説明

車両のランプ取付構造及び自動二輪車

【課題】カバーに対するランプの取付作業性を向上し、しかも外観を損なわないようにした車両のランプ取付構造を提供する。
【解決手段】車両のカバー19に開口部30を形成するとともに、前記カバー19の表面側から前記開口部30にランプ22を取り付けるようにした車両のランプ取付構造において、前記ランプ22の裏面に係合部50を設け、前記係合部50に係合する被係合部56と、前記カバー19の裏面に当接する支持部57U,57Lとを有する取付部材54を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のランプ取付構造及び自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車等の車両では、車体フレームをカバーによって覆うとともに、該カバーにウインカーランプやヘッドランプ、テールランプを取り付けている。このようなランプの取付構造については、例えば、下記特許文献1、2に開示されている。
【0003】
具体的に、特許文献1,2には、自動二輪車のフロントカバーにウインカーランプを取り付ける構造が開示されており、フロントカバーに開口部を設けるとともに、フロントカバーの裏面側から開口部内にウインカーランプを挿入し、ウインカーランプのランプボディを、カバーの裏面にビス止めするようにしたものである。
【0004】
この取付構造では、カバーの裏面側からウインカーランプを取り付けているので、カバー内には、ウインカーランプを挿入するだけのスペースが必要である。また、カバー内には、ビス止め用の工具を挿入し且つ操作するスペースも必要である。このようなスペースを確保できない自動二輪車では、カバーを車体フレームから取り外した状態でウインカーランプを取り付けなければならず、バルブ交換の際にも、その都度カバーを取り外す作業が必要となる。
【0005】
一方、ウインカーランプ等のランプをカバーの表面側からビス止めする技術も従来から知られている。この場合、カバーを取り外すことなくランプを取り付けることが可能であるが、ビスが外部に露出するので外観が悪くなる。
【特許文献1】実開昭62−173286号公報
【特許文献2】特開2002−205596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、カバーに対するランプの取付作業性を向上することができ、しかも外観を損なうことがない車両のランプ取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両のカバーに開口部を形成するとともに、前記カバーの表面側から前記開口部にランプを取り付けるようにした車両のランプ取付構造において、前記ランプの裏面に係合部を設け、前記係合部に係合する被係合部と、前記カバーの裏面に当接する支持部とを有する取付部材を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
これによれば、取付部材の被係合部をランプの係合部に係合するとともに、取付部材の支持部をカバーの裏面に当接することで、ランプをカバー表面側へ離脱(脱落)しないように取り付けることができる。そして、ランプの裏面に取付部材を係合して取り付ければよいので、カバー内には工具等を操作するための広いスペースが不要となり、カバーを車体から取り外すことなくランプを取り付けることが可能となる。また、取付部材は、カバーの裏面側に取り付けられるので外部に露出せず、外観を損なうこともない。
【0009】
前記被係合部は、前記カバーの裏面に略沿った方向に差し込むことによって前記係合部に係合するように構成されていることが好ましい。これによって、取付部材を取り付けるために必要なスペースをより小さくすることができる。
【0010】
前記取付部材は、前記ランプに前記カバーの裏面側へ向けて引き込むような付勢力を付与する付勢部材を有していることが好ましい。これによって、ランプのガタツキを防止することができる。
【0011】
前記係合部及び前記被係合部のいずれか一方には、他方が差し込まれる溝を形成していることが好ましい。これによって、係合部及び被係合部を簡単な構造で容易に係合することができる。
【0012】
また、前記ランプの一端側には、前記開口部の周縁部に引っ掛ける引っ掛け具を設け、前記ランプの他端側には、前記係合部を設けていることが好ましい。これによって、ランプの一端側を引っ掛け具により開口部に取り付け、他端側を取付部材により簡単に取り付けることができる。
【0013】
本発明のランプ取付構造には、前記被係合部を前記係合部に係合する際に、前記被係合部を前記係合部に対する適正位置に略位置づけるように、前記取付部材を案内するガイド手段を備えていることが好ましい。これによって、取付部材を正確且つ迅速に取り付けることができる。
【0014】
本発明のランプ取付構造には、前記取付部材を前記ランプ又は前記カバーに固定する固定具を備えていることが好ましい。これによって、係合部に係合した取付部材が車両の走行振動等によって離脱したり、盗難等により取り外されたりすることを防止することができる。
