブ2による機械モードかまたは前記電子走査式超音波内視鏡3による電子モードかの走査識別情報を出力する。また、前記CPU39aは、後述するように前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に対して、ヘッダ情報を付加させるように前記電子側タイミングコントローラ56を制御するようになっている。
【0045】
次に前記機械式エコー信号検出部34内部の詳細構成を説明する。
前記機械式エコー信号検出部34は、機械側超音波駆動信号発生部41と、機械側受信部42と、機械側A/D変換部43と、機械側タイミングコントローラ44とを有している。
【0046】
前記機械側超音波駆動信号発生部41は、前記機械側タイミングコントローラ44からのタイミング信号に基づき、前記超音波振動子14を駆動するための超音波駆動パルスを生成してこの超音波駆動パルスを出力するとともに、前記回転駆動部15を駆動するための駆動信号を生成してこの駆動信号を出力する。
【0047】
前記機械側受信部42は、前記超音波振動子14からのエコー信号を受信してアナログ信号処理する。さらに具体的に説明すると、前記機械側受信部42は、エコー信号を増幅する増幅器、及び前記機械側A/D変換部43でエリアジングを防止するためのLPF(ローパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィルタ)により構成されている。
【0048】
前記機械側A/D変換部43は、前記機械側受信部42によってアナログ信号処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換する処理を行い、このデジタル信号を前記信号処理部36へ出力する。前記機械側タイミングコントローラ44は、前記CPU39a、及び前記回転駆動部15に連動している図示しない位置検出回路からの制御に基づき、タイミング信号を発生してこのタイミング信号を前記機械側超音波駆動信号発生部41に出力する。
【0049】
なお、前記機械側タイミングコントローラ44は、前記機械側受信部42を介して前記回転駆動部15の回転位置検出部からの回転位置検出信号を受信し、前記超音波振動子14の回転に同期した同期信号を生成して前記信号処理部36へ出力する。
【0050】
次に前記電子式エコー信号検出部35内部の詳細構成を説明する。
前記電子式エコー信号検出部35は、マルチプレクサ51と、電子側超音波駆動信号発生部52と、電子側受信部53と、電子側A/D変換部54と、ビームフォーマ部55と、電子側タイミングコントローラ56とを有している。
【0051】
前記マルチプレクサ51は、前記超音波振動子23の複数の振動素子23aのうち、任意の複数の振動素子に切り替えて前記電子側超音波駆動信号発生部52からの超音波駆動パルスを該当する振動素子23aに出力するとともに、該当する振動素子23aからのエコー信号を前記電子側受信部53へ出力する。
【0052】
前記電子側超音波駆動信号発生部52は、前記電子側タイミングコントローラ56からのタイミング信号に基づき、前記超音波振動子23の前記複数の振動素子23aをそれぞれ個別に駆動するための複数の超音波駆動パルスを生成してこの超音波駆動パルスを前記マルチプレクサ51を介して出力する。
【0053】
前記電子側受信部53は、前記超音波振動子23の前記複数の振動素子23aからのエコー信号を前記マルチプレクサ51を介して受信し、受信したエコー信号をアナログ信号処理する。なお、前記電子側受信部53は、前記機械式エコー信号検出部34の機械側受信部42と同様な増幅器、BPF、LPF等により構成されている。
【0054】
前記電子側A/D変換部54は、前記電子側受信部53によってアナログ信号処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換する処理を行い、このデジタル信号を順次出力する。前記ビームフォーマ部55は、前記電子側タイミングコントローラ56からのタイミング信号に基づき、複数の振動素子23aの駆動に応じてデジタル化された各エコー信号を遅延して合成し、この合成信号を前記信号処理部36へ出力する。
【0055】
前記電子側タイミングコントローラ56は、前記CPU39aからの制御に基づき、タイミング信号を発生してこのタイミング信号を前記電子側超音波駆動信号発生部52に出力する。また、前記電子側タイミングコントローラ56は、発生したタイミング信号を前記ビームフォーマ部55にも出力している。なお、前記電子側タイミングコントローラ56は、前記ビームフォーマ部55により合成されるエコー信号に同期して同期信号を生成し、この同期信号を前記信号処理部36の後述するモード検知部62に出力する。
【0056】
上述したように前記信号処理部36は、前記機械式エコー信号検出部34及び前記電子式エコー信号検出部35が得た前記機械走査式超音波プローブ2及び前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号を信号処理する。
【0057】
次に前記信号処理部36内部の詳細構成を説明する。
図2に示すように前記信号処理部36は、第1セレクタ61と、モード検知部62と、直交検波部63と、Bモード演算部64と、第2セレクタ65と、メモリコントローラ66と、フレームメモリ67と、演算用プロセッサ68と、演算用フレームメモリ69と、DMA( Direct Memory Access )コントローラ70と、PCIインターフェイス(I/F)71とを有して構成されている。
【0058】
前記メモリコントローラ66と前記演算用プロセッサ68と前記演算用フレームメモリ69とは、ローカルバス72により接続されている。また、前記メモリコントローラ66と前記DMAコントローラ70とは、ローカルバス73により接続されている。
【0059】
前記信号処理部36は、前記PCI I/F71を介してPCIバス71aにより前記映像処理部38と接続されている。
【0060】
前記第1セレクタ61は、前記CPU39aからの走査識別情報に基づき、前記機械走査式超音波プローブ2からのエコー信号と前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号とを切り替える処理を行う。また、前記第1セレクタ61は、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に対して前記CPU39aからのヘッダ情報を付加する。
【0061】
前記モード検知部62は、前記電子側タイミングコントローラ56からの同期信号に同期して第1セレクタ61から出力される前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に対し、付加されたヘッダ情報に基づいて1フレーム毎にBモードかまたはDモードかを検知してモード検出信号を出力する。また、前記電子側タイミングコントローラ56は、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に同期させた同期信号を生成し、前記CPU39aからの制御によりエコー信号にヘッダ情報を付加する。なお、Bモードは、エコーの強さを明るさの強調に変換した画像表示モードであり、Dモードは、ドップラー効果を応用して、体内の血流などの速度を測定し、血流の速度分布、血流の強さを可視化することができる画像表示モードである。
