車両用ランプユニットの光源代替キット
【課題】専門知識や技術を必要とせず、簡単な作業で白熱球(低圧ランプ)を高圧ランプに交換することが可能な車両用ランプユニットの光源代替キットを提供する。
【解決手段】光源代替キットは、車両用ランプユニットUnのランプソケットU3に装着可能な高圧ランプU6と、高圧ランプU6を駆動する高圧ランプ駆動ユニットU7とを組み合わせてなる。高圧ランプU6は、ランプソケットU3の電極に接触可能な電極をもつ装着部20と、この装着部20に連なる光源用の放電管部10とから構成され、高圧ランプ駆動ユニットU7は、電源電圧を高圧ランプU6の駆動に適合する電圧に変換する本体部40と、本体部40の外側に取り出されてランプソケットU3の電源配線U4に接続可能な配線部50,60とから構成される。
【解決手段】光源代替キットは、車両用ランプユニットUnのランプソケットU3に装着可能な高圧ランプU6と、高圧ランプU6を駆動する高圧ランプ駆動ユニットU7とを組み合わせてなる。高圧ランプU6は、ランプソケットU3の電極に接触可能な電極をもつ装着部20と、この装着部20に連なる光源用の放電管部10とから構成され、高圧ランプ駆動ユニットU7は、電源電圧を高圧ランプU6の駆動に適合する電圧に変換する本体部40と、本体部40の外側に取り出されてランプソケットU3の電源配線U4に接続可能な配線部50,60とから構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ランプユニットの光源代替キットに関するもので、例えば自動車のスモールランプ等の白熱球を高圧ランプに交換する光源代替キットとして適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、自動車ユーザのニーズが多様化し、その中で車両の発光色を変えたいという要望が増えてきている。特に、車両ランプ技術の発達によりディスチャージランプ(キセノンランプ)がヘッドランプに採用される機会が増えたことで光の色温度に対する関心が高まっている。これは、インターネットなどで調査すれば明らかにその傾向を見ることができる。
従来の車両ランプは白熱球が主流で、発熱球の色温度は、3000〜3500ケルビンである。一方、ヘッドランプに採用されるたディスチャージランプの色温度は、一般的に5000〜7000ケルビンであり、これは昼間の自然光を表す昼白色、昼光色と同じ色温度である。
このように自然光色を実現するランプの出現により、多くの自動車ユーザが従来白色と感じていた白熱球の発光色が、自然光色のランプと比較することにより黄色がかっていることを意識する機会が増え、このことにより、白熱球の発光色を自然光色に近づけたいとする多くのニーズが発生したのである。
【0003】
このような自動車ユーザのニーズをカバーするため、従来の技術では、白熱球を直接着色したり、着色カバー等で覆って発光色を変えるなどしてきた。
しかしながら、この種の技術は、本来の発光色にフィルターをかけることであり、その結果、光量が低下することになる。また、無点灯時には着色が見えてしまい見栄えが悪い欠点もあった。
【0004】
一方、白熱球をLED代替することによって自然光色を実現する技術もあるが、視認性の点で問題がある。これは、一般に車両用ランプユニットは反射板による反射光によって均一な光を照射する構造になっているため、光源からの光が反射板の全面積に向かって照射されることが必要とされるのであるが、LEDは、その条件に不向きな指向性のある発光であり、反射板からの十分な反射が得られず広角な光の照射が行えないためである。
【0005】
LEDが白熱球用に設計された自動車ランプユニットの代替ランプとして不向きなのは現在多くの市販車に採用されているLED光源のブレーキランプユニットが、白熱球光源のブレーキランプユニットと大きく構造が違うことをみれば明らかである。
なお、関連する先行技術としては、下記の特許文献1,2等が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−126510号公報、車両用ランプ(LED)
【特許文献2】特開2005−75349号公報、請求項24「蛍光灯」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
白熱球用の車両用ランプユニットの構造のままユーザの求める光温度を実現するには、光源として蛍光灯等の高圧ランプを用いることが考えられる。高圧ランプは、自由な色温度の実現と、均一に発光する性質から、従来の車両用ランプユニットの構造を最大限に生かす代替ランプとして適している。
【0008】
しかしながら、高圧ランプの発光システムは、車両白熱球(低圧ランプ)の発光システムと異なるため、従来の配線や電圧のままで高圧ランプを代替ランプとして使用するのは困難であり、専門知識や技術がなければこれを実現させるのは一般的に困難であった。
【0009】
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、専門知識や技術を必要とせず、簡単な作業で白熱球(低圧ランプ)を高圧ランプに交換することが可能な、車両用ランプユニットの光源代替キットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[第1発明]
前記課題を解決するための本発明による車両用ランプユニットの光源代替キットは、
白熱球等の低圧ランプが装着される車両用ランプユニットの光源を高圧ランプに代替するためのキットであって、
前記車両用ランプユニットのランプソケットに前記低圧ランプに代えて装着可能な高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを組み合わせてなり、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有する構成とした。
