説明

車両検知装置、異常判定方法、プログラムおよびETCシステム

【課題】先頭の車両検知器の異常を短時間に判定すること。
【解決手段】車両検知器S1〜S5が車両50の位置を検知することにより車両50の前進過程が検出される毎に加算される割付カウンタ14と、車両検知器S1により車両50の停止が検出されているにも関わらず他の車両検知器S2〜S5が車両50を検知する毎に加算される未割付カウンタ15と、を備え、車両検知器S2が車両50を検知してからいずれの車両検知器S1〜S5も車両50を検知していない状態となるまでの間に車両50を検知する車両検知器S1〜S5の個数をM(MはN以下の自然数)とするときに、割付カウンタ14および未割付カウンタ15は、割付カウンタ14のカウント値がMに達したときにリセットされ、未割付カウンタ15のカウント値が所定の閾値に達したときに車両検知器S1が異常であると判定する車両管理部10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両検知装置、異常判定方法、プログラムおよびETC(Electric Toll
Collection)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2には、ETCシステムの異常を判定する技術が記載されている。特許文献1によれば、車両を検知する複数の車両検知器が車両の移動状況を検知する際の検知パターンを調べることにより、システムの異常を判定している。すなわち、複数の車両検知器から出力される判定結果の正常な場合の検知パターンを予め保持しておき、この正常な場合の検知パターンとは異なる検知パターンが得られた場合、システムの異常と判定するというものである。
【0003】
また、特許文献2によれば、ETC用入口ゲートから得られる入口明細情報とETC用出口ゲートから得られる出口明細情報とを比較し、その矛盾点を調べることによりシステムの障害発生を判定している。
【0004】
ここで、車両検知器とは、車両の移動状況を検知するために、車両の進行方向に対して並列に順次設置される複数N(Nは自然数)個のセンサをいう。検知方式には、透過方式と反射方式とがある。すなわち、透過方式は、車両が通過するETCレーンを光軸が横切るように、ETCレーンの両側に投光器と受光器とを配置する方式である。一方、反射方式とは、1つの車両検知器が投光器と受光器とを併せ持ち、投光器から照射して車両に反射した光を同じ車両検知器の受光器が捕らえる方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−228747号公報
【特許文献2】特開2005−284863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1および特許文献2の技術は、ETCシステムの全体的な異常の有無を判定するものである。これに対し、複数N個の車両検知器の中で、先頭に位置する車両検知器は、車両管理の開始および無線通信の開始のためのトリガとしての重要な役割を果たす。よって、ETCシステムの全体的な異常を判定する前に、先頭の車両検知器の異常をいち早く判定することが重要である。このような観点から観たときに、上述した特許文献1および特許文献2の技術では、この要求を満たすことはできない。
【0007】
また、車両検知器の異常を判定する周知の方法として、ある車両検知器が所定時間以上、検知信号を絶え間なく出し続けている場合、この車両検知器を異常と判定する方法がある。しかし、所定時間をたとえば5分間とすれば、5分間が経過するまで車両検知器の異常が判定できないことになり好ましくない。
【0008】
この問題点を図11および図12を参照して詳細に説明する。まず、図11を参照して従来のETCシステムにおける機器配置例を説明する。図11は、透過方式の車両検知器S1〜S5を設置した例である。車両検知器S1〜S5は、車両50の進行方向に対して並行になるように、ETCレーン51の両側に配置されている。
【0009】
1番目のアンテナ52による無線通信は、車両検知器S1がON状態となった時点から開始される。アンテナ52による無線通信では、車両50の車載機(不図示)に挿入されたIC(Integrated Circuit)カードの識別情報の確認その他のETCに必要な処理が行われる。そして、アンテナ52による無線通信は、車両検知器S2がON状態になった時点で終了する。
【0010】
また、アンテナ52による無線通信の結果、車載機のICカードなどに問題が無ければ発進制御機53のバーが開く。その後、車両50が進行すると、車両検知器S3、S4がそれぞれ車両50を検知してON/OFFし、車両検知器S5がONとなった時点で2番目のアンテナ54による無線通信が開始される。アンテナ54による無線通信では、車種修正情報などを車両50の車載機のICカードに書き込む。また、車両検知器S4がOFFとなった時点で発進制御機53のバーが閉じる。
【0011】
なお、車両検知器S1〜S5、発進制御機53の制御は、車線サーバ55によって行われる。また、車線サーバ55には、車線監視制御盤56が接続されており、管理者は、この車線監視制御盤56によりETCシステムの監視および操作を行うことができる。さらに、車線サーバ55は、車両検知器S1〜S5の検知信号を入力し、車両50の移動状況を認識する。この認識結果は、車線監視制御盤56に出力される。
【0012】
なお、以下の説明では、「車線サーバ55が車両検知器S1において検知した車両50を認識する」ことを「車線サーバ55は、車両50を車両検知器S1に割付ける」と表現する。
【0013】
また、アンテナ52および54による無線通信は、車両50の車載機とETC処理装置57との間で行われる。
【0014】
このようなETCシステムにおいて、図12に示すように、車両検知器S1の投光器または受光器にゴミが付着するなどしてON状態が継続したとする。このような場合、車両検知器S1がON状態となった時点で、車線サーバ55は、車両50が進入してきたとして車両50を車両検知器S1に割付ける。ここで実際に、車両50が進入してきたとすると、車両検知器S1は既にON状態であり、車両検知器S1は、車両50の進入を検知不能である。
【0015】
さらに車両50が前進し、車両検知器S2がON状態になると、車線サーバ55は、車両50が車両検知器S1の位置から車両検知器S2の位置まで前進したと認識する。これにより、車線サーバ55は、車両50を、車両検知器S1に加え車両検知器S2にも割付ける。
【0016】
さらに車両50が前進し、車両検知器S2がOFF状態になると、このときに車両検知器S1が未だON状態のままであるため、車線サーバ55は、車両50が車両検知器S1の位置まで後退したと判定する。よって、車線サーバ55は、車両検知器S2の車両50の割付けを解除する。これにより、車両50は、車両検知器S1のみに割付けられた状態となる。この時点で、1番目のアンテナ52による車両50とETC処理装置57との無線通信は終了している。車線サーバ55は、ETC処理装置57から車両50の車載機との通信処理において問題が無い旨の通知を受け取ると発進制御機53を開制御する。
【0017】
その後、実際には、車両50は、車両検知器S3、S4、S5の位置へと移動するが、車線サーバ55は、車両検知器S1の位置に後退した車両50はそのまま動いていないと判定している。これにより、車線サーバ55は、車両50を車両検知器S1に割付けたまま、他の車両検知器S2〜S5の検知出力は無視する。
【0018】
このような状態のまま、5分間以上が経過したときに、車線サーバ55は、やっと車両検知器S1の異常を認識し、警報を出力するなどの処置を行う。
【0019】
この間、ETCレーン51に進入してきた車両50以外の車両は、車線サーバ55によって認識されないため、アンテナ52、54による無線通信も行われず、非管理状態で通過することになる。
【0020】
