説明

車両用ドアラッチの操作装置

【課題】ロック手段がロック状態のとき、ドアを迅速に開けることができるようにする。
【解決手段】車両におけるドアの車外側に設けられるアウトサイドハンドル及び前記ドアの車内側に設けられるインサイドハンドルの開扉操作力をドアを閉止位置に保持可能なドアラッチに伝達可能なアンロック状態及び伝達不能なロック状態に変位可能な施解錠手段(94)と、施解錠手段(94)がアンロック状態のとき、インサイドハンドルの開扉操作によりドアラッチのラッチ解除を可能にするアンロック状態及び不能にするロック状態に変位可能なロック手段(93)と、インサイドハンドルの開扉操作に基づいて駆動可能な駆動手段(14)とを備え、車両停止時で、かつ施解錠手段(94)がアンロック状態のとき、インサイドハンドルの開扉操作に基づく駆動手段(14)の動力をもって、ロック手段(93)をロック状態からアンロック状態へ変位させる動作とほぼ同時に、ドアラッチをラッチ解除させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアに設けられた操作ハンドルの開扉操作力をドアロックに伝達可能なアンロック状態及び伝達不能なロック状態に変位可能なロック手段を備えた車両用ドアラッチの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、車両用ドアラッチの操作装置において、ドアの車内側に設けられた操作ハンドルの開扉操作を有効にするアンロック状態及び無効にするロック状態に変位可能なロック手段がロック状態にあるとき、操作ハンドルの第1回目の操作で、ロック手段をロック状態からアンロック状態に切り替え、続いて、操作ハンドルの第2回目の操作でドアラッチをラッチ解除してドアを開くことができるようにした、いわゆるダブルアクション・オーバーライド操作は公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−166338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示された操作装置においては、ロック手段がロック状態にあるとき、ドアラッチをラッチ解除するためには、操作ハンドルを2回操作しなければならず、迅速にドアを開けることができない。
【0005】
本発明は、上述のような問題点に鑑み、ロック手段がロック状態のとき、ドアを迅速に開けることができるようにした車両用ドアラッチの操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)車両におけるドアの車外側に設けられるアウトサイドハンドル及び前記ドアの車内側に設けられるインサイドハンドルの開扉操作力を前記ドアを閉止位置に保持可能なドアラッチに伝達可能なアンロック状態及び伝達不能なロック状態に変位可能な施解錠手段を備えた車両用ドアラッチの操作装置において、前記施解錠手段がアンロック状態のとき、前記インサイドハンドルの開扉操作により前記ドアラッチのラッチ解除を可能にするアンロック状態及び不能にするロック状態に変位可能なロック手段と、前記インサイドハンドルの開扉操作に基づいて駆動可能な駆動手段とを備え、車両停止時で、かつ前記施解錠手段がアンロック状態のとき、前記インサイドハンドルの開扉操作に基づく前記駆動手段の動力をもって、前記ロック手段をロック状態からアンロック状態へ変位させる動作とほぼ同時に、前記ドアラッチをラッチ解除させる。
【0007】
(2)上記(1)項において、前記インサイドハンドルの開扉操作を検出可能な開扉操作検出手段を備え、前記開扉操作検出手段が前記インサイドハンドルの開扉操作を検出したときに前記駆動手段を駆動する。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項において、前記車両停止時の車両停止条件は、フットブレーキの作動を検出するフットブレーキセンサ、パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキセンサ及びギヤがPポジションであることを検出するPポジションセンサのうち、少なくともいずれか1つの出力信号が検出状態信号である。
【0009】
(4)上記(3)項において、前記車両停止条件で、前記フットブレーキセンサ、前記パーキングブレーキセンサ及び前記Pポジションセンサの全ての出力信号が未検出状態信号であるときには前記駆動手段の駆動制御を不能にする。
【0010】
(5)上記(3)項において、前記車両停止条件で、前記フットブレーキセンサ、前記パーキングブレーキセンサ及び前記Pポジションセンサの全ての出力信号が未検出状態信号であるときには前記開扉検出手段が前記インサイドハンドルの開扉操作を検出した場合でも前記駆動手段を駆動しない。
【0011】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記駆動手段の動力をもって、前記インサイドハンドルの開扉操作力を補助して前記ドアラッチをラッチ解除動作させる。
【0012】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記ドアラッチのラッチ解除動作後、前記ドアを開方向へ向けて移動させるためのドア開閉駆動ユニットを駆動制御させるための契機を付与するラッチ解除検出手段を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、車両停止時で、かつ施解錠手段がアンロック状態のとき、インサイドハンドルの1回の開扉操作で、駆動手段の動力をもって、ロック手段のロック状態からアンロック状態への変位、及びドアラッチのラッチ解除をほぼ同時に行うことができ、ドアを迅速に開けることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を適用した車両の側面図である。
【図2】駆動ユニットの側面図である。
【図3】駆動ユニットの裏面図である。
【図4】第1チャイルドロック手段及び第2チャイルドロック手段が共にアンロック状態にあるときのコントロールユニットの動作説明図である。
【図5】第1チャイルドロック手段がアンロック状態、第2チャイルドロック手段がロック状態にあるときのコントロールユニットの動作説明図である。
