説明

車両用ドアのドアミラー取付部構造

【課題】ドアミラー取付部の車両前後方向及び上下方向の剛性の向上とパーティションガラスの上下方向位置の安定化を図ることができる車両用ドアのドアミラー取付部構造を提供すること。
【解決手段】車両用ドアのアウタパネルを補強するアウタリンフォース8とドアミラー取付部を補強するミラーリンフォース9を備え、アウタリンフォース8の前端部裏面にミラーリンフォース9を溶接し、該ミラーリンフォース9の前端部とアウタリンフォース8の後端部をインナパネルに溶接して成る車両用ドアのドアミラー取付部構造において、アウタパネルとアウタリンフォース8の各上端部同士をヘミングによって結合するとともに、アウタリンフォース8の上端部の一部に切欠き8aを形成し、該切欠き8aに挿通する溶接装置によってミラーリンフォース9とインナパネルの各上端部同士を溶接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドア、特に左右の各フロントドアのベルトライン部(窓開口の下縁部)前端付近に取り付けられるドアミラーの取付部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ドアは、アウタパネルとインナパネルの各周縁同士を接合して中空構造として構成されるが、アウタパネルはこれの内側に配されるアウタリンフォースによって補強されている。そして、左右の各フロントドア(アウタパネル)外面のベルトライン部前端付近にはドアミラーが取り付けられるが、このドアミラーの取付部は、前記アウタリンフォースの前端部裏面に溶接されたミラーリンフォースによって補強されている。
【0003】
ここで、従来のドアミラー取付部構造の一例を図6及び図7に示す。
【0004】
即ち、図6は従来のドアミラー取付部構造を示すアウタリンフォースの斜視図、図7は図6のD−D線断面図であり、アウタパネル102の内側に車両前後方向に配されたアウタリンフォース108の前端部裏面にはミラーリンフォース109が図6に示す2点aでスポット溶接されている。そして、ミラーリンフォース9の前端部は図6に示す2点bでインナパネル103(図7参照)にスポット溶接されており、アウタリンフォース108の後端部は図6に示す2点cでインナパネル103にスポット溶接されている。
【0005】
又、アウタリンフォース108とアウタパネル102(図7参照)の各上端部同士は全長に亘ってヘミングによって結合されており(へミングによる結合箇所を図6に斜線にて示す)、図7に示すように、ミラーリンフォース109の上部にはパーティションガラス106の下方を横切る水平部109aが形成されており、この水平部109aによってパーティションガラス106の下縁部がパーティションウェザーストリップ110を介して受けられている。尚、図7において、111はアウタパネル102とアウタリンフォース108の結合部に被着されるアウタウェザーストリップ、112はインナパネル103を内側から覆うドアトリムである。
【0006】
更に、図6に示すようにアウタリンフォース108とミラーリンフォース109の各3箇所には円孔113,114が形成されている。
【0007】
而して、ドアミラーの固定部107aをアウタパネル102の切欠き102aに通し、該固定部107aの裏面から突出するスタッドボルト115をアウタリンフォース108とミラーリンフォース109にそれぞれ形成された円孔113,114に通し、固定部107aの裏面をアウタリンフォース108に当てた状態で各スタッドボルト115に螺合するナット116を締め付けることによって、ドアミラーがアウタリンフォース108とミラーリンフォース109に取り付けられ、その取付部がミラーリンフォース109によって補強される。
【0008】
しかしながら、上記従来のドアミラー取付部構造においては、ミラーリンフォース109とアウタリンフォース108はそれぞれ車両前後端のみでインナパネル103に固定されているため、ドアミラー取付部の車両前後方向の剛性を確保しづらく、又、ミラーリンフォース109の水平部109aによって下縁部が受けられるパーティションガラス106の上下方向の位置がミラーリンフォース109の部品精度に依存するために不安定であるという問題がある。
【0009】
そこで、図8及び図9に示すドアミラー取付部構造が考えられる。
【0010】
即ち、図8は別の従来例に係るドアミラー取付部構造を示す部分斜視図、図9は図8のE−E線断面図であり、本例ではミラーリンフォース109の上端部をインナパネル103の上端部に重ねて両者を例えば2点dにてスポット溶接する構成を採用しており、これによればドアミラー取付部の車両前後方向の剛性が高められるとともに、パーティションガラス106の上下方向の位置が安定する。
