説明

車両用消毒装置

【課題】車両の隅々まで確実に消毒することが可能な車両用消毒装置を提供すること。
【解決手段】車両用消毒装置1は、本体2と消毒液噴霧手段とを備える。本体2は、道路に設置された状態において、車両が進入する入口INと、当該車両が退出する出口OUTと、が形成されるとともに、入口INと出口OUTとを連通するとともに当該車両を収容可能な内部通路6が形成される。本体2は、車両が内部通路6に収容されている場合において、当該車両が移動する方向に直交する方向から見たときに当該車両を覆うように形成される。消毒液噴霧手段は、内部通路6へ消毒液を噴霧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を消毒する車両用消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を消毒する車両用消毒装置が知られている。この種の車両用消毒装置の一つとして、特許文献1に記載の車両用消毒装置は、道路に設置された状態において、鉛直方向に沿って延びる1対の辺と、水平方向に沿って延びる1対の辺と、からなる長方形の各辺を構成するゲート本体と、当該ゲート本体に配設された複数の噴射ノズルと、を備える。各噴射ノズルは、上記長方形の内方へ向けて、霧状の消毒液を噴射する。これにより、ゲート本体の内部を通過する車両を消毒する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−89951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記車両用消毒装置によれば、車両の表面のうちの、噴射された消毒液が直接に塗布された領域しか消毒されない。このため、車両の隅々まで消毒することができない虞があった。
【0005】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「車両の隅々まで消毒することができない場合が生じること」を解決することが可能な車両用消毒装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である車両用消毒装置は、
道路に設置された状態において、車両が進入する入口と、当該車両が退出する出口と、が形成されるとともに、当該入口と当該出口とを連通するとともに当該車両を収容可能な内部通路が形成され、且つ、当該車両が当該内部通路に収容されている場合において、当該車両が移動する方向に直交する方向から見たときに当該車両を覆うように形成された本体と、
上記内部通路へ消毒液を噴霧する消毒液噴霧手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上のように構成されることにより、車両の隅々まで確実に消毒することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用消毒装置の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両用消毒装置の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両用消毒装置の平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両用消毒装置の正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両用消毒装置を図3のV−V線により切断した断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る車両用消毒装置を、図2又は図4のVI−VI線により切断した断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置を図3のV−V線により切断した断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置を、図2又は図4のVI−VI線により切断した断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る車両用消毒装置の側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る車両用消毒装置の平面図である。
【図11】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置の側面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る車両用消毒装置の側面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る車両用消毒装置の平面図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る車両用消毒装置の背面図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る車両用消毒装置の背面図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係る車両用消毒装置の側面図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る車両用消毒装置の平面図である。
【図18】本発明の第4実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置の側面図である。
【図19】本発明の第4実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置の正面図である。
【図20】本発明の第5実施形態に係る車両用消毒装置の側面図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る車両用消毒装置を、図2又は図4のVI−VI線により切断した断面図である。
【図22】本発明の第6実施形態に係る車両用消毒装置の平面図である。
【図23】本発明の第6実施形態に係る車両用消毒装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る、車両用消毒装置、の各実施形態について図1〜図23を参照しながら説明する。
【0010】
<第1実施形態>
(構成)
図1乃至図4に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1は、本体2と、入口側スロープ部材4と、出口側スロープ部材5と、を備える。本例では、車両用消毒装置1は、道路に設置されている。以下、X軸、Y軸及びZ軸からなる右手系の直交座標系を用いて説明を続ける。
【0011】
本体2は、Y軸方向に沿って延びる中空の筒状体である。本体2は、略一定の肉厚を有する。本体2をY軸方向に沿って見た場合における、本体2の外壁面の形状は、長方形である。
【0012】
本体2のX軸負方向側の壁は、左側板2aとも呼ばれる。本体2のX軸正方向側の壁は、右側板2bとも呼ばれる。本体2のZ軸正方向側の壁は、頂板2cとも呼ばれる。本体2のZ軸負方向側の壁は、底板2dとも呼ばれる。また、本体2の内部に(即ち、左側板2a、右側板2b、頂板2c、及び、底板2dにより)形成された空間は、内部通路6とも呼ばれる。
【0013】
