説明

車両用シート

【課題】車体側にリンクを介して支持された車両用シートにおいて、所定の衝突荷重が作用したときにシートクッションの移動を規制する。
【解決手段】車両用シート10には、ブラケット28とシートクッションフレーム26とを連結するリンク30が設けられており、リンク30は通常動作時にリンクピン32を中心に車両前後方向に揺動する。車両用シート10には、シートクッションフレーム26のブラケット42に形成された第1テーパー部42Aと、リンク30のブラケット44に形成された第2テーパー部44Aと、を備えた移動装置40が設けられており、所定の衝突荷重が作用したときにリンク30を車両幅方向外側へ移動させる。リンク30の車両前方側の車両幅方向外側には、リンク30が車両幅方向外側に移動したときに、リンク30と干渉するストッパ46が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側部材にリンクを介して支持されたシートクッションを備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、リンクを介して上下位置を調整可能なシートにおいて、リンクが所定角度後方に揺動した位置で車体側のブラケットのストッパ部に当接するブリッジ部をリンクのサイド部と一体的に形成した構造が開示されている。
【特許文献1】特開平5−41948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記先行技術による場合、衝突時のリンクの揺動を規制すべく、リンクが所定位置でストッパ部に当接するように構成されている。しかし、リンク支持される格納タイプのシートや、シートバックのリクライニング時にリンクが揺動するタイプのシートにおいては、シートを構成する部材がリンクの回動範囲内でストッパ部と干渉して格納構造やリクライニング構造が成立しない可能性があり、改善の余地がある。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、通常動作ではリンクによりシートクッションの位置を変更でき、所定の衝突荷重が作用したときにシートクッションの移動を規制することができる車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明に係る車両用シートは、車体側部材に車両前後方向へ移動可能となるようにリンクを介して支持されたシートクッションと、前記シートクッション及び前記リンクの少なくとも一方に設けられ、所定の衝突荷重が作用したときに前記リンクを車両幅方向へ移動させる移動手段と、前記リンクの通常動作時に前記リンクと干渉しないように前記車体側部材に固定され、前記移動手段により車両幅方向へ移動した前記リンクと干渉する規制部材と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記移動手段は、前記シートクッションの下部側に設けられ、車両幅方向外側が車両幅方向内側に対して勾配を持つように形成された第1テーパー部と、前記リンクに前記第1テーパー部と所定の間隔をおいて対向するように設けられ、前記第1テーパー部と略同一の勾配を持つように形成された第2テーパー部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用シートにおいて、 前記リンクは、通常動作で車両前後方向に揺動可能に支持されており、前記第1テーパー部及び前記第2テーパー部は、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向内側に向かうような勾配に形成され、かつ、前記規制部材は、前記リンクの車両前方側における車両幅方向外側に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の本発明によれば、車体側部材にリンクを介してシートクッションが支持されており、リンクの通常動作時にリンクが車体側部材に固定された規制部材と干渉せず、リンクの揺動によりシートクッションが車両前後方向に移動する。シートクッション及びリンクの少なくとも一方には移動手段が設けられており、所定の衝突荷重が作用したときにリンクが車両幅方向へ移動する。そして、車両幅方向へ移動したリンクは、車体側部材に固定された規制部材と干渉する。リンクと規制部材が干渉することにより、シートクッションの荷重作用方向への移動を規制することができる。すなわち、リンクの通常動作時にはリンクと規制部材が干渉することがなく、所定の衝突荷重が作用してリンクが車両幅方向へ移動したときにのみリンクと規制部材を干渉させることができる。このため、車体側部材に車両前後方向へ移動可能となるようにリンクを介して支持された格納シートやリクライニングシートなど、多種の車両用シートにおいて本発明を採用することができる。
