説明

車両の視界補助装置

【課題】車両の視界補助装置に関し、運転者の視認負担を効果的に低減する。
【解決手段】車両10の後方状況を撮像する第一撮像手段11と、撮像画像データを運転者の視点から後方右側の死角となる領域に相当する第一死角画像及び、運転者の視点から後方左側の死角となる領域に相当する第二死角画像に分割加工する画像加工手段と、右サイドミラー部16に設けられ、車両10の後退時に第一死角画像を表示する右側表示手段と、左サイドミラー部17に設けられ、車両10の後退時に第二死角画像を表示する左側表示手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の視界補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車体前方に設けたカメラでピラー外方の画像を撮像し、撮像された画像をプロジェクタでピラーに照射することで、ピラーによる死角を低減しうるようにした車両の視界補助装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、例えば車体後方に設けたカメラで車外の景色を撮像し、撮像された画像をプロジェクタで車室内に照射することで、運転者が死角にある物体を視認しうるようにした車両用表示装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−199934号公報
【特許文献2】特開2008−9654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の従来技術に係る装置は、いずれも目視による確認行動の延長線にあるバーチャル的な視界補助である。そのため、何れの装置も、例えばサイドミラーによる外界認識が習慣となっている運転者にとっては、サイドミラーの視認行動を妨げる可能性がある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、その目的は、運転者によるサイドミラーの視認行動を妨げることなく、視認負担を低減することができる車両の視界補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の車両の視界補助装置は、車両の後方状況を撮像する第一撮像手段と、前記第一撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の後方右側の死角となる領域に相当する第一死角画像及び、運転者の視点から前記車両の後方左側の死角となる領域に相当する第二死角画像に分割加工する画像加工手段と、前記車両の右サイドミラー部に設けられ、前記車両の後退時に前記第一死角画像を表示する右側表示手段と、前記車両の左サイドミラー部に設けられ、前記車両の後退時に前記第二死角画像を表示する左側表示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記画像加工手段は、前記撮像画像データを分割加工する際に、前記第一死角画像に前記車両の右側部の輪郭線を重ね合わせて加工するとともに、前記第二死角画像に前記車両の左側部の輪郭線を重ね合わせて加工してもよい。
【0009】
また、前記右側表示手段は、前記右サイドミラー部の車両幅方向に対して車体側三分の一の領域に配置され、前記左側表示手段は、前記左サイドミラー部の車両幅方向に対して車体側三分の一の領域に配置されてもよい。
【0010】
また、前記画像加工手段は、前記撮像画像データを分割加工する際に、前記第一死角画像を前記右サイドミラー部の鏡面部に映し出される像と連続性を持たせて加工するとともに、前記第二死角画像を前記左サイドミラー部の鏡面部に映し出される像と連続性を持たせて加工してもよい。
【0011】
また、前記車両の右側方状況を撮像する第二撮像手段と、前記車両の左側方状況を撮像する第三撮像手段とをさらに備え、前記画像加工手段は、前記第二撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の右側下方の死角となる領域に相当する第三死角画像に加工するとともに、前記第三撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の左側下方の死角となる領域に相当する第四死角画像に加工し、前記右側表示手段は、前記車両の前進時に前記第三死角画像を表示し、前記左側表示手段は、前記車両の前進時に前記第四死角画像を表示するようにしてもよい。
【0012】
また、前記車両の右前方状況を撮像する第四撮像手段と、前記車両の左前方状況を撮像する第五撮像手段とをさらに備え、前記画像加工手段は、前記第四撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の右前方の死角となる領域に相当する第五死角画像に加工するとともに、前記第五撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の左前方の死角となる領域に相当する第六死角画像に加工し、前記右側表示手段は、前記車両の前進時に前記第五死角画像を表示し、前記左側表示手段は、前記車両の前進時に前記第六死角画像を表示するようにしてもよい。
