説明

車両用シートの構成部材

【課題】クッション材と表皮材を、使い勝手良く一体化することにある。
【解決手段】表皮材4S(6S)が、着座側に配置されて通気性を有する第一部位10と、第一部位10に積層されてクッション材4P(6P)の成形材料の侵入を阻止する第二部位20とを有し、クッション材4P(6P)の裏面側に、表皮材4S(6S)に向かって凹状の薄肉部32を形成することで、エアの通過可能な流路部を、薄肉部32と第二部位20を貫通して形成可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートの構成部材(クッション材と表皮材が一体化された部材)に関し、例えば送風装置を配設された車両用シートの構成部材に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用シートとして、シートクッションと、シートバックと、送風装置を有する車両用シートが公知である(特許文献1を参照)。送風装置は、遠心式の送風機構(装置軸方向から外気を吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を有し、例えばシートクッションの下方に配設できる。
またシートクッションとシートバックは、クッション材及び表皮材(構成部材)を有する。表皮材は、クッション材を被覆可能な袋状の部材であり、通気性を有する布帛にて形成できる。
【0003】
そしてクッション材は、シート外形をなして乗員を支持可能な弾性部材であり、流路部(通気溝,導入孔)を有する。通気溝は、クッション材裏側の凹み部位(線状)である。また導入孔は、一端側が、クッション材の着座側(表皮材側)に開口し、他端側が通気溝に連通する。
ここで上述のクッション材は、一般的に、成形材料(溶融樹脂)を成形型内に射出して成形される。このとき成形型内に突出部位(例えば導入孔の外形に倣った部位)などを形成することで、クッション材の成形と同時に流路部を形成できる。
【0004】
公知技術では、クッション材に予め流路部を形成したのち、クッション材の表面を表皮材で被覆する。つぎに送風装置に通気溝を連通しつつ、クッション材の裏面側に蓋部材を嵌装する(通気溝を密閉する)。
こうすることで送風装置から吹出される気体を、クッション材の流路部を通じて乗員に送風することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−8334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところでこの種の車両用シートでは、クッション材の成形時に表皮材を一体化することがある。例えば成形型内に表皮材を配設したのち成形材料を射出することで、クッション材を成形しつつ表皮材と一体化する。
しかし上述の構成(一体構成)では、キャビティ内の表皮材と突出部位(導入孔の外形に倣った部位)が干渉するなどして、クッション材の成形時に流路部を形成するにはやや不向きな構成であった。このため成形後のクッション材に流路部を形成するのであるが、クッション材の厚み寸法が比較的大きいことから、流路部(特に導入孔)の形成作業に手間取ることがあった(使い勝手にやや劣る構成であった)。
なおクッション材の流路部は、送風装置を有さない車両用シートに不要な構成である。このため予め流路部(特に導入孔)を形成したクッション材は、送風装置を有さない車両用シートには敬遠されがちな部材であった。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、クッション材と表皮材を、使い勝手良く一体化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートの構成部材は、シート外形をなすクッション材と、クッション材を被覆可能な表皮材とを有する。
そしてクッション材と表皮材(車両用シートの構成部材)がクッション材の成形時に一体化される。この種の構成部材では、クッション材と表皮材を、使い勝手良く一体化できることが望ましい。
【0008】
本発明では、上述の表皮材が、着座側に配置されて通気性を有する第一部位と、第一部位に積層されてクッション材の成形材料の侵入を阻止する第二部位とを有する。このように第二部位により成形材料の侵入を極力阻止することで、表皮材本来の性質(柔軟性等)を極力維持しつつ、クッション材と表皮材を一体化できる。
