超音波診断装置
【課題】操作者への適切な表示と被検体への適切な表示の切り替えに煩雑さを回避させた超音波診断装置の提供。
【解決手段】
固定台に支持アームを介して取り付けられた表示装置を備え、前記支持アームにはその装置本体との取り付け個所に対して前記前記表示装置を少なくとも操作者側と被検者側との間を回動できる稼働部を有し、
前記表示装置の少なくとも操作者側への角度と被検者側への角度を検知する角度センサと、この角度センサの前記各角度の変化によって前記表示装置に表示する画像情報の切り換えがなされる切り換え手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【解決手段】
固定台に支持アームを介して取り付けられた表示装置を備え、前記支持アームにはその装置本体との取り付け個所に対して前記前記表示装置を少なくとも操作者側と被検者側との間を回動できる稼働部を有し、
前記表示装置の少なくとも操作者側への角度と被検者側への角度を検知する角度センサと、この角度センサの前記各角度の変化によって前記表示装置に表示する画像情報の切り換えがなされる切り換え手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、被検体に当接させて用いる超音波探触子からの反射エコー信号から該被検体内の断層像を作成し、その断層像を表示装置に表示させるように構成されている。
【0003】
そして、このような構成からなる超音波診断装置は、それを操作する操作者とたとえばベッド等に横たわっている患者(被検者)とが比較的離れて位置しているため、該表示装置は前記操作者に対向するようにあるいは前記被検体に対向するように移動できるようになっている。
【0004】
すなわち、該表示装置はたとえばフラットパネル状のもので、支持アームを介して装置本体に取り付けられ、該支持アームと装置本体との間および該支持アームと表示装置との間に形成された稼働部における回動によって、該表示装置は操作者と被検体の間を移動できるとともに、その画面を該操作者および被検体のそれぞれに指向できるようになっている。
【0005】
操作者は、該表示装置を自己の眼前に位置づけ、それを観察しながら装置本体に取り付けられている操作卓を用いて操作をし、その操作の後に、あるいはその操作の合間に、該表示装置を被検体の眼前に位置づけ、該表示装置に表示されている断層像を用いて該被検体に説明を行うことができるようになる。
【0006】
一方、超音波診断装置には、被検体内の複数の断層像から3次元画像を作成し、この3次元画像から視点をそれぞれ変化させて得られる各像を表示装置に表示させるものが知られる至っており、該視点の変化は、たとえば操作卓上のエンコーダつまみあるいはトラックボールの操作によって行っている。
【0007】
なお、被検者側にて超音波探触子を操作する操作者に断層像を見やすくするために、装置本体から比較的長いアームを介して表示装置を操作者に近接させて配置できる技術が下記特許文献1に、3次元画像から視点をそれぞれ変化されて得られる各像を表示装置に表示させる技術が下記特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開平7−47064号公報
【特許文献2】特開平8−140970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この場合において、操作者が観察する表示装置の表示は操作者にとって次の操作が適切に行い得るような表示とすることが望ましく、被検体が観察する表示装置の表示は被検体にとって通常の感覚で明瞭かつきれいな表示とすることが望ましい。このため、このような表示の調整は操作者がたとえば操作卓への操作等によって行うことが考えられるが、その操作は煩雑となり、その回避が要望されていた。このような要望は前記特許文献1では解決できていないものとなっている。
【0009】
さらに、3次元画像から視点をそれぞれ変化させて各画像を表示装置に表示させる場合、操作卓上のエンコーダつまみあるいはトラックボールを用いることなく、より簡単な操作で、かつ所望の視点から見た像を適切に得ることが要望されていた。このような要望は前記特許文献2では解決できていないものとなっている。
【0010】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、その目的は、操作者への適切な表示と被検体への適切な表示の切り替えに煩雑さを回避させた超音波診断装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、視点を変化させた3次元像をそれぞれ表示させる場合に、極めて簡単な操作で、かつ適切に得ることができる超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】
(1)本発明による超音波診断装置は、たとえば、固定台に支持アームを介して取り付けられた表示装置を備え、前記支持アームにはその装置本体との取り付け個所に対して前記前記表示装置を少なくとも操作者側と被検者側との間を回動できる稼働部を有し、
前記表示装置の少なくとも操作者側への角度と被検者側への角度を検知する角度センサと、この角度センサの前記各角度の変化によって前記表示装置に表示する画像情報の切り換えがなされる切り換え手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
(2)本発明による超音波診断装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、操作者側へ位置づけられた際の該表示装置には断層像の他に文字あるいは記号の情報が表示され、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置には前記断層像が拡大されて表示されるとともに前記文字あるいは記号の情報が少なくとも一部にて表示回避がなされることを特徴とする。
【0015】
(3)本発明による超音波診断装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、操作者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像と、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像は、それら画素に入力される信号に対する該画素の輝度を異ならしめるようにしたことを特徴とする。
【0016】
(4)本発明による超音波診断装置は、たとえば、(2)の構成を前提とし、 前記表示装置とは別個の簡易表示部を設け、操作者側から被検者側への表示装置の移動によって、その表示回避がなされた前記文字あるいは記号の情報の少なくとも一部は前記簡易表示部に表示されるように構成したことを特徴とする。
【0017】
(5)本発明による超音波診断装置は、たとえば、3次元画像を視点を変えて表示装置に表示させるものであって、前記表示装置は並設された第一表示装置と第二表示装置とから構成され、
第一表示装置は、固定台に第一支持アームを介して取り付けられ、該第一支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動でき、第二表示装置は、前記固定台に第二支持アームを介して取り付けられ、該第二支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動できるように構成され、
該第一表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第一水平角度センサと、該第二表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第二水平角度センサと、
前記第一水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第一表示装置に表示し、前記第二水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第二表示装置に表示する画像送出部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図2は、本発明による超音波診断装置の一実施例を示す概略構成をブロック図で示した図である。
【0020】