本体2のY軸負方向側の端部は、車両(本例では、四輪自動車)VEが進入する入口INを構成している。また、本体2のY軸正方向側の端部は、車両VEが退出する出口OUTを構成している。内部通路6は、入口INと出口OUTとを連通する。
【0014】
なお、頂板2cは、本体2をY軸方向に沿って見た場合における形状が、Z軸正方向側に突出する半円形状であるように構成されていてもよい。即ち、頂板2cは、ドーム型の屋根を構成していてもよい。
【0015】
本例では、本体2は、金属製である。なお、本体2は、樹脂(例えば、合成樹脂)製であってもよい。また、本体2は、金属製又は樹脂製の骨組み部材と、当該骨組み部材に張架した布又はシートと、により構成されていてもよい。
【0016】
本体2のY軸方向における長さは、車両VEの進行方向における長さ(全長)よりも長い。即ち、内部通路6のY軸方向における長さは、車両VEの進行方向における長さよりも長い。また、本体2のZ軸方向における長さは、車両VEの鉛直方向における長さ(高さ)に、頂板2c及び底板2dのZ軸方向における長さを加えた大きさよりも長い。即ち、内部通路6のZ軸方向における長さは、車両VEの鉛直方向における長さよりも長い。
【0017】
このような構成により、本体2は、内部通路6が車両VEを収容可能に形成されている。更に、本体2は、車両VEが内部通路6に収容されている場合において、車両VEが移動する方向(本例では、Y軸正方向)に直交する方向から見たときに車両VEを覆うように形成されている、と言うことができる。
【0018】
入口側スロープ部材4は、Z軸方向に厚さを有する平板状の部材である。入口側スロープ部材4は、X軸方向に沿って延びる長辺と、Y軸方向に沿って延びる短辺と、を有する長方形状を有する。入口側スロープ部材4のX軸方向における長さは、底板2dのX軸方向における長さと同じである。
【0019】
入口側スロープ部材4のY軸正方向側の端部のZ軸方向における長さ(高さ)は、底板2dのZ軸方向における長さ(高さ)と同じである。入口側スロープ部材4のZ軸方向における長さは、Y軸負方向へ向かうにつれて短くなっている。入口側スロープ部材4は、底板2dのY軸負方向側の端部と接するように配置されている。即ち、入口側スロープ部材4は、スロープ(斜路)を構成している。
【0020】
出口側スロープ部材5は、Z軸方向に厚さを有する平板状の部材である。出口側スロープ部材5は、X軸方向に沿って延びる長辺と、Y軸方向に沿って延びる短辺と、を有する長方形状を有する。出口側スロープ部材5のX軸方向における長さは、底板2dのX軸方向における長さと同じである。
【0021】
出口側スロープ部材5のY軸負方向側の端部のZ軸方向における長さは、底板2dのZ軸方向における長さと同じである。出口側スロープ部材5のZ軸方向における長さは、Y軸正方向へ向かうにつれて短くなっている。出口側スロープ部材5は、底板2dのY軸正方向側の端部と接するように配置されている。即ち、出口側スロープ部材5は、スロープを構成している。
【0022】
更に、車両用消毒装置1は、図5及び図6に示したように、複数の噴射ノズル(消毒液噴霧手段)7,…を備える。図5は、図3のV−V線に沿った、X軸に直交する平面により車両用消毒装置1を切断した断面図である。また、図6は、図2又は図4のVI−VI線に沿った、Z軸に直交する平面により車両用消毒装置1を切断した断面図である。
【0023】
複数の消毒液噴射ノズル7,…は、図5に示したように、左側板2aの内壁面(X軸正方向側の壁面、即ち、内部通路6を形成する壁面)に配設されている。本例では、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、左側板2aにて、Y軸方向(車両VEの進行方向)における複数(本例では、3つ)の位置に配置されている。
【0024】
更に、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、左側板2aにて、Z軸方向(鉛直方向)における複数(本例では、2つ)の位置に配置されている。即ち、本例では、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、左側板2aにて、2行3列の格子状に配置されている。更に、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、左側板2aと同様に、右側板2b内にも配設されている。
【0025】
加えて、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、図6に示したように、底板2dの内壁面(Z軸正方向側の壁面、即ち、内部通路6を形成する壁面)にも配設されている。本例では、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、底板2dにて、Y軸方向(車両VEの進行方向)における複数(本例では、3つ)の位置に配置されている。
【0026】
更に、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、底板2dにて、X軸方向における複数(本例では、2つ)の位置に配置されている。即ち、本例では、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、底板2dにて、2行3列の格子状に配置されている。更に、複数の消毒液噴射ノズル7,…は、底板2dと同様に、頂板2c内にも配設されている。
【0027】
また、車両用消毒装置1は、図示しない、制御装置、消毒液タンク、ポンプ、及び、発電機を備える。制御装置、消毒液タンク、ポンプ、及び、発電機は、本体2に内蔵されている。なお、制御装置、消毒液タンク、ポンプ、及び、発電機は、本体2の外部に設けられていてもよい。
【0028】
消毒液タンクは、消毒液を貯留している。発電機は、電力を生成し、生成した電力を制御装置及びポンプのそれぞれへ供給する。ポンプは、駆動されることにより、消毒液タンクに貯留されている消毒液を、図示しない配管を介して、各消毒液噴射ノズル7,…へ送出する。制御装置は、ポンプの駆動を制御する。
【0029】
各消毒液噴射ノズル7,…は、ポンプにより消毒液が供給されることにより、内部通路6へ消毒液を噴霧する(霧(ミスト)状の消毒液を噴射する)。
【0030】
加えて、車両用消毒装置1は、図5に示したように、車両検出センサ(車両検出手段)8を備える。車両検出センサ8は、左側板2aの内壁面のうちのY軸負方向側の端部(即ち、入口INの近傍)に配設されている。車両検出センサ8は、内部通路6への車両の進入を検出する。例えば、車両検出センサ8は、赤外線センサ、又は、金属の有無を検出する金属検出センサ等である。
【0031】
制御装置は、車両検出センサ8により車両の進入が検出された場合、ポンプの駆動を開始する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、消毒液の噴霧を開始する。そして、制御装置は、ポンプの駆動が開始してから、予め設定された待機時間が経過した場合、ポンプの駆動を停止する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、消毒液の噴霧を終了する。
【0032】
(作動)
次に、上述した車両用消毒装置1の作動について説明する。
先ず、車両VEは、Y軸正方向へ向かって進行(走行)することにより、入口INから内部通路6へ進入する。