このように無線通信しないで通過する状態が入口料金所で発生したときは、出口料金所でバーが開かず、車両がバーに接触したり、後続車との事故の可能性がある。また、このように無線通信しないで通過する状態が出口料金所で発生したときは、通行料の無課金となってしまう。すなわち、車両検知器S1に異常が発生すると大きな問題に繋がる。
【0021】
一方、車両検知器S1以外、たとえば車両検知器S2に異常が発生した場合には、車両検知器S1がON状態となる以前に車両検知器S2がON状態となる。このような状態は明らかに異常と判定できる。よって、車両検知器S2の異常については速やかに対応できるので、大きな問題には繋がらない。また、車両検知器S3〜S5に異常が発生した場合についても車両検知器S1が正常であれば車両検知器S2を車両が通過した時点で必要不可欠な無線通信は既に終了しており、大きな問題には繋がらない。
【0022】
以上説明したように、先頭の車両検知器S1は、車両管理の開始および無線通信の開始のためのトリガとしての重要な役割を果たす。また、車両検知器S1の異常は、上述したように、車両50の後退と区別がつきにくく判定が難しい。よって、この先頭の車両検知器S1の異常をいち早く判定することが求められている。
【0023】
また、先頭の車両検知器S1の異常を判定するために、図11に示すハードウェア構成に加え、更なる監視機器などのハードウェアを追加することや図11に示すハードウェア構成を変更することは、コストや設置工数の観点から好ましくない。
【0024】
なお、本発明では、車両検知器S1の異常状態として車両検知器S1の投光器または受光器にゴミ(たとえば雪)が付着して車両検知器S1がON状態を継続する場合を想定している。一方、車両検知器S1の他の異常状態として車両検知器S1の受光器が電気的に故障し、OFF状態を継続する場合も考えられる。しかしながら、昨今の電子回路技術の水準に鑑みたときに、投光器または受光器におけるゴミの付着による異常の発生確率と比較して電気的な故障が発生する確率はきわめて低いといえる。また、仮に、受光器などに電気的な故障が発生した場合には、車両検知器S1〜S5が有する自己診断機能などによって簡単に故障の判定が可能である。したがって、ここでは、投光器または受光器におけるゴミなどきの付着による異常状態のみを想定する。
【0025】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、先頭の車両検知器の異常を短時間に判定することができる車両検知装置、異常判定方法、プログラムおよびETCシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の第一の観点は、車両検知装置としての観点である。すなわち、本発明の車両検知装置は、車両の進行方向に対して並列に順次設置され、車両の移動状況を検知するための複数N(Nは自然数)個の車両検知器と、先頭に位置する第1番目の車両検知器の異常を判定する異常判定部と、を備える、車両検知装置において、車両検知器が車両の位置を検知することにより車両の前進過程が検出される毎に加算される割付カウンタと、第1番目の車両検知器により車両の停止が検出されているにも関わらず他の車両検知器が車両を検知する毎に加算される未割付カウンタと、を備え、第2番目の車両検知器が車両を検知してからいずれの車両検知器も車両を検知していない状態となるまでの間に車両を検知する車両検知器の個数をM(MはN以下の自然数)とするときに、割付カウンタおよび未割付カウンタは、割付カウンタのカウント値がMに達したときにリセットされ、未割付カウンタのカウント値が所定の閾値に達したときに第1番目の車両検知器が異常であると判定する手段を備えるものである。たとえば、所定の閾値は、Mの値を超え、Nの値以下に設定される。
【0027】
本発明の第二の観点は、異常判定方法としての観点である。すなわち、本発明の異常判定方法は、車両の移動状況を検知する車両検知装置が、車両の進行方向に対して並列に順次設置される複数N個の車両検知器の先頭に位置する第1番目の車両検知器の異常を判定する異常判定方法において、車両検知器が車両の位置を検知することにより車両の前進過程が検出される毎に割付カウンタを加算するステップと、第1番目の車両検知器により車両の停止が検出されているにも関わらず他の車両検知器が車両を検知する毎に未割付カウンタを加算するステップと、を実行し、第2番目の車両検知器が車両を検知してからいずれの車両検知器も車両を検知していない状態となるまでの間に車両を検知する車両検知器の個数をMとするときに、割付カウンタのカウント値がMに達したときに割付カウンタおよび未割付カウンタをリセットするステップを実行し、未割付カウンタのカウント値が所定の閾値に達したときに第1番目の車両検知器が異常であると判定するステップを実行するものである。たとえば、所定の閾値は、Mの値を超え、Nの値以下に設定される。
【0028】
本発明の第三の観点は、プログラムとしての観点である。すなわち、本発明のプログラムは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明の車両検知装置の機能を実現するものである。
【0029】
本発明の第四の観点は、ETCシステムとしての観点である。すなわち、本発明のETCシステムは、本発明の車両検知装置を備えるものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、先頭の車両検知器の異常を短時間に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係るETCシステムの機器配置例を示す図である。
【図2】図1のETCシステムにおける車線サーバのブロック構成図である。
【図3】図2の車両管理部における正常な車両の検知パターンを示す図である。
【図4】図2の車両管理部における先頭の車両検知器に異常が発生した場合の車両の検知パターンであり、異常を判定した場合の例を示す図である。
【図5】図4の車両の検知パターンをさらに詳細に説明する図である。
【図6】図2の車両管理部における先頭の車両検知器に異常が発生した場合の車両の検知パターンであり、異常が判定できなかった例を示す図である。
【図7】図2の車両管理部における「リセットの閾値」を“3”に設定した場合の車両の検知パターンを示す図であり、車長の短い車両が通過した場合の例を示す図である。
【図8】図2の車両管理部における「リセットの閾値」を“3”に設定した場合の車両の検知パターンを示す図であり、車長の長い車両が通過した場合の例を示す図である。
【図9】図2の車両管理部における車両割付処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図2の車両管理部における異常判定手順を示すフローチャートである。
【図11】従来のETCシステムにおける機器配置例を示す図である。
【図12】図11のETCシステムにおける先頭の車両検知器の異常を判定する従来の方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(車線サーバ1の構成の説明)
本発明の実施の形態に係る車線サーバ1の構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るETCシステムにおける機器配置例を示す図である。図2は、車線サーバ1のブロック構成図である。
【0033】
車線サーバ1は、車両管理部10を備える。車両管理部10は、車両割付判定部11、車両未割付回数計数部12、検知器異常判定部13を備える。さらに、車両割付判定部11は、割付カウンタ14を備え、車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15を備える。
【0034】
車両割付判定部11は、車両検知器S1〜S5からの車両50の検知信号を受け取り、検知された車両50を通過車両として割付けするか否かを判定する。また、車両割付判定部11は、割付けを行うと割付カウンタ14を“1”だけ加算する。ここで、車両割付判定部11が車両50を通過車両として割付けする場合とは、車両検知器S1〜S5が車両50の位置を検知することにより車両50の前進過程が検出される場合である。
