説明

車両接近警告装置

【課題】 電気自動車やハイブリッド車は振動が小さく低音で走行する為、特に低速走行時は歩行者等が車の接近を知ることが困難である。当発明品は低速走行時に音を発生させ高速走行時には音を発生させない車両接近警告装置に関する。
【解決手段】低速走行時、車両接近警告装置4の回転速度が低いときは粒状球体5が重力で音発生部材6凸部から落下し、音発生部材7凸部に衝突しながら音発生部材6凹部に衝突、音を出しながら仕切り板8に落ち止まる。仕切り板8で止まった粒状球体5は車両接近警告装置4の回転で上部に上がり始め音発生部材7凸部から音発生部材6凹部に衝突し音を出しながら音発生部材6凸部を経由して仕切り板8に戻り止まる。車両接近警告装置4の回転速度が一定以上になると仕切り板8で止まった粒状球体5は遠心力の作用により仕切り板8に付勢し気付き音の発生を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気自動車やハイブリッド車の低速低音走行において歩行者等に、車両の接近を気付かせるための音発生装置である。
【背景技術】
【0002】
従来の電気自動車やハイブリッド車には歩行者等に車両の接近を気付かせるための音発生装置が知られている(特許文献1参照)。また、気付き音を発生する必要のない自動車専用道路や高速道路で走行している場合には、気付き音を発生させない音発生装置も知られている(特許文献2参照)。
【0003】
ホイールキャップ車軸に鈴を入れ、タイヤの回転を利用し気付き音を出す装置も考案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−136831号公報
【特許文献2】特開2002−238101号公報
【特許文献3】特開2008−137610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に述べた従来の気付き音発生装置では、自動車の車速を検知するセンサーや音を発生するためのスピーカなどの複雑な電子機器が必要になるため、コストが上昇する。特に特許文献2の技術においては車両が走行する道路を検出するために、カーナビゲーションなどの電子機器が必要になるため、コストが更に上昇する。
【0006】
本発明品は低コストで,車両接近気付き音の音発生と音無しを車速により制御出来る車両接近警告装置を提供する事が目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に述べた問題を解決するため、請求項1の本発明は、環状に形成した回転筒を車両タイヤホイール中央部に取り付け、車速が早くなるとタイヤの回転と同調し回転速度が高くなり、車速が遅くなると回転速度が低くなる回転筒体が回転することで、回転筒体内部に収納してある粒状体が摩擦・衝突して気付き音を発生させることを特徴とする。
【0008】
請求項2の本発明は、前記回転筒体内には前記粒状体が摩擦・衝突して気付き音を発生させる音発生部材を配設してあり、前記回転筒体が回転するとき前記回転筒体内で移動する前記粒状体が前記音発生部材に摩擦・衝突して気付き音を発生させることを特徴とする。
【0009】
請求項3の前記回転筒体内には、前記粒状体の移動を規制する仕切り板が配設してあり、これにより前記回転筒体が一定の速度以上で回転したとき遠心力の作用により、前記粒状体を前記仕切り板に付勢する事で気付き音の発生を阻止する事が出来る。
【0010】
請求項4記載の粒状体は粒状球体であって、大きさ・重さ・材質・回転筒体内部に収納する量を変える事で気付き音の音質を変える事が出来る。
【0011】
上記に述べた手段により、車速が遅く低音で走行している時は音発生部材により気付き音が発生し、歩行者等に車両の接近の危険を気付かせる事が出来、一定の速度以上になると遠心力の作用により音を発生しない状態にする事が出来る。この事から車速を検知するセンサーや音出装置などの電子機器を使用しない低コストの車両接近警告装置を提供する事ができる。
【発明の効果】
【0012】
低速走行時、歩行者等に車の接近の危険を気付かせる為やむをえずクラクションを間欠的に鳴らす事があった。又、障害者や老人はクラクションの音に心理的に悪影響を与える為クラクションを鳴らす事が出来なかったが、この装置でその問題は軽減される。
【0013】
車速を検知するセンサーや音出装置など複雑な電子機器を使用しないのでコストが安い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】車両接近警告装置をタイヤホイールに取り付けた車両の斜視図である。
【図2】本発明品をホイールに取り付けた側面図である。
【図3】本発明品の断面図である。
【図4】本発明品の内部の一部を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は車両接近警告装置をタイヤホイールに取り付けた車両の斜視図である。矢印は車両進行方向を表している。
【0016】
本発明品は、車両前輪タイヤホイール3の回転軸が中心になる様にタイヤホイール3に磁石により固定又は、ホイールナットを利用し締結し固定する。
【0017】
本発明品の内部には図3(断面図)のように回転軸内側に凸部6が2箇所設けられその間には凹部があり、凹部上部回転軸外側には凸部7が設けられており6と7の間は粒状球体が移動するに十分なスペースが設けられている。
【0018】
車両1が速度を上げ前進するとタイヤ2が回転する事により本発明品である4が回転し始め、図3の本発明品(断面図)にある音発生部材5が音発生部材6凸部から音発生部材7凸部に接触ながら音発生部材6凹部に伝わり、音を出しながら落下し仕切り板8で止まる。
【0019】
仕切り板8で止まった音発生部材5は、回転により上部に上がる事で音発生部材7凸部から音発生部材6凹部に接触し、音を出しながら落下して音発生部材6凸部を経由して仕切り板8で音発生部材5は元の場所で止まり、本発明品4が回転する事で繰り返えされる。
【0020】
車両1の速度が上がりタイヤ2の回転が高くなると、本発明品4の回転も高くなり、これが一定の速度以上の回転になると仕切り板8で止まった音発生部材5は、遠心力の作用により仕切り板8に付勢し音の発生を阻止する。
【0021】
本発明品4の回転筒体内には4箇所対角線に仕切り板8が配設してあり、4箇所の部屋に分かれ各部屋とも同じ構造となっている。
【符号の説明】
1 車両
2 タイヤ
3 タイヤホイール
4 本発明品、車両接近警告装置
5 音発生部材、粒状球体
6 音発生部材、凸凹部
7 音発生部材、凸部
8 仕切り板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のタイヤホイール等に取り付けることによりタイヤ回転時に気付き音を発生させる車両接近警告装置であって、環状に形成した回転筒体内部に粒状体を収納してなり、タイヤ回転時に前記回転筒体内で前記粒状体が移動し、摩擦・衝突して気付き音を発生させることを特徴とする東両接近警告装置。
【請求項2】
前記回転筒体内には、前記粒状体が摩擦・衝突して気付き音を発生する音発生部材を配設し、前記回転筒体が回転するとき前記回転筒体内で移動する前記粒状体が前記音発生部材に摩擦・衝突して気付き音を発生させることを特徴とする請求項1記載の車両接近警告装置。
【請求項3】
前記回転筒体内には、前記粒状体の移動を規制する仕切り板を配設し、前記回転筒体が一定の速度以上で回転するときに作用する遠心力によって前記粒状体を前記仕切り板に付勢し、気付き音の発生を阻止することを特徴とする請求項1または2記載の車両接近警告装置。
【請求項4】
前期粒状体は、粒状球体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両接近警告装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−255874(P2011−255874A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146838(P2010−146838)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(510180142)
【Fターム(参考)】