説明

足洗浄用泡状エアゾール

【課題】 クリーミーでしっかりした泡が噴射され、足に直接噴射して使用するのに好適で、簡便に足を洗浄することができる足洗浄用泡状エアゾールを提供する。
【解決手段】 スパウトを取り付けた耐圧容器に充填された内容物を、泡状に噴射するエアゾールであって、内容物が、界面活性剤、増粘剤及び水を含有する原液と噴射剤とからなり、スパウトの吐出孔の出口に、穴径が0.4mmを超え2.7mm未満のノズルを取り付けたことを特徴とする足に直接噴射して使用する足洗浄用泡状エアゾール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーミーでしっかりした泡が噴射され、足に直接噴射して使用するのに好適な足洗浄用泡状エアゾールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、足洗浄料としては、チューブに入ったペースト状のものや、ポンプ容器に入った液状のものなどが知られている。しかして、これらの足洗浄料はいずれも、手に取って泡立てて使用するものであり、煩雑であるという問題があった。
【0003】
一方、泡状エアゾールとしては、種々のものが知られており、例えば特許文献1には、特定の噴射量と膨張率を有する、水を施用面とする泡状エアゾールが記載されている。しかしながら、この泡状エアゾールは、洗浄を目的とするものではなく、噴射される泡の泡質も悪いものであった。
このように、従来の泡状エアゾールは、吐出する泡が、足に直接吹きかけて用いるのには適していなかった。
【特許文献1】特開2001−19942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、足に直接噴射して用いることができ、簡便に足を洗浄することができる足洗浄用泡状エアゾールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、耐圧容器のスパウトの吐出孔の出口に、特定の穴径のノズルを取り付ければ、クリーミーでしっかりした泡が噴射され、足に直接噴射して使用するのに好適で、簡便に足を洗浄することができる足洗浄用泡状エアゾールが得られることを見出した。
【0006】
本発明は、スパウトを取り付けた耐圧容器に充填された内容物を、泡状に噴射するエアゾールであって、内容物が、界面活性剤、増粘剤及び水を含有する原液と噴射剤とからなり、スパウトの吐出孔の出口に、穴径が0.4mmを超え2.7mm未満のノズルを取り付けたことを特徴とする足に直接噴射して使用する足洗浄用泡状エアゾールを提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の足洗浄用泡状エアゾールは、クリーミーでしっかりした泡が噴射され、足に直接噴射して使用するのに好適であり、簡便に足を洗浄することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において、原液に用いられる界面活性剤としては、通常洗浄剤に用いられるものであれば特に制限されず、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれでも用いることができる。
具体的には、高級脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加したアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加したアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸エステル又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル、リン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤;イミダゾリン系、カルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系両性界面活性剤;脂肪酸アミド系界面活性剤、アルキルサッカライド系界面活性剤等の非イオン界面活性剤などが挙げられる。
【0009】
これらの界面活性剤のうち、特に高級脂肪酸塩が、洗浄力が高く、洗浄後の足に適度なさっぱり感が得られるので好ましい。
高級脂肪酸塩としては、飽和又は不飽和のいずれでも良く、炭素数8〜22、特に炭素数10〜18のものが好ましい。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシデセン酸、ヤシ油脂肪酸、還元ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、還元牛脂脂肪酸、パーム核脂肪酸等の脂肪酸のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩;リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。
なお、これらの高級脂肪酸塩は、必ずしも脂肪酸塩として原液に配合する必要はなく、上記高級脂肪酸と塩基とをそれぞれ別個に添加し、組成物中で脂肪酸塩を形成させても良い。
【0010】
界面活性剤は、1種以上を用いることができ、原液中に2〜20質量%、特に5〜15質量%含有されるのが、泡もちの良いキメの細かい泡になるため、特に指の間も洗いやすく、また、噴射した際に泡が飛び散らずに足に的中しやすくなるので好ましい。
【0011】
また、増粘剤としては、例えば高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、メチルヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。増粘剤を用いることにより、泡を安定化させることができる。
【0012】
増粘剤は、1種以上を用いることができ、原液中に0.0005〜0.1質量%、特に0.001〜0.01質量%含有されるのが、発泡性に優れ、泡もちの良いクリーミーな泡を得ることができ、すすぎ性も良好であるので好ましい。
【0013】
原液は、前記成分以外に、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば油分、保湿剤、防腐剤、キレート剤、殺菌剤、冷涼剤、消臭剤、色素、香料、酸化防止剤、pH調整剤等を含有することができる。
【0014】
原液は、前記成分を水に溶解させることにより製造される。
【0015】
噴射剤としては、例えば液化石油ガスLPG(プロパン、n−ブタン、イソブタン)、イソペンタン、ジメチルエーテル、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられる。ガス圧は、20℃で0.15〜0.35MPa、特に0.15〜0.25MPaが好ましい。
【0016】
原液と噴射剤の質量割合は、80:20〜97.5:2.5、特に85:15〜95:5であるのが、泡もちの良いキメの細かい泡になるため、特に指の間も洗いやすく、また、皮膚に付着しやすい泡で、噴射した際に泡が飛び散らないので好ましい。
【0017】
本発明で用いるエアゾール容器は、原液と噴射剤を充填するための耐圧容器と、当該耐圧容器に取り付けられたスパウトとからなり、例えば図1に示すものが挙げられる。スパウトの吐出孔の出口には、穴径が0.4mmを超え2.7mm未満、好ましくは0.5〜2mm、より好ましくは0.7〜1.5mm、更に好ましくは1〜1.5mmのノズルを取り付ける。ノズルの穴径が0.4mm以下では、噴射パターンが細くなって、泡が足に行き渡りにくくなり、2.7mm以上では、噴射の勢いが弱く、ねらいが定まらなくなる。
また、エアゾール容器は、倒立噴射可能なストレートな内部通路を有することができ、倒立噴射させて用いることができる。
【0018】
本発明の足洗浄用泡状エアゾールは、足に直接噴射して用いる。噴射される泡はクリーミーで泡もちも良く、飛び散りが少なく、適度な力強さで足部に確実に噴射することができる。手で泡立てる必要がなく、手を使わなくても簡便に足を洗浄することができる。
【実施例】
【0019】
実施例1
直径53mm、高さ135mmのアルミエアゾール缶に、表1に示す処方1の原液180gを充填し、倒立仕様のバルブでクリンチし、噴射剤(LPG;0.2MPa)20gを充填し、倒立用のスパウトを取り付け、足洗浄用泡状エアゾールを製造した。倒立用のバルブにはハウジングベーパータップ穴径0.4mm、ステム穴径0.3mmが2個のものを使用した。倒立用スパウトは、筒部の長さが13mmのものを用い、筒部の先端にはそれぞれ0.4、0.5、0.9、1.0、1.5、2.0mmの穴のノズルチップを取り付けた。また、ノズルチップを取り付けないもの(噴口径2.7mm)を例7とした。
【0020】
【表1】

