説明

車両用ステアリングロールコネクター

本発明は、車両に固着されるロールステーターと、前記ステーターと同軸をなし、相対回動自在に配設され、ステアリングホイールコネクターが取り付けられるローターコネクターが形成されたロールローターと、前記ロールステーターと前記ロールローターとの間に回動自在に配設されるローラープレートと、を備える車両用ステアリングロールコネクターであって、車両ステアリングホイールシャフトが取り付けられていない場合には中立位置設定を維持し、車両ステアリングシャフトが取り付けられる場合に駆動されて前記ロールローターと前記ロールステーターとの間の相対回動を可能にするロックユニットを備える車両用ステアリングロールコネクターを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用コネクターの中立位置を固定するための装置に係り、さらに詳しくは、組み立て工程を単純化させ、工程コストを削減することのできる車両用ロールコネクターに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、車両用ステアリングホイールアセンブリは、ステアリングホイールと、ステアリングカラムと、ステアリングロールコネクターアセンブリと、多機能スイッチアセンブリと、を備える。
ステアリングホイールは、運転者が操向方向を設定するためのものであり、運転者によるステアリングホイールの回転はステアリングカラムを介して車輪に伝わって車両の操向角を設定することとなる。
【0003】
多機能スイッチアセンブリは、ライト及びフォグランプ、ワイパー、各種のオーディオ装置及び車両ウィンドウスイッチなどを備えるものであり、運転者による各種装置の操作性を増大させることにより、各種装置の操作中にも前方注意力を失わないようにするが、これは、ステアリングホイールの上部にボタンスイッチとして設けられるか、あるいは、ステアリングホイールの側面のレバースイッチとして設けられる。また、ステアリングホイールの上端には、運転者の安全を確保するためのエアーバッグが設けられる。
【0004】
ステアリングホイールアセンブリに設けられる各種の電装装置と電気的疎通を行うと共に、電源を供給するためのロールコネクターが必須的に設けられる。実開平4−87191号には、従来の技術によるロールコネクターが開示されている。同文献に開示されているロールコネクターは、センターにセンター孔が形成される外筒部と、外筒部に一方の側が固定され、他方の側は内筒部に固定される可撓性ケーブルと、を備えるが、可撓性ケーブルは外筒部の内壁に時計回り方向に巻き付けられてU字状に反転して内筒部の外壁の周りに反時計回り方向に巻回されることにより外筒部に収納される。
【0005】
この種のロールコネクターは、組み立て過程において中立位置の確保が必須的である。すなわち、ロールコネクターに設けられるステーターとローターとの間の相対回動を防止したままで完成車の組み立て工程に納品されなければ、ステアリングホイールの回転量を正確に感知することができない。このようなロールコネクターの中立を確保するために、中立ピンが取り付けられた状態のロールコネクターが完成車の組み立て会社に納品されて物流移動が行われる。このような従来の技術によるロールコネクターは、完成車の組み立て工程においてステアリングホイールシャフトと係合され、ステアリングホイールのスイッチ類の電気信号を伝達するためのスイッチコネクターと接続されるが、従来の中立ピンは、スイッチコネクターの組み立て位置との干渉が発生してスイッチコネクターの事前の組み立てが不可能であった。
【0006】
これらのそれぞれの構成要素の完成車会社への個別的な納品は物流費を増大させ、完成車の組み立て時に複雑なワイヤハーネスの存在により誤組立ての可能性が高くなるなどかなりの問題点が伴われていた。なお、従来には引き抜き可能な中立ピンのみを備えていたため、これを取り外した後に誤組立てなどの問題が発生して再組立てを行う場合に、中立状態の解放による作業がかなり困難であるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、ステアリングホイールシャフトに取り付けられる場合に、自動ロック解放による中立解放を行うことのできる車両用ロールコネクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明は、車両に固着されるロールステーターと、前記ステーターと同軸をなし、相対回動自在に配設され、ステアリングホイールコネクターが取り付けられるローターコネクターが形成されたロールローターと、前記ロールステーターと前記ロールローターとの間に回動自在に配設されるローラープレートと、を備える車両用ステアリングロールコネクターであって、車両ステアリングホイールシャフトが取り付けられていない場合には中立位置設定を維持し、車両ステアリングシャフトが取り付けられる場合に駆動されて前記ロールローターと前記ロールステーターとの間の相対回動を可能にするロックユニットを備える車両用ステアリングロールコネクターを提供する。
