説明

車両エアインレット構造の増圧筒

【課題】車両エアインレット構造の増圧筒を提供する。
【解決手段】筒体1の筒壁の径方向に、二つの互いに貫通する第一孔道と第二孔道が形成され、第一孔道にブレーキ補助器のエア管路が連結され、第二孔道エアインレットマニホルドが連結され、筒体1の軸方向に、外部に連通する第三孔道13が形成され、第三孔道の経路に貫通パイプ14が設置され、貫通パイプの両端に、第一フィルタ15と第二フィルタ16が設置される。二つのフィルタの外側の端面に網層151が設置され、網層には複数の軸方向に外から内へ内径が収束する孔道が形成され、入ることが簡単で、出ることが難しい逆止弁効果が形成されているので、外部の空気と内部の炭素残留の熱い気体が、所定の時間に滞在され、そのため、外部空気(燃焼補助)と温度(発火点)及び燃焼可能の炭素堆積(可燃物)は、混合されて滞在されるための燃焼時間が得られ、炭素堆積を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両エアインレット構造の増圧筒に関し、特に、エンジンの燃焼過程において、エアを導入して気圧を増大させる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの油ガス混合燃焼は、エアインレットマニホルドによって供給された空気を利用し、上記エアインレットマニホルドは、スロットルとエンジン空気取入弁との間に位置し、空気が、スロットルに導入された後、エアインレットマニホルドを介して、それぞれ、各シリンダーへ導入される。また、ブレーキ装置は、人力によってブレーキパネルを踏むだけで、良い制動効率が得られないため、多くの車両に、真空ブレーキ補助器が配置され、その原理は、ブレーキパネルが踏まれる場合、同時に、エアインレットマニホルド上の真空ポンプパイプラインがオンされ、エアインレットマニホルドの真空吸力で、ブレーキの力を増大させ、また、その吸力により、同時に、ブレーキシステム中の空気が除去される。
【0003】
上記の二種類のシステムによれば、前記エンジンの油ガス混合燃焼は、車両の燃焼が不足であるため、例えば、エアインレットが不足であるため、空気を燃焼する条件が足らず、燃料の無駄や空気汚染の問題がある。前記のブレーキ制動によって吸収された空気により、エアインレットマニホルドに、それに対応する空気が供給されるが、上記ブレーキ制動によって吸収された空気が不足である問題がある。
【0004】
台湾公告第553313号による「車両エアインレット構造改良」によれば、ブレーキ補助器と空気集中ボックスとの間に、増圧筒が増設され、上記増圧筒が、エンジン本体が点火する度に、同時に、空気は、フィルタ層に吸入されて濾過され、また、エアインレット管のエアインレット孔を介して、エア室、そして、接合シンブルを経由して、空気集中ボックスへ流れ、より多い空気が、エンジン本体に供給され、燃焼が、より完全になる。しかし、実質上、上記エンジン燃焼過程においては、燃焼不完全の現象が発生して、炭素堆積現象が発生し、上記炭素堆積は、空燃比が不正確であるため(一般のガソリンエンジンの理論空燃比は、14.65:1であり、即ち、14.65の空気:1のガソリンである)、スロットルが動かなくなり、スロットルを釈放しても、スロットルが、完全に閉鎖されなく、アイドルが高くなる。以上のように、既存の技術によれば、空燃比不正の現象を解決できない問題が残されている。
【0005】
本発明者は、上記欠点を解消するため、慎重に研究し、また、学理を活用して、有効に上記欠点を解消でき、設計が合理である本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾実用新案登録第553313号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、空気供給不足や炭素堆積等の従来技術による諸欠点を解消できる車両エアインレット構造の増圧筒を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、筒体があり、上記筒体の筒壁において、径方向に、二つの互いに貫通する第一孔道と第二孔道が形成され、上記第一孔道に、ブレーキ補助器のエア管路が連結され、上記第二孔道に、エアインレットマニホルドが連結され、また、上記筒体において、軸方向に、外部に連通する第三孔道が形成され、上記第三孔道の経路に、貫通パイプが設置され、上記貫通パイプの両端に、それぞれ、対応する第一フィルタと、第二フィルタが設置され、また、上記二つのフィルタにおいて、外側の端面に、網層が設置され、上記網層に、複数の、軸方向に外から内へ、内径が、収束する孔道が形成される、ことを特徴とする車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0009】
請求項2の発明は、上記孔道が、複数の、外から内へ、大から小への孔を堆積配列することからなり、上記の孔が堆積連通されることからなる経路を孔道とすることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0010】
請求項3の発明は、上記筒体の底部において、複数の軸方向に間を置いて、計装接続線が配置されるための配線孔道が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0011】