【0035】
また、このとき、車両割付判定部11は、車両割付判定部11が割付けを行った旨を車両未割付回数計数部12に通知する。車両未割付回数計数部12は、車両検知器S1により車両50の停止が検出されているにも関わらず他の車両検知器S2〜S5が車両50を検知する毎に未割付カウンタ15を“1”加算するものである。しかしながら、車両未割付回数計数部12は、車両割付判定部11が割付けを行った旨の通知を受け取った場合にも未割付カウンタ15を“1”加算する。すなわち、先頭の車両検知器S1がゴミなどの付着が原因でON状態を継続する異常状態であっても車両割付判定部11による割付けは行われる。よって、割付カウンタ14が“1”加算された場合には、同じように未割付カウンタ15においても“1”加算を行うこととする。
【0036】
また、車両割付判定部11は、割付カウンタ14のカウント値が“2”になると、カウント値を“0”にリセットする。この値“2”を「リセットの閾値」と呼ぶことにする。車両割付判定部11は、カウント値のリセットを行った旨を車両未割付回数計数部12に通知する。車両未割付回数計数部12は、この通知を受け取ると未割付カウンタ15のカウント値を“0”にリセットする。
【0037】
すなわち、図12で説明した例では、車両50がETCレーン51を通過する際に、車両検知器S1の検知信号と車両検知器S2の検知信号とは一部がオーバーラップする場合がある。よって、この場合、車両検知器S1が異常(ゴミの付着などによるON状態継続をいう。以下同様)であっても割付カウンタ14のカウント値は“2”になる。
【0038】
あるいは、車両50がETCレーン51を通過する際に、車両検知器S1に異常が無ければ、車両検知器S1の検知信号と車両検知器2の検知信号とが全くオーバーラップしない場合でも、車両検知器S1が異常であれば、やはり車両検知器S1の検知信号と車両検知器S2の検知信号とはオーバーラップすることになる。この場合も割付カウンタ14のカウント値は“2”になる。
【0039】
一方、車両検知器S1が異常である場合、割付カウンタ14のカウント値が“2”以上になることはない。したがって、割付カウンタ14のカウント値が“2”以上になることは車両検知器S1の異常を判定する上で無意味である。よって、割付カウンタ14のカウント値が“2”になったときには、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値を共に“0”にリセットする。
【0040】
また、車両50が連結車のような車長の長い車種である場合、車両検知器S1および車両検知器S2のみならず車両検知器S3の検知信号までもがオーバーラップする場合がある。そのような場合には、カウント値が“3”になると割付カウンタ14および未割付カウンタ15を“0”にリセットするように「リセットの閾値」を設定する。
【0041】
すなわち、「リセットの閾値」の設定の方法を一般化して説明すると、車両検知器S2が車両50を検知してからいずれの車両検知器S1〜S5も車両50を検知していない状態となるまでの間に車両50を検知する車両検知器S1〜S5の個数をM(Mは5以下の自然数)とするときにこのMを「リセットの閾値」として設定する。
【0042】
これにより、車両検知器S1が異常である場合でも割付可能な割付数の最大値を超えた無効なカウントが割付カウンタ14および未割付カウンタ15で行われることを回避し、車両管理部11の処理を効率良く行うことができる。
【0043】
また、検知器異常判定部13は、車両未割付回数計数部12の未割付カウンタ15のカウント値が規定回数以上になり、発進制御機53が「開」でありかつ車両台数が1台であるときには検知器異常と判定する。すなわち、発進制御機53が「閉」であれば、既に異常判定がなされているということであり、異常判定の必要はない。また、車両台数が複数であれば、割付処理は正常であり、異常判定の必要はない。
【0044】
このようにして異常と判定されたとき、検知器異常判定部13は、車線監視制御盤56に異常と通知する。なお、この規定回数を「異常判定の閾値」と呼ぶことにする。この「異常判定の閾値」は、上述した「リセットの閾値」よりも大きな値であり、かつ車両検知器S1〜S5の数である“5”以下とすることが好ましい。
【0045】
すなわち、「異常判定の閾値」が「リセットの閾値」以下であることは有り得ないので、「異常判定の閾値」は必ず「リセットの閾値」よりも大きな値である。また、「異常判定の閾値」を車両検知器S1〜S5の数以下とすることにより、車両検知処理が車両検知器S1〜S5を一巡する間に異常判定を行うことができる。また、「異常判定の閾値」を車両検知器S1〜S5の数よりも大きく設定すると、異常を判定する以前に未割付カウンタ15がリセットされる可能性があるため好ましくない。
【0046】
しかしながら、車両検知器S1の位置に実際に車両50が停車して車両検知器S1がON状態となっている場合と、車両検知器S1にゴミなどが付着してON状態となっている場合とを区別するための判定時間を設けることは有用である。この場合、必要ならば「異常判定の閾値」を車両検知器S1〜S5の数よりも大きく設定してもよい。このようなときには、予めシミュレーションを行って、異常判定が所望する判定時間後に行われることを確認することが好ましい。
【0047】
(車線サーバ1の動作の説明)
ETCレーンの機器配置例は、図1で説明したとおりである。車両検知器S1〜S5は車両50の先頭が車両検知器S1〜S5の光軸を横切って遮光すると検知信号を出力し、車両検知器S1〜S5の光軸を車両50の後尾が過ぎ、車両検知器S1〜S5の遮光が無くなると検知信号の出力を停止する。
【0048】
1.車両検知器S1が正常の場合
車両検知器S1が正常な場合の車両50の検知パターンを図3を参照して説明する。
【0049】
タイミングT0:車両50の通行が無いときには、全ての車両検知器S1〜S5はOFF状態である。
【0050】
タイミングT1:車両50が車両検知器S1の光軸を横切ると、車両検知器S1がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S1がON状態になったことを受けて車両検知器S1に車両50を割付ける。これにより、車両割付判定部11の割付カウンタ14は“1”加算される。また、車両割付判定部11が車両検知器S1に車両50を割付けたことを通知された車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15についても“1”加算する。これは前述したように、車両検知器S1が異常であったとしても当該割付けは行われる。よって、そのような場合を想定して未割付カウンタ15についても“1”加算する。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15の双方のカウント値が共に“1”になる。
【0051】
タイミングT2:車両50が車両検知器S2の光軸を横切ると、車両検知器S2がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったことを受けて車両検知器S2に車両50を割付ける。この状況は、車両50が車両検知器S1の位置からさらに前進し、車両検知器S1および車両検知器S2の検知信号がオーバーラップされて検知されている状況とみなされる。この場合、車両割付判定部11の割付カウンタ14は“1”だけ加算され、カウント値は”2”となる。また車両未割付回数計数部12の未割付カウンタ15は“1”だけ加算され、そのカウント値は”2”となる。すなわち割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“2”になり、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“0”にリセットされる。