【0062】
前記モード検知部62は、モード検出信号を前記第2セレクタ65に出力するとともに、このモード検出信号に基づき、Bモードのエコー信号を前記Bモード演算部64に出力するかまたはDモードのエコー信号を前記直交検波部63に出力する。このモード検知部62内部の詳細構成は、後述する。
【0063】
前記Bモード演算部64は、公知の演算処理であり、入力された信号に対してフィルタ処理、対数圧縮処理、包絡線検波処理、GAIN処理、コントラスト処理、サンプリング処理等をして音線上の個々の反射点でのエコー強度を表す信号を生成し、この信号の各瞬時の振幅をそれぞれの輝度値とするBモード信号を生成する。
【0064】
前記直交検波部63は、公知の直交検波処理であり、入力された信号を2つに分離し、一方は、sin波を、他方はcos波を入力された信号に乗算する。これらの双方の信号の相対的な位相を確認することにより、入力信号の位相がわかる。前記直交検波部63は、前記信号を複素信号I/Qとして出力する。前記直交検波部63から出力される信号は、前記演算用プロセッサ68で自己相関処理等を行うことにより、ドップラー信号が生成される。
【0065】
前記第2セレクタ65は、前記モード検知部62からのモード検出信号に基づき、前記メモリコントローラ66に対して前記直交検波部63からのDモード信号と、前記Bモード演算部64からのBモード信号とを切り替える処理を行う。すなわち、前記第2セレクタ65は、前記メモリコントローラ66に対して信号の行く先を指示する。
【0066】
前記メモリコントローラ66は、前記機械走査式超音波プローブ2からのBモード信号が入力されると、このBモード信号を前記フレームメモリ67に1フレーム毎に格納し、この格納した1フレームの信号を前記ローカルバス73を介して前記DMAコントローラ70へ出力する。また、前記メモリコントローラ66は、前記電子走査式超音波内視鏡3からのBモード信号またはDモード信号が入力されると、これらの信号を前記フレームメモリ67に1フレーム毎に格納し、この格納した1フレームの信号を前記演算用プロセッサ68へ出力する。
【0067】
次に、図3を参照して前記メモリコントローラ66内部の詳細構成を説明する。
【0068】
前記メモリコントローラ66は、シーケンスコントローラ91と、バスセレクタ92と、ライトセレクタ93と、リードセレクタ94と、出力セレクタ95と、第1SDRAMコントローラ96Aと、第2SDRAMコントローラ96Bと、バスコントローラ97とを有して構成されている。
【0069】
前記シーケンスコントローラ91は、前記CPU39aからの走査識別情報及びエコー信号に付加されているヘッダ情報により、機械走査式、電子走査式、Bモード、カラーフローモード等の判別を行う。前記バスセレクタ92は、前記シーケンスコントローラ91の制御によりデータ経路変更を行う。前記バスコントローラ97は、前記ローカルバス72を介して前記演算用プロセッサ68に接続されている。
【0070】
前記ライトセレクタ93は、前記第2セレクタ65から入力されたエコー信号を前記フレームメモリ67内のメモリ67a,67bのうち、どちらか一方のメモリに書き込む。前記リードセレクタ94は、前記フレームメモリ67内のメモリ67a,67bのうち、どちらか一方のメモリから書き込まれたエコー信号を読み出す。なお、前記フレームメモリ67は、SDRAM( Synchronous Dynamic Random Access Memory )により構成されている。
【0071】
図2に戻り、前記フレームメモリ67は、メモリ67a,67bの2つを有し、例えば1フレーム目のデータがメモリ67aに格納されると、2フレーム目のデータがメモリ67bに格納されるとともに1フレーム目のデータがメモリ67aから読み出されて交互に使用される。
【0072】
前記演算用プロセッサ68は、前記電子走査式超音波内視鏡3からのDモード信号に対して、例えばMTI( Moving Target Indicator )フィルタ処理、自己相関処理等の公知の処理を施すことによってドップラー効果を利用して組織の移動成分すなわち血流成分を抽出し、超音波断層像内における血流の位置に着色するための速度データ、パワーデータを作成して出力する。
【0073】
さらに具体的に説明すると、前記演算用プロセッサ68は、前記電子走査式超音波内視鏡3からのDモード信号に対してMTIフィルタ処理することで高周波成分(血流成分)のみを抽出したドップラー信号(Dモード信号)を得る。さらに、前記演算用プロセッサ68は、血流成分のみのドップラー信号を自己相関処理し、偏移周波数に基づいて血流速度及び主に血流量を反映しているパワーとをサンプル点毎に演算して、血流イメージのカラーフローデータ及びパワーフローデータを形成する。なお、このとき、前記演算用プロセッサ68は、血流以外の不要な信号を血流画像上に表示させないための閾値処理を行っている。
【0074】
また、前記演算用プロセッサ68は、前記電子走査式超音波内視鏡3からのBモード信号に対しては処理せず、そのままスルーする。つまり、前記電子走査式超音波内視鏡3からのBモード信号は、前記演算用プロセッサ68により演算処理しない。これは、前記電子走査式超音波内視鏡3の場合、Bモード信号を遅延させてDモード信号に追いつかないようにするためである。
なお、1フレーム当たりのBモード,Dモードのデータ量は、例えば
Bモード:192ライン×512サンプル×1×8bit
Dモード:192ライン×512サンプル×16パケット×2×32bit
である。
【0075】
次に、前記メモリコントローラ66の内部における機械走査式、電子走査式のBモード時の信号の流れを説明する。
【0076】
前記ライトセレクタ93は、例えば前記CPU39aから前記シーケンスコントローラ91に機械走査式のBモードスキャンという情報が入力されると、前記第1SDRAMコントローラ96Aを介して前記第2セレクタ65から入力されたBモード信号を前記フレームメモリ67内のメモリ67aに書き込む。前記リードセレクタ94は、前記フレームメモリ67内のメモリ67aに1フレーム分のデータが書き込まれると、前記第1SDRAMコントローラ96Aを介して前記フレームメモリ67内のメモリ67aに蓄えられたフレームデータを読み出す。
【0077】
前記出力セレクタ95は、前記リードセレクタ94から読み出されたフレームデータを内部のFIFO( First In First Out )メモリに蓄え、前記ローカルバス73を介して順次DMAコントローラ70に出力する。前記ライトセレクタ93は、前記フレームメモリ67のメモリ67aからの読み出しが開始されると同時に第2SDRAMコントローラ96Bを介して、前記フレームメモリ67のメモリ67bへ次フレームのデータを書き込む。