請求項4の発明は、上記筒体の一側に、上記配線孔道に配置された計装接続線によって、計装が接続されることを特徴とする請求項2に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0012】
請求項5の発明は、上記貫通パイプと上記第一フィルタ及び第二フィルタが、軸方向の貫通孔道が配置された収納スリーブ内に収納され、上記収納スリーブが、周辺に濾過材のある中空濾過筒の内部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0013】
請求項6の発明は、上記筒体に、複数の上記第三孔道と相通する貫通孔のあるキャップが設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0014】
請求項7の発明は、上記第一フィルタと第二フィルタの各網層が、銅焼結からなることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0015】
請求項8の発明は、上記各配線孔道において、筒体の底部の下方に、上記底部に対応する底キャップが組立てられ、上記底キャップに、孔道になる凹槽が形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【0016】
請求項9の発明は、上記筒体の一側に、エアゲージが設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の特徴や技術内容について、詳しく説明するが、それらの図面等は、参考や説明のためであり、本発明は、それによって制限されることが無い。
【0018】
図1と図2及び図4を参照しながら、本発明に係る車両エアインレット構造の増圧筒は、筒体1があり、上記筒体1は、例えば、アルミニウムからなり、優れた導体であり、より良い放熱効果が得られる。上記筒体1は、キャップ10があり、上記キャップ10は、複数の、上記第三孔道13に連通する貫通孔101が形成される。上記筒体1は、筒壁において、径方向に、二つの互いに貫通する第一孔道11と第二孔道12が形成され、上記第一孔道11は、ブレーキ補助器(本発明の目的に直接に関与しなく、図示省略)のエア管路が連結され、上記第二孔道12は、エアインレットマニホルド(本発明の目的に直接に関与しなく、図示省略)が連結され、上記エアインレットマニホルドに連結される前に、空気集中ボックスやスロットルを介しても良く、要するに、上記エアインレットマニホルドと連通することである。上記筒体1は、軸方向に、外部に連通する第三孔道13が形成され、これにより、より十分な外部エアインレットが得られ、上記エアインレットマニホルドやブレーキ補助器の真空空気取入管路、補助増圧及び補助空気の來源が充実される。
【0019】
本発明によれば、さらに、上記第三孔道13の経路に、貫通パイプ14が設けられ、上記貫通パイプ14の両端に、それぞれ、対応する第一フィルタ15と第二フィルタ16が設けられ、上記二フィルタ15、16は、それぞれ、外側端面に、網層151、161が設置され、上記各網層151、161により、高温の耐性を向上させるため、銅焼結からなる。上記網層151、161は、複数の、軸方向に外から内へ、内径が、収束する孔道152、162が形成される。上記図2と図2A及び図2Bの上記孔道152、162は、外から内へ、複数の、大から小への孔153、163を堆積配列することからなり、以上記複数の孔153、163による堆積連通されることからなる経路を孔道とする。また、堆積でなくでも良く、外から内へ貫通して、外から内へ収束してラッパ体が形成された孔道や台形体の孔道でもよく、或いは、う回経路により等価の孔道が形成されても良い。
【0020】
上記増圧筒自身は、外部空気を供給する基本機能の他に、上記第一フィルタ15と第二フィルタ16は、それぞれ、外側端面に、内径が少しずつ収束する孔道152、162が設けられる。そのため、内外において、二つの「入ることが簡単で、出ることが難しい」逆止弁効果が形成され、これにより、外部の空気と内部の炭素残留の熱い気体が、所定の時間に滞在され、そのため、外部空気(燃焼補助)と温度(発火点)及び燃焼可能の炭素堆積(可燃物)は、混合されて滞在されるための燃焼時間が得られ、炭素堆積を低減できる。
【0021】
また、本発明のより良い実施例によれば、上記貫通パイプ14と上記第一フィルタ15及び第二フィルタ16は、軸方向に貫通孔道181が形成された収納スリーブ18内に収納され、また、上記収納スリーブ18は、周辺に濾過材191がある中空濾過筒19の内部に位置する。それは、上記第一フィルタ15と第二フィルタ16により濾過される前、複数回の濾過を介して、外部空気の不純物を低減する目的である。
【0022】
図1乃至図3のように、本発明によれば、上記筒体1の底部17に、少なくとも一つの或いは複数の軸方向に、間を置いて、一つや複数の計装接続線2が配置されるための配線孔道171が形成されても良い。上記筒体1は、一側に、上記配線孔道171に配置された計装接続線2によって、計装3が接続される。上記計装3は、電力表示の計装でもよいし、他の計装でも良い。上記計装接続線2は、外部が耐高温からなる電線であり、3本の場合、3本の一端において、その二端が、上記電力表示である計装に接続され、残りの一端が、エンジン本体に接続される。もう一端の3本は、それぞれ、バッテリーや発電機及び接地に接続される。本発明は、計装3が正面で表示できるように、上記計装を実装することができ、また、上記計装接続線2の実装空間を節約でき、そして、上記計装接続線2を統合集中できる。
