説明

超音波診断装置及びその制御プログラム

【課題】観察対象について、内部の弾性の差異を反映した三次元弾性画像を得ることができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】被検体に対する超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて生体組織の弾性に関する物理量を算出する物理量算出部と、被検体の三次元領域における前記物理量に関するデータを所定の視線方向に投影して投影面P上の各画素のデータPD1,PD2,PD3,・・・を得るボリュームレンダリング処理により、三次元弾性画像データを作成する三次元弾性画像データ作成部と、を備え、三次元弾性画像データ作成部は、前記各画素のデータPD1,PD2,PD3,・・・として、前記視線方向における所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータの数に応じたデータを得ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に生体組織の硬さ又は軟らかさを表す弾性画像を表示する超音波診断装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のBモード画像と、生体組織の硬さ又は軟らかさを表す弾性画像とを合成して表示させる超音波診断装置が、例えば特許文献1などに開示されている。この種の超音波診断装置において、弾性画像は次のようにして作成される。先ず、生体組織に対し、例えば超音波プローブによる圧迫とその弛緩を繰り返すなどして生体組織を変形させながら超音波の送受信を行なってエコーを取得する。そして、得られたエコーデータに基づいて、生体組織の弾性に関する物理量を算出し、この物理量を色情報に変換してカラーの弾性画像を作成する。ちなみに、生体組織の弾性に関する物理量としては、例えば生体組織の歪みなどを算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3932482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1において、前記Bモード画像と前記弾性画像とが合成されて得られた合成画像は二次元の画像である。このため、例えば腫瘍など観察対象の立体的な形状を把握することが困難である。従って、観察対象の立体的な形状を把握できる三次元の弾性画像を表示する超音波診断装置が望まれている。
【0005】
ここで、腫瘤は周りの正常組織よりも硬くなっている。しかし、腫瘤の内部全体が一様に硬くなってはおらず、一部に軟らかい部分を含んでいる場合もある。従って、腫瘤の内部の弾性の差異を反映した三次元弾性画像が表示されることが診断上有用である。以上のことから、所定の弾性の範囲の観察対象について内部の弾性の差異を反映した三次元弾性画像を表示することができる超音波診断装置及びその制御プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、被検体に対する超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて生体組織の弾性に関する物理量を算出する物理量算出部と、被検体の三次元領域における前記物理量に関するデータを所定の視線方向に投影して投影面上の各画素のデータを得るボリュームレンダリング処理により、三次元弾性画像データを作成する三次元弾性画像データ作成部と、を備え、この三次元弾性画像データ作成部は、前記各画素のデータとして、前記視線方向における所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータの数に応じたデータを得ることを特徴とする超音波診断装置である。
【0007】
また、他の観点の発明は、被検体に対する超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて生体組織の弾性に関する物理量を算出する物理量算出部と、被検体の三次元領域における前記物理量に関するデータを所定の視線方向に投影して投影面上の各画素のデータを得るボリュームレンダリング処理により、三次元弾性画像データを作成する三次元弾性画像データ作成部と、を備え、この三次元弾性画像データ作成部は、所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータを前記所定の視線方向に累積演算して、前記各画素のデータを得ることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記一の観点の発明によれば、ボリュームレンダリング処理における二次元投影面上の各画素のデータとして、所定の弾性の範囲の物理量に関するデータの数に応じたデータが得られるので、観察対象について、内部の弾性の差異を反映した三次元弾性画像を得ることができる。
【0009】
上記他の観点の発明によれば、所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータを所定の視線方向に累積演算することにより、ボリュームレンダリング処理における投影面上の各画素のデータが得られるので、観察対象について、内部の弾性の差異を反映した三次元弾性画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の実施形態の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】互いに直交する三つの断面を示す説明図である。
【図4】実施形態における超音波診断装置の作用の一例を示すフローチャートである。
【図5】互いに直交する三断面についての超音波画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図6】互いに直交する三断面についての超音波画像に領域が設定された状態の表示部の一例を示す図である。
