説明

距離測定システムならびに方法

問い合わせシステム(300)は、送信器(316)を通じて、第一周波数の問い合わせ信号を送り、受信器(317)を介して第二周波数での応答を受け取る。かかる問い合わせシステム(300)は、回路クロック付きマイクロプロセッサ(310)により制御され、さらに、周波数セレクタ(315)、信号分析器(318)、データリンク(314)およびディスプレイモニタ兼制御パネル(312)を備えている。問い合わせシステム(300)は、受信器(317)で受け取った信号を用いてターゲットとなる距離を算出する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
−発明の分野
本発明は、一般的に距離測定に関し、より具体的には、高調波信号を用いた距離測定システムならびに方法に関する。
−序論
2つの場所の間の距離測定には、無線通信装置が用いられてきた。光波方式(light wave method)として知られるある方法においては、目標物から反射されてきたレーザー信号を検出するために受信器が用いられる。しかし、この方法は、目標に対する直線での視界が要求されるという制限がある。また、この方法は、目的あるいは構造の表面に対する距離の計算に限定される。
【0002】
他の方法においては、無線通信が用いられる。この無線通信法は、目視できない点であっても、ある場所における全ての点を確認可能である、という貫通性を有する利点がある。このプロセスにおいて、問い合わせ装置は、第二信号により(実質的に遅れなしに)当該問い合わせ装置に応答する応答装置に対して第一の信号を送信する。ある例においては、前記信号が移動する時間を距離測定を推定するために用いることができる。ここで、前記移動時間は、第一信号の送信と第二信号の受信までの間の時間間隔を表している。この技術にも、信号を問い合わせ装置に返送する前に応答装置における遅れを最小限にすること、あるいは、いずれの装置においても、伝送時間を正確に決定することが困難であること等、様々な制限がある。実際、いくつかの実施形態において、応答装置の一を判断するために3つの送信装置が必要となる。
【0003】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【0004】
本発明は、無線信号を用いて距離測定を実行するシステムならびに方法を提供する。ある実施形態において、問い合わせ装置と応答装置間の無線信号は、倍数の関係(harmonic relationship)を有している。
【0005】
本発明の別の特徴ならびに効果は、以下の説明で述べられ、その一部は、かかる説明から明確であり、あるいは、発明を実施することから習得可能である。本発明の特徴ならびに効果は、特許請求の範囲で示された方法および器具、その組み合わせにより実現され、得られる。本発明の、これらの、および、他の特徴は、以下の説明および特許請求の範囲から、より完全に明確になり、あるいは、発明を実施することから習得可能である。
【詳細な説明】
【0006】
本発明の上述および他の効果ならびに特徴を得ることができる方法を説明するため、添付された図面に図示された特定の実施形態を参照しつつ、上記で簡単に説明された本発明のより具体的な説明を行う。これらの図面は、本発明の代表的な実施形態を表しているにすぎず、したがって、その範囲を制限するとは解釈されないことが理解される。本発明を、添付した図面を用い、追加的な具体性ならびに詳細を用いて説明し、記載する。
【0007】
本発明の様々な実施形態について、以下で詳細に説明する。ここでは、特定の実施形態について述べられているが、これは例示の目的のみであることを理解すべきである。当業者であれば、本発明の精神並びに範囲を逸脱しないかぎり、他のコンポーネントおよび構成を用いても良いことを理解する。
【0008】
本発明によると、正確な距離測定のための移動時間法(a time of flight method)が提供される。この移動時間法においては、問い合わせ装置が、それに対して同期信号を返信する応答装置に対して、問い合わせ信号(例えば、無線周波数信号)を発信する。本発明の特徴の一つは、問い合わせ装置に対して返信された信号は、問い合わせの周波数の倍数の周波数であることである。
【0009】
図1Aから1Cは、問い合わせ装置から送信された信号と応答装置から帰ってきた信号間の関係を簡単に図示したものである。ここで、図1Aは、問い合わせ装置から送信された信号Sを示している。この送信信号Sは、周波数fの非変調信号であってもよい。送信信号Sは、応答装置によって受信され、信号Sの倍数である第二信号Sを生成するため用いられる。
【0010】
