説明

車両周辺監視装置

【課題】ステレオカメラにより距離を検出するための演算量を低減して、対象物の距離を精度良く検出することができる車両周辺監視装置を提供する。
【解決手段】車両1に搭載された左カメラ21,右カメラ22により撮像された同一対象物の画像部分の視差に基づいて、車両1と対象物との距離を検出するステレオ距離検出部12と、左カメラ21又は右カメラ22の撮像画像における対象物の画像部分の位置が、車両1からの距離が所定距離以下である範囲を想定して設定された特定画像領域内であるときに限定して、ステレオ距離検出部12により車両1と対象物間の距離を検出して、対象物の位置を追跡する対象物位置追跡部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオカメラにより車両と対象物間の距離を検出して、車両周辺に存在する対象物を監視する車両周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載された2台のカメラ(ステレオカメラ)により車両周囲を撮像し、各カメラの撮像画像から抽出された同一対象物の画像部分のずれ(視差)に基づいて、三角測量の原理により車両と対象物間の距離を算出する車両周辺監視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、車両に搭載された1台のカメラ(単眼カメラ)により車両周囲を撮像し、このカメラの時系列の撮像画像から抽出された同一対象物の画像部分の大きさの変化率に基づいて、車両と対象物間の距離を算出する車両周辺監視装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−284057号公報
【特許文献2】特許第4267657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステレオカメラによる距離検出と単眼カメラによる距離検出とを比較した場合、演算量は単眼カメラによる方が少なくなる一方で、距離の検出精度はステレオカメラによる方が高くなる。
【0006】
そこで、本発明は、ステレオカメラにより距離を検出するための演算量を低減して、対象物の距離を精度良く検出することができる車両周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、車両に搭載された2台のカメラにより撮像された同一対象物の画像部分の視差に基づいて、前記車両と該対象物との距離を検出するステレオ距離検出部と、前記カメラの撮像画像における対象物の画像部分の位置が、前記車両からの距離が所定距離以下である範囲を想定して設定された特定画像領域内であるときに限定して、前記ステレオ距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡する対象物位置追跡部とを備えたことを特徴とする(第1発明)。
【0008】
第1発明によれば、前記対象物位置追跡部は、前記カメラの撮像画像における対象物の画像部分の位置が前記特定画像領域内であるときに限定して、前記ステレオ距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を算出する。そのため、前記カメラの撮像画像に含まれる全ての対象物の画像部分について、前記ステレオ距離検出部により前記車両と対象物間の距離を検出する場合よりも、前記ステレオ距離検出部により距離を検出することによる演算量を低減して、前記車両と対象物間の距離を精度良く検出することができる。
【0009】
また、第1発明において、前記車両に搭載された1台のカメラにより撮像された対象物の画像部分に基づいて、該車両と該対象物との距離を検出する単眼距離検出部を備え、前記対象物位置追跡部は、前記カメラの撮像画像における対象物の画像部分の位置が、前記特定画像領域外であるときは、前記単眼距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡することを特徴とする(第2発明)。
【0010】
第2発明によれば、前記車両との距離が前記所定距離よりも長く、高精度の距離検出が未だ要求されない対象物については、前記単眼距離検出部により前記車両との距離を検出することで、前記車両と対象物間の距離を、演算量を低減して効率良く検出することができる。
【0011】
また、第2発明において、前記対象物位置追跡部は、前記単眼距離検出部により検出した前記車両と対象物間の距離が、前記所定距離を含む監視距離範囲内となったときに、前記ステレオ距離検出部により前記車両と対象物間の距離を算出し、前記ステレオ距離検出部による検出距離が前記所定距離以下であるときには、前記ステレオ距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡することを特徴とする(第3発明)。
【0012】
第3発明によれば、前記車両と対象物間の距離が前記所定距離以下になったことを、前記ステレオ距離検出部による検出距離によって再確認することで、前記単眼距離検出部による距離検出の精度の低さにより、実際には前記所定距離よりも離れた対象物について、前記ステレオ距離検出部による検出距離に切替えられて、前記ステレオ距離検出部による距離検出の演算量が増加することを防止することができる。
【0013】
また、第3発明において、前記対象物位置追跡部は、対象物の画像部分が前記特定画像領域外にあるときから、前記単眼距離検出部により前記車両と対象物間の距離を検出して該対象物の位置の追跡を開始し、前記単眼距離検出部による検出距離が前記監視距離範囲内になり、且つ、前記ステレオ距離検出部による前記車両と該対象物間の検出距離が前記所定距離以下になったときに、その後は、前記ステレオ距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡することを特徴とする(第4発明)。