【0011】
このような構成によれば、車両用ランプユニットの低圧ランプを高圧ランプに交換する場合、[1]ランプソケットから低圧ランプを外し、高圧ランプに付け替える、[2]ランプソケットの電源配線を一旦分離し、その間に高圧ランプ駆動ユニットの配線(配線部)を接続する、という二つの手順で、ランプ交換作業を完了することができる。ランプ取り替えと配線接続のみの作業で足りるから、専門知識や技術がなくとも、ユーザ自身で極めて簡単に高圧ランプの取り付けを行うことができる。
【0012】
ここで、本発明の要点を具体例を参照しながら説明する。
図9および図10に、白熱球を光源とした車両用ランプユニットUnの構成例を示し、図11に高圧ランプの発光システムSyの構成例を示した。図9および図10において符号U1はランプケース、符号U2は白熱球、符号U3はランプソケット、符号U4は電源配線、符号U5はコネクタを示し、図11において符号S1は高圧ランプ(蛍光灯)、符号S2は高圧ランプ駆動ユニット、符号S3は電源、符号S4,S5はそれぞれ配線を示している。
【0013】
図11に示す発光システムの構成を、図9および図10の構成にそのまま導入することは困難であるのは容易に理解できる。車両用ランプユニットUnの白熱球U2の代替光源として高圧ランプS1を導入するには、具体的には、次の2点の問題解決が必要となる。
(1)高圧ランプ用の配線の引き込み
高圧ランプS1を点灯させるには、電源電圧を必要な電圧に変換する高圧ランプ駆動ユニットS2が必要になる。一般的に高圧ランプ駆動ユニットS2はランプケース1の外側に配置することになり、高圧ランプ駆動ユニットS2から高圧ランプS1への配線S4をランプケースU1内に引き込む必要がある。高圧ランプS1への配線S4をランプケースU1内に引き込む場合に、予め孔がなければ孔を空ける必要があるが、一般的にランプケースU1に孔を空けるのは容易ではない。
【0014】
通常は、従来のランプソケットU3があった孔を利用して高圧ランプ駆動ユニットS2から高圧ランプS1への配線S4を通すと考えられるが、ランプソケットU3があった穴に配線S4を通すと、隙間が発生するため防水処理が必要になる。
【0015】
しかしながら、通常、防水処理を行うには技術を必要とし、さらに、ランプソケットU3があった穴はソケット嵌合のため複雑な形状になっているため、防水処理を行うことは簡単ではなく、十分な防水処理が行われないと僅かな隙間から水滴が浸入し、温度変化によっては水蒸気によってレンズが曇ってしまうことととなる。
【0016】
(2)ランプケース内における高圧ランプの固定
ランプケースU1内で高圧ランプS1を配線S4のみで支持すると、高圧ランプS1が振動などでケース内壁に当たって破損するおそれがある。また、ランプソケットU3のあった孔からケース内に高圧ランプS1を挿入後、これを抜き出す操作が行いにくくなることがあり、高圧ランプS1の交換などのメンテナンスが不便になる。さらに、高圧ランプS1の交換の際に配線S4を切断するのは極めて面倒である。
このため、ランプケース内で高圧ランプS1を安定した位置に保つように固定する必要があるが、白熱球U2と同様に、ランプソケットU3に着脱可能に高圧ランプS1を固定することができれば、メンテナンスも簡単で理想的な構造となる。
【0017】
本発明は、上記問題点を鑑みて高圧ランプ発光システムSを高圧ランプとその駆動ユニットとに分離し、車両用ランプユニットUnの白熱球U2の回路にインターフェイスさせることにより、車両用ランプユニットUnの光源を高圧ランプS1に簡単に変更することを可能にした。すなわち、従来のランプソケットU3をそのまま利用し、高圧ランプ駆動ユニットS2から高圧ランプS1への回路の一部することで前記課題を解決したものである。
【0018】
なお、後付けのディスチャージヘッドランプ(キセノンランプ)は、上記(1)および(2)の問題点を考慮することなく既存の車両用ランプユニットに取り付けることができる。これは一般的に自動車のヘッドランプ球は、取り付けにランプソケットを使用しない構造になっているためである。このため、ヘッドランプでは、高圧ランプでも取り付け部をH4(ダブルフィラメント)などの白熱球の規格に合わせるだけで、従来のヘッドランプ球の置き換えとなるため、ヘッドランプ球用の穴は塞がり、高圧ランプも固定される。また、ランプソケットを使用しないので高圧ランプの後方は開放され、高圧ランプ駆動ユニットから高圧ランプへの配線処理に工夫をする必要ない。
本発明は、上記のようにランプケースU1内でランプソケットU3により白熱球U2(低圧ランプ)が隔離される構造の車両用ランプユニットにおいて、特別な改造等を伴うことなく、ユーザが極めて簡単に白熱球U2を高圧ランプS1に交換することを可能にしたものである。
【0019】
本発明において、「高圧ランプ」としては、電極間に放電を起こさせる電子管をもつものであればよく、冷陰極管、熱陰極管等の蛍光灯の他、ネオン管、水銀灯なども含まれる。このような光源によれば、自然光色の均一な拡散光を比較的簡単に得ることができる。
望ましくは冷陰極管を光源として用いるとよい。一般に、冷陰極管は、液晶モニタのバックライト等に用いられるもので、車両用ランプの光源として使用されるものは知られていない。冷陰極管によれば、加工が比較的簡単で、小型・軽量化を図りやすく、十分な光量を確保しやすい。
【0020】
「放電管部」の構成については、高圧ランプの「装着部」に単一の放電管を設ける構成の他、複数の放電管を取り付けてもよい。複数の放電管を間隔を保って並設し、かつ、直列接続する構成によれば、少ないスペースで効率よく自然光色の発光を実現することができる。
また、「放電管部」は、ランプケースの孔から容易に高圧ランプが出し入れできるように、ランプソケットの挿入方向に合わせて放電管が縦向きに固定されることが望ましい。