【0078】
上述の動作を繰り返すことにより、前記信号処理部36は、前記演算用プロセッサ68を介すことなく前記機械走査式超音波プローブ2からのエコー信号(Bモード信号)を前記DMAコントローラ70に直接出力でき、信号処理速度を上げることができる。なお、上述の動作は、前記電子走査式のBモード処理においても同様な動作である。
【0079】
また、前記メモリコントローラ66の内部におけるカラーフローモード等電子走査式特有の診断モード時の信号の流れを説明する。
【0080】
前記ライトセレクタ93は、例えば前記CPU39aから前記シーケンスコントローラ91に電子走査式のカラーフローモード等電子走査式特有の診断モードスキャンという情報が入力されると、前記第1SDRAMコントローラ96Aを介して前記第2セレクタ65から入力されたBモード信号を前記フレームメモリ67内のメモリ67aに書き込む。
【0081】
前記リードセレクタ94は、前記フレームメモリ67内のメモリ67aに1フレーム分のBモード信号が書き込まれると、前記第1SDRAMコントローラ96Aを介して前記フレームメモリ67内のメモリ67aに蓄えられたフレームデータ(Bモード信号)を読み出す。前記バスセレクタ92は、前記シーケンスコントローラ91の制御により前記リードセレクタ94から読み出されたフレームデータ(Bモード信号)を前記バスコントローラ97を介して前記演算用フレームメモリ69に転送する。
【0082】
前記ライトセレクタ93は、前記演算用フレームメモリ69にフレームデータ(Bモード信号)のデータ移動が完了すると、前記第2SDRAMコントローラ96Bを介して前記第2セレクタ65から入力されたDモード信号を前記フレームメモリ67内のメモリ67bに書き込む。前記演算用プロセッサ68は、前記超音波内視鏡3によるDモード走査が行われている間に前記演算用フレームメモリ69内のフレームデータを演算処理するが、この演算用フレームメモリ69内のフレームデータがBモード信号であるのでそのままスルーする。
【0083】
前記バスセレクタ92は、演算用フレームメモリ69に蓄えられているフレームデータ(Bモード信号)を読み出して前記バスコントローラ97、出力セレクタ95内のFIFOメモリを介して、前記DMAコントローラ70に出力する。
【0084】
前記リードセレクタ94は、前記フレームメモリ67内のメモリ67bに1フレーム分のDモード信号が書き込まれると、前記第2SDRAMコントローラ96Bを介して前記フレームメモリ67内のメモリ67bに蓄えられたフレームデータ(Dモード信号)を読み出す。前記バスセレクタ92は、前記シーケンスコントローラ91の制御により前記リードセレクタ94から読み出されたフレームデータ(Dモード信号)を前記バスコントローラ97を介して前記演算用フレームメモリ69に転送する。
【0085】
前記ライトセレクタ93は、前記演算用フレームメモリ69にフレームデータ(Dモード信号)のデータ移動が完了すると、前記第1SDRAMコントローラ96Aを介して前記第2セレクタ65から入力されたBモード信号を前記フレームメモリ67内のメモリ67aに書き込む。前記演算用プロセッサ68は、前記超音波内視鏡3によるBモード走査が行われている間に前記演算用フレームメモリ69内のDモード信号を演算処理する。
【0086】
前記バスセレクタ92は、演算用フレームメモリ69に蓄えられているフレームデータ(Dモード信号)を読み出して前記バスコントローラ97、出力セレクタ95内のFIFOメモリを介して、前記DMAコントローラ70に出力する。
【0087】
上述の動作を繰り返すことにより、前記信号処理部36は、前記演算用プロセッサ68により前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号(Dモード信号)を信号処理して前記DMAコントローラ70に出力する。
【0088】
前記DMAコントローラ70は、前記PCI I/F71を介して前記1フレーム毎のデータを前記映像処理部38に出力する。
【0089】
次に図4を参照して前記モード検知部62内部の詳細構成を説明する。
前記モード検知部62は、フレーム同期検出部81、ライン同期検出部82、Bモード検出部83、Dモード検出部84、Bラッチ部85、Dラッチ部86、Bモードゲート部87、Dモードゲート部88とを有して構成されている。
【0090】
前記フレーム同期検出部81は、前記電子側タイミングコントローラ56からの同期信号からフレーム同期信号を検出し、この検出したフレーム同期信号を前記第1,第2ラッチ部85,86に出力する。また、前記ライン同期検出部82は、前記電子側タイミングコントローラ56からの同期信号からライン同期信号を検出し、この検出したライン同期信号を前記Bモード検出部83及び前記Dモード検出部84に出力する。
【0091】
前記Bモード検出部83は、前記ライン同期検出部82からのライン同期信号に従い、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号(Bモード信号)に対し、付加されたヘッダ情報に基づいてBモードであることを検出し、このBモード検出信号を前記Bラッチ部85に出力する。
【0092】
前記Bラッチ部85は、前記フレーム同期検出部81からのフレーム同期信号が入力されるまで前記Bモード検出部83からのBモード検出信号をラッチし、フレーム検出結果が入力されるとラッチしたBモード検出信号を前記第2セレクタ65に出力するとともに、前記Bモードゲート部87へ出力してラッチしたデータをクリアする。
【0093】
前記Bモードゲート部87は、前記Bラッチ部85からのBモード検出信号に基づき、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号(Bモード信号)を通過させ、前記Bモード演算部64へ出力する。一方、前記Dモード検出部84は、前記ライン同期検出部82からのライン同期信号に従い、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号(Dモード信号)に対し、付加されたヘッダ情報に基づいてDモードであることを検出し、このDモード検出信号を前記Dラッチ部86に出力する。
【0094】
前記Dラッチ部86は、前記フレーム同期検出部81からのフレーム同期信号が入力されるまで前記Dモード検出部84からのDモード検出信号をラッチし、フレーム検出結果が入力されるとラッチしたDモード検出信号を前記第2セレクタ65に出力するとともに、前記Dモードゲート部88へ出力してラッチしたデータをクリアする。
【0095】
前記Dモードゲート部88は、前記Dラッチ部86からのDモード検出信号に基づき、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号(Dモード信号)を通過させ、前記直交検波部63へ出力する。
