説明

車両搭載型計重装置

【課題】
車両搭載型計重装置において、ロードセルユニットの回転捩れ、取付誤差を吸収可能にすると共に、シャシーに対して荷台が前後方向に微動するのを防止して計重精度を高めることである。
【解決手段】
左右一対で一組となった複数組のロードセルユニットUが左右一対のシャシーCに取付けられて、前記一対のシャシーCの荷台51に積載された被積載物Lの重量をそのままで計重するための車両搭載型計重装置であって、ロードセル側連結板14の下面に取付けられた左右一対の支持板部15に、支持ピン16が運搬車両Tの幅方向Yに沿って支持されて、当該支持ピン16は、前記一対の支持板部15の間に配置された球面軸受Bの内輪31に挿通され、前記ロードセルユニットUの先端の荷重支持部13は、前記球面軸受Bを介して前記支持ピン16に連結された構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対のシャシーに左右一対で一組となった複数組のロードセルユニットが取付けられて、運搬車両の荷台に積載された被積載物の重量をそのままで計重できる両搭載型計重装置に関するものである。なお、本明細書において、「計重」とは、物体の重量を測定することをいう。
【背景技術】
【0002】
上記構成の車両搭載型計重装置としては、特許文献1,2に開示の装置が知られているが、特許文献1,2に共通の構成として、各ロードセルユニットの先端自由端部の荷重支持部を球面軸受の内輪に直接に挿入支持することにより、当該荷重支持部と荷台側の連結部とは、車両(荷台)の前後方向に軸心が配置された球面軸受を介して支持される構造であった。
【0003】
このため、特に引例1では、車両の前後方向に軸心が配置された球面軸受がフレキャに連結されており、当該フレキシャは、垂直方向には柔軟であっても、前後方向を含んだ水平方向には、剛性の高い構造となっている。よって、球面軸受は、フレキシャに動きを正弦されて、回動ないし回転できず、ロードセルユニットの幅方向及び前後方向の捩れを吸収できない。
【0004】
また、フレキシャを用いない場合には、運搬車両(荷台)の前後方向に軸心が配置された球面軸受を使用すると、球面軸受を構成する内輪と外輪は、運搬車両の前後方向を含む垂直面内において運搬車両の前後方向に沿った相対移動が可能である。従って、車両の急発進又は急停止、或いは走行中における急激な速度変化により、当該車両の前後方向に大きな加速度が作用すると、シャシー、或いは当該シャシーに取付けられたロードセルユニットに対して荷台が前後方向に微動されることがあって、シャシーに対する荷台の取付安定性が低下して、事故の原因となる。このため、特許文献2では、シャシーに取付けられる複数のロードセルユニットのうちの一部を、車両の前後方向に対して直交させたり、或いは傾斜させて配置することにより、当該シャシーに対して荷台が前後方向に微動するのを防止している。しかし、複数のロードセルユニットを左右非対象に配置すると、各ロードセルユニットの負荷も不均等となって、計重精度の低下の原因となると共に、ロードセルユニットを前後方向に対して傾斜して取付けることは、シャシーに対する取付構造自体が複雑となる問題がある。
【0005】
また、運搬車両(荷台)の前後方向に軸心が配置された球面軸受を使用した場合には、球面軸受を構成する内輪と外輪は、運搬車両の前後方向を含む垂直面内において運搬車両の前後方向に沿った相対移動が可能である。このことは、ロードセルユニットの荷重支持部に対する運搬車両の前後方向に沿った荷重作用点が微動したり、或いはロードセルユニットの荷重支持部に対する荷重方向が僅かに変化することを意味し、その結果、計重精度が低下するという、ロードセルユニットを使用した計重装置の本質的な欠点が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−74540号公報