【0013】
また、前記右側表示手段及び前記左側表示手段は、表示部の表面を鏡面状に形成されるとともに、死角画像の非表示時は鏡面部として機能させてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車両の視界補助装置によれば、運転者によるサイドミラーの視認行動を妨げることなく、視認負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の視界補助装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る撮像装置の各撮像領域を示す模式的な図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るサイドミラーの構成を示す模式的な図である。
【図4】他の実施形態に係るサイドミラーの構成を示す模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜3に基づいて、本発明の一実施形態に係る車両の視界補助装置について説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0017】
本発明の一実施形態に係る車両の視界補助装置1は、バンタイプのトラック等に適用されるもので、図1に示すように、CCDカメラ等の複数の撮像装置11〜15と、コントロールユニット20と、右側表示パネル(右側表示手段)30と、左側表示パネル(左側表示手段)40とを備える。
【0018】
図2に示すように、後方撮像装置(第一撮像手段)11は、車両(以下、トラックという)10の荷台後方上部に取り付けられており、トラック10の後方の周辺領域Aを撮像する。右側方撮像装置(第二撮像手段)12は、右側サイドミラー16の下部に取り付けられており、トラック10の右側方の周辺領域Bを撮像する。左側方撮像装置(第三撮像手段)13は、左側サイドミラー17の下部に取り付けられており、トラック10の左側方の周辺領域Cを撮像する。右前方撮像装置(第四撮像手段)14は、右側サイドミラー16の上部に取り付けられており、トラック10の右前方の周辺領域Dを撮像する。左前方撮像装置(第五撮像手段)15は、左側サイドミラー17の上部に取り付けられており、トラック10の左前方の周辺領域Eを撮像する。これら複数の撮像装置11〜15によって撮像された撮像画像データは、コントロールユニット20に出力されるように構成されている。
【0019】
コントロールユニット20は、トラック10のキャブ10aに搭載されており、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え構成されている。また、コントロールユニット20は、図1に示すように後方画像加工部21と、側方画像加工部22と、前方画像加工部23と、ギヤ段判定部24と、表示画像自動選択部25と、表示画像マニュアル選択部26とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアであるコントロールユニット20に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
【0020】
後方画像加工部21は、後方撮像装置11により撮像された周辺領域Aの撮像画像データを取り込むとともに、この撮像画像データを運転者の視点からトラック10後方の死角となる領域の画像に加工する。すなわち、周辺領域Aの撮像画像データから、トラック10の荷台10bにより遮られて運転者がサイドミラー16,17では視認することができない後方死角領域の画像データが抽出される。そして、抽出された後方死角領域の画像データは、右側半分に相当する右後方死角画像(第一死角画像)と、左側半分に相当する左後方死角画像(第二死角画像)とに分割加工される(図3(a)参照)。
【0021】
また、後方画像加工部21は、抽出された画像データを分割加工する際に、右後方死角画像に荷台10bや右リアタイヤの輪郭線情報を重ね合わせるとともに、左後方死角画像に荷台10bや左リアタイヤの輪郭線情報を重ね合わせて加工する(図3(b)参照)。このように、死角となる領域の画像に荷台10bやリアタイヤの輪郭線情報を重ね合わせることで、トラック10後方の障害物はあたかも画像上に透けたように映し出される。なお、この透過イメージを作り出すために必要な荷台10bやリアタイヤの輪郭線情報は、コントロールユニット20のメモリに予め格納されている。
【0022】