【0021】
「装着部」の構成についは、車両用白熱球を装着するための既製のランプソケットに着脱可能なものであればよく、例えば、ねじ込み式または押し込み式の口金タイプ、差し込み式のウェッジタイプ等が挙げられる。
【0022】
本発明において「ランプソケット」は、ランプソケットの電極配線がコネクタによってソケット本体と脱着可能になっているとよい。このようなランプソケットであれば、ソケット本体とコネクタとの間に、同様な形状のコネクタを用いて高圧ランプ駆動ユニットのユニット配線(配線部)を簡単に接続することができるためである。すなわち、ランプソケットの電源配線を切断することなく、コネクタの抜き差しだけでランプソケットの外配線に高圧ランプ駆動ユニットの接続を行うことが可能になる。
【0023】
[第2発明]
第1発明による車両用ランプユニットの光源代替キットは、主に、車両ユーザが白熱球等の低圧ランプを高圧ランプに交換する際に使用されるものであるが、車両用ランプユニットの製造過程において、予め第1発明の構成を組み入れてもよいことはもちろんである。
【0024】
すなわち、本発明の車両用ランプユニットは、
高圧ランプを光源として用いる車両用ランプユニットであって、
ランプケースと、
前記ランプケースの孔に取り付けられるランプソケットと、
前記ランプソケットに着脱可能に装着される高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを備え、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有する構成とした。
【0025】
このような構成によれば、既存の低圧ランプ用のランプユニットにおいて、低圧ランプ以外の各パーツをそのまま生かして高圧ランプ用の車両用ランプユニットを製造することができる。すなわち、低圧ランプを高圧ランプに変更し、これに高圧ランプ駆動ユニットを加えれば、高圧ランプ用の車両用ランプユニットが完成する。
この結果、車両用ランプユニットの光源の仕様切換を少ないコストで簡単に行うことが可能になる。
なお、第2発明において、「高圧ランプ」および「高圧ランプ駆動ユニット」は、第1発明と同様の構成を採用することができる。光源としては、特に、冷陰極管を用いるのが望ましい。「ランプケース」および「ランプソケット」は、既存の構成をそのまま用いることができるが、必要に応じて若干の設計変更等を伴っても構わない。
【0026】
本発明(第1発明および第2発明)は、車両用ランプの各種ランプ(スモールランプ、ストップランプ、ブレーキランプ、ターンシグナルランプ、室内ランプ等)に適用することができる。車両の種類は特に限定されず、本発明が適用可能なランプユニットを備えていれば、自動車の他、トラック、自転車、自動二輪車等も含まれる。
本発明は、必要に応じて単独で適用してもよいし、複数の発明を組み合わせて適用してもよい。また、本明細書に記載される他の発明を組み合わせてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
本発明による車両用ランプユニットの光源代替キットの実施形態を図1(A)および(B)に示した。本実施形態は、図9および図10に示す既存のランプユニットUnの光源(白熱球U2)を高圧ランプ(蛍光ランプ)に交換するためのキットである。
光源代替キットは、高圧ランプU6と高圧ランプ駆動ユニットU7とを組み合わせて構成される。ランプユニットUnの白熱球U2に代えて、高圧ランプU6および高圧ランプ駆動ユニットU7を車両用ランプユニットUnに取り付ける。
【0028】
図1(A)に示すように、高圧ランプU6は、冷陰極管10と口金電極20を備える。円筒形の口金電極20の軸に沿って冷陰極管10が縦向きに固定される。冷陰極管の一方の電極は溶接等で口金電極20の電極端子に接続され、他方の電極は管の先端部から取り出される配線30により口金電極20の他方の電極端子に接続される。
【0029】
口金電極20は、白熱球U2の口金電極(図10参照)とほぼ同一の寸法に予め設計されている。これにより、白熱球U2と同様に高圧ランプU6がランプソケットU3に着脱可能に装着されることとなる。
【0030】
図1(B)に示すように、高圧ランプ駆動ユニットU7は、本体40と配線50,60を備えている。本体40には、冷陰極管10を発光させるために電源電圧を変換する昇圧回路、直流電流を交流電流に変換する変換回路等が内蔵されている。
配線50,60は、本体40の前後(図1で左右)に延びており、その先端にはコネクタ50c,60cが取り付けられる。コネクタ50cは、コネクタU5(図10参照)とほぼ同一形状で、ランプソケットU3に差込可能であり、一方、コネクタ60cは、ランプソケットU3のコネクタ形状とほぼ同一形状で、電源配線U4のコネクタU5に差込可能になっている。
【0031】
自動車ユーザが図9および図10に示すランプユニットUnの光量を、自然光色にまで高めたいときには、本実施形態の光源代替キットを準備し、以下の手順で白熱球U2の交換作業を行う。
(1)ランプソケットU3から白熱球U2を外し、ランプソケットU3に高圧ランプU6を取り付ける(図2参照)。
(2)ランプソケットU3から電源配線U4のコネクタU5を外し、高圧ランプ駆動ユニットU7のコネクタ50c,60cをランプソケットU3とコネクタU5の間に直列に接続する(図3参照)。
【0032】
このようにして車両用ランプユニットUnに白熱球U2の代替光源として高圧ランプU6を簡単に装着することができる。すなわち、ユーザは、電球の取り替えとコネクタ付け替えだけの作業で白熱球U2から高圧ランプU6への切換えを完了させることができる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図4および図5に示した。第2実施形態の光源代替キットは、高圧ランプ駆動ユニットU7に代えて、高圧ランプ駆動ユニットU8を用いたものである。すなわち、光源代替キットは、高圧ランプU6と高圧ランプ駆動ユニットU8との組み合わせからなる。