【0033】
これにより、車両検出センサ8は、内部通路6への車両の進入を検出する。そして、制御装置は、車両検出センサ8から、車両の進入を検出した旨を表す信号を受け付ける。これにより、制御装置は、ポンプの駆動を開始する。
【0034】
そして、ポンプは、消毒液タンクに貯留されている消毒液を各消毒液噴射ノズル7,…へ送出する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、ポンプにより消毒液が供給されることにより、内部通路6へ消毒液を噴霧する。そして、噴霧された消毒液は、内部通路6内に充満する。
【0035】
一方、車両VEは、内部通路6に収容される位置にて停止する。そして、車両VEは、噴霧された消毒液により消毒される。
【0036】
その後、ポンプの駆動が開始してから待機時間が経過すると、制御装置は、ポンプの駆動を停止する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、消毒液の噴霧を終了する。
そして、車両VEは、再び、Y軸正方向へ向かって進行することにより、出口OUTから内部通路6を退出する。
【0037】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、道路を通行している車両VEが内部通路6を通過することにより、車両VEを容易に消毒することができる。更に、車両用消毒装置1によれば、噴霧された消毒液が内部通路6内に充満するので、車両VEの隅々まで確実に消毒することができる。
【0038】
更に、第1実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、車両VEの内部通路6への進入が検出された場合に消毒液の噴霧が開始される。
これによれば、車両VEが内部通路6へ進入する前に消毒液の噴霧が開始することを防止することができる。即ち、消毒液が無駄に噴霧されることを防止することができる。
【0039】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、本発明の第1実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置について説明する。第1変形例に係る車両用消毒装置は、上記第1実施形態に係る車両用消毒装置に対して、内部通路において噴霧された消毒液を撹拌するように構成されている点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0040】
第1変形例に係る車両用消毒装置1は、図7及び図8に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、複数の空気噴射ノズル9,…(撹拌手段)を備える。図7は、図3のV−V線に沿った、X軸に直交する平面により車両用消毒装置1を切断した断面図である。また、図8は、図2又は図4のVI−VI線に沿った、Z軸に直交する平面により車両用消毒装置1を切断した断面図である。
【0041】
複数の空気噴射ノズル9,…は、図7に示したように、左側板2aの内壁面に配設されている。本例では、複数の空気噴射ノズル9,…は、左側板2aにて、Y軸方向(車両VEの進行方向)における複数(本例では、4つ)の位置に配置されている。更に、複数の空気噴射ノズル9,…は、左側板2aと同様に、右側板2b内にも配設されている。
【0042】
加えて、複数の空気噴射ノズル9,…は、図8に示したように、底板2dの内壁面にも配設されている。本例では、複数の空気噴射ノズル9,…は、底板2dにて、Y軸方向(車両VEの進行方向)における複数(本例では、4つ)の位置に配置されている。更に、複数の空気噴射ノズル9,…は、底板2dと同様に、頂板2c内にも配設されている。
【0043】
また、車両用消毒装置1は、図示しない圧縮機を備える。圧縮機は、空気を圧縮し、圧縮された空気を、図示しない配管を介して、各空気噴射ノズル9,…へ送出する。
各空気噴射ノズル9,…は、圧縮機により圧縮された空気が供給されることにより、内部通路6へ空気を噴射する。
【0044】
これにより、内部通路6において噴霧された消毒液が撹拌される。この結果、内部通路6において、噴霧された消毒液の分布を一様な分布に近づけることができる。従って、車両VEの隅々まで確実に消毒することができる。
【0045】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置1によれば、第1実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第1変形例に係る車両用消毒装置1によれば、車両VEの隅々までより一層確実に消毒することができる。
【0046】
なお、第1実施形態の他の変形例に係る車両用消毒装置1は、底板2d、入口側スロープ部材4及び出口側スロープ部材5を備えなくてもよい。
また、第1実施形態に係る車両用消毒装置1は、消毒液噴射ノズル7を複数備えるように構成されていたが、消毒液噴射ノズル7を1つだけ備えていてもよい。
また、第1実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置1は、空気噴射ノズル9を複数備えるように構成されていたが、空気噴射ノズル9を1つだけ備えていてもよい。
【0047】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用消毒装置について説明する。第2実施形態に係る車両用消毒装置は、上記第1実施形態に係る車両用消毒装置に対して、内部通路と内部通路の外部とを遮断するように構成されている点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0048】
第2実施形態に係る車両用消毒装置1は、図9及び図10に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、2つのエアカーテン装置(遮断手段)10,11を備える。
【0049】
各エアカーテン装置10,11は、頂板2cの内壁面に取り付けられ(設けられ)ている。エアカーテン装置10は、頂板2cのY軸負方向側の端部に配置されている。即ち、エアカーテン装置10は、入口INに設けられている。エアカーテン装置11は、頂板2cのY軸正方向側の端部に配置されている。即ち、エアカーテン装置11は、出口OUTに設けられている。
【0050】
各エアカーテン装置10,11のX軸方向における長さは、底板2d(内部通路6)のX軸方向における長さと略同じである。各エアカーテン装置10,11は、内部通路6と内部通路6の外部とを遮断するように、Z軸負方向へ向けて空気を噴射するように構成されている。
【0051】
以上、説明したように、本発明の第2実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、第1実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第2実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、内部通路6から内部通路6の外部へ、噴霧された消毒液が漏出することを防止することができる。この結果、内部通路6内に充満する消毒液の量が減少することを防止することができるので、車両VEを確実に消毒することができる。