【0015】
前記開口部内には、前記カバーと該カバーに隣接する他のカバーとの連結部分が配置され、該連結部分は、前記開口部に取り付けた前記ランプによって覆われていることが好ましい。これによれば、ランプをカバーに取り付けていない状態で、双方のカバーを外側からボルト等によって容易に連結することができ、両カバーの連結部分は、開口部にランプを取り付けることによって覆われるので、外部に露出せず、外観を損なうこともない。なお、本発明のランプ取付構造は、自動二輪車のランプ取付構造として構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ランプの裏面に設けた係合部に、取付部材の被係合部を係合することによって容易にランプを取り付けることができ、しかも、取付部材は外部に露出しないので外観を損なうこともない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(乗物(自動二輪車)の構成)
図1は、本発明を適用した自動二輪車10の右側面図であり、図2は、自動二輪車10の正面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、この自動二輪車10はスクータータイプであり、図示しないフレームをカバー19,20,21で覆うことにより構成された車体12を備えている。車体12の前部には前輪13が配置され、車体12の後部には後輪14が配置され、前輪13及び後輪14の間にはエンジン15が配置されている。
【0019】
車体12の前上部にはハンドル16が設けられ、該ハンドル16に連結されたフロントフォーク17の下端部に前輪13が回転自在に支持されている。車体12の図示しないフレームの後部には、スイングアーム18が上下揺動自在に設けられており、該スイングアーム18の後端部に後輪14が回転自在に支持されている。
【0020】
カバーは、ハンドル16の下側であって車体12の前端部に配置されたフロントカバー19と、フロントカバー19の左右両側から下方に延びる前部サイドカバー20と、車体12の後部側方に配置された後部サイドカバー21と、を備えている。フロントカバー19の左右両側には、ウインカーランプ22が設けられている。後部サイドカバー21の上側にはシート23が配設されている。ハンドル16は、ハンドルカバー24によって覆われている。ハンドルカバー24の前部にはヘッドライト25が設けられ、上面には速度メータや回転数メータ等を備えた計器パネル26が設けられている。
【0021】
シート23の前端部は、ヒンジ27を介して車体12のフレームに連結されている。したがって、シート23は、図1に実線で示すようにライダーが着座可能な姿勢と、2点鎖線で示すように上方に立ち上げた姿勢との間で上下揺動可能となっている。
【0022】
シート23の下方には、収納ボックス29が設けられ、シート23の上下揺動によって収納ボックス29が開閉されるようになっている。
【0023】
(ウインカーランプ22の取付構造)
図3は、本発明のランプを構成するウインカーランプ22を取り外した状態のフロントカバー19を示す右側面図である。図4は、右側のウインカーランプ22及びフロントカバー19の分解斜視図であり、図5は、右側のウインカーランプ22及びフロントカバー19の右側の裏面を示す分解斜視図である。なお、以下においては、自動二輪車10の右側に設けられたウインカーランプ22の取付構造について説明する。自動二輪車10の左側に設けられたウインカーランプ22の取付構造は、自動二輪車10の左右方向中心線CL(図2)を基準として左右対称に構成されているほかは右側と同様であるため、説明を省略する。また、以下の説明において、ウインカーランプ22について言う「裏面」とは、ウインカーランプ22をフロントカバー19に取り付けた状態で左右方向内側に配置される面(フロントカバー19の内面(裏面)側に向いた面)をいい、「表面」とは左右方向外側に配置される面(フロントカバー19の外面(表面)側に向いた面)をいう。
【0024】
フロントカバー19の左右両側には、ウインカーランプ22を取り付けるための開口部30が形成されている。本実施形態の開口部30は、前後方向に長い略三角形状に形成されている。
【0025】
図3に示すように、フロントカバー19の開口部30内の後部側には、前部サイドカバー20を連結するための連結部31が形成してあり、開口部30内の前端部には、上周縁部と下周縁部とを繋ぐ連接板32が形成してある。連結部31は、開口部30の上周縁部と下周縁部とに跨るようにフロントカバー19に一体的に形成されている。また、連結部31には連結用ビス34を挿入するための取付孔35が形成されている。
【0026】
前部サイドカバー20の上端部には、連結片36が上方突出状に設けられている。連結片36には取付孔37が形成されており、連結片36を連結部31の裏面側に重ね合わせるとともに双方の取付孔35,37を適合し、該取付孔35,37に連結用ビス34を挿通してナット38(図8)を締結することにより、フロントカバー19と前部サイドカバー20とが連結されるようになっている。なお、連結片36の取付孔37に雌ねじを形成しておき、該雌ねじに連結用ビス34を螺合するようにしてもよい。