【0034】
高圧ランプ駆動ユニットU8は、本体70と配線80,90を備える。本体70には、冷陰極管10を発光させるために電源電圧を変換する昇圧回路、直流電流を交流電流に変換する変換回路等が内蔵されている。配線80,90の先端部にはコネクタが設けられず、リード線が露出した構造となっている。
【0035】
ランプユニットUnの白熱球U2の高圧ランプU6に交換する場合、以下の手順で交換作業を行う。
(1)ランプソケットU3から白熱球U2を外し、ランプソケットU3に高圧ランプU6を取り付ける(図4参照)。
(2)ランプソケットU3の電源配線U4を切断し、この配線の間に高圧ランプ駆動ユニットU8の配線80,90を直列に接続する(図5参照)。
【0036】
第2実施形態の構成によれば、ランプソケットU3から電源配線U4のコネクタU5を外さなくとも、電源配線U4に高圧ランプ駆動ユニットU8を接続することができる。ランプユニットU5の後方に十分な作業スペースがとれない場合でも、エレクトロタップ等を用いて配線同士を接続すれば、高圧ランプ駆動ユニットU8の取り付け作業を比較的簡単に行える。
【0037】
[変形例]
前記第1実施形態および第2実施形態を説明したが、本発明の実施形態はこれらに限られることなく種々の変形を伴ってもよい。
高圧ランプの装着部の形状は、白熱球U2およびランプソケットU3が口金タイプと異なる場合には、予めランプソケットU3の差し込み口に合わせた形状にすればよい。例えば図6(B)に示すように、白熱球U2およびランプソケットU3がウェッジタイプであるときには、高圧ランプU9の装着部21をウェッジ球に合わせた形状とする。
【0038】
また、高圧ランプの放電管は単一ではなく複数であってもよい。例えば図7に示す高圧ランプU10は、装着部21に3本の冷陰極管11〜13が並設される。これらが装着部21の電極端子に直列接続される。
このような構成によれば、高圧ランプの光量がさらに増してより自然光に近い発光色を実現することができる。なお、放電管を偶数の本数とすれば、放電管の先端と装着部21とを接続する配線30を省略することが可能になる。
【0039】
また、高圧ランプU11の放電管の径を拡大することで光量を増大させてもよい。例えば図8に示す高圧ランプU11は、放電管14の管径が装着部21の外径程度にまで拡大されている。
このような構成によれば、単一の放電管で光量を増大させることができ、しかも、放電管の機械的強度が増し、耐久性に優れた高圧ランプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用ランプユニットの光源代替キットを示すもので、(A)は高圧ランプを示す斜視図、(B)は高圧ランプ駆動ユニットを示す斜視図である。
【図2】同実施形態による車両用ランプユニットの分解斜視図である。
【図3】同実施形態による車両用ランプユニットの完成状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態による車両用ランプユニットの分解斜視図である。
【図5】同実施形態による車両用ランプユニットの完成状態を示す斜視図である。
【図6】高圧ランプの変形例を説明するもので、(A)はウェッジタイプの高圧ランプを示す斜視図、(B)はウェッジタイプの白熱球およびそのソケットを示す分解斜視図である。
【図7】高圧ランプの他の変形例を示す斜視図である。
【図8】高圧ランプの他の変形例を示す斜視図である。
【図9】従来の車両用ランプユニットの完成状態を示す斜視図である。
【図10】従来の車両用ランプユニットを示す分解斜視図である。
【図11】高圧ランプの一般的な発光システムの構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
Un 車両用ランプユニット
U1 ランプケース
U2 白熱球
U3 ランプソケット
U4 電源配線
U5 コネクタ
U6 高圧ランプ
U7 高圧ランプ駆動ユニット
10 冷陰極管(放電管部)
20 口金電極(装着部)
30 配線(放電管部)
40 本体(本体部)
50,60 配線(配線部)
50c,60c コネクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ランプユニットの光源代替キットに関するもので、例えば自動車のスモールランプ等の白熱球を高圧ランプに交換する光源代替キットとして適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、自動車ユーザのニーズが多様化し、その中で車両の発光色を変えたいという要望が増えてきている。特に、車両ランプ技術の発達によりディスチャージランプ(キセノンランプ)がヘッドランプに採用される機会が増えたことで光の色温度に対する関心が高まっている。これは、インターネットなどで調査すれば明らかにその傾向を見ることができる。
従来の車両ランプは白熱球が主流で、発熱球の色温度は、3000〜3500ケルビンである。一方、ヘッドランプに採用されるたディスチャージランプの色温度は、一般的に5000〜7000ケルビンであり、これは昼間の自然光を表す昼白色、昼光色と同じ色温度である。
このように自然光色を実現するランプの出現により、多くの自動車ユーザが従来白色と感じていた白熱球の発光色が、自然光色のランプと比較することにより黄色がかっていることを意識する機会が増え、このことにより、白熱球の発光色を自然光色に近づけたいとする多くのニーズが発生したのである。
【0003】
このような自動車ユーザのニーズをカバーするため、従来の技術では、白熱球を直接着色したり、着色カバー等で覆って発光色を変えるなどしてきた。