【0052】
なお、第2実施形態に係る車両用消毒装置1は、入口IN、及び、出口OUTの両方にエアカーテン装置が設けられていたが、入口IN、及び、出口OUTの一方のみにエアカーテン装置が設けられていてもよい。
【0053】
<第2実施形態の第1変形例>
次に、本発明の第2実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置について説明する。第2実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置は、上記第2実施形態に係る車両用消毒装置に対して、エアシャワー装置に代えてシャッターを備える点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0054】
第1変形例に係る車両用消毒装置1は、図11に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、2つのシャッター装置(遮断手段)12,13を備える。
【0055】
シャッター装置12は、本体2のY軸負方向側の端部にて、本体2に取り付けられ(設けられ)ている。即ち、シャッター装置12は、入口INに設けられている。シャッター装置13は、本体2のY軸正方向側の端部にて、本体2に取り付けられている。即ち、シャッター装置13は、出口OUTに設けられている。
各シャッター装置12,13は、上下開閉式のシャッター装置である。
【0056】
シャッター装置12は、巻取装置12aと、鎧戸12bと、からなる。巻取装置12aは、制御装置により駆動されることによって、鎧戸12bを巻き取るように構成されている。更に、巻取装置12aは、制御装置により駆動されることによって、鎧戸12bを繰り出すように構成されている。鎧戸12bは、巻取装置12aから繰り出された状態において、入口INを閉鎖する。鎧戸12bは、巻取装置12aにより巻き取られた状態において、入口INを開放する。
【0057】
即ち、シャッター装置12は、鎧戸12bが入口INを閉鎖する(即ち、内部通路6と内部通路6部通路の外部とを遮断する)閉状態と、鎧戸12bが入口INを開放する(即ち、内部通路6と内部通路6の外部とを連通する)開状態と、に状態が切り替わる、と言うことができる。
【0058】
同様に、シャッター装置13は、巻取装置13aと、鎧戸13bと、からなる。巻取装置13aは、制御装置により駆動されることによって、鎧戸13bを巻き取るように構成されている。更に、巻取装置13aは、制御装置により駆動されることによって、鎧戸13bを繰り出すように構成されている。鎧戸13bは、巻取装置13aから繰り出された状態において、出口OUTを閉鎖する。鎧戸13bは、巻取装置13aにより巻き取られた状態において、出口OUTを開放する。
【0059】
即ち、シャッター装置13は、鎧戸13bが出口OUTを閉鎖する(即ち、内部通路6と内部通路6部通路の外部とを遮断する)閉状態と、鎧戸13bが出口OUTを開放する(即ち、内部通路6と内部通路6の外部とを連通する)開状態と、に状態が切り替わる、と言うことができる。
【0060】
先ず、制御装置は、シャッター装置12の状態を開状態に設定する。そして、車両VEは、内部通路6へ進入する。そして、制御装置は、車両VEが内部通路6に収容されている状態において、シャッター装置12及びシャッター装置13の状態を閉状態に設定する。これにより、噴霧された消毒液は、内部通路6内に充満する。そして、車両VEは、噴霧された消毒液により消毒される。
【0061】
その後、制御装置は、シャッター装置12及びシャッター装置13の状態を開状態に設定する。これにより、車両VEは、内部通路6から退出する。
【0062】
以上、説明したように、本発明の第2実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置1によれば、第1実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第2実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置1によれば、内部通路6から内部通路6の外部へ、噴霧された消毒液が漏出することを防止することができる。この結果、内部通路6内に充満する消毒液の量が減少することを防止することができるので、車両VEを確実に消毒することができる。
【0063】
なお、第2実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置1は、入口IN、及び、出口OUTの両方にシャッター装置が設けられていたが、入口IN、及び、出口OUTの一方のみにシャッター装置が設けられていてもよい。
【0064】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る車両用消毒装置について説明する。第3実施形態に係る車両用消毒装置は、上記第1実施形態に係る車両用消毒装置に対して、車両の退出を禁止可能な遮断機を備える点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0065】
第3実施形態に係る車両用消毒装置1は、図12乃至図15に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、遮断機(第1の遮断機)14を備える。
【0066】
遮断機14は、棒状体である。遮断機14の長手方向における長さは、本体2のX軸方向における長さと略同じである。遮断機14は、長手方向における一端がZX平面にて円弧を描くように、長手方向における他端が左側板2aのY軸正方向側の端部に回動可能に固定されている。即ち、遮断機14は、Y軸を回転の中心軸として回動可能に構成されている。また、遮断機14は、出口OUTに設けられている、と言うことができる。
【0067】
更に、遮断機14は、第1の回転位置と第2の回転位置との間を回動可能に構成されている。第1の回転位置は、遮断機14がX軸方向(即ち、水平方向)に沿って延びる位置である。第2の回転位置は、遮断機14が略Z軸方向(即ち、鉛直方向)に沿って延びる位置である。即ち、遮断機14は、第1の回転位置に位置している場合、出口OUTを水平方向にて横断する。
【0068】
遮断機14が左側板2aに固定されている位置は、車両VEの鉛直方向における長さ(高さ)よりも低い位置である。従って、遮断機14は、第1の回転位置に位置している場合、車両VEの退出を禁止するように構成されている。また、遮断機14は、第2の回転位置に位置している場合、車両VEの退出を許可するように構成されている。
【0069】
このように、遮断機14は、車両VEの退出を許可する許可状態と、車両VEの退出を禁止する禁止状態と、に状態が切り替わる、と言うことができる。
【0070】
また、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入する時点(本例では、車両検出センサ8により車両の進入が検出された時点)にて、遮断機14の状態を禁止状態に設定(制御)する。なお、制御装置は、車両VEの退出が完了した時点にて、次に進入する車両VEの退出を禁止するために、遮断機14の状態を禁止状態に設定するように構成されていてもよい。
【0071】
