説明

車両用ホイール製造用の鋳型およびこれを用いた車両用ホイールの製造方法

【課題】車両用ホイールを品質のばらつきやヒケを極めて少なくした状態で製造することが可能な技術を提供する。
【解決手段】キャビティと溶湯流路とを備え、キャビティは略水平方向に拡がるディスク成形部51とディスク成形部51の外周縁17から上方に延びるリム成形部53とを有し、リム成形部53はキャビティ50のリム肉厚Wが上方から下方に向かって減少するリム肉厚変化領域Lを有する車両用ホイール製造用の鋳型。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ホイール製造用の鋳型およびこれを用いた車両用ホイールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ホイールは、車両にタイヤを装着するために用いる。車両用ホイールには、車両の走行時に振動や衝撃などの大きな負荷がかかるので、強度が高く、品質の欠陥が少ないことが強く求められている。こうした要求に応えるべく、車両用ホイールを製造する際には、低圧鋳造法が広く用いられている(例えば、特許文献1)。低圧鋳造法は、保持炉(チャンバー)内に蓄えられた溶湯の界面を加圧することにより、溶湯を給湯管(ストーク)内で押し上げて鋳型のキャビティ(空洞)内へと流し込み、キャビティ内で溶湯を凝固させる鋳造法である。この低圧鋳造法を用いると、複雑な凹凸形状を持った製品でも、品質の欠陥や重量のばらつきを少なくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−287016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、低圧鋳造法をもってしても、車両用ホイール用の鋳造品についての品質のばらつきや鋳造品に特有な欠陥であるヒケ欠陥を少なくすることは依然として困難である。
【0005】
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、車両用ホイールの品質のばらつきやヒケ欠陥を少なくすることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば上述した目的を達成することができる。具体的には、以下に示す車両用ホイール製造用の鋳型およびこれを用いた車両用ホイールの製造方法である。
【0007】
[1] 溶湯を充填するためのキャビティと、前記キャビティ内に前記溶湯を注入するための溶湯流路と、を備え、前記キャビティは、略水平方向に拡がるディスク成形部と、前記ディスク成形部の外周縁から上方に延びるリム成形部と、を有し、前記溶湯流路は、前記リム成形部に開口するとともに、前記リム成形部は、前記キャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって減少するリム肉厚変化領域を有する車両用ホイール製造用の鋳型。
【0008】
[2] 前記リム成形部は、上部にインナー側ビードシート成形部を有するとともに、前記インナー側ビードシート成形部より下部が前記リム肉厚変化領域である前記[1]に記載の車両用ホイール製造用の鋳型。
【0009】
[3] 前記リム成形部は、前記インナー側ビードシート成形部の下部にドロップセンター成形部を有し、前記インナー側ビードシート成形部および前記ドロップセンター成形部には、前記キャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって増加する領域がない前記[2]に記載の車両用ホイール製造用の鋳型。
【0010】
[4] 前記リム肉厚変化領域における前記キャビティの最大リム肉厚と最小リム肉厚との差が1mm以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の車両用ホイール製造用の鋳型。
【0011】
[5] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載の車両用ホイール製造用の鋳型の前記溶湯流路から前記キャビティ内に前記溶湯を注入して前記キャビティ内に前記溶湯を充填し、前記溶湯を凝固させて前記車両用ホイール用の鋳造品を作製し、次いで前記車両用ホイール用の鋳造品を研削して所望の形状とする車両用ホイールの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の車両用ホイール製造用の鋳型およびこれを用いる車両用ホイールの製造方法によれば、品質のばらつきやヒケ欠陥の少ない車両用ホイールを得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の車両用ホイール製造用の鋳型と、これを備えた低圧鋳造装置の模式図である。
【図2】図1中の枠A内の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0015】
本発明の車両用ホイール製造用の鋳型(以下、「本発明の鋳型」という)は、溶湯を充填するためのキャビティと、キャビティ内に溶湯を注入するための溶湯流路と、を備えている。さらに、このキャビティは、略水平方向に拡がるディスク成形部と、ディスク成形部の外周縁から上方に延びるリム成形部と、を有している。
【0016】
