説明

車両用ドアロック装置

【課題】衝突によってドアが開いてしまうことを防止できるドアロック装置を提供する。
【解決手段】ドアロック装置12は、ドア本体に固定される基体30と、ラッチ部材31と、ラッチポール部材32と、ポールレバー33と、スペーサ部材40とを備えている。ラッチ部材31は、ストライカを保持する噛合位置と、ストライカを解放する非噛合位置とにわたり回動可能である。ラッチポール部材32は、ラッチ部材31を前記噛合位置に保持するロック位置と、ラッチ部材31を解放するロック解除位置とにわたり移動可能であり、ばねによって前記ロック位置に向けて付勢されている。ポールレバー33は、ラッチポール部材32と共に前記ロック位置とロック解除位置とにわたり移動する。スペーサ部材40は、基体30に固定される取付部80と、フレーム41の車両内側の面41aに沿ってポールレバー33の周りに配置されたレバー保護部81と、挿入部82とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両の例えばサイドドアに設けられる車両用ドアロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車等の車両のドアには、ドアを閉鎖状態に保つためのドアロック装置が設けられている。ドアロック装置の一例は、ドア本体に固定される基体と、基体に設けられたラッチ部材と、ラッチポール部材などを備えている。前記ラッチ部材は、車体側に設けられたストライカに噛合う噛合位置と、ストライカを解放する非噛合位置とに回動することができる。前記ラッチポール部材は、ラッチ部材を前記噛合位置に保持するロック位置と、ラッチ部材を開放するロック解除位置とにわたって回動する。
【0003】
前記ラッチポール部材は、ケーブルやロッド等の操作部材によって操作される操作部に連動するポールレバーによって、前記ロック解除位置に移動させることができる。ポールレバーがロック解除方向に操作されると、ラッチポール部材がロック解除方向に移動することにより、ラッチ部材が非噛合位置に移動可能となり、ドアを開けることができる。
【0004】
例えば下記の特許文献1,2には、ドアロック装置が不正に破壊されてドアが開いてしまうことを防ぐための保護機能を備えたドア構造が開示されている。特許文献3には、車両の側面衝突時にドアラッチの設置部が変形することを抑制するための閉断面構造を備えたドア構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−307972号公報
【特許文献2】特開2008−260511号公報
【特許文献3】特許第2877441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両の側面衝突を想定した試験が行なわれたとき、衝突の態様によっては、衝突中あるいは衝突後にドアが開いてしまうことがある。例えばドアの側方から障害物(インパクタ)を衝突させた場合、障害物によって押されたドアが車両内側に変形することに伴い、何らかの原因により前記ラッチポール部材がロック解除方向に移動する可能性がある。ラッチポール部材は、ばねによってロック位置に付勢されているため、ラッチポール部材が一時的にロック解除方向に移動したとしても、衝突の途中あるいは衝突後にラッチポール部材が前記ばねの弾力によってロック位置に戻れば、ドアが開いてしまうことはない。
【0007】
しかしドアの変形状態によっては、ドアロック装置が車両内側に移動することに伴い、ラッチポール部材がロック解除方向に移動したまま、ドアのインナパネル等がポールレバーに当接し、変形したインナパネル等によってポールレバーがロック解除位置に保持される可能性がある。その場合、衝突途中あるいは衝突後に、ドアが開く方向に力が働くと、予期せずドアが開いてしまうことが懸念される。このような衝突によるドア開放に対し、特許文献1〜3に記載されているドア構造は有効なものではなかった。
【0008】