【0011】
ところで、特許文献1には、ドアミラー取付部の剛性向上とパーティションガラスの上下方向の位置決めを目的として、ミラーリンフォースに斜め壁部を設け、該斜め壁部に補強用のビードとパーティションガラスの下縁部を受けるための棚部を形成する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−314520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図8及び図9に示すようにミラーリンフォース109とインナパネル103の各上端部同士を重ねてスポット溶接するためには、不図示の溶接装置を通すためのスペースを確保するためにアウタパネル102とアウタリンフォース108の一部を図示のように切り欠く必要があり、この切り欠いた箇所においてアウタパネル102とアウタリンフォース108の各上端部同士のヘミングによる結合が途切れてしまう。このため、ドアミラー取付部の上下方向の剛性が低下し、上下方向の荷重に対してドアミラー取付部が捩れる可能性がある。
【0014】
又、特許文献1において提案されている構成では、ミラーリンフォースの上端部をインナパネルに固定する構造を採用していないため、図6及び図7に示したドアミラー取付部構造と同様の問題が発生する。
【0015】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ドアミラー取付部の車両前後方向及び上下方向の剛性の向上とパーティションガラスの上下方向位置の安定化を図ることができる車両用ドアのドアミラー取付部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、アウタパネルとインナパネルの各周縁同士を接合して構成される車両用ドアの前記アウタパネルを補強するアウタリンフォースとドアミラー取付部を補強するミラーリンフォースを備え、前記アウタリンフォースの前端部のインナパネル側面に前記ミラーリンフォースを溶接し、該ミラーリンフォースの前端部と前記アウタリンフォースの後端部を前記インナパネルに溶接して成る車両用ドアのドアミラー取付部構造において、前記アウタパネルと前記アウタリンフォースの各上端部同士をヘミングによって結合するとともに、前記アウタリンフォースの上端部の一部に切欠きを形成し、該切欠きに挿通する溶接装置によって前記ミラーリンフォースと前記インナパネルの各上端部同士を溶接したことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ミラーリンフォースに固定ガラスの下方を横切る水平部を形成し、該水平部によって前記パーティションガラスの下端縁をパーティションウェザーストリップを介して受けるよう構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ミラーリンフォースと前記インナパネルの各上端部同士を少なくとも車両前後方向2箇所のスポット溶接によって接合し、該スポット溶接箇所に対応する前記アウタリンフォースの上端部2箇所に前記切欠きを形成し、該アウタリンフォースの切欠きの間の上端部と前記アウタパネルの上端部同士をヘミングによって結合したことを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記ミラーリンフォースと前記インナパネルの各上端部同士の接合箇所を前記アウタパネルと前記アウタリンフォースの各上端部同士の結合箇所よりも下方に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、アウタリンフォースの上端部の一部に切欠きを形成し、該切欠きを除くアウタリンフォースの上端部とアウタパネルの上端部とをヘミングによって結合するとともに、アウタリンフォースの切欠きに挿通する溶接装置によってミラーリンフォースとインナパネルの各上端部同士を溶接したため、ドアミラー取付部の車両前後方向と上下方向の剛性が共に高められ、ドアミラーの振動が抑えられて車両の商品性が高められる。
【0021】
