説明

超音波送受波器及び超音波流量計

【課題】超音波送受波器を精度よく取り付けることができ、これにより高精度の流量計測が可能な超音波流量計を提供すること。
【解決手段】圧電体12と圧電体支持板11を覆うように形成された絶縁性制振部材15に孔部18を形成し、この孔部18に固定部材9の突出部19を挿入して圧電体支持板11を押圧することにより、超音波送受波器5をその超音波放射面13が傾くことなく固定することができる。これにより、精度の良い伝播時間計測を行うことができ、高精度の流量計測を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体中に超音波を送信、または、流体中から超音波を受信するための超音波送受波器、及びこの超音波送受波器を用いた超音波流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の超音波流量計に用いる超音波送受波器としては、例えば図11に示すようなものがある。この例では、天部60、側壁部61、この側壁部61より外側に延びる支持部62を有する有天筒状のケース63と、前記天部60の内壁面に固定した圧電体64と、前記側壁部61の外周に被着、密着してこの側壁部61の振動を抑制する制振体65と、前記支持部62を保持する保持部66と、前記ケース63を防振的に取付部に取付ける振動伝達抑止体67を備えている。そして、制振体65と振動伝達抑止体67の保持部66とを一体に形成している(特許文献1参照)。
【0003】
また、他の例として図12に示すものがある(特許文献2参照)。この例では、圧電素子70の片面に波長λの1/4の厚さを有する音響整合層71が固定されており、圧電素子70を囲むように構成された筒状ケース72が音響整合層71に固定されている超音波センサ73が開示されている。特に、その音響整合層71は合成樹脂にガラスバルーンを分散させることにより構成されており、ケース72は音響整合層71よりも音響インピーダンスの大きいプラスチック材料により構成されており、ケース72内に圧電素子70を埋めるように弾性樹脂74が充填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−159551号公報
【特許文献2】特開平10−224895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成の超音波送受波器では、超音波流量計に用いる場合、保持部が傾斜すると、圧電体の放射面が傾斜してしまい、超音波の伝搬路の方向がずれることとなる。これにより、伝搬時間つまり、計測精度に影響を及ぼすという課題があった。
【0006】
また、圧電素子を埋めるように弾性樹脂を充填する場合、充填材で信頼性の確保がなされるとともに超音波放射面の位置は確定されるが、このように形成されたものを、残響伝搬の少ない状態で流路に取り付ける方法については、課題が残るものであった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、超音波送受波器の超音波放射面を精度よく設定可能にするとともに、残響伝搬の発生をも抑制する固定方法を与え、これにより高精度な流量計測を実現する超音波流量計の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明の超音波送受波器は、圧電体支持板と、前記圧電体支持板の一方の面に固定した音響整合体と、他方の面に固定した圧電体とを備え、前記圧電体と、前記圧電体支持板を覆うように絶縁性制振部材を一体的に形成し、前記絶縁性制振部材には、外部より圧電体支持板に到達する孔部を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
これにより、前記孔部において、外部の固定部材に設けた突出部により圧電体支持板を
押圧して、超音波送受波器の放射面を精度よく設定することを可能にしたものである。
【0010】
さらに、本発明の超音波送受波器は、天部、側壁部、前記側壁部より外側に延びる支持部を有する有天筒状金属ケースと前記ケース部内壁面に収容される圧電体と、音波放射面に備えられた音響整合体とを備え、前記圧電体と、前記有天筒状金属ケースを覆うように絶縁性制振部材を一体的に形成し、前記絶縁性制振部材には、外部より前記支持部に到達する孔部を形成してもよい。
【0011】
これにより、前記孔部において、外部の固定部材に設けた突出部にて有天筒状金属ケースの端部を押圧することにより、超音波送受波器の圧電体から離れた部分で超音波送受波器を固定することができるため、圧電体からの残響伝搬をより減衰させることが可能となるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の超音波送受波器は、超音波の放射面を精度よく設定することができ、これにより、高精度な流量計測を達成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における超音波流量計の流れ方向断面図