【0052】
タイミングT3:車両50が車両検知器S1の光軸を通過し、車両検知器S1がOFF状態になる。このとき、車両検知器S2は未だON状態である。
【0053】
タイミングT4:車両50が車両検知器S2の光軸を通過し、車両検知器S2がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。
【0054】
タイミングT5:車両50が車両検知器S3の光軸を横切ると、車両検知器S3がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になったことを受けて車両検知器S3に車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“1”になる。
【0055】
タイミングT6:車両50が車両検知器S3の光軸を通過し、車両検知器S3がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。
【0056】
タイミングT7:車両50が車両検知器S4の光軸を横切ると、車両検知器S4がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S4がON状態になったことを受けて車両検知器S4に車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“2”になる。したがって、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“0”にリセットされる。
【0057】
タイミングT8:車両50が車両検知器S4の光軸を通過し、車両検知器S4がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。
【0058】
タイミングT9:車両50が車両検知器S5の光軸を横切ると、車両検知器S5がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S5がON状態になったことを受けて車両検知器S5に車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“1”になる。
【0059】
タイミングT10:車両50が車両検知器S5の光軸を通過し、車両検知器S5がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。また、このときに、車両50はETCレーン51を退出する。
【0060】
タイミングT11:2台目の車両50が車両検知器S1の光軸を横切ると、車両検知器S1がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S1がON状態になったことを受けて車両検知器S1に2台目の車両50を割付ける。これにより車両割付判定部11は、割付カウンタ14を“1”加算する。車両割付判定部11が車両検知器S1に2台目の車両50を割付けたことを通知された車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15についても“1”加算する。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“2”になる。したがって、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“0”にリセットされる。
【0061】
タイミングT12:2台目の車両50が車両検知器S2の光軸を横切ると、車両検知器S2がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったことを受けて車両検知器S2に2台目の車両50を割付ける。この状況は、2台目の車両50が車両検知器S1の位置からさらに前進し、車両検知器S1および車両検知器S2の検知信号がオーバーラップされて検知されている状況とみなされる。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“1”になる。
【0062】
タイミングT13:2台目の車両50が車両検知器S1の光軸を通過し、車両検知器S1がOFF状態になる。このとき、車両検知器S2は未だON状態である。
【0063】
タイミングT14:2台目の車両50が車両検知器S2の光軸を通過し、車両検知器S2がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。
【0064】
タイミングT15:2台目の車両50が車両検知器S3の光軸を横切ると、車両検知器S3がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になったことを受けて車両検知器S3に2台目の車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“2”になる。したがって、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“0”にリセットされる。
【0065】
タイミングT16:2台目の車両50が車両検知器S3の光軸を通過し、車両検知器S3がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。
【0066】
タイミングT17:2台目の車両50が車両検知器S4の光軸を横切ると、車両検知器S4がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S4がON状態になったことを受けて車両検知器S4に2台目の車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“1”になる。
【0067】
タイミングT18:2台目の車両50が車両検知器S4の光軸を通過し、車両検知器S4がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。
【0068】
タイミングT19:2台目の車両50が車両検知器S5の光軸を横切ると、車両検知器S5がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S5がON状態になったことを受けて車両検知器S5に2台目の車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“2”になる。したがって、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“0”にリセットされる。
【0069】
タイミングT20:2台目の車両50が車両検知器S5の光軸を通過し、車両検知器S5がOFF状態になる。このときは、いずれの車両検知器S1〜S5もOFF状態である。また、このときに、2台目の車両50はETCレーン51を退出する。
【0070】
2.車両検知器S1が異常の場合
次に、車両検知器S1が異常な場合の車両50の検知パターンを図4および図5を参照して説明する。図5の実線で囲んだ車両は実際の車両の位置を示す。また、図5の破線で囲んだ車両は車両割付判定部11が検知している車両の位置(車両管理上車両)を示す。
【0071】
タイミングT30:車両50の通行が無いときには、全ての車両検知器S1〜S5はOFF状態である。
【0072】
タイミングT31:雪などのゴミが車両検知器S1の投光器または受光器に付着し光軸を横切ると、車両検知器S1がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S1がON状態になったことを受けて車両検知器S1に車両50(実際はゴミ)を割付ける。また、車両割付判定部11は、割付カウンタ14を“1”加算する。車両割付判定部11が車両検知器S1に車両50を割付けたことを通知された車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15についても“1”加算する。これにより、図5のパターンP1に示すように、割付カウンタ14および未割付カウンタ15の双方共にカウント値が“1”になる。
