説明

車両および車両用制御方法

【課題】車両の現在位置および周囲の状況に応じて適切に車両に接続された電気負荷に電力を供給する。
【解決手段】ECUは、放電スイッチに対してオン操作が行なわれた場合であって、(S100にてYES)、停車中であって(S102にてYES)、かつ、停車中にエンジンの停止が義務づけられる停止領域内である場合に(S104にてYES)、災害情報を受信する場合には(S106にてYES)、エンジンの始動を許容する第1供給モードを選択するステップ(S108)と、災害情報を受信しない場合には(S106にてNO)、エンジンの始動を禁止する第2供給モードを選択するステップ(S110)と、放電制御を実行するステップ(S112)とを含む、プログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置とエンジンを動力源とした発電装置とを搭載した車両の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2010−035277号公報(特許文献1)には、ハイブリッド車両に搭載されたバッテリの電力を車両外部の電気負荷に供給する技術が開示される。また、ハイブリッド車両において、エンジンを動力源とするジェネレータを用いて車載バッテリを充電する技術は公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−035277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両外部の電気負荷に電力を供給する場合においては、エンジンを作動させて、車載バッテリの電力と発電装置による発電電力とを併用した場合の方が車載バッテリの電力のみの場合よりも車両外部の電気負荷に対して長時間の電力供給が可能となる。しかしながら、車両の位置が、停車中のエンジンの停止が義務づけられる領域内(たとえば、アイドルストップ条例が適用された領域内)である場合には、エンジンを停止させる必要がある。一方、車両の位置が、当該領域内であっても災害発生時にはバッテリの電力と発電電力とを併用して車両外部の電気負荷に電力を供給することが望ましい。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の現在位置および周囲の状況に応じて適切に車両に接続された電気負荷に電力を供給する車両および車両用制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のある局面に係る車両は、エンジンと、エンジンを動力源として発電電力を発生させるための発電装置と、発電装置を用いて充電される蓄電装置と、車両の現在位置が、停車中にエンジンの停止が義務づけられる停止領域内であるか否かに基づいて、外部負荷に対して発電電力または蓄電装置の電力の供給を許容する第1モードと、エンジンを停止させた状態で外部負荷に対して蓄電装置の電力の供給を許容する第2モードとのうちのいずれか一方のモードを選択して、選択されたモードにしたがって車両から外部負荷に電力を供給するための制御装置とを含む。
【0007】
好ましくは、制御装置は、現在位置が停止領域内である場合に第2モードを選択する。
さらに好ましくは、制御装置は、現在位置が停止領域外である場合に第1モードを選択する。
【0008】
さらに好ましくは、制御装置は、車両の外部から所定の信号を受信した場合には、現在位置が停止領域内であるときに第1モードを選択する。
【0009】
さらに好ましくは、所定の信号は、災害地域に関する情報を含む災害情報を通知する信号である。
【0010】
さらに好ましくは、車両は、ナビゲーションシステムをさらに含む。制御装置は、ナビゲーションシステムを用いて現在位置を特定する。
【0011】
さらに好ましくは、蓄電装置は、直流電源である。車両は、蓄電装置の直流電力を交流電力に変換するための電力変換装置をさらに含む。車両には、電気機器のプラグと接続可能な形状を有し、プラグが接続された場合に電力変換装置から電気機器への交流電力の供給が可能となる差込口が設けられる。
【0012】
この発明の他の局面に係る車両用制御方法は、エンジンと、エンジンを動力源として発電電力を発生させるための発電装置と、発電装置を用いて充電される蓄電装置とを搭載した車両に用いられる車両用制御方法である。この車両用制御方法は、車両の現在位置が、停車中にエンジンの停止が義務づけられる停止領域内であるか否かに基づいて、外部負荷に対して発電電力および蓄電装置の電力の供給を許容する第1モードと、エンジンの作動を抑制しつつ外部負荷に対して蓄電装置の電力の供給を許容する第2モードとのうちのいずれか一方のモードを選択するステップと、選択されたモードにしたがって車両から外部負荷に電力を供給するステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
この発明によると、たとえば、車両の現在位置が停止領域外である場合に第1モードを選択するようにすると、長時間の電力供給が可能となる。さらに、車両の現在位置が停止領域内である場合に第2モードを選択するようにすると、エンジンの停止義務に従いつつ外部負荷への電力供給が可能となる。さらに、たとえば、災害の発生を示す信号を受信した場合に第1モードを選択するようにすると、災害発生時等に長時間の電力供給が可能となる。そのため、車両の現在位置および周囲の状況に応じて適切なモードを選択することができる。したがって、車両の現在位置および周囲の状況に応じて適切に車両に接続された電気負荷に電力を供給する車両および車両用制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係る車両の全体ブロック図である。
【図2】車両と管理サーバとの通信形態を説明するための図である。