【特許文献2】特開2004−299847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、左右一対で一組となった複数組のロードセルユニットを備えた車両搭載型計重装置において、前記ロードセルユニットの回転捩れ、及び取付誤差を吸収可能にすると共に、シャシーに対して荷台が前後方向に微動するのを防止して計重精度を高めることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、左右一対のシャシーの上面に荷台フレームを介して荷台が一体に取付けられる塵埃運搬車等の運搬車両の前記シャシーの部分に、左右一対で一組となった複数組のロードセルユニットが取付けられ、前記荷台フレームの下面のフレーム側連結部と前記ロードセルユニットの先端の自由端部に取付けられたロードセル側連結部とは互いに連結されて、前記運搬車両の荷台に積載された被積載物の重量をそのままで計重するための車両搭載型計重装置であって、前記ロードセル側連結部の下面に取付けられた左右一対の支持板部に、支持ピンが前記運搬車両の幅方向に沿って支持されて、当該支持ピンは、前記一対の支持板部の間に配置された軸受の内輪に挿通され、前記ロードセルユニットの先端の自由端部は、前記軸受を介して前記支持ピンに連結されていることを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明によれば、軸受の軸心は、車両の幅方向に配置されて、ロードセル側連結部の下面に一体に設けられた左右一対の支持板部に支持された支持ピンは、当該軸受の内輪に挿通されて、ロードセルユニットの先端の自由端部は、前記軸受を介して前記支持ピンに連結されているので、当該ロードセルユニットの荷重支持部に対して荷台が車両の前後方向に微動できない構造となって、左右一対で一組となった複数組のロードセルユニットにより荷台の荷重を支持している。従って、車両が急発進、急停止等して、車両の進行方向に沿った大きな加速度が発生しても、シャシーに対して荷台が前後方向に微動しないので、安定した状態で荷台の被積載物を運搬できる。
【0010】
また、ロードセルユニットの荷重支持部に対して荷台が運搬車両の前後方向に微動できない構造であって、当該荷重支持部に対する運搬車両の前後方向に沿った荷重作用点が不変であるので、ロードセルユニットの計重精度が高められる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記軸受は、球面軸受であって、前記ロードセルユニットの先端自由端部の両側面と、前記一対の支持板部の内側面との間には、前記ロードセルユニットの捩れを吸収可能とすべく、僅かの隙間が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明によれば、球面軸受の外輪及び内輪の各軸心位置が相対的に変化して、運搬車両の幅方向を含む垂直面内における球面軸受の内輪と外輪との当該幅方向への相対移動を許容する構造と、前記隙間の存在とが協働して、ロードセルユニットに対して荷台が前後方向に微動しない構造に加えて、ロードセルユニットの長手方向に沿った回転捩れを許容する構造となる。この結果、ロードセルユニットに無理な回転力、即ち回転捩れが加わった場合には、球面軸受の外輪及び内輪の各軸心が相対的に変化することにより、当該回転捩れは容易に吸収されると共に、シャシーに対するロードセルユニットの取付誤差類があっても、当該取付誤差類は、球面軸受の内外輪の相対移動により、容易に吸収される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、ロードセルユニットに対して荷台が車両の前後方向に微動できない構造となって、左右一対で一組となった複数組のロードセルユニットにより荷台の荷重を支持している。従って、車両が急発進、急停止等して、車両の進行方向に沿った大きな加速度が発生しても、シャシーに対して荷台が前後方向に微動しないので、安定した状態で荷台の被積載物を運搬できると共に、ロードセルユニットの荷重支持部に対する運搬車両の前後方向に沿った荷重作用点が不変となって、計重精度が高められる。
【0014】
請求項2の発明によれば、球面軸受の外輪及び内輪の各軸心位置が相対的に変化して、運搬車両の幅方向を含む垂直面内における球面軸受の内輪と外輪との当該幅方向への相対移動を許容する構造と、ロードセルユニットの先端自由端部の両側面と前記一対の支持板部の内側面との間の隙間の存在とが協働して、ロードセルユニットに対して荷台が前後方向に微動しない構造に加えて、ロードセルユニットの長手方向に沿った回転捩れを許容する構造となる。この結果、ロードセルユニットに無理な回転力、即ち回転捩れが加わった場合には、球面軸受の軸心が変化することにより、当該回転捩れは容易に吸収されると共に、シャシーに対するロードセルユニットの取付誤差類があっても、当該取付誤差類は、ロードセルユニットが捩じられることにより、容易に吸収される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】左右一対のシャシーCの外側面に、前後二対のロードセルユニットUが取付けられた運搬車両Tの側面図である。