また、本発明の鋳型は、溶湯流路がリム成形部に開口している。したがって、本発明の鋳型では、溶湯流路からキャビティのリム成形部内に溶湯を流入させることができる。
【0017】
また、本発明の鋳型では、上述したようにリム成形部がディスク成形部の外周縁から上方に延びているので、溶湯をリム成形部に流入させると、溶湯流路から流入させる際に溶湯に加えた圧力や溶湯そのものの重さによって、溶湯がディスク成形部の外周縁まで降下していき、最終的には溶湯ディスク成形部の中心部まで溶湯を流し込むことができる。こうして、溶湯をキャビティ全体に充填することができる。
【0018】
本発明の鋳型では、リム成形部に充填された溶湯から車両用ホイール用の鋳造品のリムに相当する部分ができる。よって、リム成形部のキャビティの幅は、車両用ホイール用の鋳造品のリムの肉厚に一致することになる。本発明の鋳型では、リム成形部でのキャビティの幅(以下、リム成形部の「リム肉厚」と称する)が上方から下方に向かって減少する領域、いわゆるリム肉厚変化領域を有する。
【0019】
本明細書にいうキャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって減少するとは、キャビティのリム肉厚が漸減する態様や段階的に減少する態様[例えば、位置Aのキャビティのリム肉厚がα(mm)、位置Aから下方の位置Bまではキャビティのリム肉厚がβ(mm)、さらに位置Bからその下方の位置Cまではキャビティのリム肉厚がγ(mm)(但し、α>β>γ)という具合に減少する態様]が含まれている。
【0020】
一般に、車両用ホイール用の鋳造品は、ディスクとリムとが交差する部分で肉厚になっている。このような肉厚の特徴を反映して、車両用ホイール用の鋳造品を製造するための鋳型では、一般に、ディスク成形部とリム成形部とが交差する部分、いわゆる交差部は、キャビティの幅が大きく、また、容積も大きくなっている。こうしたキャビティの幅や容積の特徴から、交差部で溶湯を凝固させると、溶湯の収縮による影響が大きく現れる傾向があり、特に、溶湯の収縮に起因したヒケ欠陥が発生しやすい。本発明の鋳型では、リム成形部におけるキャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって減少していくことにより、上述したような態様でリム成形部内に溶湯を流し込んでいくときに、リム成形部内での流路断面積が溶湯の流れる方向に沿って狭まっていくかたちになる。その結果、本発明の鋳型では、交差部からリム成形部にかけて指向性凝固が改善される。すなわち、交差部の溶湯が凝固により収縮した場合に、上方のリム成形部からの溶湯補給が促進されるようになるので、溶湯が交差部からリム成形部までの部分で下から上に向かって徐々に凝固していきやすくなる。また、本発明の鋳型のように、リム成形部内における溶湯の流路断面積が溶湯の流れる方向に沿って狭まっていく場合には、リム成形部のキャビティ内に溶湯を流し込み始めると、溶湯は密に充填された状態のまま、溶湯がリム成形部内を拡がっていき、溶湯はキャビティを囲む鋳型の壁面に密着しつつ、鋳型の壁面に囲まれたキャビティ内にもぎっしりと詰まった状態になる。その結果、指向性凝固が一層促進される。こうして指向性凝固が改善されるので、本発明の鋳型を用いると、得られた車両用ホール用の鋳造品のディスクとリムとが交差する部分でヒケ欠陥の発生を抑えることができる。
【0021】
特に、本発明の鋳型では、交差部に充填された溶湯が凝固収縮したときに、リム成形部からの溶湯補給が促進されるという観点からは、リム肉厚変化領域においては、キャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって漸減していくことが好ましい。
【0022】
また、本発明の鋳型では、インナー側ビードシートとハンプ、ドロップセンターを有する車両用ホイールの鋳造物を製造するために用いることもできる。このような用途の場合には、本発明の鋳型は、リム成形部がインナー側ビードシート成形部やドロップセンター成形部を有しているとよい。このインナー側ビードシート成形部からは、車両用ホイールのインナー側ビードシートおよびハンプに該当する部分を成形することができる。また、ドロップセンター成形部からは、車両用ホイールのドロップセンターに該当する部分を成形することができる。
【0023】
本発明の鋳型では、リム成形部がインナー側ビードシート成形部を有する場合には、インナー側ビードシート成形部がリム成形部内の上部に設けられているとよい。
【0024】
また、本発明の鋳型では、リム成形部がインナー側ビードシート成形部を有する場合には、交差部に充填された溶湯が凝固収縮したときに、リム成形部からの溶湯補給が促進されるという観点からは、リム成形部は、インナー側ビードシート成形部から下部がリム肉厚変化領域であることが好ましく、さらに、このリム肉厚変化領域においてはキャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって漸減することがより好ましい。
【0025】
本発明の鋳型では、リム成形部がインナー側ビードシート成形部とドロップセンター成形部とを有する場合には、インナー側ビードシート成形部がリム成形部内の上部に設けられ、かつドロップセンター成形部がインナー側ビードシート成形部の下部に設けられているとよい。
【0026】
