説明

踏み台

【課題】夜間などでも必要なときに所在位置の視認が容易になる踏み台を提供。
【解決手段】踏み台1は、踏面4を備える踏み板2と、踏み板2を支持する脚部3と、踏面4に取り付けられた透光体11と、透光体11に近接して踏み板に埋め込まれた踏面光源と、移動対象を検知する人感センサ18とを備えている。この人感センサ18は、移動対象を検知することにより、踏面光源が発光するように構成されている。上記人感センサ18は、定められた照度以上の環境下では動作しないようにされている。上記透光体11は、踏面光源から光を受けて、その光を上方へ放射しうるように構成されている。好ましくは、透光体11は、踏面4に位置して踏み板2の左右の縁(2b、2c)に沿って延びている。この透光体11が踏み板2の前縁2aから後縁2bまで延びて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段差部に設置される踏み台に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の玄関の上がりかまち、階段、縁側等の段差部には、踏み台が設置されることがある。この踏み台により、利用者は、大きな段差を登り降りし易くされている。夜間等においては、利用者が踏み台の位置を視認することが難しい場合がある。証明具を点灯することで視認し易くされるが、照明具を点灯するためのスイッチの所在位置を視認することも難しい場合がある。
【0003】
上記問題を解消するために、踏み台自体に照明具を設置することも考えられる。しかし、夜間等の暗い時間帯には照明具を継続して点灯させていなければ上記と同様の問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、夜間等の暗い環境であっても、必要なときに所在位置の視認が容易になる踏み台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る踏み台は、踏面を備える踏み板と、この踏み板を支持する脚部と、この踏面に取り付けられた透光体と、この透光体に近接して踏み板に埋め込まれた踏面光源と、移動対象を検知する人感センサとを備えている。この人感センサは、移動対象を検知することにより、踏面光源が発光するように構成されている。上記人感センサは、定められた照度以上の環境下では動作しないようにされている。上記透光体は、踏面光源から光を受けて、その光を上方へ放射しうるように構成されている。
【0006】
好ましくは、この透光体は、踏面に位置して踏み板の左右の縁に沿って延びている。この透光体は、踏み板の前縁から後縁まで延びて配置されている。
【0007】
好ましくは、この透光体は、踏面に位置して踏み板の前後の縁に沿って延びている。この透光体は、踏み板の右縁から左縁まで延びて配置されている。
【0008】
好ましくは、この踏み台は、脚部が設置される設置面を照らす設置面光源を備えている。この踏み台は、上記人感センサが移動対象を検知することにより、設置面光源が発光するように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る踏み台よれば、夜間等の暗い環境下でのみ、使用者が近づくことによって視認しうる照明がなされる。従って、この踏み台は、使用者の安全、利便性等に寄与しうる。更にこの踏み台は、電気の節約が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る踏み台が示された説明図である。
【図2】図2は、図1の踏面の発光体と透光体との断面を示す説明図である。
【図3】図3は、図1の設置面を照らす発光体の断面を示す説明図である。
【図4】図4は、図1の踏み台の電気回路の説明図である。
【図5】図5は、図1の踏面の発光体の平面図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態に係る踏み台の踏面の発光体の平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0012】
ここでは説明の便宜上、図1の矢印Xの向きを前後方向前向きとして、矢印Yの向きを左右方向右向きとして、矢印Zの向きを上下方向上向きとして説明がされる。図1に示された踏み台1は、踏み板2と、脚部3とを備えている。踏み板2は、利用者の足等が載せられる踏面4を備えている。この踏面4は踏み板2の上方に面して形成されている。
【0013】
踏み板2は、平面視(上下方向下向きに見て)において、略長方形の形状を備えている。この踏み板2の前縁2aが段差部側に位置する。この踏み板2の下面には枠5が下方に突出して形成されている。この枠5は、踏み板2の前縁2aと後縁2bと左縁2cと右縁dとに沿って延びている。踏面4には、左右方向に延びる溝6が、前後方向に一定の間隔で複数形成されている。この溝6は、滑り止めとして機能する。
【0014】
脚部3は、4組の脚7及びアジャスタ8を備えている。4本の脚7は、この枠5の四隅から下方に延びている。脚7の下端にアジャスタ8が取り付けられている。4本のアジャスタ8が設置面25に接地して踏み板2が支持される。アジャスタ8の雄ねじが、脚7に上下方向を軸線にしてねじ込まれている。このねじ込み深さを変更することで脚部3の上下方向高さが変更可能にされている。図示されないが、このアジャスタ8は、雄ねじがねじ込まれたナットを備えている。このナットが雄ねじに沿って脚7の下端に押し付けられて、アジャスタ8が固定されている。