【0009】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロックユニットは、前記ロールローター側に配設されるローターロック取付部に配設されるロック部と、前記ロック部の駆動によって係合状態が変化され、前記ロールステーター側に配設されるロック取付部と、を備えることが好ましい。
【0010】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロック取付部は、前記ロック部の対応する位置であって前記ロールステーターに配設されるステーターロック取付部と、前記ロック部の対応する位置であって前記ローラープレートに配設されるローラープレートロック取付部と、を備えることが好ましい。
【0011】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロック部は、前記ローターロック取付部に駆動自在に配設されるロックブロックと、一方の端は前記ローターロック取付部に、他方の端は前記ロックブロックに接して前記ロックブロックを弾持するロック弾性部と、一方の端は前記ロックブロックと接触し、他方の端は車両ステアリングホイールシャフト側と接触し、前記ロールローターに回動自在に配設されるロックヒンジ部と、を備えることが好ましい。
【0012】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロックブロックは、前記ローターロック取付部に駆動自在に配設されるロックブロックボディと、前記ロックブロックボディの一方の端に配設され、前記ロック弾性部を支持するロックブロック弾性部取付部と、前記ロックブロックボディに配設され、前記ロックヒンジ部と接触するロックブロックヒンジ接触部と、前記ロックブロックボディの他方の端に配設され、前記ロック取付部に係合自在に形成されるロックブロック駆動部と、を備えることが好ましい。
【0013】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロックヒンジ部は、中央にロックヒンジ中心部を介して前記ローターロック取付部に回動自在に配設されるロックヒンジボディと、前記ロックヒンジボディの一方の端であって、前記ロックブロックと接触可能なロックヒンジブロック接触部と、車両ステアリングホイールシャフト側と接触可能であり、前記ロックヒンジボディの他方の端に配設されるロックヒンジ駆動部と、を備えることが好ましい。
【0014】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロールローターには前記ロックヒンジボディの貫通を許容するロックストッパー貫通口が設けられ、前記ロックヒンジ中心部は、前記ロックストッパー貫通口に回動自在に取り付けられることが好ましい。
【0015】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロックストッパー貫通口の外側には前記ロックヒンジ部の離脱を防ぐためのロックストッパーがさらに設けられることが好ましい。
【0016】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロックヒンジブロック接触部は、「コ」字状に配設されることが好ましい。
【0017】
前記車両用ステアリングロールコネクターにおいて、前記ロックブロックは、前記ローターロック取付部に駆動自在に配設されるロックブロックボディと、前記ロックブロックボディの一方の端に配設され、前記ロック弾性部を支持するロックブロック弾性部取付部と、前記ロックブロックボディに配設され、前記ロックヒンジ部と接触するロックブロックヒンジ接触部と、前記ロックブロックボディの他方の端に配設され、前記ロック取付部に係合自在に形成されるロックブロック駆動部と、を備え、前記ロックヒンジブロック接触部は、前記ロックブロックヒンジ接触部に収容可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
上述した構成を有する本発明に係るロックユニットは、下記の効果を有する。
先ず、第一に、本発明に係る車両用ステアリングロールコネクターは、自動ロック構造により中立状態を形成するが、車両ステアリングホイールシャフトに取り付けられる場合に自動ロック解放構造を形成して中立が解放可能になる。
