説明

車両の空調システムにおいて冷熱を蓄積する方法及びシステム

【課題】車両の冷却剤システムにおける冷熱の費用効果のよい蓄積のための方法及びシステムの提供。
【解決手段】本発明方法は、少なくとも凝縮器5及び蒸発器6を備えた圧縮機駆動の冷媒回路3であって、少なくとも蒸発器6が液体型熱交換器と一体に組立てられた冷媒回路3と、車両の運転者用の空間に位置する冷却要素10へ好ましくは低温の冷却剤を運ぶ冷却剤ポンプ9を備えた低温冷却回路2とによって液体を冷却することを含み、エンジンによって伝達されるトルクが実質的にゼロ又は負である場合に、冷却回路2内にある冷却剤を零度よりも低い温度まで冷却すること、及び、冷却要素10の後の空気温度が所定の設定点の値よりも高い場合、冷却要素10への流れが増加し、冷却要素10の後の空気温度が設定点の値より低い場合、流れが減少するように、二次冷却回路2を介する冷却剤の流速を調整することによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い意味で言えば、少なくとも凝縮器及び蒸発器を備えた閉じた冷媒回路を有する圧縮機駆動の空調(AC)システムに関するものである。より詳細には、本発明は、車両の冷却システムに極低温の冷媒を与え、蓄積すると同時に、凍結の問題を防止する方法及びシステムに関する。とりわけ、本発明は、たとえば車両の運転者用の空間に位置する冷却要素に低温の冷却剤を運ぶ液冷式の蒸発器及び低温冷却回路を少なくとも備えるACシステムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
車両のACシステムは、通常、圧縮機と、車両の前部又は前部の近くに位置する空冷式凝縮器と、車両の運転室の適切な場所、たとえば計器盤内又はその下に位置する空温式蒸発器と、膨張手段及び乾式フィルタ又は蓄圧器をやはり通常備える耐密封止システムを共に形成するようにこれらの構成要素を連結するパイプライン又はホースとを備える閉じた加圧式冷媒回路を含む。いくつかの異なる気体が冷媒として使用可能であるが、車両の用途にはR134aがよく使用される。
【0003】
多くの場合はエンジンの近くに位置する圧縮機と、運転室の熱交換器又は冷却要素との間の距離が長い大型商用トラック、たとえば傾斜可能な運転室を備えた車両では、さらなる冷却ループ、いわゆる二次冷却回路を使用することが有利であり得る。このさらなる二次冷却回路は、蒸発器と一体に組み立てられた液体を用いた(液体型)熱交換器を介して圧縮機システムの蒸発器に連結される。こうして、普通は水又は水とグリコールの混合物である冷却剤が、蒸発器で冷却され、運転室及びその中に位置する冷却要素に送られ、ファンによって運転室の空気を冷却する。上述の種類のACシステムが、通常、運転室の空気を冷却するために使用されるが、水を用いる多くの場合はエンジンによって加熱される別の加温システムが、必要に応じて、運転室の空気を暖めるために使用される。
【0004】
ACシステムの圧縮機の運転には、当然ながらエネルギー・コストが伴う。圧縮機は、通常はベルト駆動のために、それ自体がエンジンによって駆動されるベルト・プーリによって駆動される。したがって、圧縮機を運転することによって、車両の燃料消費がいくぶん増加する。
【0005】
エンジンがトルクを全く伝達しない状態(たとえば傾斜した地形又は下り坂)で、車両がそれ自体の運動量によって移動しているとき、又は、車両が制動されているときには、圧縮機の運転は燃料を全く消費しない。その代わりに、車両に一定の制動効果を及ぼす。したがって、エンジンが正のトルクを伝達していないとき、すなわち運転者が力を全く加えていないときのゼロ・トルク、又は、エンジンが制動トルクを働かせ、ブレーキ効果を及ぼすときの負のトルクにある間に、AC圧縮機を最大限に運転することが望まれる。
【0006】
これに伴う問題は、圧縮機が最大能力で長時間運転された場合に、二次冷却回路内の冷却剤が、零度未満の温度まで冷えることである。これは、運転室の冷却要素の温度も氷点下に下がり、それによって、とりわけ、不快に低い温度の空気が運転室に流れ出ることを意味するが、より深刻な面は、運転室内の空気の湿度が極端に低くない限り、運転室の冷却要素内に実質的に常に発生する結露が、冷却要素内で凍結することである。より多くの結露が徐々に凍結して氷を生じ、それが次第に空気流を妨げて冷却要素の機能を損なう。
【0007】
冷却システムにとって無害な方式で、車両がゼロ・トルク又は負のトルクで移動しているときに冷熱を蓄積し、その後、蓄積された冷熱を必要に応じて徐々に使用できることが望まれる。経済上の理由及びスペースの節約上の理由のために車両内の構成要素の数は最少にする必要があるため、車両のACシステムの既存の構成要素が使用可能であれば有利である。