該超音波診断装置は、大別して、装置本体1と、被検体2に当接して用いられる超音波探触子3と、前記装置本体1に取り付けられた表示部101とから構成されている。超音波探触子3は、超音波送受信部4によって被検体2内に超音波を送信させ、その反射エコー信号を該超音波送受信部4がとらえるようになっている。超音波送受信部4からの反射エコー信号は整相加算部5に入力され、この整相加算部5によって位相制御され、いわゆる超音波生データ(RF信号)を生成するようになっている。この超音波生データは、超音波画像構成部6に入力され、この超音波画像構成部6によって、たとえば胎児等の断層画像が構成されるようになっている。超音波画像構成部6からの画像は表示部101に入力され、画像送出部113を介して表示装置(パネル)109に送出されるようになっている。なお、前記超音波送受信部4および超音波画像構成部6は、操作卓8からの入力に基づく制御が制御部7によってなされるようになっている。
【0021】
そして、後の説明でも明らかとなるように、この実施例では、表示装置109は、少なくとも、操作卓8の近傍に居る操作者と該操作卓8から比較的離れた位置にたとえばベッドに横たわる被検者との間を回転移動し表示面がそれらの者に指向できるようになっている。また、該表示装置109の前記回転移動における回転角度を常時検出できる角度センサ110を備えて構成され、この角度センサ110の検出出力は制御部7に入力されるようになっている。制御部7では、該角度センサ110の検出出力によってたとえば画像送出部113に入力させる画像情報を超音波画像構成部6を制御させることによって切り換えるようになっている。この部分における構成の詳細は後に説明する。
【0022】
また、図3は、前記超音波画像構成部6における構成を示した図で、CPU501、RAM503,磁気ディスク装置502、高速演算装置504,通信ポート等を備えて構成され、高速に画像を構成するようになっている。なお、この超音波画像構成部6には、図示していないが、表示装置109において断層画像等と重ねて表示させる文字、記号等のグラフィック画像をも構成されるようになっている。
【0023】
図4は、前記表示装置109の一実施例の詳細を示す外観図である。図4から明らかとなるように、 前記表示装置109は超音波診断装置の装置本体1に支持アーム32を介して取り付けられている。なお、図4の場合において、前記表示装置109はたとえば液晶表示装置から構成され、その形状はパネル(平板)状となっている。
【0024】
支持アーム32の装置本体1との取り付け部にあっては第1稼働部33が設けられ、この第1稼働部33の駆動によって該支持アーム32は、図中z軸の周りの動き(図中α方向の動きで、回動動作という場合あり)と、図中z軸に対して任意の角度を有する動き(図中β方向の動きで、傾き動作という場合あり)がなされるようになっている。
【0025】
この実施例では、たとえば前記第1稼働部33内に支持アーム32を回動動作させる回動駆動機構と傾き動作させる傾き駆動機構とが内蔵され、これら各駆動機構は、前記操作卓8への入力に基づく制御部7の駆動に伴って動作するようになっている。
【0026】
そして、前記回動駆動機構と傾き駆動機構は、上述のように、制御部7によって動作することから、それぞれ、現時点における支持アーム32の角度(首振り角度、傾き角度)を知る必要から、および当該駆動機構によって所望の角度だけ支持アーム32を動作させるために、角度センサ(図示せず)を備えたものとして構成されている。
【0027】
また、支持アーム32の表示装置109との取り付け部にあっては第2稼働部34が設けられ、この第2駆動部34の駆動によって、支持アーム32に対する表示装置109は、図中z軸方向に任意の角度を有する動き(図中γ方向の動きで、上下(垂直)首振り動作という場合あり)と、該z軸と交叉する方向に任意の角度を有する動き(図中δ方向の動きで、左右(水平)首振り動作という場合あり)がなされるようになっている。
【0028】
この場合にも、たとえば前記第2稼働部32内に表示装置109を上下(垂直)首振り動作させる上下(垂直)首振り駆動機構と左右(水平)首振り動作させる左右(水平)首振り動作機構とが内蔵され、これらの各駆動機構は、操作卓8への入力に基づく前記制御部7の駆動によって動作するようになっている。
【0029】
そして、同様に、前記上下(垂直)首振り駆動機構と左右(水平)首振り駆動機構は、制御部7によって動作することから、それぞれ、現時点における表示装置109の角度(上下(垂直)首振り角度、左右(水平)首振り角度)を知る必要から、および当該駆動機構によって所望の角度だけ表示装置109を動作させるために、角度センサ(図示せず)を備えたものとして構成されている。
【0030】
このような構成からなる表示装置109は、第1稼働部33および第2稼働部34にそれぞれ組み込まれた各駆動機構の前記制御部7からの制御駆動によって、任意の方向に指向(表示装置109の表示画面の前方垂直方向を任意の方向へ設定)するように移動させることができるようになる。
【0031】
図1は、上述のように構成された表示装置109の用途と、それに伴って該表示装置109に表示される画像情報の切り換えの一実施例を示した説明図である。
【0032】
まず、図1(a)の上方に描かれた説明図には、装置本体1と、この装置本体1に取り付けられた表示装置109と、この表示装置109を観察している操作者OPと、該装置本体1に近接してベット上に横臥している被検者PTを示しており、操作者OPと被検者PTは比較的離れた状態でそれぞれ位置している状態にある。
【0033】
前記表示装置109は、操作者OPの眼前において該操作者OPが最も見やすい位置に指向されて配置されている。この場合、表示装置109は操作者OPの専用として用いられ、被検者PTに観察できる配置にある必要はないものとなっている。
【0034】
そして、この場合における表示装置109の表示画面は、図1(a)の下方左側に描かれているように、たとえば、超音波診断装置によって作成された診断画像(同図にあっては、たとえば胎児の画像)41と、操作者OPにとって必要となる表示情報42が文字、記号等で表示されている。すなわち、表示装置109に表示されている表示画面は操作者OP(被検者PTではなく)にとって有用な画面となっているもので、この画面の表示は、該表示装置109が配置されている位置に基づいて自動的に選定されたものとなっている。
【0035】
すなわち、図1(a)における表示装置109の位置は、上述した第1稼働部33に内蔵された回動駆動機構における角度センサの検出角度で定まり、この検出角度が基準の角度SAに対してたとえば角度θ1およびその角度θ1に対してある範囲内にある場合は、操作者OPが観察している状態にあると想定して、表示装置109に表示する表示画面を上述した画面(図1(a)の下方左側に示す画面)に切り換えている。
【0036】
そして、被検者PTが自己の胎児を見たいと欲する場合において、図1(b)の上方に描かれた説明図に示すように、該表示装置109を被検者PTの眼前において該被検者PTが最も見やすい位置に指向させて配置させる。この場合、表示装置109は被検者PTの専用として用いられ、操作者OPに観察できる配置にある必要はないものとなる。
【0037】
そして、この場合における表示装置109の表示画面は、図1(b)の下方左側に描かれているように、超音波診断装置によって作成された診断画像43のみとなっており、操作者OPにとって必要となった前記表示情報42は消失されたものとなっている。さらに、該表示情報42の消失に応じ画面の有効利用を図るために前記診断画像43は拡大されて表示されている。被検者PTにとって観察し易いようにするためである。
【0038】
この場合においても、画面の表示は、該表示装置109が配置されている位置に基づいて自動的に選定されたものとなっており、第1稼働部33に内蔵された前記回動駆動機構における角度センサの検出角度が前記基準の角度に対してたとえば角度θ2およびその角度θ2に対してある範囲内にある場合は、被検者PTが観察している状態にあると想定して、表示装置109に表示する表示画面を上述した画面(図1(b)の下方左側に示す画面)に切り換えている。
【0039】
図6は、このような表示切り替えがなされる構成の一実施例を示したブロック図である。前記超音波画像構成部6において、断層画像6aが作成され、この断層画像6aは一方においてグラフィック画像6bが合成回路6cを介して合成されて第1メモリ6dに格納されるようになっている。この第1メモリ6dに格納された画像は前記操作者OP用の画像となるものである。一方、前記断層画像6aは所定の倍率で拡大されて拡大画像6eが作成され、第2メモリ6fに格納されるようになっている。この第2メモリ6fに格納された画像は前記被検者PT用の画像となるものである。
【0040】