【0014】
第4発明によれば、前記単眼距離検出部による前記車両と対象物間の距離検出から、前記ステレオカメラによる距離検出への切替タイミングを、前記車両と対象物間の距離が前記所定距離以下になった時点で精度良く切替えて、対象物の位置を追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】車両周辺監視装置の実施形態の説明図。
【図2】車両周辺監視装置の構成図。
【図3】対象物位置追跡部のフローチャート。
【図4】撮像画像における対象物の画像部分の位置により、単眼距離検出部による距離検出からステレオ距離検出部による距離検出に切替える条件の説明図。
【図5】ステレオ距離検出部により検出した車両と対象物間の距離によって、単眼距離検出部による距離検出からステレオ距離検出部による距離検出に切替える条件の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の車両周辺監視装置の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の車両周辺監視装置10は、車両1に搭載して使用される。車両周辺監視装置10は、左カメラ21及び右カメラ22の撮像画像に基づいて、車両1の前方に存在する対象物P(歩行者等)を監視する。
【0017】
車両周辺監視装置10は、車両1と対象物P間の距離を所定の制御周期毎に検出して、対象物Pの位置を追跡し、対象物Pが車両1と接触するおそれがあるときに、表示器42に警報表示を行うと共にスピーカ41から警報音を出力して、車両1の運転者に注意を促す。図中、P(t1)は時刻t1での対象物Pの検出位置、P(t2)は時刻t2での対象物Pの検出位置、P(t3)は時刻t3での対象物Pの検出位置、P(t4)は時刻t4での対象物Pの位置を示している。
【0018】
左カメラ21及び右カメラ22は赤外線カメラであり、車両1の横方向(車幅方向)の中心軸に対してほぼ対象な位置に配置されている。そして、左カメラ21と右カメラ22は、光軸が互いに並行となり、路面からの高さが等しくなるように固定されている。
【0019】
次に、図2を参照して、車両周辺監視装置10には、左カメラ21及び右カメラ22の映像信号が入力される。さらに、車両1に搭載されたヨーレートセンサ31、車速センサ32、及びブレーキセンサ33の各検出信号が、車両周辺監視装置10に入力される。また、車両周辺監視装置10から出力される制御信号により、スピーカ41の出力と表示器42の表示が制御される。
【0020】
車両周辺監視装置10は、図示しないCPU、メモリ、インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持された車両周辺監視用のプログラムをCPUで実行することによって、左カメラ21又は右カメラ22のいずれか一方(単眼カメラ)の時系列の撮像画像に基づいて、車両1と対象物間の距離を検出する単眼距離検出部11、左カメラ21及び右カメラ22の双方(ステレオカメラ)の同時点での撮像画像に基づいて、車両1と対象物間の距離を検出するステレオ距離検出部12、単眼距離検出部11又はステレオ距離検出部12による検出距離に基づいて対象物の位置を追跡する対象物位置追跡部13、及び、車両1と対象物との接触可能性を判定する接触判定部14として機能する。
【0021】
単眼距離検出部11は、左カメラ21又は右カメラ22の時系列の撮像画像(単眼カメラによる時系列の撮像画像)から、同一対象物の画像部分を抽出し、時系列の撮像画像間における同一対象物の画像部分の大きさの変化率を算出する。そして、この変化率と車速センサ32により検出される車両1の走行速度とに基づいて、車両1と対象物間の距離を算出する。
【0022】
なお、単眼カメラの時系列の撮像画像間における同一対象物の画像部分の大きさの変化率と、車両1の走行速度とに基づいて、車両1と対象物間の距離を算出する具体的な処理については、上掲した特許第4267657号公報等に記載された公知のものであるので、ここでは説明を省略する。
【0023】
ステレオ距離検出部12は、左カメラ21及び右カメラ22により同時刻に撮像された各画像(ステレオカメラによる撮像画像)から同一対象物の画像部分を抽出して、この同一対象物の画像部分間の視差を算出する。そして、この視差に基づいて車両1と対象物間の距離を算出する。
【0024】
なお、ステレオカメラの撮像画像における同一対象物の画像部分間の視差に基づいて、車両1と対象物間の距離を算出する処理は、上掲した特開2003−284057号公報等に記載された公知のものであるので、ここでは説明を省略する。
【0025】
対象物位置追跡部13は、図1を参照して、車両1との距離が切替距離Dch(例えば50m、本発明の所定距離に相当する)を越える範囲である第1領域AR1に存在する対象物Pとの距離を、単眼距離検出部11により検出する。そして、対象物位置追跡部13は、この距離を用いて、撮像画像上の対象物Pの画像部分の位置を実空間座標に座標変換することにより、対象物の実空間位置を算出して対象物Pの位置を追跡する。
【0026】
対象物Pが、車両1との距離が切替距離Dch以下の範囲である第2領域AR2に入った後は、対象物位置追跡部13は、ステレオ距離検出部12により車両1と対象物Pとの距離を検出して、対象物Pの位置を追跡する。
【0027】
対象物位置追跡部13は、対象物の位置の変化から、ヨーレートセンサ31に検出される車両1のヨーレートにより補正を行って算出される対象物の移動ベクトルを求める。そして、接触判定部14は、対象物の移動ベクトルが、予め車両1の近傍に設定された接触判定領域内に車両1に接近する方向で入ったときに、ブレーキセンサ33によりブレーキ操作が検出されていないときには、スピーカ41からの音声出力と表示器42への警報表示とにより、運転者に注意を促す報知を行なう。