【図6】車両走行中、第1チャイルドロック手段がアンロック状態、第2チャイルドロック手段がロック状態にある場合、インサイドハンドルが開扉操作されたときのコントロールユニットの動作説明図である。
【図7】車両停止時、第1チャイルドロック手段がアンロック状態、第2チャイルドロック手段がロック状態にある場合、インサイドハンドルが開扉操作されたときのコントロールユニットの動作説明図である。
【図8】要部を拡大した動作説明図である、
【図9】第1チャイルドロック手段がロック状態、第2チャイルドロック手段がアンロック状態のときのコントロールユニットの動作説明図である。
【図10】第1チャイルドロック手段がロック状態、第2チャイルドロック手段がアンロック状態にある場合、インサイドハンドルが開扉操作されたときのコントロールユニットの動作説明図である。
【図11】制御回路を示すブロック図である。
【図12】タイムチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係わる一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した車両の側面図、図2は、コントロールユニットの側面図、図3は、コントロールユニットの裏面図、図4〜図10は、各状態を示すコントロールユニットの動作説明図である。なお、以下の説明では、図1における下方、図2及び図4〜図10における左方、図3における右方を「前方」とし、図1における下方、図2及び図4〜図10における右方、図3における左方を「後方」とする。
【0016】
図1に示すように、ミニバンまたはワゴンタイプの車両における後席のスライドドア(1)は、車体(2)の側面に設けられたガイドレール(3)(4)(5)により、車体(2)の側面に設けられた乗降口(2a)を閉鎖した全閉位置から、車体(2)の外側面より若干外方に移動しつつ、車体(2)の側面に沿って後方へ移動した全開位置へ、及びその逆へ開閉可能に支持される。
【0017】
スライドドア(1)の車外側には、車外からスライドドア(1)を開閉するときに操作されるアウトサイドハンドル(7)が設けられ、また、同じく車内側には、車内からスライドドア(1)を開閉するときに操作されるインサイドハンドル(8)が設けられている。
【0018】
車体(2)後部のパネル内には、スライドドア(1)をモータの動力で開閉移動させるためのドア開閉駆動ユニット(6)が設けられている。ドア開閉駆動ユニット(6)は、正逆回転可能なモータ(61)と、モータ(61)の動力により回転可能な回転ドラム(62)と、スライドドア(1)の後端部に連結されるとともに、回転ドラム(62)に巻き取り及び送り出し可能に巻回されるケーブル(63)とを有し、回転ドラム(62)をモータ(61)の動力により所定の方向へ回転させ、ケーブル(63)を回転ドラム(62)に巻き取ることによって、スライドドア(1)を開方向または閉方向へ移動させることができる。なお、モータ(61)は、車体(2)の適所に搭載された後述の制御回路装置(100)により駆動制御される。
【0019】
スライドドア(1)の内部には、車体(2)側に設けられたストライカ(図示略)に係合することにより、スライドドア(1)を全閉(閉止)位置に保持可能なフロント側全閉用ドアラッチ(10)及びリヤ側全閉用ドアラッチ(11)と、車体(2)側に設けられたストライカ(図示略)と係合することにより、スライドドア(1)を全開位置に保持する全開用ラッチ(12)と、アウトサイドハンドル(7)及びインサイドハンドル(8)の操作力を入力し、入力した操作力を各全閉用ドアラッチ(10)(11)及び全開用ラッチ(12)に伝達可能なコントロールユニット(9)と、モータの動力によりコントロールユニット(9)を後述の各状態に変位させる駆動手段をなす第1アクチュエータ(14)とが設けられている。なお、リヤ側全閉用ドアラッチ(11)は、モータの動力をもって、スライドドア(1)を半ドア状態から全閉状態へ強制的に移動させるようにした公知のドアクローザ(11a)を有している。
【0020】
主に図2に示すように、インサイドハンドル(8)は、常時は中立位置に保持され、中立位置から開操作(図2において矢印A方向)されることにより、コントロールユニット(9)を介して、各全閉用ドアラッチ(10)(11)をラッチ解除して、スライドドア(1)を全閉位置から開くことができ、また、中立位置から閉操作(図2において矢印B方向)されることにより、全開用ラッチ(12)をラッチ解除して、スライドドア(1)を全開位置から閉じることができる。
【0021】
第1アクチュエータ(14)は、制御手段をなす制御回路装置(100)により制御される正逆回転可能なモータ(141)(図11、12参照)を備え、このモータ(141)の正転をもって、アンロック・リリース用レバー(14a)を図2において矢印C方向へ回動させ、また、逆転をもって、ロック用レバー(14b)を図2において矢印D方向へ回動させる。
【0022】
主に図2、3に示すように、コントロールユニット(9)は、スライドドア(1)のインナーパネルに固定されるベースプレート(91)に、インサイドハンドル(8)の開扉操作を有効にするアンロック状態及び無効にするロック状態に手動操作により変位可能な第1チャイルドロック手段(92)と、第1チャイルドロック手段(92)がアンロック状態のとき、インサイドハンドル(8)の開扉操作を有効にするアンロック状態及び無効にするロック状態に第1アクチュエータ(14)の動力により変位可能なロック手段をなす第2チャイルドロック手段(93)と、第1、2チャイルドロック手段(92)(93)が共にアンロック状態にあるとき、インサイドハンドル(8)及びアウトサイドハンドル(7)の開扉操作を有効にするアンロック状態及び無効にするロック状態に変位可能な施解錠手段(94)と、施解錠手段(94)をモータの動力により各状態に変位させる第2アクチュエータ(95)と、ドアクローザ(11a)に連結されるキャンセルレバー(96)とを備えている。
【0023】
キャンセルレバー(96)は、ベースプレート(91)に枢軸(945)により枢支され、待機位置(例えば、図2参照)からキャンセル方向(図2において時計方向)へ回動することにより、ケーブル等の連結部材(図示略)を介して、ドアクローザ(11a)に設けられたキャンセル機構(図示略)を作動させる。キャンセル機構は、ドアクローザ(11a)とリヤ側全閉用ドアラッチ(11)との連係を切断して、ドアクローザ(11a)によるスライドドア(1)の半ドアから全閉位置への締め込み作動をキャンセルさせる。