第1メモリ6dに格納された画像、第2メモリ6fに格納された画像は、表示切り替え手段7Aによって、そのいずれか一方が表示装置109に出力されるようになっている。該表示切り替え手段7Aはたとえば前記制御部7の一部を構成する部分であり、この表示切り替え手段7Aによる表示切り替えは前記角度センサ110の検出出力に基づいてなされるようになっている。
【0041】
なお、図1で示した構成において、他の実施例として、操作者OPが観察する断層像と被検者PTが観察する断層像とで、それら画素信号に対する輝度の特性に相違をもたらすように構成してもよいことはいうまでもない。すなわち、図1(a)の下方右側に示したグラフは操作者OPが観察する断層像の画素信号に対する輝度の特性図44を示し、図1(b)の下方右側に示したグラフは被検者PTが観察する断層像の画素信号に対する輝度の特性図45を示したものである。
【0042】
このような相違をもたらすことにより、操作者OPにとっては診断に有効となる微妙な濃淡を明確に映し出した画像とし、被検者PTにとっては通常の人も含めて綺麗と感じる画像として作成することができるようになる。
【0043】
そして、上述した実施例では、表示装置109に表示される画像が操作者OP用から被検者PT用に切り替わる際に、操作者OPにとって有効であった文字、記号等のグラフィック画像42のうち少なくも一部は表示回避されるようにしたものであるが、この場合にあっても、操作者OPにとって依然として必要となる情報であり、その情報が手元において表示されていることが便利である場合がある。図5はこのような場合における他の実施例を示す説明図で、図1と対応した図となっている。図5(a)、(b)の上方の図から明らかとなるように、装置本体1の操作者OPが位置している個所にたとえばタッチパネル等からなる簡易表示部71が配置されている。前記表示装置109とは別個の表示部として機能するものである。また、図5(a)に示すように、表示装置109が操作者OP側に位置づけられている場合の、表示装置109および簡易表示部71の各表示内容をそれぞれ図5(a)の下方右側および左側に示し、図5(b)に示すように、表示装置109が被検者PT側に位置づけられている場合の、表示装置109および簡易表示部71の各表示内容をそれぞれ図5(b)の下方右側および左側に示している。
【0044】
この場合において、簡易表示部71に表示されている内容は、表示装置109が被検者PTに指向した際に、いままで該表示装置109に表示されていた文字、記号等のグラフィック画像73が表示されるようになっている。いままで該表示装置109に表示されていた該グラフィック画像73が操作者OPの眼前から完全に消失してしまうのを回避するためである。
【0045】
また、上述した表示装置109は、たとえば操作卓8への入力に基づく制御部7の駆動によって、自動的に、任意の個所に位置づけられるとともに、その画面が任意の方向へ指向されるように構成したものである。しかし、これに限定されることはなく、該表示装置109を操作者OP等による手動によって任意の個所に位置づけ、その画面を任意の方向へ指向できるように構成してもよいことはいうまでもない。この場合、第1稼働部33および第2稼働部34には上述した各駆動機構を具備させる必要はなく、少なくとも、前記支持アーム32の図中z軸の周りの動きの角度を検出する角度センサを備えるのみで足りることになる。表示装置109が、操作者OPによって観察されているかあるいは被検者PTによって観察されているかを、前記角度の検出値によって想定する必要があるからである。
【0046】
そして、このように各駆動機構を具備させない構成とした場合、表示装置109の移動を全て手動で行うことから、該表示装置109をたとえば操作者OP側において該操作者OPにとって適切な位置に配置させることは比較的困難となる。したがって、操作者にとって適切な位置(理想的な位置)に対していま表示装置109がどれだけの隔たりをもって位置づけられているかをたとえば表示装置109に表示されていれば、操作者OPにとって極めて便利となる。表示装置109をどれだけ移動すればよいかの目安となるからである。
【0047】
図7は、超音波診断装置にこのような機能を持たせるための構成の一実施例を示す図である。まず、図7(a)に示すように、メモリ81があり、このメモリ81には、前記表示装置109の操作者OP側への角度(位置に相当)であって理想的な角度(位置に相当)としての値を格納することができるようになっている。このメモリ81に格納される前記値は、たとえば操作卓8を介してたとえば操作者OPが自ら入力できるようになっている。そして、このメモリ81に格納されている角度の値は表示作成部82に入力されるようになっている。
【0048】
一方、表示装置109の現時点の位置を示す前記角度センサ110から検出される角度の値も前記表示作成部82に入力されるようになっている。この表示作成部82は、たとえば図7(b)に示すように、座標からなるグラフィックを作成し、この座標中に操作者OP側への表示装置109の理想的な角度をたとえば図中y軸に対応させ、現時点の表示装置の角度を図中PTとして表している。
【0049】
表示装置109の画面の一部に表示された該座標表示を操作者OPが認識することにより、表示装置109をあと左側に角度θdだけ移動させれば、該表示装置109を適切な位置に位置づけることができることが即理解でき、迅速な表示装置の移動を行うことができるようになる。なお、この実施例では、座標を表示装置109に表示させるようにしたものであるが、目標時点に近づく矢印等の表示を行うようにしても同様の効果を得ることができることはいうまでもない。
【0050】
また、図に示した実施例では、一の角度センサに基づいて表示装置109を所定の位置に位置づけるように構成したものであるが、他の各角度センサに基づいて同様の構成を採用するようにしてもよいことはいうまでもない。この場合、表示装置109の首振りにおいてまで、正確な角度に位置づけることができるようになる。
【0051】
図8は、超音波探触子3から得られる反射エコー信号から3次元画像を構築し、この3次元画像から得られる少なくとも2つの視点位置の異なる画像(2次元画像)を2個の異なる表示装置に表示する超音波診断装置の一実施例を示す要部構成図である。図8は、超音波診断装置の装置本体1に並設させて配置させた2個の表示装置109、111を示している。
【0052】
一方の表示装置111は支持アーム52を介して前記装置本体1に取り付けられ、該支持アーム52の装置本体1との取り付け部にあっては第1稼働部53が、該支持アーム52の表示装置111との取り付け部にあっては第2稼働部54が設けられている。そして、第1稼働部53および第2稼働部54には、図4で示したような駆動機構は設けられておらず、対応する動きの角度を検出する角度センサが設けられた構成となっている。また、他方の表示装置109は支持アーム56を介して前記装置本体1に取り付けられている。該支持アーム56の装置本体1との取り付け部にあっては第1稼働部57が、該支持アーム56の表示装置109との取り付け部にあっては第2稼働部58が設けられている。そして、第1稼働部57および第2稼働部58には、図4で示したような駆動機構は設けられておらず、対応する動きの角度を検出する角度センサが設けられた構成となっている。
【0053】
このように各表示装置111、109は手動によってその動きを変化させるようにしたのは、この実施例の場合、操作者は一方の手に超音波探触子3を持ってその超音波探触子3を被検者に当接させている場合が多く、他方の手のみで各表示装置111、109を動かした方が容易であるという事情からである。
【0054】
このような操作者の手動操作により、一方の表示装置111と他方の表示装置109は、図8に示すように、その画面を水平方向に並設させ、ある角度の開き角θを有して位置づけさせることができる。このようにするのは、同一の対象像を視点位置を変えた方向で一方の表示装置111および他方の表示装置109にそれぞれ表示するようにするためである。
【0055】
すなわち、図11は、たとえば胎児の頭部の3次元画像TDIの情報を立体的に表現した場合において、それを上方から見た平面図で、たとえば図中D1方向から該情報を目視した場合における画像表示を前記一方の表示装置111によって行い、図中D2方向から該情報を目視した場合における画像表示を前記他方の表示装置109によって行っている。
【0056】
この場合、図11において、図中D1方向から目視できる該情報の投影面111Aは前記一方の表示装置111の画像面に対応づけられ、図中D2方向から目視できる該情報の投影面109Aは前記他方の表示装置109の画像面に対応づけられ、これら各投影面の開き角は前記一方の表示装置と他方の表示装置の各画像面の開き角に一致づけられるようになっている。