【図7】三次元領域を説明するための図である。
【図8】三次元領域を説明するための図である。
【図9】三次元領域を説明するための図である。
【図10】領域の設定を説明するための図である。
【図11】互いに直交する三断面についての超音波画像とともに、三次元弾性画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図12】所定の弾性の範囲を説明するための図である。
【図13】ボリュームレンダリング処理の説明図である。
【図14】カラー弾性画像データの数と明度の関係を示す図である。
【図15】ボリュームレンダリング処理の説明図である。
【図16】第二実施形態において、階調値の逆数の加算値と明度の関係を示す図である。
【図17】第二実施形態の第一変形例において、階調値の加算値と明度の関係を示す図である。
【図18】第二実施形態の第一変形例において、階調値の加算値と明度の関係の他例を示す図である。
【図19】第二実施形態の第二変形例において、階調値の逆数を二乗した値の加算値と明度の関係を示す図である。
【図20】第二実施形態の第二変形例の効果の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について図1〜図15に基づいて説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、Bモードデータ処理部4、物理量データ処理部5、表示制御部6、表示部7、操作部8、制御部9及びHDD(Hard Disk Drive)10を備える。
【0012】
前記超音波プローブ2は、生体組織に対して超音波を送信しそのエコーを受信する。この超音波プローブ2は、三次元領域についての超音波の送受信を行なってボリュームデータを取得可能な超音波プローブである。具体的には、前記超音波プローブ2は、機械的に三次元領域の走査を行なう所謂メカニカル3Dプローブや、電子的に三次元領域の走査を行なう3Dプローブなどで構成される。前記超音波プローブ2を生体組織の表面に当接させた状態で圧迫と弛緩を繰り返したり、この超音波プローブ2から生体組織へ音響放射圧を加えたりして、生体組織を変形させながら超音波の送受信を行なって取得されたエコーデータに基づいて、後述のように弾性画像が作成される。
【0013】
前記送受信部3は、前記制御部9からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ2を所定の走査条件で駆動させて音線毎の超音波の走査を行なう。また、送受信部3は、前記超音波プローブ2で受信したエコーについて、整相加算処理等の信号処理を行なう。前記送受信部3で信号処理されたエコーデータは、前記Bモードデータ処理部4及び前記物理量データ処理部5に出力される。
【0014】
前記Bモードデータ処理部4は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに対し、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行い、Bモードデータを作成する。Bモードデータは、前記Bモードデータ処理部4から前記表示制御部6へ出力される。
【0015】
前記物理量データ処理部5は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに基づいて、生体組織における各部の弾性に関する物理量のデータ(物理量データ)を作成する(物理量算出機能)。前記物理量データ処理部5は、例えば特開2008−126079号公報に記載されているように、一の走査面における同一音線上の時間的に異なるエコーデータに相関ウィンドウを設定し、この相関ウィンドウ間で相関演算を行なって前記弾性に関する物理量を算出し前記物理量データを作成する。前記弾性に関する物理量としては、例えば歪みが挙げられる。前記物理量データ処理部5は、本発明における物理量算出部の実施の形態の一例であり、また前記物理量算出機能は本発明における物理量算出機能の実施の形態の一例である。
【0016】
前記表示制御部6には、前記Bモードデータ処理部4からのBモードデータ及び前記物理量データ処理部5からの物理量データが入力されるようになっている。前記表示制御部6は、図2に示すようにメモリ61、Bモード画像データ作成部62、弾性画像データ作成部63、断面画像表示制御部64、領域設定部65、三次元弾性画像表示制御部66を有している。
【0017】
前記メモリ61には、前記超音波プローブ2によって超音波の走査を行なった三次元領域内の各走査面についてのBモードデータ及び物理量データが記憶される。従って、前記メモリ61に記憶されるBモードデータ及び物理量データは、ボリュームデータである。前記Bモードデータ及び前記物理量データは、音線毎のデータとして前記メモリ61に記憶される。
【0018】
前記メモリ61は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの半導体メモリで構成されている。ちなみに、前記Bモードデータ及び前記物理量データは、前記HDD10にも記憶されるようになっていてもよい。
【0019】
ここで、超音波の送受信によって得られたエコーデータであって、後述のBモード画像データ及びカラー弾性画像データに変換される前のデータをローデータ(Raw Data)と云うものとする。前記メモリ61に記憶されるBモードデータ及び物理量データは、ローデータである。
【0020】