【図2】左右一対のシャシーCと前後二対のロードセルユニットUとの配置関係を示す平面図である。
【図3】(a),(b)は、それぞれロードセルユニットUの部分正面図、及び部分右側面図である。
【図4】左右一対のロードセルユニットUと荷台フレームFとを分離させた状態を下方から見た斜視図である。
【図5】ロードセルユニットUの先端の荷重支持部13が球面軸受Bを介して連結ピンに支持された状態の部分拡大正面図である。
【図6】同じく部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1ないし図6を参照して、本発明の実施例について更に詳細に説明する。図1は、左右一対のシャシーCの外側面に、前後二対のロードセルユニットUが取付けられた運搬車両Tの側面図であり、図2は、左右一対のシャシーCと前後二対のロードセルユニットUとの配置関係を示す平面図であり、図3(a),(b)は、それぞれロードセルユニットUの部分正面図、及び部分右側面図であり、図4は、左右一対のロードセルユニットUと荷台フレームFとを分離させた状態を下方から見た斜視図であり、図5は、ロードセルユニットUの先端の荷重支持部13が球面軸受Bを介して連結ピンに支持された状態の部分拡大正面図であり、図6は、同じく部分拡大平面図である。なお、以下の説明において、X,Yは、それぞれ運搬車両Tの前後方向及び幅方向を示し、Zは、上下方向を示す。
【0017】
図1ないし図3に示されるように、荷台51に被積載物Lを積載して運搬する運搬車両Tの基本構造は、左右一対のシャシーCが当該運搬車両Tのほぼ全長に亘って配置されて、当該一対のシャシーCの外側面に左右一対の一組となった前後二組のロードセルユニットUが取付けられ、荷台フレームFは、計4個のロードセルユニットUを介して左右一対のシャシーCに連結され、当該荷台フレームFの上面に荷台51が固定され、更に前記左右一対のシャシーCにおける運転席に達している部分に、運転席フレーム52が取付けられる。前後二対のロードセルユニットUは、左右一対のシャシーCの外側面における荷台51の後端部と、前端部よりも僅かに後方に対応する各部分にロードセルユニット取付台Sを介してそれぞれ取付けられている。なお、図1及び図2において、W1 ,W2 は、それぞれ運搬車両Tの前輪、及び後輪を示す。
【0018】
また、シャシーCの幅方向の上下端部は、いずれも内側に折り曲げられて、曲げ剛性が高められている。当該シャシーCの外側面に固定されるロードセルユニット取付台Sは、当該シャシーCの外側面に複数本のボルト41を介して直接に固定される固定板部1と、当該固定板部1の外側面における高さ方向の中央部に、左右一対の支持板部2により下方から支持された状態で一体に取付けられた取付板部3とから成る。ロードセルユニットUは、前記ロードセルユニット取付台Sに固定される基端の固定部11と、歪みゲージが内蔵された中間のロードセル部12と、内装された球面軸受Bを介して荷台フレームFを支持することにより、荷台51の被積載物Lの荷重を分配支持する荷重支持部13との3つの部分から成る。また、ロードセルユニット取付台Sの取付板部3の上面には、運搬車両Tの前後方向Xに沿って所定間隔をおいて一対のユニット固定板4が複数本のボルト42を介して垂直に固定され、当該一対のユニット固定板4によりロードセルユニットUの固定部11を片持ち状に固定している。荷台フレームFを連結するためのロードセル側連結板14の裏面には、運搬車両Tの幅方向Yに沿って所定間隔をおいた一対の支持板部15が固定されており、当該一対の支持板部15の間に、ロードセルユニットUの荷重支持部13が挿入されて、当該一対の支持板部15と荷重支持部13とは、運搬車両Tの幅方向Yに配置された支持ピン16を介して連結されている。
【0019】