【図3】本実施の形態に係る車両に搭載されたECUの機能ブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る車両に搭載されたECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図5】他の車両の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態は、説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
【0016】
図1を参照して、本実施の形態に係るハイブリッド車両1(以下、単に車両1と記載する)の全体ブロック図が説明される。車両1は、エンジン10と、駆動軸16と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30と、動力分割装置40と、減速機58と、PCU(Power Control Unit)60と、インバータ62と、第1コンセント64と、第2コンセント65と、放電スイッチ66と、ナビゲーションシステム68と、受信装置69と、バッテリ70と、駆動輪80と、ECU(Electronic Control Unit)200とを含む。
【0017】
この車両1は、エンジン10および第2MG30の少なくとも一方から出力される駆動力によって走行する。エンジン10が発生する動力は、動力分割装置40によって2経路に分割される。2経路のうちの一方の経路は減速機58を介して駆動輪80へ伝達される経路であり、他方の経路は第1MG20へ伝達される経路である。
【0018】
第1MG20および第2MG30は、たとえば、三相交流回転電機である。第1MG20および第2MG30は、PCU60によって駆動される。
【0019】
第1MG20は、動力分割装置40によって分割されたエンジン10の動力を用いて発電してPCU60を経由してバッテリ70を充電するジェネレータとしての機能を有する。また、第1MG20は、バッテリ70からの電力を受けてエンジン10の出力軸であるクランク軸を回転させる。これによって、第1MG20は、エンジン10を始動するスタータとしての機能を有する。
【0020】
第2MG30は、バッテリ70に蓄えられた電力および第1MG20により発電された電力の少なくともいずれか一方を用いて駆動輪80に駆動力を与える駆動用モータとしての機能を有する。また、第2MG30は、回生制動によって発電された電力を用いてPCU60を経由してバッテリ70を充電するためのジェネレータとしての機能を有する。
【0021】
エンジン10は、たとえば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン10は、複数の気筒102と、複数の気筒102の各々に燃料を供給する燃料噴射装置104とを含む。なお、気筒102は、一つ以上あればよい。
【0022】
燃料噴射装置104は、ECU200からの制御信号S1に基づいて、各気筒に対して適切な時期に適切な量の燃料を噴射したり、各気筒に対する燃料の噴射を停止したりする。
【0023】
さらに、エンジン10のクランク軸に対向した位置には、エンジン回転速度センサ11が設けられる。エンジン回転速度センサ11は、エンジン10のクランク軸の回転速度(以下、エンジン回転速度と記載する)Neを検出する。エンジン回転速度センサ11は、検出されたエンジン回転速度Neを示す信号をECU200に送信する。
【0024】
動力分割装置40は、駆動輪80に連結される駆動軸16、エンジン10の出力軸および第1MG20の回転軸の三要素の各々を機械的に連結する動力伝達装置である。動力分割装置40は、上述の三要素のうちのいずれか一つを反力要素とすることによって、他の2つの要素間での動力の伝達を可能とする。第2MG30の回転軸は、駆動軸16に連結される。
【0025】
動力分割装置40は、サンギヤ50と、ピニオンギヤ52と、キャリア54と、リングギヤ56とを含む遊星歯車機構である。ピニオンギヤ52は、サンギヤ50およびリングギヤ56の各々と噛み合う。キャリア54は、ピニオンギヤ52を自転可能に支持するとともに、エンジン10のクランク軸に連結される。サンギヤ50は、第1MG20の回転軸に連結される。リングギヤ56は、駆動軸16を介在して第2MG30の回転軸および減速機58に連結される。
【0026】
減速機58は、動力分割装置40や第2MG30からの動力を駆動輪80に伝達する。また、減速機58は、駆動輪80が受けた路面からの反力を動力分割装置40や第2MG30に伝達する。
【0027】
PCU60は、バッテリ70に蓄えられた直流電力を第1MG20および第2MG30を駆動するための交流電力に変換する。PCU60は、ECU200からの制御信号S2に基づいて制御されるコンバータおよびインバータ(いずれも図示せず)を含む。コンバータは、バッテリ70から受けた直流電力の電圧を昇圧してインバータに出力する。インバータは、コンバータが出力した直流電力を交流電力に変換して第1MG20および/または第2MG30に出力する。これにより、バッテリ70に蓄えられた電力を用いて第1MG20および/または第2MG30が駆動される。また、インバータは、第1MG20および/または第2MG30によって発電される交流電力を直流電力に変換してコンバータに出力する。コンバータは、インバータが出力した直流電力の電圧を降圧してバッテリ70へ出力する。これにより、第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いてバッテリ70が充電される。なお、コンバータは、省略してもよい。
【0028】