第二に、本発明に係る車両用ステアリングロールコネクターは、自動ロック構造により作業者が中立状態であるか否かが目視し易く、誤組立てによる不良の可能性を大幅に減らすことができる。
【0019】
本発明は図示の一実施の形態に基づいて説明されるが、これは単なる例示的なものに過ぎず、この技術分野における通常の知識を持った者であれば、これより種々の変形及び均等な他の実施形態が導き出されるという点が理解できるであろう。よって、本発明の真の技術的な保護範囲は特許請求の範囲に記載の技術的思想によって定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係るロックユニットが取り付けられた車両用ロールコネクターの概略斜視図である。
【図2】図1の車両用ロールコネクターの概略的な分解斜視図である。
【図3】図1の車両用ロールコネクターの概略平面図である。
【図4】図3の線B−Bに沿って切り取った概略断面図である。
【図5】図5乃至図7は、図3の線A−Aに沿って切り取った中立時、ロック解放時の回転前後状態の概略断面図である。
【図6】図5乃至図7は、図3の線A−Aに沿って切り取った中立時、ロック解放時の回転前後状態の概略断面図である。
【図7】図5乃至図7は、図3の線A−Aに沿って切り取った中立時、ロック解放時の回転前後状態の概略断面図である。
【図8】ロックユニットの概略的な部分斜視図である。
【図9】図9及び図10は、ロックユニットのロック取付部の中立状態前後の概略的な部分斜視図である。
【図10】図9及び図10は、ロックユニットのロック取付部の中立状態前後の概略的な部分斜視図である。
【図11】ロックユニットのロックストッパーの概略的な部分拡大斜視図である。
【図12】ロックユニットの中立状態における部分拡大断面図である。
【図13】ロックユニットの中立状態における斜視図である。
【図14】ロックユニットの中立解放状態における部分拡大断面図である。
【図15】ロックユニットの中立解放状態における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明に係るロックユニットを備える車両用ステアリングロールコネクターについて説明する。
【0022】
図1には、本発明の一実施の形態に係るロックユニットが取り付けられた車両用ロールコネクターの概略斜視図が図示されており、図2には、図1の車両用ロールコネクターの概略的な分解斜視図が図示されており、図3には、図1の車両用ロールコネクターの概略平面図が図示されており、図4には、図3の線B−Bに沿って切り取った概略断面図が図示されており、図5乃至図7には、図3の線A−Aに沿って切り取った中立時、ロック解放時の回転前後状態の概略断面図が図示されており、図8には、ロックユニットの概略的な部分斜視図が図示されており、図9及び図10には、ロックユニットのロック取付部の中立状態前後の概略的な部分斜視図が図示されており、図11には、ロックユニットのロックストッパーの概略的な部分拡大斜視図が図示されており、図12及び図13には、ロックユニットの中立状態における部分拡大断面図及び斜視図が図示されており、図14及び図15には、ロックユニットの中立解放状態における部分拡大断面図及び斜視図が図示されている。
【0023】
本発明の一実施の形態に係るロックユニット200を備える車両用ステアリングロールコネクター1は、ロックユニット200を用いて、ステアリングホイールシャフト(図示せず)の取り付けの有無に応じて中立ロック状態を自動的に解放することが可能である。
【0024】
図1及び図2に示すように、車両用ステアリングロールコネクター1は、ロールステーター10と、ロールローター20と、を備えるが、ロールステーター10は、ロールステーターカバー10aと、ロールステーターベース10bと、を備え、これらは係合されて車両に固着され、ロールローター20は、ロールロータープレート20aと、ロールローター回動中心部20bと、を備え、これらは係合されてロールステーター10に相対回動自在に取り付けられる。ロールステーター10及びロールローター20の中心には貫通口が形成されるが、ロールローター20は貫通口を介して車両ステアリングシャフト(図示せず)に取り付けられて、運転者の操向によって回動する車両ステアリングシャフト(図示せず)につれ回動する。ロールローター20のロールロータープレート20aに形成されるロールローター貫通口22の内側には、後述するロックユニット200がロールローター貫通口22の内側に露設される。ロールローター20には、中立確認ローターマーク25が設けられ、ロールステーター10には、中立確認ステーターマーク17が設けられるが、これらの位置合わせが行われ、ローラープレートまたはロールローターの回転数を正確に設定することにより中立状態の形成が確認可能になる。