このため、図5及び図6に拡大して示されるように、ロードセルユニットUの先端の荷重支持部13は、球面軸受Bを介して支持ピン16に支持されている。即ち、球面軸受Bは、その外輪32がロードセルユニットUの荷重支持部31に形成された段差状の中空部19に嵌合され、前記支持ピン16は、球面軸受Bの内輪31に嵌合状態で挿入されている。ロードセルユニットUの先端の荷重支持部13が一対の支持板部15の間に配置された状態で、当該荷重支持部13の両側面と、前記一対の支持板部15の内側面との間には、それぞれ所定の隙間Eが形成されている。これにより、球面軸受Bの外輪32と内輪31との各軸心の相対位置が変更可能となって、運搬車両Tの幅方向Yを含む垂直面内における球面軸受Bの内輪31と外輪32との当該幅方向Yへの相対移動を許容する構造が実現される。図5には、球面軸受Bの内輪31と外輪32の各軸心位置CL1 が一致した状態から、不一致となって、球面軸受Bの内輪31に対して外輪32がロードセルユニットの軸心CL2 を中心に僅かに回転(回動)して、ロードセルユニットUの回転捩れが吸収される作用が図示されている。なお、図5及び図6において、17は、一対の支持板部15に対して球面軸受Bが軸心方向にスライドするのを防止するために、支点ピン16の外側に嵌合されたカラーを示し、18は、ロードセルユニットUの荷重支持部13に対して球面軸受Bの外輪32がスライドするのを防止するスナップリングを示し、33は、球面軸受Bのボールを示す。
【0020】
ロードセルユニットUの荷重支持部13の上記支持構造により、全てのロードセルユニットUが運搬車両Tの前後方向Xに沿って配置されていても、当該ロードセルユニットUに対して荷台51が前後方向Xに微動しなくなる。この結果、全てのロードセルユニットUと荷台51とが運搬車両Tの前後方向Xに沿って一体化された構造となり、当該運搬車両Tの急発進時、急停止時、或いは走行中における大きな速度変化時等において、当該運搬車両Tに大きな加速度が作用しても、全ロードセルユニットU、即ちシャシーCに対する荷台51の前後方向Xに沿った配置位置の変化はない。よって、全てのロードセルユニットUを運搬車両Tの前後方向Xである通常の配置にしても、シャシーCに対する荷台51の前後方向Xの微動(移動)が不能となって、被積載物Lの運搬時における安全が図られる。また、ロードセルユニットUの荷重支持部13に対する運搬車両Tの前後方向Xに沿った荷重支持点の位置が不変となって、ロードセルユニットUによる計重精度が高められる。
【0021】
また、球面軸受Bの内輪31及び外輪32の各軸心の相対位置が変化して、運搬車両Tの幅方向Yを含む垂直面内における球面軸受Bの内輪31と外輪32との当該幅方向Yへの相対移動を許容する構造と、ロードセルユニットUの荷重支持部13の両側面と、一対の支持板部15の内側面との間にそれぞれ所定の隙間Eが形成されている構造との相乗によって、ロードセルユニットUの長手方向に沿った回転捩りの吸収が可能となる。このため、シャシーCに対するロードセルユニットUの取付誤差の吸収が可能となって、ロードセルユニットUの歪ゲージ(図示せず)に被積載物Lの荷重以外の計重の障害となる荷重が作用しなくなって、計重精度、及び耐久性の双方が高められる。また、運搬車両Tの走行時において、急なカーブを曲がって走行する場合等において、シャシーCに捩り力が作用したりして、ロードセルユニットUに当該捩り力が作用しても、当該ロードセルユニットUの回転捩りを吸収できる。この点においても、ロードセルユニットUの歪ゲージに、計重の障害となる力が作用しなくなって、計重精度、及び耐久性の双方が高められる。
【0022】
また、荷台フレームFは、断面縦長方形状の縦横の各型鋼21,22を縦横に組んで形成された部材であって、幅方向Yの両端部の2本の縦型鋼21の間であって、しかも前後方向Xの両端部の計4箇所には、フレーム側連結板23が一体に設けられている。当該フレーム側連結板23は、荷台フレームFの下面と一致するように配置され、曲げ強度を高めるために、フレーム側連結板23の前後方向Xの中央部には、補強板24が幅方向Yに沿って起立して一体に設けられている。
【0023】
そして、図3に示されるように、各ロードセルユニットUの荷重支持部13に取付けられた計4個のロードセル側連結板14の上面に荷台フレームFを載せて、ロードセルユニットUに取付けられたロードセル側連結板14と、荷台フレームFに取付けられたフレーム側連結板23とを複数本のボルト43で連結すると、計4個のロードセルユニットUの荷重支持部13に荷台フレームFが一体に連結される。これにより、荷台フレームFの下面と、シャシーCの上折曲げ部C1 との間には、被積載物Lの運搬中において、当該荷台フレームFの上下方向Zの変形によって、当該荷台フレームFがシャシーCの上折曲げ部C1 に接触しない隙間25〔図1及び図3(b)参照〕が形成される。また、一対のシャシーCにロードセルユニット取付台Sを介して前後二対のロードセルユニットUが取付けられた状態において、全てのロードセルユニットUは、荷重支持部13が車両の前方を向いて配置されている。なお、荷台フレームFに載せられた荷台51は、当該荷台フレームFの縦横の各型鋼21,22に対して多数本のボルト類(図示せず)を介して固定される。