バッテリ70は、蓄電装置であり、再充電可能な直流電源である。バッテリ70としては、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池が用いられる。バッテリ70の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ70は、上述したように第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いて充電される他、外部電源(図示せず)から供給される電力を用いて充電されてもよい。なお、バッテリ70は、二次電池に限らず、直流電圧を生成できるもの、たとえば、キャパシタ、太陽電池、燃料電池等であってもよい。
【0029】
バッテリ70には、電池温度センサ156と、電流センサ158と、電圧センサ160とが設けられる。
【0030】
電池温度センサ156は、バッテリ70の電池温度TBを検出する。電池温度センサ156は、電池温度TBを示す信号をECU200に送信する。
【0031】
電流センサ158は、バッテリ70の電流IBを検出する。電流センサ158は、電流IBを示す信号をECU200に送信する。
【0032】
電圧センサ160は、バッテリ70の電圧VBを検出する。電圧センサ160は、電圧VBを示す信号をECU200に送信する。
【0033】
ECU200は、バッテリ70の電流IBと、電圧VBと、電池温度TBとに基づいてバッテリ70の残容量(以下の説明においては、SOC(State Of Charge)と記載する)を推定する。ECU200は、たとえば、電流IBと、電圧VBと、電池温度TBとに基づいてOCV(Open Circuit Voltage)を推定し、推定されたOCVと所定のマップとに基づいてバッテリ70のSOCを推定してもよい。あるいは、ECU200は、たとえば、バッテリの充電電流と放電電流とを積算することによってバッテリ70のSOCを推定してもよい。
【0034】
充電装置78は、充電プラグ400が車両1に取り付けられることによって外部電源402から供給される電力を用いてバッテリ70を充電する。充電プラグ400は、充電ケーブル404の一方端に接続される。充電ケーブル404の他方端は、外部電源402に接続される。充電装置78の正極端子は、PCU60の正極端子とバッテリ70の正極端子とを接続する電源ラインに接続される。充電装置78の負極端子は、PCU60の負極端子とバッテリ70の負極端子とを接続するアースラインに接続される。
【0035】
インバータ62の正極端子は、バッテリ70とPCU60とを接続する電源ラインに接続され、インバータ62の負極端子は、バッテリ70とPCU60とを接続するアースラインに接続される。インバータ62は、ECU200からの制御信号S3に基づいてバッテリ70から供給される直流電力を交流電力に変換する。後述する第1コンセント64または第2コンセント65に電気機器が接続されている場合には、インバータ62は、変換した交流電力を第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に供給する。インバータ62から電気機器に供給される交流電圧は、たとえば、所定電圧であって、たとえば、AC100V程度である。
【0036】
第1コンセント64は、車両1の室内に設けられる。この第1コンセント64に電気機器の電源プラグが接続された場合に、電気機器は、インバータ62から供給される交流電力によって作動する。第1コンセント64に接続される電気機器は、たとえば、車両1に搭載された電気機器以外の交流電力で作動する電気機器であって、車両1の室内に持ち込まれた電気機器である。
【0037】
第2コンセント65は、車両1の外部に向けて設けられる。第2コンセント65は、たとえば、蓋あるいはカバーによって覆われており、使用時に蓋の移動あるいはカバーを取り外すことによって使用可能となる。この第2コンセント65に電気機器700の電源プラグ710が接続された場合に、電気機器700は、インバータ62から供給される交流電力によって作動する。第2コンセント65に接続される電気機器700は、たとえば、車両1に搭載された電気機器以外の交流電力で作動する電気機器であって、車両1の外部にある電気機器である。
【0038】
第1コンセント64および第2コンセント65は、電気機器のプラグと接続可能な形状を有し、電気機器のプラグが接続された場合にインバータ62から電気機器への交流電力の供給が可能となる差込口である。
【0039】
放電スイッチ66は、第1コンセント64および第2コンセント65を使用可能にするためのスイッチである。放電スイッチ66は、たとえば、レバースイッチであってもよいし、プッシュボタンであってもよいし、モーメンタリースイッチであってもよい。あるいは、放電スイッチ66に代えて、タッチパネルの操作により第1コンセント64および第2コンセント65を使用可能にしてもよい。
【0040】
運転者によって放電スイッチ66に対してオン操作がなされた場合に、放電スイッチ66からオン信号がECU200に送信される。ECU200は、放電スイッチ66からオン信号を受信した場合に、インバータ62が作動するように制御信号S3を生成して、インバータ62に送信する。インバータ62は、ECU200からの制御信号S3の受信に応じてバッテリ70から供給される直流電力を交流電力に変換する動作を行なう。
【0041】
運転者によって放電スイッチ66に対してオフ操作がなされた場合に、放電スイッチ66からオフ信号がECU200に送信される。あるいは、放電スイッチ66からオン信号の送信が停止される。ECU200は、放電スイッチ66からオフ信号を受信した場合に、あるいは、オン信号を受信しない場合に、インバータ62の作動が停止するように制御信号S3を生成して、インバータ62に送信する。ECU200からの制御信号S3の受信に応じてインバータ62の作動が停止する。
【0042】
本実施の形態において、ECU200は、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれた場合にインバータ62を作動させるものとして説明するが、たとえば、第1コンセント64または第2コンセント65に電気機器のプラグが接続されたことが検出された場合に、インバータ62を作動させるものとしてもよい。