【0015】
本実施形態では、踏み板2は平面視において略長方形に形成されているが、かかる形状には限定されない。正方形であってもよく、楕円形であってもよい。踏み板2は、例えば、木製であり、合成樹脂製等でもよい。脚部3は、円柱形状を備えているが、かかる形状には限定されない。例えば、四角柱であってもよい。脚部3は、例えば、木製であり、合成樹脂製等でもよい。この踏み板2又は脚部3がL型金具などの金具を介して、上がりかまちや階段等、踏み台1が設置される段差部に固定されてもよい。
【0016】
この踏面4には、左縁2c及び右縁2bの近傍に前後方向の延びる凹部9が形成されている。この凹部9は、踏み板2の前縁2aから後縁2bまで延びている。
【0017】
図2は、この凹部9が位置する踏み板2の部分の、前後方向に垂直な断面である。この凹部9には、ケース10及び透光体11が嵌合されている。ケース10は、上方が開口とされており、凹部9に勘合されて、踏み板2の前縁2aから後縁2bまで延びている。この透光体11は、このケース10の開口を覆っており、踏み板2の前縁2aから後縁2bまで延びている。ケース10及び透光体11は、例えばアクリル樹脂、ポリエステル等から形成されている。透光体11は、透光性材料から形成されている。この透光体11は、その下方から上方に透過する光を上方へ放射するためのものである。
【0018】
図2に示されるように、透光体11の下面には凹凸11aが形成されてもよい。この凹凸11aにより、上方への光放射効果が高められている。ここでは、ケース10と透光体11とを別体としたが、一体であってもよい。
【0019】
図1に示されるように、この踏み台1の枠5には、後方に面する側面の中央に、反射カバー12が取付られている。図3は、この反射カバー12が位置する部分の、左右方向に垂直な断面である。この反射カバー12は、その内面に受ける光を下方に反射する形状に形成されている。
【0020】
この踏み台1は、発光装置13を備えている。図4に示すように、発光装置13は、電池14と、制御基板15と、踏面光源としての発光体16と、設置面光源としての発光体17と、人感センサ18及び照度センサ19とを含んでいる。電池14、発光体16、発光体17、人感センサ18及び照度センサ19は、制御基板15を介して電気的に接続されている。
【0021】
図5に示すように、発光体16は、基板20と、基板20の長手方向に並べられた複数のLED(発光ダイオード)21とからなる。発光体16は、この基板20の端部で開閉可能にされた電気回路に接続されている。この発光体16では、3個のLED21が所定の間隔で並べられている。このLED21は3個で例示されたが、1個以上いくつであってもよい。
【0022】
図2に示すように、この発光体16がケース10に収納されている。このLED21が透光体11の下面に面している。この踏み台1では、LED21は、透光体11の凹凸11aに面している。
【0023】
発光体17は、基板23及びLED(発光ダイオード)24を備えている。図3に示されるように、発光体17は、反射カバー12に収納されている。LED24が下方を照らす向きに、発光体17は固定されている。
【0024】
図1に示されるように、人感センサ18は、踏面4に埋め込まれている。この人感センサ18は、後縁2bの近傍の踏面4に位置している。照度センサ19は、踏面4に埋め込まれている。踏面4の上方の照度を測定可能にされている。照度センサ19は、前縁2aの近傍の踏面4に位置している。
【0025】
図示されないが、電池14及び制御基板15は、踏み板2の下面に固定されている。電池14は着脱可能にされている。ここでは、電池14を電源としているが、例えば、電池14は、各種乾電池又は充電池でもよい。又は、電池に代えて、交流電源及びコンバータに接続する電線を備えていてもよい。例えば、プラグを備え、このプラグがコンセントに接続されてもよい。しかし、電池の採用は、落雷等に起因する停電時にも発光装置13が発光効果を発揮するので好ましい。
【0026】
人感センサ18は、赤外線センサ等により、動く物体を検知したときに検知信号を発する。本実施形態では、この人感センサ18からの検知信号に基づき、制御基板15から発信されたLED点灯指令信号がLED21及び24を発光させる。制御基板15にはタイマー機能が付与されている。このタイマー機能により、LED21及び24は、発光した時点から、設定された所定の時間経過後に発光が停止される。
【0027】
人感センサ18に対しては照度センサ19が協働する。照度センサ19は、周囲環境の照度を検知する。照度センサ19には閾値が設定されており、検知された照度がこの閾値の上か下で、照度センサ19の所定の作動が起こる。本実施形態では、照度センサ19の検知照度に基づいて、人感センサ18の機能の停止及び発揮がなされる。照度センサ19が閾値未満の照度を検知しているとき(暗いとき)、人感センサ18に対して停止信号は送られない。人感センサ18は通常の動作可能の状態となる。従って、人感センサ18が人の動きを検知すれば、LED21及び24が発光して照明される。照度センサ19が閾値以上の照度を検出しているとき(明るいとき)、人感センサ18に対して停止信号が送られる。これにより、人感センサ18は動作不能の状態となる。
【0028】
以上の如く、人感センサ18と照度センサ19との協働により、照明が必要とされる環境下においてのみ踏み台1及びその近傍が照明される。この踏み台1では、使用者にとっての安全性及び利便性が得られ、電気の節約も可能である。