【0009】
請求項2記載の本発明によれば、シートクッションに、車両幅方向外側が車両幅方向内側に対して勾配を持つように形成された第1テーパー部が設けられており、リンクの第1テーパー部と所定の間隔をおいて対向する位置に、第1テーパー部と略同一の勾配を持つように形成された第2テーパー部が設けられている。シートクッションに所定の衝突荷重が作用すると、シートクッションに設けられた第1テーパー部が車両前方側に押し出され、第1テーパー部がリンクに設けられた第2テーパー部に当接して第2テーパー部を車両前方側に押す。その際、第1テーパー部と第2テーパー部は、車両幅方向外側が車両幅方向内側に対して勾配を持つように形成されており、第1テーパー部の傾斜面に押されると、第1テーパー部の傾斜面に沿って第2テーパー部が車両幅方向へ移動し、リンクが車両幅方向へ移動する。例えば、第1テーパー部及び第2テーパー部が、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向内側に向かうような勾配に形成されていれば、第1テーパー部に押されて第2テーパー部が車両幅方向外側へ移動する。また例えば、第1テーパー部及び第2テーパー部が、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向外側に向かうような勾配に形成されていれば、第1テーパー部に押されて第2テーパー部が車両幅方向内側へ移動する。このため、簡単な構成により、リンクを車両幅方向へ移動させることができる。また、第1テーパー部及び第2テーパー部を設けることで、衝突荷重が作用したときにリンクを移動させる応答性が良好となる。
【0010】
請求項3記載の本発明によれば、リンクは通常動作で車両前後方向に揺動可能に支持されており、リンクの通常動作時には、リンクはリンクの車両前方側における車両幅方向外側に設けられた規制部材と干渉しない。また、第1テーパー部及び第2テーパー部は、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向内側に向かうような勾配に形成されているので、シートクッションに所定の衝突荷重が作用すると、シートクッションの第1テーパー部が車両前方側へ押し出され、第1テーパー部に押されて第2テーパー部が車両幅方向外側へ移動し、リンクが車両幅方向外側へ移動する。そして、車両幅方向外側へ移動したリンクは規制部材と干渉し、リンクの車両前方側への移動を規制することができる。これにより、シートクッションの車両前方側への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用シートは、通常動作ではリンクが規制部材と干渉することなくシートクッションの位置を変更することができ、所定の衝突荷重が作用したときにシートクッションの移動を規制することができるという優れた効果を有する。
【0012】
請求項2記載の本発明に係る車両用シートは、簡単な構成により、所定の衝突荷重が作用したときにリンクを車両幅方向へ移動させることができるという優れた効果を有する。
【0013】
請求項3記載の本発明に係る車両用シートは、所定の衝突荷重が作用したときに車両幅方向外側へ移動したリンクと規制部材をより確実に干渉させ、シートクッションの車両前方側への移動を規制することができるという優れた効果を有する。また、リンクを車両幅方向外側へ移動させることで、規制部材を設けるスペースを確保しやすく、スペース効率が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1〜図10を用いて、本発明に係る車両用シートの一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
【0015】
図1〜図3には、本実施形態に係る車両用シートの側面図が示されている。これらの図に示されるように、車両用シート10は、車体側部材であるフロア12に設置されており、乗員が着座可能なシートクッション14と、シートクッション14の車両前後方向の後端部に上下方向に沿って設けられたシートバック16と、を含んで構成されている。
【0016】
フロア12からは、シートクッション14の車両後端側に、一対のロアアーム18が立設されてフロア12に固定されている。ロアアーム18は、車両幅方向に所定の間隔をあけて配置されている。
【0017】
図1及び図4に示されるように、シートバック16は、車両正面視でシート下方側が開放された逆U字状のシートバックフレーム20を備えている。シートバックフレーム20の両側部の下部は、シートバック16の下方側に突出されている。シートバックフレーム20は、シートバック16を支持する骨格部材であり、シートバックフレーム20の下端部20Aは、ロアアーム18の上端部の車両幅方向内側と対向する位置まで延設されている。