【0024】
第1チャイルドロック手段(92)は、ベースプレート(91)に枢着され、車内側を向く一端部にインサイドハンドル(8)が止着された入力軸(921)と、入力軸(921)を介して、インサイドハンドル(8)と一体的に回動可能な第1入力レバー(922)及びフェイルセーフレバー(923)と、アンロック状態のときインサイドハンドル(8)の開扉操作力を第2チャイルドロック手段(93)へ伝達可能な第1出力レバー(924)と、手動操作をもって、アンロック位置(925A)及びロック位置(925B)に移動可能な第1チャイルドロックレバー(925)と、第1チャイルドロックレバー(925)の各位置を検出可能なチャイルドロック検出センサ(97a)と、第1出力レバー(924)の開扉作動(図2において時計方向)を検出可能な開扉操作検出手段をなす開扉操作検出センサ(97b)と、フェイルセーフレバー(923)の閉扉方向(図2において反時計方向)への作動を検出可能な閉扉操作検出センサ(97c)とを有している。
【0025】
第1入力レバー(922)は、入力軸(921)を介して、インサイドハンドル(8)と一体的に回動し得るように、ベースプレート(91)の裏面側に枢支されるとともに、入力軸(921)に巻装されたスプリング(926)(図3参照)により、インサイドハンドル(8)と共に中立位置(図2、3、5及び図9)に保持され、スプリング(926)の付勢力に抗して、インサイドハンドル(8)の開扉操作(矢印A方向)により中立位置から開扉方向(図2において時計方向)へ回動する。また、第1入力レバー(922)には、前方へ突出する係合部(922a)が設けられている。
【0026】
フェイルセーフレバー(923)は、入力軸(921)を介して、インサイドハンドル(8)と一体的に回動し得るように、ベースプレート(91)の表面側に枢支されるとともに、インサイドハンドル(8)と共に中立位置から開扉方向(図2において時計方向)及び閉扉方向(図2において反時計方向)へ回動可能である。
【0027】
フェイルセーフレバー(923)には、ケーブル(20)を介して全開用ラッチ(12)に連結される長孔の第1連結部(923a)と、左右方向のリンク(21)を介してキャンセルレバー(96)に連結される長孔の第2連結部(923b)とが設けられている。フェイルセーフレバー(923)が開扉方向へ回動すると、リンク(21)を介して、キャンセルレバー(96)をキャンセル方向へ回動させ、また閉扉方向へ回動すると、ケーブル(20)を介して全開用ラッチ(12)をラッチ解除させ、ストライカとの係合を解除する。
【0028】
第1出力レバー(924)は、第1入力レバー(922)及びフェイルセーフレバー(923)と独立して回動し得るように、ベースプレート(91)の裏面側に入力軸(921)により枢支されるとともに、前部には、前後方向の長孔(924a)が設けられ、下部には、前後方向のリンク(928)を介して、第2チャイルドロック手段(93)の後述の第2入力レバー(931)に連結されるアーム部(924b)が設けられている。長孔(924a)には、第1チャイルドロックレバー(925)の操作に基いて移動可能な摺動ピン(929)が摺動可能に遊嵌されている。
【0029】
第1チャイルドロックレバー(925)は、ベースプレート(91)の裏面側に枢軸(927)により枢支されるとともに、前部に設けられた手動操作部(925a)が手動操作されることによって、アンロック位置(925A)及びロック位置(925B)に移動し、その位置に保持されるようになっている。
【0030】
第1チャイルドロックレバー(925)の上部には、摺動ピン(929)が遊嵌された上下方向の長孔(925b)が設けられている。手動操作部(925a)は、スライドドア(1)の前端面から露出しており、スライドドア(1)の開扉時に操作可能で、閉扉時には隠蔽されて操作不能となる。
【0031】
第1チャイルドロックレバー(925)がアンロック位置(925A)にある場合には(例えば、図2参照)、摺動ピン(929)が第1出力レバー(924)の長孔(924a)の後端部に位置し、第1入力レバー(922)の係合部(922a)に対して時計方向へ係合可能な状態にある。この状態においては、インサイドハンドル(8)の開扉操作(矢印A方向)に基いて、第1入力レバー(922)が開扉方向へ回動すると、係合部(922a)が摺動ピン(929)に係合して、第1出力レバー(924)を例えば、図2に示す中立位置から開扉方向(時計方向)へ回動させることができる。
【0032】
また、第1チャイルドロックレバー(925)がロック位置(925B)にある場合には(例えば、図9参照)、摺動ピン(929)が長孔(924a)の前端部に位置し、第1入力レバー(922)の係合部(922a)に対して係合不能な状態にある。したがって、この状態においては、インサイドハンドル(8)の開扉操作(矢印A方向)に基いて、第1入力レバー(922)が中立位置から開扉方向へ回動しても、係合部(922a)が摺動ピン(929)に係合しないため、第1出力レバー(924)を開扉方向へ回動させることはできない。
【0033】
なお、第1チャイルドロックレバー(925)がアンロック位置(925A)にある状態を、第1チャイルドロック手段(92)のアンロック状態と定義し、また、第1チャイルドロックレバー(925)がロック位置(925B)にある状態を、第1チャイルドロック手段(92)のロック状態と定義する。
【0034】
ロック手段をなす第2チャイルドロック手段(93)は、リンク(928)を介して第1出力レバー(924)に連結され、第1出力レバー(924)から出力される開扉操作力を入力可能な第2入力レバー(入力レバー)(931)と、アンロック状態のとき、第2入力レバー(931)が入力した開扉操作力を施解錠手段(94)を介して各全閉用ドアラッチ(10)(11)に伝達可能な第2出力レバー(出力レバー)(932)と、第1アクチュエータ(14)の動力により、アンロック位置(933A)及びロック位置(933B)に移動可能な第2チャイルドロックレバー(ロックレバー)(933)とを有している。
【0035】
第2入力レバー(931)及び第2出力レバー(932)は、ベースプレート(91)の裏面側に枢軸(934)によりそれぞれ独立して回動し得るように枢支されている。