【図2】本発明の実施の形態1における超音波送受波器および流路への取り付け構成部の部分断面図
【図3】図2における部分断面図
【図4】図2における線分AA’、BB’における断面図
【図5】本発明の実施の形態1における超音波送受波器の固定部材の図
【図6】本発明の実施の形態2における超音波送受波器および流路への取り付け構成部の部分断面図
【図7】図6における部分断面図
【図8】図6における線分CC’における断面図
【図9】本発明の実施の形態2における超音波送受波器の固定部材の図
【図10】本発明の実施の形態3における超音波送受波器および流路への取り付け構成部の部分断面図
【図11】従来の超音波送受波器1を示す図
【図12】従来の超音波送受波器2を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、圧電体支持板と、前記圧電体支持板の一方の面に固定した音響整合体と、他方の面に固定した圧電体とを備えている。そして、前記圧電体と前記圧電体支持板を覆うように絶縁性制振部材を一体的に形成し、前記絶縁性制振部材には、外部より圧電体支持板に到達する孔部を形成したことを特徴とすることで、前記孔部において、外部の固定部材に設けた突出部により圧電体支持板を押圧することが可能となり、超音波送受波器の放射面を精度よく設定することを可能とするものである。
【0015】
第2の発明は、天部、側壁部、前記側壁部より外側に延びる支持部を有する有天筒状金属ケースと前記有天筒状金属ケースの天部内面に収容される圧電体と、前記天部外面に設けられた音響整合体とを備えている。そして、前記圧電体と、前記有天筒状金属ケースを覆うように絶縁性制振部材を一体的に形成し、前記絶縁性制振部材には、外部より前記支持部に到達する孔部を形成したことを特徴としている。これにより、外部の固定部材に設けた突出部により有天筒状の金属ケースの端部に設けられた孔部において、金属ケースを押圧することが可能となり、超音波送受波器の圧電体が取り付けられている位置から離れた部分で固定部材により超音波送受波器を固定することができ、超音波送受波器の放射面
を精度よく設定することができる。また、固定部材からの残響伝搬を減衰させることを可能とするものである。
【0016】
第3の発明は、特に、第1もしくは第2の発明において、前記孔部を少なくとも3か所に形成したことを特徴とするもので、少なくとも3点で押圧することにより、面としての固定を可能とするものである。
【0017】
第4の発明は、特に、第1もしくは第2の発明において、前記孔部を前記圧電体側に形成したことを特徴とするもので、流路の外側から超音波送受波器を押さえることができるため、固定部材を配置し易い構成として実現できるものである。
【0018】
第5の発明は、特に、第1もしくは第2の発明において、前記孔部を前記音響整合体側に形成したことを特徴とするもので、圧電体の位置をより正確に定めることができるものである。
【0019】
第6の発明は、特に、第1もしくは第2の発明において、前記絶縁性制振部材の外周に突起部を設けたことを特徴とするもので、超音波送受波器のセンタの位置決めが正確にできるものである。
【0020】
第7の発明は、特に、第1もしくは第2の発明において、前記絶縁性制振部材の軸方向に突起部を設けたことを特徴とするもので、超音波送受波器の軸方向の位置決めが正確にできるものである。
【0021】
第8の発明は、流路を流れる流体の流量を測定する流量測定部と、この流量測定部に設けられた第1から第7の発明のいずれか一つに記載の一対の超音波送受波器と、孔部においてこの超音波送受波器を保持する突出部と、この超音波送受波器間の超音波伝搬時間を計測する計測手段と、この計測手段からの信号に基づいて流量を求める演算手段を備えた超音波流量計を構成したもので、送受波器の超音波放射面の位置、傾きを精度よく設定でき、これにより高精度な流量計測を達成することが出来るものである。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における超音波流量計1の流れ方向断面図を示している。
【0024】
図1において、超音波流量計1の流量測定部2は流路3を有しており、この流路3に対して、斜めに超音波が送受信できるように超音波を伝搬する開口部4a、4bが設けられ、それぞれの端部に、超音波送受波器5,6が対向するように固定されている。
【0025】
図1において、L1は、超音波送受波器5から伝搬する超音波の伝搬経路を示しており、L2は超音波送受波器6からの超音波の伝搬経路を示している。
【0026】