【0008】
エンジンからのトルクが零のときにAC圧縮機が運転される様々なシステム及び解決策は公知である。
【0009】
欧州特許第1457676号は、たとえば冷却圧縮機が下り坂において運転されるACシステムについて記載している。この発明は、主に、可変圧縮機の変位がどのように増加可能及び減少可能であるかに関する。冷熱を蓄積し、同時に凍結を防止することは記載されていない。
【0010】
また、米国特許出願公開第2007/0204640号は、下り坂において運転される冷却圧縮機を備えたシステムに言及する。蓄積設備が設けられ、高圧及び低圧の冷媒用に意図される。車両が下り坂を移動するとき、蓄積設備が「充填」される。貯蔵部から急速に排出しすぎると凍結を引き起こす。凍結の危険を低減するために、膨張弁又はくびれと併せてサーモスタットが使用される。
【0011】
国際公開第0140005号は、下り坂で運転される冷却圧縮機について述べる。KER(運動エネルギー再生器)が、エネルギーの節約を助けるために使用される。この機能は、上記の発明とは異なる。
【0012】
米国特許出願公開第2005/0066669号は、冷却の必要がないときでも、車両の速度が低下したときに冷却圧縮機を作動させるシステムについて記載している。これは燃料を節約するために行われる。このシステムは、冷却剤の温度を凍結レベルの零度よりも下げない。追加量の冷却剤が供給されない限り、可能な節約量はわずかであり、当然ながら、この追加量の冷却剤は、車両の重量を節約するために回避されるべきである。
【0013】
引用された特許のいずれも、冷熱の蓄積設備として二次冷却回路は使用しておらず、いずれも、運転室の熱交換器/冷却要素を凍結させる結果になり得る、限界よりも低い温度を使用するシステムについては述べていない。従来の技術は、冷熱を蓄積し、必要が発生した際にそれを徐々に使用するために、車両の圧縮機システム及び二次冷却回路をどのように効果的に使用できるかについては示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許第1457676号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0204640号明細書
【特許文献3】国際公開第0140005号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0066669号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、前記の問題を解決し、車両の冷却剤システムにおける冷熱の費用効果のよい蓄積のための方法及びシステムを提案することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、車両の冷却システムにおける冷却剤の量、構成要素の質量及び数を少なく保ちながら、冷熱の蓄積及び燃料の節約のための解決策を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これら及びその他の目的は、請求項1及び請求項6に示された構成を有する方法及びシステムによって本発明により達成される。
【0018】
本発明は、車両のエンジンが、トルクを全く伝達していない場合、或いはエンジンのトルクが負である場合、すなわち、車両がそれ自体の運動量で移動している(たとえば傾斜した地形若しくは下り坂にある)とき、又は、制動されているときに、AC圧縮機が非常に大きく追加の運転をできることによって、実質的に達成される。このような状況では、冷媒回路は、たとえば車両の運転室を冷却するために使用されるACシステムの二次冷却回路内で、非常に大きく追加して、零度未満の温度まで冷却剤を冷却する。冷却剤の流速は、運転室に快適な空気温度をもたらし、冷却要素内での凍結を防ぐように冷却回路内の流れを制御する速度調節可能なポンプによって、本発明に従って調整される。本発明は、冷却システム内での冷熱の蓄積容量を増加させ、車両のエンジンがトルクを全く伝達していないときに、圧縮機が特に大きな程度まで作動することを可能にし、それによって燃料を節約する。
【0019】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下に提示される本発明のさらに詳細な説明、並びに添付の図面及び他の特許請求の範囲によって示される。
本発明は、添付の図面を参照して好ましい実施例の実例の形でさらに詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術を表し、一般に行われる圧縮機駆動の冷却システムの通常の構成を概略的に示す図。