【0024】
このため、荷台51に積載された被積載物Lの重量は、計4個の各ロードセルユニットUの荷重支持部13に分配して作用し、計4個の各ロードセルユニットUで計重された各重量の加算により、前記被積載物Lの重量が計重される。なお、ロードセルユニットUの荷重計測原理は、ロードセル部に内装された歪みゲージの機械的歪を出力電圧に変換して計測するものであって、産業界において多用されて、広く知られている。
【0025】
また、上記実施例では、ロードセルユニットUの荷重支持部13の両側面と、左右一対の支持板部15の内側面との間に隙間Eを設けて、ロードセルユニットUの長手方向を中心とする回転捩りを吸収可能な構造であるが、前記隙間Eをなくしても、ロードセルユニットUの荷重支持部13と荷台51とは、前後方向Xに沿って一体構造となっているために、シャシーCに対する荷台51の前後方向Xに沿った微動を防止できると共に、前記荷重支持部13に対する前後方向Xに沿った荷重作用点が不変である構造は、維持できる。なお、前記隙間Eが存在しない場合には、球面軸受に替えて、ラジアル軸受の使用も可能である。
【0026】
また、上記実施例では、一対のシャシーCにロードセルユニット取付台Sを介して左右一対で一組の二組のロードセルユニットUが取付けられた状態において、全てのロードセルユニットUは、荷重支持部13が車両の前方を向いて配置されており、本発明では、ロードセルユニットUが運搬車両Tの前後方向Xに配置されることは必要条件であるが、当該ロードセルユニットUの荷重支持部13は、前後方向Xのいずれを向いて配置されてもよいし、使用されるロードセルユニットUは、二組を超える組数であってもよい。
【0027】
また、上記実施例では、左右一対で一組の二組のロードセルユニットUは、ロードセルユニット取付台Sを介してシャシーCの外側面に取付けられているが、ロードセルユニットUは、当該シャシーCの上面に取付けられた構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
C:シャシー
CL1 :球面軸受の軸心(内輪と外輪の一致した軸心)
CL2 :ロードセルユニットの軸心
F:荷台フレーム
L:被積載物
S:ロードセルユニット取付台
T:運搬車両
U:ロードセルユニット
X:運搬車両の前後方向
Y:運搬車両の幅方向
13:ロードセルユニットの荷重支持部
14:ロードセル側連結板
15:支持板部
16:支持ピン
23:フレーム側連結板
31:球面軸受の内輪
32:球面軸受の外輪
51:荷台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のシャシーの上面に荷台フレームを介して荷台が一体に取付けられる塵埃運搬車等の運搬車両の前記シャシーの部分に、左右一対で一組となった複数組のロードセルユニットが取付けられ、
前記荷台フレームの下面のフレーム側連結部と前記ロードセルユニットの先端の自由端部に取付けられたロードセル側連結部とは互いに連結されて、
前記運搬車両の荷台に積載された被積載物の重量をそのままで計重するための車両搭載型計重装置であって、
前記ロードセル側連結部の下面に取付けられた左右一対の支持板部に、支持ピンが前記運搬車両の幅方向に沿って支持されて、当該支持ピンは、前記一対の支持板部の間に配置された軸受の内輪に挿通され、
前記ロードセルユニットの先端の自由端部は、前記軸受を介して前記支持ピンに連結されていることを特徴とする車両搭載型計重装置。
【請求項2】
前記軸受は、球面軸受であって、前記ロードセルユニットの先端自由端部の両側面と、前記一対の支持板部の内側面との間には、前記ロードセルユニットの捩れを吸収可能とすべく、僅かの隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両搭載型計重装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−98067(P2012−98067A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243870(P2010−243870)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(591138108)株式会社守隨本店 (4)
【Fターム(参考)】