【0057】
このことから、図11に示す投影面111Aと一致づけられる一方の表示装置111の位置は、その第1稼働部53に内蔵された回動動作に対応する角度センサと、第2稼働部54に内蔵された左右(水平)首振り動作に対応する角度センサからの出力値によって決定されることになる。このため、これら各角度センサからの出力値によって、図11における投影面111A、ひいてはD1方向を特定でき、前記一方の表示装置111に表示させるべく画像を選定することができるようになる。同様に、図11に示す投影面109Aと一致づけられる他方の表示装置109の位置は、その第1稼働部57に内蔵された回動動作に対応する角度センサと、第2稼働部58に内蔵された左右(水平)首振り動作に対応する角度センサからの出力値によって決定されることになる。このため、これら各角度センサからの出力値によって、図11における投影面109A、ひいてはD2方向を特定でき、前記他方の表示装置109に表示させるべく画像を選定することができるようになる。
【0058】
図10は、このようにして、一方の表示装置111の画像面に表示された胎児の顔64と、他方の表示装置109の画像面に表示された同一の胎児の顔62とを示した図であり、これら各顔64、62は視点を変えた方向で表示され、それらの各方向は前記開き角θを有したものとなっている。
【0059】
そして、さらに、図10に示した状態から、たとえば、一方の表示装置111を左右(水平)に首振りさせた場合には、その首振り角度ΔAに応じ、図11に示す方向D1が(A+2ΔA)に変化し、その変化した方向から見た投影像に匹敵する画像が該表示装置111に表示されるようになっている。この場合、該表示装置111の左右(水平)の首振り角度ΔAはその第2稼働部58に内蔵される左右(水平)首振り動作に対応する角度センサによって検知でき、この検知出力から該表示装置111に表示すべき投影像を選定することができる。このような構成は、他方の表示装置109においても同様の関係となっていることはいうまでもない。
【0060】
また、各表示装置111、109は、図10に示した状態から、それぞれ独立に、上下(垂直)の首振り動作をさせることもできることから、その動きに対応させて、表示画像を変化させるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0061】
図9は、このように3次元画像から得られる2つの視点位置の異なる画像をそれぞれ表示装置111、109に表示する超音波診断装置の一実施例を示すブロック図であり、図2に対応した図となっている。図2に示した構成と異なる部分は、まず、超音波画像構成部6において、複数の断層像情報から3次元像を構成できるようになっている。また、表示部101は表示装置111と表示装置109を備えて構成され、表示装置111の動きによる位置(角度)の情報および表示装置109の動きによる位置(角度)の情報は、それぞれ角度センサ112および110を介して制御部7に入力されるようになっている。そして、表示装置111の位置(角度)に対応した前記3次元画像の投影像および表示装置109の位置(角度)に対応した前記3次元画像の投影像の作成はたとえば前記超音波画像構成部6によって行うようになっている。
【0062】
なお、上述した実施例では、水平方向で視点を変えた画像を同時に観察できるように2つの表示装置111、109を設置させた構成としたものである。しかし、同時に観察する必要のない場合においては、必ずしも複数の表示装置を備えることなく、一個の表示装置のみであってもよいことはいうまでもない。たとえ一個の表示装置であっても、その動き(水平首振り、垂直首振り)に応じて対応した視点からの像を観察でき、このことから診断において、たとえば操作者の一方の手が超音波探触子の操作によって塞がっていたとしても、他方の手のみで表示装置を任意に、かつ容易に操作できる効果を奏する。
【0063】
上述した各実施例はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施例での効果を単独であるいは相乗して奏することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による超音波診断装置の一実施例を示す動作説明図である。
【図2】本発明による超音波診断装置の一実施例を示すブロック構成図である。
【図3】図2に示す超音波画像構成図のさらなる詳細を示す構成図である。
【図4】本発明による超音波診断装置の一実施例に用いられる表示装置の構成図である。
【図5】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示す動作説明図である。
【図6】本発明による超音波診断装置の画像切り換えに関する詳細を示したブロック図である。
【図7】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示す説明図である。
【図8】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示す構成図で、その表示部を示した構成図である。
【図9】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明による超音波診断装置の効果等を示す説明図である。
【図11】本発明による超音波診断装置の他の実施例の制御部における動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1……装置本体、3……超音波探触子、4……超音波送受信部、5……整相加算部、6……超音波画像構成部、7……制御部、8……操作卓、32、52、56……支持アーム、33、53、57……第1稼働部、71……簡易表示部、101……表示部、109、111……表示装置、110,112……角度センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、被検体に当接させて用いる超音波探触子からの反射エコー信号から該被検体内の断層像を作成し、その断層像を表示装置に表示させるように構成されている。
【0003】
そして、このような構成からなる超音波診断装置は、それを操作する操作者とたとえばベッド等に横たわっている患者(被検者)とが比較的離れて位置しているため、該表示装置は前記操作者に対向するようにあるいは前記被検体に対向するように移動できるようになっている。
【0004】
すなわち、該表示装置はたとえばフラットパネル状のもので、支持アームを介して装置本体に取り付けられ、該支持アームと装置本体との間および該支持アームと表示装置との間に形成された稼働部における回動によって、該表示装置は操作者と被検体の間を移動できるとともに、その画面を該操作者および被検体のそれぞれに指向できるようになっている。
【0005】
操作者は、該表示装置を自己の眼前に位置づけ、それを観察しながら装置本体に取り付けられている操作卓を用いて操作をし、その操作の後に、あるいはその操作の合間に、該表示装置を被検体の眼前に位置づけ、該表示装置に表示されている断層像を用いて該被検体に説明を行うことができるようになる。
【0006】
一方、超音波診断装置には、被検体内の複数の断層像から3次元画像を作成し、この3次元画像から視点をそれぞれ変化させて得られる各像を表示装置に表示させるものが知られる至っており、該視点の変化は、たとえば操作卓上のエンコーダつまみあるいはトラックボールの操作によって行っている。
【0007】
なお、被検者側にて超音波探触子を操作する操作者に断層像を見やすくするために、装置本体から比較的長いアームを介して表示装置を操作者に近接させて配置できる技術が下記特許文献1に、3次元画像から視点をそれぞれ変化されて得られる各像を表示装置に表示させる技術が下記特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開平7−47064号公報
【特許文献2】特開平8−140970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この場合において、操作者が観察する表示装置の表示は操作者にとって次の操作が適切に行い得るような表示とすることが望ましく、被検体が観察する表示装置の表示は被検体にとって通常の感覚で明瞭かつきれいな表示とすることが望ましい。このため、このような表示の調整は操作者がたとえば操作卓への操作等によって行うことが考えられるが、その操作は煩雑となり、その回避が要望されていた。このような要望は前記特許文献1では解決できていないものとなっている。