【0018】
シートバックフレーム20の下端部20Aとロアアーム18の上端部とが対向する部分には、シートバック16を車両前後方向に回動(傾倒)可能に支持するリクライナ22が設けられている。シートバック16は、リクライナ22に設けられた軸部22Aを中心として車両前後方向に回動し、図1に示されるシートクッション14及びシートバック16の基準位置に対して、図2に示されるようにシートバック16の車両後方側への傾斜角度を増大させる(シートバック16を車両後方側へリクライニングさせる)ことができる。また、図3に示されるように、シートバック16を車両前方側へと折りたたむことができる。図示しない固定機構により、シートバック16は任意の角度で固定できるようになっている。
【0019】
シートバックフレーム20の下端部20Aには、図1に示されるシートクッション14及びシートバック16の基準位置で、車両側面視にて車両前方側に延びた突出部20Bが設けられている。図1及び図4に示されるように、突出部20Bの車両幅方向外側には、シートクッションフレーム26の後端部26Aがピン24を中心に回動可能に支持されている。ピン24は、図1に示されるシートクッション14及びシートバック16の基準位置で、リクライナ22の軸部22Aの中心より車両下方側に配置されている。シートクッションフレーム26は、シートクッション14を支持する骨格部材であり、管状の部材で構成されている。シートクッションフレーム26は、略「く」の字状に折り曲げられており、図1に示されるシートクッション14及びシートバック16の基準位置で、車両側面視にて後端部26A側が略水平で、前端部26B側が上方側に傾斜するように配置されている。
【0020】
フロア12からは、シートクッション14の車両前端側に、一対のブラケット28が立設されてフロア12に固定されている。ブラケット28は、車両幅方向に所定の間隔をあけて配置されている。ブラケット28の車両前端側には、上方側に延設された延設部28Aが形成されている。また、図6に示されるように、ブラケット28の車両前端部には、車両幅方向内側に折り曲げられたリブ28Bが形成されている。
【0021】
図1及び図5に示されるように、車両用シート10には、シートクッションフレーム26の前端部26Bをブラケット28の上端付近に連結する一対のリンク30が設けられている。リンク30の下端部は、ブラケット28の車両幅方向内側に、車両幅方向に沿って配置されたリンクピン32によって該リンクピン32の軸線廻りに回動可能に支持されている。リンク30の上端部は、シートクッションフレーム26の前端部26Bの車両幅方向外側に、車両幅方向に沿って配置されたリンクピン34によって該リンクピン34の軸線廻りに回動可能に支持されている。図5に示されるように、管状のシートクッションフレーム26の前端部26Bにはブラケット27が固定されており、ブラケット27を介してリンクピン32によってリンク30が回動可能に支持されている。
【0022】
この車両用シート10では、図2に示されるように、シートバック16をリクライナ22の軸部22Aを中心として車両後方側へ回動させると、シートバックフレーム20の突出部20Bが車両前方側に回動し、突出部20Bにピン24によって回動可能に支持されたシートクッションフレーム26が車両前方側に移動する。これにより、シートクッションフレーム26の前端部26Bのブラケット27にリンクピン34によって回動可能に支持されたリンク30が、下端側のリンクピン32を中心に車両前方側へ揺動する。これによって、シートクッション14が車両前方側に移動するようになっている。
【0023】
一方、図3に示されるように、シートバック16をリクライナ22の軸部22Aを中心として車両前方側へ回動させると、シートバックフレーム20の突出部20Bが車両後方側へ回動し、突出部20Bにピン24によって回動可能に支持されたシートクッションフレーム26が車両後方側に移動する。シートクッションフレーム26の車両後方側への移動により、リンク30が下端側のリンクピン32を中心に車両後方側へ揺動する。これによって、シートクッション14が車両後方の斜め下方側に移動し、車両幅方向に配置された一対のロアアーム18の間に格納されるようになっている。
【0024】
図5及び図6に示されるように、シートクッションフレーム26の前端部26B付近には、前突等により所定の衝突荷重が作用したときにリンク30を車両幅方向外側へ移動させる移動装置40が設けられている。移動装置40は、シートクッションフレーム26の下部に軸方向と略直角方向(斜め下方側)に突出するブラケット42を備えている。ブラケット42の下端面には、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向内側に向かうような勾配に形成された第1テーパー部42Aが形成されている。また、移動装置40は、リンク30の上端部の車両幅方向内側に、ブラケット42側に突出するブラケット44を備えている。ブラケット44の内側端面には、第1テーパー部42Aと略同一の勾配となるように形成された第2テーパー部44Aが形成されている。第1テーパー部42Aと第2テーパー部44Aとは、所定の間隔をおいて対向するように設けられている。