しかしながら、この種の技術は、本来の発光色にフィルターをかけることであり、その結果、光量が低下することになる。また、無点灯時には着色が見えてしまい見栄えが悪い欠点もあった。
【0004】
一方、白熱球をLED代替することによって自然光色を実現する技術もあるが、視認性の点で問題がある。これは、一般に車両用ランプユニットは反射板による反射光によって均一な光を照射する構造になっているため、光源からの光が反射板の全面積に向かって照射されることが必要とされるのであるが、LEDは、その条件に不向きな指向性のある発光であり、反射板からの十分な反射が得られず広角な光の照射が行えないためである。
【0005】
LEDが白熱球用に設計された自動車ランプユニットの代替ランプとして不向きなのは現在多くの市販車に採用されているLED光源のブレーキランプユニットが、白熱球光源のブレーキランプユニットと大きく構造が違うことをみれば明らかである。
なお、関連する先行技術としては、下記の特許文献1,2等が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−126510号公報、車両用ランプ(LED)
【特許文献2】特開2005−75349号公報、請求項24「蛍光灯」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
白熱球用の車両用ランプユニットの構造のままユーザの求める光温度を実現するには、光源として蛍光灯等の高圧ランプを用いることが考えられる。高圧ランプは、自由な色温度の実現と、均一に発光する性質から、従来の車両用ランプユニットの構造を最大限に生かす代替ランプとして適している。
【0008】
しかしながら、高圧ランプの発光システムは、車両白熱球(低圧ランプ)の発光システムと異なるため、従来の配線や電圧のままで高圧ランプを代替ランプとして使用するのは困難であり、専門知識や技術がなければこれを実現させるのは一般的に困難であった。
【0009】
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、専門知識や技術を必要とせず、簡単な作業で白熱球(低圧ランプ)を高圧ランプに交換することが可能な、車両用ランプユニットの光源代替キットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[第1発明]
前記課題を解決するための本発明による車両用ランプユニットの光源代替キットは、
白熱球等の低圧ランプが装着される車両用ランプユニットの光源を高圧ランプに代替するためのキットであって、
前記車両用ランプユニットのランプソケットに前記低圧ランプに代えて装着可能な高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを組み合わせてなり、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有する構成とした。
【0011】
このような構成によれば、車両用ランプユニットの低圧ランプを高圧ランプに交換する場合、[1]ランプソケットから低圧ランプを外し、高圧ランプに付け替える、[2]ランプソケットの電源配線を一旦分離し、その間に高圧ランプ駆動ユニットの配線(配線部)を接続する、という二つの手順で、ランプ交換作業を完了することができる。ランプ取り替えと配線接続のみの作業で足りるから、専門知識や技術がなくとも、ユーザ自身で極めて簡単に高圧ランプの取り付けを行うことができる。
【0012】
ここで、本発明の要点を具体例を参照しながら説明する。
図9および図10に、白熱球を光源とした車両用ランプユニットUnの構成例を示し、図11に高圧ランプの発光システムSyの構成例を示した。図9および図10において符号U1はランプケース、符号U2は白熱球、符号U3はランプソケット、符号U4は電源配線、符号U5はコネクタを示し、図11において符号S1は高圧ランプ(蛍光灯)、符号S2は高圧ランプ駆動ユニット、符号S3は電源、符号S4,S5はそれぞれ配線を示している。
【0013】
図11に示す発光システムの構成を、図9および図10の構成にそのまま導入することは困難であるのは容易に理解できる。車両用ランプユニットUnの白熱球U2の代替光源として高圧ランプS1を導入するには、具体的には、次の2点の問題解決が必要となる。
(1)高圧ランプ用の配線の引き込み
高圧ランプS1を点灯させるには、電源電圧を必要な電圧に変換する高圧ランプ駆動ユニットS2が必要になる。一般的に高圧ランプ駆動ユニットS2はランプケース1の外側に配置することになり、高圧ランプ駆動ユニットS2から高圧ランプS1への配線S4をランプケースU1内に引き込む必要がある。高圧ランプS1への配線S4をランプケースU1内に引き込む場合に、予め孔がなければ孔を空ける必要があるが、一般的にランプケースU1に孔を空けるのは容易ではない。
【0014】
通常は、従来のランプソケットU3があった孔を利用して高圧ランプ駆動ユニットS2から高圧ランプS1への配線S4を通すと考えられるが、ランプソケットU3があった穴に配線S4を通すと、隙間が発生するため防水処理が必要になる。
【0015】
しかしながら、通常、防水処理を行うには技術を必要とし、さらに、ランプソケットU3があった穴はソケット嵌合のため複雑な形状になっているため、防水処理を行うことは簡単ではなく、十分な防水処理が行われないと僅かな隙間から水滴が浸入し、温度変化によっては水蒸気によってレンズが曇ってしまうことととなる。
【0016】
(2)ランプケース内における高圧ランプの固定
ランプケースU1内で高圧ランプS1を配線S4のみで支持すると、高圧ランプS1が振動などでケース内壁に当たって破損するおそれがある。また、ランプソケットU3のあった孔からケース内に高圧ランプS1を挿入後、これを抜き出す操作が行いにくくなることがあり、高圧ランプS1の交換などのメンテナンスが不便になる。さらに、高圧ランプS1の交換の際に配線S4を切断するのは極めて面倒である。