【0036】
第2入力レバー(931)は、第1チャイルドロック手段(92)の第1出力レバー(924)が中立位置から開扉方向へ回動することにより、これに連動して、待機位置(図2、3、5、9及び図10)から開扉方向(例えば、図2において反時計方向)へ回動する。第2入力レバー(931)には、枢軸(934)を中心とする円弧孔部(931a)及び円弧孔部(931a)の前端に連設され、下方へ延出する直線孔部(931b)が設けられている。
【0037】
第2出力レバー(932)は、第2入力レバー(931)の円弧孔部(931a)及び直線孔部(931b)に重合する上下方向の長孔(932a)を有し、上部に設けられた左右方向の長孔(932b)には、施解錠手段(94)の第3入力レバー(942)に連結されたリンク(941)の端部が遊嵌されている。
【0038】
第2入力レバー(931)の円弧孔部(931a)、直線孔部(931b)及び第2出力レバー(932)の長孔(932a)には、第2チャイルドロックレバー(933)の移動に基いて移動可能な後述の第2接続レバー(936)の係合部(936a)が摺動可能に遊嵌されている。
【0039】
第2チャイルドロックレバー(933)は、ベースプレート(91)の裏面側に枢軸(937)により枢支されるとともに、下端部に設けられた円弧状の長孔(933a)には、第1アクチュエータ(14)のアンロック・リリース用レバー(14a)に連結されたケーブル(15)の連結部(15a)が前方から摺動可能に遊嵌され、また、長孔(933a)の上方には、第1アクチュエータ(14)のロック用レバー(14b)に連結されたケーブル(16)の連結部(16a)が後方から連結されている。
【0040】
第2チャイルドロックレバー(933)を枢支する枢軸(937)には、第2チャイルドロックレバー(933)と独立して回動し得るように第1接続レバー(935)が枢支されている。第1接続レバー(935)は、枢軸(937)に巻装されたスプリング(938)により、第2チャイルドロックレバー(933)に対して例えば図2において時計方向へ付勢され、常時は当接部(935a)が第2チャイルドロックレバー(933)の折曲片(933b)に当接した位置(図2〜図6、9及び図10参照)に保持されている。
【0041】
第1接続レバー(935)の後端部には、第2接続レバー(936)の下部が枢軸(939)により回動可能に連結されている。第2接続レバー(936)の係合部(936a)は、前述のように、第2入力レバー(931)の円弧孔部(931a)、直線孔部(931b)及び第2出力レバー(932)の長孔(932a)に摺動可能に遊嵌されている。
【0042】
なお、本発明における接続手段は、第1及び第2接続レバー(935)(936)により構成されるが、第1または第2接続レバー(935)(936)のいずれか一方により構成しても良い。
【0043】
第2チャイルドロックレバー(933)がアンロック位置(933A)にある場合、第2接続レバー(936)は、係合部(936a)が第2入力レバー(931)の直線孔部(931b)における下端部に位置する接続位置に保持され、第2入力レバー(931)と第2出力レバー(932)とを接続している(図2〜図4、9及び図10参照)。これにより、第2入力レバー(931)がインサイドハンドル(8)の開扉操作力を入力して待機位置(例えば、図2参照)から開扉方向(図2において反時計方向)へ回動すると、これに伴って、第2出力レバー(932)は、第2接続レバー(936)の係合部(936a)に係合して、第2入力レバー(931)と共に開扉方向へ回動し、その開扉操作力を施解錠手段(94)を介して各全閉用ドアラッチ(10)(11)へ伝達可能とする。
【0044】
また、第2チャイルドロックレバー(933)がロック位置(933B)にある場合、第2接続レバー(936)は、係合部(936a)が第2入力レバー(931)の円弧孔部(931a)の前端に位置する切断位置(図5参照)に保持され、第2入力レバー(931)と第2出力レバー(932)との接続関係を切断している。これにより、第2入力レバー(931)が開扉方向へ回動しても、第2接続レバー(936)の係合部(936a)が円弧孔部(931a)内を相対的に後方へ移動するのみで(図6参照)、第2入力レバー(931)の開扉作動を第2出力レバー(932)に伝達することはできない。
【0045】
なお、第2チャイルドロックレバー(933)がアンロック位置(933A)にあり、かつ第2接続レバー(936)が接続位置にある状態を、第2チャイルドロック手段(93)のアンロック状態と定義し、また、第2チャイルドロックレバー(933)がロック位置(933B)にあり、かつ第2接続レバー(936)が切断位置にある状態を、第2チャイルドロック手段(93)のロック状態と定義する。
【0046】
施解錠手段(94)は、第2チャイルドロック手段(93)の第2出力レバー(932)にリンク(941)を介して連結される第3入力レバー(942)と、第3入力レバー(942)が入力した開扉操作力を各全閉用ドアラッチ(10)(11)に出力可能な第3出力レバー(943)と、スライドドア(1)の車内側に設けられた施解錠操作ノブ(図示略)の手動操作により、アンロック位置(各図参照)及びアンロック位置から図2、図4〜図10において時計方向へ所定量回動したロック位置に移動可能な施解錠レバー(944)と、第3入力レバー(942)の作動を検知可能なラッチ解除検出センサ(97d)とを有している。
【0047】
第3入力レバー(942)は、ベースプレート(91)の裏面側に枢軸(945)により枢支され、第3出力レバー(943)は、ベースプレート(91)の表面側に枢軸(945)により枢支され、また、施解錠レバー(944)は、ベースプレート(91)の表面側に枢軸(946)により枢支されている。
【0048】
第3入力レバー(942)は、下端部が第2チャイルドロック手段(93)の第2出力レバー(932)にリンク(941)を介して連結され、また、後端部に設けた円弧状の長孔(942a)には、第1アクチュエータ(14)のアンロック・リリース用レバー(14a)に連結されたケーブル(17)の連結部(17a)及びアウトサイドハンドル(7)に連結されたケーブル(図示略)がそれぞれ接続されている。
【0049】