図1Bは、応答装置における信号Sと信号S間の関係を示している。図示したように、信号Sは、信号Sの2倍の周波数(すなわち、2f)である。理解されるように、信号Sの倍数の周波数を有するいずれの信号を用いることができる。
【0011】
応答装置において、生成された信号Sは、まず信号Sに位置合わせ又は同調させる。この位置合わせプロセスにおいて、信号Sおよび信号Sの基準点を位置合わせする。図1Bに示すように、周波数の高い信号Sの一つおきの頂点は、周波数の高い信号Sの頂点と一致する。理解されるように、特定の位置合わせ方法は、場合によって変化する(implementation-dependent)が、本発明の精神から逸脱するものではない。例えば、応答装置は、信号Sの頂点を、信号Sの中間の転移点(mid-transition point)に位置あわせすることを選択することもできる。ここでは、高調波信号が用いられているので、周期的に繰り返されている他の任意の基準点を用いることもできる。
【0012】
位置合わせ点が周期的であることから、応答装置は、その特定の送信時期に関する不明確さを排除することができる。これにより、遅れ無しで問い合わせ信号に対する応答することに関する応答装置の能力に関する懸念、を効率的に除去する。これが、問い合わせ装置において、移動距離計算の正確な時間について提供する主な要素である。
【0013】
信号Sが、信号Sに位置合わせされると、次に、問い合わせ装置に信号S が返送可能となる。図1Bに示すように、信号Sの基準点PからP は、信号Sの対応する頂点に位置合わせされる。応答装置は、遅れなしで問い合わせ装置に応答する必要がないことに、注意すべきことを再度述べておく。実際のところ、応答装置は、応答信号を問い合わせ信号に一致させるのに必要なだけ時間を取ってから、問い合わせ装置に対して応答信号を送信してもよい。信号S2と信号Sを正確に位置合わせることが、応答の鍵となる側面である。
【0014】
信号Sが信号Sに位置合わされると、それが問い合わせ装置に返送される。応答装置がその信号を問い合わせ信号に一致させている間中、問い合わせ装置は、応答装置に対して信号Sを送信し続ける。 信号Sが問い合わせ装置で受信されると、リアルタイムで問い合わせ信号と信号Sが比較される。
【0015】
図1Cは、問い合わせ装置における、信号Sと信号Sのリアルタイムでの比較を示している。図示したように、現在、信号における点PからPは、問い合わせ信号Sの対応する頂点と一致していない。この位置ずれは、時間Tという単位で表すことができる。図1Cの例において、位置ずれは、長さ5Tであり、問い合わせ装置と応答装置間の往復移動時間のずれの長さを表している。
【0016】
この位置ずれ5Tが、その結果が2で除される信号の送信速度(すなわち、光の速度)に乗じられると、距離測定は、問い合わせ装置によって決定することができる。
【0017】
演算方法をさらに示すため、問い合わせ装置が、1MHzの信号を応答装置に送信する例を挙げる。ここでは、図1Aから1Cのように、応答装置は、一致させ、2MHzの信号を返送するようプログラムされている(2:1の周波数比)。
【0018】
時間増Tが、それぞれ10ナノ秒(100x10−9秒)であった場合、500ナノ秒(500ns)の時間ずれが存在することになる。光の速度(3x10メートル/秒)を用いることにより、問い合わせ装置と応答装置間の距離[(500x10−9秒)*(3x10メートル/秒)]/2は、75メートルであることが判る。異なる距離の範囲については、必要に応じて、信号の周波数を増減してもよい。また、異なる精度の範囲については、必要に応じて、システムのクロックレートを増減するようにしてもよい。テーブル1は、各時間増のずれTに対応する距離の範囲を示している。
【0019】
【表1】

【0020】
より一般的に言うと、波長が短く、装置間の距離が長い場合、時間のずれが1つの波長を超えてしまうおそれがあり、検出できない信号の重複を引き起こしてしまう場合がある。かかる重複が考慮されない場合、誤った読み取りが生じてしまう。ある実施形態では、このおそれを考慮するため、両信号に対して基準パルスを付加してもよい。例えば、応答信号と問い合わせ信号の周波数比が2:1であると仮定すると、設定された波長数(N)の後に、基準パルスが問い合わせ信号中に周期的に挿入されるとともに、設定波長数(2N)後に、応答信号中に基準パルスが周期的に挿入される。これらの基準パルスの存在により、問い合わせ装置が、時間のずれにおいて1以上の重複を認識することを可能とする。
【0021】
高調波周波数を用いた一般的な距離測定方法を説明するにあたり、まず問い合わせ装置ならびに応答装置についての説明をおこなう。以下の説明においては、図3および図4のシステムの構成図ならびに図5のフローチャートを参照する。