従ってこの発明は、衝突によりドアがロック解除状態となって開いてしまうことを防止できる車両用ドアロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両用ドアロック装置は、ドアに固定され車体側のストライカが進入可能なスリットを有する基体と、前記基体に設けられ前記ストライカを保持する噛合位置と前記ストライカを解放する非噛合位置とにわたり回動可能なラッチ部材と、前記ラッチ部材を前記噛合位置に保持するロック位置と前記ラッチ部材を解放するロック解除位置とにわたり移動可能で、ばねにより前記ロック位置に向けて付勢されるラッチポール部材と、前記ラッチポール部材と共に前記ロック位置とロック解除位置とにわたって移動するポールレバーと、前記ポールレバーを前記ロック位置から前記ロック解除位置に向けて操作可能な操作部と、スペーサ部材とを具備している。このスペーサ部材は、前記基体に支持される取付部と、前記基体の車両内側の面に沿って配置され前記ポールレバーを囲む形状のレバー保護部とを有し、該レバー保護部の側面が前記ポールレバーの側面よりも車両内側に位置するよう配置され、該レバー保護部によって前記ポールレバーの前記移動を許容する空間部を形成する。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記基体が金属製のフレームと樹脂製のガイド部材とを有している。このガイド部材は、前記ストライカを受け入れる凹部と、該凹部の開口端から前記フレームの車両内側の面に向けて延出する延出部とを有し、前記スペーサ部材は、前記延出部と前記フレームの車両内側の面との間に挿入される挿入部を有している。
【0011】
前記スペーサ部材は、例えばドアのインナパネルと前記フレームとの間に配置されている。また、前記スペーサ部材の下端に前記取付部が設けられ、前記スペーサ部材の上端に前記挿入部が設けられ、これら取付部と挿入部との間に略C形に湾曲した形状の前記レバー保護部が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、万一の衝突によってドアが変形し、ポールレバーがロック解除方向に動いても、該ポールレバーがドアの一部によってロック解除位置で保持されてしまうことをスペーサ部材によって防止できるため、該ポールレバーは、ばねによりロック位置に戻ることができる。このためラッチポール部材がロック位置に戻ることが可能となり、ラッチ部材が噛合位置に維持されることによりドアが閉鎖状態に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つの実施形態に係るドアロック装置を備えた車両の一部の斜視図。
【図2】図1に示された車両のドアロック装置の斜視図。
【図3】図2に示されたドアロック装置のラッチ部材が噛合位置にある状態を車両の後側から見た正面図。
【図4】図2に示されたドアロック装置のラッチポール部材がロック解除方向に移動した状態を示す正面図。
【図5】図2に示されたドアロック装置のラッチ部材が非噛合位置に移動した状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の1つの実施形態に係る車両用ドアロック装置について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、車両10の一部を運転席側のドア(サイドドア)11が開放された状態で車両後側から見た斜視図である。この車両10のドア11には、ドア11を閉鎖状態に保つためのドアロック装置12が設けられている。
【0015】
図1に示された車両10は、車体14の左側に運転席15やステアリングホイール16が配置されたいわゆる左ハンドル車である。左ハンドル車の運転席15のドア11に設けるドアロック装置12と、右ハンドル車の運転席のドアに設けるドアロック装置とは、基本構成が互いに共通(ただし左右対称)であるため、この明細書では左ハンドル車のドアロック装置12を例にあげて説明する。
【0016】
ドア11は、ドア本体20と、昇降可能なドアガラス21と、車両内側に設けられたトリム部材22などを含んでいる。ドア本体20は、車両内側に位置するインナパネル25と、車両外側に位置するアウタパネル26と、リンフォース部材(図示せず)などによって構成され、図示しないヒンジ機構によって車体14に取付けられている。ドア11の車両内側には、ドアロック装置12を開錠する際に使用するインサイドハンドル27が設けられている。ドア11の車両外側にも、ドアロック装置12を開錠する際に使用するアウトサイドハンドル(図示せず)が設けられている。
【0017】
図2は、ドアロック装置12を斜め上方から見た斜視図である。図3から図5は、それぞれドアロック装置12を車両後側から見た正面図である。本実施形態のドアロック装置12は、ドア本体20に固定される基体30と、基体30に回動自在に設けられたラッチ部材(latch member)31と、ラッチポール部材(latch pawl member)32と、ポールレバー(pawl lever)33と、操作部材34,35(図2に一部のみ示す)と、スペーサ部材40などを含んでいる。
【0018】
図2に示されるようにドアロック装置12の基体30は、板金を所定形状にプレス成形してなるフレーム41と、板金製のプレート部材42と、樹脂製のガイド部材43とを含んでいる。これらフレーム41とプレート部材42とガイド部材43は、軸45,46によって互いに締結されている。
