説明

超音波軟骨解析装置、超音波軟骨解析方法及びプログラム

【課題】正確な軟骨の状態を、定量的に評価するための解析データを提供できる超音波軟骨解析装置、超音波軟骨解析方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】振動子11から、人の膝の注目領域内の複数ポイントにパルスバースト信号を送信し、軟骨で反射してなるエコー信号をエコー信号受信部12で受信する。エコー信号解析部13で、受信したエコー信号の振幅値を取得し、取得した振幅値の平均値及び標準偏差を算出する。さらに、エコー信号解析部13の解析データ生成部132で、算出した振幅値の平均値及び標準偏差から、注目領域における変動係数CVを算出する。解析データ生成部132で、算出した変動係数CVに基づいて、軟骨用の解析データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟骨の状態を解析するための定量的な情報を提供する超音波軟骨解析装置、超音波軟骨解析方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関節腔内の軟骨の状態を直感的且つ定量的に評価するために、軟骨に超音波を当て、その反射エコーに基づいて解析データを生成するシステムが各種考案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に示す超音波解析システムでは、先端に超音波送受波体を備えた内視鏡を関節内部に挿入し、超音波送受波体から送信したパルス信号のエコーを取得する。そして、エコー信号をウエーブレット変換し、軟骨表面エコーレベル、軟骨表面エコーパルス幅、仮定音速によって算出される軟骨厚み結果を表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−345821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような方法をそのまま経皮測定に用いた場合、エコー振幅は軟部組織の影響を受けるため、振幅の絶対量を評価することは、困難である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、軟骨部エコーの空間的な特徴量から正確な軟骨性状を定量的に評価するための解析データを提供できる超音波軟骨解析装置、超音波軟骨解析方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る超音波軟骨解析装置は、取得部、算出部、及び生成部を備え、生体の異なる位置に送信された複数の超音波信号が生体の内部で反射してなる複数のエコー信号に基づいて、生体の軟骨の状態に係る解析データを生成する。取得部は、生体の軟骨表面で反射してなる複数のエコー信号の振幅値を取得する。算出部は、取得部が取得した振幅値の統計量を算出する。生成部は、算出部が算出した統計量に基づいて、軟骨の状態に係る解析データを生成する。
【0008】
この構成では、生体の軟骨の状態に係る解析データを、生体の軟骨表面で反射してなる複数のエコー信号の振幅値の統計量に基づいて生成する。解析データの生成に複数のエコー信号の振幅値の統計量を用いることで、軟骨の正確な状態を、経皮的に定量評価するための解析データを提供できる。
【0009】
本発明に係る信号処理装置は、算出部をさらに備える。算出部は、取得部が取得した振幅値に基づいて変動係数を統計量として算出する。
【0010】
この構成では、振幅値の統計量の算出の具体例として、変動係数を用いた例を示している。
【0011】
本発明に係る信号処理装置において、取得部は、軟骨表面、又は該軟骨表面と略平行な面上における複数のエコー信号の振幅値を取得する。算出部は、軟骨表面、又は該軟骨表面と平行な面上における振幅値の統計量を算出する。
【0012】
この構成では、エコー信号の振幅値の取得、及び振幅値の統計量の算出の具体例を示している。
【0013】
本発明に係る信号処理装置において、取得部は、エコー信号の振幅値を随時取得する。算出部は、軟骨表面の法線方向に沿った振幅値の統計量を算出する。
【0014】
この構成では、算出する振幅値の統計量の具体例を示している。
【0015】
本発明に係る信号処理装置は、送信部をさらに備える。送信部は、生体の異なる位置にパルスバースト信号を送信する。
【0016】
この構成では、生体に送信する超音波信号の具体例として、パルスバースト信号としている。
【0017】
本発明に係る信号処理装置は、表示部をさらに備える。表示部は、生成部が生成した解析データを表示する。
【0018】