更に、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入した時点から、予め設定された待機時間が経過した時点にて、遮断機14の状態を許可状態に設定する。なお、制御装置は、消毒液の噴霧を開始した時点から待機時間が経過した時点にて、遮断機14の状態を許可状態に設定するように構成されていてもよい。
即ち、制御装置は、第1の遮断機制御手段を構成している、と言うことができる。
【0072】
このように構成された車両用消毒装置1によれば、先ず、車両VEは、入口INから内部通路6へ進入する。
【0073】
これにより、車両検出センサ8は、内部通路6への車両の進入を検出する。そして、制御装置は、車両検出センサ8から、車両の進入を検出した旨を表す信号を受け付ける。これにより、制御装置は、ポンプの駆動を開始する。更に、制御装置は、遮断機14の状態を禁止状態に設定する。
【0074】
そして、ポンプは、消毒液タンクに貯留されている消毒液を各消毒液噴射ノズル7,…へ送出する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、ポンプにより消毒液が供給されることにより、内部通路6へ消毒液を噴霧する。そして、噴霧された消毒液は、内部通路6内に充満する。
【0075】
一方、車両VEは、内部通路6に収容される位置にて停止する。そして、車両VEは、噴霧された消毒液により消毒される。このとき、遮断機14の状態が禁止状態に設定されているので、車両VEは、内部通路6から退出することができない。
【0076】
その後、ポンプの駆動が開始してから待機時間が経過すると、制御装置は、ポンプの駆動を停止する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、消毒液の噴霧を終了する。更に、制御装置は、遮断機14の状態を許可状態に設定する。これにより、車両VEは、出口OUTから内部通路6を退出する。
【0077】
以上、説明したように、本発明の第3実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、第1実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第3実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、車両VEの退出を禁止することができる。従って、車両VEの消毒が十分に行われるまでの間、車両VEを内部通路6内に滞在させることができる。
【0078】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る車両用消毒装置について説明する。第4実施形態に係る車両用消毒装置は、上記第1実施形態に係る車両用消毒装置に対して、車両の進入を禁止可能な遮断機を備える点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0079】
第4実施形態に係る車両用消毒装置1は、図16及び図17に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、遮断機(第2の遮断機)15を備える。
【0080】
遮断機15は、棒状体である。遮断機15の長手方向における長さは、本体2のX軸方向における長さと略同じである。遮断機15は、長手方向における一端がZX平面にて円弧を描くように、長手方向における他端が右側板2bのY軸負方向側の端部に回動可能に固定されている。即ち、遮断機15は、Y軸を回転の中心軸として回動可能に構成されている。また、遮断機15は、入口INに設けられている、と言うことができる。
【0081】
更に、遮断機15は、第1の回転位置と第2の回転位置との間を回動可能に構成されている。第1の回転位置は、遮断機15がX軸方向(即ち、水平方向)に沿って延びる位置である。第2の回転位置は、遮断機15が略Z軸方向(即ち、鉛直方向)に沿って延びる位置である。即ち、遮断機15は、第1の回転位置に位置している場合、入口INを水平方向にて横断する。
【0082】
遮断機15が右側板2bに固定されている位置は、車両VEの鉛直方向における長さ(高さ)よりも低い位置である。従って、遮断機15は、第1の回転位置に位置している場合、車両VEの進入を禁止するように構成されている。また、遮断機15は、第2の回転位置に位置している場合、車両VEの進入を許可するように構成されている。
【0083】
このように、遮断機15は、車両VEの進入を許可する許可状態と、車両VEの進入を禁止する禁止状態と、に状態が切り替わる、と言うことができる。
【0084】
また、制御装置は、車両VEが内部通路6に収容されている場合に遮断機15の状態を禁止状態に設定(制御)する。本例では、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入した時点から、予め設定された待機時間が経過するまでの間、車両VEが内部通路6に収容されていると判定する。従って、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入した時点から待機時間が経過するまでの間、遮断機15の状態を禁止状態に設定する。
【0085】
更に、制御装置は、車両VEが内部通路6に収容されていない場合に遮断機15の状態を許可状態に設定する。本例では、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入した時点から待機時間が経過した後、遮断機15の状態を許可状態に設定する。
即ち、制御装置は、第2の遮断機制御手段を構成している、と言うことができる。
【0086】
なお、車両用消毒装置1は、車両VEが内部通路6に収容されていることを検出するセンサ、又は、内部通路6からの車両VEの退出を検出するセンサを備えていてもよい。この場合、制御装置は、センサにより出力された信号に基づいて、車両VEが内部通路6に収容されているか否かを判定するように構成される。
【0087】
このように構成された車両用消毒装置1によれば、先ず、制御装置は、遮断機15の状態を許可状態に設定する。そして、車両VEは、入口INから内部通路6へ進入する。
【0088】
これにより、車両検出センサ8は、内部通路6への車両の進入を検出する。そして、制御装置は、車両検出センサ8から、車両の進入を検出した旨を表す信号を受け付ける。これにより、制御装置は、ポンプの駆動を開始する。更に、制御装置は、遮断機15の状態を禁止状態に設定する。これにより、次の車両VEの内部通路6への進入が禁止される。
【0089】
そして、ポンプは、消毒液タンクに貯留されている消毒液を各消毒液噴射ノズル7,…へ送出する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、ポンプにより消毒液が供給されることにより、内部通路6へ消毒液を噴霧する。そして、噴霧された消毒液は、内部通路6内に充満する。
【0090】
一方、車両VEは、内部通路6に収容される位置にて停止する。そして、車両VEは、噴霧された消毒液により消毒される。
【0091】
その後、ポンプの駆動が開始してから待機時間が経過すると、制御装置は、ポンプの駆動を停止する。これにより、各消毒液噴射ノズル7,…は、消毒液の噴霧を終了する。そして、車両VEは、出口OUTから内部通路6を退出する。更に、制御装置は、遮断機15の状態を許可状態に設定する。これにより、次の車両VEが入口INから内部通路6へ進入する。