【0073】
タイミングT32:実際の車両50が不検知となっている車両検知器S1を通過して車両検知器S2の光軸を横切ると、車両検知器S2がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったことを受けて車両検知器S2に車両50を割付ける。この状況は、車両50が車両検知器S1の位置からさらに前進し、車両検知器S1および車両検知器S2の検知信号がオーバーラップされて検知されている状況とみなされる。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“2”になる。したがって、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“0”にリセットされる(図5のパターンP2)。
【0074】
タイミングT33:車両50が車両検知器S2の光軸を通過し、車両検知器S2はOFF状態となる。しかし、車両検知器S1のON状態が継続しているため、車両割付判定部11は、車両50が車両検知器S1の位置まで後退したと判定する(図5のパターンP3)。
【0075】
タイミングT34:車両50が車両検知器S3の光軸を横切ると、車両検知器S3がON状態になる。しかし、車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になっても車両50は車両検知器S1の位置にあり停止していると判定しているため、車両検知器S3に車両50を割付けない。これにより、未割付カウンタ15のカウント値は“1”になる(図5のパターンP4)。
【0076】
タイミングT35:車両50が車両検知器S3の光軸を通過し、車両検知器S3がOFF状態になる。車両検知器S1は、依然としてON状態を継続している。
【0077】
タイミングT36:車両50が車両検知器S4の光軸を横切ると、車両検知器S4がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S4がON状態になっても車両50は車両検知器S1の位置にあり停止していると判定しているため、車両検知器S4に車両50を割付けない。これにより、未割付カウンタ15のカウント値は“2”になる(図5のパターンP5)。
【0078】
タイミングT37:車両50が車両検知器S4の光軸を通過し、車両検知器S4がOFF状態になる。車両検知器S1は、依然としてON状態を継続している。
【0079】
タイミングT38:車両50が車両検知器S5の光軸を横切ると、車両検知器S5がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S5がON状態になっても車両50は車両検知器S1の位置にあり停止していると判定しているため、車両検知器S5に車両50を割付けない。これにより、未割付カウンタ15のカウント値は“3”になる(図5のパターンP6)。
【0080】
タイミングT39:車両50が車両検知器S5の光軸を通過し、車両検知器S5がOFF状態になる。車両検知器S1は、依然としてON状態を継続している。また、このときに、車両50はETCレーン51を退出する(図5のパターンP7)。
【0081】
タイミングT40:2台目の車両50が不検知となっている車両検知器S1を通過し(図5のパターンP8)、車両検知器S2の光軸を横切ると、車両検知器S2がON状態になる(図5のパターンP9)。車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったので、これまで車両検知器S1の位置にあった車両50が車両検知器S2の位置まで前進したと判定する。これにより、車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったことを受けて車両検知器S2に2台目の車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14のカウント値が“1”になり、未割付カウンタ15のカウント値も“4”になる。
【0082】
タイミングT41:2台目の車両50が車両検知器S2の光軸を通過し、車両検知器S2がOFF状態になる。このとき車両検知器S1は、依然としてON状態を継続しているため、車両割付判定部11は、1台目の車両50が再び車両検知器S2の位置から車両検知器S1の位置まで後退したと判定する(図5のパターンP10)。
【0083】
タイミングT42:2台目の車両50が車両検知器S3の光軸を横切ると、車両検知器S3がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になっても1台目の車両50が車両検知器S1の位置にあり停止していると判定しているため、車両検知器S3に車両50を割付けない。これにより、未割付カウンタ15のカウント値は“5”になる。また、未割付カウンタ15のカウント値が加算されたことを受けて、割付カウンタ14のカウント値は“0”にリセットされる(図5のパターンP11)。
【0084】
検知器異常判定部13は、車両未割付回数計数部12の未割付カウンタ15のカウント値を監視している。そして、検知器異常判定部13は、未割付カウンタ15のカウント値が“5”になったことを受けて車両検知器S1の異常と判定する。検知器異常判定部13は、異常の判定結果を車線監視制御盤56に対して出力する。
【0085】
3.「リセットの閾値」が正しく設定されていなかった場合
次に、「リセットの閾値」が正しく設定されていなかった場合の車両50の検知パターンを図6を参照して説明する。なお、図6におけるタイミングT60までの処理は、図4におけるタイミングT40までの処理と同じであるため、タイミングT50〜T59までの説明は省略する。また、タイミングT62以降については説明を省略する。
【0086】
タイミングT60:2台目の車両50が不検知となっている車両検知器S1を通過し車両検知器S2の光軸を横切ると、車両検知器S2がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったので、これまで車両検知器S1の位置にあった車両50が車両検知器S2の位置まで前進したと判定する。これにより、車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったことを受けて車両検知器S2に2台目の車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14のカウント値が“1”になり、未割付カウンタ15のカウント値も“4”になる。
【0087】
タイミングT61:2台目の車両50は車長が長く、車両検知器S2の光軸を横切りながら、さらに、車両検知器S3の光軸も横切る。すなわち、車両検知器S1、S2、S3の検知信号が3つともオーバーラップする。車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になったので、これまで車両検知器S1、S2の位置にあった車両50が車両検知器S3の位置まで前進したと判定する。これにより、割付カウンタ14のカウント値は“2”になる。したがって、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“0”にリセットされる。
【0088】
このように、「リセットの閾値」を、車両検知器S2が車両50を検知してからいずれの車両検知器S1〜S5も車両50を検知していない状態となるまでの間に車両50を検知する車両検知器S1〜S5の個数に設定しておかない場合には、図4に示した異常判定が正常に行われない場合がある。よって、図6の例では、「リセットの閾値」は“3”とすることが適当である。
【0089】