そして本発明では、クッション材の裏面側に、表皮材に向かって凹状の薄肉部を形成することで、エアの通過可能な流路部を、薄肉部と第二部位を貫通して形成可能とした。
本発明の構成部材は、送風装置を備える車両用シートと送風装置を備えない車両用シートのいずれにも使用できる。そして薄肉部(クッション材の厚み寸法が比較的小さい部位)を設けることで、必要に応じて、流路部(送風装置のエアが通過する部位)を比較的手間取ることなく形成できる。
【0009】
第2発明の車両用シートの構成部材は、第1発明の構成部材であって、上述の第一部位が、着座側をなす表皮部と、ヒータ機能やセンサ機能などの各種機能を備えた機能部と、機能部と第二部位を離間可能なスペーサー部とをこの順で積層してなる。
本発明では、機能部によって構成部材の機能の向上を図りつつ、スペーサー部を設けた(第二部位と機能部を離間配置した)ことで、流路部の形成時における機能部の破損を防止又は低減できる。
【0010】
第3発明の車両用シートの構成部材では、第1発明又は第2発明の構成部材であって、薄肉部の形成位置を除くクッション材の裏面に、繊維層又は樹脂層などの裏打材を配設することとした。
本発明では、薄肉部(裏打材の非形成箇所)により流路部の形成を容易としつつ、クッション材の裏面側を裏打材で補強することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る第1発明によれば、クッション材と表皮材を、使い勝手良く一体化することができる。また第2発明によれば、クッション材と表皮材を、より使い勝手良く一体化することができる。そして第3発明によれば、クッション材と表皮材を、更に使い勝手良く一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】車両用シートの斜視図である。
【図2】車両用シートの構成部材の縦断面図である。
【図3】表皮材を分解して示す縦断面図である。
【図4】導入孔を形成する際の構成部材の縦断面図である。
【図5】変形例にかかる表皮材を分解して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図5を参照して説明する。各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付す。なお図1では、便宜上、一部の流路部にのみ符号を付すこととする。
【0014】
図1の車両用シート2は、シートクッション4と,シートバック6を有する。これら各部材は、シート骨格をなすフレーム部材(4F,6F)と、構成部材を有する。構成部材は、シート外形をなすクッション材(4P,6P)と、クッション材に被覆の表皮材(4S,6S)とを有する。
ここで車両用シート2は、必要に応じて、シートクッション4とシートバック6の少なくとも一方に送風装置8(詳細後述)を配設できる。そして送風装置8から吹出される気体を、構成部材(クッション材4P,6P、表皮材4S,6S)を通じて乗員に送風可能である。
【0015】
そして本実施例では、後述するようにクッション材4P(6P)の成形時に表皮材4S(6S)を一体化する(図2を参照)。この種のシート構成では、構成部材(クッション材4P,6P,表皮材4S,6S)を、使い勝手良く一体化できる(例えば後述の流路部36を容易に形成可能である)ことが望ましい。
そこで本実施例では、後述するように、クッション材4P(6P)と表皮材4S(6S)を使い勝手良く一体化することとした。以下各構成について詳述する。
【0016】
[送風装置]
本実施例の送風装置8は、中空の箱体(短尺な円筒状)であり、送風機構を内蔵する(図1を参照)。
送風機構として、例えば遠心式の機構(装置軸方向から吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を使用できる。この種の送風機構として、多翼ファン(シロッコファン)、プレートファン、ターボファン、翼形ファン、リミットロードファンを例示できる。
【0017】
[表皮材]
表皮材4S(6S)は、後述のクッション材4P(6P)を被覆可能な袋状部材である(図2を参照)。本実施例の表皮材4S(6S)は、第一部位10(表皮部12,機能部14,スペーサー部16)と、第二部位20を有する。