【図2】たとえば図1による一般に行われる圧縮機駆動の冷却システムが通常どのように調整されるかを示す流れ図。
【図3】本発明による圧縮機駆動の冷却システムの構成を概略的に示す図。
【図4】冷却剤ポンプが、冷却システムにおいて本発明に従ってどのように調整されるかを示す流れ図。
【図5】圧縮機が、冷却システムにおいて本発明に従ってどのように調整されるかを示す流れ図。
【図6】図4及び図5による工程のステップが単一の共通工程を形成するように組み合わせられた包括的な流れ図。
【実施例】
【0021】
図1は、車両において、二次冷却回路2を備えた、単純で一般に行われる圧縮機駆動の冷却システム1の可能な構成を示す。一次圧縮機駆動冷媒回路3は、通常は圧力のかかった気体である冷媒で満たされた、閉じた流れ回路を公知の態様により備えている。冷媒回路3は、圧縮機4、空冷式凝縮器5、蒸発器6、乾式フィルタ7、及び膨張手段8を備え、これらの構成要素が、管路のシステムによって互いに連結される。圧縮機4は、公知の方式で熱が凝縮器5で放出され、熱が蒸発器6で吸収されるように、回路3の中に冷媒を送る。この例では、冷媒回路の蒸発器6は、二次冷却回路2で冷却剤を冷却する液体型熱交換器と一体に組み立てられている。システムの凝縮器5は、周囲の空気に余剰な熱を放出する。二次冷却回路2は、とりわけ、冷却剤が車両の運転室に位置する熱交換器又は冷却要素10を通過するように、回路内において冷却剤の循環を起こす冷却剤ポンプ9を備える。空気が、図示されていないファンによって冷却要素10を介して吹き込まれ、冷却要素を通る空気が、冷却剤の温度に関連して冷却される。温度センサ11が、圧縮機4のオン/オフの切換えを調整する制御回路12に連結される。このようにして、車両が暖かい環境の中を移動している場合でも、運転室内の空気は予め設定された温度に保持可能である。
【0022】
図2は、図1による冷却回路3内の圧縮機4が公知の方式でどのように調整されるかを示す。運転室内の温度ができるだけ一定に、変化しすぎないように保持できるように、所定のスイッチ・オン及びスイッチ・オフ温度に基づいて制御を行うことができる。冷却要素10を通過した空気がたとえばプラス7度よりも高い温度に到達すると圧縮機4が始動し、冷媒回路3が、蒸発器6を介して冷却剤を能動的に冷却し始める。冷却要素10を通過した後の空気の温度がプラス3度よりも下がると、圧縮機4は停止する。圧縮機4は、代替として、一律な間隔で運転されてもよく、典型的に、たとえば30秒間ごとにある秒数だけ作動してもよい。冷却要素10内で実質的に常に形成する結露が、冷却システム1の機能をひどく妨げ得る凍結を起こす危険があるため、運転室に位置する冷却要素10内の空気温度が零度よりも下がらないように、圧縮機4の調整が行われる。冷却システムが手動でオフにされるまで、制御工程は繰り返される。
【0023】
図3は、圧縮機駆動の冷却システム1の本発明による構成を概略的に示す。一体に組み立てられた液体型熱交換器を備えた蒸発器6を介して、冷却回路3が、たとえば運転室に位置する冷却要素10をそれ自体が冷却する二次冷却回路2内の冷却剤を冷却する。第1温度センサ11が、冷却要素10を通過した空気の温度を示す信号を第1制御ユニット13に送る。制御ユニット13は、冷却剤ポンプ9の速度を調整する。第2制御ユニット12は、とりわけ、エンジンからの現在のトルク、及び第2温度センサ15によって測定された蒸発器6の後の冷却剤の温度に基づいて、圧縮機4のオン/オフ切換えを調整するように構成される。
【0024】
図4は、冷却剤ポンプ9が、本発明に従って、冷却システム1内の第1制御ユニット13によってどのように調整されるかを示す流れ図である。空気が運転室の冷却要素10を通過した後、空気の温度が温度センサ11によって測定される。空気の温度が所定の設定点の値に達するように、第1制御ユニット13は冷却剤ポンプ9を調整するように構成される。設定点の値がプラス3度に設定された場合、空気温度がプラス3度よりも高くなると、制御ユニット13は冷却剤ポンプ9の速度を上げ、冷却回路2内の流れを増加させ、空気温度がプラス3度よりも低くなると、速度を下げ、冷却回路2内の流れを減少させる。冷却要素10を介する空気が約3度に保たれると、凍結に対して十分な余裕がある結果となる。上述のように、空気温度が零度以下に下がらないことが重要である。設定点の値は、当然ながら選択可能であり、たとえば、それが直交流式熱交換器であるか、又は直交向流式熱交換器であるかにかかわらず、冷却要素10の技術的構成に適応可能である。快適さの理由のために、設定点の値は、プラス3度よりも高い値に設定されてもよい。
【0025】