「リセットの閾値」を“3”に設定したときの車長の短い車両50が通過したときの検知パターンを図7に示す。図7の例では、タイミングT71において割付カウンタ14のカウンタ値は“2”となるが、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のリセットは行われない。したがって、タイミングT78において検知器異常判定部13は異常と判定する。このように、図4の例と比べると、「リセットの閾値」が“3”に設定されているために車長の短い車両50が通過した場合の判定時間は短くなる。しかしながら、判定時間が多少短くなることは、車両検知器S1の異常を素早く判定するという目的に反しないので問題とはならない。
【0090】
次に、「リセットの閾値」を“3”に設定した場合に、車長の長い車両50がETCレーン51を通過した場合の車両50の検知パターンを図8を参照して説明する。
【0091】
タイミングT80:車両50の通行が無いときには、全ての車両検知器S1〜S5はOFF状態である。
【0092】
タイミングT81:雪などのゴミが車両検知器S1の投光器または受光器に付着し光軸を横切ると、車両検知器S1がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S1がON状態になったことを受けて車両検知器S1に車両50(実際はゴミ)を割付ける。また、車両割付判定部11は、割付カウンタ14を“1”加算する。車両割付判定部11が車両検知器S1に車両50を割付けたことを通知された車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15についても“1”加算する。これにより、割付カウンタ部14および未割付カウンタ部15の双方共に“1”になる。
【0093】
タイミングT82:実際の車両50が不検知となっている車両検知器S1を通過して車両検知器S2の光軸を横切ると、車両検知器S2がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったことを受けて車両検知器S2に車両50を割付ける。この状況は、車両50が車両検知器S1の位置からさらに前進し、車両検知器S1および車両検知器S2の検知信号がオーバーラップされて検知されている状況とみなされる。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“2”になる。
【0094】
タイミングT83:車両50が車両検知器S2を通過してさらに車両検知器S3の光軸を横切ると、車両検知器S3がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になったことを受けて車両検知器S3に車両50を割付ける。この状況は、車両50が車両検知器S1、S2の位置からさらに前進し、車両検知器S1、S2、S3の検知信号がオーバーラップされて検知されている状況とみなされる。これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は共に“3”になる。また、これにより割付カウンタ14および未割付カウンタ15のカウント値は“0”にリセットされる。
【0095】
タイミングT84:車両50が車両検知器S2の光軸を通過し、車両検知器S2はOFF状態となる。しかし、車両検知器S1のON状態が継続しているため、車両割付判定部11は、車両50が車両検知器S1の位置まで後退したと判定する。
【0096】
タイミングT85:車両50が車両検知器S4の光軸を横切ると、車両検知器S4がON状態になる。しかし、車両割付判定部11は、車両検知器S4がON状態になっても車両50は車両検知器S1の位置にあり停止していると判定しているため、車両検知器S4に車両50を割付けない。これにより、未割付カウンタ15のカウント値は“1”になる。
【0097】
タイミングT86:車両50が車両検知器S3の光軸を通過し、車両検知器S3がOFF状態になる。車両検知器S1は、依然としてON状態を継続している。
【0098】
タイミングT87:車両50が車両検知器S5の光軸を横切ると、車両検知器S5がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S5がON状態になっても車両50は車両検知器S1の位置にあり停止していると判定しているため、車両検知器S5に車両50を割付けない。これにより、未割付カウンタ15のカウント値は“2”になる。
【0099】
タイミングT88:車両50が車両検知器S4の光軸を通過し、車両検知器S4がOFF状態になる。車両検知器S1は、依然としてON状態を継続している。
【0100】
タイミングT89:車両50が車両検知器S5の光軸を通過し、車両検知器S5がOFF状態になる。車両検知器S1は、依然としてON状態を継続している。また、このときに、車両50はETCレーン51を退出する。
【0101】
タイミングT90:2台目の車両50が不検知となっている車両検知器S1を通過し、車両検知器S2の光軸を横切ると、車両検知器S2がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったので、これまで車両検知器S1の位置にあった車両50が車両検知器S2の位置まで前進したと判定する。これにより、車両割付判定部11は、車両検知器S2がON状態になったことを受けて車両検知器S2に2台目の車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14のカウント値が“1”になり、未割付カウンタ15のカウント値も“3”になる。
【0102】
タイミングT91:2台目の車両50が車両検知器S3の光軸を横切ると、車両検知器S3がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になったので、これまで車両検知器S1、S2の位置にあった車両50が車両検知器S3の位置まで前進したと判定する。これにより、車両割付判定部11は、車両検知器S3がON状態になったことを受けて車両検知器S3に2台目の車両50を割付ける。これにより、割付カウンタ14のカウント値が“2”になり、未割付カウンタ15のカウント値も“4”になる。
【0103】
ここで仮に「リセットの閾値」が“2”の設定であれば、ここでリセットが発生するため、異常判定は実行されない。
【0104】
タイミングT92:2台目の車両50が車両検知器S2の光軸を通過し、車両検知器S2はOFF状態となる。しかし、車両検知器S1のON状態が継続しているため、車両割付判定部11は、車両50が車両検知器S1の位置まで後退したと判定する。
【0105】
タイミングT93:車両50が車両検知器S4の光軸を横切ると、車両検知器S4がON状態になる。車両割付判定部11は、車両検知器S4がON状態になっても車両50は車両検知器S1の位置にあり停止していると判定しているため、車両検知器S4に車両50を割付けない。これにより、未割付カウンタ15のカウント値は“5”になる。また、未割付カウンタ15のカウント値が加算されたことを受けて車両割付判定部11は割付カウンタ14のカウント値を“0”にリセットする。
【0106】
検知器異常判定部13は、車両未割付回数計数部12の未割付カウンタ15のカウント値を監視している。そして、検知器異常判定部13は、未割付カウンタ15のカウント値が“5”になったことを受けて車両検知器S1の異常と判定する。検知器異常判定部13は、異常の判定結果を車線監視制御盤56に対して出力する。
【0107】
このように、車両検知器S2が車両50を検知してからいずれの車両検知器S1〜S5も車両50を検知していない状態となるまでの間に車両50を検知する車両検知器S1〜S5の個数を「リセットの閾値」とすることによって、様々な車長の車両50に対応することができる。
【0108】