第一部位10は、表皮材4S(6S)の着座側に配置されて通気性を有する部位である。また第二部位20は、表皮材4S(6S)の裏面側に配置される部位であり、成形時におけるクッション材4P(6P)の成形材料の侵入を阻止できる。
【0018】
(第一部位)
第一部位10は、表皮部12と、機能部14と、スペーサー部16を有する(図2及び図3を参照)。
表皮部12は、着座側をなす部位であり、表材12aと、通気材12bを有する。表材12aは、表皮材4S(6S)の着座側をなす部位であり、貫通孔を備えた皮革(天然皮革,合成皮革)にて構成できる。また通気材12bは、通気性を備えた面状部位であり、表材12a裏面に配置される。通気材12bの素材として、高通気性のスラブウレタン(通気度:200cc/cm2・sec〜400cc/cm2・sec)、綿材、3Dネット体(繊維を三次元状に編製してなる部材)を例示できる。
【0019】
また機能部14は、機能性を備えた部位であり、典型的に面状又は線状である。本実施例の機能部14は、通電可能な導電線(金属線,炭素繊維,メッキ線材等)を有しており、ヒータ機能やセンサ機能を有する。
そしてスペーサー部16は、通気性を備えた面状部位である。スペーサー部16の素材として、高通気性のスラブウレタン(通気度:200cc/cm2・sec〜400cc/cm2・sec)、綿材、3Dネット体を例示できる。
本実施例では、スペーサー部16に複数の孔部16Hを設けることができる。複数の孔部16Hは、スペーサー部16を厚み方向に貫通しており、それぞれ薄肉部32(後述)に対面配置可能である。
【0020】
(第二部位)
第二部位20は、低通気性又は非通気性の部位であり、表皮材4S(6S)の裏面(クッション材4P(6P)を臨む側)に配設できる。
第二部位20は、クッション材4P(6P)の形成材料(溶融樹脂)の侵入を極力阻止できる素材からなる。この種の素材として、低通気性のスラブウレタン(通気度:0cc/cm2・sec〜10cc/cm2・sec)や布帛や皮革や樹脂層(フィルム状)を例示できる。
【0021】
本実施例では、表材12aと通気材12bを積層しつつ、接着や融着(ラミネート加工)にて一体化することで、表皮部12を形成する(図3を参照)。また同様にスペーサー部16と第二部位20を、接着や融着にて一体化する。
つぎに表皮部12とスペーサー部16の間に機能部14を介装したのち、表皮部12とスペーサー部16を接着や融着にて一体化する。
このように第一部位10(表皮部12,機能部14,スペーサー部16)と第二部位20を積層状態で一体化したのち(表皮材を形成したのち)、後述のクッション材4P(6P)に一体化する。
【0022】
(変形例)
ここで表皮部は、上述の構成の他、各種の構成をとることができる(図5を参照)。例えば変形例の表皮部12では、表材12Aが、通気性を有する布帛(織物,編物,不織布)にて構成される。
そして本変形例では、表材12Aと通気材12bを予め一体化するとともに、スペーサー部16と第二部位20を予め一体化する。つぎに表皮部12とスペーサー部16の間に機能部14を介装したのち、表皮部12とスペーサー部16を接着や融着にて一体化することができる。
【0023】
[クッション材]
クッション材4P(6P)は、シート外形をなす部材(略長方形状)であり、薄肉部32と、裏打材34を有する(図2を参照)。
クッション材4P(6P)の材質は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)を例示できる。
本実施例では、クッション材4P(6P)に対して、必要に応じて流路部36(後述)を設けることにより、送風装置8のエアを通過可能とすることができる。
【0024】
(裏打材)
裏打材34は、クッション材4P(6P)を補強可能な面状部材である(図2を参照)。裏打材34の素材は特に限定しないが、典型的にクッション材4P(6P)よりも伸縮性に劣る材質であり、繊維層としての布帛(織物、編物、不織布)、樹脂層(天然樹脂,合成樹脂)、皮革を例示できる。なかでもスパンボンド不織布(三井化学社製、商品名タフネル(登録商標))を裏打材34として好適に使用できる。
ここで裏打材34は、成形後のクッション材4P(6P)の裏面に接着又は融着することができる。また裏打材34は、後述の表皮材4S(6S)の取付け方法と同様に、クッション材4P(6P)の成形時に一体的に取付けることもできる。