第3入力レバー(942)は、第2チャイルドロック手段(93)の第2出力レバー(932)の開扉方向への作動、及び第1アクチュエータ(14)のアンロック・リリース用レバー(14a)の作動に基いて、待機位置(図2、3、5、6、9及び図10)からラッチ解除位置(図4、7及び図8)に回動する。
【0050】
第3出力レバー(943)は、下端部がケーブル(18)(19)を介して各全閉用ドアラッチ(10)(11)に連結されている。
【0051】
施解錠レバー(944)は、アンロック位置にあるとき、第3入力レバー(942)の開扉作動が第3出力レバー(943)に伝達されるように、第3入力レバー(942)と第3出力レバー(943)とを接続し、また、ロック位置にあるとき、第3入力レバー(942)の開扉作動が第3出力レバー(943)に伝達されないように、第3入力レバー(942)と第3出力レバー(943)との接続を切断している。したがって、施解錠レバー(944)がロック位置にある場合には、第1チャイルドロック手段(92)及び第2チャイルドロック手段(93)の状態に関係なく、アウトサイドハンドル(7)及びインサイドハンドル(8)の開扉操作を無効にして、スライドドア(1)を開けることはできない。
【0052】
次に、図11に基いて、制御回路について説明する。制御手段をなす制御回路装置(100)は、予め記憶したプログラムにしたがって一連の制御処理を実行するCPU(中央演算処理装置)と、プログラム及びデータが記憶されたROM(リード・オンリ・メモリ)と、CPUのワークエリアとして機能するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)とを含んで構成され、その入力インターフェイスには、チャイルドロック検出センサ(97a)、開扉操作検出センサ(97b)、閉扉操作検出センサ(97c)、ラッチ解除検出センサ(97d)、車両の走行を検出する車速センサ(101)、フットブレーキ(図示略)の作動を検出するフットブレーキセンサ(102)、パーキングブレーキ(図示略)の作動を検出するパーキングブレーキセンサ(103)、及びギヤがPポジションにあることを検出するPポジションセンサ(104)がそれぞれ接続され、また、出力インターフェイスには、ドア開閉駆動ユニット(6)のモータ(61)、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)及び第2アクチュエータ(95)のモータ(図示略)が接続され、車速センサ(101)から出力される車両走行信号に基いて、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を逆転させるロック駆動制御を実行し、また、開扉操作検出センサ(97b)から出力される開扉操作信号に基いて、モータ(141)を正転させるアンロック駆動制御を実行する。
【0053】
チャイルドロック検出センサ(97a)は、第1チャイルドロックレバー(925)のアンロック位置を検出している場合、HIGH信号(チャイルドアンロック信号)を出力し、また、ロック位置を検出している場合、LOW信号(チャイルドロック信号)を出力する。
【0054】
開扉操作検出センサ(97b)は、第1出力レバー(924)の開扉方向への回動を検出した場合、HIGH信号(開扉操作信号)を出力し、それ以外はLOW信号を出力する。
【0055】
閉扉操作検出センサ(97c)は、インサイドハンドル(8)の閉扉操作によるフェイルセーフレバー(923)の閉扉方向への回動を検出した場合、HIGH信号(閉扉操作信号)を出力し、それ以外はLOW信号を出力する。
【0056】
ラッチ解除検出センサ(97d)は、第3入力レバー(942)の開扉方向への作動を検出した場合、HIGH信号(ラッチ解除信号)を出力し、それ以外はLOW信号を出力する。
【0057】
次に、図12に示すタイムチャートを参照して、制御回路装置(100)の制御について説明する。
図12における領域(a)に示すように、車速センサ(101)の出力信号がHIGHになると(換言すると、車両走行開始時)、チャイルドロック検出センサ(97a)の出力信号がHIGHであれば、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を逆転(ロック用レバー(14b)が作動する方向)駆動制御する。
【0058】
領域(b)に示すように、車速センサ(101)の出力信号がHIGHであるとき、開扉操作検出センサ(97b)の出力信号がHIGHになっても、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を駆動制御しない。
【0059】
領域(c)に示すように、車速センサ(101)の出力信号がLOWで(換言すると、車両が停止しているとき)、車両停止信号(x)がLOW(フットブレーキセンサ(102)、パーキングブレーキセンサ(103)またはPポジションセンサ(104)の全ての信号がLOW)のとき、開扉操作検出センサ(97b)の信号がHIGHになっても、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を駆動制御しない。
【0060】
領域(d)に示すように、車速センサ(101)の出力信号がLOWで、車両停止信号(x)がHIGH(フットブレーキセンサ(102)、パーキングブレーキセンサ(103)またはPポジションセンサ(104)のいずれかの出力信号がHIGH)のとき、開扉操作検出センサ(97b)の出力信号がHIGHになると、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を正転(アンロック・リリース用レバー(14a)が作動する方向)駆動制御する。続いて、ラッチ解除検出センサ(97d)の出力信号がHIGHになると(換言すると、第3入力レバー(942)が開扉方向へ回動すると)、ドア開閉駆動ユニット(6)のモータ(61)を正転(スライドドア(1)の開扉方向)制御する。
【0061】
領域(e)に示すように、閉扉操作検出センサ(97c)の信号がHIGHになると、ドア開閉駆動ユニット(6)のモータ(61)を逆転(スライドドア(1)の閉扉方向)駆動制御する。
【0062】
領域(f)に示すように、チャイルドロック検出センサ(97a)の出力信号がLOW(換言すると、第1チャイルドロック手段(92)がロック状態のとき)で、開扉操作検出センサ(97b)の出力信号がHIGHになっても、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を駆動制御しない。