【0019】
基体30は、図1に示すドア本体20の車両後側の縦壁20aに、ねじ部材50によって固定されている。図2に示すようにプレート部材42には、前記ねじ部材50が挿入されるねじ孔51が形成されている。プレート部材42には、ストライカ55(図3〜図5に示す)が進入可能なスリット56が形成されている。ストライカ55は、車体14(図1に示す)のピラー部14aに固定されている。
【0020】
ガイド部材43は、フレーム41とプレート部材42との間に挟まれるようにして設けられている。このガイド部材43には、前記スリット56と対応した位置に、ストライカ55を受け入れる凹部60が形成されている。凹部60の開口端60aにフランジ状の延出部61が形成されている。延出部61は、プレート部材42付近からフレーム41の方向に延びている。この延出部61の先端部分61aは、フレーム41の車両内側の面41aに沿っている。
【0021】
図3と図4は、ラッチ部材31の噛合位置を示している。図5は、ラッチ部材31の非噛合位置を示している。ラッチ部材31は、基体30に設けられた軸45によって、軸45を中心に回転自在に支持されている。このラッチ部材31は、第1の凸部65と、第2の凸部66と、これら凸部65,66間に形成された凹部67を有している。ラッチ部材31は、前記噛合位置と非噛合位置とにわたって回動することができ、ばね68によって非噛合位置に向けて常時付勢されている。
【0022】
図3に示す噛合位置では、スリット56に進入したストライカ55がラッチ部材31の凸部65,66間に挿入される。図5に示す非噛合位置では、ストライカ55が凸部65,66間から離脱する。
【0023】
ラッチポール部材32は、基体30に設けられた軸46によって、軸46を中心に回転自在に支持されている。図3は、ラッチポール部材32がロック位置(ラッチ部材31を噛合位置に保持する位置)に移動した状態を示している。図4は、ラッチポール部材32がロック解除位置(ラッチ部材31を開放する位置)に移動した状態を示している。すなわちこのラッチポール部材32は、図3に示すロック位置と、図4に示すロック解除位置とにわたって回動することができる。このラッチポール部材32は、ねじりコイルばね等のばね(リターンばね)70によって、前記ロック位置に向けて常時付勢されている。
【0024】
ポールレバー33は、ラッチポール部材32と同軸に取付けられており、ラッチポール部材32と共に、軸46を中心に前記ロック位置(図3)とロック解除位置(図4)とにわたって移動するようになっている。このポールレバー33は、図2に示す操作部材34によって操作される連動部材(操作部)75が回動上昇した状態において、前記ロック解除位置に移動する。連動部材75は、ポールレバー33を前記ロック解除位置に向けて移動させるための操作部として機能する。
【0025】
前記操作部材34は、例えばプッシュプルケーブルあるいはロッドなどからなり、インサイドハンドル27(図1に示す)が開錠方向に操作されたときに引かれることにより、連動部材75を上方に回動させるようになっている。連動部材75が上方に回動すると、ラッチポール部材32とポールレバー33が前記ロック解除方向に移動する。
【0026】
このドア11には、前記操作部材34以外にもポールレバー33をロック解除方向に移動させることができる操作部材(例えばアウトサイドハンドルに連動する操作部材)が存在するが、ポールレバー33をロック解除方向に移動させる点では操作部材34と同様であるから説明を省略する。なお、ロック用の操作部材35が操作されると、ポールレバー33がロック解除方向に移動しないように連動部材75がロックされる。
【0027】
スペーサ部材40は、基体30のフレーム41に固定される取付部80と、略C形のレバー保護部81と、上端側に位置する挿入部82とを有している。スペーサ部材40の一例は硬質樹脂の一体成形品であるが、繊維強化樹脂が使用されてもよい。また樹脂と金属の複合材が使用されてもよい。図2に示されたスペーサ部材40の一例では、外周縁部の肉厚が内側部分の厚さよりも大きくなっている。
【0028】
スペーサ部材40の下端付近に位置する取付部80は、フレーム41の下端側の延長部41bに形成された孔85に挿入されることによって固定されるクリップ部86を有している。つまりこのスペーサ部材40は、フレーム41の一部を利用して基体30に取付けられる。なお、クリップ部86以外の固定手段(例えば、ねじ部材やリベット等)によって、スペーサ部材40が基体30に固定されてもよい。