また、本発明の鋳型では、リム成形部がインナー側ビードシート成形部とドロップセンター成形部とを有する場合には、交差部に充填された溶湯が凝固収縮したときに、リム成形部からの溶湯補給が促進されるという観点からは、インナー側ビードシート成形部およびドロップセンター成形部には、キャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって増加する領域がないことが好ましい。このようにキャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって増加する領域がない場合には、リム成形部がインナー側ビードシート成形部やハンプ成形部、ドロップセンター成形部といった複雑な凹凸形状を持つキャビティであるにもかかわらず、得られる車両用ホイール用の鋳造品は品質のばらつきやヒケ欠陥が少なくなっている。
【0027】
本発明の鋳型では、リム肉厚変化領域におけるキャビティの最大リム肉厚と最小リム肉厚との差が1mm以上であることが好ましく、さらに、3mm以上であることがより好ましい。また、本発明の鋳型では、リム肉厚変化領域におけるキャビティの最大リム肉厚と最小リム肉厚との差の上限は、12mmであることが好ましく、さらに10mmであることがより好ましい。
【0028】
本発明の鋳型を用いて車両用ホイールを製造する際には、溶湯流路からキャビティ内に溶湯を注入することによりキャビティ内に溶湯を充填し、そのまま溶湯を凝固させて車両用ホイール用の鋳造品を作製し、次いで得られた車両用ホイール用の鋳造品を研削して所望の形状に加工するとよい。
【0029】
以下、本発明の車両用ホイール製造用の鋳型の具体的な実施形態を参照しつつ、その内容を詳しく説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態の車両用ホイール製造用の鋳型と、これを備えた低圧鋳造装置の模式図である。図示されるように、本低圧鋳造装置Dは、鋳型セットSと、鋳型セットSを載置するための基台10と、を備えている。
【0031】
本鋳型セットSは、下型20と上型40と一対の横型30という具合に、3種の型から構成されている。これらの型を組み合わせて鋳型セットSを組み上げると、内部にキャビティ50ができる。このキャビティ50は、車両用ホイ−ルと略同じ形状をした空洞である[図1の模式図では、車両用ホイール形状の空洞については、インナー側が上、アウター側(車両に装着したときに外部から見える側)が下となる向きになっている]。本鋳型セットSでは、キャビティ50がディスク成形部51とリム成形部53とから構成されている。このキャビティ50内で溶湯を凝固させることにより、車両用ホイール用の鋳造品を成形することができる。
【0032】
本鋳型セットSでは、一対の横型30は、車両用ホイールの中心軸を含んだ面から分離するようになっている。これら2つの横型30の合せ面のそれぞれには窪みがあり、2つの横型30の合せ面同士を合わせると湯道31が形成される。この湯道31は、本鋳型セットSの両側に1つずつ、すなわち一対ある。これらの湯道31は略L字状をしており、湯道31の一方の端が側端開口311としてキャビティ50のリム成形部53に開口しており、湯道31のもう一方の端が下端開口312として横型30の下面において開口している。これにより、溶湯を下端開口312から湯道31内に流入させ、湯道31内に流入した溶湯を側端開口311からキャビティ50内へと注入することができる。また、側端開口311には、流路が窄まるように堰が設けられている。
【0033】
本鋳型セットSでは、下型20の上面に凹部が形成されており、この凹部に入子21が嵌めこまれている。この入子21によって、車両用ホイ−ルのディスク部を目的の凹凸形状に作り上げることができる。
【0034】
図2は、図1中の枠A内の拡大図である。この拡大図には、リム成形部53、およびディスク成形部51の外周縁17近傍が描かれている。図示されるように、本鋳型セットSでは、リム成形部53は横型30の壁面19aと上型40の壁面19bとに囲まれた空洞として形成されている。このリム成形部53は、上部にあるインナー側ビードシート成形部11と、下部にあるドロップセンター成形部13とから構成されている。また、本鋳型セットSでは、ディスク成形部51の外周縁17近傍は、横型30の壁面19aと上型40の壁面19bと下型20の壁面19cとに囲まれた空洞としてディスク成形部51とリム成形部53とが交差した大きな肉厚部位となる交差部12を形成する。本鋳型セットSでは、インナー側ビードシート成形部11の下端15からドロップセンター成形部13の下端18までの領域Lにおいて、キャビティ50のリム肉厚Wが上方から下方に向かって漸減している。ここで、キャビティのリム肉厚Wは、キャリパーを用いて測定することができ、また、得られた車両用ホイール用の鋳造品を切断し、鋳造品の断面の幅から測定することもできる。
【0035】
本鋳型セットSでは、溶湯がリム成形部53の内に流入すると、インナー側ビードシート成形部11からドロップセンター成形部13へと降下していき、ディスク成形部51内に流れ込んでいく。このとき、上述したように領域Lでキャビティのリム肉厚Wが漸減しているので、インナー側ビードシート成形部11からドロップセンター成形部13および交差部12への溶湯補給が促進され、その結果、交差部12から成形された鋳造品の肉厚な部分に、ヒケ欠陥が発生しにくくなる。また、溶湯は横型30の壁面19aと上型40の壁面19bとに囲まれた空間を密に詰まった状態で流れていく。その結果、リム成形部53内には、溶湯を均一かつ高密度な状態で溶湯を充填することができる。このようにして溶湯を充填し凝固した場合には、品質のばらつきやヒケ欠陥の極めて少ない鋳造品を得ることが可能になる。