流路3を流れる流体の流速をV、流体中の音速をC、流体の流れる方向と超音波の伝搬方向のなす角度をθとする。
【0027】
超音波送受波器6を送波器、超音波送受波器5を受波器として用いたときに、超音波送受波器6から出た超音波が超音波送受波器5に到達するまでの伝搬時間t1は、
t1 = L /(C+Vcosθ) (1)
で示される。
【0028】
次に超音波送受波器5から出た超音波パルスが超音波送受波器6に到達するまでの伝搬時間t2は、
t2 = L /(C−Vcosθ) (2)
で示される。
【0029】
そして、(1)と(2)の式から流体の音速Cを消去すると、
V = L /(2cosθ((1/t1)−(1/t2))) (3)
の式が得られる。
【0030】
Lとθが既知なら、計測手段7により得られたt1、t2の測定値を用い、演算手段8によって流速Vが求められる。この流速Vに流路3の断面積Sと補正係数Kを乗じれば、流量Qを求めることができる。演算手段8は、上記Q=KSVの演算も実施するものである。
【0031】
このような計測系において、超音波送受波器5,6の超音波放射面が精度よく取り付けられていないと、超音波の伝搬経路がL1、L2からずれることになり、開口部4a、4bの内部で反射等が生じ、正確な伝搬時間の計測ができないことになる。
【0032】
超音波送受波器5,6の流路3への取り付け状態及び、超音波送受波器5,6の構成に関して以下詳細に説明する。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態1における超音波送受波器および、流路への取り付け構成部の部分断面図を示している。また、図3は図2のP部拡大図を示し、図4(a)は図2の線分AA’における断面図、図4(b)は図2の線分BB’における断面図を示している。
【0034】
超音波送受波器5,6の取り付けは同様であるため、超音波送受波器5についてのみ説明を行う。
【0035】
図2において、超音波送受波器5は、流路3の開口部4aにおいて、固定部材9によって流路3へ押圧するように取り付けられる。
【0036】
超音波送受波器5は、音響整合体10と圧電体支持板11、圧電体支持板11と圧電体12がそれぞれの接触平面において接着剤もしくは導電ペースト等で接着される。この実施例の場合、圧電体支持板11は円盤状、音響整合体10は円柱状、圧電体12は直方体状にそれぞれ形成されているが、この形状に限定されるものではない。例えば、圧電体12に縦振動のスプリアスを防止するためのスリットが形成されていても良い。
【0037】
圧電体12の両面には電極(図示せず)が形成されている。また、音響整合体10の開放側端面は超音波の放射面13となる。
【0038】
リード線14は、その一方が圧電体12の一方の電極に接続され、他方は圧電体12の他の電極に接合された圧電体支持板11に接続されている。圧電体支持板11と圧電体12の電極とは、接合部に接着剤を用いた場合はオーミックコンタクトによって電気的に接続されている。
【0039】
絶縁性制振部材15は、圧電体12と圧電体支持板11を覆うように一体的に形成されている。
【0040】
図3において図2のP部を詳細に説明する。絶縁性制振部材15はその外周面16aに外周突起部16bを有しており、流路3の周方向当接面17aに当接している。また、この外周突起部16bは図4(a)のAA’断面図に見られるごとく、絶縁性制振部材15の外周面16aの全周に形成されている。この構成により、外周突起部16bは超音波送受波器5の径方向の位置決めを精度よく行う役割を担っている。
【0041】
また、図3において、絶縁性制振部材15の面部16cには軸方向突起部16dが形成されており、流路3の軸方向当接面17bに当接している。また、この軸方向突起部16dは図4(b)のBB’断面図に見られるごとく、絶縁性制振部材15の面部16cの全周に形成されている。この構成により、軸方向突起部16dは超音波送受波器5の中心軸方向の位置決めを精度よく行う役割を担っている。
【0042】
なお、本実施例では、外周突起部16b、軸方向突起部16dともに、全周に設けているが、超音波送受波器5の位置を精度よく位置決めできるのであれば、周方向の適当な位置において、少なくとも3か所以上設けるような構成としてもよい。
【0043】
図4(a)に示されるように、絶縁性制振部材15には3箇所に孔部18が形成されている。この孔部18は、図3に示すように、圧電体支持板11の圧電体12側において絶縁性制振部材15の外部より貫通して、圧電体支持板11に達するよう構成されている。
【0044】
図5は固定部材9の平面図、および側面図を示したものである。固定部材9には、3箇所の突出部19が設けられている。図3に示すように、この突出部19が、絶縁性制振部材15の孔部18に挿入される。これにより、超音波送受波器5の圧電体支持板11が流路3に直接押圧されるため、超音波送受波器5をその超音波放射面が傾くことなく固定することができる。