この構成では、解析データを表示できる構成を示している。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、解析データの生成に複数のエコー信号の振幅値の統計量を用いることで、軟組織の影響を受けにくい定量的解析データを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係る超音波軟骨解析装置の構成を示すブロック図である。
【図2】正面視した人の膝であり、振動子がパルスバースト信号を送信する領域を模式的に示す図である。
【図3】正常軟骨の場合の解析データを示す図である。
【図4】初期変性軟骨の場合の解析データを示す図である。
【図5】深度方向に対する変動係数CVの変化を示す解析データの模式図である。
【図6】深度方向に対する変動係数CVの変化を示す解析データの模式図である。
【図7】深度方向に対する変動係数CVの変化を示す解析データの模式図である。
【図8】超音波軟骨解析装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る超音波軟骨解析装置、超音波軟骨解析方法及びプログラムの好適な実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態では、超音波軟骨解析装置の被検体として人の膝の軟骨を例に説明するが、同様に超音波信号を用いて、被検体外部から被検体内部の構造を解析する他の装置に対しても、以下の実施形態の構成を適用することができる。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る超音波軟骨解析装置の構成を示すブロック図である。超音波軟骨解析装置1は、送信制御部10、振動子11、エコー信号受信部12、エコー信号解析部13、操作部14、表示部15及び記憶部16を備える。記憶部16は、例えばROM(Read Only Memory)等であって、必要なプログラム及びデータなどを記憶する。
【0023】
操作部14は、ユーザからの送信に関する操作入力に応じて送信周波数、パルス幅又は入力電圧等の送信パラメータを設定し、送信制御部10へ出力する。また、操作部14は、ユーザからの表示に関する操作入力に応じて、表示態様を設定もしくは切り替える指示を、表示部15に出力する。なお、この操作部14は、表示部15に組み込まれたものであってもよい。
【0024】
送信制御部10は、設定された周波数及び送信タイミング間隔に準じて、後述の振動子11に超音波信号を送信させるための駆動信号を生成する。周波数及び送信タイミング間隔は、操作部14を介してユーザにより設定されてもよいし、予め設定されていてもよい。送信制御部10は、生成した駆動信号を振動子11へ出力する。
【0025】
振動子(送信部)11は、膝の外皮に当接させて使用されるのに適した態様の筐体(例えばハンディースキャナのような筐体)によって内包されている。振動子11は、送信制御部10からの駆動信号により、所定の指向性で超音波信号を送信する。また、振動子11は、送信した超音波信号が膝の軟骨表面で反射してなるエコー信号を受信して、電気信号に変換し、エコー信号受信部12へ出力する。なお、軟骨表面とは、膝表皮から設定された距離(深度)における断面をいう。また、深度は、操作部14からユーザにより設定されてもよいし、予め設定されていてもよい。
【0026】
以下では、振動子11が送信する超音波信号は、パルス長が比較的に長いパルスバースト信号として説明する。パルスバースト信号とは、設定された周波数の搬送波を所定の波数分(例えば5波)だけ連続して送信されて波形が形成されたパルス信号をいう。なお、送信する超音波信号は、仕様又は状況に応じて、パルス長が比較的に短いパルス信号としてもよい。
【0027】
図2は、振動子11がパルスバースト信号を送信する領域を、膝に対して設定した状態を示す模式図である。図2では、折り曲げた状態の膝の正面視である。振動子11がパルスバースト信号を送信する領域(以下、注目領域という)Aは、1〜2cm程度の2次元領域であって、図中一点鎖線で示す膝蓋骨100を避けた位置に設定されている。
【0028】
注目領域Aは、膝蓋骨100を避けた位置であればよく、図2で示す実線部分であってもよいし、破線部分であってもよい。本実施形態に係る振動子11は、注目領域Aの複数ポイントに対してパルスバースト信号を注目領域Aに対して略垂直に送信し、エコー信号を受信する。すなわち、注目領域Aは、軟骨表面と略平行であるため、振動子11は、軟骨表面と平行な面上で2次元状に複数の信号の送受信を行う。以下では、図2に示すように、足の長さ方向をx軸方向、幅方向をy軸方向とする。なお、振動子11は注目領域Aを走査できる構成とする。走査についてはメカニカルな走査であってもよいし、電子走査であってもよい。