又、ミラーリンフォースの上端部がインナパネルに溶接されているため、該ミラーリンフォースの上下方向の位置が安定し、下縁部がミラーリンフォースによって受けられるパーティションガラスの上下方向位置も安定化する。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、上端部がインナパネルに溶接されて上下方向の剛性が高められたミラーリンフォースに固定ガラスの下方を横切る水平部を形成し、該水平部によってパーティションガラスの下端縁をパーティションウェザーストリップを介して受けるよう構成したため、パーティションガラスの取付状態が安定化する。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、ミラーリンフォースとインナパネルの各上端部の溶接箇所とアウタパネルとアウタリンフォースの各上端部のヘミングによる結合箇所が車両前後方向に交互に配置されるため、ドアミラー取付部の車両前後方向と上下方向の剛性が一層効果的に高められる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、ミラーリンフォースとインナパネルの各上端部同士の接合箇所をドアミラー取付部に近接配置することができるため、ドアミラー取付部の上下方方向の剛性を一層効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るドアミラー取付部構造を備えるフロントドアの側面図である。
【図2】本発明に係るドアミラー取付部構造を示すミラーリンフォースが取り付けられたフロントドアのアウタリンフォースの斜視図である。
【図3】図2のA部拡大詳細図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】図3のC−C線断面図である。
【図6】従来のドアミラー取付部構造を示すフロントドアのアウタリンフォースの斜視図である。
【図7】図6のD−D線断面図である。
【図8】従来のドアミラー取付部構造を示す部分斜視図である。
【図9】図8のE−E線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明に係るドアミラー取付部構造を備えるフロントドアの側面図、図2は同フロントドアのアウタリンフォースの斜視図、図3は図2のA部拡大詳細図、図4は図3のB−B線断面図、図5は図3のC−C線断面図である。
【0028】
図1において、1は乗用車等の四輪車両の前部左側に設けられた開閉可能なフロントドアであって、該フロントドア1は、図4及び図5に示す鋼板のプレス成形品であるアウタパネル2とインナパネル3の各周縁同士をヘミングによって接合して中空状に構成されている。このフロントドア1においては、下半部のドア本体1Aの上部に窓枠を構成する矩形枠状のドアサッシュ1Bが形成されており、このドアサッシュ1Bで囲まれた窓部は、縦方向に配された直線状のパーティションサッシュ4によって上下動可能な略矩形のドアガラス5の領域と固定の小さな三角状のパーティションガラス6の領域とに区画されている。尚、図1には左側のフロントドア1のみを図示しているが、左右のフロントドア1の基本構成は同じであるため、以下、左側のフロントドア1についてのみ説明する。
【0029】
このフロントドア1(アウタパネル2)の外面のベルトライン部前端付近(パーテションガラス6の下方の部位)にはドアミラー7が取り付けられているが、このドアミラー7の取付部構造の詳細を図2〜図5に基づいて以下に説明する。
【0030】
図4及び図5に示すように、アウタパネル2はその内側(インナパネル3側)に配されたアウタリンフォース8によって補強されているが、このアウタリンフォース8は、図2に示すように、車両前後方向に細長い鋼板のプレス成形品であって、フロントドア1のベルトラインに沿って配置されている。そして、その前端部裏面(インナパネル3側の面)には同じく鋼板のプレス成形品であるミラーリンフォース9が重ねられて図2及び図3に示す2点aにてスポット溶接されることによって接合されている。
【0031】
上記ミラーリンフォース9は、ドアミラー7の取付部であるアウタリンフォース8の前端部を裏側から補強する部材であって、その前端部はインナパネル3側に屈曲し、図2及び図3に示す2点bでインナパネル3(図4及び図5参照)にスポット溶接されている。そして、アウタリンフォース8の後端部は図2に示す2点cでインナパネル3にスポット溶接されている。つまり、アウタリンフォース8は、その前端部がミラーリンフォース9に接合され、その後端部がインナパネル3に接合され、その上端縁部がアウタパネル2の上端部とヘミングによって結合され、その下端縁部がアウタパネル2の裏面にシーラーで接着されている。
【0032】