【0029】
この人感センサ18は、後縁2bの近傍の踏面4に位置している。後方から踏み台1に近付く利用者を検知し易い。一方、利用者が段差部側の前方から踏み台1に近付く際に、段差部がこの利用者の検知の障害になり難い。これにより、利用者が検知し易くされている。
【0030】
この照度センサ19は踏面4に位置しているので、踏面4の上方の照度が検知されやすい。前縁2aの近傍の踏面4に位置しているので、利用者の足に隠れ難い。これにより、踏み台1の周辺の照度が検知されやすい。この観点から、照度センサー19は、踏面4の四隅のいずれかに位置してもよい。
【0031】
一対の発光体16の一方は、左縁2cの近傍の踏面4に位置している。発光体16の他方は、右縁2dの近傍の踏面4に位置している。発光体16の一方は、左縁2c沿って延びている。発光体16の他方は、右縁2dに沿って延びている。この発光体16により、踏面4の左右端が容易に視認される。更に、発光体16が踏面4の前端から後端まで延びているので、踏面4の前後端が容易に視認される。透光体11の下面には凹凸11aが上方への光放射効果を高めているので、発光体16は前後の長手方向に斑なく照らせ得る。この凹凸11aにより、この発光体16は、LED21は前後方向に間隔を広げて配置されうる。この発光体16は、踏面4に位置して、前後の縁(2a、2b)に沿って延びて配置されてもよく、その場合、発光体16は踏面4の右端から左端まで延びていることが好ましい。
【0032】
発光体17は、脚部3が設置する設置面25を照らしている。発光体16と発光体17とにより、設置面25から踏面4の高さが容易に視認される。発光体17により、この踏み台1では、踏み台1の周辺が容易に視認できる。
【0033】
発光体16に代えて、図6に示される発光体26が用いられてもよい。この発光体26は、フレキシブル基板27と、フレキシブル基板27の長手方向に並べられた複数のLED(発光ダイオード)28とからなる。このフレキシブル基板27は、その長手方向の所定の間隔L毎に電気回路を構成するプリント回路接点30が露出している。一端に位置するプリント回路接点30a及び30bが開閉可能にされた電気回路に接続されている。他端に位置するプリント回路接点30cと接点30dとが接続されて通電可能にされている。
【0034】
このフレキシブル基板27では、その露出しているプリント回路接点30の部分で切断して、切断されたプリント回路接点30を接続することができる。この接続により、容易にプリント回路接点30が通電可能にされる。この発光体26では、露出しているプリント回路接点30の部分で切断することで、長さの変更が容易にされている。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る踏み台は、屋内の玄関、階段、廊下等に限らず、屋外の階段、段差等がある場所にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1・・・踏み台
2・・・踏み板
3・・・脚部
4・・・踏面
5・・・枠
6・・・溝
7・・・脚
8・・・アジャスタ
9・・・凹部
10・・・ケース
11・・・透光体
11a・・・凹凸
12・・・反射カバー
13・・・発光装置
14・・・電池
15・・・制御基板
16・・・発光体
17・・・発光体
18・・・人感センサ
19・・・照度センサ
20・・・基板
21・・・LED
23・・・基板
24・・・LED
25・・・設置面
26・・・発光体
27・・・フレキシブル基板
28・・・LED
30・・・接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏面を備える踏み板と、
この踏み板を支持する脚部と、
上記踏み板の踏面に取り付けられた透光体と、
この透光体に近接して踏み板に埋め込まれた踏面光源と、
移動対象を検知する人感センサとを備えており、
この人感センサが移動対象を検知することにより、踏面光源が発光するように構成されており、
上記人感センサが、定められた照度以上の環境下では動作しないようにされており、
上記透光体が、踏面光源から光を受けて、その光を上方へ放射しうるように構成されている、踏み台。
【請求項2】
上記透光体が踏面に位置して踏み板の左右の縁に沿って延びており、
この透光体が踏み板の前縁から後縁まで延びて配置されている、請求項1に記載の踏み台。
【請求項3】
上記透光体が踏面に位置して踏み板の前後の縁に沿って延びており、
この透光体が踏み板の右縁から左縁まで延びて配置されている、請求項1に記載の踏み台。
【請求項4】
上記脚部が設置される設置面を照らす設置面光源を備えており、
上記人感センサが移動対象を検知することにより、設置面光源が発光するように構成されている請求項1から3のいずれかに記載の踏み台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−79504(P2013−79504A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219047(P2011−219047)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(505054069)株式会社マイスト (5)
【出願人】(000113779)マツ六株式会社 (68)
【Fターム(参考)】