説明

車両の車室内構造

【課題】乗員の下腿部がセンターコンソールに当接したときの圧迫感をより簡単な構成で効果的に軽減する。
【解決手段】車室フロアF上には、左右一対の乗員用シート1,2と、当該一対の乗員用シート1,2の間の車幅方向中央部において前後方向に延びるセンターコンソール30とが設けられている。センターコンソール30は、車室フロアFから上方に延びる左右一対の側壁部31と、各側壁部31の上端部同士をつなぐ上壁部32とを有し、上記一対の側壁部31は、その一部を車幅方向外側に膨出させた膨出部33を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室フロア上に設けられた左右一対の乗員用シートと、当該一対の乗員用シートの間の車幅方向中央部において前後方向に延びるように設けられたセンターコンソールとを備えた車両の車室内構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両(特に自動車)の車室フロア上には、一般に、車幅方向に並ぶ2つの乗員用シート(例えば運転席シートおよび助手席シート)が少なくとも設けられ、これら2つの乗員用シートの間には、両者を車幅方向に隔てるように前後方向に延びるセンターコンソールが設けられる。
【0003】
上記センターコンソールの具体例として、例えば下記特許文献1に開示されたものが知られている。この特許文献1に開示されたセンターコンソールにおいては、その上面と側面とのコーナ部に、発泡体やウレタンフォーム等の軟質材を外部カバーで被覆してなるパッド入り部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−515611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のセンターコンソールによれば、そのコーナ部にパッド入り部材が設けられているため、例えば乗員用シートに着座した乗員が脚を開き気味みにするリラックスした姿勢をとったとしても、その下腿部(膝から下の部分)が上記センターコンソールのパッド入り部材に当接することにより、乗員の下腿部が過度に圧迫されることが防止され、乗員の快適性が良好に確保されるという利点がある。
【0006】
しかしながら、軟質材およびこれを被覆する外部カバー等からなるパッド入り部材をセンターコンソールのコーナ部に設けた上記特許文献1の構成では、センターコンソールの構造が複雑化し、材料費の増大や生産効率の悪化が避けられないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、乗員の下腿部がセンターコンソールに当接したときの圧迫感をより簡単な構成で効果的に軽減することが可能な車両の車室内構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、車室フロア上に設けられた左右一対の乗員用シートと、当該一対の乗員用シートの間の車幅方向中央部において前後方向に延びるように設けられたセンターコンソールとを備えた車両の車室内構造であって、上記センターコンソールは、上記車室フロアから上方に延びる左右一対の側壁部と、各側壁部の上端部同士をつなぐ上壁部とを有し、上記一対の側壁部は、その一部を車幅方向外側に膨出させた膨出部を有することを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
本発明によれば、センターコンソールの側壁部に膨出部が設けられているため、左右の乗員用シートに着座した乗員が脚を開き気味にするリラックスした姿勢をとったときに、その乗員の下腿部(膝から下の部分)が上記膨出部に当接することにより、上記下腿部がセンターコンソールのコーナ部(上壁部と側壁部とのコーナ部)に当接することが回避される。このように、乗員の下腿部を、コーナ部ではなく側壁部の膨出部に当接させることにより、下腿部とセンターコンソールとの接触面積を増やすことができ、下腿部に加わる圧迫感を軽減することができる。しかも、側壁部に膨出部を設けるだけの簡単な構成であるため、特段のコストアップ等を伴うことなく圧迫感の軽減を図ることができ、乗員の着座時の快適性を簡単かつ効果的に向上させることができる。
【0010】
上記一対の乗員用シートが、乗員の上腿部が載置される座面部を含むシートクッションと、シートクッションの後端部から上方に立ち上がるシートバックとを有する場合、好ましくは、上記センターコンソールの膨出部が、上記シートクッションの座面部における車幅方向内側の側辺部よりもさらに車幅方向内側に配置される(請求項2)。
【0011】