【0022】
図5のフローチャートに示すように、距離測定プロセスは、問い合わせのための装置を選択するステップ502において開始される。ここでは、ある実施形態において、デフォルトにより問い合わせ装置および応答装置が対になり、選択を要しないようにすることも可能であること、に注意すべきである。この実施形態において、当該問い合わせ装置および応答装置は、お互いの間のみで通信を行うよう設計されている。
【0023】
しかし、主要なアプリケーションにおいて、問い合わせ装置300は、複数の応答装置とともに動作するよう設計可能であり、複数の応答装置が存する複数の異なる点までの距離を決定できることが想定される。この構成は、より洗練されているので高価な問い合わせ装置であって、比較的安価な応答装置と協働するものを実現可能とする。
【0024】
このフレームワークにおいては、そこまでの距離測定が所望される特定の応答装置を選択するプロセスがさまざまな方法で行われる。理解されるであろうが、この実行に依存するプロセスは、マイクロプロセッサ310の制御下で、手動又は自動用に構成することができる。
【0025】
図3の実施形態に示されるように、問い合わせ装置300は、ユーザーとの対話を促進するディスプレイ・モニタ兼制御パネルを含むこともできる。このユーザーとの対話要素のひとつは、ユーザーがそこまでの距離の測定を希望する応答装置を選択することを含んでいる。手動での選択動作の例において、ユーザーは、既知の応答装置のIDを入力するため、制御パネル上のキーパッドを用いることもできる。これに対し、自動選択動作の例において、ユーザーは、ディスプレイ・モニタに表示された複数の選択枝から選ぶことができる。例えば、ゴルフコースに適用された場合、ディスプレイ・モニタは、18箇所の異なるホールの場所に関連付けられた各応答装置を表示することができる。ゴルフのラウンド中に距離測定を開始するには、ディスプレイ上の特定ホールの識別子を選択するだけでよい。
【0026】
さらに図3に示すように、問い合わせ装置300は、データリンク314を含んでもよい。さまざまな実施形態において、データリンク314は、無線リンクでも有線リンクでもよい。装置を選択するプロセスのコンテキストにおいて、さまざまな応答装置に関するデータを取得するためデータリンク314を用いることができる。ある実施形態においては、使用前に、このデータを問い合わせ装置300にダウンロードすることができる。他の実施形態においては、例えば、無線を介して問い合わせ装置300の範囲内の全ての応答装置に問い合わせを無線送信する等の方法で、装置300によりこのデータを動的に取得することも可能である。次に、この問い合わせの結果は、ユーザーの選択のため、ディスプレイ・モニタ上に表示される。一般に、この問い合わせプロセスは、本発明の範囲から逸脱しない限り、いずれの既知の通信プロトコルに基づいてもよい。理解されるであろうが、データリンク314が無線プロトコルに基づく場合、データリンク314は、必要に応じて、送信器316と対になることがある。
【0027】
応答装置が選択されると、次に、ステップ504において、問い合わせ信号の特性(例えば、周波数、基準パルス等)が選択される。ある実施形態において、問い合わせ信号の特性は、ユーザーからの入力がなくても、問い合わせ装置300により自動的に選択される。例えば、問い合わせ装置300は、応答装置のIDに基づいて、問い合わせ信号の特性を選択するよう構成可能である。他の実施形態において、ユーザーは、問い合わせ信号の特性を特定するためにディスプレイ・モニタ兼制御パネル312を用いることができる。また、図3に示すように、問い合わせ信号の特性を特定するために、周波数セレクタ315を用いることができる。さらに、別の実施形態においては、周波数セレクタ315を用いて、高調波信号のペアを自動的に選択することもできる。例えば、周波数セレクタ315は、信号環境に応じて10セットの高調波ペアから選択するよう設計してもよい。これにより、問い合わせ装置は、第三者の信号源からの最小量の干渉に相当する周波数ペアを選択することが可能となる。
【0028】
問い合わせ信号の特性が選択された後、次に、問い合わせ装置300は、送信器316を用いて問い合わせ信号を送信する。この問い合わせ信号は、応答装置からの応答を待つよう連続して送信される。上述のように、問い合わせ信号を連続的に送信することにより、応答装置が、高調波信号を生成するにあたり必要なだけ時間を取ることが可能となる。距離測定プロセスにおいては、応答装置に遅れのない応答が要求されないので、かかる結果を得ることができる。
【0029】
