説明

車両ドア内のビーム、及び、ドア・ビームを防錆する方法

車両ドア内の安全ビーム(11)が、基底構造に対して、スルー・チャネルを形成する、複数の溝(22,23,24)を備えたアタッチメント端部を含む。溝は、1〜6mmの高さと3〜7mmの内幅を有し、
溝の間の、最外側の溝の外側への平らな面は、15〜30mmの幅を有す。平らな面の各々は、基底構造(12)に対してスポット溶接(26〜29)を1つだけ含む。安全ビームは、組立後、防食ペイントの浴に浸され、このようにして隙間腐食を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ドア内のビームに関わり、ここで、ビームは、ドアの前部及び後部縦構造間に伸び、それらに溶接され、そのドア・ビームが、少なくとも1つの扁平なアタッチメント端部を含み、そのアタッチメント端部から伸びる溝、及び基底構造へのスポット溶接部を備えたその溝間の平らな面を含んでなる、セクションを有している。本発明は、ドア・ビームを防錆する方法にも関わる。
【背景技術】
【0002】
車両ドアには、側面衝撃保護のための安全ビームが、ますます備えつけられるようになっている。特許文献1は、基底構造にこの種のスポット溶接をされたビームの実施態様を示す。それの厚さが、スポット溶接に好適であるように、シートメタルを薄くすることが可能になるように、溝が備え付けられている。特許文献2と特許文献3は、基底構造に、スポット溶接をされたドア・ビームの、他の実施態様を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 5 232 261
【特許文献2】US 5 600 931
【特許文献3】EP 1 803 596
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、隙間腐食のリスクを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的は、アタッチメント端部が、基底縦構造に対して、スルー・チャネルを形成する、少なくとも3つの溝を含むこと、溝の間の平らの面の各々が、基底縦構造に、スポット溶接部を1つだけ含み、スポット溶接部の所で、10〜35mmの幅を有すること、及びドア・ビームのアタッチメントを、アタッチメント作業の後、防錆ペイントの浴(bath)内に浸漬することにより、防錆することで、達成される。本発明は請求項により規定される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】縦のドア構造に取り付けられたビームの端部の水平図である。
【図2】図1における、矢印2の方向の図である。
【図3】図1における、線3−3に沿った断面である。
【図4】図1〜3に示された、取り付けたビームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は、その端部が、車両ドアの下部の耐荷重性の構造の縦の部分12に、スポット溶接された、安全ビーム11の一端部を示す。従来の車両ドアにおいては、ビームは、ドアの耐荷重性の内側パネルの端部壁に溶接されている。これが先行技術を構成しているので、ドア全体は示されてはおらず、例えば、EP1 803 596を参照しなければならない。
【0008】
ビーム11は、トップハット(top-hat)断面を有し、即ち、それは、中央フランジ13、2つのウェブ(両側)14、及び、2つのサイド・フランジ15,16を含む。トップハット断面の高さは、減少していき、トランジション・ゾーン25においては、ビームは、内側パネルの端部壁12に重みがかかっている(bear against)4つの平らな面18,19,20,21を含んでなるアタッチメント・プレート17に平板化される。3つの溝22,23,24は、トランジション・ゾーン25の端部からアタッチメント・プレート17の端部へと伸びる、即ち、それらは、ビームの端部から、ビームが耐荷重性の構造の縦部分に重みがかかっている点を越えて伸び、それによって、スルー・チャネルを形成している。耐荷重性の面18〜21の各々は、1つの単独のスポット溶接26,27,28,29を含む。
【0009】
それのビーム11を備えた半完成品のドアが防食ペイントの浴に浸漬する時、溝はペイントで満たされ、溝が両方向に開であるので、次に、ペイントは流れ出る。各耐荷重性の面が、溶接スポットを1つだけ含み、溝の間の、平らな面(17〜20)が10〜35mmの幅である時、防食ペイントは、効率的に、隙間腐食を防止する。最外側の溝の外側への平らな面は、溝の所で、10〜35mmの幅を有しなければならない。溝は、好都合には、15mm未満の内幅と1〜6mmの高さを有してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの前部縦構造及び後部縦構造間に伸び、それらに溶接され、少なくとも1つの扁平なアタッチメント端部を含み、そのアタッチメント端部から伸びる溝、及び基底構造へのスポット溶接部を備えたその溝(22,23,24)間の平らな面(18,19)を含んでなる、セクションを有する、車両ドア内のビームであって、
アタッチメント端部が、基底縦構造(12)に対して、スルー・チャネルを形成する少なくとも3つの溝(22,23,24)を含み、溝の間の平らの面の各々(18,19)が、スポット溶接(27,28)を1つだけ含み、スポット溶接の所で、10〜35mmの幅を有し、そして、ドア・ビームのアタッチメントが、アタッチメント作業の後、防食ペイントの浴内に浸漬することにより防錆されることを特徴とする、ビーム。
【請求項2】
最外側の溝の外側への平らな面(20,21)は、同様に、スポット溶接(26,29)を1つだけ含み、スポット溶接の所で、10〜35mmの幅を有することを特徴とする、請求項1に記載のドア・ビーム。
【請求項3】
溝(22,23,24)が、1〜6mmの高さと、15mm未満の内幅を有することを特徴とする、請求項1に記載のドア・ビーム。
【請求項4】
ドア・ビームが、その高さが扁平なアタッチメント端部に向って減少する、トップハット断面を有することを特徴とする、請求項1〜3項のいずれか1項に記載のドア・ビーム。
【請求項5】
車両ドア内のビームを防錆する方法であって、
アタッチメント端部の基底構造に対して、スルー・チャネルを形成する、少なくとも3つの溝(22,23,24)を備えた、少なくとも1つのアタッチメント端部、及び溝の間の平らの面(18,19)を含んでなる、ドアー・ビームが使用され、平らな面の各々が、基底構造(12)へのスポット溶接(26〜29)を1つだけ含んでなり、スポット溶接の所で、10〜35mmの幅を有すること、及びビームが、ドア・ビームの取り付け後、半完成品のドアを防食ペイントの浴内に浸漬することにより防錆されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519569(P2013−519569A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552836(P2012−552836)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/SE2011/000004
【国際公開番号】WO2011/099912
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(501426943)イェスタムプ・ハードテック・アクチエボラーグ (34)
【Fターム(参考)】