この構成によれば、乗員用シートに着座した乗員が脚を開き気味にするリラックスした姿勢をとり、乗員の下腿部がシートクッションの座面部の側辺部よりもさらに車幅方向内側まで移動したときに、その移動後の下腿部を上記膨出部によって適正に支持することができ、乗員のリラックス姿勢を許容しながら、下腿部に加わる圧迫感を効果的に軽減することができる。
【0012】
上記一対の乗員用シートが、車室フロア上に設けられたシートスライドレールに沿って前後移動可能に支持されたシートクッションと、シートクッションの後端部から上方に立ち上がるシートバックとを有する場合、好ましくは、上記センターコンソールの膨出部は、上記乗員用シートがその可動範囲の最後端位置にあるときのシートクッションの前端部よりもさらに前方に配置される(請求項3)。
【0013】
この構成によれば、例えば比較的大柄な乗員がリラックスした姿勢をとるために乗員用シートを最後端位置までスライドさせたときに、その乗員の下腿部を、シートクッションの前端部よりも前方に位置する膨出部によって適正に支持することができる。つまり、乗員用シートに着座した乗員が比較的大柄な場合には、この乗員の下腿部がセンターコンソールに当接する可能性が特に高いため、このような乗員が着座したときにその下腿部を上記膨出部によって確実に支持することにより、大柄な乗員でも快適に乗員用シートに着座することが可能となる。
【0014】
上記一対の乗員用シートの前方に、車幅方向に延びるインストルメントパネルが設けられている場合、好ましくは、上記センターコンソールの膨出部は、上記インストルメントパネルよりも後方に配置される(請求項4)。
【0015】
この構成によれば、インストルメントパネルよりも後方に配置される乗員の下腿部を上記膨出部によって適正に支持することができる。
【0016】
上記膨出部は、好ましくは、上記センターコンソールの側壁部における上下方向中間部よりも上方寄りに設けられる(請求項5)。
【0017】
この構成によれば、乗員用シートに着座した乗員の下腿部のうち、比較的上方に位置する脹脛の側部を上記膨出部によって適正に支持することができ、下腿部に加わる圧迫感を効果的に軽減することができる。
【0018】
上記構成において、より好ましくは、上記センターコンソールの膨出部が、断面視で車幅方向外側に凸の円弧状に形成され、上記膨出部の曲率半径が、上記乗員用シートに着座した乗員の脹脛の曲率半径と略同等に設定される(請求項6)。
【0019】
この構成によれば、乗員の脹脛が上記膨出部に当接したときに、脹脛が膨出部に適度にフィットするような状態で接触するため、圧迫感の軽減をより効果的に図ることができる。
【0020】
上記センターコンソールの上壁部と上記一対の側壁部とが円弧状のコーナ部を介してつながっており、かつ、上記センターコンソールの膨出部が、断面視で車幅方向外側に凸の円弧状に形成されている場合、好ましくは、上記センターコンソールのコーナ部の曲率半径が、上記膨出部の曲率半径よりも小さい値に設定される(請求項7)。
【0021】
この構成によれば、曲率半径の大きい膨出部で下腿部を適正に支持しつつ、センターコンソールの上壁部を比較的広い平坦面をもった形状にすることができ、センターコンソールの使い勝手を効果的に向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明の車両の車室内構造によれば、乗員の下腿部がセンターコンソールに当接したときの圧迫感をより簡単な構成で効果的に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態にかかる車室内構造が適用された車両を上方から見た平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施形態にかかる車室内構造が適用された車両を上方から見た平面図である。本図に示すように、車両の車室フロアF上には、運転式シートおよび助手席シートからなる左右一対の乗員用シート1,2が車幅方向に並んで配設されている。
【0025】
上記一対の乗員用シート1,2は、それぞれ、シートクッション5と、シートクッション5の後端部から上方に立ち上がるシートバック6とを有している。シートクッション5は、車室フロアF上に固定された左右一対のシートスライドレール7に支持されており、これら両シートスライドレール7に沿ってスライドすることにより、前後方向の所定範囲内を移動可能とされている。
【0026】
上記乗員用シート1,2の各シートクッション5は、座面部10およびサイドサポート部11を有している。座面部10は、その上面が略平坦状に形成されており、この座面部10の上面には乗員の両脚の上腿部(膝から上の部分)が載置される。サイドサポート部11は、車両の旋回時に上記乗員の脚が車幅方向にずれるのを防止するために、上記座面部10の左右両側において上方に隆起するように形成されている。