【0092】
以上、説明したように、本発明の第4実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、第1実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第4実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、車両VEの消毒中(即ち、車両VEが内部通路6に収容されている場合)に他の車両VEが内部通路6に進入してくることを防止することができる。
【0093】
<第4実施形態の第1変形例>
次に、本発明の第4実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置について説明する。第4実施形態の第1変形例に係る車両用消毒装置は、上記第4実施形態に係る車両用消毒装置に対して、遮断機に代えて信号機を備える点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0094】
第1変形例に係る車両用消毒装置1は、図18及び図19に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、信号機16を備える。
【0095】
信号機16は、頂板2cのY軸負方向側の端部に固定されている。即ち、信号機16は、入口INに設けられている。信号機16は、頂板2cのうちのX軸方向における中央に配置されている。信号機16は、2つの表示灯16a,16bを備える。
【0096】
表示灯16aは、第1の色(本例では、青色)の光を発する点灯状態と、光を発しない消灯状態と、に状態が切り替わる。表示灯16bは、第2の色(本例では、赤色)の光を発する点灯状態と、光を発しない消灯状態と、に状態が切り替わる。
【0097】
信号機16は、表示灯16aの状態を点灯状態に設定し、且つ、表示灯16bの状態を消灯状態に設定する許可状態と、表示灯16aの状態を消灯状態に設定し、且つ、表示灯16bの状態を点灯状態に設定する禁止状態と、に状態が切り替わる。許可状態は、車両VEの進入を許可する旨を表す状態である。また、禁止状態は、車両VEの進入を禁止する旨を表す状態である。
【0098】
また、制御装置は、車両VEが内部通路6に収容されている場合に信号機16の状態を禁止状態に設定(制御)する。本例では、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入した時点から、予め設定された待機時間が経過するまでの間、車両VEが内部通路6に収容されていると判定する。従って、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入した時点から待機時間が経過するまでの間、信号機16の状態を禁止状態に設定する。
【0099】
更に、制御装置は、車両VEが内部通路6に収容されていない場合に信号機16の状態を許可状態に設定する。本例では、制御装置は、車両VEが内部通路6に進入した時点から待機時間が経過した後、信号機16の状態を許可状態に設定する。
即ち、制御装置は、信号機制御手段を構成している、と言うことができる。
【0100】
なお、車両用消毒装置1は、車両VEが内部通路6に収容されていることを検出するセンサ、又は、内部通路6からの車両VEの退出を検出するセンサを備えていてもよい。この場合、制御装置は、センサにより出力された信号に基づいて、車両VEが内部通路6に収容されているか否かを判定するように構成される。
【0101】
以上、説明したように、本発明の第1変形例に係る車両用消毒装置1によれば、第4実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0102】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る車両用消毒装置について説明する。第5実施形態に係る車両用消毒装置は、上記第1実施形態に係る車両用消毒装置に対して、タイヤを消毒液に浸漬するように構成されている点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0103】
第5実施形態に係る車両用消毒装置1は、図20及び図21に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、底板2dに複数(本例では、2つ)の凹部17が形成されている。なお、本例では、底板2dは、タイヤ消毒手段を構成している。
【0104】
各凹部17は、鉛直方向における上方(即ち、Z軸正方向)に向けて開口している。各凹部17は、Z軸方向に沿って底板2dを見た場合に、X軸方向に沿って延びる長辺と、Y軸方向に沿って延びる短辺と、を有する長方形状を有する。各凹部17のX軸方向における長さは、底板2dのX軸方向における長さよりも僅かに短い。
【0105】
複数の凹部17は、Y軸方向において異なる位置に配置されている。複数の凹部17間の距離は、車両VEの前輪と、車両VEの後輪と、の間の距離と同じである。
【0106】
このような構成により、Y軸正方向側に配置された凹部17は、車両VEが内部通路6に収容されている状態において、車両VEの前輪用のタイヤの一部を収容する。更に、Y軸負方向側に配置された凹部17は、車両VEが内部通路6に収容されている状態において、車両VEの後輪用のタイヤの一部を収容する。
【0107】
以上、説明したように、本発明の第5実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、第1実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第5実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、車両VEに付着した消毒液が凹部17に貯留される。更に、凹部17に貯留されている消毒液にタイヤが浸漬するので、タイヤを十分に消毒することができる。
【0108】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る車両用消毒装置について説明する。第6実施形態に係る車両用消毒装置は、上記第1実施形態に係る車両用消毒装置に対して、車両を洗浄する回転ブラシを備える点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0109】
第6実施形態に係る車両用消毒装置1は、図22及び図23に示したように、第1実施形態に係る車両用消毒装置1が備える構成に加えて、複数(本例では、2つ)の回転ブラシ18を備える。
【0110】
各回転ブラシ18は、円柱形状を有する。各回転ブラシ18は、円柱状の本体と、当該本体の外周面に植設されたブラシ毛と、を備える。各回転ブラシ18は、回転ブラシ18の軸線がZ軸方向に沿って延びるように本体2に固定されている。各回転ブラシ18は、回転ブラシ18の軸線を回転の中心軸として回転可能に保持されている。回転ブラシ18は、回転駆動されるように構成されている。
【0111】
複数の回転ブラシ18の一方は、内部通路6におけるX軸負方向側の端部に配置されている。複数の回転ブラシ18の他方は、内部通路6におけるX軸正方向側の端部に配置されている。
【0112】