【0025】
ロールステーター10の下端には車両用ロールコネクターターミナル部15が設けられ、車両用ロールコネクターターミナル部15にはフラットケーブルコネクター52が配設され、フラットコネクター52の端部にロールコネクターターミナル端子16が設けられて、車両の制御部(図示せず)などの外部電気装置と物理的に接続され、これにより電気的疎通が行われる。ロールローター20は、ロールステーター10(10a、10b)に相対回動自在に取り付けられ、ロールローター20は、車両ステアリングシャフト(図示せず)につれ回動する。ロールローター20の上端にはローターコネクター21が取り付けられるが、ローターコネクター21にはフラットケーブルコネクター51が配設される。ローターコネクター21は、車両ステアリングホイールに配設されるホイールスイッチ(図示せず)及び/又はレバースイッチ(図示せず)などからの電気的信号を伝達するためのステアリングホイールコネクター30と係合される。ステアリングホイールコネクター30は、配線31と電気的に疎通されるが、ステアリングホイールコネクター30は、配線31を介してステアリングホイール(図示せず)に取り付けられるホイールスイッチ(図示せず)及び/又はレバースイッチ(図示せず)と電気的に疎通される。
【0026】
ロールローター20及びロールステーター10によって形成される内部空間には軟性回路基板または回路配線18が配設されるが、軟性回路基板または回路配線はローターコネクター21及びロールコネクターターミナル部15のロールコネクターターミナル端子16と電気的に疎通されて、ホイールスイッチ及び/又はレバースイッチからのユーザーによる作動モードに対する電気的な信号の変化を制御部に伝達し、制御部は、これに対応するそれぞれのアクチュエータに制御信号を印加することによりユーザーが希望する所定の作動モードが行われる。軟性回路基板または回路配線は、ローラープレート40及びローラー41を介してロールローターとロールステーターとの間の相対回動時に安定した巻き取り及び巻き戻しが行われる。
【0027】
ロールステーター10にはステーター中立取付部11が形成され、ロールローター20にはローター中立取付部23が形成され、ステーター中立取付部11は、ロールステーター10の側面に形成されるが、溝構造のステーター中立取付溝12を備え、ローター中立取付部23もローター中立取付溝の溝構造に形成される。
【0028】
車両用ロールコネクター中立ピンユニット100は車両用ステアリングロールコネクター1に取り付けられて、車両用ステアリングロールコネクター1の中立位置に変動が発生することを防ぐ。車両用ロールコネクター中立ピンユニット100、すなわち、本実施形態において引き抜き可能な中立ピンはロールローター及びロールステーター側に配設されて、組立者がこれを車両用ロールコネクターから引き抜くことにより、ロールローターとロールステーターとの間の相対回動が可能になる。
【0029】
一方、本発明の一実施の形態に係る車両用ステアリングロールコネクター1のロックユニット200は、車両用ステアリングロールコネクター1に車両ステアリングホイールシャフト(図示せず)が取り付けられていない場合に車両用ステアリングロールコネクター1の中立状態を維持し、車両用ステアリングロールコネクター1に車両ステアリングホイールシャフト(図示せず)が取り付けられた場合に車両用ステアリングロールコネクター1の中立状態を自動的に解放してロールローター20とロールステーター10との間の相対回動を可能にする。
【0030】
より具体的に、本発明の車両用ステアリングロールコネクター1に配設されるロックユニット200は、ロック取付部210と、ロック部220と、を備えるが、図4から図7には、ロックユニット200の断面図が示してある。ロック部220は、ロールローター20側に配設されるローターロック取付部211に配設され、ロック取付部210はロック部220の駆動によって係合状態が変化され、ロールステーター10側に配設される。ローターロック取付部211(図5参照)は、ロールローター20のロールロータープレート20aの中央に形成される貫通口、すなわち、ロールローター貫通口22の内側に形成され、ローターロック取付部211にロック部220が駆動自在に配設される。
【0031】