【0096】
このように構成される超音波診断装置1の作用を説明する。
図1に示すように超音波診断装置1は、前記超音波観測装置4に前記機械走査式超音波プローブ2及び前記電子走査式超音波内視鏡3が接続されて超音波観察が行われる。なお、前記電子走査式超音波内視鏡3は、図示しない光源装置及びビデオプロセッサに接続される。
【0097】
前記機械走査式超音波プローブ2の機械側コネクタ16は、前記超音波観測装置4の機械側コネクタ受け部31に着脱自在に接続される。機械側コネクタ16の機械側電気接点部16aは、受け側電気接点部31aと接触動通するとともに、機械側接続検知突起部16bは、機械側嵌合部31bに嵌合する。これにより、前記機械走査式超音波プローブ2は、前記超音波観測装置4内の機械式エコー信号検出部34に電気的に接続し、この機械式エコー信号検出部34により前記回転駆動部15及び前記超音波振動子14が制御可能となる。
【0098】
このとき、前記接続検知部33は、前記機械側接続検知突起部16bが前記機械側嵌合部31bに嵌合することにより導通して前記機械側コネクタ16が接続されたことを検知する。前記接続検知部33は、前記バス39dを介して前記CPU39aに接続検知信号を出力する。これにより、前記超音波観測装置4内のCPU39aは、前記機械走査式超音波プローブ2が接続されたことを検知する。
【0099】
一方、前記電子走査式超音波内視鏡3の電子側コネクタ24は、前記超音波観測装置4の電子側コネクタ受け部32に着脱自在に接続される。電子側コネクタ24の電子側電気接点部24aは、受け側電気接点部32aと接触動通するとともに、電子側接続検知突起部24bは、電子側嵌合部32bに嵌合する。これにより、前記電子走査式超音波内視鏡3は、前記超音波観測装置4内の電子式エコー信号検出部35に電気的に接続し、この電子式エコー信号検出部35により前記超音波振動子23が制御可能となる。
【0100】
このとき、前記接続検知部33は、前記電子側接続検知突起部24bが電子側嵌合部32bに嵌合することにより導通して前記電子側コネクタ24が接続されたことを検知する。前記接続検知部33は、前記バス39dを介して前記CPU39aに接続検知信号を出力する。これにより、前記超音波観測装置4内のCPU39aは、前記電子走査式超音波内視鏡3が接続されたことを検知する。
【0101】
先ず、術者は、電子走査式超音波内視鏡3を体腔内に挿入し、この挿入部先端部を目的部位まで導く。前記電子走査式超音波内視鏡3は、光源装置から照明光を供給されて照明光学系から体腔内を照明する。前記電子走査式超音波内視鏡3は、照明された体腔内の反射光を対物光学系により被写体像として取り込んで撮像部により撮像し、撮像信号をビデオプロセッサに出力する。このビデオプロセッサは、撮像信号を信号処理して得た映像信号を内視鏡画像用モニタに出力してこのモニタの表示画面に内視鏡画像を表示させる。術者は、内視鏡画像用モニタにより内視鏡画像を見ながら前記電子走査式超音波内視鏡3の挿入部先端部を体腔内の目的部位まで到達させる。
【0102】
次に術者は、操作設定部6を操作して目的部位付近で前記電子走査式超音波内視鏡3により超音波観察を行う。超音波観測装置4は、CPU39aが前記操作設定部6から入力される設定指示情報に基づき、前記電子走査式超音波内視鏡3を制御する。なお、術者は、カラーフローモードを選択しているものとする。
【0103】
前記CPU39aは、前記接続検知部33からの接続検知信号を受け、前記電子走査式超音波内視鏡3が接続されていることを認識する。前記CPU39aは、前記電子側タイミングコントローラ56を制御してタイミング信号を前記電子側超音波駆動信号発生部52に出力させる。前記電子側超音波駆動信号発生部52は、前記電子側タイミングコントローラ56からのタイミング信号に基づき、前記超音波振動子23の振動素子23a毎にそれぞれ個別に超音波駆動パルスを生成し、前記マルチプレクサ51を介して生成した超音波駆動パルスを該当する振動素子23aにそれぞれ出力する。
【0104】
前記電子走査式超音波内視鏡3は、前記超音波振動子23の振動素子23aがそれぞれ超音波パルスを発生し、生体組織からの超音波パルスを受波して順次エコー信号を得る。これらエコー信号は、前記マルチプレクサ51を介して個別に受信され、前記電子側受信部53により順次アナログ信号処理される。
【0105】
アナログ信号処理されたエコー信号は、前記電子側A/D変換部54によりデジタル信号に変換され、ビームフォーマ部55により該当する振動素子23aの駆動に応じて遅延されて合成される。この合成信号は、前記信号処理部36へ出力される。
【0106】
このとき、前記電子側タイミングコントローラ56は、前記信号処理部36のモード検知部62に同期信号を出力する。また、前記CPU39aは、前記信号処理部36のモード検知部62にヘッダ情報を出力し、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に対してヘッダ情報を付加させる。
【0107】
前記信号処理部36は、前記CPU39aからの走査識別情報に基づき、前記第1セレクタ61が前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号を切り替える。また、前記第1セレクタ61は、図5に示すように前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に前記CPU39aからのヘッダ情報を付加する。
【0108】
図5において、上段はタイミング信号を、中断はフレーム同期信号及びライン同期信号を、下段はエコー信号を表している。エコー信号は、フレーム同期信号の直後にヘッダ情報としての第1フレームパラメータが付加され、その後に第1フレームエコーデータが続き、フレーム間のインターバルの後、再び第2フレームパラメータが付加され、その後に第2フレームエコーデータが続き、前記信号が所定フレーム繰り返される。
【0109】
前記第1フレームエコーデータは、第1ラインエコーデータから例えば第512ラインエコーデータにより形成されており、これらラインエコーデータは、それぞれヘッダ情報としてのライン同期信号の直後に続いている。なお、図5において、Pは、パラメータを、Lは、ラインNo.を、Dは、エコーデータを示している。なお、図5中、データDは、D0〜Dnで表されている。
【0110】
第1フレームから所定フレームのパラメータは、例えばP0〜Pkまで形成されており、これらパラメータに続くフレームエコーデータがBモードかまたはDモードであるかを検出可能としている。また、第1ラインから第512ラインのラインエコーデータの先頭には、該当するラインエコーデータのヘッダ情報であるパラメータが形成されており、このパラメータに続くラインエコーデータがBモードかまたはDモードであるかを検出可能としている。
【0111】