【0009】
さらに、3次元画像から視点をそれぞれ変化させて各画像を表示装置に表示させる場合、操作卓上のエンコーダつまみあるいはトラックボールを用いることなく、より簡単な操作で、かつ所望の視点から見た像を適切に得ることが要望されていた。このような要望は前記特許文献2では解決できていないものとなっている。
【0010】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、その目的は、操作者への適切な表示と被検体への適切な表示の切り替えに煩雑さを回避させた超音波診断装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、視点を変化させた3次元像をそれぞれ表示させる場合に、極めて簡単な操作で、かつ適切に得ることができる超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】
(1)本発明による超音波診断装置は、たとえば、固定台に支持アームを介して取り付けられた表示装置を備え、前記支持アームにはその装置本体との取り付け個所に対して前記前記表示装置を少なくとも操作者側と被検者側との間を回動できる稼働部を有し、
前記表示装置の少なくとも操作者側への角度と被検者側への角度を検知する角度センサと、この角度センサの前記各角度の変化によって前記表示装置に表示する画像情報の切り換えがなされる切り換え手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
(2)本発明による超音波診断装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、操作者側へ位置づけられた際の該表示装置には断層像の他に文字あるいは記号の情報が表示され、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置には前記断層像が拡大されて表示されるとともに前記文字あるいは記号の情報が少なくとも一部にて表示回避がなされることを特徴とする。
【0015】
(3)本発明による超音波診断装置は、たとえば、(1)の構成を前提とし、操作者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像と、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像は、それら画素に入力される信号に対する該画素の輝度を異ならしめるようにしたことを特徴とする。
【0016】
(4)本発明による超音波診断装置は、たとえば、(2)の構成を前提とし、 前記表示装置とは別個の簡易表示部を設け、操作者側から被検者側への表示装置の移動によって、その表示回避がなされた前記文字あるいは記号の情報の少なくとも一部は前記簡易表示部に表示されるように構成したことを特徴とする。
【0017】
(5)本発明による超音波診断装置は、たとえば、3次元画像を視点を変えて表示装置に表示させるものであって、前記表示装置は並設された第一表示装置と第二表示装置とから構成され、
第一表示装置は、固定台に第一支持アームを介して取り付けられ、該第一支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動でき、第二表示装置は、前記固定台に第二支持アームを介して取り付けられ、該第二支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動できるように構成され、
該第一表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第一水平角度センサと、該第二表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第二水平角度センサと、
前記第一水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第一表示装置に表示し、前記第二水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第二表示装置に表示する画像送出部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図2は、本発明による超音波診断装置の一実施例を示す概略構成をブロック図で示した図である。
【0020】
該超音波診断装置は、大別して、装置本体1と、被検体2に当接して用いられる超音波探触子3と、前記装置本体1に取り付けられた表示部101とから構成されている。超音波探触子3は、超音波送受信部4によって被検体2内に超音波を送信させ、その反射エコー信号を該超音波送受信部4がとらえるようになっている。超音波送受信部4からの反射エコー信号は整相加算部5に入力され、この整相加算部5によって位相制御され、いわゆる超音波生データ(RF信号)を生成するようになっている。この超音波生データは、超音波画像構成部6に入力され、この超音波画像構成部6によって、たとえば胎児等の断層画像が構成されるようになっている。超音波画像構成部6からの画像は表示部101に入力され、画像送出部113を介して表示装置(パネル)109に送出されるようになっている。なお、前記超音波送受信部4および超音波画像構成部6は、操作卓8からの入力に基づく制御が制御部7によってなされるようになっている。
【0021】
そして、後の説明でも明らかとなるように、この実施例では、表示装置109は、少なくとも、操作卓8の近傍に居る操作者と該操作卓8から比較的離れた位置にたとえばベッドに横たわる被検者との間を回転移動し表示面がそれらの者に指向できるようになっている。また、該表示装置109の前記回転移動における回転角度を常時検出できる角度センサ110を備えて構成され、この角度センサ110の検出出力は制御部7に入力されるようになっている。制御部7では、該角度センサ110の検出出力によってたとえば画像送出部113に入力させる画像情報を超音波画像構成部6を制御させることによって切り換えるようになっている。この部分における構成の詳細は後に説明する。
【0022】
また、図3は、前記超音波画像構成部6における構成を示した図で、CPU501、RAM503,磁気ディスク装置502、高速演算装置504,通信ポート等を備えて構成され、高速に画像を構成するようになっている。なお、この超音波画像構成部6には、図示していないが、表示装置109において断層画像等と重ねて表示させる文字、記号等のグラフィック画像をも構成されるようになっている。
【0023】
図4は、前記表示装置109の一実施例の詳細を示す外観図である。図4から明らかとなるように、 前記表示装置109は超音波診断装置の装置本体1に支持アーム32を介して取り付けられている。なお、図4の場合において、前記表示装置109はたとえば液晶表示装置から構成され、その形状はパネル(平板)状となっている。
【0024】
支持アーム32の装置本体1との取り付け部にあっては第1稼働部33が設けられ、この第1稼働部33の駆動によって該支持アーム32は、図中z軸の周りの動き(図中α方向の動きで、回動動作という場合あり)と、図中z軸に対して任意の角度を有する動き(図中β方向の動きで、傾き動作という場合あり)がなされるようになっている。
【0025】
この実施例では、たとえば前記第1稼働部33内に支持アーム32を回動動作させる回動駆動機構と傾き動作させる傾き駆動機構とが内蔵され、これら各駆動機構は、前記操作卓8への入力に基づく制御部7の駆動に伴って動作するようになっている。
【0026】
そして、前記回動駆動機構と傾き駆動機構は、上述のように、制御部7によって動作することから、それぞれ、現時点における支持アーム32の角度(首振り角度、傾き角度)を知る必要から、および当該駆動機構によって所望の角度だけ支持アーム32を動作させるために、角度センサ(図示せず)を備えたものとして構成されている。
【0027】
また、支持アーム32の表示装置109との取り付け部にあっては第2稼働部34が設けられ、この第2駆動部34の駆動によって、支持アーム32に対する表示装置109は、図中z軸方向に任意の角度を有する動き(図中γ方向の動きで、上下(垂直)首振り動作という場合あり)と、該z軸と交叉する方向に任意の角度を有する動き(図中δ方向の動きで、左右(水平)首振り動作という場合あり)がなされるようになっている。
【0028】
この場合にも、たとえば前記第2稼働部32内に表示装置109を上下(垂直)首振り動作させる上下(垂直)首振り駆動機構と左右(水平)首振り動作させる左右(水平)首振り動作機構とが内蔵され、これらの各駆動機構は、操作卓8への入力に基づく前記制御部7の駆動によって動作するようになっている。