ところで、図3〜図5に示すように、ミラーリンフォース9の上部には、アウタリンフォース8から離れる方向で車両内側(インナパネル3側)に屈曲されて車両前後方向に幅を有した水平部9aが形成されており、この水平部9aの内端(インナパネル3側)からはフランジ部9bが略垂直に立設されている。ここで、ミラーリンフォース9の水平部9aは、前記パーティションガラス6の下方を車両外側から車両内側へと横切っており、この水平部9aは、パーティションウェザーストリップ10を介してパーティションガラス6の下縁部を受けている。尚、図4及び図5において、11はアウタパネル2とアウタリンフォース8との結合部(ヘミングによる結合部)を挟むことによって固定されてアウタパネル2の上端縁とパーティションガラス6との隙間を覆い隠すアウタウェザーストリップであって、フロントドア1の後端縁まで延設されて上下動可能なドアガラス5とアウタパネル2の上端縁との隙間を覆い隠している。又、12はインナパネル3を内側から覆うドアトリムである。
【0033】
而して、本実施の形態では、図4及び図5に示すように、ミラーリンフォース9の上端部に形成されたフランジ部9bはインナパネル3の上端部に重ねられ、両者は車両前後方向に離間した2点d(図3参照)でスポット溶接によって接合されている。又、図3に示すように、アウタリンフォース8とミラーリンフォース9の3箇所には円孔13,14がそれぞれ形成されている(図4及び図5参照)。
【0034】
他方、パーティションガラス6の車両外側に配置されたアウタリンフォース8の上端部の車両前後方向の2箇所(ミラーリンフォース9のフランジ部9bのスポット溶接箇所(d点)に対応する箇所)には、不図示の溶接装置の溶接ガンが通過するための矩形の切欠き8aが形成されている。そして、アウタリンフォース8の上端部の切欠き8aを除く部位とアウタパネル2の上端部とは図4に示すようにヘミングによって結合されている(両者のヘミングによる結合箇所を図2及び図3において斜線にて示す)。つまり、少なくとも矩形の切欠き8aの車両前後方向の両側がアウタパネル2の上端部と図4に示すようにヘミングによって結合されている。そして、本実施の形態では、図4及び図5に示すように、ミラーリンフォース9とインナパネル3の各上端部同士のスポット溶接による接合箇所は、アウタパネル2とアウタリンフォース8の各上端部同士のヘミングによる結合箇所よりも下方に配置されている。
【0035】
以上のようにアウタリンフォース8の車両前後方向2箇所に切欠き8aを形成することによって、ミラーリンフォース9の上端部のフランジ部9bとインナパネル3の上端部とは、アウタリンフォース8の2つの切欠き8aに挿通する不図示の溶接ガンによって図2及び図3に示す2箇所(d点)がスポット溶接によって接合される。
【0036】
従って、ドアミラー7の取付部においては、ミラーリンフォース9のフランジ部9bがインナパネル3にスポット溶接によって接合されるとともに、アウタリンフォース8の切欠き8aを除く部位とアウタパネル2の各上端部とがヘミングによって結合される。この場合、アウタリンフォース8の切欠き8aが形成された部位ではアウタパネル2のみのヘミングとなるが、この部位ではアウタパネル2のヘミングを行わないようにしても良い。
【0037】
而して、ドアミラー7は次のような要領でアウタリンフォース8とミラーリンフォース9に取り付けられる。
【0038】
即ち、ドアミラー7の固定部7aをアウタパネル2の貫通孔2aに通し、該固定部7aの裏面(取付面)から突出するスタッドボルト15を図4及び図5に示すようにアウタリンフォース8とミラーリンフォース9にそれぞれ形成された円孔13,14に通し、固定部7aの裏面をアウタリンフォース8に当てた状態で各スタッドボルト15に螺合するナット16を締め付けることによって、ドアミラー7がアウタリンフォース8とミラーリンフォース9に締付固定される。そして、その締付固定部となるアウタリンフォース8がミラーリンフォース9によって補強される。つまり、ミラーリンフォース9は、少なくともボルトが挿通される円孔13部分(本実施の形態では3箇所全て)を含めドアミラー7が取り付けられるアウタリンフォース8の部分に対して、アウタリンフォース8のインナパネル3側の面に重ねて溶接される。そして、ミラーリンフォース9に関し、その重ね合わせ部分の車両前方側では、前方側の端縁からインナパネル3側に屈曲して縦壁を形成し、この縦壁を介してインナパネル3に溶接接合され、その重ね合わせ部分の車両上方側では、上方側の端縁からインナパネル3側に屈曲して水平部9aを介してインナパネル3に溶接接合されている。このため、重ね合わせ部分は、縦壁と水平部9a及びそれらとの接続部である屈曲形状によって補強され、更に、板厚が比較的厚く形状による剛性の高いインナパネル3への接続にて補強され、ドアミラー7を高剛性にて支持固定することができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態では、アウタリンフォース8の上端部の車両前後方向2箇所に切欠き8aを形成し、該切欠き8aを除くアウタリンフォース8の上端部とアウタパネル2の上端部とをヘミングによって結合するとともに、アウタリンフォース8の切欠き8aに挿通する溶接ガンによってミラーリンフォース9とインナパネル3の各上端部同士を車両前後方向2箇所(図2及び図3に示す2点d)でスポット溶接したため、ドアミラー7の取付部の車両前後方向と上下方向の剛性が共に高められ、該ドアミラー7の振動が抑えられて車両の商品性が高められる。