【0027】
上記乗員用シート1,2の前方には、各種計器類や空調用エアの吹出口等を有するインストルメントパネル20が、車幅方向に延びるように設けられている。インストルメントパネル20の左側部分(運転席シート1の前方部)には、操舵用のステアリングハンドル22が設けられている。
【0028】
上記乗員用シート1,2の間には、両者を車幅方向に隔てるように前後方向に延びるセンターコンソール30が設けられている。センターコンソール30は、車室フロアFの車幅方向中央部に配置されており、その前端部は上記インストルメントパネル20の下方まで延びている。
【0029】
上記センターコンソール30の前部には、車両に備わる変速機の変速段を切り替え操作するためのシフトレバー40が設けられるとともに、センターコンソール30の後部には、物品の収納等に用いられるコンソールボックス41が設けられている。また、上記シフトレバー40とコンソールボックス41の間に位置するセンターコンソール30の前後方向中間部には、ペットボトル等の飲料容器を収納するためのカップホルダ42と、サイドブレーキを操作するためのブレーキレバー43が設けられている。
【0030】
図2は、センターコンソール30における上記シフトレバー40の設置部よりもさらに前方に位置する部分を、車幅方向と平行な垂直面に沿って切断した断面図である。本図に示すように、センターコンソール30は、車室フロアFから上方に延びる左右一対の側壁部31と、各側壁部31の上端部同士をつなぐ上壁部32とを有している。これら側壁部31および上壁部32は、ともに合成樹脂材からなり、互いに一体に成形されている。
【0031】
上記一対の側壁部31は、それぞれ、図1および図2に示される膨出部33を有している。各膨出部33は、側壁部31の一部を車幅方向外側に膨出させたものであり、より具体的には、断面視で車幅方向外側に凸の円弧状をなすように形成されている。
【0032】
図2に示すように、上記上壁部32の左右両端部と、上記一対の側壁部31の各上端部とは、それぞれ、円弧状のコーナ部34を介して互いにつながっている。このコーナ部34の曲率半径は、上記膨出部33の曲率半径よりも大幅に小さく、例えば膨出部33の曲率半径が300±50mmであるのに対し、コーナ部34の曲率半径は50mm程度に設定される。
【0033】
上記膨出部33は、乗員用シート1または2に着座した乗員の脚の下腿部(膝から下の部分)Xを支持するために設けられている。すなわち、乗員用シート1または2に着座した乗員が、脚を開き気味にするリラックスした姿勢をとった場合には、その車幅方向内側の脚の下腿部Xがセンターコンソール30に当接することがある。上記センターコンソール30の側壁部31に仮に膨出部33が存在しなければ、上記のように乗員がリラックス姿勢をとったときに、曲率半径の小さいコーナ部34に下腿部Xが当接し、下腿部Xが圧迫されるおそれがある。そこで、比較的大きい曲率半径の膨出部33を側壁部31に設けて、この膨出部33に下腿部Xの脹脛(ふくらはぎ)Xaを当接させることにより、下腿部Xに伝わる圧迫感を軽減するようにしている。
【0034】
ここで、上記膨出部33の曲率半径(300±50mm)は、図2に示すように、脹脛Xaの側部の曲率半径と略同等の値として設定されている。すなわち、脹脛Xaの側部の曲率半径は、一般的な大人の場合で、約300mm前後であると考えられる。そこで、この脹脛の曲率半径に概ね一致するように、膨出部33の曲率半径が300±50mmに設定されている。
【0035】
次に、上記センターコンソール30の膨出部33の設置場所についてより詳しく説明する。膨出部33は、図1に示すように、乗員用シート1,2の各シートクッション5の前端部よりも前方で、かつインストルメントパネル20よりも後方に配置されている。ただし、図1では、シートスライドレール7上の可動範囲における最後端位置までスライドした状態の乗員用シート1,2が示されており、上記膨出部33は、少なくともこの可動範囲の最後端位置に乗員用シート1,2があるときのシートクッション5の前端部よりも前方に配置されている。
【0036】
また、乗員用シート1,2の各シートクッション5と上記膨出部33との車幅方向の位置関係としては、各シートクッション5の座面部10における車幅方向内側の側辺部Lsよりもさらに車幅方向内側に上記膨出部33が配置されている。
【0037】
さらに、図2に示す断面視において、上記膨出部33は、センターコンソール30の側壁部31における上下方向中間部よりも上方寄りに配置されている。