【0045】
音響整合体10は、ガラスの中空球体の隙間を熱硬化性樹脂で充填し、硬化した構成で実現することが出来る。あるいは、セラミック多孔体の音波放射面に音響膜を形成した構成でも可能である。音響整合体10はいずれも、λ/4の厚みで調整することで超音波を効率よく被計測流体に伝搬することが出来る。
【0046】
圧電体支持板11は例えば、鉄、ステンレス、黄銅、銅、アルミ、ニッケルめっき鋼板等の金属材料であれば可能である。
【0047】
圧電体12は、圧電性を示す材料であればどのような材料であっても可能であるが、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛等が好適である。圧電体12とリード線14との接合、および圧電体支持板11とリード線14との接合は、半田付け、導電ペースト等で接合可能である。
【0048】
以上のように構成された超音波送受波器5について、以下その動作、作用を説明する。
【0049】
図2において、圧電体12はリード線14を介して、図1に示す計測手段7より、圧電体の共振周波数に近い周波数の信号で駆動される。電気信号が圧電体12に加えられると、圧電体12によって電気信号が機械的振動に変換される。圧電体12と音響整合体10とは共振することによって、より大きな超音波パルスが、開口部4aを通って被計測流体に伝搬する。
【0050】
このとき、超音波送受波器5は、上記した構成により、径方向、軸方向に対して精度よく固定されているため、その超音波送受波器5の超音波放射面13が傾くことがない。こ
のため、超音波は不要な反射を生じることなく伝搬し、精度の良い伝播時間測定をすることができる。
【0051】
また、超音波送受波器5の固定が固定部材9の突出部19により、点接触的に行われているため、圧電体12の残響が流路3に伝わるのを最小限にとどめている。この効果は、絶縁性制振部材15自体が、残響の振動を減衰させることと合まって、残響時間の短縮化に寄与するものである。
【0052】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における超音波送受波器および、流路への取り付け構成部の部分断面図を示している。また、図7は図6のQ部拡大図を示している。
【0053】
図6において、絶縁性制振部材20により覆われた超音波送受波器5が固定部材21により流路3の開口部4aにおいて、流路3へ押圧するように取り付けられているのは、実施の形態1と同じである。
【0054】
図7において図6のQ部を詳細に説明する。絶縁性制振部材20には、音響整合体10の側において絶縁性制振部材20の外部より貫通して、圧電体支持板11に達する孔部22が形成されている。また、流路3には突出部23が形成されている。
【0055】
図8に示すように、絶縁性制振部材20の孔部22は3箇所に形成されている。また、突出部23もこの孔部22に対応する位置に3箇所設けられている。
【0056】
図7に示すように、この突出部23が、絶縁性制振部材20の孔部22に挿入されることにより、超音波送受波器5の圧電体支持板11は固定部材21の押圧方向に対して、突出部23により精度よく位置決めされるため、超音波送受波器5をその超音波放射面13が傾くことなく固定することができる。
【0057】
図9に示すように、この場合の固定部材21はドーナツ状の円板である。
【0058】
上記以外の構成は第一の実施例と同じため、省略する。
【0059】
以上のように構成された超音波送受波器においては、固定部材21を用いて絶縁性制振部材20を押圧して取り付けることにより、圧電体支持板11は押圧方向に対して、突出部23により精度よく位置決めされるため、超音波送受波器5の超音波放射面13を傾くことなく固定することができる。このため、超音波は不要な反射を生じることなく伝搬し、精度の良い伝播時間測定をすることができる。
【0060】
また、超音波送受波器5の固定が突出部23により、点接触的に行われているため、圧電体12に生じる残響が流路3に伝わるのを最小限にとどめている。この効果は、絶縁性制振部材20自体が、超音波パルスの振動を減衰させることと合まって、残響時間の短縮化に寄与するものである。
【0061】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3における超音波送受波器および、流路への取り付け構成部の部分断面図を示している。
【0062】
図10において、超音波送受波器24は、流路3の開口部4aにおいて、固定部材9によって流路3へ押圧するように取り付けられる。この場合は第一の実施例における圧電体支持板11が有天筒状金属ケース25に置き換えられたものである。
【0063】