この場合、ミラーリンフォース9とインナパネル3の各上端部の溶接箇所とアウタパネル2とアウタリンフォース8の各上端部のヘミングによる結合箇所が車両前後方向に交互に配置されるため、ドアミラー7の取付部の車両前後方向と上下方向の剛性が一層効果的に高められる。
【0040】
又、本実施の形態では、上端部がインナパネル3に溶接されて上下方向の剛性が高められたミラーリンフォース9にパーティションガラス6の下方を横切る水平部9aを形成し、該水平部9aによってパーティションガラス6の下端縁をパーティションウェザーストリップ10を介して受けるよう構成したため、パーティションガラス6の取付状態が安定化する。
【0041】
更に、本実施の形態では、ミラーリンフォース9とインナパネル3の各上端部同士のスポット溶接による接合箇所をアウタパネル2とアウタリンフォース8の各上端部同士のヘミングによる結合箇所よりも下方に配置したため、ミラーリンフォース9とインナパネル3の各上端部同士の接合箇所をドアミラー7の取付部に近接配置することができ、これによってドアミラー7の取付部の上下方向の剛性が一層効果的に高められるという効果も得られる。
【符号の説明】
【0042】
1 フロントドア(車両用ドア)
1A フロントドアのドア本体
1B フロントドアのドアサッシュ
2 アウタパネル
3 インナパネル
6 パーティションガラス
7 ドアミラー
7a ドアミラーの固定部
8 アウタリンフォース
8a アウタリンフォースの切欠き
9 ミラーリンフォース
9a ミラーリンフォースの水平部
9b ミラーリンフォースのフランジ部
10 パーティションウェザーストリップ
15 スタッドボルト
16 ナット
a〜d 溶接箇所


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウタパネルとインナパネルの各周縁同士を接合して構成される車両用ドアの前記アウタパネルを補強するアウタリンフォースとドアミラー取付部を補強するミラーリンフォースを備え、前記アウタリンフォースの前端部のインナパネル側面に前記ミラーリンフォースを溶接し、該ミラーリンフォースの前端部と前記アウタリンフォースの後端部を前記インナパネルに溶接して成る車両用ドアのドアミラー取付部構造において、
前記アウタパネルと前記アウタリンフォースの各上端部同士をヘミングによって結合するとともに、前記アウタリンフォースの上端部の一部に切欠きを形成し、該切欠きに挿通する溶接装置によって前記ミラーリンフォースと前記インナパネルの各上端部同士を溶接したことを特徴とする車両用ドアのドアミラー取付部構造。
【請求項2】
前記ミラーリンフォースに固定ガラスの下方を横切る水平部を形成し、該水平部によって前記パーティションガラスの下端縁をパーティションウェザーストリップを介して受けるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアのドアミラー取付部構造。
【請求項3】
前記ミラーリンフォースと前記インナパネルの各上端部同士を少なくとも車両前後方向2箇所のスポット溶接によって接合し、該スポット溶接箇所に対応する前記アウタリンフォースの上端部2箇所に前記切欠きを形成し、該アウタリンフォースの切欠きの間の上端部と前記アウタパネルの上端部同士をヘミングによって結合したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ドアのドアミラー取付部構造。
【請求項4】
前記ミラーリンフォースと前記インナパネルの各上端部同士の接合箇所を前記アウタパネルと前記アウタリンフォースの各上端部同士の結合箇所よりも下方に配置したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両用ドアのドアミラー取付部構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−14209(P2013−14209A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147879(P2011−147879)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】