単に実用上の理由によって、冷却剤ポンプ9の制御は、異なる方式で実行されてもよい。たとえば、フィードバック式調整器が使用可能であるか、又は、冷却ポンプ9が、マッピングによって、すなわち冷却剤ポンプ9が様々な空気温度において作動する速度が予め定められ、たとえば、制御ユニット13内の表に提示されることによって制御可能である。また、調整器は、誤差に対して、すなわち指定された設定点の値からの温度の現在の偏差に対して速度が比例するように、冷却剤ポンプ9を制御するように構成され得る。調整器が、誤差の導関数に基づいて冷却材ポンプ9を制御することも考えられる。空気の温度がたとえば2.9度であり、温度が2.9度で比較的安定すると予想され得るような導関数の場合、速度はわずかにのみ低下される。しかしながら、空気の温度が0度であり、導関数が高い、すなわち温度が急速に変化している場合、冷却剤ポンプ9の速度は大きく低下される。
【0026】
図5は、本発明に従って、冷却システム1の、たとえば第2制御ユニット12において、圧縮機4がどのように調整され、それによって、二次冷却回路2内の冷熱の所望の蓄積を達成するかを示す流れ図である。エンジンのトルクがゼロに近いか、若しくは負であるとき、すなわち、運転者が力をほとんど若しくは全く加えていないとき、又は車両が制動されているとき、圧縮機4は、二次冷却回路2内にある冷却剤を冷却するために可能な限り最大程度まで作動する。この状況は、さもなければ制動によりエネルギーが失われてしまう下り坂を車両が移動しているときに、主に起こることが予想される。たとえば水とグリコールとの混合物の形態の冷却剤が、約マイナス20度まで冷却され得る。より低い温度では、水とグリコールとの混合物は粘くなりすぎて、システムが満足に機能しないことがある。したがって、冷却剤が蒸発器6を通過した後の冷却剤の温度が、たとえばマイナス20度よりも低い場合、圧縮機4は停止する。圧縮機4のオン/オフ切換えの回数を減らし、特定の所望の履歴機能を達成する目的においてのみ、圧縮機4は、たとえばマイナス17度の冷媒温度において始動する。
【0027】
エンジンのトルクが正である場合、すなわち運転者が力を加えている場合、冷却システム1は、より少なく作動し、実質的に通常通りに作動しなければならない、すなわち、車両の燃料消費に悪影響を及ぼすので、冷却剤を本当に必要なとき以上に冷却してはならない。運転室の冷却要素10を通過した後の空気の温度がプラス4度よりも低くなると、圧縮機4は停止し、空気の温度がプラス7度を超えると、圧縮機は始動する。これらの温度の限界は、当然ながら他の値に設定可能である。
【0028】
圧縮機4及び冷却剤ポンプ9の制御は、互いに独立して行われる。通常の作動状況において、たとえば車両が実質的に一定の速度で長い直線のハイウェイを移動しており、ほとんど力を加えていないとき、冷却剤ポンプ9は、通常、常に最高速度で作動するが、一方で、圧縮機4は、通常のやり方でスイッチ・オン及びスイッチ・オフする、すなわち、空気温度がプラス7度を超えたときに圧縮機4は始動し、空気温度がプラス4度以下に下がったときに圧縮機は停止する。冷却要素10の後の空気温度がプラス3度よりも下がったときにのみ、冷却剤ポンプ9の速度が低下される。
【0029】
図6は、図4及び図5による流れが、単一の共通の流れを形成するように組み合わせられた包括的な流れ図を示す。このように、圧縮機4及び冷却剤ポンプ9の制御は、両ユニットの調整が互いに直接的に関係して起こらなくても、同じ工程で行われることが考えられる。
【0030】
本発明は、様々な可能な実施例を参照して上述されている。本発明は当然ながらこの実施例に限定されず、この実施例は実例としてのみ考えられる。したがって、本発明の他の変形例が、添付の特許請求の範囲の保護の範囲内において完全に可能である。したがって、冷却回路2内の流れは、冷却剤ポンプ9の速度を調整すること以外の何らかのやり方で制御されてもよい。たとえば、段階的に又は徐々に開閉可能である調節可能な弁(図示せず)を使用することが可能である。この場合、第1制御ユニット13は、冷却剤ポンプ9の代わりに弁を制御するように使用され、これは、冷却剤ポンプ9が一定の速度で運転され得るということを意味する。冷却剤ポンプ9及び圧縮機4の制御に使用され、図に示されている温度レベルは、当然ながら単なる例である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両設置用の冷却システム(1)における冷熱の蓄積方法であって、
少なくとも凝縮器(5)及び蒸発器(6)を備えた圧縮機駆動の冷媒回路(3)であって、少なくとも前記蒸発器(6)が液体型熱交換器と一体に組み立てられた、冷媒回路(3)と、
好ましくは低温の冷却剤を冷却要素(10)へ運ぶ冷却剤ポンプ(9)を備えた低温冷却回路(2)と