図4に示すように、問い合わせ信号は、応答装置400の受信器412において受信される。次に、この受信問い合わせ信号は、応答信号が問い合わせ信号に位置合わせされあるいは同期される、ステップ508においてマイクロプロセッサ410によって処理される(図1B参照)。このプロセスにおいて、受信問い合わせ信号の周波数の倍数の周波数を有する信号を生成するため、信号生成器414が用いられる。問い合わせ装置300又は応答装置400のいずれかにより、選択された特定の倍数(2:1、3:1、4:1等)を、動的に、予め定義、あるいは、選択することが可能である。高調波が選択されると、信号生成器414は、かかる高調波信号を受信問い合わせ信号に位置合わせする。前述のように、この位置合わせプロセスは、高調波信号中の周期的な基準点を、受信問い合わせ信号中の周期的な基準点に位置合わせするよう設計される。基準点の特定の属性(例えば、最大点、最小点、あるいは、転移点)は、場合によって変化する。移動時間測定において、問い合わせ装置300は、どの基準点のペアを用いることもできる。
【0030】
図4は、回路クロック(circuit clock)を有するマイクロプロセッサ410を示しているが、ある実施形態においては、応答装置400に回路クロックが含まれていないことに注意すべきである。本実施形態においては、位相合わせが正しく行われた応答信号を生成するために信号誘導技術(signal induction technique)を用いてもよい。
【0031】
応答信号が、問い合わせ信号に正しく位置合わせされた後、信号生成器は、ステップ510における問い合わせ装置300に対する送信のため送信器416に対して応答信号を出力する。
【0032】
問い合わせ装置300に戻ると、受信器317において応答信号が受信され、ステップ512において信号分析器318により分析される。この分析プロセスは、問い合わせ信号中の既知の基準点と応答信号中の既知の基準点との間の時間ずれを判断するため行われる。図2には、両信号の頂点における基準点のセットの一例が示されている。いずれの基準点セットを用いることもできるが、どの基準点が、存在する周期的な基準パルスを考慮する可能性があるのかが示される。
【0033】
基準点間の時間ずれが判断された後、その結果が問い合わせ装置300のディスプレイ・モニタ出力される、移動距離に費やされた時間の計算が実行される。
【0034】
既述のように、時間ずれを判断する一つの方法は、受信された信号を送信した信号と比較することである。別の実施形態において、時間ずれは、直接測定することはできない。時間ずれは、受信された信号と時間ずれが生じた送信信号あるいは時間ずれが生じた送信信号の倍数を比較することにより判断される。この実施形態において、時間ずれが生じた送信信号あるいはその倍数の位相は、受信信号の位相と一致するまで、繰り返し調整することができる。
【0035】
様々な実施形態において、この技術は、問い合わせ装置内に組み込まれる位相同調装置として実行することができる。ここでは、ギターの特定の弦の周波数をチューニングするのと同じ方法により手動あるいは自動的に、上記と同様のチューニングを行うことができる。これにより、針(needle)、着色光(colored lights)、又は他の視覚的な合図による視覚的なフィードバックの提供を通じて、チューニングをさらに補助することができる。可聴範囲内の信号を用いる実施形態については、音によるフィードバックを通じてチューニングを一層促進することが可能である。
【0036】
より一般的に、距離測定は、時間ずれの測定に直接基づく必要がないことに注意すべきである。距離測定は、むしろ、問い合わせ信号と受信信号間の、いずれの形式の干渉測定に基づいてもよい。換言すると、位相ずれが大きくなるにつれ、信号間の干渉レベルも増大する。この実施形態において、干渉測定は、距離測定へと数学的に変換することができる。
【0037】
上で述べたように、本発明の原理は、高調波信号のペアを有益に用いる距離測定プロセスを提供することである。本発明の効果は、壁および構造物を貫通する信号を用いて距離測定を実行する、その能力である。したがって、対象物の表面に限定されることはない、点までの距離を測定することができる。一般に、これらの信号は、連続的あるいは断続的な方法により、同時に複数の応答装置に対する問い合わせ装置の動作を促進するため用いることができる。本発明の別の効果は、その測定精度にある。適用例によるが、距離測定精度は、回路クロックに基づいて上昇又は下降する。この方法は、測定アプリケーションが精度並びにコストのトレードオフの問題を解決することを可能にする。さらに、本発明の距離測定プロセスは、測定のための固定したポジションを必要とせず、様々な距離測定、間隔測定、位置、調査、測量、ナビゲーション、工事、建築ならびに造園設計、インテリアデザイン、リモデルリングデザインおよび構造コンテクスト(constrution contexts)に用いることができる。