前記Bモード画像データ作成部62は、前記Bモードデータを、エコーの信号強度に応じた輝度情報を有するBモード画像データBDに変換する。また、前記弾性画像データ作成部63は、前記物理量データを歪みに応じた色情報を有するカラー弾性画像データEDに変換する。ちなみに、前記Bモード画像データBDにおける輝度情報及び前記カラー弾性画像データEDにおける色情報は所定の階調(例えば256階調)からなる。前記カラー弾性画像データEDは、本発明における階調化データの実施の形態の一例であり、本発明における物理量に関するデータの実施の形態の一例である。本発明における物理量に関するデータには、物理量データそのものの他、前記カラー弾性画像データEDのように、物理量データに基づいて作成されたデータが含まれる。
【0021】
前記断面画像表示制御部64は、弾性画像EGとBモード画像BGとが合成された超音波画像Gを前記表示部7に表示させる。具体的には、前記断面画像表示制御部64は、前記Bモード画像データBD及び前記カラー弾性画像データEDを加算処理することによって合成し、前記表示部7に表示する二次元の超音波画像の画像データを作成する。この画像データは、白黒のBモード画像BGとカラーの弾性画像EGとが合成された二次元の超音波画像Gとして前記表示部7に表示される。前記弾性画像EGは、半透明で(背景のBモード画像が透けた状態で)表示される。
【0022】
前記超音波画像Gは、図3に示すように、互いに直交する断面XY、断面YZ、断面ZXの三断面についての超音波画像G1,G2,G3である(図5等参照)。すなわち、前記断面画像表示制御部64は、前記各断面XY,YZ,ZXについて、前記Bモード画像データBD及び前記カラー弾性画像データEDを合成して画像データを作成し、超音波画像G1〜G3を表示させる。前記断面画像表示制御部64は、本発明における断面画像表示制御部の実施の形態の一例である。
【0023】
ただし、前記断面画像表示制御部64は、前記超音波画像G(G1〜G3)として、前記カラー弾性画像データEDに基づく弾性画像EG(EG1〜EG3)のみを表示してもよい。
【0024】
前記領域設定部65は、前記超音波画像G1〜G3に領域R1,R2,R3(図6参照)を設定する。前記領域設定部65は、前記操作部8からの入力に基づいて前記領域R1〜R3を設定する。詳細は後述する。前記領域設定部65及び前記操作部8は、本発明における領域設定部の実施の形態の一例である。
【0025】
前記三次元弾性画像表示制御部66は、三次元弾性画像EG3Dのデータ(三次元弾性画像データ)を作成する三次元弾性画像データ作成機能を実行する。また、三次元弾性画像表示制御部66は、前記三次元弾性画像データに基づいて、三次元弾性画像EG3Dを前記表示部7に表示させる。前記三次元画像表示制御部66は、前記超音波画像G1〜G3において設定された領域R1,R2,R3に基づいて特定される設定三次元領域R3Dについて、前記三次元弾性画像データを作成し三次元弾性画像EG3Dを表示させる。詳細は後述する。前記三次元弾性画像表示制御部66は、本発明における三次元弾性画像データ作成部の実施の形態の一例であり、また前記三次元弾性画像データ作成機能は、本発明における三次元弾性画像データ作成機能の実施の形態の一例である。
【0026】
前記表示部7は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部8は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
【0027】
前記制御部9は、CPU(Central Processing Unit)を有して構成され、前記HDD10に記憶された制御プログラムを読み出し、前記物理量算出機能、三次元弾性画像データ作成機能などをはじめとする前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0028】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について図4のフローチャートに基づいて説明する。先ず、ステップS1では、超音波の送受信を行なってボリュームデータを取得する。具体的に説明すると、前記送受信部3は、前記超音波プローブ2から被検体の生体組織へ超音波を送信させ、そのエコー信号を取得する。この時、生体組織を変形させながら三次元領域について超音波の送受信を行なう。
【0029】
エコー信号が取得されると、前記Bモードデータ処理部4が前記Bモードデータを作成し、また前記物理量データ処理部5が前記物理量データを作成する。さらに、前記Bモード画像データ作成部62が前記Bモードデータに基づいてBモード画像データBDを作成し、前記弾性画像データ作成部63が前記物理量データに基づいてカラー弾性画像データEDを作成する。そして、超音波の走査を行なった三次元領域についての前記Bモード画像データBD及び前記カラー弾性画像データEDが、前記メモリ61又は前記HDD10に記憶される。
【0030】
次に、ステップS2では、前記メモリ61又は前記HDD10に記憶された前記Bモード画像データBD及び前記カラー弾性画像データEDに基づいて、前記断面画像表示制御部64が、互いに直交する断面XY、断面YZ、断面ZX(図3参照)についての超音波画像G1〜G3を、図5に示すように前記表示部7に表示させる。前記超音波画像G1は、前記断面XYについての画像で、Bモード画像BG1と弾性画像EG1とが合成された画像であり、また前記超音波画像G2は、前記断面YZについての画像で、Bモード画像BG2と弾性画像EG2とが合成された画像である。さらに、前記超音波画像G3は、断面ZXについての画像で、Bモード画像BG3と弾性画像EG3とが合成された画像である。
【0031】
前記弾性画像EG1〜EG3は、前記カラー弾性画像データEDの階調値に応じた色相を有する画像である。図5において、前記弾性画像EG1〜EG3の色相はドット(dot)の濃さで示されている。この弾性画像EG1〜EG3において、観察対象である腫瘤Cは、周囲よりもドット(dot)の密度が高い部分dhとこの部分dhよりもドットの密度が低い部分dlとからなる。前記部分dhは周囲の正常組織よりも硬い部分であり、前記部分dlは前記部分dhよりも軟らかい部分である。