有天筒状金属ケース25は、天部26、側壁部27、この側壁部27より外側へ延びる支持部28を備えている。圧電体12は天部26の内側に接合されており、音響整合体10は天部26の外側に接合されている。
【0064】
リード線14は、その一方が圧電体12の一方の電極に接続され、他方は圧電体12の他の電極に接合された有天筒状金属ケース25に接続されている。有天筒状金属ケース25と圧電体12の電極とは、接合部に接着剤を用いた場合はオーミックコンタクトによって電気的に接続されている。
【0065】
絶縁性制振部材29は、圧電体12の外周を含む有天筒状金属ケース25の内部と、有天筒状金属ケース25を覆うように、一定強度の接着力で一体的に形成されている。
【0066】
また、この場合、固定部材9の突出部19が有天筒状金属ケース25の支持部28を直接押圧するように構成されている。
【0067】
上記以外の構成は第一の実施例と同じため、省略する。
【0068】
以上のように構成された超音波送受波器においては、有天筒状金属ケース25の支持部28にて、超音波送受波器24を固定する構成となっているため、圧電体12からより遠い位置での固定が可能となり、より残響の伝達が抑制されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本発明にかかる超音波流量計は、超音波の放射面を精度よく設定できるため、精度のよい伝播時間測定が可能となり、高精度な流量計測が必要とされる、ガスメータ、産業用流量計等の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0070】
1 超音波流量計
2 流量測定部
3 流路
5 超音波送受波器
6 超音波送受波器
7 計測手段
8 演算手段
10 音響整合体
11 圧電体支持板
12 圧電体
15 絶縁性制振部材
16b 外周突起部
16d 軸方向突起部
18 孔部
20 絶縁性制振部材
22 孔部
19,23 突出部
24 超音波送受波器
25 有天筒状金属ケース
26 天部
27 側壁部
28 支持部
29 絶縁性制振部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電体支持板と、前記圧電体支持板の一方の面に固定した音響整合体と、他方の面に固定した圧電体とを備え、
前記圧電体と、前記圧電体支持板とを覆うように絶縁性制振部材を一体的に形成し、
前記絶縁性制振部材には、外部より圧電体支持板に到達する孔部を形成したことを特徴とする超音波送受波器。
【請求項2】
天部、側壁部、前記側壁部より外側に延びる支持部を有する有天筒状金属ケースと前記有天筒状金属ケースの天部内面に収容される圧電体と、前記天部外面に設けられた音響整合体とを備え、
前記圧電体と、前記有天筒状金属ケースとを覆うように絶縁性制振部材を一体的に形成し、
前記絶縁性制振部材には、外部より前記支持部に到達する孔部を形成したことを特徴とする超音波送受波器。
【請求項3】
前記孔部を少なくとも3か所に形成したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の超音波送受波器。
【請求項4】
前記孔部を前記圧電体側に形成したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の超音波送受波器。
【請求項5】
前記孔部を前記音響整合体側に形成したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の超音波送受波器。
【請求項6】
前記絶縁性制振部材の外周に突起部を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の超音波送受波器。
【請求項7】
前記絶縁性制振部材の軸方向に突起部を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の超音波送受波器。
【請求項8】
流路を流れる流体の流量を測定する流量測定部と、この流量測定部に設けられた請求項1から7のいずれか1項に記載の少なくとも一対の超音波送受波器と、前記孔部において前記超音波送受波器を保持する突出部と、前記この超音波送受波器間の超音波伝搬時間を計測する計測手段と、この計測手段からの信号に基づいて流量を求める演算手段を備えた超音波流量計。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−253585(P2012−253585A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124824(P2011−124824)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】