このため、ランプケース内で高圧ランプS1を安定した位置に保つように固定する必要があるが、白熱球U2と同様に、ランプソケットU3に着脱可能に高圧ランプS1を固定することができれば、メンテナンスも簡単で理想的な構造となる。
【0017】
本発明は、上記問題点を鑑みて高圧ランプ発光システムSを高圧ランプとその駆動ユニットとに分離し、車両用ランプユニットUnの白熱球U2の回路にインターフェイスさせることにより、車両用ランプユニットUnの光源を高圧ランプS1に簡単に変更することを可能にした。すなわち、従来のランプソケットU3をそのまま利用し、高圧ランプ駆動ユニットS2から高圧ランプS1への回路の一部することで前記課題を解決したものである。
【0018】
なお、後付けのディスチャージヘッドランプ(キセノンランプ)は、上記(1)および(2)の問題点を考慮することなく既存の車両用ランプユニットに取り付けることができる。これは一般的に自動車のヘッドランプ球は、取り付けにランプソケットを使用しない構造になっているためである。このため、ヘッドランプでは、高圧ランプでも取り付け部をH4(ダブルフィラメント)などの白熱球の規格に合わせるだけで、従来のヘッドランプ球の置き換えとなるため、ヘッドランプ球用の穴は塞がり、高圧ランプも固定される。また、ランプソケットを使用しないので高圧ランプの後方は開放され、高圧ランプ駆動ユニットから高圧ランプへの配線処理に工夫をする必要ない。
本発明は、上記のようにランプケースU1内でランプソケットU3により白熱球U2(低圧ランプ)が隔離される構造の車両用ランプユニットにおいて、特別な改造等を伴うことなく、ユーザが極めて簡単に白熱球U2を高圧ランプS1に交換することを可能にしたものである。
【0019】
本発明において、「高圧ランプ」としては、電極間に放電を起こさせる電子管をもつものであればよく、冷陰極管、熱陰極管等の蛍光灯の他、ネオン管、水銀灯なども含まれる。このような光源によれば、自然光色の均一な拡散光を比較的簡単に得ることができる。
望ましくは冷陰極管を光源として用いるとよい。一般に、冷陰極管は、液晶モニタのバックライト等に用いられるもので、車両用ランプの光源として使用されるものは知られていない。冷陰極管によれば、加工が比較的簡単で、小型・軽量化を図りやすく、十分な光量を確保しやすい。
【0020】
「放電管部」の構成については、高圧ランプの「装着部」に単一の放電管を設ける構成の他、複数の放電管を取り付けてもよい。複数の放電管を間隔を保って並設し、かつ、直列接続する構成によれば、少ないスペースで効率よく自然光色の発光を実現することができる。
また、「放電管部」は、ランプケースの孔から容易に高圧ランプが出し入れできるように、ランプソケットの挿入方向に合わせて放電管が縦向きに固定されることが望ましい。
【0021】
「装着部」の構成についは、車両用白熱球を装着するための既製のランプソケットに着脱可能なものであればよく、例えば、ねじ込み式または押し込み式の口金タイプ、差し込み式のウェッジタイプ等が挙げられる。
【0022】
本発明において「ランプソケット」は、ランプソケットの電極配線がコネクタによってソケット本体と脱着可能になっているとよい。このようなランプソケットであれば、ソケット本体とコネクタとの間に、同様な形状のコネクタを用いて高圧ランプ駆動ユニットのユニット配線(配線部)を簡単に接続することができるためである。すなわち、ランプソケットの電源配線を切断することなく、コネクタの抜き差しだけでランプソケットの外配線に高圧ランプ駆動ユニットの接続を行うことが可能になる。
【0023】
[第2発明]
第1発明による車両用ランプユニットの光源代替キットは、主に、車両ユーザが白熱球等の低圧ランプを高圧ランプに交換する際に使用されるものであるが、車両用ランプユニットの製造過程において、予め第1発明の構成を組み入れてもよいことはもちろんである。
【0024】
すなわち、本発明の車両用ランプユニットは、
高圧ランプを光源として用いる車両用ランプユニットであって、
ランプケースと、
前記ランプケースの孔に取り付けられるランプソケットと、
前記ランプソケットに着脱可能に装着される高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを備え、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有する構成とした。
【0025】
このような構成によれば、既存の低圧ランプ用のランプユニットにおいて、低圧ランプ以外の各パーツをそのまま生かして高圧ランプ用の車両用ランプユニットを製造することができる。すなわち、低圧ランプを高圧ランプに変更し、これに高圧ランプ駆動ユニットを加えれば、高圧ランプ用の車両用ランプユニットが完成する。
この結果、車両用ランプユニットの光源の仕様切換を少ないコストで簡単に行うことが可能になる。
なお、第2発明において、「高圧ランプ」および「高圧ランプ駆動ユニット」は、第1発明と同様の構成を採用することができる。光源としては、特に、冷陰極管を用いるのが望ましい。「ランプケース」および「ランプソケット」は、既存の構成をそのまま用いることができるが、必要に応じて若干の設計変更等を伴っても構わない。
【0026】
本発明(第1発明および第2発明)は、車両用ランプの各種ランプ(スモールランプ、ストップランプ、ブレーキランプ、ターンシグナルランプ、室内ランプ等)に適用することができる。車両の種類は特に限定されず、本発明が適用可能なランプユニットを備えていれば、自動車の他、トラック、自転車、自動二輪車等も含まれる。
本発明は、必要に応じて単独で適用してもよいし、複数の発明を組み合わせて適用してもよい。また、本明細書に記載される他の発明を組み合わせてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