【0032】
次に、ステップS3では、図6に示すように前記各超音波画像G1〜G3(前記弾性画像EG1〜EG3)において領域R1〜領域R3を設定する。具体的には、操作者は前記各超音波画像G1〜G3を見ながら、これら各超音波画像G1〜G3における所望の位置に前記領域R1〜R3が設定されるように、前記操作部8において指示入力を行なう。そして、操作部8における指示入力があると、前記領域設定部65が前記領域R1〜R3を設定する。
【0033】
前記領域R1〜R3は、前記各超音波画像G1〜G3において、観察対象である腫瘤Cの周囲に設定される。そして、前記領域R1〜R3が設定されることにより、三次元弾性画像EG3Dの作成対象となる三次元領域R3D(図示せず)が特定される。
【0034】
ここで、前記領域R1〜R3の設定による前記三次元領域R3Dの特定について説明する。断面XYについての領域R1が設定されると、図7に示すように、前記領域R1を断面としz軸方向を奥行とする四角柱の領域RP1が想定され、また断面YZについての領域R2が設定されると、図8に示すように前記領域R2を断面としx軸方向を奥行とする四角柱の領域RP2が想定される。さらに、断面ZXについての領域R3が設定されると、図9に示すように前記領域R3を断面としy軸方向を奥行とする四角柱の領域RP3が想定される。そして、前記四角柱の領域RP1,RP2,RP3が重なり合う領域が前記三次元領域R3Dとなる。
【0035】
ちなみに、例えば生体組織に対して送信された超音波が十分に届かなかった場合や、超音波送受信時における生体組織に対する圧迫とその弛緩の条件が不適切なものであった場合、弾性画像EGにおいてノイズ(noise)が生じる場合がある。弾性画像EGにおいてこのようなノイズが存在している場合、前記領域R1〜R3は、ノイズを避けるように設定することが好ましい(ただし、図6においてノイズは図示省略)。具体的に説明する。図10には超音波画像G1が示されており、この超音波画像G1の弾性画像EG1において、符号nは、正常組織ではあるが腫瘤Cと同じ弾性として表示されているノイズの部分を示す。領域R1は、ノイズnを避けるようにして腫瘤Cの周囲に設定する。このようにして前記各領域R1〜R3を設定することにより、腫瘤Cを観察しやすい三次元弾性画像EG3Dを表示することができる。
【0036】
次に、ステップS4では、前記三次元弾性画像表示制御部66が三次元弾性画像データを作成し、図11に示すように三次元弾性画像EG3Dを表示する。この三次元弾性画像EG3Dは、前記超音波画像G1〜G3とともに、前記表示部7に表示される。ちなみに、前記超音波画像G1〜G3において前記領域R1〜R3は表示されていても表示されていなくてもよい。図11では前記領域R1〜R3は表示されていない。
【0037】
三次元弾性画像データの作成について詳細に説明する。前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記領域R1〜R3に基づいて特定される前記三次元領域R3Dにおけるカラー弾性画像データ(ボリュームデータ:volume data)EDのうち、予め設定された所定の弾性の範囲のカラー弾性画像データEDを用いて三次元弾性画像データを作成する。
【0038】
ここで、所定の弾性の範囲について詳細に説明する。本例では、カラー弾性画像データEDは、0〜255までの256階調のデータである。従って、前記弾性画像データ作成部63により、前記物理量データは256階調に階調化されてカラー弾性画像データEDになる。
【0039】
前記所定の弾性の範囲は、前記256階調の階調値において設定される。具体的に図12に基づいて説明する。この図12に示す数直線lは、階調値0〜255の256階調を表す数直線であるものとする。この数直線lにおいて、階調値が小さいほど(階調値0側)、歪みが小さく生体組織が硬い(生体組織の弾性が大きい)ものとし、階調値が大きくなるほど(階調値255側)、歪みが大きく生体組織が軟らかい(生体組織の弾性が小さい)ものとする。
【0040】
前記所定の弾性の範囲は、256階調において、階調値0〜階調値N1の範囲S1に設定される。このように、前記範囲S1は硬い側に設定され、階調値N1は、前記範囲S1が腫瘤Cにおける前記部分dhの弾性を含む階調値になっている。一方、前記部分dlは前記範囲S1には含まれない。
【0041】
前記所定の弾性の範囲は、操作者が前記操作部8において設定するようになっていてもよいし、デフォルトとして設定されていてもよい。また、前記階調値N1を前記操作部8において任意に入力できるようになっていてもよい。
【0042】
前記三次元弾性画像表示制御部66は、図13に示すように、前記三次元領域R3Dにおけるカラー弾性画像データEDからなるボリュームデータVDに対してボリュームレンダリング処理を行なって三次元弾性画像データを作成する。前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記ボリュームデータVDのうち前記範囲S1のカラー弾性画像データEDからなるボリュームデータVDを対象にしてボリュームレンダリング処理を行なって三次元弾性画像データを作成する。具体的には、前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記三次元領域R3Dにおける前記範囲S1のカラー弾性画像データEDを、投影面Pに対して所定の視線方向edに投影して前記投影面P上の各画素のデータ(画素値)を得る。この投影面P上の画素データが三次元弾性画像データである。
【0043】
前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記投影面Pにおける各画素のデータとして、前記視線方向edにおける前記範囲S1のカラー弾性画像データEDの数に応じた画素値のデータを得る。
