説明

車両用撮像装置

【課題】高温環境下においても、抽出する情報の信頼性を維持することができ、しかも継続して情報を得ることができる車両用撮像装置を提供すること。
【解決手段】カメラ2から出力された撮像画像に重畳されるノイズレベルを検出するとともに、カメラ2から出力された撮像画像の画像処理を実行する画像処理部3を備える。画像処理部3はメインマイコン4とサブマイコン5を有し、メインマイコン4は検出されたノイズレベルがあらかじめ設定された第1の閾値以上である場合にサブマイコン5へのクロックの供給を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載して、車両周辺の画像を取得し、取得した画像を画像処理によって抽出した情報を出力する車両用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズに入力された光を受けて電気信号に変換する撮像素子群が平面状に並べられたイメージャによって構成された撮像手段と、撮像手段によって得られた撮像画像を画像処理することによって各種情報を抽出するマイクロコンピュータ(マイコン)によって構成された画像処理手段とを備える車両用撮像装置が知られている。
【0003】
この種の車両用撮像装置は、車室内に配置されるため、炎天下に長時間放置された場合など高温の環境に晒されることがある。また、配線長の短縮や小型化を図るために、撮像手段と画像処理手段(マイコン)とは近接配置されている場合が多く、撮像手段は、マイコンが発生させる熱の影響も受ける。
【0004】
ところで、画像処理において画像処理の対象となる撮像画像にノイズが含まれると当然に画像処理によって抽出された情報の精度も低下する。このノイズは、高温環境下で撮像手段を動作させると増大するため、画像処理によって抽出される情報の精度も増大したノイズの量に応じて大幅に低下してしまう場合がある。
【0005】
このような事態に対処する手法として、撮像手段の周囲の温度を計測する温度センサを設け、温度センサにより検出された温度が車両用撮像装置の動作可能温度を超えた場合に、エアコン(冷房装置)を動作させる技術(例えば、特許文献1参照、以下「第1の従来技術」と呼ぶ。)が知られている。
【0006】
また、消費電力を低減するために必要に応じて撮像装置を構成するマイコンの制御電源を遮断させる技術(例えば、特許文献2参照、以下「第2の従来技術」と呼ぶ。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−213240号公報
【特許文献2】特開2006−135435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した第1の従来技術では、エアコンの風を画像センサに当てる必要があるため、周囲を内装で完全に覆えないため、放熱用部品がユーザーから見えてしまう、などの問題があった。
【0009】
また、上記した第2の従来技術を上記した車両用撮像装置に適用したとすると、温度センサにより検出された温度が撮像装置の動作可能温度を超えた場合に、マイコンの制御電源を遮断するものが考えられる。しかし、マイコンの制御電源を遮断してしまうとマイコンの動作が停止し撮像画像の入力及び画像処理を行うことができないので、ユーザが得たい情報を継続して入手することが困難となる場合がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、高温環境下においても、抽出する情報の信頼性を維持することができ、しかも継続して情報を得ることができる車両用撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するためになされた本発明に係る車両用撮像装置では、撮像手段が、光を受けて電気信号に変換する撮像素子群を平面状に並べて構成され、ノイズ検出手段が、撮像手段からの撮像画像に重畳されるノイズの大きさを特定するためのノイズ情報を検出する。
【0012】
画像処理手段は、複数の処理ブロックによって構成され、複数の処理ブロックのそれぞれは、クロックの供給を受けて動作し、撮像手段から出力された撮像画像の画像処理を少なくとも実行する。
【0013】
そして、複数の処理ブロックの一つを、外部装置に対する情報の入出力を少なくとも実行するメイン処理ブロックとし、該メイン処理ブロック以外をサブ処理ブロックとして、処理ブロック停止手段は、ノイズ検出手段により検出されたノイズ情報があらかじめ設定された第1の閾値以上である場合にサブ処理ブロックへのクロックの供給を停止させる。ここで、第1の閾値は、例えば、撮像画像に基づく画像処理によって得られる情報の信頼度が保証できる上限値よりも小さい値である。