このように前記第1セレクタ61によりヘッダ情報を付加された前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号は、前記モード検知部62により前記電子側タイミングコントローラ56からの同期信号に同期して1フレーム毎にBモードかDモードを検知される。前記モード検知部62は、ライン同期検出部82により検出したライン同期信号に基づき、前記Bモード検出部83が1ライン毎に付加されたヘッダ情報によりBモードを検出し、前記Bラッチ部85にBモード検出信号を出力する。
【0112】
前記モード検知部62は、フレーム同期検出部81により検出したフレーム同期信号に基づき、Bラッチ部85からのBモード検出信号を1フレーム毎に前記第2セレクタ65に出力するとともに前記Bモードゲート部87に出力する。前記Bモードゲート部87は、Bモード検出信号に基づき、Bモードのエコー信号を1フレーム毎に前記Bモード演算部64に出力する。一方、前記モード検知部62は、ライン同期検出部82により検出したライン同期信号に基づき、前記Dモード検出部84が1ライン毎に付加されたヘッダ情報によりDモードを検出し、前記Dラッチ部86にDモード検出信号を出力する。
【0113】
前記モード検知部62は、フレーム同期検出部81により検出したフレーム同期信号に基づき、Dラッチ部86からのDモード検出信号を1フレーム毎に前記第2セレクタ65に出力するとともに前記Dモードゲート部88に出力する。前記Dモードゲート部88は、Dモード検出信号に基づき、Dモードのエコー信号を1フレーム毎に前記直交検波部63に出力する。
【0114】
前記Bモード演算部64に入力された1フレーム毎のエコー信号は、公知の演算処理によりBモード信号に変換され、前記第2セレクタ65を介して前記メモリコントローラ66に出力される。
【0115】
前記メモリコントローラ66に入力された1フレーム毎のBモード信号は、上述したように前記フレームメモリ67に一旦格納された後、前記DMAコントローラ70から前記PCI I/F71を介して前記映像処理部38に出力される。
【0116】
一方、前記直交検波部63に入力された1フレーム毎のエコー信号は、公知の直交検波処理によりドップラー信号(Dモード信号)に変換され、前記第2セレクタ65を介して前記メモリコントローラ66に出力される。
【0117】
前記メモリコントローラ66に入力された1フレーム毎のDモード信号は、上述したように前記フレームメモリ67に一旦格納された後、前記演算用プロセッサ68によりMTIフィルタ処理、自己相関処理等の公知の処理を施されて血流イメージのカラーフローデータ(ドップラーデータ)に変換され、このカラーフローデータは、前記DMAコントローラ70から前記PCI I/F71を介して前記映像処理部38に出力される。
【0118】
前記メモリコントローラ66,フレームメモリ67,演算用プロセッサ68及び演算用フレームメモリ69は、例えば図6に示すように動作する。
図6において、1段目はフレーム同期信号を、2段目はライン同期信号を表している。3段目は、1フレーム目のDモード信号に対するフレームメモリ67内のメモリ67aへのライト(書き込み)を表している。4段目は、1フレーム目のDモード信号に対するフレームメモリ67内のメモリ67aからのリード(読み込み)を表している。5段目は、1フレーム目のDモード信号に対する演算用プロセッサ68の演算を表している。6段目は、1フレーム目のDモード信号に対する演算用フレームメモリ69のリード(読み込み)を表している。
【0119】
7段目は、2フレーム目のDモード信号に対するフレームメモリ67内のメモリ67bへのライト(書き込み)を表している。8段目は、2フレーム目のDモード信号に対するフレームメモリ67内のメモリ67bからのリード(読み込み)を表している。9段目は、2フレーム目のDモード信号に対する演算用プロセッサ68の演算を表している。10段目は、2フレーム目のDモード信号に対する演算用フレームメモリ69のリード(読み込み)を表している。
【0120】
このように前記電子走査式超音波内視鏡3から得たDモード信号は、演算用プロセッサ68により演算処理されて血流イメージのカラーフローデータ(ドップラーデータ)に変換され、DMAコントローラ70からPCI I/F71を介して映像処理部38に出力される。
【0121】
前記映像処理部38は、CPU39aの制御により前記グラフィックメモリ37を用いて座標変換等、映像信号処理し前記モニタ5の表示画面に超音波断層画像として白黒のBモード画像を背景像としたカラーフロー画像を表示させる。
【0122】
術者は、このモニタ5の表示画面に表示されたカラーフロー画像を見ることにより、目的部位の血流状態を観察することができる。さらに、術者は、前記電子走査式超音波内視鏡3を用いてBモード画像による超音波診断を行う。
【0123】
超音波観測装置4は、CPU39aが前記操作設定部6から入力される設定指示情報に基づき、前記電子走査式超音波内視鏡3を制御する。前記CPU39aは、前記電子側タイミングコントローラ56を制御してタイミング信号を前記電子側超音波駆動信号発生部52に出力させる。前記電子側超音波駆動信号発生部52は、前記電子側タイミングコントローラ56からのタイミング信号に基づき、前記超音波振動子23の振動素子23a毎にそれぞれ個別に超音波駆動パルスを生成し、前記マルチプレクサ51を介して生成した超音波駆動パルスを該当する振動素子23aにそれぞれ出力する。
【0124】
前記電子走査式超音波内視鏡3は、前記超音波振動子23の振動素子23aがそれぞれ超音波パルスを発生し、生体組織からの超音波パルスを受波して順次エコー信号を得る。これらエコー信号は、前記マルチプレクサ51を介して個別に受信され、前記電子側受信部53により順次アナログ信号処理される。
【0125】
アナログ信号処理されたエコー信号は、前記電子側A/D変換部54によりデジタル信号に変換され、ビームフォーマ部55により該当する振動素子23aの駆動に応じて遅延されて合成される。この合成信号は、前記信号処理部36へ出力される。
【0126】
このとき、前記電子側タイミングコントローラ56は、前記信号処理部36のモード検知部62に同期信号を出力する。また、前記CPU39aは、前記信号処理部36のモード検知部62にヘッダ情報を出力し、前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に対してヘッダ情報を付加させる。
【0127】
前記信号処理部36は、前記CPU39aからの走査識別情報に基づき、前記第1セレクタ61が前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号を切り替える。また、前記第1セレクタ61は、上述したように前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号に前記CPU39aからのヘッダ情報を付加する。
【0128】