ロック取付部210は、ローターロック取付部211に配設されるロック部220と連結されるが、図9及び図10に示すように、ロック取付部210は、ステーターロック取付部215と、ローラープレートロック取付部213と、を備える。ステーターロック取付部215は、ロック部220の対応する位置であってロールステーター20に配設され、ローラープレートロック取付部213は、ロック部220の対応する位置であってローラープレート40に配設される。ロック部220は、ロールローター20に形成されるローターロック取付部211に配設されることにより、車両ステアリングホイールシャフトが取り付けられた後にロールローター20が回動する場合に、ロック部220はロールローター20につれ回動することにより、ロック部220とステーターロック取付部215またはローラープレートロック取付部213に対して相対回動可能である。このため、ロック部220とロック取付部210との間の係合構造を用いて車両用ステアリングロールコネクター1の中立状態を維持することができ、車両用ステアリングホイールシャフトが取り付けられる場合に自動的に中立状態を解放する構造を取る。
【0032】
ステーターロック取付部215は、ロールステーター10のロールステーターベース10bに形成されるが、中央に車両ステアリングホイールシャフトまたはロールローター20のロールローター回動中心部20bが配設される構造を取る。ロールステーターベース10bの上部にはローラープレート40が配設されるが、ローラープレート40に配設される貫通口の直径はロールステーターベース10bに形成された貫通口の直径よりも大きく、ロールステーターベース10bの一部がロールローター20側のローターロック取付部211に向かって配設される領域が存在するが、この領域にステーターロック取付部215が配設される。また、ローラープレートロック取付部213は、ステーターロック取付部215の外側であってローラープレート40に形成される。ローラープレート40が回動して所定の位置であって車両用ロールコネクター1の中立状態をなす位置を確保する場合に、ローラープレートロック取付部213とステーターロック取付部215が一緒に所定の空間を形成してロック部220が挿設可能になる。これに対し、ローラープレート40とロールステーターベース10bとの間の相対回動が発生して中立状態が解放される場合に、図10に示すように、ローラープレートロック取付部213及びステーターロック取付部215は、角度離隔状態を形成してローラープレートロック取付部213及びステーターロック取付部215を介したロック部220の挿設を制限する。
【0033】
ロック部220は、ロックブロック2210と、ロック弾性部2230と、ロックヒンジ部2220と、を備えるが、ロックブロック2210は、ローターロック取付部221に駆動自在に配設され、ロック弾性部2230は、一方の端がローターロック取付部221に、且つ、他方の端がロックブロック2210に接してロックブロック2210を弾持し、ロックヒンジ部2220は、一方の端がロックブロック2210と接触し、他方の端が車両ステアリングホイールシャフト側と接触し、ロールローター20、より具体的に、ロールロータープレート20aに回動自在に、より具体的に、シーソー運動自在に配設される。
【0034】
ロックブロック2210は、ロックブロックボディ2211と、ロックブロック弾性部取付部2213と、ロックブロックヒンジ接触部2215と、ロックブロック駆動部2217と、を備える。ロックブロックボディ2211は、ロールロータープレート20aに配設されるローターロック取付部221に駆動自在に配設されるブロック体として形成される。ロックブロックボディ2211の上端にはロックブロック弾性部取付部2213が配設されるが、この実施形態に係るロックブロック弾性部2230は、コイルバネ型の弾性体により実現され、コイルバネ型のロックブロック弾性部2230は、一方の端がロックブロック弾性部取付部2213に配設され、他方の端がローターロック取付部221の内面に接することにより、ロックブロック弾性部2230はロックブロックボディ2211を弾持する。ロックブロック弾性部取付部2213は、突起構造に形成されてコイルバネ型のロックブロック弾性部2230の一方の端に挿設されることにより、ロックブロックボディ2211がローターロック取付部221において駆動される場合に、ロックブロック弾性部2230を安定して押し付け、元の位置に戻らせる。
【0035】
ロックブロックヒンジ接触部2215は、ロックブロックボディ2211に形成されるが、ロックブロックヒンジ接触部2215は、後述するロックヒンジ部2220と接触状態を形成する。ロックヒンジ部2220を介して伝わった力によってロックブロックボディ2211が駆動されるが、ロックブロックヒンジ接触部2215(図8参照)は「E」字状を形成し、後述するロックヒンジ部2220のロックヒンジブロック接触部2225(図8参照)が「コ」字状を形成することにより、ロックヒンジ部2220のロックヒンジブロック接触部2225がロックブロックヒンジ接触部2215に収容される構造を形成することができる。このような構造によりロックヒンジ部2220を介して外力を安定して伝達することが可能になる。