また、たとえば車両検知器S1と車両検知器S3とが共に検知信号を出力しているときには、その間にある車両検知器S2の検知信号の有無を無視し、車両検知器S1〜S3の検知信号が全てオーバーラップしているとみなすルールが適用されているETCシステムがある。このような場合にも、車両検知器S2が車両50を検知してからいずれの車両検知器S1〜S5も車両50を検知していない状態となるまでの間に車両50を検知する車両検知器S1〜S5の個数を「リセットの閾値」とする方法が適用できる。
【0109】
次に、図4、図5を参照して説明した車両検知器S1の異常判定手順を図9、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0110】
図9のSTART:車線サーバ1の電源が投入される、または、起動スイッチ(不図示)がON状態になるなどによってステップA1の処理へ移行する。
【0111】
ステップA1:車両管理部10は、車両検知器S1による車両割付処理を行い、ステップA2の処理へ移行する。また、このときに、車両50の車載機とETC処理装置57とのアンテナ52により通信が開始される。
【0112】
ステップA2:車両管理部10は、車両検知器S2による車両割付処理を行い、ステップA3の処理へ移行する。このときに、車両50の車載機とETC処理装置57とのアンテナ52による通信は終了している。
【0113】
ステップA3:車両管理部10は、車両50の車載機とETC処理装置57とのアンテナ52による通信の結果、車両50は、発進制御機53の開条件を満たすか否か判定する。車両管理部10は、車両50が発進制御機53の開条件を満たしている場合(ステップA3でYes)、ステップA4の処理へ移行する。一方、車両管理部10は、車両50が発進制御機53の開条件を満たしていない場合(ステップA3でNo)、ステップA5の処理へ移行する。なお、車両50が発進制御機53の開条件を満たすとは、車両50の車載機とETC処理装置57との無線通信の結果、車載機に挿入されているICカードの識別情報その他の情報が適法であるなどの条件である。
【0114】
ステップA4:車両管理部10は、発進制御機53を開制御し、ステップA5の処理へ移行する。
【0115】
ステップA5:車両管理部10は、車両検知器S3による車両割付処理を行い、ステップA6の処理へ移行する。
【0116】
ステップA6:車両管理部10は、車両検知器S4による車両割付処理を行い、ステップA7の処理へ移行する。
【0117】
ステップA7:車両管理部10は、車両50は、発進制御機53の閉条件を満たすか否か判定する。なお、発進制御機53の閉条件とは、車両50が車両検知器S4を通過し、車両検知器S4がOFF状態となっていることをいう。車両管理部10は、車両50が発進制御機53の閉条件を満たしている場合(ステップA7でYes)、ステップA8の処理へ移行する。一方、車両管理部10は、車両50が発進制御機53の閉条件を満たしていない場合(ステップA7でNo)、ステップA9の処理へ移行する。
【0118】
ステップA8:車両管理部10は、発進制御機53を閉制御し、ステップA9の処理へ移行する。
【0119】
ステップA9:車両管理部10は、車両検知器S5による車両割付処理を行い、処理を終了する(END)。
【0120】
図10に示すフローチャートは、図9のフローチャートにおけるステップA1、A2、A5、A6、A9に共通する処理手順を示す。
【0121】
図10のSTART:車両管理部10は、図9のフローチャートにおけるステップA1、A2、A5、A6、A9の処理手順を実行するときには、ステップB1の処理へ移行する。
【0122】
ステップB1:車両管理部10の車両割付判定部11は、車両検知器S1〜S5のいずれかからの車両検知信号が入力されるとステップB2の処理へ移行する。
【0123】
ステップB2:車両管理部10の車両割付判定部11は、車両検知信号の入力に伴う車両割付けが有るか否かを判定する。車両管理部10の車両割付判定部11は、車両検知信号の入力に伴う車両割付けが有る場合(ステップB2でYes)、ステップB3の処理へ移行する。一方、車両管理部10の車両割付判定部11は、車両検知信号の入力に伴う車両割付けが無い場合(ステップB2でNo)、ステップB8の処理へ移行する。
【0124】
ステップB3:車両管理部10の車両割付判定部11は、割付カウンタ14のカウント値を“1”加算し、ステップB4の処理へ移行する。
【0125】
ステップB4:車両管理部10の車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15のカウント値を“1”加算し、ステップB5の処理へ移行する。
【0126】
ステップB5:車両管理部10の車両割付判定部11は、割付カウンタ14のカウント値が“2”以上か否か判定する。車両管理部10の車両割付判定部11は、割付カウンタ14のカウント値が“2”以上である場合(ステップB5でYes)、ステップB6の処理へ移行する。一方、車両管理部10の車両割付判定部11は、割付カウンタ14のカウント値が“2”未満である場合(ステップB5でNo)、処理を終了する(END)。
【0127】
ステップB6:車両管理部10の車両割付判定部11は、割付カウンタ14のカウント値を“0”にリセットし、ステップB7の処理へ移行する。
【0128】
ステップB7:車両管理部10の車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15のカウント値を“0”にリセットし、処理を終了する(END)。
【0129】
ステップB8:車両管理部10の車両未割付回数計数部12は、未割付カウンタ15のカウント値を“1”加算し、ステップB9の処理へ移行する。
【0130】
ステップB9:車両管理部10の車両割付判定部11は、割付カウンタ14のカウント値を“0”にリセットし、ステップB10の処理へ移行する。
【0131】
ステップB10:車両管理部10の検知器異常判定部13は、未割付カウンタ15のカウント値が“5”以上か否か判定する。車両管理部10の検知器異常判定部13は、未割付カウンタ15のカウント値が“5”以上の場合(ステップB10でYes)、ステップB11の処理へ移行する。一方、車両管理部10の検知器異常判定部13は、未割付カウンタ15のカウント値が“5”未満の場合(ステップB10でNo)、処理を終了する(END)。
【0132】
ステップB11:車両管理部10の検知器異常判定部13は、発進制御機53のバーが「開」かつ車両台数1台か否か判定する。車両管理部10の検知器異常判定部13は、開閉バー「開」かつ車両台数1台である場合(ステップB11でYes)、ステップB12の処理へ移行する。一方、車両管理部10の検知器異常判定部13は、開閉バー「開」かつ車両台数1台でない場合(ステップB11でNo)、処理を終了する(END)。
【0133】
なお、ステップB11の処理において、発進制御機53のバーが閉じていれば、既に異常判定がなされているということであり、異常判定の必要はないので処理を終了する(END)。また、ステップB11の処理において、車両台数が複数であれば、割付処理は正常であり、異常判定の必要はないので処理を終了する(END)。
【0134】
ステップB12:車両管理部10の検知器異常判定部13は、異常と判定して処理を終了する(END)。
【0135】
また、車線サーバ1の各部は、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置(CPU(Central
Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)など)によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、車線サーバ1の各部の機能が実現される。また、その他の機能についてもソフトウェアにより実現可能な機能については汎用の情報処理装置とプログラムとによって実現することができる。
【0136】