【0029】
そして、同様に、前記上下(垂直)首振り駆動機構と左右(水平)首振り駆動機構は、制御部7によって動作することから、それぞれ、現時点における表示装置109の角度(上下(垂直)首振り角度、左右(水平)首振り角度)を知る必要から、および当該駆動機構によって所望の角度だけ表示装置109を動作させるために、角度センサ(図示せず)を備えたものとして構成されている。
【0030】
このような構成からなる表示装置109は、第1稼働部33および第2稼働部34にそれぞれ組み込まれた各駆動機構の前記制御部7からの制御駆動によって、任意の方向に指向(表示装置109の表示画面の前方垂直方向を任意の方向へ設定)するように移動させることができるようになる。
【0031】
図1は、上述のように構成された表示装置109の用途と、それに伴って該表示装置109に表示される画像情報の切り換えの一実施例を示した説明図である。
【0032】
まず、図1(a)の上方に描かれた説明図には、装置本体1と、この装置本体1に取り付けられた表示装置109と、この表示装置109を観察している操作者OPと、該装置本体1に近接してベット上に横臥している被検者PTを示しており、操作者OPと被検者PTは比較的離れた状態でそれぞれ位置している状態にある。
【0033】
前記表示装置109は、操作者OPの眼前において該操作者OPが最も見やすい位置に指向されて配置されている。この場合、表示装置109は操作者OPの専用として用いられ、被検者PTに観察できる配置にある必要はないものとなっている。
【0034】
そして、この場合における表示装置109の表示画面は、図1(a)の下方左側に描かれているように、たとえば、超音波診断装置によって作成された診断画像(同図にあっては、たとえば胎児の画像)41と、操作者OPにとって必要となる表示情報42が文字、記号等で表示されている。すなわち、表示装置109に表示されている表示画面は操作者OP(被検者PTではなく)にとって有用な画面となっているもので、この画面の表示は、該表示装置109が配置されている位置に基づいて自動的に選定されたものとなっている。
【0035】
すなわち、図1(a)における表示装置109の位置は、上述した第1稼働部33に内蔵された回動駆動機構における角度センサの検出角度で定まり、この検出角度が基準の角度SAに対してたとえば角度θ1およびその角度θ1に対してある範囲内にある場合は、操作者OPが観察している状態にあると想定して、表示装置109に表示する表示画面を上述した画面(図1(a)の下方左側に示す画面)に切り換えている。
【0036】
そして、被検者PTが自己の胎児を見たいと欲する場合において、図1(b)の上方に描かれた説明図に示すように、該表示装置109を被検者PTの眼前において該被検者PTが最も見やすい位置に指向させて配置させる。この場合、表示装置109は被検者PTの専用として用いられ、操作者OPに観察できる配置にある必要はないものとなる。
【0037】
そして、この場合における表示装置109の表示画面は、図1(b)の下方左側に描かれているように、超音波診断装置によって作成された診断画像43のみとなっており、操作者OPにとって必要となった前記表示情報42は消失されたものとなっている。さらに、該表示情報42の消失に応じ画面の有効利用を図るために前記診断画像43は拡大されて表示されている。被検者PTにとって観察し易いようにするためである。
【0038】
この場合においても、画面の表示は、該表示装置109が配置されている位置に基づいて自動的に選定されたものとなっており、第1稼働部33に内蔵された前記回動駆動機構における角度センサの検出角度が前記基準の角度に対してたとえば角度θ2およびその角度θ2に対してある範囲内にある場合は、被検者PTが観察している状態にあると想定して、表示装置109に表示する表示画面を上述した画面(図1(b)の下方左側に示す画面)に切り換えている。
【0039】
図6は、このような表示切り替えがなされる構成の一実施例を示したブロック図である。前記超音波画像構成部6において、断層画像6aが作成され、この断層画像6aは一方においてグラフィック画像6bが合成回路6cを介して合成されて第1メモリ6dに格納されるようになっている。この第1メモリ6dに格納された画像は前記操作者OP用の画像となるものである。一方、前記断層画像6aは所定の倍率で拡大されて拡大画像6eが作成され、第2メモリ6fに格納されるようになっている。この第2メモリ6fに格納された画像は前記被検者PT用の画像となるものである。
【0040】
第1メモリ6dに格納された画像、第2メモリ6fに格納された画像は、表示切り替え手段7Aによって、そのいずれか一方が表示装置109に出力されるようになっている。該表示切り替え手段7Aはたとえば前記制御部7の一部を構成する部分であり、この表示切り替え手段7Aによる表示切り替えは前記角度センサ110の検出出力に基づいてなされるようになっている。
【0041】
なお、図1で示した構成において、他の実施例として、操作者OPが観察する断層像と被検者PTが観察する断層像とで、それら画素信号に対する輝度の特性に相違をもたらすように構成してもよいことはいうまでもない。すなわち、図1(a)の下方右側に示したグラフは操作者OPが観察する断層像の画素信号に対する輝度の特性図44を示し、図1(b)の下方右側に示したグラフは被検者PTが観察する断層像の画素信号に対する輝度の特性図45を示したものである。
【0042】
このような相違をもたらすことにより、操作者OPにとっては診断に有効となる微妙な濃淡を明確に映し出した画像とし、被検者PTにとっては通常の人も含めて綺麗と感じる画像として作成することができるようになる。
【0043】
そして、上述した実施例では、表示装置109に表示される画像が操作者OP用から被検者PT用に切り替わる際に、操作者OPにとって有効であった文字、記号等のグラフィック画像42のうち少なくも一部は表示回避されるようにしたものであるが、この場合にあっても、操作者OPにとって依然として必要となる情報であり、その情報が手元において表示されていることが便利である場合がある。図5はこのような場合における他の実施例を示す説明図で、図1と対応した図となっている。図5(a)、(b)の上方の図から明らかとなるように、装置本体1の操作者OPが位置している個所にたとえばタッチパネル等からなる簡易表示部71が配置されている。前記表示装置109とは別個の表示部として機能するものである。また、図5(a)に示すように、表示装置109が操作者OP側に位置づけられている場合の、表示装置109および簡易表示部71の各表示内容をそれぞれ図5(a)の下方右側および左側に示し、図5(b)に示すように、表示装置109が被検者PT側に位置づけられている場合の、表示装置109および簡易表示部71の各表示内容をそれぞれ図5(b)の下方右側および左側に示している。
【0044】
この場合において、簡易表示部71に表示されている内容は、表示装置109が被検者PTに指向した際に、いままで該表示装置109に表示されていた文字、記号等のグラフィック画像73が表示されるようになっている。いままで該表示装置109に表示されていた該グラフィック画像73が操作者OPの眼前から完全に消失してしまうのを回避するためである。
【0045】
また、上述した表示装置109は、たとえば操作卓8への入力に基づく制御部7の駆動によって、自動的に、任意の個所に位置づけられるとともに、その画面が任意の方向へ指向されるように構成したものである。しかし、これに限定されることはなく、該表示装置109を操作者OP等による手動によって任意の個所に位置づけ、その画面を任意の方向へ指向できるように構成してもよいことはいうまでもない。この場合、第1稼働部33および第2稼働部34には上述した各駆動機構を具備させる必要はなく、少なくとも、前記支持アーム32の図中z軸の周りの動きの角度を検出する角度センサを備えるのみで足りることになる。表示装置109が、操作者OPによって観察されているかあるいは被検者PTによって観察されているかを、前記角度の検出値によって想定する必要があるからである。
【0046】
そして、このように各駆動機構を具備させない構成とした場合、表示装置109の移動を全て手動で行うことから、該表示装置109をたとえば操作者OP側において該操作者OPにとって適切な位置に配置させることは比較的困難となる。したがって、操作者にとって適切な位置(理想的な位置)に対していま表示装置109がどれだけの隔たりをもって位置づけられているかをたとえば表示装置109に表示されていれば、操作者OPにとって極めて便利となる。表示装置109をどれだけ移動すればよいかの目安となるからである。