【0043】
第1レゾルバ12は、第1MG20に設けられる。第1レゾルバ12は、第1MG20の回転速度Nm1を検出する。第1レゾルバ12は、検出された回転速度Nm1を示す信号をECU200に送信する。
【0044】
第2レゾルバ13は、第2MG30に設けられる。第2レゾルバ13は、第2MG30の回転速度Nm2を検出する。第2レゾルバ13は、検出された回転速度Nm2を示す信号をECU200に送信する。
【0045】
車輪速センサ14は、駆動輪80の回転速度Nwを検出する。車輪速センサ14は、検出された回転速度Nwを示す信号をECU200に送信する。ECU200は、受信した回転速度Nwに基づいて車両1の速度Vを算出する。なお、ECU200は、回転速度Nwに代えて第2MG30の回転速度Nm2に基づいて車両1の速度Vを算出するようにしてもよい。
【0046】
ナビゲーションシステム68は、車両1の現在位置を取得する。ナビゲーションシステム68は、たとえば、GPS(Global Positioning System)を利用して車両1の現在位置を取得するようにしてもよい。あるいは、ナビゲーションシステム68は、車両1の周囲の基地局(たとえば、携帯電話の基地局や無線LAN(Local Area Network)の基地局等)からの車両1の現在位置に関する情報を受信し、受信した情報に基づいて車両1の現在位置を取得するようにしてもよい。あるいは、ナビゲーションシステム68は、車両1の初期位置がメモリに記憶された地図上の位置と関連付けて予め登録されている場合には、車両1の舵角、速度、走行時間等の走行履歴に基づいて初期位置からの移動量を算出して、初期位置と算出された移動量とに基づいて車両1の現在位置を取得するようにしてもよい。ナビゲーションシステム68は取得した車両1の現在位置を示す信号をECU200に送信する。車両1の現在位置は、緯度および経度等の絶対的な位置座標によって特定される位置であってもよいし、あるいは、メモリに記憶された地図上に特定される位置であってもよい。
【0047】
ナビゲーションシステム68のメモリには、地図情報が記憶される。ナビゲーションシステム68は、表示装置等を用いて地図上に特定される車両1の現在位置を表示することによって、運転者に車両1の現在位置を通知したり、目的地までの経路を車両1の乗員に提供したりする。ナビゲーションシステム68のメモリには、さらに、停車中のエンジン10の停止が義務づけられる停止領域(たとえば、アイドルストップ条例等の法規が適用された領域)についての情報が記憶される。ナビゲーションシステム68は、たとえば、後述する受信装置69を用いて外部の通信網と接続することによって、地図情報または停止領域についての更新情報を受信してもよい。
【0048】
受信装置69は、車両1の外部から災害情報を受信する。災害情報は、災害地域に関する情報を含む。受信装置69は、図2に示すように、管理サーバ300の送信装置302から通信衛星304を経由して送信される災害情報を受信してもよい。あるいは、受信装置69は、管理サーバ300の送信装置302から移動基地局306を経由して送信される災害情報を受信してもよい。あるいは、受信装置69は、管理サーバ300から通信網308および基地局310を経由して送信される災害情報を受信してもよい。
【0049】
管理サーバ300は、管理サーバ300が管理する地域内で災害が発生した場合に、通信衛星304、移動基地局306あるいは基地局310を経由して災害情報を発信する。管理サーバ300は、災害情報を発信する地域を限定できる場合には、災害が発生した領域(以下、災害発生領域)と、その隣接する所定の周辺領域に限定して災害情報を発信してもよい。あるいは、管理サーバ300は、災害が発生した領域を地図上で特定するための情報を発信してもよい。
【0050】
なお、受信装置69は、上述の地図情報または停止領域についての更新情報を受信するものであってもよいし、上述の地図情報または停止領域についての更新情報を受信する受信装置とは別に設けられるものであってもよい。ECU200は、管理サーバ300から災害情報を受信した場合に、災害情報の内容、あるいは、災害情報を受信したことをメモリに記憶させてもよい。
【0051】
ECU200は、エンジン10を制御するための制御信号S1を生成し、その生成した制御信号S1をエンジン10へ出力する。また、ECU200は、PCU60を制御するための制御信号S2を生成し、その生成した制御信号S2をPCU60へ出力する。さらに、ECU200は、充電装置78を制御するための制御信号S4を生成し、その生成した制御信号S4を充電装置78へ出力する。
【0052】
ECU200は、エンジン10およびPCU60等を制御することによって車両1が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体、すなわち、バッテリ70の充放電状態、エンジン10、第1MG20および第2MG30の動作状態を制御する。
【0053】
ECU200は、運転席に設けられたアクセルペダルのストローク量に対応する要求駆動力を算出する。ECU200は、算出された要求駆動力に応じて、第1MG20および第2MG30のトルクと、エンジン10の出力とを制御する。
【0054】
上述したような構成を有する車両1においては、ECU200は、上述したとおり、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれた場合に、インバータ62を作動させて、第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器への交流電力の供給を可能とする。
【0055】
