説明

車両のドアロック表示具

【課題】 特に、ドアのロック・アンロック状態を夜間でも確認できるようにした事両のドアロック表示具を提供する。
【解決手段】 ドア2,3内側の窓枠2A,3Aに突出させたロックノブ4,5の突出量の大小(高低)により、ドアのロック・アンロックを操作・指示する車両のドアロック表示具100において、ロックノブ4,5の中腹位置に表示帯10を備え、ドアのロック時に表示帯が窓枠内部に没入する車両のドアロック表示具100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ドア内部の窓枠から突出させたロックノブの突出量の大小(高低)により、ドアのロック・アンロック状態を操作・指示する車両のドアロック具に関し、特に、ドアのロック・アンロック状態を昼間をはじめ夜間でも確認できるようにした車両のドアロック表示具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ドア内部の窓枠において、この窓枠から突出させたロックノブの突出量の大小(高低)により、ドアのロック・アンロック状態を操作・指示する車両のドアロック具が一般的に普及している。
【0003】
しかしながら、上記ドアロック具は、ロックノブの突出量の大小(高低)により、ドアのロック・アンロック状態を指示する形式であり、ロック・アンロック状態を視覚的にその突出量の大小で確認・認識する必要性がある。このため、昼間時には、視覚的に確認できるものの、特にロック状態の確認に不確実性があり、ロックしたつもりがアンロック状態にあり、これが原因で不用意にドアを開けてしまう恐れがあった。また、夜間時には、視覚的に確認できず、手探りでロックノブの突出量の大小(高低)を感覚的に確認するか、ノブを上下操作させて再ロックする方法が採られている。この方法は、運転席のドア内側に装備されたドア集中ロック・アンロックを行うロックボタンによる操作時においても、ロックノブの突出量の大小(高低)を視覚的に確認できないと言う問題点がある。
【0004】
そこで、ドアのノブに有色テープを張り付けることで、離れた所から視覚的に施錠状態を確認することが出来るようにしたものが提案されている。このドアは、住宅における建具を対象にしている他、有色テープが完全に見え隠れするものでない上に夜間時には視覚的に確認出来難いと言う問題点が指摘される(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】 特開平2008−63926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の車両のドアロック具やドアのノブに有色テープを張り付けたタイプにおける問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、特に、ドアのロック・アンロック状態を夜間でも的確に確認できるようにした車両のドアロック表示具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による車両のドアロック表示具は、ドア内側の窓枠に突出させたロックノブの突出量の大小(高低)により、ドアのロック・アンロックを操作・指示する車両のドアロック表示具において、ロックノブの略中腹位置に表示帯を備え、ロック時に上記表示帯が窓枠内部に没入することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2による車両のドアロック表示具は、請求項1の車両のドアロック表示具において、上記表示帯は、蛍光塗材を塗布したものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3による車両のドアロック表示具は、請求項1の車両のドアロック表示具において、粘着カラーテープとしたものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4による車両のドアロック表示具は、請求項1の車両のドアロック表示具において、粘着カラーテープの表面に蛍光塗材を塗布したものであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5による車両のドアロック表示具は、請求項1の車両のドアロック表示具において、上記蛍光塗材は、ラジウムとZnSとからなる畜光顔料としたものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6による車両のドアロック表示具は、請求項1の車両のドアロック表示具において、上記表示帯は、ロックノブの成型時にロックノブの中腹位置に暖色系の樹脂を嵌合又は溶着させたものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7による車両のドアロック表示具は、請求項1の車両のドアロック表示具において、上記ドアは、乗用車・トラック等の一般車両及び特殊車両における運転席、助手席、後部座席の何れかに設置されたものであることを特徴とするものである。