さらに、後方画像加工部21は、図示しないミラー角度センサ等の情報に基づいて、右後方死角画像を右側サイドミラー部16の鏡面部31に映し出される像と連続性を持たせ、かつ左後方死角画像を左側サイドミラー部17の鏡面部41に映し出される像と連続性を持たせるように加工修正する。
【0023】
側方画像加工部22は、右側方撮像装置12により撮像された周辺領域Bの撮像画像データを取り込むとともに、この撮像画像データを運転者の視点からトラック10右側下方の死角となる領域の画像に加工する。すなわち、周辺領域Bの撮像画像データから、運転者が右側サイドミラー部16の鏡面部31では視認することができない右側下方の死角領域に相当する右側死角画像(第三死角画像)が抽出される。
【0024】
また、側方画像加工部22は、左側方撮像装置13により撮像された周辺領域Cの撮像画像データを取り込むとともに、この撮像画像データを運転者の視点からトラック10左側下方の死角となる領域の画像に加工する。すなわち、周辺領域Cの撮像画像データから、運転者が左側サイドミラー部17の鏡面部41では視認することができない左側下方の死角領域に相当する左側死角画像(第四死角画像)が抽出される。
【0025】
前方画像加工部23は、右前方撮像装置14により撮像された周辺領域Dの撮像画像データを取り込むとともに、この撮像画像データを運転者の視点からトラック10右前方の死角となる領域の画像に加工する。すなわち、周辺領域Dの撮像画像データから、運転者が右側サイドミラー部16により遮られて視認することができない右前方の死角領域に相当する右前方死角画像(第五死角画像)が抽出される。
【0026】
また、前方画像加工部23は、左前方撮像装置15により撮像された周辺領域Eの撮像画像データを取り込むとともに、この撮像画像データを運転者の視点からトラック10左前方の死角となる領域の画像に加工する。すなわち、周辺領域Eの撮像画像データから、運転者が左側サイドミラー部17により遮られて視認することができない左前方の死角領域に相当する左前方死角画像(第六死角画像)が抽出される。
【0027】
ギヤ段判定部24は、図示しないシフトポジションセンサによって検出される変速機のシフト位置(操作位置)に基づいて、現在のギヤ段を判定する。例えば5段変速機の場合、シフト位置が1〜5速にある時は、現在のギヤ段は前進段と判定される。また、シフト位置がリバースにある時は、現在のギヤ段は後進段と判定される。さらに、シフト位置がニュートラルやパーキングにある時は、現在のギヤ段は前進段及び後進段の何れにも該当しないと判定される。
【0028】
表示画像自動選択部25は、ギヤ段判定部24の判定結果に基づいて、右側表示パネル30及び左側表示パネル40に表示させる画像を選択する。例えば、ギヤ段判定部24によって現在のギヤ段が後進段と判定された場合、表示画像自動選択部25は後方画像加工部21で加工修正された右後方死角画像及び左後方死角画像を選択する。そして、選択された右後方死角画像は右側表示パネル30に表示され、かつ選択された左後方死角画像は左側表示パネル40に表示されるように構成されている。
【0029】
一方、ギヤ段判定部24によって現在のギヤ段が前進段と判定された場合、表示画像自動選択部25は側方画像加工部22で加工された右側死角画像及び左側死角画像を選択する。そして、選択された右側死角画像は右側表示パネル30に表示され、かつ選択された左側死角画像は左側表示パネル40に表示されるように構成されている。なお、ギヤ段が前進段と判定された場合に、前方画像加工部23で加工された右前方死角画像及び左前方死角画像が選択されるように構成してもよい。また、ギヤ段が前進段と判定された場合に、右側死角画像、左側死角画像、右前方死角画像及び、左前方死角画像の全てが選択されるように構成してもよい。この場合、例えば右側表示パネル30の下側半分に右側死角画像を表示し、かつ上側半分に右前方死角画像を表示させるとともに、左側表示パネル40の下側半分に左側死角画像を表示し、かつ上側半分に左前方死角画像を表示させればよい。
【0030】
表示画像マニュアル選択部26は、運転室内に設けられた図示しない操作部(例えば、モニタに表示されるアイコンや、インストルメントパネルに設けられた操作ボタン等)により運転者が指定した任意の画像を、右側表示パネル30及び左側表示パネル40に表示させる画像として選択する。例えば、運転者により後方死角のアイコン(又は操作ボタン)が指定された場合は、ギヤ段の位置とは関係なく右後方死角画像及び左後方死角画像が選択される。また、運転者により側方死角のアイコン(又は操作ボタン)が指定された場合は、ギヤ段の位置とは関係なく右側死角画像及び左側死角画像が選択される。また、運転者により前方死角のアイコン(又は操作ボタン)が指定された場合は、ギヤ段の位置とは関係なく右前方死角画像及び左前方死角画像が選択される。さらに、運転者により非表示(OFF)のアイコン(又は操作ボタン)が指定された場合は、右側表示パネル30及び左側表示パネル40には何れの画像も表示されないように構成されている。