たとえば、車両1の外部の電気負荷に電力を供給する場合においては、エンジンを作動させて、バッテリ70の電力と第1MG20による発電電力とを併用した場合の方がバッテリ70の電力のみの場合よりも電気負荷に対して長時間の電力供給が可能となる。しかしながら、車両1の位置が、停車中のエンジン10の停止が義務づけられる停止領域内(たとえば、アイドルストップ条例等の法規が適用された領域内)である場合には、エンジン10を停止させる必要がある。一方、車両1の位置が、当該停止領域内であっても災害発生時にはバッテリ70の電力と発電電力とを併用して電気負荷に電力を供給することが望ましい。
【0056】
そこで、本実施の形態においては、ECU200が、車両1の現在位置が停止領域内であるか否かに基づいて、外部負荷に対して発電電力またはバッテリ70の電力の供給を許容する第1供給モードと、エンジン10を停止させた状態で外部負荷に対してバッテリ70の電力の供給を許容する第2供給モードとのうちのいずれか一方のモードを選択して、選択されたモードにしたがって車両1から外部負荷に電力を供給する点を特徴とする。
【0057】
具体的には、ECU200は、停車中の車両1の現在位置が停止領域内である場合に第2供給モードを選択する。さらに、ECU200は、車両1の現在位置が停止領域外である場合に第1供給モードを選択する。さらに、ECU200は、車両1の外部から所定の信号を受信した場合には、停車中の車両1の現在位置が停止領域内であるときでも第1供給モードを選択する。なお、所定の信号とは、災害地域に関する情報を含む災害情報を通知する信号である。
【0058】
図3に、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の機能ブロック図を示す。ECU200は、スイッチ判定部202と、停車判定部204と、位置判定部206と、受信判定部208と、モード選択部210と、放電制御部212とを含む。
【0059】
スイッチ判定部202は、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれたか否かを判定する。スイッチ判定部202は、放電スイッチ66からオン信号を受信した場合に、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれたと判定する。スイッチ判定部202は、放電スイッチ66からオフ信号を受信した場合、あるいは、オン信号を受信しない場合に、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれていないと判定する。なお、スイッチ判定部202は、たとえば、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれた場合に、スイッチ判定フラグをオン状態にしてもよい。
【0060】
停車判定部204は、車両1が停車中であるか否かを判定する。停車判定部204は、とえば、車両1の速度Vが停車状態であることを判定するためのしきい値V(0)以下である場合に、車両1が停車中であると判定する。停車判定部204は、たとえば、シフトポジションがパーキングポジションである場合に、車両1が停車中であると判定してもよい。あるいは、停車判定部204は、車両1のシステムが停止している場合に、車両1が停車中であると判定してもよい。なお、停車判定部204は、車両1が停車中であると判定した場合に、停車判定フラグをオン状態にしてもよい。
【0061】
位置判定部206は、車両1の現在位置が停止領域内であるか否かを判定する。位置判定部206は、ナビゲーションシステム68から受信する車両1の現在位置が停止領域内であるか否かを判定する。
【0062】
位置判定部206は、たとえば、ナビゲーションシステム68から車両1の現在位置と停止領域の情報とを受信して、車両1の現在位置が停止領域内であるか否かを判定してもよい。あるいは、位置判定部206は、たとえば、ナビゲーションシステム68から車両1の現在位置が停止領域内であるか否かの判定結果を受信して、車両1の現在位置が停止領域内であるか否かを判定してもよい。
【0063】
また、位置判定部206は、たとえば、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれた時点で、車両1の現在位置が停止領域内であるか否かを判定してもよい。あるいは、位置判定部206は、車両1が停車したと判定された時点で、車両1の現在位置が停止領域内であるか否かを判定してもよい。
【0064】
なお、位置判定部206は、たとえば、車両1の現在位置が停止領域内である場合に、位置判定フラグをオン状態にしてもよい。
【0065】
受信判定部208は、管理サーバ300から災害情報を受信したか否かを判定する。受信判定部208は、たとえば、管理サーバ300から災害情報を継続して受信している場合に災害情報を受信したと判定してもよいし、あるいは、現在よりも予め定められた時間だけ前の時点から現在の時点までに災害情報を受信した履歴がある場合に災害情報を受信したと判定してもよい。なお、受信判定部208は、たとえば、管理サーバ300から災害情報を受信した場合に、受信判定フラグをオン状態にしてもよい。
【0066】
モード選択部210は、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれた場合に、車両1の状態、車両1の現在位置および災害情報の受信の有無に基づいて第1供給モードと第2供給モードのうちのいずれか一方を選択する。
【0067】
具体的には、モード選択部210は、停車判定部204によって車両1が停車中でないと判定された場合、第1供給モードを選択する。モード選択部210は、停車判定部204によって車両1が停車中であると判定され、位置判定部206によって車両1の現在位置が停止領域内でないと判定された場合、第1供給モードを選択する。
【0068】
また、モード選択部210は、停車判定部204によって車両1が停車中であると判定され、位置判定部206によって車両1の現在位置が停止領域内であると判定され、かつ、受信判定部208によって災害情報が受信されないと判定された場合、第2供給モードを選択する。