【0021】
各例の足洗浄用泡状エアゾールを用いて、床面より高さ50cmの所にノズルの先端が来るようにして、斜めに45°方向傾けた状態で噴射試験を行った(図2)。足洗浄用の泡状エアゾールとしては、足に狙いが定まるほど良い勢いと、足に広がりやすい適度なパターンが必要となる。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】

【0023】
表2の結果より、例2〜6では、足洗浄用に適した性能を示した。これに対し、ノズルチップの穴径が0.4mmの例1では、噴射パターンが細くなり足に行き渡りにくかった。また、ノズルを取り付けず、噴口径が2.7mmの例7では、噴射の勢いが弱く狙いが定まらなかった。
また、表1の処方2及び処方3の原液を用いて、同様の足洗浄用泡状エアゾールを製造し、同様に噴射試験を行ったところ、処方1を用いた場合と同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明で用いるエアゾール容器の一例を示す図である。
【図2】実施例において、噴射試験を行なったときの噴射状態を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 耐圧容器
2 スパウト
3 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパウトを取り付けた耐圧容器に充填された内容物を、泡状に噴射するエアゾールであって、内容物が、界面活性剤、増粘剤及び水を含有する原液と噴射剤とからなり、スパウトの吐出孔の出口に、穴径が0.4mmを超え2.7mm未満のノズルを取り付けたことを特徴とする足に直接噴射して使用する足洗浄用泡状エアゾール。
【請求項2】
原液と噴射剤の質量割合が、80:20〜97.5:2.5である請求項1記載の足洗浄用泡状エアゾール。
【請求項3】
原液中の増粘剤の含有量が、0.0005〜0.1質量%である請求項1又は2記載の足洗浄用泡状エアゾール。
【請求項4】
スパウトが、倒立噴射可能なストレートな内部通路を有するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の足洗浄用泡状エアゾール。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−76942(P2006−76942A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263673(P2004−263673)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(398039945)ニベア花王株式会社 (9)
【Fターム(参考)】