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、車線サーバ1の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、車線サーバ1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、車線サーバ1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。車線サーバ1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
【0137】
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
【0138】
(効果の説明)
以上説明したように、車線サーバ1の車両管理部10は、車両検知器S1〜S5が車両50の位置を検知することにより車両50の前進過程が検出される毎に加算される割付カウンタ14と、車両検知器S1により車両50の停止が検出されているにも関わらず他の車両検知器S2〜S5が車両50を検知する毎に加算される未割付カウンタ15とを備える。
【0139】
また、車両検知器S2が車両50を検知してからいずれの車両検知器S1〜S5も車両50を検知していない状態となるまでの間に車両50を検知する車両検知器S1〜S5の個数を「リセットの閾値」M(Mは5以下の自然数)とするときに、車両割付判定部11および車両未割付回数計数部12は、割付カウンタ14および未割付カウンタ15を、割付カウンタ14のカウント値がMに達したときにリセットする。さらに、検知器異常判定部13は、未割付カウンタ15のカウント値が「判定の閾値」に達したときに車両検知器S1が異常であると判定する。なお、「判定の閾値」は、Mの値を超え、たとえば5以下に設定される。
【0140】
これにより、車線サーバ1は、車両検知器S1の異常を素早く判定することで、無線通信無しで通過する車両を減らすことができる。たとえば図4、図5で説明した例では、車両検知器S1に異常が発生してから2台目の車両50がETCレーン51を通過する際に異常が検出できる。また、無線通信しない車両を減らすことで、入口料金所で発生したときは、出口料金所でバーが開かず、車両がバーに接触したり、後続車との事故の可能性を減らすことができる。また、出口料金所で発生した場合は、通行料の未徴収を減らすことができる。
【0141】
また、このような車線サーバ1を実現する上で、図11に示す従来のETCシステムの機器配置例におけるハードウェア構成の追加または変更を必要としない。すなわち、単に、車両管理部10の制御プログラムを変更し、車両管理部10に、図9、図10に示すフローチャートの手順を実行させるようにすることにより、車線サーバ1を実現することができる。
【0142】
(その他の実施の形態)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。本発明の実施の形態では、図10に示すように、5個の車両検知器S1〜S5を用いる例を説明したが、車両検知器の数は、複数N個としてよい。この場合、「異常判定の閾値」は、「リセットの閾値」の値を超え、たとえばNの値以下に設定される。
【0143】
これにより、割付カウンタ14および未割付カウンタ15は、割付カウンタ14のカウント値が「リセットの閾値」Mに達したときにリセットされ、未割付カウンタ15のカウント値が「異常判定の閾値」に達したときに車両検知器S1が異常であると判定することができる。
【0144】
なお、「異常判定の閾値」を小さな値(ただし、「リセットの閾値」よりも大)とすれば、異常発生からその異常の判定までの時間を短くできる。また、「異常判定の閾値」は、必ずしもNの値以下としなくてもよい。「異常判定の閾値」をNよりも大きな値とした場合、図6で説明したように異常判定以前に未割付カウンタ15のリセットが発生する可能性が増加する。その一方で、異常発生からその異常の判定までの時間を長くできる。よって、「異常判定の閾値」は、ユーザの使用環境に応じて適当な値としてよい。
【0145】
また、上述の実施の形態では、車両検知器S1〜S5を透過方式としたが、これを反射方式としてもよい。
【符号の説明】
【0146】
1…車線サーバ、10…車両管理部(判定する手段)、11…車両割付判定部(判定する手段の一部)、12…車両未割付回数計数部(判定する手段の一部)、13…検知器異常判定部(異常判定部)、14…割付カウンタ、15…未割付カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の進行方向に対して並列に順次設置され、上記車両の移動状況を検知するための複数N(Nは自然数)個の車両検知器と、
先頭に位置する第1番目の上記車両検知器の異常を判定する異常判定部と、
を備える、
車両検知装置において、
上記車両検知器が上記車両の位置を検知することにより上記車両の前進過程が検出される毎に加算される割付カウンタと、
第1番目の上記車両検知器により上記車両の停止が検出されているにも関わらず他の上記車両検知器が上記車両を検知する毎に加算される未割付カウンタと、
を備え、
第2番目の上記車両検知器が上記車両を検知してからいずれの上記車両検知器も上記車両を検知していない状態となるまでの間に上記車両を検知する上記車両検知器の個数をM(MはN以下の自然数)とするときに、
上記割付カウンタおよび上記未割付カウンタは、上記割付カウンタのカウント値が上記Mに達したときにリセットされ、
上記未割付カウンタのカウント値が所定の閾値に達したときに第1番目の上記車両検知器が異常であると判定する手段を備える、
ことを特徴とする車両検知装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両検知装置において、
前記所定の閾値は、前記Mの値を超え、前記Nの値以下に設定される、
ことを特徴とする車両検知装置。
【請求項3】
車両の移動状況を検知する車両検知装置が、上記車両の進行方向に対して並列に順次設置される複数N個の車両検知器の先頭に位置する第1番目の上記車両検知器の異常を判定する異常判定方法において、
上記車両検知器が上記車両の位置を検知することにより上記車両の前進過程が検出される毎に割付カウンタを加算するステップと、
第1番目の上記車両検知器により上記車両の停止が検出されているにも関わらず他の上記車両検知器が上記車両を検知する毎に未割付カウンタを加算するステップと、
を実行し、
第2番目の上記車両検知器が上記車両を検知してからいずれの上記車両検知器も上記車両を検知していない状態となるまでの間に上記車両を検知する上記車両検知器の個数をMとするときに、
上記割付カウンタのカウント値が上記Mに達したときに上記割付カウンタおよび上記未割付カウンタをリセットするステップを実行し、
上記未割付カウンタのカウント値が所定の閾値に達したときに第1番目の上記車両検知器が異常であると判定するステップを実行する、
ことを特徴とする異常判定方法。
【請求項4】
請求項3記載の異常判定方法において、
前記所定の閾値は、前記Mの値を超え、前記Nの値以下に設定される、
ことを特徴とする異常判定方法。
【請求項5】
情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1または2記載の車両検知装置の機能を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1または2記載の車両検知装置を備えることを特徴とするETC(Electric
Toll Collection)システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−237823(P2010−237823A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83071(P2009−83071)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】