【0027】
図4及び図5に示すように、ウインカーランプ22は、ランプボディ40と、バルブ44を取り付けたバルブ取付体(ソケット)41と、ランプレンズ42とを備えている。ランプボディ40は、開口部30に丁度嵌め込むことができる大きさの略三角形状に形成されている。バルブ取付体41は、ランプボディ40に形成したバルブ取付部43にウインカーランプ22の裏面40A側から挿入され、着脱自在に取り付けられる。ランプレンズ42は、ウインカーランプ22の表面側に盛り上がった山形状に形成され、外周部がランプボディ40にほぼ適合した略三角形に形成されている。
【0028】
図5に示すように、ウインカーランプ22の裏面(ランプボディ40の外面)40Aには取付台45が突設してある。取付台45は、前後の縦壁46A,46Bと、該縦壁46A,46B間に架設された横壁47とを備えている。横壁47の上面にはナット部材48(図7)が取り付けられ、ナット部材48には、横壁47に下側から挿通された固定ネジ(固定具)49が螺合されている。
【0029】
前側の縦壁46Aの前面には前方へ突出する係合部50が一体的に設けられている。係合部50は、側面視で前方へ向けて上下幅が狭くなるような先細り形状(略三角形状)に形成されている。また、係合部50は、ウインカーランプ22の裏面40Aとの間に前方及び上下方向に開放した係合溝51を備えている。ウインカーランプ22の裏面40Aの後端部には、後方に突出する引っ掛け具52が一体的に形成してある。
【0030】
ウインカーランプ22は、図6に示すような取付部材(差し込み部材)54を用いてフロントカバー19に取り付けられるようになっている。図6は、右側のウインカーランプ22の取付けに用いる取付部材54の斜視図である。なお、左側のウインカーランプ22の取付けに用いる取付部材54は、左右対称形状となっている。
【0031】
取付部材54は、金属製、樹脂製等の板材により形成されており、上下方向に延びる基部55と、該基部55の上下方向中央部から後方に突出する被係合部56と、基部55の上端部及び下端部から後方に延びる支持部57U,57Lと、を一体的に有している。基部55の前端縁は、一側(左側)に屈曲し、把手部58を構成している。支持部57U,57Lの後端部57aは、一側(左側)に向けて湾曲している。
【0032】
被係合部56は、ランプボディ40の係合部50(係合溝51)(図5)に係合するものであり、上下の支持部57U,57Lよりも前後方向長さが短く、そして、屈曲部61を介して基部55から一側(左側)にオフセットして形成されている。
【0033】
下側の支持部57Lには、側方に突出する被固定片62が設けられている。該被固定片62の先端部には後方に開放したU字状の凹溝62Aが形成されている。被固定片62は、被係合部56及び支持部57U,57Lとは別体に形成され、溶接等により固着されている。ただし、被固定片62を被係合部56及び支持部57U,57Lと一体で形成してもよい。
【0034】
図7は、フロントカバー19にウインカーランプ22を取り付けた状態を示す裏面側の斜視図であり、図8は、図7のVIII−VIII線断面矢視図である。なお、図7は、取付部材54が取り付けられた状態を示し、図8は取付部材54が取り付けられる前の状態を示している。
【0035】
ウインカーランプ22は、フロントカバー19の表面側から開口部30に嵌め合わせて取り付けられるようになっている。まず、図5に示すように、ランプボディ40に形成した引っ掛け具52を、矢印aのように開口部30の後端周縁部の裏面側に引っ掛けながら、ウインカーランプ22を開口部30に嵌め合わせる。
【0036】
この状態で、図8に示すように、ウインカーランプ22の裏面40Aは、連結部31及び連接板32(裏当て板31,32)に当接するようになっている。取付台45及び係合部50は、フロントカバー19内に配置され、ランプレンズ42はフロントカバー19外に配置されている。
【0037】
次に取付部材54を係合部50の係合溝51に向けて差し込む。すなわち、取付部材54を、係合溝51の前側からウインカーランプ22の裏面40Aに沿うように後方(矢印b)へ移動し、被係合部56を係合溝51に差し込む。同時に、被固定片62に形成した凹溝62Aを、緩めた状態で取付台45に螺合した固定ネジ49に嵌合する。そして、固定ネジ49を締め付けることによって取付部材54を取付台45に固定する。なお、図9には、係合部50と被係合部56との係合状態を拡大した平面断面図を示し、図10には、側面図を示している。
【0038】