【0025】
(薄肉部)
薄肉部32は、表皮材4S(6S)に向かって凹状の部位であり、クッション材4P(6P)の裏面に形成できる(図2を参照)。
ここで薄肉部32の形状は特に限定しない。例えばシート前後又は幅方向に延びる線状に形成でき、またシート前後又は幅方向に並列する複数の点状に形成することもできる。
そして本実施例では、薄肉部32の形成位置におけるクッション材4P(6P)の厚み寸法T1を、別位置(薄肉部32の非形成位置)の厚み寸法T2よりも小さく設定する(典型的に半分以下に設定する)ことができる。
さらにクッション材4P(6P)の裏面側を裏打材34にて被覆するに際して、薄肉部32の形成箇所において裏打材34を非被覆状態とする(クッション材4P(6P)を露出させる)。このように薄肉部32においてクッション材4P(6P)を露出させることにより、流路部36(後述)を比較的容易に形成できる。
【0026】
[構成部材の作製]
図2を参照して、クッション材4P(6P)を、形成型(図示省略)で成形しつつ、表皮材4S(6S)に一体化する。
ここで成形型(図示省略)は、第一型と、第一型に閉じ合せ可能な第二型と、両型の間に形成されるキャビティ(クッション材の外形に倣った空間部)を有する。
第一型の裏面は、クッション材4P(6P)の裏面形状に倣った形状を有するとともに、突出部位(薄肉部の外形に倣った部位)を有する。また第二型の裏面形状は、クッション材4P(6P)の着座面形状に倣った形状を有する。
【0027】
本実施例では、第二型の裏面側に表皮材4S(6S)を張設するとともに、成形型内に成形材料(溶融樹脂等)を射出する。これによりクッション材4P(6P)を成形しつつ表皮材4S(6S)を一体的に取付けることができる。
このとき第二部位20にて溶融樹脂の侵入を極力阻止することで、表皮材4S(6S)本来の性質(柔軟性等)を極力維持しつつ、クッション材4P(6P)と表皮材4S(6S)を好適に一体化できる。
またクッション材4P(6P)の成形と同時に、第一型(突出部位)にて、クッション材4P(6P)の裏面に薄肉部32を形成する。このとき表皮材4S(6S)を第二型の裏面側に配置することで突出部位との干渉を避けることができる。
【0028】
(流路部の形成)
図1、図3及び図4を参照して、クッション材4P(6P)に、複数の流路部36(送風装置8のエアが通過する部位)を設けることができる。
本実施例では、クッション材4P(6P)側を下向きとしつつ、構成部材を基台(図示省略)に載置する。基台下方には、先端に刃先を備えるパンチ部材40(円柱状)が配置しており、このパンチ部材40が、基台に向かって昇降自在とされて支持部(図示省略)に取付けられる(図4を参照)。
そして薄肉部32を目印としつつ、基台上の構成部材に向かってパンチ部材40を上昇させて流路部36(孔部)を形成する。
このとき薄肉部32(クッション材の厚み寸法が比較的小さい部位)を設けることで、流路部36を比較的手間取ることなく形成できる。また薄肉部32の形成位置に裏打材34が配置しないことから、クッション材4P(6P)にパンチ部材40がスムーズに侵入できる。
そして本実施例では、クッション材4P(6P)に複数の流路部36を設けたのち、各流路部36を、送風装置8に連通することとなる。
【0029】
ところで上述の作製工程では、パンチ部材40が機能部14に達するなどして、機能部14が破損することが懸念される(図4を参照)。
そこで本実施例では、第二部位20と機能部14の間にスペーサー部16が設けられて、第二部位20と機能部14が離間配置する。このためパンチ部材40と機能部14の接触が極力阻止されて、機能部14の破損を極力防止又は低減できる。
そしてスペーサー部16が通気性を有することから、パンチ部材40によりスペーサー部16を貫通させる必要がない。このため各流路部36の深さ寸法のばらつきがあったとしても、エアの流通を好適に確保できる(流路部36の寸法のばらつきをスペーサー部16で吸収できる)。
さらにスペーサー部16に孔部16Hを設けたことで、パンチ部材40を抜き取った際に、スペーサー部16の削りカス等の発生を好適に抑えることができる。
【0030】
[車両用シートの組立作業]
図1を参照して、シートクッション4の裏面側に送風装置8を取付けるとともに、シートバック6の内部に送風装置8を取付ける。各送風装置8は、例えばフレーム部材4F,6Fに安定的に固定することができる。