このような構成により、各回転ブラシ18は、回転駆動されることにより、車両VEが内部通路6に収容されている状態において、車両VEの本体、及び、車両VEのタイヤと摺接する。この結果、回転ブラシ18は、車両VEが内部通路6に収容されている状態において、車両VEの本体、及び、車両VEのタイヤを洗浄する。
【0113】
以上、説明したように、本発明の第6実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、第1実施形態に係る車両用消毒装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第6実施形態に係る車両用消毒装置1によれば、車両VEの本体、及び、車両VEのタイヤに付着した汚れ(例えば、泥等)を除去することができる。この結果、汚れに含まれる、ウィルス及び細菌等も車両VEから除去することができる。
【0114】
なお、第6実施形態の変形例に係る車両用消毒装置1は、回転ブラシ18が車両VEと接するように、車両VEの大きさに合わせて回転ブラシ18を移動可能に構成されていてもよい。
また、第6実施形態の他の変形例に係る車両用消毒装置1は、回転ブラシ18に代えて、又は、回転ブラシ18に加えて、車両VEの上面(頂面)、下面(底面)、前面、及び、背面の少なくとも1つを洗浄するための回転ブラシを備えていてもよい。
【0115】
また、第6実施形態の他の変形例に係る車両用消毒装置1は、回転ブラシ18に代えて、車両の本体のみを洗浄する回転ブラシを備えていてもよい。また、第6実施形態の他の変形例に係る車両用消毒装置1は、回転ブラシ18に代えて、車両のタイヤのみを洗浄する回転ブラシを備えていてもよい。
【0116】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0117】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0118】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0119】
(付記1)
道路に設置された状態において、車両が進入する入口と、当該車両が退出する出口と、が形成されるとともに、当該入口と当該出口とを連通するとともに当該車両を収容可能な内部通路が形成され、且つ、当該車両が当該内部通路に収容されている場合において、当該車両が移動する方向に直交する方向から見たときに当該車両を覆うように形成された本体と、
前記内部通路へ消毒液を噴霧する消毒液噴霧手段と、
を備える車両用消毒装置。
【0120】
これによれば、道路を通行している車両が内部通路を通過することにより、当該車両を容易に消毒することができる。更に、上記構成によれば、噴霧された消毒液が内部通路内に充満するので、車両の隅々まで確実に消毒することができる。
【0121】
(付記2)
付記1に記載の車両用消毒装置であって、
前記出口に設けられ、且つ、前記車両の退出を許可する許可状態と、当該車両の退出を禁止する禁止状態と、に状態が切り替わる第1の遮断機を備える車両用消毒装置。
【0122】
これによれば、車両の退出を禁止することができる。従って、車両の消毒が十分に行われるまでの間、車両を内部通路内に滞在させることができる。
【0123】
(付記3)
付記2に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に進入する時点にて、前記第1の遮断機の状態を前記禁止状態に設定し、且つ、当該車両が当該内部通路に進入した時点、又は、前記消毒液の噴霧を開始した時点から、予め設定された待機時間が経過した時点にて、当該第1の遮断機の状態を前記許可状態に設定する第1の遮断機制御手段を備える車両用消毒装置。
【0124】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口に設けられ、且つ、前記車両の進入を許可する許可状態と、当該車両の進入を禁止する禁止状態と、に状態が切り替わる第2の遮断機を備える車両用消毒装置。
【0125】
これによれば、消毒中に他の車両が内部通路に進入してくることを防止することができる。
【0126】
(付記5)
付記4に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に収容されている場合に前記第2の遮断機の状態を前記禁止状態に設定し、一方、当該車両が当該内部通路に収容されていない場合に当該第2の遮断機の状態を前記許可状態に設定する第2の遮断機制御手段を備える車両用消毒装置。
【0127】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口に設けられ、且つ、前記車両の進入を許可する旨を表す許可状態と、当該車両の進入を禁止する旨を表す禁止状態と、に状態が切り替わる信号機を備える車両用消毒装置。
【0128】
これによれば、消毒中に他の車両が内部通路に進入してくることを防止することができる。
【0129】
(付記7)
付記6に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に収容されている場合に前記信号機の状態を前記禁止状態に設定し、一方、当該車両が当該内部通路に収容されていない場合に当該信号機の状態を前記許可状態に設定する信号機制御手段を備える車両用消毒装置。
【0130】
(付記8)
付記1乃至付記7のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両の進入を検出する車両検出手段を備え、
前記消毒液噴霧手段は、前記車両の進入が検出された場合、前記消毒液の噴霧を開始するように構成された車両用消毒装置。
【0131】
これによれば、車両が進入する前に消毒液の噴霧が開始することを防止することができる。即ち、消毒液が無駄に噴霧されることを防止することができる。
【0132】
(付記9)
付記1乃至付記8のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口、又は、前記出口に設けられ、且つ、前記内部通路と当該内部通路の外部とを遮断するように空気を噴射する遮断手段を備える車両用消毒装置。
【0133】
これによれば、内部通路から内部通路の外部へ、噴霧された消毒液が漏出することを防止することができる。この結果、内部通路内に充満する消毒液の量が減少することを防止することができるので、車両を確実に消毒することができる。
【0134】
(付記10)
付記1乃至付記8のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口、又は、前記出口に設けられ、且つ、前記内部通路と当該内部通路の外部とを遮断する閉状態と、当該内部通路と当該内部通路の外部とを連通する開状態と、に状態が切り替わる遮断手段を備える車両用消毒装置。
【0135】
これによれば、内部通路から内部通路の外部へ、噴霧された消毒液が漏出することを防止することができる。この結果、内部通路内に充満する消毒液の量が減少することを防止することができるので、車両を確実に消毒することができる。
【0136】
(付記11)
付記1乃至付記10のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記内部通路において前記噴霧された消毒液が撹拌されるように当該内部通路へ空気を噴射する撹拌手段を備える車両用消毒装置。
【0137】