【0069】
さらに、モード選択部210は、停車判定部204によって車両1が停車中であると判定され、位置判定部206によって車両1の現在位置が停止領域内であると判定され、かつ、受信判定部208によって災害情報が受信されたと判定された場合、第1供給モードを選択する。
【0070】
なお、モード選択部210は、たとえば、停車判定フラグがオフ状態である場合、第1供給モードを選択してもよい。モード選択部210は、たとえば、停車判定フラグがオン状態であって、かつ、位置判定フラグがオフ状態である場合、第1供給モードを選択してもよい。モード選択部210は、停車判定フラグがオン状態であって、位置判定フラグがオン状態であって、かつ、受信判定フラグがオフ状態である場合、第2供給モードを選択してもよい。さらに、モード選択部210は、停車判定フラグ、位置判定フラグおよび受信判定フラグのいずれもがオン状態である場合、第1供給モードを選択してもよい。
【0071】
放電制御部212は、モード選択部210によって選択されたモードにしたがって放電制御を実行する。放電制御部212は、たとえば、第1供給モードが選択された場合であって、かつ、バッテリ70のSOCがしきい値SOC(0)よりも大きい場合には、エンジン10を停止させた状態でバッテリ70の電力をインバータ62を経由して第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に電力を供給する。
【0072】
また、放電制御部212は、たとえば、第1供給モードが選択された場合であって、かつ、バッテリ70のSOCがしきい値SOC(0)以下である場合には、バッテリ70の電力に加えて、エンジン10を作動させることにより第1MG20において生じる発電電力を、インバータ62を経由して第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に供給する。
【0073】
なお、放電制御部212は、第1供給モードが選択された場合に、エンジン10の作動を許容する。そのため、放電制御部212は、第1供給モードが選択された場合に、エンジン10が停止状態であるときには、バッテリ70のSOCに関わらず、エンジン10を始動させるようにしてもよい。
【0074】
放電制御部212は、第2供給モードが選択された場合には、エンジン10の始動を禁止する。すなわち、放電制御部212は、第2供給モードが選択された場合に、エンジン10が作動状態であるときには、エンジン10を停止させる。
【0075】
放電制御部212は、たとえば、第2供給モードが選択された場合であって、かつ、バッテリ70のSOCがしきい値SOC(0)よりも大きい場合には、エンジン10を停止させた状態でバッテリ70の電力をインバータ62を経由して第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に電力を供給する。
【0076】
また、放電制御部212は、たとえば、第2供給モードが選択された場合であって、かつ、バッテリ70のSOCがしきい値SOC(0)以下である場合には、インバータ62を作動させない、あるいは、インバータ62の作動を停止させる。すなわち、放電制御部212は、第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器への電力供給を停止する。
【0077】
なお、しきい値SOC(0)は、たとえば、第1MG20を用いてエンジン10を始動させるために必要な電力量が確保される値であればよく、特に限定されるものではない。
【0078】
本実施の形態において、スイッチ判定部202、停車判定部204と、位置判定部206と、受信判定部208と、モード選択部210と、放電制御部212とは、いずれもECU200のCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両1に搭載される。
【0079】
図4を参照して、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0080】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU200は、放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれたか否かを判定する。放電スイッチ66に対してオン操作が行なわれた場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、処理はS100に戻される。
【0081】
S102にて、ECU200は、車両1が停車中であるか否かを判定する。車両1が停車中である場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでない場合(S102にてNO)、処理はS108に移される。
【0082】
S104にて、ECU200は、車両1の現在位置が停止領域内であるか否かを判定する。車両1の現在位置が停止領域内である場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでない場合(S104にてNO)、処理はS108に移される。
【0083】
S106にて、ECU200は、管理サーバ300から災害情報を受信したか否かを判定する。管理サーバ300から災害情報を受信した場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでない場合(S106にてNO)、処理はS110に移される。
【0084】
S108にて、ECU200は、第1供給モードを選択する。S110にて、ECU200は、第2供給モードを選択する。S112にて、ECU200は、選択されたモードにしたがって放電制御を実行する。