【0014】
このようにサブ処理ブロックへのクロック供給が停止されると、サブ処理ブロックが実行する画像処理の結果を利用することができなくなるものの、サブ処理ブロックからの発熱が止まるため、画像処理手段全体として発熱量が低下し、ひいては撮像手段周辺の温度が低下することとなる。
【0015】
そして、撮像素子周辺の温度と撮像手段からの撮像画像に重畳されるノイズの大きさ(ノイズ情報)とは相関関係を有するため、撮像手段周辺の温度が低下することによって、撮像画像に重畳されるノイズが低減することになる。その結果、メイン処理ブロックでは、撮像画像に基づく処理を、その処理結果を利用する各種制御において必要な精度を保持したまま継続することが可能となる
このように本発明の車両用撮像装置によれば、撮像画像に基づく処理が中断することがないため、ユーザにとっても得たい情報を継続して入手することができる。
【0016】
また、本発明の車両用撮像装置は、ノイズ検出手段により検出されたノイズ情報が第1の閾値より大きい第2の閾値以上である場合に、撮像手段の動作を停止させる撮像動作停止手段を備えるようにしてもよい(請求項2)。
【0017】
ここで、第2の閾値は、例えば、撮像手段の撮像精度が保証できる上限値である。
このように構成された本発明の車両用撮像装置によれば、サブ処理ブロックを停止しただけでは撮像手段の周囲の温度を十分に低下させることができないような場合に、撮像手段自体の動作を停止させるので、撮像手段の機器破壊を防止することができる。
【0018】
ところで、ノイズ検出手段は、例えば、撮像画像の表示領域の内、光が当たらないように覆われている部分における画素の信号レベルをノイズ情報として検出するように構成されていてもよい(請求項3)。
【0019】
この場合、ノイズ検出手段として、撮像画像の各画素の信号レベルを検出する手段、即ち、もともと備わっている手段を用いることができるため、新たな構成を追加する必要がなく、車両用撮像装置の小型化を図ることができる。
【0020】
また、ノイズ検出手段は、例えば、撮像素子周辺の温度をノイズ情報として検出するように構成されていてもよい(請求項4)。
この場合、ノイズ検出手段として、例えば、安価な温度センサを用いることができるので、車両用撮像装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】車両用撮像装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】車両用撮像装置の設置状態および内部構造を示す模式図である。
【図3】メインマイコンが実行する処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図4】メインマイコンが実行する処理内容の他の例を示すフローチャートである。
【図5】イメージャから出力される撮像画像の表示領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車両用撮像装置1について図1〜図3を参照して説明する。
【0023】
(車両用撮像装置の全体構成)
図1は、自動車に搭載して使用される車両用撮像装置1の全体構成を示すブロック図である。
【0024】
車両用撮像装置1は、図1に示すように、車両の前方を撮影するように設置されたカメラ2と、カメラ2から出力された撮像画像に基づく各種画像処理等を行う画像処理部3と、画像処理部3に制御用の電力を供給する制御用電源6と、車内ネットワーク(図示せず)を介して外部機器(図示せず)との通信を行うバスコントローラ7と、カメラ2の内部の温度を検出する測温装置8を備えている。
【0025】
カメラ2は、カメラ用電源(図示せず)がオンすることにより起動し、図2に示すようにレンズ11に入力された光を受けて電気信号に変換する撮像素子群が平面状に並べられたイメージャ12によって構成される。また、カメラ2はイメージャ12を介して抽出された撮像画像を画像処理部3に出力する。
【0026】
ここで、イメージャ12は撮像素子群で構成され、ノイズ量を測定するため、予め該撮像素子群の縁辺部には光があたらないように縁部で覆われている(図5参照)。
画像処理部3は、2つのマイクロコンピュータ(マイコン)とクロック生成部9で構成されている。以下では、これらマイクロコンピュータの一方をメインマイコン4、他方をサブマイコン5と呼ぶ。メインマイコン4およびサブマイコン5は、いずれもCPU,ROM,RAMを中心に構成されている。
【0027】