【0063】
次に、本発明に係わる各状態の動作について説明する。なお、下記の各状態は、全て施解錠手段(94)がアンロック状態にある。
(イ.車両停車時、第1チャイルドロック手段(92)及び第2チャイルドロック手段(93)が共にアンロック状態にある場合(図2〜図4及び図12の領域(d)参照))
図2、3に示す状態において、インサイドハンドル(8)が開扉方向(矢印A方向)へ操作されると、その操作力は、入力軸(921)を介して、第1チャイルドロック手段(92)の第1入力レバー(922)に入力され、第1出力レバー(924)から第2チャイルドロック手段(93)の第2入力レバー(931)に伝達される。
【0064】
この結果、図4に示すように、第2チャイルドロック手段(93)の第2入力レバー(931)に入力された開扉操作力は、第2出力レバー(932)を介して、施解錠手段(94)の第3入力レバー(942)、第3出力レバー(943)に伝達される。また、これと同時に、第1入力レバー(922)の開扉作動に基いて、開扉操作検出センサ(97b)の出力信号がHIGHになるため、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)は正転駆動制御される。これにより、第1アクチュエータ(14)のアンロック・リリース用レバー(14a)が作動し、この動力をケーブル(17)を介して第3入力レバー(942)に伝達する。これにより、インサイドハンドル(8)の開扉操作力を第1アクチュエータ(14)の動力により補助して、第3出力レバー(943)を介して、各全閉用ラッチ(10)(11)を解除作動させ、スライドドア(1)を開けることができる。
【0065】
各全閉用ドアラッチ(10)(11)のラッチ解除後、第3入力レバー(942)の開扉作動に基いて、ラッチ解除検出センサ(97d)の出力信号がHIGHになり、ドア開閉駆動ユニット(6)のモータ(61)を正転駆動制御し、その動力により、スライドドア(1)を全開位置へ向けて移動させる。
【0066】
(ロ.第1チャイルドロック手段(92)がアンロック状態で、車両が走行した場合(図5、6及び図12の領域(a)(b)参照))
車両の走行を車速センサ(101)が検出し、その出力信号がHIGH(車両走行信号)になると、これを契機に、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を逆転駆動制御(ロック駆動制御)して、ロック用レバー(14b)を作動させる。これにより、図5に示すように、第2チャイルドロック手段(93)は、ケーブル(16)を介して、アンロック状態からロック状態に変位させられる。
【0067】
この状態においては、第1チャイルドロック手段(92)がアンロック状態にあっても、第2チャイルドロック手段(93)がロック状態にあるため、図6に示すように、インサイドハンドル(8)が開扉操作された場合、その操作力は、第1チャイルドロック手段(92)を介して、第2チャイルドロック手段(93)の第2入力レバー(931)には伝達されるが、第2出力レバー(932)に伝達されないため、各全閉用ドアラッチ(10)(11)をラッチ解除することはできない。また、車速センサ(101)の出力信号がHIGHであるため、開扉操作検出センサ(97b)の出力信号がHIGHになっても、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を駆動制御しない。
【0068】
これにより、車両走行前、第1チャイルドロック手段(92)をロック操作し忘れても、車両が走行することにより、第2チャイルドロック手段(93)がロック状態に変位するため、車両走行中、インサイドハンドル(8)が誤操作、悪戯等により開扉操作されても、スライドドア(1)の開扉が不能であり、誤操作によるスライドドア(1)の開扉を確実に阻止することができる。
【0069】
(ハ.第1チャイルドロック手段(92)がアンロック状態で、車両走行後、停止した場合)
車速センサ(101)が車両の停止を検出しただけでは、後席乗員が降車する意志があるとは限らないため、第2チャイルドロック手段(93)のロック状態はそのまま保持される。また、この状態で、車両が走行した場合にも、第2チャイルドロック手段(93)のロック状態は保持される。このようにすることにより、停止、走行を繰り返す毎に、第1アクチュエータ(14)及び第2チャイルドロック手段(93)が作動することがないため、無駄な動作、作動音を無くすことができる。
【0070】
(ニ.車両停止時、第1チャイルドロック手段(92)がアンロック状態、第2チャイルドロック手段(93)がロック状態、車両停止信号(x)がLOWで、インサイドハンドル(8)が開扉操作された場合(図5、6及び図12の領域(c)参照))
この状態においては、第1チャイルドロック手段(92)がアンロック状態にあっても、第2チャイルドロック手段(93)がロック状態にあるため、インサイドハンドル(8)が開扉操作されても、その操作力は、各全閉用ドアラッチ(10)(11)へ伝達されない。また、車両停止信号(x)がLOW、すなわち車両が安全な状態で停止していない状況であるため、開扉操作検出センサ(97b)の出力信号がHIGHになっても、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)を駆動制御しない。この結果、車両が安全な停止状態になければ、スライドドア(1)を開けることができないため、安全である。
【0071】
(ホ.車両停止時、第1チャイルドロック手段(92)がアンロック状態、第2チャイルドロック手段(93)がロック状態、車両停止信号(x)がHIGHで、インサイドハンドル(8)が開扉操作された場合(図6〜図8及び図12の領域(d)参照))
図6に示すように、インサイドハンドル(8)の開扉操作力は、第1チャイルドロック手段(92)の第1出力レバー(924)を介して、第2チャイルドロック手段(93)の第2入力レバー(931)に入力される。このとき、第2チャイルドロックレバー(933)がロック位置(933B)にあって、第2接続レバー(936)の係合部(936a)が第2入力レバー(931)の円弧孔部(931a)内に位置(切断位置)しているため、第2入力レバー(931)のみが開扉方向へ作動することとなり、第2接続レバー(936)の係合部(936a)が、第2入力レバー(931)の円弧孔部(931a)を相対的に後方へ移動する。