【0014】
すなわち、本発明の車両のドアロック表示具によると、まず、ドアのロック・アンロック状態が、昼間時でも夜間でも的確に視覚により確認される。特に、蛍光性の塗料・顔料を表示帯に使用することで、特に夜間時に発光色が確認できることから、ロック・アンロック状態が明確に確認される。
【0015】
また、車両のドアロック表示具は、乗用車・トラック等の一般車両及び特殊車両における運転席、助手席、後部座席の何れにも容易に設置させられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の車両のドアロック表示具によると、ドアのロック・アンロック状態が昼間でも夜間でも的確に確認でき、特に蛍光性の塗料・顔料を表示帯に使用することで、特に夜間時に発光色が確認できることから、従来のドアロックに見られた夜間時のロック状態が視覚的に確認できないことが完全に無くなり、夜間時の安全運転に寄与できる。
【0017】
また、車両のドアロック表示具は、乗用車・トラック等の一般車両及び特殊車両における運転席、助手席、後部座席の何れにも容易に設置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1乃至図7を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1車両の右側面図、図2はロックノブに蛍光塗材を塗布した拡大正面図、図3はロックノブに蓄光顔料を塗布した拡大正面図、図4はロックノブに粘着カラーテープを貼った拡大正面図、図5は粘着カラーテープの表面に蛍光塗材または蓄光顔料を塗布した拡大正面図、図6はロックノブに暖色系の樹脂を設けた断面図、図7は一部を切り離したリング状の樹脂環を嵌合した断面図である。
【0019】
本発明の車両のドアロック表示具100は、下記各種実施例に示すように、構成されている。まず、図1に示すように、全体構成から説明する。車両(乗用車)1において、その運転席や助手席、後部座席の各々のドア2,3におけるドア内側の窓枠2A,3Aにはロックノブ(ドアロックバー)4,5が装備されている。上記ロックノブ(ドアロックバー)4,5は、そのロックノブの突出量の大小(高低)により、ドアのロック・アンロックを操作・指示する車両のドアロック表示具であり、ロックノブ4,5の略中腹位置に表示帯10を塗布又は装着させ、ドア2,3のアンロック時に表示帯が窓枠2A,3Aの外部に突出し、ロック時に表示帯が窓枠の内部に没入する関係に構成されている。
【0020】
続いて、上記車両のドアロック表示具100におけるロックノブ(ドアロックバー)4,5の略中腹位置に設けた表示帯10について、塗布又は装着を施す詳細講成を説明する。図2はドアロック表示具の拡大正面図で、上記表示帯10は、ロックノブ(ドアロックバー)4,5の略中腹位置に蛍光塗材10Aを塗布したものである。蛍光塗材10Aの具体的な材質は、蛍石、方解石、燐灰ウラン石、ジルコン、石膏等のように暗闇でも発光する素材が使用される。更に、図3はドアロック表示具の拡大正面図で、ロックノブ(ドアロックバー)4,5の略中腹位置にラジウムとZnSとからなる蓄光顔料10Bを使用したものである。上記蛍光塗材10Aや蓄光顔料10Bは、既存の使用車両においても、ロックノブ(ドアロックバー)4,5の略中腹位置に蛍光塗材10Aや蓄光顔料10Bを塗布させれば良く、その実施範囲の拡大が可能である。そして、昼間時には鮮やかな蛍光色で目を引き、夜間時には鮮やかに発光する蛍光が目に入り込みアンロック状態が確認される。
【0021】
続いて、表示帯10について、粘着カラーテープ11を装着(貼着)させた形態を図4に示す。図示するように、ロックノブ4,5の略中腹位置に、比較的に薄く幅の狭く形成した粘着カラーテープ11が採用されている。勿論、図5に示すように、粘着カラーテープ11の表面に蛍光塗材10Aまたは蓄光顔料10Bを塗布したものとしても良い。これにより、上記粘着カラーテープ11は、既存の使用車両においても、ロックノブ(ドアロックバー)4,5の略中腹位置に装着(貼着)させれば良く、その実施範囲の拡大が可能である。そして、昼間時には鮮やかな粘着カラーテープ11で目を引き、夜間時には粘着カラーテープ11から発光する蛍光が目に入り込みアンロック状態が確認される。
【0022】
続いて、図6に示すように、表示帯10は、ロックノブ4,5の成型時にロックノブの中腹位置Cに暖色系の樹脂14を溶着させた形態である。勿論、上記蛍光塗材10Aまたは蓄光顔料10Bを樹脂の表面に塗布したものとしても良い。また、上記暖色系の樹脂14は、図7に示すように、既存の使用車両において、ロックノブ(ドアロックバー)4,5の略中腹位置Cを小径加工し、これに一部を切り離したリング状の樹脂環14Aを嵌合させた実施例も可能であり、その実施範囲の拡大が可能である。そして、昼間時には鮮やかな樹脂14で目を引き、夜間時には樹脂14から発光する蛍光が目に入り込みアンロック状態が確認される。
【0023】