このように前記第1セレクタ61によりヘッダ情報を付加された前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号は、前記モード検知部62により前記電子側タイミングコントローラ56からの同期信号に同期して1フレーム毎にBモードであることを検知される。
【0129】
前記モード検知部62は、ライン同期検出部82により検出したライン同期信号に基づき、前記Bモード検出部83が1ライン毎に付加されたヘッダ情報によりBモードを検出し、前記Bラッチ部85にBモード検出信号を出力する。前記モード検知部62は、フレーム同期検出部81により検出したフレーム同期信号に基づき、Bラッチ部85からのBモード検出信号を1フレーム毎に前記第2セレクタ65に出力するとともに前記Bモードゲート部87に出力する。前記Bモードゲート部87は、Bモード検出信号に基づき、Bモードのエコー信号を1フレーム毎に前記Bモード演算部64に出力する。
【0130】
前記Bモード演算部64に入力された1フレーム毎のエコー信号は、Bモード信号に変換され、前記第2セレクタ65を介して前記メモリコントローラ66に出力される。
【0131】
前記メモリコントローラ66に入力された1フレーム毎のBモード信号は、上述したように前記フレームメモリ67に一旦格納された後、前記DMAコントローラ70から前記PCI I/F71を介して前記映像処理部38に出力される。前記映像処理部38は、CPU39aの制御により前記グラフィックメモリ37を用いて座標変換等、映像信号処理し前記モニタ5の表示画面に超音波断層画像として白黒のBモード画像を表示させる。
【0132】
前記メモリコントローラ66,フレームメモリ67,演算用プロセッサ68及び演算用フレームメモリ69は、例えば図7に示すように動作する。
図7において、1段目はフレーム同期信号を、2段目はライン同期信号を表している。3段目は、1,3フレーム目のBモード信号に対するフレームメモリ67aへのライト(書き込み)を表している。4段目は、1,3フレーム目のBモード信号に対するフレームメモリ67内のメモリ67aからのリード(読み込み)を表している。
【0133】
5段目は、2,4フレーム目のBモード信号に対するフレームメモリ67内のメモリ67bへのライト(書き込み)を表している。6段目は、2,4フレーム目のBモード信号に対するフレームメモリ67内のメモリ67bからのリード(読み込み)を表している。7段目は、1〜3フレーム目のBモード信号に対するCPU39aの演算を表している。8段目は、1〜3フレーム目のBモード信号に対するグラフィックメモリ37へのライト(書き込み)を表している。
【0134】
このように前記超音波観測装置4は、前記演算用プロセッサ68を介さずに、前記電子走査式超音波内視鏡3から得たBモード信号を前記DMAコントローラ70に直接出力でき、信号処理速度を上げることができる。
【0135】
術者は、モニタ5の表示画面に表示されたBモード画像を見ることにより、目的部位周辺の超音波診断を行う。術者は、さらに分解能の良好なBモード画像を得るために、前記機械走査式超音波プローブ2を用いて超音波診断を行う。
【0136】
術者は、前記電子走査式超音波内視鏡3の処置具挿通用チャンネルに前記機械走査式超音波プローブ2を挿通させ、この機械走査式超音波プローブ2の挿入部先端部をチャンネル開口から所定距離突出させることにより、前記機械走査式超音波プローブ2を体腔内の目的部位付近に挿入させる。この状態で、術者は、操作設定部6を操作して前記機械走査式超音波プローブ2により超音波観察を行う。
【0137】
超音波観測装置4は、CPU39aが前記操作設定部6から入力される設定指示情報に基づき、前記機械走査式超音波プローブ2を制御する。このとき、前記CPU39aは、前記接続検知部33からの接続検知信号を受け、前記機械走査式超音波プローブ2が接続されていることを認識する。前記CPU39aは、前記機械側タイミングコントローラ44を制御してタイミング信号を前記機械側超音波駆動信号発生部41に出力させる。前記機械側超音波駆動信号発生部41は、前記機械側タイミングコントローラ44からのタイミング信号に基づき、超音波駆動パルスを生成してこの超音波駆動パルスを前記超音波振動子14へ出力するとともに、駆動信号を生成して前記回転駆動部15へ出力する。
【0138】
前記機械走査式超音波プローブ2は、回転駆動部15がフレキシブルシャフト13を回転させ超音波振動子14を回転させる。この回転に応じて超音波振動子14は、超音波駆動パルスに基づき、生体内に超音波パルスを繰り返し送波して、生体内で反射された超音波ビームを受波して順次エコー信号を得る。これらエコー信号は、前記機械側受信部42よりに受信され、順次アナログ信号処理される。
【0139】
アナログ信号処理されたエコー信号は、前記機械側A/D変換部43によりデジタル信号に変換され、前記信号処理部36へ出力される。前記信号処理部36は、前記CPU39aからの走査識別情報に基づき、前記第1セレクタ61が前記機械走査式超音波プローブ2からのエコー信号を切り替える。
【0140】
切り替えられた前記機械走査式超音波プローブ2からのエコー信号は、1フレーム毎に前記Bモード演算部64に出力される。前記Bモード演算部64に入力された1フレーム毎のエコー信号は、公知の演算処理によりBモード信号に変換され、前記第2セレクタ65を介して前記メモリコントローラ66に出力される。
【0141】
前記メモリコントローラ66に入力された1フレーム毎のBモード信号は、前記フレームメモリ67に一旦格納された後、前記DMAコントローラ70から前記PCI I/F71を介して前記映像処理部38に出力される。
【0142】
前記映像処理部38は、CPU39aの制御により前記グラフィックメモリ37を用いて座標変換等、映像信号処理し前記モニタ5の表示画面に超音波断層画像として白黒のBモード画像を表示させる。なお、前記メモリコントローラ66,フレームメモリ67,CPU39a,グラフィックメモリ37は、上述した電子走査式超音波内視鏡3のBモードスキャンと同様に動作する。
【0143】
前記超音波観測装置4は、前記演算用プロセッサ68を介さずに、前記機械走査式超音波プローブ2から得たBモード信号を前記DMAコントローラ70に直接出力でき、信号処理速度を上げることができる。術者は、機械走査式超音波プローブ2から得たBモード画像を見ることにより、さらに詳細な超音波診断を行うことができる。
【0144】
これにより、本実施例の超音波診断装置1は、電子走査式超音波内視鏡3により目的部位周辺)全体の超音波断層画像を取得し、次に機械走査式超音波プローブ2により詳細な超音波断層画像を取得することができる。
【0145】
前記超音波診断の実行後、術者は、前記機械走査式超音波プローブ2を前記電子走査式超音波内視鏡3の処置具挿通用チャンネルから抜き去り、代わりに図示しない穿刺具を処置具挿通用チャンネルに挿入して生検を行う。これにより、本実施例では、診断から確定診断を実行することが可能となる。