【0072】
また、この動作とほぼ同時またはその直後、インサイドハンドル(8)の開扉操作を契機に、開扉操作検出センサ(97b)の出力信号がHIGHになり、第1アクチュエータ(14)のモータ(141)は正転駆動制御(アンロック駆動制御)される。
【0073】
この結果、図7に示すように、第1アクチュエータ(14)の正転駆動に基いて、第2チャイルドロック手段(93)の第2チャイルドロックレバー(933)は、ケーブル(15)を介してロック位置からアンロック位置に移動させられる。このとき、第2接続レバー(936)の係合部(936a)が、円弧孔部(931a)に係合して下方(接続位置方向)への移動が拘束されているため、第2接続レバー(936)の係合部(936a)を円弧孔部(931a)に係合させたまま、スプリング(938)の付勢力に抗して、第2チャイルドロックレバー(933)のみがロック位置からアンロック位置へ移動することとなる。その後、インサイドハンドル(8)の開扉操作力が解除され、図8に示すように、第2入力レバー(931)が待機位置に復帰すると、第2接続レバー(936)の係合部(936a)が円弧孔部(931a)から離脱して、スプリング(938)の付勢力により、直線孔部(931b)の下端(接続位置)に移動する(図2参照)。この結果、第2チャイルドロック手段(93)の各レバー(931)(933)同士の干渉を防止して、第2チャイルドロック手段(93)を、第1アクチュエータ(14)の動力によりアンロック状態に確実に変位させることができる。
【0074】
また、これと併行して、第1アクチュエータ(14)のアンロック・リリース用レバー(14a)の作動をもって、施解錠手段(94)の第3入力レバー(942)が、ケーブル(17)を介して開扉方向へ作動させられ、第3出力レバー(943)、ケーブル(18)(19)を介して各全閉用ドアラッチ(10)(11)をラッチ解除し、その後、ラッチ解除検出センサ(97d)の出力信号がHIGHになることにより、ドア開閉駆動ユニット(6)のモータ(61)を正転駆動制御して、スライドドア(1)を開扉方向へ移動させる。
【0075】
これにより、インサイドハンドル(8)の1回の開扉操作により、第2チャイルドロック手段(93)のアンロック操作及び各全閉用ドアラッチ(10)(11)のラッチ解除操作を一度に行うことができる。
【0076】
(ヘ.第1チャイルドロック手段(92)がロック状態、第2チャイルドロック手段(93)がアンロック状態にある場合(図9、10及び図12の領域(f)参照))
車両の停止時に、スライドドア(1)を開けて、第1チャイルドロック手段(92)における第1チャイルドロックレバー(925)の手動操作部(925a)を手動によりロック方向へ操作すると、図9に示すように、第1チャイルドロック手段(92)はロック状態に変位する。この状態においては、図10に示すように、インサイドハンドル(8)が開扉操作されても、その開扉操作力は、第1チャイルドロック手段(92)により遮断されるため、各全閉用ドアラッチ(10)(11)をラッチ解除させることはできず、スライドドア(1)を開けることはできない。
【0077】
車両走行前に、第1チャイルドロック手段(92)を手動操作によりロック状態にした場合には、車両走行中におけるインサイドハンドル(8)の誤操作対策は、第1チャイルドロック手段(92)のロック状態で確保される。したがって、この場合には、車速センサ(101)が車速検知しても、第2チャイルドロック手段(93)をロック状態にさせる必要はない。
【0078】
以上のように、本発明においては、インサイドハンドル(8)の開扉操作を契機に駆動可能な第1アクチュエータ(14)の動力をもって、第2チャイルドロック手段(93)をロック状態からアンロック状態へ変位させる動作とほぼ同時に、全閉用ドアラッチ(10)(11)をラッチ解除させることができるため、第2チャイルドロック手段(93)がロック状態にあっても、インサイドハンドル(8)の1回の開扉操作で、第2チャイルドロック手段(93)のアンロック状態への変位、及び全閉用ドアラッチ(10)(11)のラッチ解除をほぼ同時に行うことができ、ドアを迅速に開けることができる。
【0079】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、各実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(i)ドア(1)をスライドドアに代えて、サイドのスイングドア、またはバックドアにする。
【0080】
(ii)第1アクチュエータ(14)の動力を、モータ以外にする。第2チャイルドロック手段(93)を各状態に変位させるアクチュエータと、各全閉用ドアラッチ(10)(11)をラッチ解除させるアクチュエータとを別々に構成する。
【0081】
(iii)コントロールユニットを、施解錠手段(94)を省略した構成として、アウトサイドハンドル(7)の開扉操作力を、第2チャイルドロック手段(93)の第2入力レバー(入力レバー)(931)に入力させるようにする。このようにすると、第2チャイルドロック手段(93)は、施解錠手段(94)と同様の機能を有することとなり、第2入力レバー(931)に入力された開扉操作力は、第2出力レバー(932)(出力レバー)から直接または間接的に各全閉用ドアラッチ(10)(11)に伝達される。
【0082】
(iv)上記(iii)において、第2チャイルドロック手段(93)がロック状態にあるとき、車外から、すなわちアウトサイドハンドル(7)の開扉操作は、特定の信号を常時発信している発信器を携帯している特定の操作者の開扉操作のみを有効にするようにする。具体的には、操作者が携帯している発信器から発信された特定の信号を、車両に搭載された受信機が受信しているときのみ、操作ハンドルをなすアウトサイドハンドル(7)の開扉操作を契機に第1アクチュエータ(14)が正転駆動可能とし、この動力によって、第2チャイルドロック手段(93)をロック状態からアンロック状態に変位させるとともに、各全閉用ドアラッチ(10)(11)をラッチ解除して、ドアを開くことができるようにする。また、インサイドハンドル(8)の開扉操作においては、前記実施形態と同様にする。