また、メインマイコン4およびサブマイコン5には、個別にカメラ2からの撮像画像が入力される。メインマイコン4およびサブマイコン5は互いに各種情報のやりとりを行っている。例えば、メインマイコン4に入力された情報に所定の処理を施した情報をサブマイコン5に出力したり、サブマイコン5に入力された情報に所定の処理を施した情報をメインマイコン4に出力したりしている。
【0028】
クロック生成部9は、メインマイコン4およびサブマイコン5を動作させるためのクロックを生成してメインマイコン4およびサブマイコン5に出力する。
メインマイコン4は、カメラ2からの撮像画像に重畳される後述するノイズレベルまたは測温装置8からの検出温度に基づいて、クロック生成部9からサブマイコン5へのクロック供給を制御するためのクロック制御信号をクロック生成部9に出力したり、カメラ2の動作を制御するためのカメラ動作制御信号をカメラ2に出力する動作制御処理を実行する。
【0029】
また、メインマイコン4は、カメラ2からの撮像画像の信号レベルを検出する機能も備えている。なお、信号レベルを検出する装置をメインマイコンの外部に設けてもよい。
メインマイコン4は、上記した動作制御処理の他にもクロック生成部9からのクロックを受けて各種画像処理等を実行している。サブマイコン5は、クロック生成部9からのクロックを受けて各種画像処理等を実行している。
【0030】
ここで、図2は、車両用撮像装置1の設置状態および内部構造を示す模式図である。図2に示すように、車両用撮像装置1は、筐体10の中に配置保持されている。
車両用撮像装置1を保持している筐体10は、車両用撮像装置1がウインドシールドガラス30越しに見える車両前方を撮影できるような位置に、かつ、ウインドシールドガラスに近接して配置されている。
【0031】
筐体10の下部には、マイコン用基板22と該マイコン用基板22に実装されたメインマイコン4及びサブマイコン5が配置されている。筐体10の上部には、レンズ11と、イメージャ12と、該イメージャ12を構成する撮像素子群を実装するためのイメージャ用基板13が配置されている。
【0032】
このレンズ11の一部にウインドシールドガラス30に反射する写り込みを防止するための写り込み防止板17が取り付けられている。
マイコン用基板22の上部にイメージャ12が位置しており、しかも両者は、近接した状態で、狭い筐体10内に配置されている。つまり、イメージャ12は、マイコン用基板22に実装されたメインマイコン4とサブマイコン5から発生する熱の影響を受けやすい位置関係にある。
【0033】
ところで、イメージャ12から出力される撮像画像の表示領域の縁部は、具体的には、図5の黒塗り領域を指す。この黒塗り領域は、いわゆる黒データの領域であり、イメージャ12を構成する撮像素子群に対して光が入らないため撮像素子に電荷が蓄積されず真っ暗になってしまう部分である。逆に表示領域のグレーに塗られた部分はイメージャ12に光が入り撮像画像が表示される部分である。この黒データのノイズレベルは後述するメインマイコン4の処理に用いられる。
【0034】
(メインマイコンの動作)
以下に、車両用撮像装置1におけるメインマイコン4が実行する動作制御処理について図3を参照して説明する。
【0035】
本処理は、メインマイコン4及びサブマイコン5の制御用電源6がオンすると起動する。
まず、本処理が起動すると、カメラ2からの撮像画像の表示領域の縁部におけるノイズレベルがあらかじめ設定された第1の閾値レベル以上であるか否かを判定する(S110)。
【0036】
ここで、上記した第1の閾値レベルは、例えば、カメラ2からの撮像画像に基づく画像処理によって得られる情報の信頼度が保証できる上限値よりも小さいレベルにあらかじめ設定されている。
【0037】
イメージャ12から出力される撮像画像の表示領域の縁部におけるノイズレベルがあらかじめ設定された第1の閾値レベル以上である場合には(S110でYES)、メインマイコン4はサブマイコン5へのクロックの供給を停止する(S120)。
【0038】
具体的には、メインマイコン4が、サブマイコン5へのクロック供給を停止させるためのクロック制御信号をクロック生成部9に出力する。クロック制御信号を受けたクロック生成部9はクロックの供給を停止する。これによりサブマイコン5に供給されるクロックが停止するためサブマイコン5の動作が停止する。
【0039】
次に、イメージャ12から出力される撮像画像の表示領域の縁部におけるノイズレベルがあらかじめ設定された第2の閾値レベル以上であるか否かを判定する(S130)。
ここで、上記した第2の閾値レベルは、例えば、カメラ2からの撮像画像に基づく画像処理によって得られる情報の信頼度が保証できる上限値にあらかじめ設定されている。
【0040】