【0025】
また、ブラケット28の延設部28Aの車両後端側には、規制部材としてのストッパ46が設けられている。ストッパ46は、ブラケット28の延設部28Aから車両幅方向内側に折り曲げられており、車両幅方向に沿って配置されている。ストッパ46は、リンク30の車両前方側であって、リンク30よりも車両幅方向外側にずらして配設されており、リンク30が図2及び図3に示されるように車両前後方向に揺動する通常動作では、リンク30と干渉しないように構成されている。ストッパ46は、移動装置40によって車両幅方向外側に移動したリンク30と干渉するようになっている。なお、本実施形態では、ストッパ46はブラケット28と一体として設けられているが、別部品として設けてもよい。
【0026】
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0027】
車両用シート10では、リンク30が車両前後方向に揺動する通常動作ではストッパ46と干渉せず、リンク30の揺動によりシートクッション14が所定の位置に移動する。すなわち、図1に示されるシートクッション14及びシートバック16の基準位置に対して、図2に示されるようにシートバック16を車両後方側へ回動させたときは、リンク30がブラケット28のリンクピン32を中心に車両前方側に揺動し、シートクッション14が車両前方側に押し出される。また、図3に示されるようにシートバック16を車両前方側に回動して折り畳んだときは、リンク30がブラケット28のリンクピン32を中心に車両後方側に揺動し、シートクッション14が車両後方の斜め下方側の位置に格納される。
【0028】
一方、図7に示されるように、車両の前突等によりシートクッション14に所定の衝突荷重が入力された場合、シートクッションフレーム26に取付けられたブラケット42の第1テーパー部42Aが、リンク30に対して車両前方側(矢印B方向)に押し出される。
【0029】
図8に示されるように、第1テーパー部42Aが車両前方側(矢印B方向)に押し出されることによって、第1テーパー部42Aがリンク30に取付けられたブラケット42の第2テーパー部44Aに当たって第2テーパー部44Aを押す。その際、第1テーパー部42Aと第2テーパー部44Aは、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向内側に向かうような勾配に形成されているので、図9及び図10に示されるように、第1テーパー部42Aの傾斜面で第2テーパー部44Aの傾斜面が押されると、第1テーパー部42Aの傾斜面に沿って第2テーパー部44Aが車両幅方向外側(矢印C方向)へ移動し、リンク30が撓んで車両幅方向外側(矢印C方向)に押し出される。これによって、リンク30の車両前端側がストッパ46に当たる。
【0030】
このような車両用シート10では、リンク30の通常動作時にはリンク30がストッパ46と干渉することがなくシートクッション14を車両前後方向の所定の位置に変更でき、車両の前突等により所定の衝突荷重が作用したときのみリンク30を車両幅方向外側に移動させて(撓ませて)、ストッパ46と干渉させることができる。リンク30の車両前端側がストッパ46と干渉することにより、シートクッション14の車両前方側への移動を抑制することができる。
【0031】
また、移動装置40として、第1テーパー部42Aと第2テーパー部44Aとを設けるという簡単な構成により、リンク30を車両幅方向外側へ移動させることができ、低コスト化が可能である。また、リンク30を車両幅方向外側へ移動させることで、ストッパ46を設けるスペースを確保しやすく、スペース効率が良い。また、リンク30は板状であり、リンク30自体にシートクッション14の支持部材としての強度を持たせることは難しいが、リンク30の車両前端側がストッパ46と干渉することで、板状のリンク30の強度を安価に向上させることができる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、移動装置40として、第1テーパー部42Aと第2テーパー部44Aとを設けたが、第1テーパー部42Aと第2テーパー部44Aの形状や取付け位置は、これに限定されず、他の構成でもよい。
【0033】