これによれば、内部通路において、噴霧された消毒液の分布を一様な分布に近づけることができる。この結果、車両の隅々まで確実に消毒することができる。
【0138】
(付記12)
付記1乃至付記11のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
上方に向けて開口し、且つ、前記車両が前記内部通路に収容されている状態において当該車両のタイヤの一部を収容する凹部が形成されたタイヤ消毒手段を備える車両用消毒装置。
【0139】
これによれば、車両に付着した消毒液が凹部に貯留される。更に、凹部に貯留されている消毒液にタイヤが浸漬するので、タイヤを十分に消毒することができる。
【0140】
(付記13)
付記1乃至付記12のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に収容されている状態において、当該車両の本体、及び、当該車両のタイヤの少なくとも1つを洗浄する回転ブラシを備える車両用消毒装置。
【0141】
これによれば、車両の本体、又は、車両のタイヤに付着した汚れ(例えば、泥等)を除去することができる。この結果、汚れに含まれる、ウィルス及び細菌等も車両から除去することができる。
【0142】
(付記14)
付記1乃至付記13のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記消毒液噴霧手段は、前記内部通路を形成する壁面に配設された噴射ノズルを含む車両用消毒装置。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、車両を消毒する車両用消毒装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 車両用消毒装置
2 本体
2a 左側板
2b 右側板
2c 頂板
2d 底板
4 入口側スロープ部材
5 出口側スロープ部材
6 内部通路
7,… 消毒液噴射ノズル
8 車両検出センサ
9,… 空気噴射ノズル
10,11 エアカーテン装置
12,13 シャッター装置
12a 巻取装置
12b 鎧戸
13a 巻取装置
13b 鎧戸
14 第1の遮断機
15 第2の遮断機
16 信号機
16a,16b 表示灯
17 凹部
18 回転ブラシ
IN 入口
OUT 出口
VE 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に設置された状態において、車両が進入する入口と、当該車両が退出する出口と、が形成されるとともに、当該入口と当該出口とを連通するとともに当該車両を収容可能な内部通路が形成され、且つ、当該車両が当該内部通路に収容されている場合において、当該車両が移動する方向に直交する方向から見たときに当該車両を覆うように形成された本体と、
前記内部通路へ消毒液を噴霧する消毒液噴霧手段と、
を備える車両用消毒装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用消毒装置であって、
前記出口に設けられ、且つ、前記車両の退出を許可する許可状態と、当該車両の退出を禁止する禁止状態と、に状態が切り替わる第1の遮断機を備える車両用消毒装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に進入する時点にて、前記第1の遮断機の状態を前記禁止状態に設定し、且つ、当該車両が当該内部通路に進入した時点、又は、前記消毒液の噴霧を開始した時点から、予め設定された待機時間が経過した時点にて、当該第1の遮断機の状態を前記許可状態に設定する第1の遮断機制御手段を備える車両用消毒装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口に設けられ、且つ、前記車両の進入を許可する許可状態と、当該車両の進入を禁止する禁止状態と、に状態が切り替わる第2の遮断機を備える車両用消毒装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に収容されている場合に前記第2の遮断機の状態を前記禁止状態に設定し、一方、当該車両が当該内部通路に収容されていない場合に当該第2の遮断機の状態を前記許可状態に設定する第2の遮断機制御手段を備える車両用消毒装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口に設けられ、且つ、前記車両の進入を許可する旨を表す許可状態と、当該車両の進入を禁止する旨を表す禁止状態と、に状態が切り替わる信号機を備える車両用消毒装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に収容されている場合に前記信号機の状態を前記禁止状態に設定し、一方、当該車両が当該内部通路に収容されていない場合に当該信号機の状態を前記許可状態に設定する信号機制御手段を備える車両用消毒装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両の進入を検出する車両検出手段を備え、
前記消毒液噴霧手段は、前記車両の進入が検出された場合、前記消毒液の噴霧を開始するように構成された車両用消毒装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口、又は、前記出口に設けられ、且つ、前記内部通路と当該内部通路の外部とを遮断するように空気を噴射する遮断手段を備える車両用消毒装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記入口、又は、前記出口に設けられ、且つ、前記内部通路と当該内部通路の外部とを遮断する閉状態と、当該内部通路と当該内部通路の外部とを連通する開状態と、に状態が切り替わる遮断手段を備える車両用消毒装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記内部通路において前記噴霧された消毒液が撹拌されるように当該内部通路へ空気を噴射する撹拌手段を備える車両用消毒装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
上方に向けて開口し、且つ、前記車両が前記内部通路に収容されている状態において当該車両のタイヤの一部を収容する凹部が形成されたタイヤ消毒手段を備える車両用消毒装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記車両が前記内部通路に収容されている状態において、当該車両の本体、及び、当該車両のタイヤの少なくとも1つを洗浄する回転ブラシを備える車両用消毒装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の車両用消毒装置であって、
前記消毒液噴霧手段は、前記内部通路を形成する壁面に配設された噴射ノズルを含む車両用消毒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−95938(P2012−95938A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248214(P2010−248214)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(596099963)株式会社ニットー冷熱製作所 (3)
【Fターム(参考)】