イメージャ12から出力される撮像画像の表示領域の縁部におけるノイズレベルがあらかじめ設定された第2の閾値レベル以上である場合には(S130でYES)、メインマイコン4はカメラ2の動作を停止する(S140)。
【0041】
具体的には、メインマイコン4が、カメラ2の動作を停止させるためのカメラ動作制御信号をカメラ2のカメラ用電源に出力する。カメラ用電源は、カメラ動作制御信号を受けて電源をオフする。これによりカメラ2の動作が停止する。
【0042】
一方、イメージャ12から出力される撮像画像の表示領域の縁部におけるノイズレベルがあらかじめ設定された第1の閾値レベル未満である場合には(S110でNO)、S110の処理に戻る。
【0043】
また、イメージャ12から出力される撮像画像の表示領域の縁部におけるノイズレベルがあらかじめ設定された第2の閾値レベル未満である場合には(S130でNO)、S110の処理に戻る。
【0044】
以上説明したように、上記第1の実施形態に係る車両用撮像装置1によれば、サブマイコン5へのクロック供給が停止されると該サブマイコン5からの発熱が止まるため、画像処理部3全体として発熱量が低下し、ひいてはカメラ2周辺の温度が低下することとなる。
【0045】
そして、撮像素子周辺の温度とカメラ2から出力される撮像画像に重畳されるノイズレベルの大きさとは相関関係を有するため、カメラ2周辺の温度が低下することによって、撮像画像に重畳されるノイズが低減することになる。その結果、メインマイコン4では、撮像画像に基づく処理を、その処理結果を利用する各種制御において必要な精度を保持したまま継続することが可能となる
また、撮像画像に基づく処理が中断することがないため、ユーザにとっても得たい情報を継続して入手することができる。
【0046】
また、サブマイコン5の動作を停止しただけではカメラ2の周囲の温度を十分に低下させることができないような場合には、カメラ2の動作を停止させるので、カメラ2の機器破壊を未然に防止することができる。
【0047】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、車両用撮像装置1が、第1の実施形態に係る車両用撮像装置1に測温装置8が追加された構成となっているため、同一の構成については同一の符号を付し、それらの構成および動作についての説明を省略し、その追加した構成およびメインマイコン4の動作を中心に説明する。
【0048】
測温装置8は、イメージャ12を構成する撮像素子群の周辺に配置され、撮像素子群の周辺の温度を検出し、その検出結果(検出温度)をメインマイコン4に出力する。測温装置8としては、例えば温度センサ等が挙げられる。
【0049】
(メインマイコンの動作)
以下、第2の実施形態に係る車両用撮像装置1におけるメインマイコン4が実行する動作制御処理について図4を参照して説明する。
【0050】
本処理は、メインマイコン4及びサブマイコン5の制御用電源6がオンすると起動する。
本処理が起動すると、まず、測温装置8から出力される検出温度があらかじめ設定された第1の閾値温度以上であるか否かを判定する(S210)。
【0051】
ここで、上記した第1の閾値温度は、例えば、カメラ2からの撮像画像に基づく画像処理によって得られる情報の信頼度が保証できる上限値付近の値にあらかじめ設定されている。
【0052】
測温装置8から出力される検出温度が第1の閾値温度以上である場合には(S210でYES)、メインマイコン4はサブマイコン5へのクロックの供給を停止する(S220)。これにより、クロックの供給が停止されたサブマイコン5の動作は停止する。
【0053】
次に、測温装置8から出力される温度情報があらかじめ設定された第2の閾値温度以上であるか否かを判定する(S230)。
ここで、上記した第2の閾値温度は、カメラ2からの撮像画像に基づく画像処理によって得られる情報の信頼度が保証できる上限値にあらかじめ設定されている。
【0054】
測温装置8から出力される検出温度が第2の閾値温度以上である場合には(S230でYES)、メインマイコン4はカメラ2の動作を停止させる(S240)。
測温装置8から出力される検出温度が第1の閾値温度未満である場合には(S210でNO)、S210の処理に戻る。
【0055】
測温装置8から出力される検出温度が第2の閾値温度未満である場合には(S230でNO)、S210の処理に戻る。
以上説明したように、上記した第2の実施形態に係る車両用撮像装置1によれば、上記した第1の実施形態による効果と同様の効果が得られるとともに、安価な温度センサを用いて車両用撮像装置1を構成できるので、車両用撮像装置1の低コスト化を図ることができる。
【0056】