【0038】
以上説明したように、当実施形態の車両の車室フロアF上には、左右一対の乗員用シート1,2と、各シート1,2の間の車幅方向中央部において前後方向に延びるセンターコンソール30とが設けられている。そして、センターコンソール30は、車室フロアFから上方に延びる左右一対の側壁部31と、各側壁部31の上端部同士をつなぐ上壁部32とを有し、上記一対の側壁部31は、その一部を車幅方向外側に膨出させた膨出部33を有している。このような構成によれば、乗員の下腿部Xがセンターコンソール30に当接したときの圧迫感をより簡単な構成で効果的に軽減できるという利点がある。
【0039】
すなわち、上記実施形態では、センターコンソール30の側壁部31に膨出部33が設けられているため、乗員用シート1または2に着座した乗員が脚を開き気味にするリラックスした姿勢をとったときに、その乗員の下腿部Xが上記膨出部33に当接することにより、上記下腿部Xがセンターコンソール30のコーナ部(上壁部32と側壁部31とのコーナ部)34に当接することが回避される。このように、乗員の下腿部Xを、コーナ部34ではなく側壁部31の膨出部33に当接させることにより、下腿部Xとセンターコンソール30との接触面積を増やすことができ、下腿部Xに加わる圧迫感を軽減することができる。しかも、側壁部31に膨出部33を設けるだけの簡単な構成であるため、特段のコストアップ等を伴うことなく圧迫感の軽減を図ることができ、乗員の着座時の快適性を簡単かつ効果的に向上させることができる。
【0040】
また、上記実施形態では、乗員用シート1,2の各シートクッション5が、乗員の上腿部が載置される座面部10と、座面部10の左右両側において上方に隆起するサイドサポート部11を有するとともに、上記センターコンソール30の膨出部33が、上記シートクッション5の座面部10における車幅方向内側の側辺部Lsよりもさらに車幅方向内側に配置されている。このような構成によれば、乗員用シート1または2に着座した乗員が脚を開き気味にするリラックスした姿勢をとり、乗員の下腿部Xがシートクッション5の座面部10の側辺部Lsよりもさらに車幅方向内側まで移動したときに、その移動後の下腿部Xを上記膨出部33によって適正に支持することができ、乗員のリラックス姿勢を許容しながら、下腿部Xに加わる圧迫感を効果的に軽減することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、乗員用シート1,2がその可動範囲の最後端位置にあるときのシートクッション5の前端部よりもさらに前方に上記膨出部33が配置されているため、例えば比較的大柄な乗員がリラックスした姿勢をとるために乗員用シート1,2を最後端位置までスライドさせたときに、その乗員の下腿部Xを、シートクッション5の前端部よりも前方に位置する膨出部33によって適正に支持することができる。つまり、乗員用シート1または2に着座した乗員が比較的大柄な場合には、この乗員の下腿部Xがセンターコンソール30に当接する可能性が特に高いため、このような乗員が着座したときにその下腿部Xを上記膨出部33によって確実に支持することにより、大柄な乗員でも快適に乗員用シート1または2に着座することが可能となる。
【0042】
また、上記実施形態では、車室前部に設けられたインストルメントパネル20よりも後方に上記膨出部33が配置されているため、インストルメントパネル20よりも後方に配置される乗員の下腿部Xを膨出部33によって適正に支持することができる。
【0043】
また、上記実施形態では、センターコンソール30の側壁部31における上下方向中間部よりも上方寄りに上記膨出部33が設けられているため、乗員用シート1または2に着座した乗員の下腿部Xのうち、比較的上方に位置する脹脛Xaの側部を膨出部33によって適正に支持することができ、下腿部Xに加わる圧迫感を効果的に軽減することができる。
【0044】
しかも、上記膨出部33が断面視で車幅方向外側に凸の円弧状に形成され、かつその曲率半径が脹脛Xaの曲率半径と略同等の値(300±50mm)に設定されているため、脹脛Xaが上記膨出部33に当接したときに、脹脛Xaが膨出部33に適度にフィットするような状態で接触し、圧迫感の軽減をより効果的に図ることができる。
【0045】