本発明の範囲内の実施形態には、コンピュータ可読の媒体、すなわち、コンピュータが実行可能な命令又はデータが記憶されたもの、を含んでもよい。かかるコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセス可能な、既存のいずれの媒体であってもよい。例示のためであって、制限を目的としてものではないが、かかるコンピュータ可読の媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又は他の光学ディスク記憶媒体、磁気記憶媒体又は他の磁気記憶媒体、あるいは、所望のプログラムコード手段をコンピュータが実行可能な命令又はデータ構造の形式で運搬し、記憶するのに用いることができる他のいずれの媒体であってもよい。ネットワークあるいは他の通信接続(有線、無線、又はその組み合わせ、のいずれか)を通じ、コンピュータに情報が送信又は提供される場合、コンピュータは、かかる接続をコンピュータ可読媒体として認識することができる。このように、いずれのかかる接続もコンピュータ可読媒体と呼ばれ、上記の組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。
【0038】
上述の説明は、特定の詳細を含んでもよいが、それらが特許請求の範囲を限定するものと決して解釈すべきでない。本発明の説明がなされた実施形態のその他の構成は、本発明の範囲内にある。したがって、与えられている特定の例示ではなく、本発明は、添付されている特許請求の範囲およびその法的均等物のみにより、定義すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1Aから1Cは、応答装置から問い合わせ装置に返送された高調信号の例を示している。
【図2】図2は、応答装置から受信した高調波信号間の時間のずれを示している。
【図3】図3は、問い合わせ装置の一実施形態を示す。
【図4】図4は、応答装置の一実施形態を示す。
【図5】図5は、本発明のプロセスのフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
問い合わせ装置(interrogating device)と応答装置(responding device)間の距離を測定する方法であって、
問い合わせ装置から、第一周波数の問い合わせ信号(interrogating signal)を送信するステップ、
前記問い合わせ信号に応じて、前記第一周波数の倍数(harmonic)の第二周波数を有する信号を、応答装置から受信するステップ、
前記受信信号と前記送信信号とを比較するステップ、および
前記比較を用いて前記問い合わせ装置と前記応答装置間の距離を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記比較ステップは、前記送信問い合わせ信号に対する前記受信信号の時間のずれ(time shift)を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2の方法において、前記問い合わせ信号ならびに前記受信信号は、周期的な基準パルスを含むこと、
を特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2の方法において、前記決定ステップは、前記送信問い合わせ信号上の第一基準点と、前記受信信号の第二基準点を比較するステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4の方法において、前記第一基準点は、前記送信問い合わせ信号における信号の頂点であり、前記第二基準点は、前記受信信号上の信号の頂点であること、
を特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4の方法において、前記第一基準点は、前記送信問い合わせ信号における周期的な基準パルスであること、
を特徴とする方法。
【請求項7】
請求項2の方法において、前記決定ステップは、前記決定済みの時間ずれを光の速さに乗じるステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項8】
請求項2の方法において、前記決定ステップは、前記受信信号と、位相を偏移させた前記送信信号を比較するステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項9】