【0047】
図7は、超音波診断装置にこのような機能を持たせるための構成の一実施例を示す図である。まず、図7(a)に示すように、メモリ81があり、このメモリ81には、前記表示装置109の操作者OP側への角度(位置に相当)であって理想的な角度(位置に相当)としての値を格納することができるようになっている。このメモリ81に格納される前記値は、たとえば操作卓8を介してたとえば操作者OPが自ら入力できるようになっている。そして、このメモリ81に格納されている角度の値は表示作成部82に入力されるようになっている。
【0048】
一方、表示装置109の現時点の位置を示す前記角度センサ110から検出される角度の値も前記表示作成部82に入力されるようになっている。この表示作成部82は、たとえば図7(b)に示すように、座標からなるグラフィックを作成し、この座標中に操作者OP側への表示装置109の理想的な角度をたとえば図中y軸に対応させ、現時点の表示装置の角度を図中PTとして表している。
【0049】
表示装置109の画面の一部に表示された該座標表示を操作者OPが認識することにより、表示装置109をあと左側に角度θdだけ移動させれば、該表示装置109を適切な位置に位置づけることができることが即理解でき、迅速な表示装置の移動を行うことができるようになる。なお、この実施例では、座標を表示装置109に表示させるようにしたものであるが、目標時点に近づく矢印等の表示を行うようにしても同様の効果を得ることができることはいうまでもない。
【0050】
また、図に示した実施例では、一の角度センサに基づいて表示装置109を所定の位置に位置づけるように構成したものであるが、他の各角度センサに基づいて同様の構成を採用するようにしてもよいことはいうまでもない。この場合、表示装置109の首振りにおいてまで、正確な角度に位置づけることができるようになる。
【0051】
図8は、超音波探触子3から得られる反射エコー信号から3次元画像を構築し、この3次元画像から得られる少なくとも2つの視点位置の異なる画像(2次元画像)を2個の異なる表示装置に表示する超音波診断装置の一実施例を示す要部構成図である。図8は、超音波診断装置の装置本体1に並設させて配置させた2個の表示装置109、111を示している。
【0052】
一方の表示装置111は支持アーム52を介して前記装置本体1に取り付けられ、該支持アーム52の装置本体1との取り付け部にあっては第1稼働部53が、該支持アーム52の表示装置111との取り付け部にあっては第2稼働部54が設けられている。そして、第1稼働部53および第2稼働部54には、図4で示したような駆動機構は設けられておらず、対応する動きの角度を検出する角度センサが設けられた構成となっている。また、他方の表示装置109は支持アーム56を介して前記装置本体1に取り付けられている。該支持アーム56の装置本体1との取り付け部にあっては第1稼働部57が、該支持アーム56の表示装置109との取り付け部にあっては第2稼働部58が設けられている。そして、第1稼働部57および第2稼働部58には、図4で示したような駆動機構は設けられておらず、対応する動きの角度を検出する角度センサが設けられた構成となっている。
【0053】
このように各表示装置111、109は手動によってその動きを変化させるようにしたのは、この実施例の場合、操作者は一方の手に超音波探触子3を持ってその超音波探触子3を被検者に当接させている場合が多く、他方の手のみで各表示装置111、109を動かした方が容易であるという事情からである。
【0054】
このような操作者の手動操作により、一方の表示装置111と他方の表示装置109は、図8に示すように、その画面を水平方向に並設させ、ある角度の開き角θを有して位置づけさせることができる。このようにするのは、同一の対象像を視点位置を変えた方向で一方の表示装置111および他方の表示装置109にそれぞれ表示するようにするためである。
【0055】
すなわち、図11は、たとえば胎児の頭部の3次元画像TDIの情報を立体的に表現した場合において、それを上方から見た平面図で、たとえば図中D1方向から該情報を目視した場合における画像表示を前記一方の表示装置111によって行い、図中D2方向から該情報を目視した場合における画像表示を前記他方の表示装置109によって行っている。
【0056】
この場合、図11において、図中D1方向から目視できる該情報の投影面111Aは前記一方の表示装置111の画像面に対応づけられ、図中D2方向から目視できる該情報の投影面109Aは前記他方の表示装置109の画像面に対応づけられ、これら各投影面の開き角は前記一方の表示装置と他方の表示装置の各画像面の開き角に一致づけられるようになっている。
【0057】
このことから、図11に示す投影面111Aと一致づけられる一方の表示装置111の位置は、その第1稼働部53に内蔵された回動動作に対応する角度センサと、第2稼働部54に内蔵された左右(水平)首振り動作に対応する角度センサからの出力値によって決定されることになる。このため、これら各角度センサからの出力値によって、図11における投影面111A、ひいてはD1方向を特定でき、前記一方の表示装置111に表示させるべく画像を選定することができるようになる。同様に、図11に示す投影面109Aと一致づけられる他方の表示装置109の位置は、その第1稼働部57に内蔵された回動動作に対応する角度センサと、第2稼働部58に内蔵された左右(水平)首振り動作に対応する角度センサからの出力値によって決定されることになる。このため、これら各角度センサからの出力値によって、図11における投影面109A、ひいてはD2方向を特定でき、前記他方の表示装置109に表示させるべく画像を選定することができるようになる。
【0058】
図10は、このようにして、一方の表示装置111の画像面に表示された胎児の顔64と、他方の表示装置109の画像面に表示された同一の胎児の顔62とを示した図であり、これら各顔64、62は視点を変えた方向で表示され、それらの各方向は前記開き角θを有したものとなっている。
【0059】
そして、さらに、図10に示した状態から、たとえば、一方の表示装置111を左右(水平)に首振りさせた場合には、その首振り角度ΔAに応じ、図11に示す方向D1が(A+2ΔA)に変化し、その変化した方向から見た投影像に匹敵する画像が該表示装置111に表示されるようになっている。この場合、該表示装置111の左右(水平)の首振り角度ΔAはその第2稼働部58に内蔵される左右(水平)首振り動作に対応する角度センサによって検知でき、この検知出力から該表示装置111に表示すべき投影像を選定することができる。このような構成は、他方の表示装置109においても同様の関係となっていることはいうまでもない。
【0060】
また、各表示装置111、109は、図10に示した状態から、それぞれ独立に、上下(垂直)の首振り動作をさせることもできることから、その動きに対応させて、表示画像を変化させるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0061】
図9は、このように3次元画像から得られる2つの視点位置の異なる画像をそれぞれ表示装置111、109に表示する超音波診断装置の一実施例を示すブロック図であり、図2に対応した図となっている。図2に示した構成と異なる部分は、まず、超音波画像構成部6において、複数の断層像情報から3次元像を構成できるようになっている。また、表示部101は表示装置111と表示装置109を備えて構成され、表示装置111の動きによる位置(角度)の情報および表示装置109の動きによる位置(角度)の情報は、それぞれ角度センサ112および110を介して制御部7に入力されるようになっている。そして、表示装置111の位置(角度)に対応した前記3次元画像の投影像および表示装置109の位置(角度)に対応した前記3次元画像の投影像の作成はたとえば前記超音波画像構成部6によって行うようになっている。
【0062】
なお、上述した実施例では、水平方向で視点を変えた画像を同時に観察できるように2つの表示装置111、109を設置させた構成としたものである。しかし、同時に観察する必要のない場合においては、必ずしも複数の表示装置を備えることなく、一個の表示装置のみであってもよいことはいうまでもない。たとえ一個の表示装置であっても、その動き(水平首振り、垂直首振り)に応じて対応した視点からの像を観察でき、このことから診断において、たとえば操作者の一方の手が超音波探触子の操作によって塞がっていたとしても、他方の手のみで表示装置を任意に、かつ容易に操作できる効果を奏する。