【0029】
レバー保護部81は、フレーム41の車両内側の面41aに沿って、インナパネル25(図3〜図5に示す)とフレーム41との間に配置されている。図2に示されるようにレバー保護部81は、ポールレバー33の下面に臨む部分81aと、ポールレバー33の後面に臨む部分81bと、ポールレバー33の上面に臨む部分81cとを有している。要するにこのレバー保護部81は、ポールレバー33の周りを半周以上囲むことができるように、略C形に湾曲した形状をなしている。
【0030】
レバー保護部81の前記各部分81a,81b,81cによって囲まれる内側の領域に、ポールレバー33が前記ロック位置とロック解除位置とに移動することを許容する空間部Sが形成されている。スペーサ部材40の上端に設けられた挿入部82は、ガイド部材43の延出部61の先端部分61aとフレーム41の車両内側の面41aとの間に挿入されている。
【0031】
図3に示すように、ポールレバー33の側面33aは、フレーム41の車両内側の面41aよりも車両内側に突出している。前記スペーサ部材40の厚さTは、スペーサ部材40の側面40aがポールレバー33の側面33aよりも車両内側に位置するように、ポールレバー33の突出量(車両内側の面41aからの突出量)よりも大きくしている。
【0032】
以下に本実施形態のドアロック装置12の作用について、図3から図5を参照して説明する。
図3はドア11が閉鎖されている状態(フルラッチ位置)を示している。ドア11が閉鎖された状態では、ストライカ55がドアロック装置12のスリット56に進入し、かつ、ラッチ部材31が噛合位置に移動している。この噛合位置では、ストライカ55がラッチ部材31の凸部65,66間の凹部67に嵌合するとともに、ラッチ部材31がラッチポール部材32によって噛合位置に保持されている。
【0033】
ドア11を開けるためにインサイドハンドル27を開錠方向に操作すると、操作部材34が引かれることにより、連動部材75が上方に移動する。これにより、ポールレバー33が図4に矢印R1で示すロック解除方向に回動するとともに、ラッチポール部材32もロック解除方向に移動する。この状態でドア11を開方向に移動させると、図5に示すようにラッチ部材31が非噛合位置に向かって矢印R2で示す方向に回動するとともに、ストライカ55がラッチ部材31から解放されるためドア11を開けることができる。
【0034】
ドア11を閉じるときは、前記とは逆方向にドア11が移動することにより、図5に示すようにストライカ55がドアロック装置12のスリット56に進入する。さらに、ストライカ55がラッチ部材31の第1の凸部65に当たることにより、ラッチ部材31が図4に矢印R3で示す方向に回動する。そしてラッチ部材31の第2の凸部66がラッチポール部材32を通り過ぎてフルラッチ位置まで移動した瞬間に、ラッチポール部材32がばね70によって図3に示すロック位置まで回動することにより、ラッチ部材31がラッチポール部材32によって噛合位置でロックされる。
【0035】
ドア11が閉鎖されている状態において、ドア11の側面方向から衝突荷重F(図3に示す)が入力したとする。この衝突荷重Fによってドア11が車両内側に変形すると、ドアロック装置12がインナパネル25に当たる方向に移動することが考えられる。その場合、ポールレバー33の側面33aがインナパネル25に接近する。
【0036】
しかるに本実施形態のドアロック装置12は、インナパネル25とドアロック装置12のフレーム41との間にスペーサ部材40が介在しているため、ドアロック装置12に近付こうとするインナパネル25をスペーサ部材40によって受け止めることができる。このため衝突前と同様にインナパネル25とフレーム41との間にポールレバー33が上下方向に回動できる空間部Sが確保される。
【0037】
このため、衝突時に何らかの原因によって、ポールレバー33が図4に示すロック解除方向に移動したとしても、ポールレバー33を移動させていた力が解消されると、ばね70の弾力によって、ポールレバー33が図3に示すロック位置に復帰することができるとともにラッチポール部材32もロック位置に復帰するため、ラッチ部材31が噛合位置に保持されることにより、ドア11を閉鎖状態に保つことができる。このため衝突中あるいは衝突後にドア11が開いてしまうことを回避できるものである。
【0038】
本実施形態のスペーサ部材40は、ガイド部材43の延出部61とフレーム41との間に介在する挿入部82を備えている。このため前記衝突荷重Fによってインナパネル25がガイド部材43の延出部61を押したとしても、延出部61がポールレバー33に当たってポールレバー33が動かなくなってしまうことを、スペーサ部材40の挿入部82がフレーム41と延出部61との間に介在することによって回避できるものである。