また、上述した実施形態では、移動装置40によってリンク30を車両幅方向外側へ移動させてストッパ46と干渉させたが、これに限定されず、リンク30を車両幅方向内側へ移動させてストッパと干渉させるようにしてもよい。例えば、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向外側に向かうような勾配に形成された第1テーパー部及び第2テーパー部を設けることで、リンク30を車両幅方向内側へ移動させることが可能となる。
【0034】
さらに、上述した実施形態では、シートバック16のリクライニング時にはリンク30が車両前方側へ揺動してシートクッション14を車両前方側へ押し出し、シートバック16の格納時にはリンク30が車両後方側へ揺動してシートクッション14を車両後方側の下方部へ移動させる構成であったが、これに限定されず、他の構成でもよい。すなわち、車両用シートのタイプは、上述した実施形態の車両用シート10に限らず、車両前後方向に移動するようにリンク支持された格納シートやリクライニングシートなど、多種の車両用シートにおいて本発明を採用することができる。
さらにまた、上述した実施形態に限らず、シートクッションのフルストロークよりも車両前方側に、リンクと干渉する規制部材を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】一実施形態に係る車両用シートを示す側面図である。
【図2】図1に示される車両用シートのシートバックを車両後方側へ回動した状態を示す側面図である。
【図3】図1に示される車両用シートのシートバックを車両前方側へ回動させて格納した状態を示す側面図である。
【図4】シートバックフレームとロアアームとシートクッションフレームの取付け構造を示す縦断面図である。
【図5】シートクッションフレームとリンクとブラケットの取付け構造、移動装置、及びストッパを車両後方側から見た状態で示す縦断面図である。
【図6】シートクッションフレームとリンクとブラケットの取付け構造、移動装置、及びストッパを示す斜視図である。
【図7】図1に示される車両用シートのA−A線に沿った断面を模式的に示す断面図である。
【図8】図7に示される車両用シートにおいて、所定の衝突荷重が作用したときの車両用シートの移動装置及びリンクの動作を模式的に示す断面図である。
【図9】図7に示される車両用シートにおいて、所定の衝突荷重が作用したときにリンクが車両幅方向外側に撓んでストッパと干渉した動作を模式的に示す断面図である。
【図10】所定の衝突荷重が作用したときにリンクが車両幅方向外側に撓んでストッパと干渉した動作を車両後方側から見た状態で示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 車両用シート
12 フロア(車体側部材)
14 シートクッション
16 シートバック
18 ロアアーム(車体側部材)
26 シートクッションフレーム(シートクッションを構成する部材)
28 ブラケット(車体側部材)
30 リンク
40 移動装置(移動手段)
42A 第1テーパー部
44A 第2テーパー部
46 ストッパ(規制部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側部材に車両前後方向へ移動可能となるようにリンクを介して支持されたシートクッションと、
前記シートクッション及び前記リンクの少なくとも一方に設けられ、所定の衝突荷重が作用したときに前記リンクを車両幅方向へ移動させる移動手段と、
前記リンクの通常動作時に前記リンクと干渉しないように前記車体側部材に固定され、前記移動手段により車両幅方向へ移動した前記リンクと干渉する規制部材と、
を有することを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記移動手段は、
前記シートクッションの下部側に設けられ、車両幅方向外側が車両幅方向内側に対して勾配を持つように形成された第1テーパー部と、
前記リンクに前記第1テーパー部と所定の間隔をおいて対向するように設けられ、前記第1テーパー部と略同一の勾配を持つように形成された第2テーパー部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記リンクは、通常動作で車両前後方向に揺動可能に支持されており、
前記第1テーパー部及び前記第2テーパー部は、上縁から下縁に向かうに従って車両幅方向内側に向かうような勾配に形成され、かつ、前記規制部材は、前記リンクの車両前方側における車両幅方向外側に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−166535(P2009−166535A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4125(P2008−4125)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】