【0029】
送信制御部10及び振動子11は、パルスバースト信号を複数種類の送信周波数で送信可能となっている。例えば、送信制御部10及び振動子11は、約10MH〜24MHzのように所定の周波数帯域内における特定の周波数のパルスバースト信号を送信可能となっている。ここで、受信区間は、パルスバースト信号を人の膝に送信したタイミングから、予め設定した深度まで到達したパルスバースト信号の反射信号を振動子11が受信するタイミングまでの期間よりも長く設定されている。このパルスバースト信号の周波数は、実験的に得た結果等を用いて、人の軟骨評価に適する後述のエコーデータ、又は軟骨用の解析データを取得するのに適した周波数に予め設定されていてもよい。また、複数の周波数のパルスバースト信号によるエコーパターン等の解析データを取得した上で、操作部14を介してユーザにより調整された周波数に設定されてもよい。
【0030】
エコー信号受信部12は、エコー信号を所定サンプリングタイミングでデータ化し、膝の表面からの深度方向(法線方向)に沿ってサンプリングされた個別エコーデータが並ぶエコーデータを形成する。また、エコー信号受信部12は、パルスバースト信号を送信した注目領域Aの複数ポイントに対して、このエコーデータを形成する。すなわち、1回のパルスバースト信号に応じたエコーデータ(以下、1PINGのエコーデータという)は、深度方向に沿って所定間隔で並ぶ個別エコーデータ群からなり、このエコーデータが、軟骨表面方向に沿って注目領域A分形成される。エコー信号受信部12は、形成したエコーデータをエコー信号解析部13へ出力する。
【0031】
エコー信号解析部13は、例えばマイクロコンピュータからなり、記憶部16に格納されたプログラム16aを実行することで、エコー信号受信部12から入力されたエコーデータを用いて、軟骨用の解析データを生成する。エコー信号解析部13は、記憶部131及び解析データ生成部132を備えている。
【0032】
記憶部131は、所定PING数分のエコーデータを記憶する容量を備え、エコー信号受信部12から入力される1PING毎のエコーデータを順次記憶する。この際、記憶容量一杯にエコーデータが記憶された状態で、新たなエコーデータが入力された場合、最も古いPINGのエコーデータに対して、新たなエコーデータを書き換える処理を行う。これにより、記憶部131には、最新の所定PING数分のエコーデータが記憶されている。
【0033】
解析データ生成部132は、記憶部131からエコーデータを随時取得して、設定された深度における軟骨用の解析データを生成する。生成された解析データは、表示部15で表示され、軟骨の性状が評価される。
【0034】
以下に、解析データ生成部132が生成する解析データについて説明する。
【0035】
解析データ生成部132は、注目領域Aの各エコーデータから、設定された深度におけるエコー信号の振幅値を取得し、軟骨表面に沿った振幅値の分布図を生成する。次に、解析データ生成部132は、取得した振幅値から、注目領域Aにおける振幅値の平均値及び標準偏差をそれぞれ算出し、さらに変動係数CV(統計量)を算出する。この変動係数CVは、標準偏差/平均値により算出される。解析データ生成部132は、生成した振幅値の分布図、及び算出した変動係数CVを含む解析データを生成する。
【0036】
図3は、正常軟骨の場合の解析データを示す図である。図4は、初期の変性がおこった軟骨(以下、初期変性軟骨という)の場合の解析データを示す図である。初期変性軟骨とは、表層のコラーゲン密度が低下した関節軟骨をいう。図3及び図4は、図2に示す注目領域Aにおける軟骨表面で反射したエコー信号の振幅値の分布図、及び、算出された注目領域Aにおける変動係数CVを示している。なお、図3及び図4の右側図は、振幅値が大きくなるにつれ白色となり、小さくなるにつれ黒色となることを示している。
【0037】
正常軟骨の場合、軟骨を構成する表層のコラーゲン密度が大きく、また均一であるため、正常軟骨表面における振幅値は略均一となる(図3参照)。これに対し、初期変性軟骨の場合、コラーゲンの分解が進む過程で表面上のコラーゲン密度の不均一性が増し、音響反射率のばらつきが大きくなることで、振幅値のばらつきも大きくなる(図4参照)。そこで、解析データ生成部132は、この振幅値のばらつきが反映する変動係数CVを算出する。変動係数CVが小さくなるにつれ、振幅値のばらつきが小さい、すなわち、軟骨が正常であり、変動係数CVが大きくなるにつれ、振幅値のばらつきが大きい、すなわち、軟骨の変性が進んでいる状態となる。従って、図3及び図4に示すように、正常軟骨の変動係数CVは、変性軟骨の変動係数CVより小さくなる。このように、設定された深度における軟骨表面上の複数ポイントの振幅値のばらつきを反映する変動係数CVを用いることで、振幅値の絶対レベルを使用することなく、軟骨の性状の評価が可能となる。