【0044】
ここで、前記三次元弾性画像EG3Dは、単一の色相で、前記投影面Pにおける画素データの画素値に応じて異なる明度(輝度)を有する画像である。あるいは、三次元弾性画像EG3Dは、無彩色(白黒)で、前記画素値に応じて異なる明度を有する画像であってもよい。
【0045】
前記投影面Pにおける各画素のデータは、前記三次元弾性画像EG3Dの明度の情報を有する。この明度の情報は、前記範囲S1のカラー弾性画像データEDの数に応じたものである。具体的には、前記三次元弾性画像表示制御部66は、図14に示すように、前記範囲S1のカラー弾性画像データEDの数が多いほど、前記三次元弾性画像EG3Dの明度が大きくなり、前記範囲S1のカラー弾性画像データEDの数が少ないほど、前記三次元弾性画像EG3Dの明度が小さくなるように、前記投影面P上の各画素のデータを得る。図15に基づいて詳細に説明する。この図15では、前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記範囲S1のカラー弾性画像データED11,ED12,ED13,ED14,ED15を前記投影面Pに投影して画素データPD1を得る。また、前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記範囲S1のカラー弾性画像データED21,ED22,ED25を前記投影面Pに投影して画素データPD2を得る。さらに、前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記範囲S1のカラー弾性画像データED31,ED35を前記投影面Pに投影して画素データPD3を得る。
【0046】
ちなみに、図15において破線で示されたカラー弾性画像データED23,ED24,ED32,ED33,ED34は、前記範囲S1外のデータである。
【0047】
前記画素データPD1,PD2,PD3のうち、最も多いデータに基づいて得られた前記画素データPD1の画素値が示す明度が最も大きく、最も少ないデータに基づいて得られた前記画素データPD3の画素値が示す明度が最も小さい。
【0048】
なお、図15においては、前記三次元領域R3Dのボリュームデータの一部のみが図示されているものとする。カラー弾性画像データEDの数は説明の便宜上のものであり、これよりも多いデータ数に基づいて各画素の画素値を得る場合もあるものとする。
【0049】
以上のようにして作成された三次元弾性画像データに基づいて前記表示部7に表示された三次元弾性画像EG3Dにおいては、前記視線方向edにおける前記範囲S1のカラー弾性画像データEDの数が多いほど、明度が大きくなる。ここで、前記視線方向edにおける前記範囲S1のカラー弾性画像データEDの数が多いほど、前記視線方向edにおいて生体組織の弾性が大きい部分が多いことを意味する。従って、三次元弾性画像EG3Dにおいて、生体組織が硬い部分が集まっている部分の明度が大きくなる。具体的には、前記部分dhの明度は大きく、前記部分dlの明度は小さい。従って、本例の超音波診断装置1によれば、腫瘤Cなどの観察対象について、内部の弾性の差異を反映した三次元弾性画像EG3Dを表示させることができる。
【0050】
また、三次元弾性画像EG3Dにおいて、生体組織が硬い部分が集まっている部分の明度を大きくすることにより、硬い部分がどこに分布しているかを容易に把握することができる。これにより、前記三次元弾性画像EG3Dを参照すれば、例えば腫瘤においてより硬い部分に穿刺針を刺入する時に、刺入位置をより容易に把握することができる。
【0051】
ちなみに、前記表示部7に表示された前記三次元弾性画像EG3Dを回転させることができるようになっていてもよい。これにより、硬い部分がどこに分布しているかを一層容易に把握することができる。
【0052】
なお、図14に示すグラフは一例であり、これに限られるものではない。例えば、特に図示しないが、カラー弾性画像データEDの数と明度とが、非線形の関係になっていてもよい。
【0053】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。なお、以下の説明では、第一実施形態と異なる事項について説明する。
【0054】
本例では、前記三次元弾性画像表示制御部66は、ボリュームレンダリング処理において、前記範囲S1のカラー弾性画像データEDを前記視線方向edに累積演算して前記投影面P上の各画素のデータを得る。この各画素のデータは、累積演算値に応じた明度の情報を有するデータである。より詳細には、前記三次元弾性画像表示制御部66は、カラー弾性画像データEDの階調値の逆数を前記視線方向edに加算して各画素のデータを得る。
【0055】
具体的に説明する。図15におけるカラー弾性画像データED11の階調値を「g11」、カラー弾性画像データED12の階調値を「g12」、カラー弾性画像データED13の階調値を「g13」、カラー弾性画像データED14の階調値を「g14」、カラー弾性画像データED15の階調値を「g15」とする。また、同様に前記カラー弾性画像データED21,ED22,ED25の階調値をそれぞれ「g21」、「g22」、「g25」、前記カラー弾性画像データED31、ED35の階調値をそれぞれ「g31」、「g35」とする。
【0056】
前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記カラー弾性画像データED11〜ED15の階調値の逆数の加算値Add1、前記カラー弾性画像データED21,ED22,ED25の階調値の逆数の加算値Add2、前記カラー弾性画像データED31,ED35の階調値の逆数の加算値Add3を算出する。すなわち、前記三次元弾性画像表示制御部66は、下記(式1)〜(式3)により前記加算値Add1〜Add3を算出する。
