説明

車両用室内照明装置

【課題】薄型化を図りつつ、光明の明るさの調整もできるようにする。
【解決手段】少なくとも2つの舌片部を形成するように切り込みが形成されたフレキシブル配線基板と、この配線基板の一方の舌片部の先端に実装された光源と、前記配線基板の舌片部以外の部分を支持するベースと、このベースに取り付けられたボールジョイントと、このボールジョイントを介して前記ベースに取り付けられて光源を実装した舌片部の先端をフレキシブル配線基板の舌片部以外の部分から変位させて支持する支持台と、この支持台の角度を調整する角度調整手段とを備えた車両用室内照明装置において、前記他方の舌片部に光源の抵抗を切り替えるスイッチを設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフレキシブル配線基板上に照明用光源を実装した装置として、例えば光源である複数のLEDの配列方向に延びる平板状の接続導体によってLEDのアノード及びカソード同士を相互に接続した構造の光源連結体が知られている。この光源連結体における接続導体は、所定のパターンが形成された概ね平板なパターン化導体の所要の部分をプレス加工によって切除することにより形成される。この光源連結体によれば、接続導体に適度な可撓性を付与することにより光源連結体を所要の形状に適宜変形させることができ、光源の多様な配置にも容易に対処することができる。
【0003】
このような従来装置では、光源であるLEDの各端子を平板なパターン化導体をプレス加工して形成された接続導体で接続する方式であるため、部品点数が多いうえ、接続導体の形成、接続導体とLEDの接続のための工数、及び接続導体とプリント配線板とを接続する工数が必要で、製造コストが上昇するという問題がある。また、構造上、薄型化が困難であるという問題がある。
【0004】
そこで、本願出願人は、先に製造コストの低減及び光源の配置自由度の確保による薄型化を図ることができる照明装置を開発し、出願した。これは、一部が舌片部を形成するように切り込みが形成された可撓性プリント配線基板と、この可撓性プリント配線基板の前記舌片部の先端に実装された光源用の発光素子と、前記可撓性プリント配線基板の前記舌片部以外の部分を支持するベースと、このベースに取り付けられた万能継ぎ手と、この万能継ぎ手を介して前記ベースに取り付けられて前記発光素子を実装した前記舌片部の先端を前記可撓性プリント配線基板の前記舌片部以外の部分から変位させて支持する支持台と、前記支持台の角度を調整する角度調整手段とを備えたものである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−216397号公報(第3頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものでは、可撓性プリント配線基板に切り込みを入れて形成された舌片部の先端に光源となる発光素子を実装し、舌片部の先端を舌片部以外の部分から変位させて支持台に支持させるようにしているので、発光素子とプリント配線基板との接続工程を簡略化することができ、製造コストの低減を図ることができ、また、発光素子の配置自由度を確保して装置全体の薄型化を図ることができると共に、発光素子を実装した舌片部の先端を万能継ぎ手を介して支持しているので、角度調整を可能にできるというものである。しかしながら、この装置では、光源(発光素子、LED)の抵抗を切り替えて、LEDの明るさや色を変えることはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、薄型化を図りつつ、光源の抵抗を変化させて明るさや色を変えることもできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明は、少なくとも2つの舌片部を形成するように切り込みが形成されたフレキシブル配線基板と、この配線基板の一方の舌片部の先端に実装された光源と、前記配線基板の舌片部以外の部分を支持するベースと、このベースに取り付けられたボールジョイントとこのボールジョイントを介して前記ベースに取り付けられて光源を実装した舌片部の先端をフレキシブル配線基板の舌片部以外の部分から変位させて支持する支持台と、この支持台の角度を調整する角度調整手段とを備えた車両用室内照明装置において、前記他方の舌片部に光源の抵抗を切り替えるスイッチを設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも2つの舌片部を形成するように切り込みが形成されたフレキシブル配線基板と、この配線基板の一方の舌片部の先端に実装された光源と、前記配線基板の舌片部以外の部分を支持するベースと、このベースに取り付けられたボールジョイントと、このボールジョイントを介して前記ベースに取り付けられて光源を実装した舌片部の先端をフレキシブル配線基板の舌片部以外の部分から変位させて支持する支持台と、この支持台の角度を調整する角度調整手段とを備えた車両用室内照明装置において、前記他方の舌片部に光源の抵抗を切り替えるスイッチを設けたので、薄型化を犠牲にすることなく、光源の明るさを変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照にして説明する。