ここで、実施形態においては、カメラ2が本発明請求項1の撮像手段に相当し、画像処理部3が本発明請求項1の画像処理手段に相当し、S110、S130、S210、S230が本発明請求項1のメイン処理ブロックに相当し、S120、S220が本発明請求項1の処理ブロック停止手段に相当し、S140、S240が本発明請求項2の撮像動作停止手段に相当し、メインマイコン4は本発明請求項1のノイズ検出手段、メイン処理ブロックに相当し、サブマイコン5は本発明請求項1のサブ処理ブロックに相当する。
【0057】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
例えば、上記した第1の実施形態および第2の実施形態では、メインマイコン4およびサブマイコン5を動作させるためのクロックを生成して出力するクロック生成部9をメインマイコン4およびサブマイコン5とは別に設けた構成としているが、メインマイコン4およびサブマイコン5にそれぞれクロック生成部を設けた構成にしてもよい。
【0058】
この場合、メインマイコン4およびサブマイコン5のクロック生成部は、それぞれメインマイコン4およびサブマイコン5を動作させるためのクロックを生成する。
メインマイコン4は、入力されるノイズレベルまたは検出温度に基づいて、サブマイコン5へのクロック供給を停止するためのクロック制御信号をサブマイコン5に設けられたクロック生成部に出力し、サブマイコン5へのクロック供給を停止させる。
【0059】
このように構成することにより、車両用撮像装置1の設計の自由度を向上させることができる。
また、上記した第1の実施形態および第2の実施形態では、画像処理部3が1つのメインマイコン4および1つのサブマイコン5を備えた構成としているが、サブマイコン5を複数備えた構成にしてもよい。この場合、例えば、カメラ2からの撮像画像のノイズレベルに応じて動作させるサブマイコンを変えるようにする。このように構成することによってノイズレベルに応じたきめ細かい制御をすることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…車両用撮像装置、2…カメラ、3…画像処理手段、4…メインマイコン、5…サブマイコン、6…制御用電源、7…バスコントローラ、8…測温装置、9…クロック生成部、10…筐体、12…イメージャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を受けて電気信号に変換する撮像素子群が平面状に並べられた撮像手段と、
前記撮像手段から出力された撮像画像に重畳されるノイズの大きさを特定するためのノイズ情報を検出するノイズ検出手段と、
それぞれがクロックの供給を受けて動作し、少なくとも前記撮像手段から出力された撮像画像の画像処理を実行する複数の処理ブロックによって構成された画像処理手段と、
前記複数の処理ブロックの一つを、外部装置に対する情報の入出力を少なくとも実行するメイン処理ブロックとし、該メイン処理ブロック以外をサブ処理ブロックとして、前記ノイズ検出手段により検出されたノイズ情報があらかじめ設定された第1の閾値以上である場合に前記サブ処理ブロックへのクロックの供給を停止させる処理ブロック停止手段とを備えた
ことを特徴とする車両用撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用撮像装置において、
前記ノイズ検出手段により検出されたノイズ情報が前記第1の閾値より大きい第2の閾値以上である場合に、前記撮像手段の動作を停止させる撮像動作停止手段を備える
ことを特徴とする車両用撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用撮像装置において、
前記ノイズ検出手段は、前記撮像画像の表示領域の内、光が当たらないように覆われている部分における画素の信号レベルを前記ノイズ情報として検出する
ことを特徴とする車両用撮像装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の車両用撮像装置において、
前記ノイズ検出手段は前記撮像素子周辺の温度を前記ノイズ情報として検出する
ことを特徴とする車両用撮像装置。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−240524(P2012−240524A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111558(P2011−111558)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】