【0038】
なお、解析データ生成部132は、深度方向に対する変動係数CVの変化を示す解析データを生成してもよい。図5、図6及び図7は、深度方向に対する変動係数CVの変化を示す解析データの模式図である。図5、図6及び図7は、横軸にエコー信号を受信するまでの時間、すなわち、深度として、深度に対する変動係数CVの変化、及びエコー信号の振幅値をそれぞれ上図及び下図に示している。また、図5は、正常軟骨の場合を示し、図6及び図7の順に、初期変性軟骨の場合を示している。
【0039】
図5に比べ、図6、図7では、変性が進むにつれて軟骨表面位置(時間約1.1μs)での変動係数CVは高くなっている。この変動係数CVの時間変化において、軟骨表面から内部にかけての変動係数CVの変動に注目することで、軟骨表面の性状を評価することが可能となる。また,各図の点線で示した変動係数CVの閾値(例えば、約20%)を設定し、変動係数CVが閾値を下回る領域(図中点線の楕円部分)の有無から軟骨表面の性状を評価することも可能となる。閾値を下回る領域がある場合(図5参照)、注目領域Aの軟骨は正常軟骨であり、閾値を下回る領域がない場合(図7参照)、注目領域Aの軟骨は初期変性軟骨であると評価される。
【0040】
また、解析データ生成部132は、注目領域Aにおける振幅値のばらつきをヒストグラムにした解析データを生成してもよい。さらに、解析データ生成部132は、深度方向における複数の位置での振幅値の分布図を2次元フーリエ変換した解析データを生成してもよい。この場合、変換後のパターンにおける凹凸の周期又は不連続性を評価することで、軟骨の性状の評価が可能となる。
【0041】
次に、超音波軟骨解析装置1の動作について説明する。図8は、超音波軟骨解析装置1で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0042】
超音波軟骨解析装置1の送信制御部10が、駆動信号を生成し、振動子11に注目領域Aに対してパルスバースト信号を送信させる(S1)。次に、エコー信号受信部12が、送信したパルスバースト信号に係るエコーデータを形成し(S2)、エコー信号解析部13が、エコーデータに基づいて、注目領域Aにおけるエコー信号の振幅値を取得する(S3)。
【0043】
エコー信号解析部13は、取得した振幅値から、注目領域Aにおける振幅値の平均値及び標準偏差を算出し(S4)、平均値及び標準偏差から変動係数CVを算出する(S5)。続いて、エコー信号解析部13は、取得した振幅値及び算出した変動係数CVから、図3及び図4などに示す解析データを生成する(S6)。エコー信号解析部13は、生成した解析データを表示部15へ出力し、表示部15は、その結果を表示する(S7)。表示部15に表示された結果から、注目領域Aにおける軟骨の性状の評価が行われる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態では、超音波軟骨解析装置1は、注目領域Aにおけるエコー信号の振幅値の変動係数CV(バラつき)を示す軟骨用解析データを生成している。これにより、振幅値の絶対レベルを検出することなく、変性軟骨の有無を評価するための情報を、直視的、定量的且つ明瞭に、ユーザへ提供することができる。
【0045】
なお、上述の実施形態では、エコー信号受信部12は、振動子11が受信した全エコー信号から、エコーデータを形成しているが、振動子11が受信したエコー信号の一部のみからエコーデータを形成するようにしてもよい。軟骨表面は凹凸等があるため、振動子11が軟骨表面と略平行な注目領域Aに信号を垂直に送信しても、送信した信号が軟骨表面に実際に垂直に入射されることは困難である。
【0046】
そこで、振動子11は、注目領域Aを走査して受信した複数のエコー信号に基づいて、軟骨表面への信号の入射角が、設定された許容入射角度未満であるか否かを判定する。軟骨表面への入射角は、振動子11から送信した信号が軟骨表面に到達するまでの時間に基づいて算出できる。例えば、注目領域Aにおける近傍の3つのポイントで振動子11がエコー信号を受信するまでの時間(帰来時間)を比較することで、エコー信号受信部12は、軟骨表面への入射角が略垂直であるか否かの判定を行うことができる。
【0047】
なお、許容入射角度は、振動子11の受信指向特性から、許容感度を満たす角度範囲に基づいて設定することができる。例えば、振動子11の許容感度が−6[dB]以内とした場合、−6[dB]での角度特性が±5°であれば、許容入射角度は、5°として設定される。この許容入射角度は、これに限定されず、適宜変更可能である。