【0023】
前記の各配線孔道171は、上記筒体1の底部に、直接に形成しても良いが、より良い実施例によれば、図4のように、係於筒体1の底部の下方において、上記底部に対応して組み合わせることができる底キャップ173を設置しても良く、上記底キャップ173は、凹槽172が形成され、組み合わせることにより、孔道が形成される。上記筒体1の一側において、内部壓力を観察するエアゲージ4が設置されても良い。
【0024】
そのため、本発明は、より進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0025】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明は、それによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の立体外観図
【図2】本発明の組立て平面断面図
【図2A】本発明の図2のA部の局部拡大図
【図2B】本発明の図2のB部の局部拡大図
【図3】本発明の配線孔道配置と計装配置の概念図
【図4】本発明の立体分解図
【符号の説明】
【0027】
1 筒体
10 キャップ
101 貫通孔
11 第一孔道
12 第二孔道
13 第三孔道
14 貫通パイプ
15 第一フィルタ
151 網層
152 孔道
153 孔
16 第二フィルタ
161 網層
162 孔道
163 孔
17 底部
171 配線孔道
172 凹槽
173 底キャップ
18 収納スリーブ
181 貫通孔道
19 中空濾過筒
191 濾過材
2 計装接続線
3 計装
4 エアゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体があり、上記筒体の筒壁において、径方向に、二つの互いに貫通する第一孔道と第二孔道が形成され、上記第一孔道に、ブレーキ補助器のエア管路が連結され、上記第二孔道に、エアインレットマニホルドが連結され、また、上記筒体において、軸方向に、外部に連通する第三孔道が形成され、上記第三孔道の経路に、貫通パイプが設置され、上記貫通パイプの両端に、それぞれ、対応する第一フィルタと、第二フィルタが設置され、また、上記二つのフィルタにおいて、外側の端面に、網層が設置され、上記網層に、複数の、軸方向に外から内へ、内径が、収束する孔道が形成される、
ことを特徴とする車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項2】
上記孔道が、複数の、外から内へ、大から小への孔を堆積配列することからなり、上記の孔による堆積連通されることからなる経路を孔道とすることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項3】
上記筒体の底部において、複数の軸方向に間を置いて、計装接続線が配置されるための配線孔道が設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項4】
上記筒体の一側に、上記配線孔道に配置された計装接続線によって、計装が接続されることを特徴とする請求項2に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項5】
上記貫通パイプと上記第一フィルタ及び第二フィルタが、軸方向の貫通孔道が配置された収納スリーブ内に収納され、上記収納スリーブが、周辺に濾過材のある中空濾過筒の内部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項6】
上記筒体に、複数の上記第三孔道と相通する貫通孔のあるキャップが設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項7】
上記第一フィルタと第二フィルタの各網層が、銅焼結からなることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項8】
上記各配線孔道において、筒体の底部の下方に、上記底部に対応する底キャップが組立てられ、上記底キャップに、孔道になる凹槽が形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。
【請求項9】
上記筒体の一側に、エアゲージが設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両エアインレット構造の増圧筒。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−163159(P2010−163159A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4909(P2010−4909)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(510012429)
【Fターム(参考)】