【0031】
右側表示パネル30は、表示画像自動選択部25や表示画像マニュアル選択部26で選択された右後方死角画像、右側死角画像又は、右前方死角画像を表示するもので、例えば液晶パネル等が用いられる。この右側表示パネル30は、図3(a),(b)に示すように、右側サイドミラー部16の幅方向に対して車体側三分の一の領域に配置されている。すなわち、右側サイドミラー部16は、車体側(左側)の三分の一の領域が右側表示パネル30で構成され、車体外側(右側)の三分の二の領域が鏡面部31で構成されている。また、右側表示パネル30は、その表面を鏡面状に形成されており、画像を表示しない時は鏡面部としても機能する。
【0032】
左側表示パネル40は、表示画像自動選択部25や表示画像マニュアル選択部26で選択された左後方死角画像、左側死角画像又は、左前方死角画像を表示するもので、例えば液晶パネル等が用いられる。この左側表示パネル40は、図3(a),(b)に示すように、左側サイドミラー部17の幅方向に対して車体側三分の一の領域に配置されている。すなわち、左側サイドミラー部17は、車体側(右側)の三分の一の領域が左側表示パネル40で構成され、車体外側(左側)の三分の二の領域が鏡面部41で構成されている。また、左側表示パネル40は、その表面を鏡面状に形成されており、画像を表示しない時は鏡面部としても機能する。
【0033】
以上のような構成により、本発明の一実施形態に係る車両の視界補助装置1によれば以下のような作用効果を奏する。
【0034】
後方撮像装置11により撮像されたトラック10後方の周辺領域Aの撮像画像データは、後方画像加工部21で右後方死角画像と左後方死角画像とに分割加工される。そして、運転者の変速操作によりシフト位置がリバースにされ、かつ現在のギヤ段がギヤ段判定部24により後進段と判定されると、右後方死角画像は右側サイドミラー部16の右側表示パネル30に、左後方死角画像は左側サイドミラー部17の左側表示パネル40にそれぞれ表示される。この右側表示パネル30及び左側表示パネル40に表示される後方死角画像には、荷台10bの後方側部の輪郭線やリアタイヤの輪郭線が重ね合わされて表示されている。すなわち、トラック10後方の障害物は、右側表示パネル30や左側表示パネル40に荷台10bを透過した状態で表示される。
【0035】
したがって、トラック10の後退時に、運転者は右側サイドミラー部16又は左側サイドミラー部17を視認するのみでトラック10後方にある障害物等を容易に確認することが可能となり、運転者の視認負担を効果的に低減することができる。
【0036】
また、右後方死角画像及び左後方死角画像は、左右サイドミラー部16,17の鏡面部31,41に映し出される像と連続性を持った状態で、右側表示パネル30及び左側表示パネル40にそれぞれ表示される。
【0037】
したがって、トラック10が旋回しながら後退する場合でも、トラック10後方の周辺情報が正確に表示され、運転者は先の予測を容易に行うことができる。
【0038】
また、運転者の変速操作によりシフト位置が1〜5速にされ、かつ現在のギヤ段がギヤ段判定部24により前進段と判定されると、右側死角画像や右前方死角画像は右側表示パネル30に、左側死角画像や左前方死角画像は左側表示パネル40にそれぞれ表示される。すなわち、トラック10の前進走行時には、通常のサイドミラーには映し出されない右側下方や左側下方の死角画像及び、サイドミラーに遮られて運転者が視認することができない右前方や左前方の死角画像が左右の表示パネル30,40に効果的に表示される。
【0039】
したがって、左右側方や左右前方の死角領域を直視する運転者の視認負担を効果的に低減することができるとともに、旋回時に併走する二輪車両等の巻き込みを効果的に抑止することができる。
【0040】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0041】
左右表示パネル30,40は、それぞれ左右サイドミラー部16,17の三分の一の領域に配置されるものとして説明したが、例えば図4に示すように、左右表示パネル30a,40aを配置する領域を、荷台10bの側部後方を映し出す領域のみに限定してもよい。このように、左右表示パネル30a,40aの上下部を鏡面部31,41として確保すれば、左右表示パネル30a,40aに表示される画像と鏡面部31,41に映し出される像との連続性を効果的に向上することができる。
【0042】
また、本発明の車両の視界補助装置1は、バンタイプのトラック10に適用されるものとして説明したが、バスや一般乗用車などサイドミラーを備える車両に広く適用することが可能である。この場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 視界補助装置