【0146】
本実施例の超音波観測装置4は、電子走査式と機械走査式との両走査式を用いて超音波パルスの高周波数と低周波数とを合わせて使用できるので、深達度があって分解能の高い超音波断層画像を得ることができる。また、本実施例の超音波観測装置4は、前記演算用プロセッサ68を介さずに機械走査式または電子走査式のBモード信号を前記DMAコントローラ70に直接出力でき、信号処理速度を上げることができる。
【0147】
したがって、本実施例の超音波観測装置4は、Bモードのときには演算量を少なくし、カラーフローモード等電子走査式特有の診断モードのときには演算量を多くして機械走査式、電子走査式の両走査式の演算量に応じて最適な信号処理を行い、フレームレートを向上することができる。この結果、本実施例の超音波診断装置1は、機械走査式超音波プローブ2と電子走査式超音波内視鏡3を1つの超音波観測装置4に接続して電子走査式及び機械走査式の両走査を行うことができ、走査方式に応じて最適なフレームレートを得ることができる。
【0148】
なお、前記信号処理部は、例えば図8及び図9に示すようにさらに演算用プロセッサ等を接続したローカルバスを加えて構成してもよい。
図8に示すように信号処理部36Bは、中継用フレームメモリ75と、第2ローカルバス72Bを介して第2演算用プロセッサ68B及び第2演算用フレームメモリ69Bとに接続されるメモリコントローラ66Bを設けて構成されている。
【0149】
前記メモリコントローラ66Bは、前記メモリコントローラ66の構成に加えて前記第2ローカルバス72Bに接続される第2バスコントローラ97Bと、前記中継用フレームメモリ75に接続されるマルチプレクサ98とを有して構成される。
【0150】
前記メモリコントローラ66Bは、前記メモリコントローラ66と同様に前記シーケンスコントローラ91の制御により前記演算用プロセッサ68を介さずに、前記機械走査式超音波プローブ2または前記電子走査式超音波内視鏡3から得たBモード信号を前記DMAコントローラ70に直接出力できる。前記メモリコントローラ66Bは、カラーフローモード等電子走査式特有の診断モード時の信号の流れが前記メモリコントローラ66と異なる。
【0151】
図9において、前記ライトセレクタ93は、例えば前記CPU39aから前記シーケンスコントローラ91に電子走査式のカラーフローモード等電子走査式特有の診断モードスキャンという情報が入力されると、前記第1SDRAMコントローラ96Aを介して前記第2セレクタ65から入力されたBモード信号を前記フレームメモリ67内のメモリ67aに書き込む。
【0152】
前記リードセレクタ94は、前記フレームメモリ67内のメモリ67aに1フレーム分のデータが書き込まれると、前記第1SDRAMコントローラ96Aを介して前記フレームメモリ67内のメモリ67aに蓄えられたフレームデータを読み出す。前記バスセレクタ92は、前記シーケンスコントローラ91の制御により前記リードセレクタ94から読み出されたフレームデータを前記バスコントローラ97を介して前記演算用フレームメモリ69に転送する。
【0153】
前記ライトセレクタ93は、前記演算用フレームメモリ69にフレームデータ(Bモード信号)のデータ移動が完了すると、前記第2SDRAMコントローラ96Bを介して前記第2セレクタ65から入力されたDモード信号を前記フレームメモリ67内のメモリ67bに書き込む。前記演算用プロセッサ68は、前記超音波内視鏡3によるDモード走査が行われている間に前記演算用フレームメモリ69内のフレームデータを演算処理するが、この演算用フレームメモリ69のフレームデータがBモード信号であるのでそのままスルーする。
【0154】
前記バスセレクタ92は、前記演算用フレームメモリ69内のフレームデータ(Bモード信号)を読み出し、前記バスコントローラ97内のFIFOメモリを通じてマルチプレクサ98を介し、前記中継用フレームメモリ75に転送する。前記バスセレクタ92は、前記シーケンスコントローラ91の制御により前記中継用フレームメモリ75に転送されたフレームデータ(Bモード信号)を、前記マルチプレクサ98を介して前記第2バスコントローラ97B内のFIFOメモリを通じて前記第2演算用フレームメモリ69Bに転送する。
【0155】
前記第2演算用プロセッサ68Bは、前記第2演算用フレームメモリ69B内のフレームデータを演算処理するが、この第2演算用フレームメモリ69B内のフレームデータがBモード信号であるのでそのままスルーする。前記バスセレクタ92は、第2演算用フレームメモリ69Bに蓄えられているフレームデータ(Bモード信号)を読み出して前記第2バスコントローラ97B、出力セレクタ95内のFIFOメモリを介して、前記DMAコントローラ70に出力する。
【0156】
一方、前記リードセレクタ94は、前記フレームメモリ67内のメモリ67bに1フレーム分のDモード信号が書き込まれると、前記第2SDRAMコントローラ96Bを介して前記フレームメモリ67内のメモリ67bに蓄えられたフレームデータ(Dモード信号)を読み出す。前記バスセレクタ92は、前記シーケンスコントローラ91の制御により前記リードセレクタ94から読み出されたフレームデータ(Dモード信号)を前記第2バスコントローラ97Bを介して前記第2演算用フレームメモリ69Bに転送する。
【0157】
前記第2演算用プロセッサ68Bは、前記第2演算用フレームメモリ69B内のDモード信号を演算処理する。前記バスセレクタ92は、第2演算用プロセッサ68Bの演算終了後、第2演算用フレームメモリ69Bに蓄えられているフレームデータを前記第2バスコントローラ97B、出力セレクタ95内のFIFOメモリを介して、前記DMAコントローラ70に出力する。
【0158】
上述の動作を繰り返すことにより、前記信号処理部36Bは、前記演算用プロセッサ68または前記第2演算用プロセッサ68Bにより前記電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号(Dモード信号)を信号処理して前記DMAコントローラ70に出力できる。
【0159】
これにより、前記信号処理部36Bは、例えば、前記演算用プロセッサ68をBモード専用とし、前記演算用プロセッサ68BをDモード専用として構成してもよいし、BモードとDモードとを交互に処理するように構成してよい。
【0160】
この結果、本変形例では、前記実施例1と同様な効果を得ることに加え、演算用プロセッサ及び演算用フレームメモリを2つ設けることによって、カラーフロー等電子走査式特有の診断モード時に電子走査式超音波内視鏡3からのエコー信号をさらに高速に処理することができる。
【0161】
なお、本実施例では、前記電子走査式として超音波内視鏡を、機械走査式として超音波プローブを用い、前記機械走査式超音波プローブ2及び前記電子走査式超音波内視鏡3を前記超音波観測装置4に着脱自在に接続するように構成しているが、本発明は、これに限定されず、前記電子走査式として超音波プローブを、機械走査式として超音波内視鏡を用い、機械走査式超音波内視鏡及び電子走査式超音波プローブを超音波観測装置に着脱自在に接続するように構成しても構わない。