Add1=(1/g11)+(1/g12)+(1/g13)
+(1/g14)+(1/g15)・・・(式1)
Add2=(1/g21)+(1/g22)+(1/g25)・・・(式2)
Add3=(1/g31)+(1/g35)・・・(式3)
【0057】
前記三次元弾性画像表示制御部66は、図16に示すグラフに従って、前記加算値Add1〜Add3に基づいて前記画素データPD1,PD2,PD3を得る。すなわち、前記三次元弾性画像表示制御部66は、図16に示すように、階調値の逆数の加算値が大きいほど前記三次元弾性画像EG3Dの明度が大きく、加算値が小さいほど前記三次元弾性画像EG3Dの明度が小さくなるように、前記投影面P上の各画素のデータを得る。
【0058】
ここで、階調値が小さいほど生体組織の弾性(弾性率)は大きく(生体組織は硬い)、階調値が大きいほど生体組織の弾性が小さい(生体組織は軟らかい)。従って、前記視線方向edにおける各カラー弾性画像データEDの階調値が小さいほど、階調値の逆数の加算値(累積演算値)は大きくなり、前記視線方向edにおける前記範囲S1内のカラー弾性画像データEDの数が多いほど、階調値の逆数の加算値は大きくなる。また、前記視線方向edにおける各カラー弾性画像データEDの階調値が大きいほど、階調値の逆数の加算値は小さくなり、前記視線方向edにおける前記範囲S1内のカラー弾性画像データEDの数が少ないほど、階調値の逆数の加算値は小さくなる。以上より、階調値の逆数の加算値が大きいほど、その加算値が得られた視線方向における生体組織の弾性が大きいことを示し、階調値の逆数の加算値が小さいほど、その加算値が得られた視線方向における生体組織の弾性が小さいことを示す。上述のように、階調値の逆数の加算値が大きいほど三次元弾性画像EG3Dの明度が大きく、階調値の逆数の加算値が小さいほど三次元弾性画像EG3Dの明度が小さいので、生体組織の弾性が大きいほど、前記三次元弾性画像EG3Dの明度が大きくなるように前記各画素のデータが得られ、生体組織の弾性が小さいほど、前記三次元弾性画像EG3Dの明度が小さくなるように前記各画素のデータが得られることになる。
【0059】
本例の超音波診断装置1によれば、前記視線方向edにおける前記範囲S1内のカラー弾性画像データEDの数は、前記部分dlよりも前記部分dhの方が多いので、前記範囲S1内のカラー弾性画像データEDの階調値の逆数の加算値は、前記部分dlよりも前記部分dhの方が大きくなる。従って、第一実施形態と同様に、前記部分dlよりも前記部分dhの方が明度の大きい三次元弾性画像EG3Dが表示され、腫瘤Cについて内部の弾性の差異を反映した三次元弾性画像EG3Dを表示させることができる。
【0060】
また、第一実施形態と同様に、三次元弾性画像EG3Dにおいて、生体組織が硬い部分が集まっている部分の明度が大きいので、生体組織が硬い部分がどこに分布しているかを容易に把握することができる。
【0061】
なお、本例においても図16に示すグラフは一例であり、これに限られるものではない。
【0062】
次に、第二実施形態の変形例について説明する。先ず、第一変形例について説明する。前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記視線方向edにおける前記範囲S1のカラー弾性画像データEDの累積演算値(本例では加算値)が示す生体組織の弾性が大きいほど、前記三次元弾性画像EG3Dの明度が大きくなるように、前記投影面P上の各画素のデータを得ればよい。例えば、前記三次元弾性画像表示制御部66は、カラー弾性画像データEDの階調値の逆数ではなく、階調値をそのまま前記視線方向edに加算してもよい。この場合、前記三次元弾性画像表示制御部66は、図17に示すグラフに従って、階調値の加算値に基づいて前記投影面P上の各画素のデータを得る。すなわち、前記三次元弾性画像表示制御部66は、図17に示すように、加算値が小さいほど前記三次元弾性画像EG3Dの明度が大きく、加算値が大きいほど前記三次元弾性画像EG3Dの明度が小さくなるように、前記投影面P上の各画素のデータを得る。
【0063】
なお、図17に示すグラフも一例であり、これに限られるものではない。前記三次元弾性画像表示制御部66は、例えば図18に示すグラフに従って、階調値の加算値に基づいて前記投影面P上の各画素のデータを得てもよい。
【0064】
次に、第二変形例について説明する。前記三次元弾性画像表示制御部66は、生体組織の弾性がより大きいことを示すカラー弾性画像データ、すなわち階調値がより小さいカラー弾性画像データが強調された累積演算値が得られる累積演算を行なってもよい。例えば、前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記カラー弾性画像データEDの階調値の逆数を二乗した値を加算してもよい。具体的に説明すると、前記三次元弾性画像表示制御部66は、前記カラー弾性画像データED11〜ED15の階調値の逆数を二乗した値の加算値Add1′、前記カラー弾性画像データED21,ED22,ED25の階調値の逆数を二乗した値の加算値Add2′、前記カラー弾性画像データED31,ED35の階調値の逆数を二乗した値の加算値Add3′を算出する。すなわち、前記三次元弾性画像表示制御部66は、下記(式1)〜(式3)により前記加算値Add1′〜Add3′を算出する。
Add1′=(1/g11)+(1/g12)+(1/g13)
+(1/g14)+(1/g15)・・・(式1)
Add2′=(1/g21)+(1/g22)+(1/g25)・・・(式2)
Add3′=(1/g31)+(1/g35)・・・(式3)
【0065】
この第二変形例では、前記三次元弾性画像表示制御部66は、得られた加算値に基づいて、図19に示すグラフに従って前記投影面P上の各画素のデータを得る。
【0066】