【0085】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の動作について説明する。
【0086】
<車両1の現在位置が停止領域外である場合>
たとえば、停車中にエンジンの停止が義務づけられる停止領域外にて車両1が停止している場合を想定する。また、車両1の停車中に車両1の乗員が第1コンセント64または第2コンセント65に電気機器を接続して放電スイッチ66に対してオン操作を行なった場合を想定する(S100にてYES、S102にてYES)。
【0087】
ナビゲーションシステム68を用いて取得される車両1の現在位置が停止領域外である場合には(S104にてNO)、第1供給モードが選択される(S108)。すなわち、ECU200は、バッテリ70の電力と発電電力とを併用して第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に電力を供給するようにインバータ62およびPCU60を制御する(S110)。
【0088】
第1供給モードが選択された場合であって、かつ、バッテリ70のSOCがしきい値よりも大きい場合には、ECU200は、エンジン10を停止させた状態でバッテリ70の電力が第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に供給されるようにインバータ62を制御する。
【0089】
第1供給モードが選択された場合であって、かつ、バッテリ70のSOCがしきい値以下になる場合には、ECU200は、第1MG20を用いてエンジン10が始動するようにPCU60を制御する。ECU200は、エンジン10の始動後においては、エンジン10を動力源として第1MG20において発電が行なわれるようにPCU60を制御する。ECU200は、発電電力またはバッテリ70の電力が第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に供給されるようにインバータ62を制御する。
【0090】
<車両1の現在位置が停止領域内である場合>
たとえば、車両1が停止領域内で停止している場合を想定する。また、車両1の停車中に車両1の乗員が第1コンセント64または第2コンセント65に電気機器を接続して放電スイッチ66に対してオン操作を行なった場合を想定する(S100にてYES、S102にてYES)。
【0091】
ナビゲーションシステム68を用いて取得される車両1の現在位置が停止領域内であって(S104にてYES)、かつ、管理サーバ300から災害情報を受信しない場合には(S106にてNO)、第2供給モードが選択される(S110)。すなわち、ECU200は、エンジン10を停止させた状態で第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器にバッテリ70の電力を供給するようにインバータ62を制御する。なお、ECU200は、バッテリ70のSOCがしきい値SOC(0)よりも低下した場合には、インバータ62の作動を停止させてバッテリ70を用いた電気機器への電力供給を停止させる。
【0092】
一方、停車中の車両1の現在位置が停止領域内であって(S102にてYES、S104にてYES)、管理サーバ300から災害情報を受信した場合には(S106にてYES)、第1供給モードが選択される(S108)。すなわち、ECU200は、バッテリ70の電力と発電電力とを併用して第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に電力を供給するようにインバータ62およびPCU60を制御する(S110)。第1供給モードが選択された場合の動作については上述したとおりであるためその詳細な説明は繰り返さない。
【0093】
以上のようにして、本実施の形態に係る車両1によると、停車中の車両1の現在位置が停止領域外である場合に第1供給モードを選択することにより、第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に対して第2供給モードが選択される場合と比べて長時間の電力供給が可能となる。さらに、停車中の車両1の現在位置が停止領域内であって、かつ、災害情報を受信しない場合に第2供給モードを選択することにより、エンジンの停止義務に従いつつ第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に対して電力供給が可能となる。さらに、停車中の車両1の現在位置が停止領域内であって、かつ、災害情報を受信する場合に第1供給モードを選択することにより災害発生時等において第1コンセント64または第2コンセント65に接続された電気機器に対して第2供給モードが選択される場合と比べて長時間の電力供給が可能となる。そのため、車両の現在位置および周囲の状況に応じて適切な外部負荷への電力の供給モードを選択することができる。したがって、車両の現在位置および周囲の状況に応じて適切に車両に接続された電気負荷に電力を供給する車両および車両用制御方法を提供することができる。
【0094】
本実施の形態においては、災害情報を受信した場合に停止領域内での第1供給モードの選択を可能としたが、車両1の周囲の基地局や衛星から所定の信号を受信した場合に停止領域内での第1供給モードの選択を可能とすればよく、特に災害情報を受信した場合に限定されるものではない。
【0095】
所定の信号は、たとえば、停止領域においてエンジンの停止義務の時間帯が規定されている場合において、エンジンの停止義務の時間帯外であることを示す信号であってもよい。
【0096】
さらに、ECU200は、災害情報を受信したか否かの判定に代えて車両1の現在位置が災害発生領域および災害発生領域に隣接する所定の周辺領域内であるか否かを判定してもよい。
【0097】