によって液体を冷却することを含む、冷熱の蓄積方法において、
エンジンによって伝達されるトルクが実質的にゼロ又は負である場合は、前記冷却回路(2)内にある前記冷却剤を零度よりも低い温度まで冷却すること、及び、
前記冷却要素(10)の後の空気温度が所定の設定点の値よりも高い場合、前記冷却要素(10)への流れが増加し、前記冷却要素(10)の後の空気温度が前記設定点の値よりも低い場合、前記流れが減少するように、前記二次冷却回路(2)を介する前記冷却剤の流速を調整することを特徴とする冷熱の蓄積方法。
【請求項2】
前記冷却剤が少なくともマイナス15度まで、好ましくは約マイナス20度まで冷却されるように、前記圧縮機(4)を制御することを特徴とする請求項1に記載された冷熱の蓄積方法。
【請求項3】
0度〜15度、好ましくは約3度である所定の設定点の値に基づいて速度が調整される冷却剤ポンプ(9)によって、前記冷却回路(2)内の前記冷却剤の流速を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された冷熱の蓄積方法。
【請求項4】
前記冷却要素(10)内の結露の凍結を防止するように、前記冷却回路(2)内の前記冷却剤の流速及び前記蒸発器(6)の下流の前記冷却剤の温度を制御することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された冷熱の蓄積方法。
【請求項5】
圧縮機駆動の冷媒回路(3)によって、前記二次冷却回路(2)内にある前記冷却剤を冷却することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された冷熱の蓄積方法。
【請求項6】
車両設置用の冷却システム(1)において可能である冷熱の蓄積を増すシステムであって、
少なくとも凝縮器(5)及び蒸発器(6)を備えた圧縮機駆動の冷媒回路(3)であって、少なくとも前記蒸発器(6)が液体型熱交換器と一体に組み立てられた、冷媒回路(3)と、
好ましくは低温の冷却剤を冷却要素(10)へ運ぶ冷却剤ポンプ(9)を備えた低温冷却回路(2)と
を備えるシステムにおいて、
前記冷媒回路(3)が、エンジンによって伝達されるトルクがゼロ又は負である場合に、前記冷却回路(2)内の前記冷却剤を零度よりも低い温度まで冷却するように構成されること、及び、
前記冷却要素(10)の後の空気温度が所定の設定点の値よりも高い場合、前記冷却要素(10)への流れが増加し、前記冷却要素(10)の後の空気温度が前記設定点の値よりも低い場合、前記流れが減少するように、第1制御ユニット(13)が、前記二次冷却回路(2)を介する前記冷却剤の流速を制御するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項7】
第2制御ユニット(12)が、前記冷却剤を少なくともマイナス15度まで、好ましくは約マイナス20度まで冷却するように、前記圧縮機(4)を制御するように構成されることを特徴とする請求項6に記載されたシステム。
【請求項8】
0度〜15度、好ましくは約3度である所定の設定点の値に基づいて速度が調整される冷却剤ポンプ(9)によって、前記冷却回路(2)内にあり前記冷却要素(10)を介する前記冷却剤の流速を制御するように、前記冷却剤ポンプ(9)が構成されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載された方法。
【請求項9】
第2制御ユニット(12)が、前記冷却要素(10)内での結露の凍結を防止するように、前記冷却回路(2)を介する前記冷却剤の流速及び前記蒸発器(6)の下流の前記冷却剤の温度を調整するように構成されることを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載された方法。
【請求項10】
前記圧縮機駆動の冷媒回路(3)の前記蒸発器(6)が、前記二次冷却回路(2)内にある前記冷却剤を冷却するように構成されることを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか一項に記載されたシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−126155(P2010−126155A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−268234(P2009−268234)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(500190915)スカニア シーブイ アクチボラグ(パブル) (64)
【Fターム(参考)】