【0162】
なお、上述した各実施例等を部分的等で組み合わせて構成される実施例等も本発明に属する。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明の超音波観測装置及び超音波診断装置は、機械走査式、電子走査式の走査方式の異なる超音波内視鏡、或いは超音波プローブを接続しても走査方式に応じた最適なフレームレートを得ることができるので、体腔内超音波観察に適している。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】実施例1の超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2のメモリコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】図2のモード検知部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の第1セレクタが電子走査式超音波内視鏡からのエコー信号にCPUからのヘッダ情報を付加する際の各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】電子走査式超音波内視鏡からのエコー信号(Dモード信号)に対してメモリコントローラ,フレームメモリ,演算用プロセッサ及び演算用フレームメモリの各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】電子走査式超音波内視鏡からのエコー信号(Bモード信号)に対してメモリコントローラ,フレームメモリ,CPU,グラフィックメモリの各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】図2の信号処理部の変形例を示すブロック図である。
【図9】図8のメモリコントローラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0165】
1…超音波診断装置 2…機械走査式超音波プローブ
3…電子走査式超音波内視鏡 4…超音波観測装置
14,23…超音波振動子 15…回転駆動部 16…機械側コネクタ
24…電子側コネクタ 31…機械側コネクタ受け部
32…電子側コネクタ受け部 33…接続検知部
34…機械式振動子エコー信号検出部
35…電子式振動子エコー信号検出部
36…信号処理部 39a…CPU 61…第1セレクタ
62…モード検知部 63…直交検波部 64…Bモード演算部
65…第2セレクタ 66…メモリコントローラ 67…フレームメモリ
68…演算用プロセッサ 70…DMAコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な第1接続部と、
電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な第2接続部と、
前記第1接続部に接続した前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する機械式振動子エコー信号検出部と、
前記第2接続部に接続した前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する電子式振動子エコー信号検出部と、
前記機械式振動子エコー信号検出部からのエコー信号と、前記電子式振動子エコー信号検出部からのエコー信号とを信号処理する信号処理部と、
を具備したことを特徴とする超音波観測装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡の前記超音波振動子から得たエコー信号を演算処理する演算用プロセッサを有し、前記機械走査式の前記超音波プローブまたは超音波内視鏡及び前記電子走査式の前記超音波プローブまたは超音波内視鏡の前記超音波振動子から得たBモードエコー信号を信号処理した後、前記演算用プロセッサを介さずに中央処理装置へ転送可能としたことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
【請求項3】
機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡と、
電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡と、
前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡と、前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡とを接続して超音波断層画像を構築する超音波観測装置と、
前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な、前記超音波観測装置に設けた第1接続部と、
前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡を着脱自在に接続可能な、前記超音波観測装置に設けた第2接続部と、
前記第1接続部に接続した前記機械走査式の超音波プローブまたは機械走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する、前記超音波観測装置に設けた機械式振動子エコー信号検出部と、
前記第2接続部に接続した前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡に内蔵される超音波振動子から超音波パルスを生体組織に対して送波し、この生体組織から反射される超音波パルスを受波して得たエコー信号を検出する、前記超音波観測装置に設けた電子式振動子エコー信号検出部と、
前記電子走査式の超音波プローブまたは電子走査式の超音波内視鏡の前記超音波振動子から得たエコー信号を演算処理する演算用プロセッサを有し、前記機械走査式の前記超音波プローブまたは超音波内視鏡及び前記電子走査式の前記超音波プローブまたは超音波内視鏡の前記超音波振動子から得たBモードエコー信号を信号処理した後、前記演算用プロセッサを介さずに中央処理装置へ転送可能とし、前記機械式振動子エコー信号検出部からのエコー信号と、前記電子式振動子エコー信号検出部からのエコー信号とを信号処理する、前記超音波観測装置に設けた信号処理部と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−330472(P2007−330472A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165215(P2006−165215)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】