【符号の説明】
【0083】
(1)スライドドア(ドア)
(2)車体
(2a)乗降口
(3)(4)(5)ガイドレール
(6)ドア開閉駆動ユニット
(7)アウトサイドハンドル(操作ハンドル)
(8)インサイドハンドル(操作ハンドル)
(9)コントロールユニット
(10)フロント側全閉用ドアラッチ(ドアラッチ)
(11)リヤ側全閉用ドアラッチ(ドアラッチ)
(11a)ドアクローザ
(12)全開用ラッチ
(14)第1アクチュエータ(駆動手段)
(14a)アンロック・リリース用レバー
(14b)ロック用レバー
(15)ケーブル
(15a)連結部
(16)ケーブル
(16a)連結部
(17)ケーブル
(17a)連結部
(18)(19)(20)ケーブル
(21)リンク
(61)モータ
(62)回転ドラム
(63)ケーブル
(91)ベースプレート
(92)第1チャイルドロック手段
(93)第2チャイルドロック手段(ロック手段)
(94)施解錠手段
(95)第2アクチュエータ
(96)キャンセルレバー
(97a)チャイルドロック検出センサ
(97b)開扉操作検出センサ
(97c)閉扉操作検出センサ
(97d)ラッチ解除検出センサ
(100)制御回路装置(制御手段)
(101)車速センサ
(102)フットブレーキセンサ
(103)パーキングブレーキセンサ
(104)Pボジションセンサ
(141)モータ
(200)受信機
(201)発信器
(921)入力軸
(922)第1入力レバー
(922a)係合部
(923)フェイルセーフレバー
(923a)第1連結部
(923b)第2連結部
(924)第1出力レバー
(924a)長孔
(924b)アーム部
(925)第1チャイルドロックレバー
(925a)手動操作部
(925b)長孔
(926)スプリング
(927)枢軸
(928)リンク
(929)摺動ピン
(931)第2入力レバー(入力レバー)
(931a)円弧孔部
(931b)直線孔部
(932)第2出力レバー(出力レバー)
(932a)(932b)長孔
(933)第2チャイルドロックレバー(ロックレバー)
(933a)長孔
(933b)折曲片
(934)枢軸
(935)第1接続レバー(接続手段)
(935a)当接部
(936)第2接続レバー(接続手段)
(936a)係合部
(937)枢軸
(938)スプリング
(939)枢軸
(941)リンク
(942)第3入力レバー
(942a)長孔
(943)第3出力レバー
(944)施解錠レバー
(945)(946)枢軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両におけるドアの車外側に設けられるアウトサイドハンドル及び前記ドアの車内側に設けられるインサイドハンドルの開扉操作力を前記ドアを閉止位置に保持可能なドアラッチに伝達可能なアンロック状態及び伝達不能なロック状態に変位可能な施解錠手段を備えた車両用ドアラッチの操作装置において、
前記施解錠手段がアンロック状態のとき、前記インサイドハンドルの開扉操作により前記ドアラッチのラッチ解除を可能にするアンロック状態及び不能にするロック状態に変位可能なロック手段と、
前記インサイドハンドルの開扉操作に基づいて駆動可能な駆動手段とを備え、
車両停止時で、かつ前記施解錠手段がアンロック状態のとき、前記インサイドハンドルの開扉操作に基づく前記駆動手段の動力をもって、前記ロック手段をロック状態からアンロック状態へ変位させる動作とほぼ同時に、前記ドアラッチをラッチ解除させるようにしたことを特徴とする車両用ドアラッチの操作装置。
【請求項2】
前記インサイドハンドルの開扉操作を検出可能な開扉操作検出手段を備え、
前記開扉操作検出手段が前記インサイドハンドルの開扉操作を検出したときに前記駆動手段を駆動することを特徴とする請求項1記載の車両用ドアラッチの操作装置。
【請求項3】
前記車両停止時の車両停止条件は、フットブレーキの作動を検出するフットブレーキセンサ、パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキセンサ及びギヤがPポジションであることを検出するPポジションセンサのうち、少なくともいずれか1つの出力信号が検出状態信号であることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ドアラッチの操作装置。
【請求項4】
前記車両停止条件で、前記フットブレーキセンサ、前記パーキングブレーキセンサ及び前記Pポジションセンサの全ての出力信号が未検出状態信号であるときには前記駆動手段の駆動制御を不能にしたことを特徴とする請求項3記載の車両用ドアラッチの操作装置。
【請求項5】
前記車両停止条件で、前記フットブレーキセンサ、前記パーキングブレーキセンサ及び前記Pポジションセンサの全ての出力信号が未検出状態信号であるときには前記開扉検出手段が前記インサイドハンドルの開扉操作を検出した場合でも前記駆動手段を駆動しないことを特徴とする請求項3記載の車両用ドアラッチの操作装置。
【請求項6】
前記駆動手段の動力をもって、前記インサイドハンドルの開扉操作力を補助して前記ドアラッチをラッチ解除動作させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用ドアラッチの操作装置。
【請求項7】
前記ドアラッチのラッチ解除動作後、前記ドアを開方向へ向けて移動させるためのドア開閉駆動ユニットを駆動制御させるための契機を付与するラッチ解除検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用ドアラッチの操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−12544(P2011−12544A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197735(P2010−197735)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【分割の表示】特願2005−183759(P2005−183759)の分割
【原出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000148896)三井金属アクト株式会社 (127)
【Fターム(参考)】