【0039】
スペーサ部材40の下端側は、取付部80によってフレーム41に支持されている。スペーサ部材40の上端側の挿入部82は、ガイド部材43の延出部61とフレーム41との間に挿入されているだけであり、特に固定はされていない。しかし側方からの衝突荷重によってインナパネル25がフレーム41に近付いたときに、比較的早い段階でインナパネル25が延出部61に当たり、スペーサ部材40の挿入部82が延出部61とフレーム41との間に挟まれるため、スペーサ部材40の上端側が支持されることになる。すなわちこのスペーサ部材40は、下端側の取付部80と上端側の延出部61とにおいて両端が支持される。よって、衝突時にスペーサ部材40を安定した状態で支持できることになり、スペーサ部材40を所定位置(ポールレバー33の動きを妨げない位置)に確実に止めておくことができる。しかも樹脂製のスペーサ部材40であれば、走行中の振動によりフレーム41に触れることがあっても異音の発生を回避することができる。
【0040】
なお本発明を実施するに当たり、基体やラッチ部材、ラッチポール部材、ポールレバー、スペーサ部材等の具体的な形状をはじめとして、本発明のドアロック装置を構成する各要素の形状や配置等の具体的な態様を種々に変更して実施できることは言うまでもない。また本発明のドアロック装置は、運転席以外のドアや、サイドドア以外のドアにも適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10…車両、11…ドア、12…ドアロック装置、20…ドア本体、25…インナパネル、30…基体、31…ラッチ部材、32…ラッチポール部材、33…ポールレバー、34…操作部材、40…スペーサ部材、41…フレーム、42…プレート部材、43…ガイド部材、55…ストライカ、56…スリット、61…延出部、70…ばね、75…連動部材(操作部)、80…取付部、81…レバー保護部、82…挿入部、S…空間部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアに固定され車体側のストライカが進入可能なスリットを有する基体と、
前記基体に設けられ、前記ストライカを保持する噛合位置と前記ストライカを解放する非噛合位置とにわたり回動可能なラッチ部材と、
前記ラッチ部材を前記噛合位置に保持するロック位置と前記ラッチ部材を解放するロック解除位置とにわたり移動可能で、ばねにより前記ロック位置に向けて付勢されるラッチポール部材と、
前記ラッチポール部材と共に前記ロック位置とロック解除位置とにわたって移動するポールレバーと、
前記ポールレバーを前記ロック位置から前記ロック解除位置に向けて操作可能な操作部と、
前記基体に支持される取付部と前記基体の車両内側の面に沿って配置され前記ポールレバーを囲む形状のレバー保護部とを有し、該レバー保護部の側面が前記ポールレバーの側面よりも車両内側に位置するよう配置され、該レバー保護部によって前記ポールレバーの前記移動を許容する空間部を形成するスペーサ部材と、
を具備したことを特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項2】
前記基体が金属製のフレームと樹脂製のガイド部材とを有し、該ガイド部材は前記ストライカを受け入れる凹部と、該凹部の開口端から前記フレームの車両内側の面に向けて延出する延出部とを有し、
前記スペーサ部材は、前記延出部と前記フレームの車両内側の面との間に挿入される挿入部を有したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項3】
前記スペーサ部材がドアのインナパネルと前記フレームとの間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
【請求項4】
前記スペーサ部材の下端側に前記取付部が設けられ、前記スペーサ部材の上端側に前記挿入部が設けられ、これら取付部と挿入部との間に前記レバー保護部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用ドアロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−49966(P2013−49966A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187797(P2011−187797)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】