本発明による車両用ランプユニットの光源代替キットの実施形態を図1(A)および(B)に示した。本実施形態は、図9および図10に示す既存のランプユニットUnの光源(白熱球U2)を高圧ランプ(蛍光ランプ)に交換するためのキットである。
光源代替キットは、高圧ランプU6と高圧ランプ駆動ユニットU7とを組み合わせて構成される。ランプユニットUnの白熱球U2に代えて、高圧ランプU6および高圧ランプ駆動ユニットU7を車両用ランプユニットUnに取り付ける。
【0028】
図1(A)に示すように、高圧ランプU6は、冷陰極管10と口金電極20を備える。円筒形の口金電極20の軸に沿って冷陰極管10が縦向きに固定される。冷陰極管の一方の電極は溶接等で口金電極20の電極端子に接続され、他方の電極は管の先端部から取り出される配線30により口金電極20の他方の電極端子に接続される。
【0029】
口金電極20は、白熱球U2の口金電極(図10参照)とほぼ同一の寸法に予め設計されている。これにより、白熱球U2と同様に高圧ランプU6がランプソケットU3に着脱可能に装着されることとなる。
【0030】
図1(B)に示すように、高圧ランプ駆動ユニットU7は、本体40と配線50,60を備えている。本体40には、冷陰極管10を発光させるために電源電圧を変換する昇圧回路、直流電流を交流電流に変換する変換回路等が内蔵されている。
配線50,60は、本体40の前後(図1で左右)に延びており、その先端にはコネクタ50c,60cが取り付けられる。コネクタ50cは、コネクタU5(図10参照)とほぼ同一形状で、ランプソケットU3に差込可能であり、一方、コネクタ60cは、ランプソケットU3のコネクタ形状とほぼ同一形状で、電源配線U4のコネクタU5に差込可能になっている。
【0031】
自動車ユーザが図9および図10に示すランプユニットUnの光量を、自然光色にまで高めたいときには、本実施形態の光源代替キットを準備し、以下の手順で白熱球U2の交換作業を行う。
(1)ランプソケットU3から白熱球U2を外し、ランプソケットU3に高圧ランプU6を取り付ける(図2参照)。
(2)ランプソケットU3から電源配線U4のコネクタU5を外し、高圧ランプ駆動ユニットU7のコネクタ50c,60cをランプソケットU3とコネクタU5の間に直列に接続する(図3参照)。
【0032】
このようにして車両用ランプユニットUnに白熱球U2の代替光源として高圧ランプU6を簡単に装着することができる。すなわち、ユーザは、電球の取り替えとコネクタ付け替えだけの作業で白熱球U2から高圧ランプU6への切換えを完了させることができる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図4および図5に示した。第2実施形態の光源代替キットは、高圧ランプ駆動ユニットU7に代えて、高圧ランプ駆動ユニットU8を用いたものである。すなわち、光源代替キットは、高圧ランプU6と高圧ランプ駆動ユニットU8との組み合わせからなる。
【0034】
高圧ランプ駆動ユニットU8は、本体70と配線80,90を備える。本体70には、冷陰極管10を発光させるために電源電圧を変換する昇圧回路、直流電流を交流電流に変換する変換回路等が内蔵されている。配線80,90の先端部にはコネクタが設けられず、リード線が露出した構造となっている。
【0035】
ランプユニットUnの白熱球U2の高圧ランプU6に交換する場合、以下の手順で交換作業を行う。
(1)ランプソケットU3から白熱球U2を外し、ランプソケットU3に高圧ランプU6を取り付ける(図4参照)。
(2)ランプソケットU3の電源配線U4を切断し、この配線の間に高圧ランプ駆動ユニットU8の配線80,90を直列に接続する(図5参照)。
【0036】
第2実施形態の構成によれば、ランプソケットU3から電源配線U4のコネクタU5を外さなくとも、電源配線U4に高圧ランプ駆動ユニットU8を接続することができる。ランプユニットU5の後方に十分な作業スペースがとれない場合でも、エレクトロタップ等を用いて配線同士を接続すれば、高圧ランプ駆動ユニットU8の取り付け作業を比較的簡単に行える。
【0037】
[変形例]
前記第1実施形態および第2実施形態を説明したが、本発明の実施形態はこれらに限られることなく種々の変形を伴ってもよい。
高圧ランプの装着部の形状は、白熱球U2およびランプソケットU3が口金タイプと異なる場合には、予めランプソケットU3の差し込み口に合わせた形状にすればよい。例えば図6(B)に示すように、白熱球U2およびランプソケットU3がウェッジタイプであるときには、高圧ランプU9の装着部21をウェッジ球に合わせた形状とする。
【0038】
また、高圧ランプの放電管は単一ではなく複数であってもよい。例えば図7に示す高圧ランプU10は、装着部21に3本の冷陰極管11〜13が並設される。これらが装着部21の電極端子に直列接続される。
このような構成によれば、高圧ランプの光量がさらに増してより自然光に近い発光色を実現することができる。なお、放電管を偶数の本数とすれば、放電管の先端と装着部21とを接続する配線30を省略することが可能になる。
【0039】
また、高圧ランプU11の放電管の径を拡大することで光量を増大させてもよい。例えば図8に示す高圧ランプU11は、放電管14の管径が装着部21の外径程度にまで拡大されている。
このような構成によれば、単一の放電管で光量を増大させることができ、しかも、放電管の機械的強度が増し、耐久性に優れた高圧ランプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用ランプユニットの光源代替キットを示すもので、(A)は高圧ランプを示す斜視図、(B)は高圧ランプ駆動ユニットを示す斜視図である。