【0036】
ロックブロック駆動部2217は、ロックブロックボディ2211の他方の端に配設され、ロック取付部210に係合自在に形成されるが、ロックブロック駆動部2217は、ロックブロックボディ2211の他方の端から突設される突起構造を取る。ロックブロックボディ2211が駆動される場合に、ロックブロック駆動部2217が駆動されることにより、ロック取付部210との係合状態の維持または解放動作が行われ、これにより、車両用ステアリングロールコネクターの中立状態の位置または解放が可能になる。
【0037】
ロックヒンジ部2220は、ロックヒンジボディ2221と、ロックヒンジブロック接触部2225と、ロックヒンジ駆動部2227と、を備えるが、ロックヒンジボディ2221は、ロックヒンジ中心部2223を介してローターロック取付部211に回動自在に配設され、ロックヒンジブロック接触部2225は、前記ロックブロックヒンジ接触部2215との接触状態を形成し、ロックヒンジ駆動部2227は、車両ステアリングホイールシャフト側と接触可能であり、ロックヒンジボディ2221の他方の端に配設される。
【0038】
ロックヒンジボディ2221は、所定の長方形ブロックに形成されるが、ロックヒンジボディ2221の中央にはロックヒンジ中心部2223が配設され、ロックヒンジ中心部2223は、ロールローター20のロールロータープレート20a側、より具体的に、ローターロック取付部211の外側に回動自在に配設されることにより、ロックヒンジボディ2221は、ロールロータープレート20aに対してシーソー回動運動を行うことができる。ロックヒンジ中心部2223は、別途の中心シャフトが貫設される構造を取ることもできるが、所定の凹溝構造を取り、この対応する位置であってロールロータープレート20aに形成されるローターロック取付部211の外側に対応部(図示せず)が形成されて所定の相対回動可能な係合構造を取ることにより、所定のシーソー運動を可能にしてもよい。
【0039】
ロックヒンジボディ2221の一方の端にはロックヒンジブロック接触部2225が配設されるが、その構造及びロックブロックヒンジ接触部2215との接触構造は上述の通りである。図8に示すように、この実施の形態において、「コ」字状のロックヒンジブロック接触部2225が「E」字状のロックブロックヒンジ接触部2215に単に挿設される構造を形成したが、ロックヒンジブロック接触部の外側に所定の突起が、且つ、ロックブロックヒンジ接触部の内側であってロックヒンジブロック接触部に形成される突起の対応する位置に所定の凹溝が形成され、互いに回動可能な係合構造を取ることにより、ロックヒンジ部2220を介してロックブロック2210を安定して駆動するなど種々の構成をとることができる。
【0040】
ロックヒンジ駆動部2227は、ロックヒンジボディ2221の他方の端に配設されるが、ロックヒンジ駆動部2227は、ローターロック取付部211を貫通してロールロータープレート20aの中央に車両ステアリングホイールシャフト側を貫設可能にする中央貫通口側に向かって露出されて車両ステアリングホイールシャフト側が車両用ステアリングロールコネクターに取り付けられる場合に力が伝達されてロックヒンジボディ2221をシーソー回動運動させる機能を行う。
【0041】
一方、ロールローター20、より具体的に、ロールロータープレート20aの中央内側にはロックストッパー貫通口2241が形成されるが、ロックヒンジボディ2221と連結されるロックヒンジ駆動部2227は、ロックストッパー貫通口2241を介して車両ステアリングホイールシャフト側が取り付けられる中央内側に向かって突設される。ロックストッパー貫通口2241を介してロックヒンジ部2220の一方の端はローターロック取付部211に配設されるロック部220に向かって配設され、ロックヒンジ部2220の他方の端は内側中央の貫通口に向かって露出されるように配設されてもよい。
【0042】
ロックヒンジ部2220の凹溝構造のロックヒンジ中心部2223は、ロックストッパー貫通口2241の内側に突設される対応部との係合によりシーソー回動可能な構造を取るが、ロックストッパー貫通口2241の外側であってロックヒンジ駆動部2227側に向かう端部側にロックストッパー2240が配設される。すなわち、図11に示すように、ロックストッパー2240は、ロックストッパー貫通口2241の外側端部であって車両ステアリングホイールシャフト側が取り付けられる中央側に向かって突設されるが、ロックストッパー2240は、ロックヒンジボディ2221の一面と接触する。ロック部220がロック取付部210と係合されて車両用ステアリングロールコネクター1の中立状態を維持する場合に、ロックストッパー2240はロックヒンジボディ2221と接触状態を形成してロック弾性部2230による弾持力によってロックヒンジボディ2221がシーソー回動運動し過ぎることを防ぐことができる。