取付部材54は、図7に示すように、フロントカバー19の下部の開放部分19Aからフロントカバー19内に挿入され、フロントカバー19の裏面に略沿うようにして係合部50へ矢印b方向に差し込まれるようになっているので、フロントカバー19内のスペースが狭くても取付部材54を取り付けることができるようになっている。また、固定ネジ49は、取付台45に下側から螺合し、フロントカバー19の開放部分19Aから矢印c方向に工具(ドライバー)を挿入して締め付けるようになっているので、フロントカバー19内には、工具の先端部や細い部分のみを挿入するだけのスペースがあればよく、工具全体を左右方向に向けた状態で挿入したり、該工具を操作する手を挿入したりするための広いスペースが不要となる。したがって、本実施形態によれば、このような広いスペースをフロントカバー内に確保できない自動二輪車であっても、車体12からフロントカバー19を取り外すことなくウインカーランプ22を取り付けることができ、取付作業性を向上することができる。
【0039】
取付部材54の上下の支持部57U,57Lは、フロントカバー19の裏面に当接することによって、ウインカーランプ22がフロントカバー19の表面側に離脱(脱落)しないように支持している。
【0040】
図8に示すように、ウインカーランプ22の裏面40Aに対向する係合部50の側面50Aは、係合溝51の溝幅が後方に向けて狭まるように傾斜している。取付部材54の被係合部56は、図9に示すように、係合部50の斜面(側面)50Aに沿ってフロントカバー19側へ弾性変形しつつ差し込まれる。
【0041】
被係合部56は、この弾性変形によって係合部50に矢印d方向の付勢力を付与する板バネ(付勢部材)として働き、ウインカーランプ22をフロントカバー19の裏面側へ向けて引き込むようになっている。これによって、ウインカーランプ22のガタツキが防止されるようになっている。
【0042】
図10に示すように、被係合部56の上縁部には、係合部50の上面に当接するガイド片(ガイド部材)64が設けられている。被係合部56を係合溝51(図8)に差し込むとき、ガイド片64を係合部50の上面に沿わせることによって、被係合部56が上下方向に関して適正な位置に位置づけられるようになっている。
【0043】
また、フロントカバー19の裏面であって、開口部30の上下両側には、支持台65,66が設けられている。該支持台65,66は、図5に示すように、フロントカバー19の裏面から所定の高さで突出しており、開口部30の周縁に沿って突出する側面視略V形状の第1支持台65と、第1支持台65の上下両側に配置された第2支持台66とから構成されている。いずれも細長い帯板形状に形成されている。
【0044】
図8に示すように、被係合部56を矢印b方向に係合溝51に差し込むとき、上下支持部57U,57Lを支持台65,66上で矢印b方向に滑らせるようにすることによって、被係合部56の左右方向の位置(フロントカバー19裏面からの距離t)を正確に設定することができるようになっている。支持部57U,57Lの後端部57aは、差し込みの際に支持台65,66に引っ掛かることがないように支持台65,66から離れる方向へソリ状に湾曲している。
【0045】
上記ガイド片64(図10)や支持台65,66(図8)は、被係合部56が適切に係合部50に係合するように取付部材54を案内するガイド手段67を構成しており、このガイド手段67によって、取付部材54を迅速且つスムーズに取り付けることができるようになっている。
【0046】
図10に示すように、取付部材54は、被固定具62が固定ネジ49によって取付台45に固定されているので、例えば、走行中の振動によって取付部材54が離脱してしまうことはなく、また、いたずらや盗難等によって取付部材54が取り外されてしまうことを防止することができる。
【0047】
図8に示すように、開口部30にウインカーランプ22を取り付けると、フロントカバー19の連結部31と、図3の前部サイドカバー20の連結片36との連結部分は、ウインカーランプ22によって外側から覆われるようになっている。
【0048】
すなわち、本実施形態には、隣接する2つのカバー(フロントカバー19、前部サイドカバー20)を互いに連結する車両のカバー連結構造において、一方のカバー(フロントカバー)19に、ランプ(ウインカーランプ)22を取り付けるための開口部30を形成し、該開口部30の内側に、一方のカバー19と他方のカバー(前部サイドカバー)20との連結部分を配置し、該連結部分を、前記開口部30に取り付けたランプ(ウインカーランプ)22によって外側から覆うことが開示されている。
【0049】
一般に自動二輪車10の車体カバーは複数に分割されており、2つの隣接するカバーは、外側から挿入されたボルトやピン等の連結具によって互いに連結されるようになっている。この場合、カバー同士を外側から容易に連結することができるが、連結具が外部に露出するため見栄えが悪くなる。
【0050】
これに対して、本実施形態の場合、一方のカバー19に形成した開口部30にランプ22を取り付ける前に、他方のカバー20を外側から挿入した連結用ビス34等によって連結部31に容易に取り付けることができ、さらに、両カバー19,20を連結したあとは、開口部30にランプ22を取り付けることによって、カバー19,20の連結部分を覆い隠すことができるので、外観を損なうこともない。すなわち、本実施形態では、カバー19,20の連結作業性と外観との双方を向上することが可能となっている。