【0036】
図1に示されるように、本低圧鋳造装置Dでは、基台10の上に鋳型セットSが置かれている。基台10には、中間ストーク70が貫通している。この中間ストーク70については、鉛直方向に対して傾いた方向に延びた状態で配置することが可能である。中間ストーク70の上端は、湯道31の下端開口312に連結している。
【0037】
基台10の下には、溶湯保持炉60が配置されている。溶湯保持炉60内には、溶湯Mが収容されている。溶湯保持炉60には、保持炉ストーク75が装着されている。この保持炉ストーク75は略鉛直方向に延びている。また、保持炉ストーク75の上端は中間ストーク70の下端に連結し、保持炉ストーク75の下端は溶湯保持炉60内に収容された溶湯Mの中に差し込まれている。
【0038】
なお、本低圧鋳造装置Dでは、湯道31と中間ストーク70との間にフィルターRを設けることにより、溶湯に混入した異物を除去できるようにしている。
【0039】
本低圧鋳造装置Dでは、溶湯保持炉60内にガスを供給して溶湯Mを加圧することにより、ストーク(中間ストーク70と保持炉ストーク75)および湯道31を介して溶湯Mをキャビティ50内へと送り込むことができる。このとき、溶湯Mがキャビティ50内および湯道31内に満たされるまで供給することが望ましい。
【0040】
溶湯Mによってキャビティ50内および湯道31内が満たされたら、そのままの状態で溶湯Mを凝固させるとよい。
【0041】
溶湯をキャビティ50内および湯道31内で凝固させた後、各型を離型すると、車両用ホイール用の鋳造品を得ることができる。
【0042】
この車両用ホイール用の鋳造品については、研削して各部を所望の形状にすることにより、最終的に、車両用ホイールを得ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、車両用ホイール製造用の鋳型およびこれを用いた車両用ホイールの製造方法として利用できる。
【符号の説明】
【0044】
10:基台、11:インナー側ビードシート成形部、12:交差部、13:ドロップセンター成形部、15:(インナー側ビードシート成形部の)下端、17:(ディスク成形部の)外周縁、18:(ドロップセンター成形部の)下端、19a:(横型の)壁面、19b:(上型の)壁面、19c:(下型の)壁面、20:下型、21:入子、30:横型、31:湯道、40:上型、50:キャビティ、51:ディスク成形部、53:リム成形部、60:溶湯保持炉、70:中間ストーク、311:(湯道の)側端開口、312:(湯道の)下端開口、D:車両用ホイールの低圧鋳造装置、M:溶湯、R:フィルター、S:鋳型セット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶湯を充填するためのキャビティと、前記キャビティ内に前記溶湯を注入するための溶湯流路と、を備え、
前記キャビティは、略水平方向に拡がるディスク成形部と、前記ディスク成形部の外周縁から上方に延びるリム成形部と、を有し、
前記溶湯流路は、前記リム成形部に開口するとともに、
前記リム成形部は、前記キャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって減少するリム肉厚変化領域を有する車両用ホイール製造用の鋳型。
【請求項2】
前記リム成形部は、上部にインナー側ビードシート成形部を有するとともに、前記インナー側ビードシート成形部より下部が前記リム肉厚変化領域である請求項1に記載の車両用ホイール製造用の鋳型。
【請求項3】
前記リム成形部は、前記インナー側ビードシート成形部の下部にドロップセンター成形部を有し、
前記インナー側ビードシート成形部および前記ドロップセンター成形部には、前記キャビティのリム肉厚が上方から下方に向かって増加する領域がない請求項2に記載の車両用ホイール製造用の鋳型。
【請求項4】
前記リム肉厚変化領域における前記キャビティの最大リム肉厚と最小リム肉厚との差が1mm以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用ホイール製造用の鋳型。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用ホイール製造用の鋳型の前記溶湯流路から前記キャビティ内に前記溶湯を注入して前記キャビティ内に前記溶湯を充填し、前記溶湯を凝固させて前記車両用ホイール用の鋳造品を作製し、次いで前記車両用ホイール用の鋳造品を研削して所望の形状とする車両用ホイールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−250252(P2012−250252A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123746(P2011−123746)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000116873)旭テック株式会社 (144)
【Fターム(参考)】