また、上記実施形態では、センターコンソール30のコーナ部34の曲率半径が、上記膨出部33の曲率半径よりも小さく設定されているため、曲率半径の大きい膨出部33で下腿部Xを適正に支持しつつ、センターコンソール30の上壁部32を比較的広い平坦面をもった形状にすることができる。つまり、乗員の下腿部Xを膨出部33で支持するようにした上記実施形態によれば、センターコンソール30のコーナ部34の曲率半径を小さく設定したとしても、このコーナ部34に乗員の下腿部Xが当接する心配がない。このため、下腿部Xの圧迫感が増大するのを回避しながら、上記コーナ部34の曲率半径を小さく設定することができ、上記上壁部32の平坦部の面積をより広く確保してその使い勝手を向上させることができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、センターコンソール30の側壁部31に断面視円弧状の膨出部33を設けたが、この膨出部33は、車幅方向外側に膨出した形状で、なおかつ乗員の下腿部Xが当接したときに過度の圧迫感を与えないような形状(例えば尖ったエッジをもたない形状)であればよく、その形状は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0047】
1,2 乗員用シート
5 シートクッション
6 シートバック
7 シートスライドレール
10 座面部
11 サイドサポート部
20 インストルメントパネル
30 センターコンソール
31 側壁部
32 上面部
33 膨出部
34 コーナ部
F 車室フロア
Xa 脹脛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室フロア上に設けられた左右一対の乗員用シートと、当該一対の乗員用シートの間の車幅方向中央部において前後方向に延びるように設けられたセンターコンソールとを備えた車両の車室内構造であって、
上記センターコンソールは、上記車室フロアから上方に延びる左右一対の側壁部と、各側壁部の上端部同士をつなぐ上壁部とを有し、
上記一対の側壁部は、その一部を車幅方向外側に膨出させた膨出部を有することを特徴とする車両の車室内構造。
【請求項2】
請求項1記載の車両の車室内構造において、
上記一対の乗員用シートは、乗員の上腿部が載置される座面部を含むシートクッションと、シートクッションの後端部から上方に立ち上がるシートバックとを有し、
上記センターコンソールの膨出部は、上記シートクッションの座面部における車幅方向内側の側辺部よりもさらに車幅方向内側に配置されていることを特徴とする車両の車室内構造。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両の車室内構造において、
上記一対の乗員用シートは、車室フロア上に設けられたシートスライドレールに沿って前後移動可能に支持されたシートクッションと、シートクッションの後端部から上方に立ち上がるシートバックとを有し、
上記センターコンソールの膨出部は、上記乗員用シートがその可動範囲の最後端位置にあるときのシートクッションの前端部よりもさらに前方に配置されていることを特徴とする車両の車室内構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の車室内構造において、
上記一対の乗員用シートの前方に、車幅方向に延びるインストルメントパネルが設けられており、
上記センターコンソールの膨出部は、上記インストルメントパネルよりも後方に配置されていることを特徴とする車両の車室内構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の車室内構造において、
上記センターコンソールの側壁部における上下方向中間部よりも上方寄りに、上記膨出部が設けられたことを特徴とする車両の車室内構造。
【請求項6】
請求項5記載の車両の車室内構造において、
上記センターコンソールの膨出部が、断面視で車幅方向外側に凸の円弧状に形成され、
上記膨出部の曲率半径が、上記乗員用シートに着座した乗員の脹脛の曲率半径と略同等に設定されていることを特徴とする車両の車室内構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の車室内構造において、
上記センターコンソールの上壁部と上記一対の側壁部とが円弧状のコーナ部を介してつながっており、
上記センターコンソールの膨出部が、断面視で車幅方向外側に凸の円弧状に形成され、
上記センターコンソールのコーナ部の曲率半径が、上記膨出部の曲率半径よりも小さい値に設定されていることを特徴とする車両の車室内構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−153182(P2012−153182A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11867(P2011−11867)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】