説明

足首固定帯付き靴

【課題】 従来の靴は、バック・ステイ部分に工夫を施されていないものが大半を占めている。そのため、高齢者や障害者などの歩行困難者が靴を水平に保てず、踵が浮いて靴が脱げてしまいつまずき危険である。それを防止するため、足首固定帯付き靴を提供する。
【解決手段】 靴のバック・ステイ上部(プルカウンター・ループも含む)に固定帯を取り付け、その固定帯を足首に巻き付けたことによって、靴から踵が浮くことを防ぎ靴が脱げないことを実現した。それによって、高齢者や障害者などが歩行中につまずかず、便利で安全である。また固定帯の種類を変えることによって、バリエーションが豊富になりファッションも楽しめるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴から足首が脱げないよう防ぐための固定帯付き靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の靴として、登録実用新案第3014074号がある。
【0003】
これは、踝の位置で足首部被覆部を足首に押圧して足首に沿って足首被覆部が一体的に動き、足首被覆部の中で足首が周方向にずれることを防止したもので、防水性肉厚スポンジや発泡ゴムなどの柔軟性を有する外装にナイロン織布の貼着等で被覆された形装材の足首被覆部の外側には皮革、合成樹脂等で形成された踝部甲被成形体が縫糸等で固定されていて、踝部甲被成形体には両側に窓孔が穿設されている。
【0004】
踝部甲被成形体の前側一側には挿通リングが取り付けられ、前側他側にはベルトの一端が止着されている。ベルトの表側にはベルベット式面ファスナーが貼着され、面ファスナーはベルトの他端が挿通リングに挿入された後折り返されて重ねられる。
【特許文献1】登録実用新案第3014074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、靴が脱げないという点に於いては同じはであるが、足首を保護するための部品を多く必要とし、日常生活全般においてファッション性が限られている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載の靴本体のバック・ステイ上部と使用者の足首とを連結する連結手段が設けられているを特徴とする足首固定帯付き靴である。
【0007】
本発明は、請求項2に記載の前記の連結手段の足首側は、該足首に巻きつけて固定する固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の足首固定帯付き靴である。
【0008】
本発明は、請求項3に記載の前記の固定手段は、上記のバック・ステイ上部に取り付けられた2本の帯体であり、装着時に足首に巻きつけて互いの帯体を接続固定する固定帯であることを特徴とする請求項2に記載の足首固定帯付き靴である。
【0009】
本発明は、請求項4に記載の前記の2本の帯体を足首に巻きつけて互いの先端部分を続固定する手段が面ファスナーであることを特徴とする請求項3に記載の足首固定帯付き靴である。
【0010】
本発明は、請求項5に記載の前記のバック・ステイ上部の連結部がプルカウンター・ループであることを特徴とする請求項1から4までのいずれかの項に記載の足首固定帯付き靴である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以下のような効果がある。
1)内翻足の人が履いても脱げない。
(内翻足とは、足首関節の異常のため足が内向きに固定され、足の内側縁が挙がって足底が内側に向かっている状態のことである。)
2)つま先に力が入らない人が履いても脱げない。
3)ファッションとしても楽しめる。
4)靴がたやすく脱げないことで、つまずかず安全である。
5)片麻痺者の自立歩行の面で、歩行中に靴が脱げる不安がない。
6)車椅子の走行中に、靴が車輪に巻き込まれて停止することを防げて安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
靴のバック・ステイ上部(プルカウンター・ループも含む)に固定帯を装着することによって、靴が脱げないことを実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の1実施例の斜視図であって、足首固定帯の1実施例である。1と4は固定帯、2と3は面ファスナー、5はバック・ステイ、6はプルカウンター・ループ、7は靴、図3の8は足首である。
【0014】
固定帯1と4はバック・ステイ5上部(プルカウンター・ループ6)に取り付けており、面ファスナー2と3で足首を固定する。ただし、実施例ではバック・ステイ5上部のプルカウンター・ループ6に装着しているが、バック・ステイ5上部に固定帯1と4を直接取り付けることもできる。
【0015】
従来の靴は、足の甲を覆っているものが大半を占めており、歩いているうちにはずみで脱げてしまうことがよくある。この足首固定帯1と4は、靴のバック・ステイ5上部と足首8を固定することによって靴から踵部が浮き上がらないので、靴が脱げることはない。高齢者や障害者等足に力が入らない人たちにとって便利であり安全である。またファッションとしても楽しめる効果がある。
【0016】
図3は、本発明の使用例であり、固定帯1と4は、布地に面ファスナーを組み合わせて縫製したものだが、この固定帯として使用する材質は次のような物を用いることができる。
布類、アルミ類、革類、ゴム類、ロープ類、ワイヤー類、樹皮類、紙類、テープ類、プラスティック類、ビニール類、糸類、フィルム類等である。また、固定帯1と4にファッション性を高めるために宝石類、ビーズ類、科学発光物質類、科学液体類、エナメル類を取り付けてもよい。
【0017】
固定方法としては下記の通りである。
ボタン類、ホック類、ファスナー類、リボン類、面ファスナー類、輪ゴム類、ピン類、ネジ類、クリップ類、粘着のり類、布テープ類、ワイヤー類、磁石類等でもよい。
また、結ぶ、留める、挟む、連結、重ねる、ねじる、巻き付ける、貼り合わす、接着する、締め付ける、磁力、ひねる、通す、ゴムで留める等が可能であればいずれでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による固定帯の実施例を示す正面図である。
【図2】本発明による固定帯の実施例を示す側面図である。
【図3】本発明による固定帯の使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 固定帯
2 面ファスナー
3 面ファスナー
4 固定帯
5 バック・ステイ
6 プルカウンター・ループ
7 靴
8 足首

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴本体のバックステー上部と使用者の足首とを連結する連結手段が設けられているを特徴とする足首固定帯付き靴。
【請求項2】
前記の連結手段の足首側は、該足首に巻きつけて固定する固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の足首固定帯付き靴。
【請求項3】
前記の固定手段は、上記のバックステー上部に取り付けられた2本の帯体であり、装着時に足首に巻きつけて互いの帯体を接続固定する固定帯であることを特徴とする請求項2に記載の足首固定帯付き靴。
【請求項4】
前記の2本の帯体を足首に巻きつけて互いの先端部分を接続固定する手段が面ファスナーであることを特徴とする請求項3に記載の足首固定帯付き靴。
【請求項5】
前記のバックステー上部の連結部がプルカウンターループであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項に記載の足首固定帯付き靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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