【0028】
次に、図3に示したフローチャートに従って、対象物位置追跡部13による対象物の位置の追跡処理について説明する。
【0029】
STEP1で、対象物位置追跡部13は、図4を参照して、左カメラ21又は右カメラ22の撮像画像50において抽出された対象物の画像部分(図4では61,62を例示)の位置が、車両1からの距離が切替距離Dch以下である範囲を想定して設定された特定画像領域BR1内であるか否かを判断する。
【0030】
撮像画像50はx座標(水平座標)が0〜m、y座標(垂直座標)が0〜nの、m+1×n+1個の画素からなり、図4では、特定画像領域BR1が、撮像画像50の下側のy座標が0〜ychである範囲に設定されている。
【0031】
そして、画像部分の位置が特定画像領域BR1内であるとき(画像部分62の状態)は、STEP6に分岐し、対象物位置追跡部13は、以後はステレオ距離検出部12により車両1と対象物間の距離を算出して、対象物の位置を追跡する。これにより、車両1に接近した対象物と車両1間の距離を精度良く検出して、対象物の位置を追跡することができる。
【0032】
一方、画像部分の位置が特定画像領域BR1外であるとき(画像部分61の状態)には、STEP2に進み、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11により車両1と対象物間の距離D1を検出する。これにより、車両1からある程度離れて、未だ高精度での距離検出が要求されない対象物については、演算量を低減して車両1との距離を検出することができる。
【0033】
続くSTEP3で、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11により検出された車両1と対象物間の距離D1が、切替距離Dch±Δdの範囲(本発明の監視距離範囲に相当する)内であるか否かを判断する。この切替距離Dch±Δdの範囲は、図4の撮像画像50では、y座標がych±Δyである範囲にほぼ相当する。また、実空間位置では、図5に示した範囲となる。
【0034】
STEP3で、単眼距離検出部11により検出された車両1と対象物間の距離D1が、切替距離Dch±Δdの範囲でないときは、STEP20に分岐する。この場合は、車両1と対象物間の距離がある程度長く、単眼距離検出部11による距離検出の精度の低さがさほど問題とならない。そこで、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11による検出距離により、対象物の位置を追跡する。
【0035】
一方、単眼距離検出部11により検出された車両1と対象物間の距離D1が、切替距離Dch±Δdの範囲であるときには、STEP4に進む。この場合は、車両1と対象物間の距離が短くなっており、単眼距離検出部11による検出精度の低さにより、図5に示したように、単眼距離検出部11により検出された車両1と対象物間の距離D1がDch〜Dch+Δdの範囲であるが、実際には車両1と対象物間の距離がD1以下である場合(図中P(t11)の場合)がある。
【0036】
また、単眼距離検出部11により検出された車両1と対象物間の距離D1がDch−Δd〜Dchの範囲であるが、実際には車両1と対象物間の距離がD1を越えている場合(図中P(t10)の場合)がある。
【0037】
そこで、これらの場合にはSTEP4で、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11よりも高精度の距離検出が期待できる、ステレオ距離検出部12により車両1と対象物間の距離を再検出する。そして、続くSTEP5で、対象物位置追跡部13は、ステレオ距離検出部12により検出した車両1と対象物間の距離D1が切替距離Dch以下であるか否かを判断する。
【0038】
STEP5で、ステレオ距離検出部12により検出した車両1と対象物間の距離D1が切替距離Dch以下であるときはSTEP6に進む。そして、対象物位置追跡部13は、以後は、ステレオ距離検出部12による検出距離により、対象物の位置を追跡する。これにより、図5のP(t11)に示したように、車両1と対象物間の距離が切替距離Dch以下になっているにも拘わらず、単眼距離検出部11による距離検出の精度の低さにより、ステレオ距離検出部12による距離検出に切替わるタイミングが遅れることを防止することができる。
【0039】
一方、STEP5で、ステレオ距離検出部12により検出した車両1と対象物間の距離D1が切替距離Dchを超えているときにはSTEP20に分岐する。そして、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部による検出距離による対象物の位置の追跡を継続する。これにより、図5のP(t10)に示したように、車両1と対象物間の距離が切替距離Dchを超えているにも拘わらず、単眼距離検出部11による距離検出の精度の低さにより、ステレオ距離検出部12による距離検出に早めに切替わってしまい、距離検出に要する演算量が増加することを防止することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、図3のSTEP1で、左カメラ21又は右カメラ22の撮像画像における位置が、切替距離Dch以下となる範囲を想定して設定された特定画像領域BR1内である対象物に限定して、ステレオ距離検出部12により車両1との距離を検出し、画像部分の位置が特定画像領域外である対象物については、単眼距離検出部11により車両1との距離を検出した。しかし、ステレオ距離検出部12のみにより車両1と対象物間の距離を検出し、単眼距離検出部11による車両1と対象物間の距離の検出を行わない場合にも、本発明の効果を得ることができる。