【図2】同実施形態による車両用ランプユニットの分解斜視図である。
【図3】同実施形態による車両用ランプユニットの完成状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態による車両用ランプユニットの分解斜視図である。
【図5】同実施形態による車両用ランプユニットの完成状態を示す斜視図である。
【図6】高圧ランプの変形例を説明するもので、(A)はウェッジタイプの高圧ランプを示す斜視図、(B)はウェッジタイプの白熱球およびそのソケットを示す分解斜視図である。
【図7】高圧ランプの他の変形例を示す斜視図である。
【図8】高圧ランプの他の変形例を示す斜視図である。
【図9】従来の車両用ランプユニットの完成状態を示す斜視図である。
【図10】従来の車両用ランプユニットを示す分解斜視図である。
【図11】高圧ランプの一般的な発光システムの構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
Un 車両用ランプユニット
U1 ランプケース
U2 白熱球
U3 ランプソケット
U4 電源配線
U5 コネクタ
U6 高圧ランプ
U7 高圧ランプ駆動ユニット
10 冷陰極管(放電管部)
20 口金電極(装着部)
30 配線(放電管部)
40 本体(本体部)
50,60 配線(配線部)
50c,60c コネクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白熱球等の低圧ランプが装着される車両用ランプユニットの光源を高圧ランプに代替するためのキットであって、
前記車両用ランプユニットのランプソケットに前記低圧ランプに代えて装着可能な高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを組み合わせてなり、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有することを特徴とする車両用ランプユニットの光源代替キット。
【請求項2】
請求項1記載の車両用ランプユニットの光源代替キットであって、前記放電管部が冷陰極管からなる、光源代替キット。
【請求項3】
請求項1記載の車両用ランプユニットの光源代替キットであって、前記放電管部が、複数の放電管を並設し、かつこれらの放電管を直列接続してなる、光源代替キット。
【請求項4】
高圧ランプを光源として用いる車両用ランプユニットであって、
ランプケースと、
前記ランプケースの孔に取り付けられるランプソケットと、
前記ランプソケットに着脱可能に装着される高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを備え、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有することを特徴とする車両用ランプユニット。
【請求項5】
車両用ランプユニットのランプソケットに着脱可能に装着される高圧ランプであって、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを備えたことを特徴とする高圧ランプ。
【請求項1】
白熱球等の低圧ランプが装着される車両用ランプユニットの光源を高圧ランプに代替するためのキットであって、
前記車両用ランプユニットのランプソケットに前記低圧ランプに代えて装着可能な高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを組み合わせてなり、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有することを特徴とする車両用ランプユニットの光源代替キット。
【請求項2】
請求項1記載の車両用ランプユニットの光源代替キットであって、前記放電管部が冷陰極管からなる、光源代替キット。
【請求項3】
請求項1記載の車両用ランプユニットの光源代替キットであって、前記放電管部が、複数の放電管を並設し、かつこれらの放電管を直列接続してなる、光源代替キット。
【請求項4】
高圧ランプを光源として用いる車両用ランプユニットであって、
ランプケースと、
前記ランプケースの孔に取り付けられるランプソケットと、
前記ランプソケットに着脱可能に装着される高圧ランプと、
前記高圧ランプを駆動する高圧ランプ駆動ユニットとを備え、
前記高圧ランプは、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを有し、かつ、
前記高圧ランプ駆動ユニットは、
電源電圧を前記高圧ランプの駆動に適合する電圧に変換する本体部と、
前記本体部の外側に取り出されて前記ランプソケットの電源配線に接続可能な配線部とを有することを特徴とする車両用ランプユニット。
【請求項5】
車両用ランプユニットのランプソケットに着脱可能に装着される高圧ランプであって、
前記ランプソケットの電極に接触可能な電極をもつ装着部と、
この装着部に連なる光源用の放電管部とを備えたことを特徴とする高圧ランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−42337(P2007−42337A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−223156(P2005−223156)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(394007388)有限会社ワールドオート企画 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(394007388)有限会社ワールドオート企画 (1)
【Fターム(参考)】
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