10 トラック(車両)
11 後方撮像装置(第一撮像手段)
12 右側方撮像装置(第二撮像手段)
13 左側方撮像装置(第三撮像手段)
14 右前方撮像装置(第四撮像手段)
15 左前方撮像装置(第五撮像手段)
16 右側サイドミラー部
17 左側サイドミラー部
21 後方画像加工部(画像加工手段)
22 側方画像加工部(画像加工手段)
23 前方画像加工部(画像加工手段)
30 右側表示パネル(右側表示手段)
40 左側表示パネル(左側表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後方状況を撮像する第一撮像手段と、
前記第一撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の後方右側の死角となる領域に相当する第一死角画像及び、運転者の視点から前記車両の後方左側の死角となる領域に相当する第二死角画像に分割加工する画像加工手段と、
前記車両の右サイドミラー部に設けられ、前記車両の後退時に前記第一死角画像を表示する右側表示手段と、
前記車両の左サイドミラー部に設けられ、前記車両の後退時に前記第二死角画像を表示する左側表示手段と、を備える
ことを特徴とする車両の視界補助装置。
【請求項2】
前記画像加工手段は、
前記撮像画像データを分割加工する際に、前記第一死角画像に前記車両の右側部の輪郭線を重ね合わせて加工するとともに、前記第二死角画像に前記車両の左側部の輪郭線を重ね合わせて加工する
ことを特徴とする請求項1記載の車両の視界補助装置。
【請求項3】
前記右側表示手段は、
前記右サイドミラー部の車両幅方向に対して車体側三分の一の領域に配置され、
前記左側表示手段は、
前記左サイドミラー部の車両幅方向に対して車体側三分の一の領域に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両の視界補助装置。
【請求項4】
前記画像加工手段は、
前記撮像画像データを分割加工する際に、前記第一死角画像を前記右サイドミラー部の鏡面部に映し出される像と連続性を持たせて加工するとともに、前記第二死角画像を前記左サイドミラー部の鏡面部に映し出される像と連続性を持たせて加工する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両の視界補助装置。
【請求項5】
前記車両の右側方状況を撮像する第二撮像手段と、
前記車両の左側方状況を撮像する第三撮像手段と、をさらに備え、
前記画像加工手段は、
前記第二撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の右側下方の死角となる領域に相当する第三死角画像に加工するとともに、前記第三撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の左側下方の死角となる領域に相当する第四死角画像に加工し、
前記右側表示手段は、
前記車両の前進時に前記第三死角画像を表示し、
前記左側表示手段は、
前記車両の前進時に前記第四死角画像を表示する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車両の視界補助装置。
【請求項6】
前記車両の右前方状況を撮像する第四撮像手段と、
前記車両の左前方状況を撮像する第五撮像手段と、をさらに備え、
前記画像加工手段は、
前記第四撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の右前方の死角となる領域に相当する第五死角画像に加工するとともに、前記第五撮像手段から取り込んだ撮像画像データを、運転者の視点から前記車両の左前方の死角となる領域に相当する第六死角画像に加工し、
前記右側表示手段は、
前記車両の前進時に前記第五死角画像を表示し、
前記左側表示手段は、
前記車両の前進時に前記第六死角画像を表示する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車両の視界補助装置。
【請求項7】
前記右側表示手段及び前記左側表示手段は、
表示部の表面を鏡面状に形成されるとともに、死角画像の非表示時は鏡面部として機能する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の車両の視界補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−187971(P2012−187971A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51751(P2011−51751)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】