【0010】
図1は、ベース1にフレキシブル配線基板2を取り付けてあり、この配線基板2に切り込み3を形成して2つの舌片部4、5を形成し(図2参照)、一方の舌片部4の先端側に実装された光源(この場合LED)6をカバー7に設けたレンズ8に対向する位置へ配置して自動車の天井照明装置を構成したものを示す。もう一方の舌片部5には、図2に示すようにスイッチ9と抵抗10を実装してあり、この舌片部5をスイッチ9がカバー7から外部に出るように配してある。また、ベース1にはボールジョイントを取り付け、このベース1から吊り下げられたボールジョイント11に支持プレート12を固定し、この支持プレート12の下面に前記一方の舌片部4の先端部分を固定してある。この支持プレート12に操作ノブ13を取り付け、この操作ノブ13を操作することにより支持プレート12の角度を任意に調整可能になっている。支持プレート12の角度が変わると、LED6の照射方向も切り替わり、レンズ8を介して車室内に照射される光の方向を変えることができる。この操作ノブ13は、カバー7にあけた孔7Aから外側に突出している。前記スイッチ9も孔7Bから外側に突出している。
【0011】
LED6は、フレキシブル配線基板上に図示しない配線パターンを介して照明に必要な電力を供給されている。なお、舌片部4、5は、図示する例では2つ形成したが、先端にLED6を実装した舌片部4を2以上形成することも、勿論可能であり、舌片部5も2以上形成することも可能である。図3は、2つの舌片部4、5を切り込み3から押し下げて折り曲げた状態を示し、一方の舌片部4の先端側を支持プレート12に固定し、他方の舌片部5の先端側をカバー7の内側に固定する。
【0012】
前記抵抗10としては可変抵抗を用いることも可能であるが、スイッチ9をスライド型とし、複数の抵抗値の異なる抵抗10に選択的に切り替えられるようにすることもできる。例えば、図4に示すような回路を舌片部5に搭載して、スイッチ9を図1に示すようにカバー7の外部に出すようにする。また、LED6としては、フルカラーLEDをフレキシブル配線基板2に実装し、青、赤、緑の3色の抵抗を変えることで、照明色を変更可能にすることもできる。
【0013】
図5は、車室内から見た本照明装置の外観を示し、4つの舌片部4、5を用い、LED6への電力供給経路の断続を図る点灯スイッチ14を設けてある。この例では、図1ないし図3に示す舌片部4、5をそれぞれ2つずつ形成した。
【0014】
前記各舌片部4、5は、カバー7の内部において、多少の撓みをもたせて配置されている。特に、LED6が実装される舌片部4には撓みが必要である。その理由は支持プレート12の動きに舌片部4も従う必要が生じるからである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図。
【図2】フレキシブル配線基板の平面図。
【図3】配線基板に形成された舌片部を押し下げた状態の斜視図。
【図4】スイッチと抵抗の一例を示す回路図。
【図5】外観斜視図。
【符号の説明】
【0016】
1 ベース
2 フレキシブル配線基板
3 切り込み
4、5 舌片部
6 光源
7 カバー
8 レンズ
9 スイッチ
10 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの舌片部を形成するように切り込みが形成されたフレキシブル配線基板と、この配線基板の一方の舌片部の先端に実装された光源と、前記配線基板の舌片部以外の部分を支持するベースと、このベースに取り付けられたボールジョイントと、このボールジョイントを介して前記ベースに取り付けられて光源を実装した舌片部の先端をフレキシブル配線基板の舌片部以外の部分から変位させて支持する支持台と、この支持台の角度を調整する角度調整手段とを備えた車両用室内照明装置において、
前記他方の舌片部に光源の抵抗を切り替えるスイッチを設けたことを特徴とする車両用室内照明装置。
【請求項2】
光源の抵抗を可変抵抗としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用室内照明装置。
【請求項3】
前記スイッチとして複数の抵抗値が異なる抵抗を選択できるようにしたものを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用室内照明装置。
【請求項4】
前記光源としてフルカラーLEDを用い、青、赤、緑の3色の抵抗を切り替えて照明色を変更可能にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用室内照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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