ECU200は、たとえば、管理サーバ300から災害情報を受信した場合に、受信した災害情報に基づいて地図上の災害発生領域を特定し、ナビゲーションシステム68から受信する車両1の現在位置が災害発生領域内であるか否かを判定してもよい。ECU200は、車両1の現在位置が災害発生領域内である場合には、停止領域内であっても第1供給モードを選択してもよい。
【0098】
なお、図1では、駆動輪80を前輪とする車両1を一例として示したが、特にこのような駆動方式に限定されるものではない。たとえば、車両1は、後輪を駆動輪とするものであってもよい。または、車両1は、図1の第2MG30が前輪の駆動軸16に代えて、後輪を駆動するための駆動軸に連結される車両であってもよい。また、駆動軸16と減速機58との間あるいは駆動軸16と第2MG30との間に変速機構が設けられてもよい。
【0099】
あるいは、車両1は、図5に示すような構成を有していてもよい。具体的には、図5に示す車両1は、図1の車両1の構成と比較して、第2MG30を有しない点と、第1MG20の回転軸をエンジン10の出力軸に直結させている点と、動力分割装置40に代えて、クラッチ22を有する動力伝達装置42を含む点とが異なる。クラッチ22は、第1MG20と駆動輪80とを動力伝達状態と動力遮断状態との間で変化させる。動力伝達装置42は、たとえば、変速機構である。なお、クラッチ22に加えて、エンジン10と第1MG20との間にさらにクラッチ(図9の破線)が設けられるものであってもよい。図5の車両1において、ECU200は、たとえば、停車中に放電スイッチ66がオンされた場合であって、かつ、第1供給モードが選択された場合には、動力伝達装置42が動力遮断状態となるようにクラッチ22を制御してもよい。
【0100】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
1 ハイブリッド車両、10 エンジン、11 エンジン回転速度センサ、12,13 レゾルバ、14 車輪速センサ、16 駆動軸、20,30 MG、22 クラッチ、40 動力分割装置、42 動力伝達装置、50 サンギヤ、52 ピニオンギヤ、54 キャリア、56 リングギヤ、58 減速機、60 PCU、62 インバータ、64,65 コンセント、66 放電スイッチ、68 ナビゲーションシステム、69 受信装置、70 バッテリ、78 充電装置、80 駆動輪、102 気筒、104 燃料噴射装置、156 電池温度センサ、158 電流センサ、160 電圧センサ、200 ECU、202 スイッチ判定部、204 停車判定部、206 位置判定部、208 受信判定部、210 モード選択部、212 放電制御部、300 管理サーバ、302 送信装置、304 通信衛星、306 移動基地局、308 通信網、310 基地局、400 充電プラグ、402 外部電源、404 充電ケーブル、700 電気機器、710 電源プラグ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンを動力源として発電電力を発生させるための発電装置と、
前記発電装置を用いて充電される蓄電装置と、
車両の現在位置が、停車中に前記エンジンの停止が義務づけられる停止領域内であるか否かに基づいて、外部負荷に対して前記発電電力または前記蓄電装置の電力の供給を許容する第1モードと、前記エンジンを停止させた状態で前記外部負荷に対して前記蓄電装置の電力の供給を許容する第2モードとのうちのいずれか一方のモードを選択して、選択されたモードにしたがって前記車両から前記外部負荷に電力を供給するための制御装置とを含む、車両。
【請求項2】
前記制御装置は、前記現在位置が前記停止領域内である場合に前記第2モードを選択する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御装置は、前記現在位置が前記停止領域外である場合に前記第1モードを選択する、請求項1または2に記載の車両。
【請求項4】
前記制御装置は、前記車両の外部から所定の信号を受信した場合には、前記現在位置が前記停止領域内であるときに前記第1モードを選択する、請求項1〜3のいずれかに記載の車両。
【請求項5】
前記所定の信号は、災害地域に関する情報を含む災害情報を通知する信号である、請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記車両は、ナビゲーションシステムをさらに含み、
前記制御装置は、前記ナビゲーションシステムを用いて前記現在位置を特定する、請求項1〜5のいずれかに記載の車両。
【請求項7】
前記蓄電装置は、直流電源であって、
前記車両は、前記蓄電装置の直流電力を交流電力に変換するための電力変換装置をさらに含み、
前記車両には、電気機器のプラグと接続可能な形状を有し、前記プラグが接続された場合に前記電力変換装置から前記電気機器への前記交流電力の供給が可能となる差込口が設けられる、請求項1〜6のいずれかに記載の車両。
【請求項8】
エンジンと、前記エンジンを動力源として発電電力を発生させるための発電装置と、前記発電装置を用いて充電される蓄電装置とを搭載した車両に用いられる車両用制御方法であって、
車両の現在位置が、停車中に前記エンジンの停止が義務づけられる停止領域内であるか否かに基づいて、外部負荷に対して前記発電電力および前記蓄電装置の電力の供給を許容する第1モードと、前記エンジンの作動を抑制しつつ前記外部負荷に対して前記蓄電装置の電力の供給を許容する第2モードとのうちのいずれか一方のモードを選択するステップと、
選択されたモードにしたがって前記車両から前記外部負荷に電力を供給するステップとを含む、車両用制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−91377(P2013−91377A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233712(P2011−233712)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】