この第二変形例によれば、生体組織の弾性がより大きいことを示すカラー弾性画像データEDが強調された加算値が得られる。具体的に図20に基づいて説明する。この図20では、前記三次元弾性画像表示制御部66は、カラー弾性画像データED51,ED52,ED53,ED54,ED55を前記投影面Pに投影して画素データPD5を得る。また、前記三次元弾性画像表示制御部66は、カラー弾性画像データED61,ED62,ED63,ED64,ED65を前記投影面Pに投影して画素データPD6を得る。
【0067】
前記カラー弾性画像データED51〜ED55の階調値をそれぞれ「g51」、「g52」、「g53」、「g54」、「g55」、前記カラー弾性画像データED61〜ED65の階調値をそれぞれ「g61」、「g62」、「g63」、「g64」、「g65」とする。
【0068】
例えば、g51=3、g52=4、g53=1、g54=4、g55=3とし、g61=3、g62=3、g63=3、g64=3、g65=3とする。従って、前記カラー弾性画像データED53の階調値g53は他の階調値と比較してかなり小さくなっている。
【0069】
仮に、前記階調値g51〜g55、g61〜g65を単純に加算した場合、g51+g52+g53+g54+g55=15となり、g61+g62+g63+g64+g65=15となるので、階調値の加算値が等しくなる。従って、階調値を単純に加算して画素データPD5,PD6を得ると、画素データPD5,PD6は等しい画素値になる。
【0070】
しかし、前記カラー弾性画像データED51,ED52,ED53,ED54,ED55の階調値の逆数を二乗した値の加算値Add5′、前記カラー弾性画像データED61,ED62,ED63,ED64,ED65の階調値の逆数を二乗した値の加算値Add6′は以下の通りとなる。
Add5′=(1/3)+(1/4)+1+(1/4)+(1/3)
=97/72
Add6′=(1/3)+(1/3)+(1/3)
+(1/3)+(1/3)
=5/9
【0071】
従って、前記加算値Add5′は前記加算値Add6′よりも十分に大きくなる(Add5′>>Add6′)。従って、生体組織の弾性がより大きいことを示す前記カラー弾性画像データED53が強調された加算値を得ることができる。
【0072】
前記三次元弾性画像表示制御部66は、図19に従って画素データを得るので、前記加算値Add5′に基づいて得られる画素データPD5は、前記加算値Add6′に基づいて得られる画素データPD6よりも明度が大きい。以上より、生体組織の弾性がより大きいことを示す前記カラー弾性画像データED53を、三次元弾性画像の明度に反映させることができる。
【0073】
ちなみに、この第二実施形態の第二変形例において、生体組織の弾性がより大きいことを示すカラー弾性画像データEDが強調された累積演算値が得られる累積演算であれば、上述の演算に限られるものではない。
【0074】
以上、本発明を上記各実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、上記各実施形態において、前記所定の弾性の範囲は前記256階調の階調値において設定されているが、これに限られるものではなく、前記歪みの値などの物理量において設定されてもよい。この場合、前記所定の弾性の範囲として設定された所定の範囲の物理量についての前記物理量データを対象にしてボリュームレンダリング処理を行ない、三次元弾性画像EG3Dを作成して表示する。ただし、この場合には、電子的に三次元領域の走査を行なって生体組織の変形状態がなるべく同じ状態下においてエコーデータを取得することが望ましい。
【0075】
また、前記物理量データ作成部5は、生体組織の弾性に関する物理量として、歪みの代わりに生体組織の変形による変位や弾性率などを算出してもよい。また、生体組織に対して音響放射圧を加えることによって生体組織にせん断波(shear wave)を発生させ、このせん断波の速度に基づいて、生体組織の弾性に関する物理量として、生体組織の硬さ(Pa:パスカル)を算出してもよい。ちなみに、せん断波の速度は、超音波のエコー信号に基づいて算出することができる。さらに、他の公知の手法によって生体組織の弾性に関する物理量を算出してもよい。
【0076】
さらに、上記実施形態においては、前記三次元弾性画像データEG3Dは、前記投影面P上の画素値に応じた明度を有する画像になっているが、これに限られるものではなく、画素値に応じた色相や不透明度などを有する画像であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 超音波診断装置
5 物理量データ処理部(物理量算出部)
64 断面画像表示制御部
65 領域設定部
66 三次元弾性画像表示制御部(三次元弾性画像データ作成部)
G1,G2,G3 超音波画像
BG1,BG2,BG3 Bモード画像
EG1,EG2,EG3 弾性画像
EG3D 三次元弾性画像
R1,R2,R3 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対する超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて生体組織の弾性に関する物理量を算出する物理量算出部と、
被検体の三次元領域における前記物理量に関するデータを所定の視線方向に投影して投影面上の各画素のデータを得るボリュームレンダリング処理により、三次元弾性画像データを作成する三次元弾性画像データ作成部と、を備え、
該三次元弾性画像データ作成部は、前記各画素のデータとして、前記視線方向における所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータの数に応じたデータを得る