請求項2の方法において、前記決定ステップは、前記受信信号と、位相を偏移させ倍数化(harmonic)された前記送信信号を比較するステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1の方法において、前記比較ステップは、干渉基準(interference measure)を決定するステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1の方法において、前記比較ステップは、信号の位相を、前記受信信号の位相と同調させるステップを備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項12】
問い合わせ装置と応答装置間の距離を測定する方法であって、
問い合わせ装置から、第一周波数の問い合わせ信号を受信するステップ、
前記第一周波数の倍数である第二周波数を選択するステップ、および
前記問い合わせ信号に応じて、第二周波数を有するとともに、前記受信問い合わせ信号において第二基準点と位置合わせされた第一基準点を有する、信号を送信するステップ、を備えたこと、
を特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12の方法において、前記受信問い合わせ信号は、周期的な基準パルスを含むこと、
を特徴とする方法。
【請求項14】
問い合わせ装置と応答装置間の距離を測定するシステムであって、
問い合わせ信号を第一周波数で送信するよう構成された送信器、
前記問い合わせ信号に応じて、前記第一周波数の倍数の第二周波数を有する信号を、応答装置から受信するよう構成された受信器、
前記送信問い合わせ信号に対する前記受信信号の時間ずれを決定するとともに、前記決定済みの時間ずれを用いて前記問い合わせ装置と前記応答装置間の間の距離を決定するよう構成されたプロセッサ、を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14のシステムにおいて、前記問い合わせ信号ならびに前記受信信号は、周期的な基準パルスを含むこと、
を特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項14のシステムにおいて、前記プロセッサは、前記送信問い合わせ信号上の第一基準点と、前記受信信号上の第二基準点を比較すること、
を特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16のシステムにおいて、前記第一基準点は、前記送信問い合わせ信号における信号の頂点であり、前記第二基準点は、前記受信信号上の信号の頂点であること、
を特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項16のシステムにおいて、前記第一基準点は、前記送信問い合わせ信号における周期的な基準パルスであること、
を特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項14のシステムにおいて、前記プロセッサは、前記決定済みの時間ずれを光の速さに乗じること、
を特徴とするシステム。
【請求項20】
問い合わせ装置と応答装置間の距離を測定するシステムであって、
第一周波数の問い合わせ信号を受信するよう構成された受信器、
前記第一周波数の倍数の第二周波数を選択するよう構成されたプロセッサ、および
前記問い合わせ信号に応じて、前記第二周波数を有するとともに、前記受信問い合わせ信号における第二基準点と位置合わせされた第一基準点を有する、信号を送信するよう構成された送信器、を備えたこと、
を特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項20のシステムにおいて、前記受信問い合わせ信号は、周期的な基準パルスを含むこと、
を特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−536523(P2007−536523A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511592(P2007−511592)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/015663
【国際公開番号】WO2005/110027
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506373217)
【氏名又は名称原語表記】Christian Michael Steele
【住所又は居所原語表記】6808 Winterwood Dr., Shingletown, California 96088, United States of America
【Fターム(参考)】