【0043】
以下、図12乃至図15に基づき、本発明の一実施の形態に係る車両用ロールコネクター1のロックユニット200の作動過程について説明する。
【0044】
初期状態、すなわち、車両用ロールコネクター1が中立状態を形成して維持する場合に、ロック部220はロック取付部210との係合状態を維持する。すなわち、図12及び図13に示すように、ロック弾性部2230の弾持力によってロックブロック2210はロック取付部210、すなわち、ローラープレート40に形成されるローラープレートロック取付部213及びロールステーターに形成されるステーターロック取付部215と係合状態を形成して、車両用ロールコネクター1の中立状態を維持する。このとき、ロックブロック2210と接触するロックヒンジ部2220は、ロックストッパー2240によって支持されることにより、ロック弾性部230の弾性力によるロックヒンジ部2220のロックヒンジボディ2221の過度な回動を防いで、ロックブロック駆動部2217がローラープレートロック取付部213及びステーターロック取付部215に係合状態を維持するようにする。
【0045】
しかる後、車両用ロールコネクター1と仮想線にて示す車両ステアリングホイールシャフト3(図14参照)とが結合されて、車両ステアリングホイールシャフト3がロールローター貫通口22に挿設される場合に、車両ステアリングホイールシャフト3は、ロックユニット200のロック部220のロックヒンジ部2220を押し付ける。このとき、ロックヒンジ部2220のロックヒンジ駆動部2227が車両ステアリングホイールシャフト3によって押し付けられる場合に、ロックヒンジブロック接触部2225は、ロックブロックボディ2211に外力を伝達してロック弾性部230を押し付けることにより、ロックブロックボディ2211を図中の上方に駆動させ、これにより、ロックブロックボディ2211の他方の端に形成されるロックブロック駆動部2217も一緒に駆動して、ロックブロック駆動部2217とロック取付部210との間の係合を解放して、ローラープレート40、ロールローター20などの回動運動を可能にして中立状態を解放することができる。
【0046】
中立状態が解放された場合にも、車両ステアリングホイールシャフトなどと車両用ステアリングロールコネクターとの間の結合が解放された後、ロールローター20及びローラープレート40の所定の回動運動によりローラープレートロック取付部213とステーターロック取付部215との間の位置合わせが行われるとき、ロック弾性部2230の弾持力によってロックブロック2210はロック取付部210側に駆動されて係合構造を再形成して、中立状態の形成が目視可能であり、安定した分解・再組立て工程が行われる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、車両に取り付けられるステアリングロールコネクターについて述べているが、所定の回転運動を行い、電気的信号の伝達を要すると共に、生産またはメンテナンス時に中立位置基準の設定が求められる装置に種々に適用可能である。
【0048】
上述した実施形態は本発明を説明するためのものであり、本発明がこれらに制限されることはない。
上記の実施の形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明がこれらの実施の形態に制限されることはない。本発明は、図面に示す一実施形態を参考として説明されたが、これは単なる例示的なものに過ぎず、この技術分野における通常の知識を持った者であれば、これより様々な変形および均等な他の実施形態が可能であるということが理解できるであろう。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲に開示されている技術的な思想によって定まるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に固着されるロールステーターと、前記ステーターと同軸をなし、相対回動自在に配設され、ステアリングホイールコネクターが取り付けられるローターコネクターが形成されたロールローターと、前記ロールステーターと前記ロールローターとの間に回動自在に配設されるローラープレートと、を備える車両用ステアリングロールコネクターであって、
車両ステアリングホイールシャフトが取り付けられていない場合には中立位置設定を維持し、車両ステアリングシャフトが取り付けられる場合に駆動されて前記ロールローターと前記ロールステーターとの間の相対回動を可能にするロックユニットを備える車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項2】