そしてフレーム部材4F(6F)上に、構成部材(クッション材4P(6P),表皮材4S(6S))を配設する。つぎにクッション材4P(6P)の流路部36に、パイプ部材等(図示省略)を介して送風装置8を連通する。
こうすることで送風装置8から吹出される気体を、クッション材4P(6P)の流路部36と表皮材4S(6S)を通じて乗員に送風することができる。
【0031】
以上説明したとおり本実施例の構成部材は、送風装置8を備える車両用シートと送風装置8を備えない車両用シートのいずれにも使用できる。そして薄肉部32(クッション材4P(6P)の厚み寸法が比較的小さい部位)を設けることで、流路部36を比較的手間取ることなく形成できる(使い勝手に優れる構成である)。
また本実施例では、機能部14によって構成部材の機能の向上を図りつつ、第二部位20と機能部14の間にスペーサー部16を設けた(第二部位20と機能部14を離間配置した)。これにより流路部36の形成時における機能部14の破損を極力防止又は低減できる。
また本実施例では、薄肉部32(裏打材34の非形成箇所)により流路部36の形成を容易としつつ、クッション材4P(6P)を裏打材34で補強できる。
よって本実施例によれば、クッション材4P(6P)と表皮材4S(6S)を、使い勝手良く一体化することができる。
【0032】
本実施形態の車両用シート2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、第一部位10に機能部14を設ける例を説明した。機能部14は、シート構成に応じて省略することができる。このときスペーサー部16を第一部位10に設けて、表皮部12とパンチ部材40の接触を極力防止することにより、表皮部12の破損を防止又は低減できる。
(2)また本実施形態では、孔部を有するスペーサー部16を例示したが、スペーサー部16の構成を限定する趣旨ではない。スペーサー部16は、着座側に向かって凹む窪み部を有していてもよく、平坦であってもよい。
(3)また本実施形態では、裏打材34を、クッション材4P(6P)に設ける例を説明したが、裏打材を省略することもできる。
(4)また本実施形態では、クッション材4P,6Pの少なくとも一方に流路部36を形成することができる。
(5)また本実施形態では、パンチ部材40(物理的手段)により流路部36を形成する例を説明したが、流路部36の形成方法を限定する趣旨ではない。例えば流路部36の形成方法として、レーザなどの光学的手段や、溶剤によるクッション材4P(6P)の溶解を例示できる。
【符号の説明】
【0033】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 送風装置
4F,6F フレーム部材
4P,6P クッション材
4S,6S 表皮材
10 第一部位
12 表皮部
14 機能部
16 スペーサー部
20 第二部位
32 薄肉部
34 裏打材
36 流路部
40 パンチ部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート外形をなすクッション材と、前記クッション材を被覆可能な表皮材とを有するとともに、前記クッション材と前記表皮材が、前記クッション材の成形時に一体化されてなる車両用シートの構成部材において、
前記表皮材が、着座側に配置されて通気性を有する第一部位と、前記第一部位に積層されて前記クッション材の成形材料の侵入を阻止する第二部位とを有し、
前記クッション材の裏面側に、前記表皮材に向かって凹状の薄肉部を形成することで、エアの通過可能な流路部を、前記薄肉部と前記第二部位を貫通して形成可能とした車両用シートの構成部材。
【請求項2】
前記第一部位が、着座側をなす表皮部と、ヒータ機能やセンサ機能などの各種機能を備えた機能部と、前記機能部と前記第二部位を離間可能なスペーサー部とをこの順で積層してなる請求項1に記載の車両用シートの構成部材。
【請求項3】
前記薄肉部の形成位置を除くクッション材の裏面に、繊維層又は樹脂層などの裏打材を配設する請求項1又は2に記載の車両用シートの構成部材。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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