【0048】
これにより、信頼性のあるエコー信号のみからエコーデータを形成することができるため、より精度良く軟骨の性状を評価することができる。
【符号の説明】
【0049】
1−超音波軟骨解析装置、10−送信制御部、11−振動子、12−エコー信号受信部(選択部)、13−エコー信号解析部(取得部、算出部、生成部)、131−記憶部、132−解析データ生成部(取得部、算出部、生成部)、14−操作部、15−表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の異なる位置に送信された複数の超音波信号が前記生体の内部で反射してなる複数のエコー信号に基づいて、前記生体の軟骨の状態に係る解析データを生成する超音波軟骨解析装置であって、
生体の軟骨表面で反射してなる複数のエコー信号の振幅値を取得する取得部と、
該取得部が取得した振幅値の統計量を算出する算出部と、
該算出部が算出した統計量に基づいて、軟骨の状態に係る解析データを生成する生成部と
を備えることを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波軟骨解析装置であって、
前記算出部は、
前記取得部が取得した振幅値に基づいて変動係数を統計量として算出する
ことを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の超音波軟骨解析装置であって、
前記取得部は、
軟骨表面、又は該軟骨表面と略平行な面上における複数のエコー信号の振幅値を取得し、
前記算出部は、
軟骨表面、又は該軟骨表面と平行な面上における振幅値の統計量を算出する
ことを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の超音波軟骨解析装置であって、
前記取得部は、
エコー信号の振幅値を随時取得し、
前記算出部は、
軟骨表面の法線方向に沿った振幅値の統計量を算出する
ことを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一つに記載の超音波軟骨解析装置であって、
生体の異なる位置にパルスバースト信号を送信する送信部
をさらに備えることを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一つに記載の超音波軟骨解析装置であって、
前記生成部が生成した解析データを表示する表示部
をさらに備えることを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一つに記載の超音波軟骨解析装置であって、
送信された複数の超音波信号から、前記生体の内部に対する超音波信号の入射角が略垂直となった超音波信号を選択する選択部
をさらに備え、
前記取得部は、
前記選択部が選択した超音波信号に係るエコー信号の振幅値を取得する
ことを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波軟骨解析装置であって、
前記選択部は、
超音波信号が送信されてからエコー信号を受信するまでの時間に基づいて、超音波信号を選択する
ことを特徴とする超音波軟骨解析装置。
【請求項9】
生体の異なる位置に送信された複数の超音波信号が前記生体の内部で反射してなる複数のエコー信号に基づいて、前記生体の軟骨の状態に係る解析データを生成する超音波軟骨解析方法であって、
生体の軟骨表面で反射してなる複数のエコー信号の振幅値を取得し、
取得した振幅値の統計量を算出し、
算出した統計量に基づいて、軟骨の状態に係る解析データを生成する
ことを特徴とする超音波軟骨解析方法。
【請求項10】
生体の異なる位置に送信された複数の超音波信号が前記生体の内部で反射してなる複数のエコー信号に基づいて、前記生体の軟骨の状態に係る解析データを生成するコンピュータで実行されるプログラムであって、
コンピュータを、
生体の軟骨表面で反射してなる複数のエコー信号の振幅値を取得する取得部、
該取得部が取得した振幅値の統計量を算出する算出部、及び、
該算出部が算出した統計量に基づいて、軟骨の状態に係る解析データを生成する生成部
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−105838(P2012−105838A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257403(P2010−257403)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】