本発明の車両のドアロック表示具100は、上記のように各種の実施例に示す構成により、特に夜間時に発光色が確認できることから、ロック・アンロック状態が明確に確認される作用が得られる。この作用は、乗用車に限らず、トラック等の一般車両及び特殊車両における運転席、助手席、後部座席の何れにも容易に設置され、安全運転に寄与される。
【0024】
本発明の車両のドアロック表示具100における実施の形態によると、下記の効果が奏さられる。まず、本発明の車両のドアロック表示具によると、ドアのロック・アンロック状態が昼間でも夜間でも的確に確認でき、特に蛍光性の塗料・顔料を表示帯に使用することで、特に夜間時に発光色が確認できることから、従来のドアロックに見られた夜間時のロック状態が視覚的に確認できないことが完全に無くなり、夜間時の安全運転に寄与できる。
【0025】
また、車両のドアロック表示具は、乗用車・トラック等の一般車両及び特殊車両における運転席、助手席、後部座席の何れにも容易に設置できる。
【0026】
尚、本発明の車両のドアロック表示具100は、上記実施の形態における構成に限定されず、その発明の要旨内での細部における設計変更が自由にできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の車両のドアロック表示具は、その対象物を乗用車、トラック等の一般車両及び特殊車両における運転席、助手席、後部座席の何れかに設置したものであるが、ヘリコプター等の航空機、建物のドアにも実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示し、車両の右側面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を示し、ロックノブに蛍光塗材を塗布した拡大正面図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態を示し、ロックノブに蓄光顔料を塗布した拡大正面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態を示し、ロックノブに粘着カラーテープを貼った拡大正面図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態を示し、粘着カラーテープの表面に蛍光塗材または蓄光顔料を塗布した拡大正面図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態を示し、ロックノブに暖色系の樹脂を設けた断面図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態を示し、一部を切り離したリング状の樹脂を嵌合した断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 車両(乗用車
2,3 ドア
2A,3A 窓枠
4,5 ロックノブ(ドアロックバー)
10 表示帯
10A 蛍光塗材
10B 蓄光顔料
11 粘着カラーテープ
14 樹脂
14A 割りリング状の樹脂環
100 ドアロック表示具
C 中腹位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア内側の窓枠に突出させたロックノブの突出量の大小(高低)により、ドアのロック・アンロックを操作・指示する車両のドアロック表示具において、ロックノブの略中腹位置に表示帯を備え、ロック時に上記表示帯が窓枠内部に没入することを特徴とする車両のドアロック表示具。
【請求項2】
上記表示帯は、蛍光塗材を塗布したものであることを特徴とする請求項1記載の車両のドアロック表示具。
【請求項3】
上記表示帯は、粘着カラーテープとしたものであることを特徴とする請求項1記載の車両のドアロック表示具。
【請求項4】
上記表示帯は、粘着カラーテープの表面に蛍光塗材を塗布したものであることを特徴とする請求項1記載の車両のドアロック表示具。
【請求項5】
上記蛍光塗材は、ラジウムとZnSとからなる畜光顔料としたものであることを特徴とする請求項1記載の車両のドアロック表示具。
【請求項6】
上記表示帯は、ロックノブの成型時にロックノブの中腹位置に暖色系の樹脂を嵌合又は溶着させたものであることを特徴とする請求項1記載の車両のドアロック表示具。
【請求項7】
上記ドアは、乗用車・トラック等の一般車両及び特殊車両における運転席、助手席、後部座席の何れかに設置されたものであることを特徴とする請求項1記載の車両のドアロック表示具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−127065(P2010−127065A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328687(P2008−328687)
【出願日】平成20年11月29日(2008.11.29)
【出願人】(592005870)
【出願人】(595109720)
【Fターム(参考)】