前記ロックユニットは、
前記ロールローター側に配設されるローターロック取付部に配設されるロック部と、
前記ロック部の駆動によって係合状態が変化され、前記ロールステーター側に配設されるロック取付部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項3】
前記ロック取付部は、
前記ロック部の対応する位置であって前記ロールステーターに配設されるステーターロック取付部と、
前記ロック部の対応する位置であって前記ローラープレートに配設されるローラープレートロック取付部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項4】
前記ロック部は、
前記ローターロック取付部に駆動自在に配設されるロックブロックと、
一方の端は前記ローターロック取付部に、他方の端は前記ロックブロックに接して前記ロックブロックを弾持するロック弾性部と、
一方の端は前記ロックブロックと接触し、他方の端は車両ステアリングホイールシャフト側と接触し、前記ロールローターに回動自在に配設されるロックヒンジ部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項5】
前記ロックブロックは、
前記ローターロック取付部に駆動自在に配設されるロックブロックボディと、
前記ロックブロックボディの一方の端に配設され、前記ロック弾性部を支持するロックブロック弾性部取付部と、
前記ロックブロックボディに配設され、前記ロックヒンジ部と接触するロックブロックヒンジ接触部と、
前記ロックブロックボディの他方の端に配設され、前記ロック取付部に係合自在に形成されるロックブロック駆動部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項6】
前記ロックヒンジ部は、
中央にロックヒンジ中心部を介して前記ローターロック取付部に回動自在に配設されるロックヒンジボディと、
前記ロックヒンジボディの一方の端であって、前記ロックブロックと接触可能なロックヒンジブロック接触部と、
車両ステアリングホイールシャフト側と接触可能であり、前記ロックヒンジボディの他方の端に配設されるロックヒンジ駆動部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項7】
前記ロールローターには前記ロックヒンジボディの貫通を許容するロックストッパー貫通口が設けられ、
前記ロックヒンジ中心部は、前記ロックストッパー貫通口に回動自在に取り付けられることを特徴とする請求項6に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項8】
前記ロックストッパー貫通口の外側には前記ロックヒンジ部の離脱を防ぐためのロックストッパーがさらに設けられることを特徴とする請求項7に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項9】
前記ロックヒンジブロック接触部は、「コ」字状に配設されることを特徴とする請求項6に記載の車両用ステアリングロールコネクター。
【請求項10】
前記ロックブロックは、
前記ローターロック取付部に駆動自在に配設されるロックブロックボディと、
前記ロックブロックボディの一方の端に配設され、前記ロック弾性部を支持するロックブロック弾性部取付部と、
前記ロックブロックボディに配設され、前記ロックヒンジ部と接触するロックブロックヒンジ接触部と、
前記ロックブロックボディの他方の端に配設され、前記ロック取付部に係合自在に形成されるロックブロック駆動部と、を備え、
前記ロックヒンジブロック接触部は、前記ロックブロックヒンジ接触部に収容可能であることを特徴とする請求項9に記載の車両用ステアリングロールコネクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−516355(P2013−516355A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547949(P2012−547949)
【出願日】平成22年12月31日(2010.12.31)
【国際出願番号】PCT/KR2010/009613
【国際公開番号】WO2011/083936
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(510086475)デースン エレクトリック シーオー エルティーディー (6)
【Fターム(参考)】