【0063】
上述した各実施例はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施例での効果を単独であるいは相乗して奏することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による超音波診断装置の一実施例を示す動作説明図である。
【図2】本発明による超音波診断装置の一実施例を示すブロック構成図である。
【図3】図2に示す超音波画像構成図のさらなる詳細を示す構成図である。
【図4】本発明による超音波診断装置の一実施例に用いられる表示装置の構成図である。
【図5】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示す動作説明図である。
【図6】本発明による超音波診断装置の画像切り換えに関する詳細を示したブロック図である。
【図7】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示す説明図である。
【図8】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示す構成図で、その表示部を示した構成図である。
【図9】本発明による超音波診断装置の他の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明による超音波診断装置の効果等を示す説明図である。
【図11】本発明による超音波診断装置の他の実施例の制御部における動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1……装置本体、3……超音波探触子、4……超音波送受信部、5……整相加算部、6……超音波画像構成部、7……制御部、8……操作卓、32、52、56……支持アーム、33、53、57……第1稼働部、71……簡易表示部、101……表示部、109、111……表示装置、110,112……角度センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定台に支持アームを介して取り付けられた表示装置を備え、前記支持アームにはその装置本体との取り付け個所に対して前記前記表示装置を少なくとも操作者側と被検者側との間を回動できる稼働部を有し、
前記表示装置の少なくとも操作者側への角度と被検者側への角度を検知する角度センサと、この角度センサの前記各角度の変化によって前記表示装置に表示する画像情報の切り換えがなされる切り換え手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
操作者側へ位置づけられた際の該表示装置には断層像の他に文字あるいは記号の情報が表示され、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置には前記断層像が拡大されて表示されるとともに前記文字あるいは記号の情報が少なくとも一部にて表示回避がなされることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
操作者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像と、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像は、それら画素に入力される信号に対する該画素の輝度を異ならしめるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記表示装置とは別個の簡易表示部を設け、操作者側から被検者側への表示装置の移動によって、その表示回避がなされた前記文字あるいは記号の情報の少なくとも一部は前記簡易表示部に表示されるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
3次元画像を視点を変えて表示装置に表示させるものであって、前記表示装置は並設された第一表示装置と第二表示装置とから構成され、
第一表示装置は、固定台に第一支持アームを介して取り付けられ、該第一支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動でき、第二表示装置は、前記固定台に第二支持アームを介して取り付けられ、該第二支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動できるように構成され、
該第一表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第一水平角度センサと、該第二表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第二水平角度センサと、
前記第一水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第一表示装置に表示し、前記第二水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第二表示装置する画像送出部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項1】
固定台に支持アームを介して取り付けられた表示装置を備え、前記支持アームにはその装置本体との取り付け個所に対して前記前記表示装置を少なくとも操作者側と被検者側との間を回動できる稼働部を有し、
前記表示装置の少なくとも操作者側への角度と被検者側への角度を検知する角度センサと、この角度センサの前記各角度の変化によって前記表示装置に表示する画像情報の切り換えがなされる切り換え手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
操作者側へ位置づけられた際の該表示装置には断層像の他に文字あるいは記号の情報が表示され、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置には前記断層像が拡大されて表示されるとともに前記文字あるいは記号の情報が少なくとも一部にて表示回避がなされることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
操作者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像と、被検者側へ位置づけられた際の該表示装置に表示される少なくとも断層像は、それら画素に入力される信号に対する該画素の輝度を異ならしめるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記表示装置とは別個の簡易表示部を設け、操作者側から被検者側への表示装置の移動によって、その表示回避がなされた前記文字あるいは記号の情報の少なくとも一部は前記簡易表示部に表示されるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
3次元画像を視点を変えて表示装置に表示させるものであって、前記表示装置は並設された第一表示装置と第二表示装置とから構成され、
第一表示装置は、固定台に第一支持アームを介して取り付けられ、該第一支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動でき、第二表示装置は、前記固定台に第二支持アームを介して取り付けられ、該第二支持アームに対して少なくとも水平方向へ揺動できるように構成され、
該第一表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第一水平角度センサと、該第二表示装置の水平方向への揺動角度を検出する第二水平角度センサと、
前記第一水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第一表示装置に表示し、前記第二水平角度センサの角度に応じた前記3次元画像の水平方向への視点角度で得られる像を前記第二表示装置する画像送出部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−20839(P2007−20839A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206508(P2005−206508)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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