【0041】
また、本実施形態では、図3のSTEP3で、単眼距離検出部11による車両1と対象物間の距離が切替距離Dch±Δdの範囲内となったときに、ステレオ距離検出部12により車両1と対象物間の距離を再検出して、車両1と対象物間の距離が切替距離Dch以下であるか否かを判断する処理を行ったが、この処理を行わない場合にも本発明の効果を得ることができる。
【0042】
また、本実施の形態では、図3のSTEP1で、左カメラ21又は右カメラ22の撮像画像における対象物の位置が特定画像領域BR1(図4参照)内であるときに、STEP6に分岐して、ステレオ距離検出部12により車両1と対象物間の距離を検出したが、特定画像領域BR1外で、単眼距離検出部11により車両1との距離が検出された対象物の位置が、特定画像領域BR1内に変位したときに限定して、ステレオ距離検出部12による距離検出に切替えるようにしてもよい。
【0043】
この場合には、路面の反射等により、特定画像領域BR1内に急に現れた画像部分を、距離検出の対象であると誤検知して、車両1との接触の誤判定がなされることを防止することができる。
【0044】
また、本実施形態では、左カメラ21及び右カメラ22に赤外線カメラを用いたが、可視光カメラを用いてもよい。
【0045】
また、本実施形態において、単眼距離検出部11は、単眼カメラの時系列の撮像画像間における同一対象物の画像部分の大きさの変化率と、車両1の走行速度とに基づいて、車両1と対象物間の距離を検出したが、他の手法により車両1と対象物間の距離を検出してもよい。他の手法としては、例えば、画像部分のサイズを、予め用意した特定種別(歩行者等)の画像部分のサイズと距離との対応マップに適用して、車両1と対象物間の距離を求める手法や、撮像画像における対象物の画像部分の位置(接地点)から、車両1と対象物間の距離を求める手法を用いることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、単眼距離検出部11による距離検出と、ステレオ距離検出部12による距離検出とを切替えたが、ステレオカメラに替えてレーダ等の測距装置を備え、遠方領域については単眼距離検出部11により対象物との距離を検出し、至近領域についてはレーダ等の測距装置により対象物との距離を検出する場合にも、本実施形態と同様の切替処理の適用が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…車両、10…車両周辺監視装置、11…単眼距離検出部、12…ステレオ距離検出部、13…対象物位置追跡部、14…接触判定部、21…左カメラ、22…右カメラ、31…ヨーレートセンサ、32…車速センサ、33…ブレーキセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された2台のカメラにより撮像された同一対象物の画像部分の視差に基づいて、前記車両と該対象物との距離を検出するステレオ距離検出部と、
前記カメラの撮像画像における対象物の画像部分の位置が、前記車両からの距離が所定距離以下である範囲を想定して設定された特定画像領域内であるときに限定して、前記ステレオ距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡する対象物位置追跡部と
を備えたことを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両周辺監視装置において、
前記車両に搭載された1台のカメラにより撮像された対象物の画像部分に基づいて、該車両と該対象物との距離を検出する単眼距離検出部を備え、
前記対象物位置追跡部は、前記カメラの撮像画像における対象物の画像部分の位置が、前記特定画像領域外であるときは、前記単眼距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡することを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両周辺監視装置において、
前記対象物位置追跡部は、前記単眼距離検出部により検出した前記車両と対象物間の距離が、前記所定距離を含む監視距離範囲内となったときに、前記ステレオ距離検出部により前記車両と対象物間の距離を算出し、前記ステレオ距離検出部による検出距離が前記所定距離以下であるときには、前記ステレオ距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡することを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両周辺監視装置において、
前記対象物位置追跡部は、対象物の画像部分が前記特定画像領域外にあるときから、前記単眼距離検出部により前記車両と対象物間の距離を検出して該対象物の位置の追跡を開始し、前記単眼距離検出部による検出距離が前記監視距離範囲内になり、且つ、前記ステレオ距離検出部による前記車両と該対象物間の検出距離が前記所定距離以下になったときに、その後は、前記ステレオ距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡することを特徴とする車両周辺監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−54399(P2013−54399A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189999(P2011−189999)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】