【0051】
〔他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、取付部材54の被係合部56が、弾性変形によってウインカーランプ22にフロントカバー19の裏面側へ引き込む方向の付勢力を与えているが、被係合部56を係合溝51に挿入される楔形状に形成し、楔作用によってウインカーランプ22にフロントカバー19の裏面側へ引き込む方向の力を与えてもよい。
【0052】
(2)上記実施形態では、ウインカーランプ22の後端を引っ掛け具52によって固定し、前部側を取付部材54によって取り付けているが、前後を逆としてもよい。また、後端側をフロントカバー19にネジ止めすることも可能である。また、ウインカーランプ22の前後部両方を、取付部材54によって取り付けてもよい。
【0053】
(3)取付部材54は、金属製に限らず硬質樹脂製に形成することができる。
【0054】
(4)本発明は、自動二輪車10に限定されるものではなく、自動四輪車にも適用することができる。また、フロントウインカーランプ22に限らず、リヤウインカーランプ、ヘッドランプ、テールランプ等の他のランプの取付構造として適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、一般用又はレース用のモーターサイクル等の自動二輪車や鞍乗型自動四輪車等、各種車両に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明を適用した自動二輪車の右側面図である。
【図2】自動二輪車の正面図である。
【図3】ウインカーランプを取り外した状態のフロントカバーを示す右側面図である。
【図4】右側のウインカーランプ及びフロントカバーの分解斜視図である。
【図5】右側のウインカーランプ及びフロントカバーの右側の裏面を示す分解斜視図である。
【図6】取付部材の斜視図である。
【図7】フロントカバーにウインカーランプを取り付けた状態を示す裏面側の斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面矢視図である。
【図9】係合部と被係合部の係合状態を拡大して示す平面断面図である。
【図10】係合部と被係合部の係合状態を拡大して示す側面図である。
【符号の説明】
【0057】
10 自動二輪車
12 車体
19 フロントカバー
20 前部サイドカバー
22 ランプ(ウインカーランプ)
30 開口部
50 係合部
51 係合溝
52 引っ掛け具
54 取付部材
56 被係合部
57 支持部
58 把手部
62 被固定片
65 第1支持台
66 第2支持台


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のカバーに開口部を形成するとともに、前記カバーの表面側から前記開口部にランプを取り付けるようにした車両のランプ取付構造において、
前記ランプの裏面に係合部を設け、
前記係合部に係合する被係合部と、前記カバーの裏面に当接する支持部とを有する取付部材を備えていることを特徴とする、車両のランプ取付構造。
【請求項2】
前記取付部材が、前記ランプに前記カバーの裏面側へ向けて引き込むような付勢力を付与する付勢部材を有していることを特徴とする、請求項1に記載の車両のランプ取付構造。
【請求項3】
前記ランプの一端側に、前記開口部の周縁部に引っ掛ける引っ掛け具を設け、前記ランプの他端側に、前記係合部を設けていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両のランプ取付構造。
【請求項4】
前記被係合部を前記係合部に係合する際に前記被係合部を前記係合部に対する適正位置に略位置づけるように、前記取付部材を案内するガイド手段を備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の車両のランプ取付構造。
【請求項5】
前記取付部材を、前記ランプ又は前記カバーに固定する固定具を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の車両のランプ取付構造。
【請求項6】
前記開口部内に、前記カバーと該カバーに隣接する他のカバーとの連結部分が配置されており、該連結部分が、前記開口部に取り付けた前記ランプによって覆われていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の車両のランプ取付構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のランプ取付構造を備えていることを特徴とする自動二輪車。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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