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記各画素のデータは、三次元弾性画像の明度の情報を有するものであり、前記視線方向における前記所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータの数に応じた明度の情報を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記三次元弾性画像データ作成部は、前記視線方向における前記所定の弾性の範囲の前記物理量に対応するデータの数が多いほど、前記三次元弾性画像の明度が高くなるように前記各画素のデータを得ることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
被検体に対する超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて生体組織の弾性に関する物理量を算出する物理量算出部と、
被検体の三次元領域における前記物理量に関するデータを所定の視線方向に投影して投影面上の各画素のデータを得るボリュームレンダリング処理により、三次元弾性画像データを作成する三次元弾性画像データ作成部と、を備え、
該三次元弾性画像データ作成部は、所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータを前記所定の視線方向に累積演算して、前記各画素のデータを得る
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
前記各画素のデータは、前記三次元弾性画像に基づいて表示される三次元弾性画像の明度の情報を有するものであり、前記視線方向における前記所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータの累積演算値に応じた明度の情報を有することを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記三次元弾性画像データ作成部は、前記累積演算値が示す生体組織の弾性が大きいほど、三次元弾性画像の明度が大きくなるように前記投影面上の各画素のデータを得ることを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記三次元弾性画像データ作成部は、生体組織の弾性がより大きいことを示す物理量に関するデータが強調された累積値が得られるように前記累積演算を行なうことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記累積演算は加算演算であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記物理量に関するデータは、前記物理量のデータ又は前記物理量を階調化して得られた階調化データであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記所定の弾性の範囲は、前記階調化データにおける階調値において設定されることを特徴とする請求項9に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記所定の弾性の範囲は、前記物理量において設定されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記物理量に基づいて作成された互いに直交する三断面についての弾性画像を表示させる断面画像表示制御部を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記三断面の各弾性画像において所定の領域を設定する領域設定部を備え、
前記三次元弾性画像データ作成部は、領域設定部によって設定された領域に基づいて特定される三次元領域について前記三次元弾性画像データを作成する
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記断面画像表示制御部は、前記弾性画像をBモード画像と合成して表示させることを特徴とする請求項12又は13に記載の超音波診断装置。
【請求項15】
コンピュータに、
被検体に対する超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて生体組織の弾性に関する物理量を算出する物理量算出機能と、
被検体の三次元領域における前記物理量に関するデータを所定の視線方向に投影して投影面上の各画素のデータを得るボリュームレンダリング処理により、三次元弾性画像データを作成する三次元弾性画像データ作成機能と、を実行させる超音波診断装置の制御プログラムであって、
前記三次元弾性画像データ作成機能は、前記各画素のデータとして、前記視線方向における所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータの数に応じたデータを得るものである
ことを特徴とする超音波診断装置の制御プログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
被検体に対する超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて生体組織の弾性に関する物理量を算出する物理量算出機能と、
被検体の三次元領域における前記物理量に関するデータを所定の視線方向に投影して投影面上の各画素のデータを得るボリュームレンダリング処理により、三次元弾性画像データを作成する三次元弾性画像データ作成機能と、を実行させる超音波診断装置の制御プログラムであって、
前記三次元弾性画像データ作成機能は、所定の弾性の範囲の前記物理量に関するデータを前記所定の視線方向に累積演算して、前記各画素のデータを得るものである
ことを特徴とする超音波診断装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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